JP2000266162A - デファレンシャル - Google Patents

デファレンシャル

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JP2000266162A
JP2000266162A JP6874899A JP6874899A JP2000266162A JP 2000266162 A JP2000266162 A JP 2000266162A JP 6874899 A JP6874899 A JP 6874899A JP 6874899 A JP6874899 A JP 6874899A JP 2000266162 A JP2000266162 A JP 2000266162A
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JP6874899A
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English (en)
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Noboru Ashikawa
昇 芦川
Kunihiro Osawa
国弘 大澤
Yoshifumi Ikoma
好文 生駒
Kazunari Kawasaki
一成 川崎
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Yanagawa Seiki Co Ltd
Original Assignee
Yanagawa Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産効率に優れ、かつ、高精度で軽量のデフ
ァレンシャルを提供すること。 【解決手段】 デフケース30は、車輪駆動軸が挿通可
能な車軸貫通孔39Lを内側に備えたジャーナル部38
Lを具備する第1ケース体31と他方の車輪駆動軸が挿
通可能な車軸貫通孔39Rを内側に備えたジャーナル部
39Rを具備する第2ケース体32とにより分割形成さ
れるとともに、第1ケース体31および第2ケース体3
2の各々は、鍛造品を素材として形成され、かつ、第1
ケース体31および第2ケース体32の少なくとも一方
にはリングギア50,65が鍛造により一体形成されて
いることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンやモータ
などの原動機の駆動力を車輪駆動軸に伝達するのに好適
なデファレンシャルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車等においては、エンジ
ンの駆動力をトランスミッション(変速機)に入力して
エンジンの駆動力を制御し、この制御されたエンジンの
駆動力をトランスミッションの出力軸から必要に応じて
プロペラシャフト(推進軸)を介してデフと称されるデ
ファレンシャル(差動装置)に入力し、このデファレン
シャルによりエンジンの駆動力を車輪駆動軸に伝達する
ようにした駆動力伝達装置が用いられている。
【0003】図4は、このような従来からある駆動力伝
達装置に用いられるデファレンシャル1の一例を示すも
のであり、デファレンシャル1は、トランスミッション
2のミッションケース3の内部に回転自在に支持された
デフケース4を有している。そして、デフケース4の内
部には、それぞれ1対のピニオン5およびサイドギア6
からなるデファレンシャルギア7が配設されている。こ
の各ピニオン5は、デフケース4の内部に高精度に位置
決め配設されたピニオンシャフト8に装着されるように
なっている。さらに、デファレンシャルギア7のサイド
ギア6には、デフケース4の回転軸心RLと軸心が一致
するようにして設けられた略円筒形状の1対の車軸貫通
孔9,9を挿通するようにして配設される図4に想像線
にて示す1対の車輪駆動軸10,10、例えば前車輪駆
動軸の一端が取着されるようになっている。
【0004】また、デフケース4の図4右方に示す外周
部には、個別に形成された環状のリングギア11がその
軸心をデフケース4の回転軸心RLと一致するようにし
てボルト12あるいは図示しないリベットなどにより伝
達トルクに耐え得るように結合されており、リングギア
11の外周面には、トランスミッション2の出力軸13
に取着されたドライブギア14に噛合する歯部15が形
成されている。
【0005】さらにまた、デフケース4の各車軸貫通孔
9,9の形成部位の外周面には、1対のジャーナル部1
6,16が形成されており、これらジャーナル部16,
16は、その外周面にそれぞれ配設された軸受17を介
してミッションケース3の内部に回転自在に支持されて
いる。
【0006】すなわち、図示しないエンジンの駆動力
は、トランスミッション2の出力軸13からデファレン
シャル1のリングギア11に入力され、これによりリン
グギア11とデフケース4とが回転軸心RLを中心とし
て一体回転し、デフケース4の内部に配設されたデファ
レンシャルギア7を介して車輪駆動軸10,10を駆動
するようになっている。
【0007】また、デフケース4の図4左方に示す外周
部には、個別に形成された環状のスピードメータギア1
8がその軸心をデフケース4の回転軸心RLと一致する
ようにして固着されており、スピードメータギア18の
外周面には、スピードメータ(図示せず)を駆動する駆
動ギア19に噛合する歯部20が形成されている。
【0008】前記デフケース4は、内部にデファレンシ
ャルギア7が装着され、また、車軸貫通孔9,9には車
輪駆動軸10,10が挿通され、互いに回転運動する部
位であるために、潤滑性に優れた鋳鉄系の金属素材、例
えば球状黒鉛鋳鉄(FCD45〜55:JIS G 5
502)を砂型鋳造することにより形成した鋳造品を素
材とし、その後、鋳造品に焼ならし等の熱処理を施した
後に機械加工による高精度の仕上げ加工を施すことによ
り形成されている。
【0009】前記リングギア11は、トランスミッショ
ン2の出力軸13から入力される図示しない原動機とし
てのエンジンの駆動力をデフケース4に伝達するように
外周面に歯部15が創生されており、原動機の駆動力に
耐え得る鋼系の金属素材、例えば浸炭鋼(SCM42
0:JIS G 4105)等を鍛造することにより形
成した鍛造品を素材とし、その後、鍛造品に歯切り加工
等の機械加工を施した後に、少なくとも歯部15に硬化
処理を施し、その後、歯部15の歯面の研削などの仕上
げ加工を施すことにより形成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のデファレンシャル1においては、デフケース4
が鋳造品を素材とし、この鋳造品に焼ならし等の熱処理
を施した後に機械加工による高精度の仕上げ加工を施す
ことにより形成されているため、デフケース4の内部に
形成するデファレンシャルギア7の装着部の加工、およ
び、デフケース4の内部へのデファレンシャルギア7の
組み立ての両者に多大な労力と時間とを必要とし、生産
効率に劣り、経済的負担が大きいという問題点があっ
た。
【0011】また、近年の自動車などにおいては、高性
能化、省エネルギ化が求められており、この高性能化、
省エネルギ化を図るために自動車の軽量化が図られてい
る。そして、自動車の軽量化、省エネルギ化を図るうえ
でデファレンシャル1の軽量化が求められており、デフ
ァレンシャル1の軽量化を図るためにデフケース4の軽
量化が求められているが、従来のデファレンシャル1に
おいては、デフケース4が鋳造品を素材として形成され
ているため、デフケース4の肉厚を薄くして軽量化を図
ろうとすると、剛性が不足して、耐久性に劣り、寿命が
短く長期間に亘り安定した機能を保持することができな
いという問題点があった。
【0012】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、生産効率に優れ、かつ、高精度で軽量のデファ
レンシャルを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明のデファ
レンシャルの特徴は、トランスミッションの出力軸から
リングギアに入力された原動機の駆動力を、デフケース
の内部に配設されリングギアと一体回転するデファレン
シャルギアを介して車輪駆動軸に伝達するデファレンシ
ャルにおいて、前記デフケースは、車輪駆動軸が挿通可
能な車軸貫通孔を内側に備えたジャーナル部を具備する
第1ケース体と他方の車輪駆動軸が挿通可能な車軸貫通
孔を内側に備えたジャーナル部を具備する第2ケース体
とにより分割形成されるとともに、前記第1ケース体お
よび前記第2ケース体の各々は、鍛造品を素材として形
成され、かつ、前記第1ケース体および第2ケース体の
少なくとも一方には前記リングギアが鍛造により一体形
成されている点にある。そして、このような構成を採用
したことにより、第1ケース体および第2ケース体に分
割形成されたデフケースは、デフケースの内部に、デフ
ァレンシャルギアの組み立てを確実に行う内部空間を容
易に形成することができ、その結果、デフケースの内部
にデファレンシャルギアを単に挿入することで容易に組
み立てることができ、組立性を確実に向上させることが
できる。さらに、第1ケース体および第2ケース体の少
なくとも一方に鍛造により一体形成されたリングギア
は、リングギアの歯部をデフケースの回転軸心を基準に
して容易に形成することができ、その結果、高精度のリ
ングギアを容易に得ることができる。さらにまた、鍛造
品を素材として形成された第1ケース体および第2ケー
ス体は、鋳造品を素材とした場合に比べて素材自身の機
械的強度を向上させることができるとともに、鍛造加工
により結晶粒が微細化されて組織が均等にされるので機
械的強度をより向上させることができるので、デフケー
スの肉厚の薄肉化を容易に図ることができるとともに、
デフケースの肉厚の薄肉化を図った場合においても長期
間に亘り安定した機能を確実に保持することができ、そ
の結果、デフケースの軽量化を容易に図ることができ
る。またさらに、鍛造品を素材として形成された第1ケ
ース体および第2ケース体は、素材としての鍛造品その
ものが容易に高精度なものとされるので、鍛造品へ施す
後加工を容易に低減することができる。
【0014】また、特許請求の範囲の請求項2に記載の
本発明のデファレンシャルの特徴は、請求項1におい
て、前記デフケースにスピードメータギアを鍛造により
一体形成した点にある。そして、このような構成を採用
したことにより、デフケースに鍛造により一体形成され
たスピードメータギアは、スピードメータギアの歯部を
デフケースの回転軸心を基準にして容易に形成すること
ができ、その結果、高精度のスピードメータギアを容易
に得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態により説明する。
【0016】図1から図3は本発明に係るデファレンシ
ャルの実施形態の一例を示すものであり、図1は正面図
であり、図2は図1の縦断面図であり、図3は図2の3
−3線に沿った側断面図である。
【0017】本実施形態は、本発明に係るデファレンシ
ャルを四輪駆動のトランスミッションに用いたものであ
る。
【0018】図1に示すように、本実施形態のデファレ
ンシャル25は、トランスミッションのミッションケー
ス(共に図示せず)の内部に回転自在に支持されるデフ
ケース30を有している。このデフケース30は、図2
に示すように、図2左方に示す第1ケース体31と、図
2右方に示す第2ケース体32とに2分割形成されてい
る。
【0019】前記第1ケース体31および第2ケース体
32は、それぞれ浸炭鋼(SCM420:JIS G
4105)等からなる素材を鍛造して鍛造品を形成し、
その後鍛造品に機械加工を施し、その後調質を施すこと
により形成されている。
【0020】前記第1ケース体31は、図2に詳示する
ように、図2左方に位置する環状の小径部35と、この
小径部35の図2右方に接続するようにして同軸状に形
成された中径部36と、この中径部36の図2右方に接
続するようにして同軸状に形成された大径部37とによ
り全体としてほぼ3段の段付き筒状に形成されている。
そして、第1ケース体31の図2左方に示す小径部35
の外周面には、軸受を介してトランスミッションのミッ
ションケース(共に図示せず)にデフケース30を回転
自在に支持するための1対のジャーナル部38L,38
Rのうちの一方のジャーナル部38Lが形成されてい
る。この一方のジャーナル部38Lの内側には、従来と
同様に例えば図示しない車輪駆動軸の一方(左車輪駆動
軸)が挿通可能な軸方向に貫通する車軸貫通孔39Lが
形成されており、この車軸貫通孔39Lの軸心は、デフ
ケース30の回転軸心RLと一致するように形成されて
いる。
【0021】前記第1ケース体31の中径部36および
大径部37の内側には、図3に示す4つのピニオン40
および図2に示す2つのサイドギア41からなるデファ
レンシャルギア42のうちの4つのピニオン40と図2
に左方に示す1つのサイドギア41を内部に装着可能な
ギア装着孔43が形成されている。このギア装着孔43
は、本実施形態においてはデフケース30の回転軸心R
Lを中心とした球状とされている。そして、図3に示す
ように、ギア装着孔43の内周面の図2および図3にお
いて上下に示す上下方向両内周面、および、図3におい
て左右に示す左右方向両内周面には、それぞれギア装着
孔43の軸方向(図2左右方向)に延在しギア装着孔4
3の他端に開口する上下左右それぞれ1対の4つのシャ
フト装着溝44が上下方向および左右方向においてそれ
ぞれ対向するようにして形成されている。また、図3に
示すように、各シャフト装着溝44の対向する1対の内
側面44Aは相互にほぼ平行に形成されている。
【0022】前記4つのピニオン40は、図3に示すよ
うに、十文字状に形成されたピニオンシャフト45の4
つの腕45aの先端部よりやや中央寄りにそれぞれ装着
されており、ピニオンシャフト45の各腕45aの外周
面の先端部には相互にほぼ平行な2つの平行面からなる
取着部46がそれぞれ形成されている。そして、ピニオ
ンシャフト45の各腕45aの取着部46が前記シャフ
ト装着溝44にギア装着孔43の図2右方に示す他端た
る開口側から挿入されるようになっている。つまり、前
記シャフト装着溝44は前記大径部37の図2右方に示
す他端に連通するように形成されており、ピニオンシャ
フト45の各腕45aの2つの平行面からなる取着部4
6をシャフト装着溝44の内側面44Aに対向するよう
にしてギア装着孔43の図2右方に示す他端たる開口側
から挿入することにより、ピニオンシャフト45の中心
をギア装着孔43の軸方向のほぼ中央部にデフケース3
0の回転軸心RLとほぼ一致するようにして配設するこ
とができるようになっている。
【0023】また、ピニオンシャフト45の各腕45a
の2つの平行面からなる取着部46をシャフト装着溝4
4の内側面44A,44Aと対向するようにして挿入す
ることにより、ピニオンシャフト45がその軸心を中心
として回転するのを防止することができるようにされて
いる。このシャフト装着溝44の2つの内側面44Aが
対向する図3左右方向に示す幅寸法は、ピニオンシャフ
ト45の各腕45aの2つの平行面からなる取着部46
の間隔より若干大きく形成されており、その結果、ピニ
オンシャフト45はフリー状態でデフケース30の内部
に配設されている。
【0024】さらに、ギア装着孔43の内部の図2左方
に示す一端たる底部側には、前記ピニオンシャフト45
の各腕45aに装着された4つのピニオン40にそれぞ
れ噛合する1対のサイドギア41のうちの一方がその軸
心をデフケース30の回転軸心RLとほぼ一致するよう
にして配設されるようになっている。
【0025】前記第1ケース体31の大径部37の外周
面には、径方向外側に向けて延出された一方のリングギ
ア50が鍛造により一体形成されており、このリングギ
ア50の外周面には、図示しないトランスミッションの
一方の出力軸に取着されたドライブギアに噛合する歯部
50aが形成されている。
【0026】また、前記第1ケース体31の大径部37
の図2右方に示す右端には、第2ケース体32と嵌合す
る小径の環状突部48が形成されている。
【0027】前記第1ケース体31の中径部36の外周
面の図2左方に示す小径部35側には、スピードメータ
ギア52が鍛造により一体形成されており、このスピー
ドメータギア52の外周面には、スピードメータを駆動
する駆動ギア(共に図示せず)に噛合する歯部52aが
形成されている。
【0028】前記第2ケース体32は、図2に詳示する
ように、図2左方に位置する環状の大径部61と、この
大径部61の図2右方に接続するようにして同軸状に形
成された小径部62とにより全体としてほぼ2段の段付
き筒状に形成されている。そして、第2ケース体32の
図2右方に示す小径部62の外周面には、軸受を介して
トランスミッションのミッションケース(共に図示せ
ず)にデフケース30を回転自在に支持するための1対
のジャーナル部38L,38Rのうちの他方のジャーナ
ル部38Rが形成されている。この他方のジャーナル部
38Rの内側には、従来と同様に例えば図示しない車輪
駆動軸の他方(右車輪駆動軸)が挿通可能な軸方向に貫
通する車軸貫通孔39Rが形成されており、この車軸貫
通孔39Rの軸心は、デフケース30の回転軸心RLと
一致するように形成されている。
【0029】前記第2ケース体32の大径部61の内側
には、図3に示す4つのピニオン40および図2に示す
2つのサイドギア41からなるデファレンシャルギア4
2のうちの図2に右方に示す1つのサイドギア41を内
部に装着可能なギア装着孔63が形成されている(図
2)。そして、ギア装着孔62の内部の図2右方に示す
底部側に、前記ピニオンシャフト45の各腕45aに装
着された4つのピニオン40にそれぞれ噛合する1対の
サイドギア41のうちの他方がその軸心をデフケース3
0の回転軸心RLとほぼ一致するようにして配設される
ようになっている。
【0030】前記第2ケース体32の大径部60は、前
記第1ケース体31の大径部37より大きく形成されて
おり、第2ケース体32の大径部60の外周面には、径
方向外側に向けて延出された他方のリングギア65が鍛
造により一体形成されており、このリングギア65の外
周面には、図示しないトランスミッションの他方の出力
軸に取着されたドライブギアに噛合する歯部65aが形
成されている。
【0031】なお、前記第2ケース体32の大径部60
の図2左方に示す左端には、前記第1ケース体31の環
状突部48と嵌合する環状溝64が形成されている。
【0032】また、前記前記第2ケース体32の大径部
60には、等角度分配置された12箇所の貫通孔68
(図2に一部のみ図示)が形成されており、これらの貫
通孔68に挿通される固定ねじ70を前記第1ケース体
31の図2右方に示す右端面に形成したねじ穴49に螺
入させることにより、前記第1ケース体31と第2ケー
ス体32とを固着して一体化されたデフケース30を形
成することができるとともに、前記デファレンシャルギ
ア42をデフケース30の内部に収納することができる
ようになされている。
【0033】さらに、第1ケース体31と第2ケース体
32とを固着するのは、固定ねじ70の代わりに図示し
ないリベットなどの公知の締結部材を用いてもよい。
【0034】また、固定ねじ70の使用数およびサイズ
は、強度などの必要に応じて増減することができる。
【0035】なお、本実施形態のデファレンシャル25
は、四輪駆動のトランスミッションに用いるため第1ケ
ース体31および第2ケース体32のそれぞれにリング
ギア50,65を形成する構成としたが、本発明のデフ
ァレンシャルを前輪駆動または後輪駆動の二輪駆動のト
ランスミッションに用いる場合には、第1ケース体31
および第2ケース体32の少なくとも一方に所望のリン
グギアを設ける構成とするとともに、デファレンシャル
ギアを2つのピニオン40と2つのサイドギア41とを
有するものとし、ピニオンシャフトをほぼ棒状のものと
し、これらデファレンシャルギアおよびピニオンシャフ
トに応じて、ギア装着孔の形状、シャフト装着孔の数な
どを決定すればよい。
【0036】つぎに、前述した構成からなる本実施形態
の作用について説明する。
【0037】本実施形態のデファレンシャル25は、浸
炭鋼(SCM420:JIS G4105)等からなる
素材を鍛造して鍛造品を形成し、その後鍛造品に機械加
工を施し、その後調質を施すことにより形成された第1
ケース体31のギア装着孔43の内部に第1ケース体3
1の図2右方に示す右端の開口側から一方のサイドギア
41、予め4つのピニオン40を装着したピニオンシャ
フト45をこの順に装着する。一方、第2ケース体32
のギア装着孔63の内部に第1ケース体31の図2左方
に示す左端の開口側から他方のサイドギア41を装着す
る。
【0038】ついで、前記第1ケース体31の環状突部
48に対して第2ケース体32の環状溝64を嵌合させ
て、第1ケース体31の大径部37の開口端を第2ケー
ス体32の大径部61の開口端で塞ぎ、第2ケース体3
2を第1ケース体31に固定ねじ70をもって固着する
ことにより組み立てることができる。なお、本実施形態
のデファレンシャル21の図示しないトランスミッショ
ンのミッションケースに対する取付状態は、従来と同様
なのでその詳しい説明は省略する。
【0039】この組立時、デファレンシャルギア42の
一部を構成する一方のサイドギア41およびピニオンシ
ャフト45に装着された4つのピニオン40は、第1ケ
ース体31の大径部37の開口側から落とし込むように
して第1ケース体31のギア装着孔43に配設すること
ができる。また、デファレンシャルギア42の一部を構
成する他方のサイドギア41は、第2ケース体32の大
径部61の開口側から落とし込むようにして第2ケース
体32のギア装着孔63に配設することができる。した
がって、従来と異なり、デフケース30とデファレンシ
ャルギア42との組み立てを短時間で容易に行うことが
でき、その結果、デファレンシャル25の低コスト化を
容易に図ることができる。
【0040】しかも、デファレンシャルギア42を構成
するピニオンシャフト45は、ピニオンシャフト45の
各腕45aに形成され2つの平行面からなる取着部46
を各シャフト装着溝44の内面に形成された2つの内側
面44Aと対向するようにして第1ケース体31の大径
部37の開口側から嵌合して挿入するという簡単な動作
により配設することができるので、従来と異なり、デフ
ケース30とデファレンシャルギア42との組み立てを
より短時間でかつ容易に行うことができ、その結果、デ
ファレンシャル25の低コスト化をより確実に図ること
ができる。
【0041】また、本実施形態においては、デフケース
30の内部にピニオンシャフト45をフリー状態で配設
し、デファレンシャル25の回転、すなわち、デフケー
ス30の回転に伴ってデファレンシャルギア42は自動
調心されるので、デフケース30を加工する際の加工精
度を低減することができ、その結果、デファレンシャル
25の低コスト化をより確実に図ることができる。
【0042】このように、本実施形態のデファレンシャ
ル25は、デフケース30を構成する第1ケース体31
および第2ケース体32のそれぞれが浸炭鋼(SCM4
20:JIS G 4105)等からなる素材を鍛造し
て鍛造品を形成し、その後鍛造品に機械加工を施し、そ
の後調質を施すことにより形成されている。したがっ
て、本実施形態のデファレンシャル25によれば、第1
ケース体および第2ケース体は、従来の鋳造品を素材と
した場合に比べて素材自身の機械的強度を向上させるこ
とができるとともに、鍛造加工により結晶粒が微細化さ
れて組織が均等にされるので機械的強度をより向上させ
ることができるので、デフケース30の肉厚の薄肉化を
容易に図ることができるとともに、デフケース30の肉
厚の薄肉化を図った場合においても長期間に亘り安定し
た機能を確実に保持することができるとともに、デフケ
ース30の軽量化を容易に図ることができ、その結果、
デファレンシャル25の軽量化を容易に図ることができ
る。そして、鍛造品を素材として形成された第1ケース
体31および第2ケース体32は、素材としての鍛造品
そのものが容易に高精度なものとされるので、鍛造品へ
施す後加工を容易に低減することができ、その結果、生
産性を向上させることができる。
【0043】また、本実施形態のデファレンシャル25
によれば、第1ケース体31および第2ケース体32に
分割形成されたデフケース30は、デフケース30の内
部に、デファレンシャルギア42の組み立てを確実に行
う内部空間を容易に形成することができ、その結果、デ
フケース30の内部にデファレンシャルギア42を単に
挿入することで容易に組み立てることができ、組立性を
確実に向上させることができる。
【0044】さらに、本実施形態のデファレンシャル2
5によれば、デフケース30の一部を構成する第1ケー
ス体31に鍛造により一体形成されたリングギア50、
および、デフケース30の一部を構成する第2ケース体
32に鍛造により一体形成されたリングギア65は、各
リングギア50,65のそれぞれの歯部50a,65a
をデフケース30の回転軸心RLを基準にして容易に形
成することができ、その結果、高精度のリングギア5
0,65を容易に得ることができる。
【0045】また、本実施形態のデファレンシャル25
によれば、デフケース30の一部を構成する第1ケース
体31に鍛造により一体形成されたスピードメータギア
52は、スピードメータギア52の歯部52aをデフケ
ース52の回転軸心を基準にして容易に形成することが
でき、その結果、高精度のスピードメータギアを容易に
得ることができる。このデフケース30の一部を構成す
る第1ケース体31に鍛造により一体形成されたスピー
ドメータギア52は、従来のデフケース4にスピードメ
ータギア18を装着する時間を省くことができるので、
生産性を向上させることができる。
【0046】したがって、本実施形態のデファレンシャ
ル25によれば、生産効率に優れ、かつ、高精度で軽量
なものを容易に得ることができる。
【0047】なお、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、必要に応じて種々変更することができ
る。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の本
発明のデファレンシャルによれば、第1ケース体および
第2ケース体に分割形成されたデフケースは、デフケー
スの内部に、デファレンシャルギアの組み立てを確実に
行う内部空間を容易に形成することができ、その結果、
デフケースの内部にデファレンシャルギアを単に挿入す
ることで容易に組み立てることができ、組立性を確実に
向上させることができる。さらに、第1ケース体および
第2ケース体の少なくとも一方に鍛造により一体形成さ
れたリングギアは、リングギアの歯部をデフケースの回
転軸心を基準にして容易に形成することができ、その結
果、高精度のリングギアを容易に得ることができる。さ
らにまた、鍛造品を素材として形成された第1ケース体
および第2ケース体は、鋳造品を素材とした場合に比べ
て素材自身の機械的強度を向上させることができるとと
もに、鍛造加工により結晶粒が微細化されて組織が均等
にされるので機械的強度をより向上させることができる
ので、デフケースの肉厚の薄肉化を容易に図ることがで
きるとともに、デフケースの肉厚の薄肉化を図った場合
においても長期間に亘り安定した機能を確実に保持する
ことができ、その結果、デフケースの軽量化を容易に図
ることができる。またさらに、鍛造品を素材として形成
された第1ケース体および第2ケース体は、素材として
の鍛造品そのものが容易に高精度なものとされるので、
鍛造品へ施す後加工を容易に低減することができる。し
たがって、本発明のデファレンシャルによれば、生産効
率に優れ、かつ、高精度で軽量なものを容易に得ること
ができるなどという極めて優れた効果を奏する。
【0049】また、請求項2に記載の本発明のデファレ
ンシャルによれば、デフケースに鍛造により一体形成さ
れたスピードメータギアは、スピードメータギアの歯部
をデフケースの回転軸心を基準にして容易に形成するこ
とができ、その結果、高精度のスピードメータギアを容
易に得ることができる。したがって、本発明のデファレ
ンシャルによれば、生産効率に優れ、かつ、高精度で軽
量なものを容易に得ることができるなどという極めて優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るデファレンシャルの実施形態の
一例を示す正面図
【図2】 図1の縦断面図
【図3】 図2の3−3線に沿った側断面図
【図4】 従来のデファレンシャルを示す正面縦断面図
【符号の説明】
25 デファレンシャル 30 デフケース 31 第1ケース体 32 第2ケース体 38R、38L ジャーナル部 39R、39L 車軸貫通孔 40 ピニオン 41 サイドギア 42 デファレンシャルギア 45 ピニオンシャフト 50、65 リングギア RL 回転軸心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生駒 好文 東京都西多摩郡瑞穂町高根字山下277 柳 河精機株式会社テクニカルセンター内 (72)発明者 川崎 一成 東京都西多摩郡瑞穂町高根字山下277 柳 河精機株式会社テクニカルセンター内 Fターム(参考) 3J027 FA17 FA36 FB02 GA02 HB07 HC07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスミッションの出力軸からリング
    ギアに入力された原動機の駆動力を、デフケースの内部
    に配設されリングギアと一体回転するデファレンシャル
    ギアを介して車輪駆動軸に伝達するデファレンシャルに
    おいて、 前記デフケースは、車輪駆動軸が挿通可能な車軸貫通孔
    を内側に備えたジャーナル部を具備する第1ケース体と
    他方の車輪駆動軸が挿通可能な車軸貫通孔を内側に備え
    たジャーナル部を具備する第2ケース体とにより分割形
    成されるとともに、前記第1ケース体および前記第2ケ
    ース体の各々は、鍛造品を素材として形成され、かつ、
    前記第1ケース体および第2ケース体の少なくとも一方
    には前記リングギアが鍛造により一体形成されているこ
    とを特徴とするデファレンシャル。
  2. 【請求項2】 前記デフケースにスピードメータギアを
    鍛造により一体形成したことを特徴とする請求項1に記
    載のデファレンシャル。
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