JP2000269724A - 多重ループアンテナ - Google Patents
多重ループアンテナInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構造が、簡易小型で、整合回路を用いること
なく、所望の周波数の切り替えが可能なアンテナ装置を
提供する。 【解決手段】 基板の一方の面の銅箔を接地導体１、そ
の上にガラスエポキシ樹脂板からなる誘電体層２を設
け、その上面に銅箔のストリップラインからなるループ
導体３1〜３3を形成してアンテナ装置を構成した。ルー
プ導体３2は、給電ループで、一端は接地導体１に接地
され、他端は同軸線路に接続されている。ループ導体３
1の両端を接地導体１に接地し、ループ３3の両端を絶縁
端に接続すると、ループ導体３1は励振し、給電ループ
導体３2により、ループ導体３1のループ長に相当するル
ープアンテナの周波数の成分が検出される。ループ導体
３3の両端を、接地導体に接地し、ループ導体３1の両端
を、絶縁端に接続すると、ループ導体３3は励振し、給
電ループ導体３2により、ループ導体３3のループ長に相
当するループアンテナの周波数成分が検出される。
なく、所望の周波数の切り替えが可能なアンテナ装置を
提供する。 【解決手段】 基板の一方の面の銅箔を接地導体１、そ
の上にガラスエポキシ樹脂板からなる誘電体層２を設
け、その上面に銅箔のストリップラインからなるループ
導体３1〜３3を形成してアンテナ装置を構成した。ルー
プ導体３2は、給電ループで、一端は接地導体１に接地
され、他端は同軸線路に接続されている。ループ導体３
1の両端を接地導体１に接地し、ループ３3の両端を絶縁
端に接続すると、ループ導体３1は励振し、給電ループ
導体３2により、ループ導体３1のループ長に相当するル
ープアンテナの周波数の成分が検出される。ループ導体
３3の両端を、接地導体に接地し、ループ導体３1の両端
を、絶縁端に接続すると、ループ導体３3は励振し、給
電ループ導体３2により、ループ導体３3のループ長に相
当するループアンテナの周波数成分が検出される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナ装置、詳
しくは無線電話等に使用される周波数切り替えが可能な
ループアンテナ装置に関する。
しくは無線電話等に使用される周波数切り替えが可能な
ループアンテナ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、携帯電話等の移動体携帯無線端末
の普及が急速に進んでおり、さらに、近い将来には莫大
な数の無線機の利用が予想される。また、携帯電話に加
え、２０００年以降の地上波データ放送等、複数の周波
数帯を利用した情報通信サービスが予定されており、一
台の端末で複数のサービスを利用するために、小型，広
帯域、または複数の帯域で動作するアンテナが必要とさ
れている。
の普及が急速に進んでおり、さらに、近い将来には莫大
な数の無線機の利用が予想される。また、携帯電話に加
え、２０００年以降の地上波データ放送等、複数の周波
数帯を利用した情報通信サービスが予定されており、一
台の端末で複数のサービスを利用するために、小型，広
帯域、または複数の帯域で動作するアンテナが必要とさ
れている。
【０００３】現在の携帯電話等の通信端末では、各利用
周波数ごとに対応したアンテナが設けられるのが一般的
であるが、複数の周波数に対応する周波数切り替えアン
テナも報告されている。例えば、従来の周波数切り替え
式アンテナはアレーアンテナ素子を改良した例として、
各周波数帯域のパッチアンテナを、多層状に積み重ねた
構造のアンテナ（以下、「パッチ多層アンテナ」とい
う）が提案されている（「図説・アンテナ」（社）電子
情報通信学会Ｐ.２２９）。
周波数ごとに対応したアンテナが設けられるのが一般的
であるが、複数の周波数に対応する周波数切り替えアン
テナも報告されている。例えば、従来の周波数切り替え
式アンテナはアレーアンテナ素子を改良した例として、
各周波数帯域のパッチアンテナを、多層状に積み重ねた
構造のアンテナ（以下、「パッチ多層アンテナ」とい
う）が提案されている（「図説・アンテナ」（社）電子
情報通信学会Ｐ.２２９）。
【０００４】また、周波数の切り替えをアンテナの整合
回路のインダクタンス値をトランジスタ等で切り替える
構造のアンテナが提案されている（武部、東：“携帯無
線機における周波数切替式小型アンテナ”１９９７年信
学通信ソサイエティ大会Ｂ−１−５２）。これは、アン
テナエレメントに形成した給電用パターンにおいて、給
電を容量結合により行い、インダクタンス値をＰＩＮダ
イオードで切り替えることにより、共振周波数を切り替
えるものである。しかしながら、前者のパッチ多層アン
テナの構造は、複数のアンテナを積み上げる構造となっ
ており、アンテナ構造、及び給電方法が複雑になってし
まうという問題がある。また、後者の周波数の切り替え
を、アンテナの整合回路のインダクタンス値を、トラン
ジスタ等で切り替える構造のアンテナは、周波数の切り
替えに限界があり、また、整合回路系が複雑になるとい
う問題がある。
回路のインダクタンス値をトランジスタ等で切り替える
構造のアンテナが提案されている（武部、東：“携帯無
線機における周波数切替式小型アンテナ”１９９７年信
学通信ソサイエティ大会Ｂ−１−５２）。これは、アン
テナエレメントに形成した給電用パターンにおいて、給
電を容量結合により行い、インダクタンス値をＰＩＮダ
イオードで切り替えることにより、共振周波数を切り替
えるものである。しかしながら、前者のパッチ多層アン
テナの構造は、複数のアンテナを積み上げる構造となっ
ており、アンテナ構造、及び給電方法が複雑になってし
まうという問題がある。また、後者の周波数の切り替え
を、アンテナの整合回路のインダクタンス値を、トラン
ジスタ等で切り替える構造のアンテナは、周波数の切り
替えに限界があり、また、整合回路系が複雑になるとい
う問題がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のアン
テナのこのような課題を解決するためになされたもの
で、アンテナ構造、及び給電構成が、簡易で小型であ
り、また、複雑な整合回路による周波数の切り替えを行
わなくても、所望の周波数の切り替えが可能となるアン
テナ装置を提供することを目的としている。
テナのこのような課題を解決するためになされたもの
で、アンテナ構造、及び給電構成が、簡易で小型であ
り、また、複雑な整合回路による周波数の切り替えを行
わなくても、所望の周波数の切り替えが可能となるアン
テナ装置を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、接地
導体と、誘電体層と、該誘電体層を介して設けられた少
なくとも２つ以上の相似的なループ導体から成る多重ル
ープアンテナであって、前記ループ導体の１つは、給電
ループとして、それ以外のループ導体は、無給電ループ
として作動されるようにしたものである。
導体と、誘電体層と、該誘電体層を介して設けられた少
なくとも２つ以上の相似的なループ導体から成る多重ル
ープアンテナであって、前記ループ導体の１つは、給電
ループとして、それ以外のループ導体は、無給電ループ
として作動されるようにしたものである。
【０００７】請求項２の発明は、請求項１に記載の多重
ループアンテナにおいて、前記誘電体層として誘電体板
を用い、該誘電体板の一方の面に前記接地導体を設け、
前記ループ導体として、前記誘電体板の他方の面にスト
リップラインで少なくとも２つ以上の相似的なループ導
体を形成したものである。
ループアンテナにおいて、前記誘電体層として誘電体板
を用い、該誘電体板の一方の面に前記接地導体を設け、
前記ループ導体として、前記誘電体板の他方の面にスト
リップラインで少なくとも２つ以上の相似的なループ導
体を形成したものである。
【０００８】請求項３の発明は、請求項１または２に記
載の多重ループアンテナにおいて、前記少なくとも２つ
以上の相似的なループ導体の各ループ導体を、所望の励
振周波数に対応した１波長方形ループ導体としたもので
ある。
載の多重ループアンテナにおいて、前記少なくとも２つ
以上の相似的なループ導体の各ループ導体を、所望の励
振周波数に対応した１波長方形ループ導体としたもので
ある。
【０００９】請求項４の発明は、請求項１乃至３のいず
れか一項に記載の多重ループアンテナにおいて、前記給
電ループとして作動されるループ導体の一端を、前記接
地導体に接地し、他端を同軸線路等の給電線に接続し、
かつ、前記無給電ループとして作動されるループ導体に
ついては、その両端を前記接地導体に接地したものであ
る。
れか一項に記載の多重ループアンテナにおいて、前記給
電ループとして作動されるループ導体の一端を、前記接
地導体に接地し、他端を同軸線路等の給電線に接続し、
かつ、前記無給電ループとして作動されるループ導体に
ついては、その両端を前記接地導体に接地したものであ
る。
【００１０】請求項５の発明は、請求項１乃至４のいず
れか一項に記載の多重ループアンテナにおいて、前記無
給電ループとして作動されるループ導体に励振した信号
を、それと隣接して設けられた前記給電ループとして作
動されるループ導体により検出するようにしたものであ
る。
れか一項に記載の多重ループアンテナにおいて、前記無
給電ループとして作動されるループ導体に励振した信号
を、それと隣接して設けられた前記給電ループとして作
動されるループ導体により検出するようにしたものであ
る。
【００１１】請求項６の発明は、請求項１乃至３のいず
れか一項に記載の多重ループアンテナにおいて、前記少
なくとも２つ以上の相似的なループ導体の各ループ導体
の一端を、前記接地導体に接地し、他端をスイッチ等に
より前記同軸線路等の給電線、または、絶縁端に切り替
えることにより、給電ループ，無給電ループを変更し、
アンテナ励振周波数を切り替えるようにしたものであ
る。
れか一項に記載の多重ループアンテナにおいて、前記少
なくとも２つ以上の相似的なループ導体の各ループ導体
の一端を、前記接地導体に接地し、他端をスイッチ等に
より前記同軸線路等の給電線、または、絶縁端に切り替
えることにより、給電ループ，無給電ループを変更し、
アンテナ励振周波数を切り替えるようにしたものであ
る。
【００１２】請求項７の発明は、請求項６に記載の多重
ループアンテナにおいて、中央に前記給電ループとして
作動されるループ導体、その内側と外側に前記無給電ル
ープとして作動されるループ導体が配置されてなるアン
テナであって、前記内側ループ導体の周波数を読み出す
ときは、前記内側ループ導体の両端を前記接地導体に接
地し、前記外側ループ導体の両端は絶縁端に接続し、ま
た、前記外側ループ導体の周波数を読み出すときは、前
記外側ループ導体の両端を前記接地導体に接地し、前記
内側ループ導体の両端は絶縁端に接続することで周波数
の切り替えを行うようにしたものである。
ループアンテナにおいて、中央に前記給電ループとして
作動されるループ導体、その内側と外側に前記無給電ル
ープとして作動されるループ導体が配置されてなるアン
テナであって、前記内側ループ導体の周波数を読み出す
ときは、前記内側ループ導体の両端を前記接地導体に接
地し、前記外側ループ導体の両端は絶縁端に接続し、ま
た、前記外側ループ導体の周波数を読み出すときは、前
記外側ループ導体の両端を前記接地導体に接地し、前記
内側ループ導体の両端は絶縁端に接続することで周波数
の切り替えを行うようにしたものである。
【００１３】請求項８の発明は、請求項６に記載の多重
ループアンテナにおいて、２つのループ導体を用い、そ
れぞれのループ導体の一端を前記接地導体に接地し、読
み出したい周波数のループ導体の他端を、前記接地導体
に接続し、もう一方のループ導体の他端を、前記同軸線
路等の給電線路に接続することで周波数の切り替えを行
うようにしたものである。
ループアンテナにおいて、２つのループ導体を用い、そ
れぞれのループ導体の一端を前記接地導体に接地し、読
み出したい周波数のループ導体の他端を、前記接地導体
に接続し、もう一方のループ導体の他端を、前記同軸線
路等の給電線路に接続することで周波数の切り替えを行
うようにしたものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】本発明の多重ループアンテナは、
板状の接地導体上に誘電体層を設け、その上面にアンテ
ナループ構造が順次形成されて構成される。本発明に使
用する接地導体としては、特に限定されるものはない
が、導電性が高い銅等の導体が望ましい。また、誘電体
層に使用する誘電体材料としては、ガラスエポキシ樹
脂，テフロン（登録商標），アルミナ等の高周波領域で
の誘電損失が小さいものが望ましい。そして、アンテナ
ループに使用する材料としては、高周波領域での導体損
が小さく、加工しやすい銅等の導電性材料が望ましい。
以下に、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づい
て説明する。
板状の接地導体上に誘電体層を設け、その上面にアンテ
ナループ構造が順次形成されて構成される。本発明に使
用する接地導体としては、特に限定されるものはない
が、導電性が高い銅等の導体が望ましい。また、誘電体
層に使用する誘電体材料としては、ガラスエポキシ樹
脂，テフロン（登録商標），アルミナ等の高周波領域で
の誘電損失が小さいものが望ましい。そして、アンテナ
ループに使用する材料としては、高周波領域での導体損
が小さく、加工しやすい銅等の導電性材料が望ましい。
以下に、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づい
て説明する。
【００１５】（実施の形態１）図１は、本発明に係る多
重ループアンテナの一実施例の斜視図である。ここで
は、板状のガラスエポキシ樹脂の両面に銅箔を被覆した
基板を用いて、基板の一方の面の銅箔を接地導体とし、
もう一方の面の銅箔をストリップラインのループアンテ
ナに加工して、アンテナ装置を作製した。基板の一方の
面の銅箔が接地導体１、その上にガラスエポキシ樹脂板
からなる誘電体層２，その上面に銅箔のストリップライ
ンからなるループ導体３1〜３3が順次形成されている。
使用したガラスエポキシ樹脂板の厚さは１.６ｍｍで、
ストリップラインのループアンテナの線幅は、ここでは
すべて１.５ｍｍとした。
重ループアンテナの一実施例の斜視図である。ここで
は、板状のガラスエポキシ樹脂の両面に銅箔を被覆した
基板を用いて、基板の一方の面の銅箔を接地導体とし、
もう一方の面の銅箔をストリップラインのループアンテ
ナに加工して、アンテナ装置を作製した。基板の一方の
面の銅箔が接地導体１、その上にガラスエポキシ樹脂板
からなる誘電体層２，その上面に銅箔のストリップライ
ンからなるループ導体３1〜３3が順次形成されている。
使用したガラスエポキシ樹脂板の厚さは１.６ｍｍで、
ストリップラインのループアンテナの線幅は、ここでは
すべて１.５ｍｍとした。
【００１６】図２は、図１の多重ループアンテナのルー
プ構成を説明するための図である。ここで、アンテナル
ープの全長Ｌは、アンテナの送受信電波の実行波長λｇ
で規定され、アンテナの送受信電波の実行波長λｇは、
真空中あるいは空気中を伝搬する電波の波長をλ、スト
リップラインとしての実効誘電率をεｅｆｆとすると、
次式 λｇ＝λ／√εｅｆｆ で表される。このとき、ループ全長Ｌ＝λｇとすると、
ループ導体３1は、周波数＝５５０ＭＨｚに相当するル
ープアンテナである。ループ導体３2は、周波数＝６０
８ＭＨｚに相当するループアンテナである。ループ導体
３3は、周波数＝６８０ＭＨｚに相当するループアンテ
ナである。
プ構成を説明するための図である。ここで、アンテナル
ープの全長Ｌは、アンテナの送受信電波の実行波長λｇ
で規定され、アンテナの送受信電波の実行波長λｇは、
真空中あるいは空気中を伝搬する電波の波長をλ、スト
リップラインとしての実効誘電率をεｅｆｆとすると、
次式 λｇ＝λ／√εｅｆｆ で表される。このとき、ループ全長Ｌ＝λｇとすると、
ループ導体３1は、周波数＝５５０ＭＨｚに相当するル
ープアンテナである。ループ導体３2は、周波数＝６０
８ＭＨｚに相当するループアンテナである。ループ導体
３3は、周波数＝６８０ＭＨｚに相当するループアンテ
ナである。
【００１７】ループ導体３2は、給電ループで、一端は
接地導体１に接地され、他端は同軸線路に接続されてい
る。ループ導体３1と、ループ導体３3には、図２（Ｂ）
に示すように、それぞれ２個所の切り替え用のスイッチ
が設けられている。まず、ループ導体３1の読み出し方
法を、図面を参照して説明する。図２（Ａ）に示すよう
に、ループ導体３1の両端を、接地導体１に接地し、ル
ープ導体３3の両端を、絶縁端に接続する。ループ導体
３1のループ端の切り替えスイッチの接続状態図を、図
２（Ｃ）に、ループ導体３3のループ端の切り替えスイ
ッチの接続状態図を、図２（Ｄ）にそれぞれ示す。この
とき、ループ導体３ 1は励振し、隣接した給電ループ導
体３2により、上記したループ導体３1のループ長に相当
するループアンテナの周波数の成分が検出される。この
アンテナ装置のリターンロス（ＲＬ）特性と，定在波比
特性（ＳＷＲ）を、図３（Ａ）に示す。
接地導体１に接地され、他端は同軸線路に接続されてい
る。ループ導体３1と、ループ導体３3には、図２（Ｂ）
に示すように、それぞれ２個所の切り替え用のスイッチ
が設けられている。まず、ループ導体３1の読み出し方
法を、図面を参照して説明する。図２（Ａ）に示すよう
に、ループ導体３1の両端を、接地導体１に接地し、ル
ープ導体３3の両端を、絶縁端に接続する。ループ導体
３1のループ端の切り替えスイッチの接続状態図を、図
２（Ｃ）に、ループ導体３3のループ端の切り替えスイ
ッチの接続状態図を、図２（Ｄ）にそれぞれ示す。この
とき、ループ導体３ 1は励振し、隣接した給電ループ導
体３2により、上記したループ導体３1のループ長に相当
するループアンテナの周波数の成分が検出される。この
アンテナ装置のリターンロス（ＲＬ）特性と，定在波比
特性（ＳＷＲ）を、図３（Ａ）に示す。
【００１８】図３（Ａ）によれば、５５０ＭＨｚ付近で
共振し、定在波比（ＳＷＲ）の値も良好であることがわ
かる。また、２７５ＭＨｚ付近で、アンテナ全長Ｌ＝２
λｇに相当する周波数で共振しているため、２７５ＭＨ
ｚ付近の周波数も検出されている。
共振し、定在波比（ＳＷＲ）の値も良好であることがわ
かる。また、２７５ＭＨｚ付近で、アンテナ全長Ｌ＝２
λｇに相当する周波数で共振しているため、２７５ＭＨ
ｚ付近の周波数も検出されている。
【００１９】次に、比較例として、図２（Ｆ）に示すよ
うに、ループ導体３1の一端を、接地導体に接地し、他
端を絶縁端に接続し、ループ導体３3の両端を、絶縁端
に接続して同様に計測した。このとき、ループ導体３1
は、励振せず、隣接したループ導体３2により、ループ
導体３1のループ長に相当するループアンテナに相当す
る周波数成分は検出されなかった。
うに、ループ導体３1の一端を、接地導体に接地し、他
端を絶縁端に接続し、ループ導体３3の両端を、絶縁端
に接続して同様に計測した。このとき、ループ導体３1
は、励振せず、隣接したループ導体３2により、ループ
導体３1のループ長に相当するループアンテナに相当す
る周波数成分は検出されなかった。
【００２０】次に、ループ導体３3の読み出し方法を、
図面を参照して説明する。図２（Ｅ）に示すように、ル
ープ導体３3の両端を、接地導体に接地し、ループ導体
３1の両端を、絶縁端に接続する。ループ導体３1のルー
プ端の切り替えスイッチの接続状態図を、図２（Ｄ）
に、ループ導体３3のループ端の切り替えスイッチの接
続状態図を、図２（Ｃ）に示す。このとき、ループ導体
３は励振し、隣接した給電ループ導体３2により、ルー
プ導体３3の上記したループ長に相当するループアンテ
ナの周波数成分が検出される。この場合の、アンテナ装
置のリターンロス（ＲＬ）特性，定在波比（ＳＷＲ）特
性を、図３（Ｂ）に示す。図３（Ｂ）によれば、６８０
ＭＨｚ付近で共振し、定在波比（ＳＷＲ）の値も良好で
あることがわかる。ここでも、同様にアンテナ全長Ｌ＝
２λｇで共振が起こっているため、３４０ＭＨｚ付近の
周波数も検出されている。
図面を参照して説明する。図２（Ｅ）に示すように、ル
ープ導体３3の両端を、接地導体に接地し、ループ導体
３1の両端を、絶縁端に接続する。ループ導体３1のルー
プ端の切り替えスイッチの接続状態図を、図２（Ｄ）
に、ループ導体３3のループ端の切り替えスイッチの接
続状態図を、図２（Ｃ）に示す。このとき、ループ導体
３は励振し、隣接した給電ループ導体３2により、ルー
プ導体３3の上記したループ長に相当するループアンテ
ナの周波数成分が検出される。この場合の、アンテナ装
置のリターンロス（ＲＬ）特性，定在波比（ＳＷＲ）特
性を、図３（Ｂ）に示す。図３（Ｂ）によれば、６８０
ＭＨｚ付近で共振し、定在波比（ＳＷＲ）の値も良好で
あることがわかる。ここでも、同様にアンテナ全長Ｌ＝
２λｇで共振が起こっているため、３４０ＭＨｚ付近の
周波数も検出されている。
【００２１】（実施の形態２）図４は、本発明の多重ル
ープアンテナの他の実施例を示す斜視図である。この実
施例のアンテナも、板状のガラスエポキシ樹脂の両面に
銅箔を被覆した基板を用いて、基板の一方の面の銅箔を
接地導体とし、もう一方の面の銅箔をストリップライン
のループアンテナに加工して作製した。基板の一方の面
の銅箔が接地導体１、その上にガラスエポキシ樹脂板か
らなる誘電体層２，その上面に銅箔のストリップライン
からなるループ導体構造３1，３2が順次形成されてい
る。前記実施例と同様、使用したガラスエポキシ樹脂板
の厚さは１.６ｍｍである。また、ストリップラインの
ループ導体アンテナの線幅は、ここではすべて１.５ｍ
ｍである。
ープアンテナの他の実施例を示す斜視図である。この実
施例のアンテナも、板状のガラスエポキシ樹脂の両面に
銅箔を被覆した基板を用いて、基板の一方の面の銅箔を
接地導体とし、もう一方の面の銅箔をストリップライン
のループアンテナに加工して作製した。基板の一方の面
の銅箔が接地導体１、その上にガラスエポキシ樹脂板か
らなる誘電体層２，その上面に銅箔のストリップライン
からなるループ導体構造３1，３2が順次形成されてい
る。前記実施例と同様、使用したガラスエポキシ樹脂板
の厚さは１.６ｍｍである。また、ストリップラインの
ループ導体アンテナの線幅は、ここではすべて１.５ｍ
ｍである。
【００２２】図５は、図４の多重ループアンテナのルー
プ構造を説明するための図である。ここでも、アンテナ
ループ全長Ｌはλｇで規定され、 λｇ＝λ／√εｅｆｆ （εｅｆｆ：ストリップラインとしての実効誘電率）で
表される。このとき、ループ全長Ｌ＝λｇとすると、ル
ープ導体３1は、周波数＝６０８ＭＨｚに相当するルー
プアンテナである。ループ導体３2は、周波数＝７４０
ＭＨｚに相当するループアンテナである。
プ構造を説明するための図である。ここでも、アンテナ
ループ全長Ｌはλｇで規定され、 λｇ＝λ／√εｅｆｆ （εｅｆｆ：ストリップラインとしての実効誘電率）で
表される。このとき、ループ全長Ｌ＝λｇとすると、ル
ープ導体３1は、周波数＝６０８ＭＨｚに相当するルー
プアンテナである。ループ導体３2は、周波数＝７４０
ＭＨｚに相当するループアンテナである。
【００２３】また、二つのループ導体３1，３2ともそれ
ぞれ、一方のループ端は接地導体に接地されており、も
う一方のループ端の接続方法の違いにより、二つの周波
数の切り替えを行うものである。両ループ導体３1，３2
には、図５（Ｂ）に示すように、ループ導体のもう一方
の端部には、接地側と、給電線路側に切り替える１個の
切り替え用のスイッチが設けられている。
ぞれ、一方のループ端は接地導体に接地されており、も
う一方のループ端の接続方法の違いにより、二つの周波
数の切り替えを行うものである。両ループ導体３1，３2
には、図５（Ｂ）に示すように、ループ導体のもう一方
の端部には、接地側と、給電線路側に切り替える１個の
切り替え用のスイッチが設けられている。
【００２４】まず、ループ導体３1の読み出し方法を、
図面に従って説明する。図５（Ａ）に示すように、ルー
プ導体３1の両端を接地導体に接地し、ループ導体３2の
一端を給電線路に接続する。このとき、ループ導体３1
は励振し、隣接した給電ループ導体３2により、ループ
導体３1のループ長に相当するループアンテナの周波数
成分が検出される。このアンテナ装置のリターンロス
（ＲＬ）特性，定在波比（ＳＷＲ）特性を、図６（Ａ）
に示す。
図面に従って説明する。図５（Ａ）に示すように、ルー
プ導体３1の両端を接地導体に接地し、ループ導体３2の
一端を給電線路に接続する。このとき、ループ導体３1
は励振し、隣接した給電ループ導体３2により、ループ
導体３1のループ長に相当するループアンテナの周波数
成分が検出される。このアンテナ装置のリターンロス
（ＲＬ）特性，定在波比（ＳＷＲ）特性を、図６（Ａ）
に示す。
【００２５】６０８ＭＨｚ付近で共振し、定在波比（Ｓ
ＷＲ）の値も良好であることがわかる。また、この特性
では３００ＭＨｚ付近で、アンテナ全長Ｌ＝２λｇで共
振が起こっているため、３００ＭＨｚ付近の周波数も検
出されていることがわかる。
ＷＲ）の値も良好であることがわかる。また、この特性
では３００ＭＨｚ付近で、アンテナ全長Ｌ＝２λｇで共
振が起こっているため、３００ＭＨｚ付近の周波数も検
出されていることがわかる。
【００２６】次に、ループ導体３2の読み出し方法を図
に従って説明する。図５（Ｃ）に示すように、ループ導
体３2の両端を接地導体１に接地し、ループ導体３1の一
端を給電線路に接続する。このとき、ループ導体３2は
励振し、隣接した給電ループ導体３1により、ループ導
体３2のループ長に相当するアンテナの周波数成分が検
出される。このアンテナ装置のリターンロス（ＲＬ）特
性，定在波比（ＳＷＲ）特性を、図６（Ｂ）に示す。
に従って説明する。図５（Ｃ）に示すように、ループ導
体３2の両端を接地導体１に接地し、ループ導体３1の一
端を給電線路に接続する。このとき、ループ導体３2は
励振し、隣接した給電ループ導体３1により、ループ導
体３2のループ長に相当するアンテナの周波数成分が検
出される。このアンテナ装置のリターンロス（ＲＬ）特
性，定在波比（ＳＷＲ）特性を、図６（Ｂ）に示す。
【００２７】７４０ＭＨｚ付近で共振し、定在波比（Ｓ
ＷＲ）の値も良好であることがわかる。ここでも、同様
にアンテナ全長Ｌ＝２λｇで共振が起こっているため、
３７０ＭＨｚ付近の周波数も検出されていることがわか
る。
ＷＲ）の値も良好であることがわかる。ここでも、同様
にアンテナ全長Ｌ＝２λｇで共振が起こっているため、
３７０ＭＨｚ付近の周波数も検出されていることがわか
る。
【００２８】
【発明の効果】以上のように、本発明の多重ループアン
テナによれば、給電ループ導体と無給電ループ導体が隣
接してなる簡易な構成であり、周波数を切り替える従来
の周波数切り替え式アンテナに比べ、複雑な整合回路は
不要で、アンテナの小型化が実現できる。
テナによれば、給電ループ導体と無給電ループ導体が隣
接してなる簡易な構成であり、周波数を切り替える従来
の周波数切り替え式アンテナに比べ、複雑な整合回路は
不要で、アンテナの小型化が実現できる。
【図１】本発明の多重ループアンテナの一実施例を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図２】図１の多重ループアンテナのループ導体構成を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図３】図１の多重ループアンテナのリターンロス（Ｒ
Ｌ）特性と、定在波比（ＳＷＲ）特性を示す図である。
Ｌ）特性と、定在波比（ＳＷＲ）特性を示す図である。
【図４】本発明の多重ループアンテナの他の実施例を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図５】図４の多重ループアンテナのループ導体構成を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図６】図４の多重ループアンテナのリターンロス（Ｒ
Ｌ）特性と、定在波比（ＳＷＲ）特性を示すグラフであ
る。
Ｌ）特性と、定在波比（ＳＷＲ）特性を示すグラフであ
る。
１…接地導体、２…誘電体層、３1〜３3…ループ導体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 昇 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Ｆターム(参考） 5J046 AA01 AA07 AA12 AB11 PA07
Claims (8)
- 【請求項１】 接地導体と、誘電体層と、該誘電体層を
介して設けられた少なくとも２つ以上の相似的なループ
導体から成る多重ループアンテナであって、前記ループ
導体の１つは、給電ループとして、それ以外のループ導
体は、無給電ループとして作動されることを特徴とする
多重ループアンテナ。 - 【請求項２】 前記誘電体層として誘電体板を用い、該
誘電体板の一方の面に前記接地導体を設け、前記ループ
導体として、前記誘電体板の他方の面にストリップライ
ンで少なくとも２つ以上の相似的なループ導体を形成し
たことを特徴とする請求項１に記載の多重ループアンテ
ナ。 - 【請求項３】 前記少なくとも２つ以上の相似的なルー
プ導体の各ループ導体は、所望の励振周波数に対応した
１波長方形ループ導体であることを特徴とする請求項１
または２に記載の多重ループアンテナ。 - 【請求項４】 前記給電ループとして作動されるループ
導体の一端は、前記接地導体に接地され、他端は同軸線
路等の給電線に接続され、かつ、前記無給電ループとし
て作動されるループ導体は、その両端が前記接地導体に
接地されていることを特徴とする請求項１乃至３のいず
れか一項に記載の多重ループアンテナ。 - 【請求項５】 前記無給電ループとして作動されるルー
プ導体に励振した信号を、それと隣接して設けられた前
記給電ループとして作動されるループ導体により検出す
ることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項に記
載の多重ループアンテナ。 - 【請求項６】 前記少なくとも２つ以上の相似的なルー
プ導体の各ループ導体の一端を、前記接地導体に接地
し、他端をスイッチ等により前記同軸線路等の給電線、
または、絶縁端に切り替えることにより、給電ループ，
無給電ループを変更し、アンテナ励振周波数を切り替え
ることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記
載の多重ループアンテナ。 - 【請求項７】 中央に前記給電ループとして作動される
ループ導体、その内側と外側に前記無給電ループとして
作動されるループ導体が配置されてなるアンテナであっ
て、前記内側ループ導体の周波数を読み出すときは、前
記内側ループ導体の両端を前記接地導体に接地し、前記
外側ループ導体の両端は絶縁端に接続し、また、前記外
側ループ導体の周波数を読み出すときは、前記外側ルー
プ導体の両端を前記接地導体に接地し、前記内側ループ
導体の両端は絶縁端に接続することで周波数の切り替え
を行う３つのループ導体からなることを特徴とする請求
項６に記載の多重ループアンテナ。 - 【請求項８】 ２つのループ導体からなる多重ループア
ンテナであって、それぞれのループ導体の一端を前記接
地導体に接地し、読み出したい周波数のループ導体の他
端を前記接地導体に接続し、もう一方のループ導体の他
端を前記同軸線路等の給電線路に接続することで、周波
数の切り替えを行う請求項６に記載の多重ループアンテ
ナ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11068093A JP2000269724A (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 多重ループアンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11068093A JP2000269724A (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 多重ループアンテナ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000269724A true JP2000269724A (ja) | 2000-09-29 |
Family
ID=13363790
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11068093A Pending JP2000269724A (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 多重ループアンテナ |
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| Country | Link |
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| JP (1) | JP2000269724A (ja) |
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-
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- 1999-03-15 JP JP11068093A patent/JP2000269724A/ja active Pending
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