JP2000264326A - 炭化水素系化合物用容器 - Google Patents

炭化水素系化合物用容器

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JP2000264326A
JP2000264326A JP6967599A JP6967599A JP2000264326A JP 2000264326 A JP2000264326 A JP 2000264326A JP 6967599 A JP6967599 A JP 6967599A JP 6967599 A JP6967599 A JP 6967599A JP 2000264326 A JP2000264326 A JP 2000264326A
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layer
elongation
thermoplastic resin
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JP6967599A
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Shinji Noma
信司 野馬
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤等のガスバリア性、静的変形時の耐クラ
ック性、長期間の層間接着性等に優れた炭化水素系化合
物用容器を提供すること。 【解決手段】 引張破断時の伸度が特定の条件を満足す
るエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を中間層と
し、両最外層に熱可塑性樹脂を配した積層体からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)を
中間層とする積層体を用いた炭化水素系化合物用容器に
関し、更に詳しくは、溶剤等のガスバリア性、静的変形
時の耐クラック性、長期間の層間接着性等に優れた炭化
水素系化合物用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、EVOHは、透明性、帯電防止
性、耐油性、耐溶剤性、ガスバリア性、保香性などにす
ぐれており、包装材料を目的とする用途においては、E
VOH層の表裏両面に低密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ナイロン、ポリエステルなどのフィルムを積層す
ることによってガスバリア性、香気保持性、食品の変色
防止性などのEVOHの特性を維持しながら、落下強
度、熱成形性、防湿性などのEVOHの欠点を補って各
種包装用途に利用されているのが実情である。そして、
最近では、上記の如き食品用ボトル等の包装用途だけで
なく、農薬・試薬、灯油、燃料等の炭化水素を主成分と
する揮発性化合物の輸送・保管・貯蔵用のボトル、タン
ク、ドラム等の容器として用いられるようになってき
た。しかしながら、EVOHは上記の如く一般的にガス
バリア性や耐溶剤性等に優れるものの、かかる炭化水素
系化合物(有機溶剤)等に晒されるとその低下は否め
ず、特に延伸されたボトルやタンク等の容器において
は、延伸時の応力歪が該有機溶剤の影響によりクラック
等が生じるという、所謂ソルベントクラック(ストレス
クラック)が発生する。更にEVOHは高い剛性を示す
一方、衝撃的な応力に対する耐性が低い樹脂であり、特
に低温下においてその傾向が強くなる。かかる悪影響を
免れるために、ポリエチレン樹脂中にガスバリア性樹
脂(ポリアミド、ポリビニルアルコール、EVOH等)
を不連続相として分散させた層を中間層とし、内外層と
してポリエチレン樹脂層を用いた3層構成としたり(特
開平6−218891号公報)、EVOHにポリアミ
ド、ポリオレフィン及びポリエステルから選ばれる少な
くとも1種の熱可塑性樹脂を配合したり(特開平7−5
2333号公報)、EVOHに可塑剤を配合した層と
ポリアミド、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂層を積
層したり(特開平6−328634号公報)、ハロゲ
ン系化合物または硫黄系化合物で処理されたポリオレフ
ィン層とEVOHまたはポリアミドを含む樹脂層を積層
したり(特開平6−340033号公報)、EVOH
を中間層とした容器においてその外側の層厚みを内側の
層厚みより大きくする(特開平9−29904号公報)
ことが提案されている。本出願人も、EVOHとホウ
素化合物からなる樹脂組成物層とポリオレフィン系樹脂
にEVOHを分散した樹脂組成物層からなる積層構造体
(特開平9−109334号公報)を提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
は、最近の市場の要求に対応し得るだけのバリア性を
発現させることは困難であり、は、まだ耐ソルベント
クラック性が不十分であり、かつバリア性についても改
善の余地があり、は、可塑剤の移行によるEVOH層
と接着剤層との接着力の低下が懸念され、は、処理時
の安全性(作業環境の悪化等)に問題が残り、は、耐
低温衝撃性(成形物の落下時)や耐ソルベントクラック
性の不足が挙げられ、更にはにおいても、バリア性、
耐ソルベントクラック性、耐低温衝撃性の改善は認めら
れるものの、炭化水素系の有機溶剤等の内容物を充填し
た容器の長期間使用時における静的変形時の耐クラック
性や層間接着性に改善の余地があることが判明した。す
なわち、内容物として炭化水素を主成分とする揮発性化
合物を充填した容器は、その輸送・保管・貯蔵時におい
て、振動、外気温の変化、内容物量の変化等による内圧
の変化によって、静的な負荷を受け変形を起こすため、
長期間使用後にEVOH層にクラックが発生したり、E
VOH層と接着性樹脂層の層間接着性が低下するという
問題があることが判った。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、か
かる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、下記(1)式
を満足するEVOHを中間層とし、両最外層に熱可塑性
樹脂を積層した積層体からなる容器が、上記の目的を達
成することを見出して本発明を完成するに至った。 E5/E50≧10 ・・・ (1) [ここで、E5は引張速度5mm/minでの引張破断
時の伸度(%)、E50は引張速度50mm/minでの
引張破断時の伸度(%)をそれぞれ表す。] 更に本発明においては、かかるEVOHが、ホウ素また
はホウ素化合物をホウ素換算で10〜10000ppm
含有しているとき、本発明の作用効果を顕著に得ること
ができる。尚、上記(1)式において、引張破断時の伸
度を測定するに当たっては、EVOHのダンベル状試験
片の伸度をISO527−2/1Aに準拠して(全長2
00mm、厚み4mm、標線間距離50mm、チャック
間距離115mm、n=5の平均値)、測定すればよ
い。また、引張破断時の伸度E(%)は、下記(2)式
により算出されるものである。 E(%)={(L−50)/50}×100 ・・・ (2) [但し、Lは試験片の破断時の標線間距離(mm)を表
す]
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明の炭化水素系化合物用容器(以下、単に容器と称
することがある)は、用いられている積層体の中間層が
EVOHからなり、かつ上記の(1)式の条件を満足す
るEVOHからなることが必要で、かかる中間層のEV
OHが該条件を満足しないとき、即ち、E5/E50<1
0のときは、十分な静的変形時の耐クラック性や長期間
の層間接着性等が得られなくなって本発明の目的を達成
することはできない。
【0006】本発明においては、更に好ましくはE5
50>11で、特に好ましくは11.5<E5/E50<2
0で、殊に好ましくは12<E5/E50<18である。
かかる条件を満足するEVOHを得るには、特に限定さ
れないが、EVOHに特定の方法でホウ素またはホウ素
化合物を含有させる方法が好適で、かかる方法につい
て、以下に説明する。
【0007】用いるEVOHとしては、エチレン含有量
が20〜60モル%(更には25〜55モル%)、ケン
化度が90モル%以上(更には95モル%以上)のもの
が好ましく、該エチレン含有量が20モル%未満では容
器の高湿時でのガスバリア性や溶融成形性が低下し、逆
に60モル%を越えると容器の充分なガスバリア性が得
られず、更にケン化度が90モル%未満では容器のガス
バリア性や熱安定性、耐湿性等が低下して好ましくな
い。また、該EVOHのメルトインデックス(MI)
(210℃、荷重2160g)は、1〜100g/10
分(更には3〜50g/10分)が好ましく、該メルト
インデックスが該範囲よりも小さい場合には、容器の成
形時に押出機内が高トルク状態となって押出加工が困難
となり、また該範囲よりも大きい場合には、容器の機械
強度が不足して好ましくない。
【0008】該EVOHは、エチレン−酢酸ビニル共重
合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸ビニル
共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、
懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行い
得る。
【0009】また、本発明では、本発明の効果を阻害し
ない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重
合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸
類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたは
ジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜1
8のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸
あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルア
ミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アル
キルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルア
ミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあ
るいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミ
ド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、
アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビ
ニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化
ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシ
ラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、ア
リルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチ
ル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−
アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等が挙げられる。
【0010】上記の如きEVOHにホウ素またはホウ素
化合物を含有させるのであるが、かかるホウ素化合物と
しては、ホウ酸またはその金属塩、例えばホウ酸カルシ
ウム、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛,メ
タホウ酸亜鉛等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホ
ウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸
アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモ
ニウム等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウ
ム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸カリウム(メタホ
ウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、
六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸銀
(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第
2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ナトリウ
ム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホ
ウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリ
ウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸
鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニ
ッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ
酸ニッケル等)、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウ
ム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸
バリウム等)、ホウ酸ビスマス、ホウ酸マグネシウム
(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、
メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四
ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第
1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン
等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸
リチウム、五ホウ酸リチウム等)などの他、ホウ砂、カ
ーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザ
イベリ石等のホウ酸塩鉱物などが挙げられ、好適にはホ
ウ砂、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウ
ム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ
酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウ
ム等)が用いられる。
【0011】本発明においては、含有されるホウ素また
はホウ素化合物の含有量を、EVOHに対してホウ素換
算で10〜10000ppm(更には20〜2000p
pm)とすることが好ましく、かかる含有量が10pp
m未満では容器の溶融成形性や積層体の層間接着性が悪
くなり、逆に10000ppmを越えると容器の外観が
悪化して好ましくない。
【0012】上記の(1)式を満足するようにEVOH
にホウ素またはホウ素化合物(以下、まとめてホウ素化
合物と称す)を含有させるためには、従来行われている
ようにEVOHとホウ素化合物を押出機等で溶融混合す
るだけでは不可能であり、以下に述べる方法によって満
足される。その理由は定かではないが、EVOH分子鎖
中のホウ素化合物の配位の形態が異なるのではないかと
推測される。その好適な方法としては、含水率20〜
80重量%のEVOHの多孔性析出物を、ホウ素化合物
水溶液中のホウ素化合物の含有量をEVOHに含有され
る水とホウ素化合物水溶液に含有される水の合計量10
0重量部に対して0.001〜0.5重量部となるよう
に調整されたホウ素化合物水溶液と接触させてホウ素化
合物を含有させてから、更に流動乾燥と静置乾燥を組み
合わせて乾燥する方法、EVOHをホウ素化合物の水
溶液と接触させてホウ素化合物を含有させた後、含水率
0.001〜2重量%に乾燥させてから水と接触させる
方法、EVOHペレットをホウ素化合物の水溶液と接
触させてホウ素化合物を含有させた後、含水率0.00
1〜10重量%に乾燥させて得られたEVOHペレット
を溶融混練して再度ペレットとする方法、EVOHの
均一溶液(水/アルコール溶液等)にホウ素化合物を含
有させた後、凝固液中にストランド状に押し出し、次い
で得られたストランドを切断してペレットとして、更に
乾燥処理をする方法等を挙げることができる。
【0013】かくして上記の(1)式を満足する中間層
に用いられるEVOH(組成物)が得られるのである
が、本発明においては、本発明の目的を阻害しない範囲
において、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミ
ド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド
等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン
酸アミド等)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸のカル
シウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩等)、低分子量ポリ
オレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の低
分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等)
などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト等)、
可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキ
サンジオール等の脂肪族多価アルコールなど)、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、結晶核剤、着色剤、
乾燥剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、
無機充填材、他樹脂(例えばポリオレフィン、ポリアミ
ド等)等を配合しても良い。
【0014】本発明は、上記の如く得られたEVOHの
層を中間層として、両最外層に熱可塑性樹脂の層を配し
た容器である。かかる両最外層に用いられる熱可塑性樹
脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエ
チレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プ
ロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレ
フィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレ
フィンの単独又は共重合体、或いはこれらのオレフィン
の単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステ
ルでグラフト変性したものなどの広義のポリオレフィン
系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系
樹脂、ポリスチレン、ビニルエステル系樹脂、ポリエス
テルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化
ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、芳香族または脂
肪族ポリケトン、更にこれらを還元して得られるポリア
ルコール類、更には他のEVOH等が挙げられるが、積
層体の物性(特に強度)等の実用性の点から、ポリプロ
ピレン、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)
が好ましく用いられる。
【0015】本発明の容器、即ち、熱可塑性樹脂層/
(1)式を満足するEVOH(以下、B−EVOHと称
す)層/熱可塑性樹脂層の層構成を有する容器を製造す
るに当たっては、B−EVOHおよび熱可塑性樹脂を、
射出成形機、ダイレクトブロー成形機、射出ブロー成形
機等に供して直接本発明の(多層)容器を得る方法の
他、B−EVOHと熱可塑性樹脂とを共押出して得られ
たシートを真空成形する方法、熱可塑性樹脂フィルムに
B−EVOH/熱可塑性樹脂を共押出ラミネートして得
た積層シートを真空成形する方法、熱可塑性樹脂フィル
ムとB−EVOHフィルムを接着剤を用いてドライラミ
ネートで得られたシートを真空成形する方法等を挙げる
ことができ、好適にはダイレクトブロー、射出ブロー等
のブロー成形方法が採用される。例えば、B−EVOH
と熱可塑性樹脂を共押出して得られたパリソンに空気を
吹き込んでブロー成形することにより、本発明の容器が
得られるのである。
【0016】尚、本発明においては、熱可塑性樹脂層を
両最外層とするもので、B−EVOH層をa、熱可塑性
樹脂層をbとするとき、上記の如きb/a/bの層構成
だけでなく、b/a/b/a/b等や、更にはB−EV
OHと熱可塑性樹脂の混合物からなるリグラインド層を
Rとするとき、b/R/a/b、b/R/a/R/b、
b/a/R/a/b、b/R/a/R/a/R/b等と
することも可能で、好適にはb/a/b、b/R/a/
bの層構成が採用され、またこれらの層構成のbには必
要に応じて、該リグラインド層に用いられる該混合物や
後述の接着性樹脂を配合することも可能である。更に、
これらの積層体においては、必要に応じて各層間には接
着性樹脂(例えば、カルボン酸変性ポリオレフィン系樹
脂等)が使用される。また、各層の厚みとしては、用途
・容器形態や要求される物性などにより一概には言えな
いが、aが10〜2000μm(更には30〜500μ
m)、bが30〜10000μm(更には100〜50
00μm)程度である。
【0017】かくして得られた本発明の容器は、溶剤等
のガスバリア性、静的変形時の耐クラック性、長期間の
層間接着性等に優れ、自動車のガソリン等の燃料用タン
クをはじめ、農薬、試薬、灯油等の炭化水素を主成分と
する揮発性化合物の輸送・保管・貯蔵用のボトル、タン
ク、ドラム等各種の容器として有用である。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。また、ホウ素化合物の測定
については、B−EVOHをアルカリ溶融してICP発
光分光分析法によりホウ素を定量することにより行っ
た。
【0019】実施例1 EVOH[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.
5モル%、MI12g/10分(210℃、荷重216
0g)]の水/メタノール(水/メタノール=40/6
0混合重量比)溶液(60℃、EVOH濃度45%)を
5℃に維持された水槽にストランド状に押し出して凝固
させた後、カッターで切断してペレット状(直径4m
m、長さ4mm)のEVOHを得て、更に該EVOHを
30℃の温水に投入して、約4時間撹拌を行って含水率
50%の多孔性析出物(平均4μm径のミクロポーラス
が均一に存在)を得た。次いで、得られた多孔性析出物
100部を0.08%のホウ酸水溶液200部に投入し
(全水分100部に対してホウ酸が0.064部)、3
0℃で5時間撹拌して、ホウ素化合物をホウ素換算で3
80ppm含有したEVOHを得た。得られたEVOH
を下記の方法により乾燥処理を行った。
【0020】<流動乾燥工程>上記で得られた樹脂組成
物を回分式流動層乾燥器(塔型)を用いて、75℃の窒
素ガスを流動させながら、約3時間乾燥を行って含水率
20%の樹脂組成物を得た。尚、流動乾燥前の樹脂組成
物の含水率は、50%で、流動乾燥前後の樹脂組成物の
含水率差は30%であった。
【0021】<静置乾燥工程>次いで、流動乾燥処理後
の樹脂組成物を回分式箱型乾燥器(通気式)を用いて、
125℃の窒素ガスで、約18時間乾燥を行って含水率
0.3%の目的とするB−EVOH[ホウ素化合物をホ
ウ素換算で380ppm含有]を得た。かかるB−EV
OHの引張破断時の伸度を本文中の方法により測定した
ところ、E5=462%、E50=29%で、E5/E50
15.9で本文中の(1)式を満足するものであった。
【0022】次いで、得られたB−EVOH、熱可塑性
樹脂(高密度ポリエチレン、日本ポリケム社製「HB3
30」)及び接着性樹脂(三菱化学社製「M512
V」)を3種5層共押出多層ダイレクトブロー装置に供
給して、高密度ポリエチレン層/接着性樹脂層/B−E
VOH層/接着性樹脂層/高密度ポリエチレン層の積層
体からなる3種5層の容器(容量約40リットルのタン
ク:長径750mm、短径530mm、高さ280mm
の小判型−湯たんぽ形状−)を得た。尚、容器中央部分
の積層体の厚みは5mmで、高密度ポリエチレン層/接
着性樹脂層/B−EVOH層/接着性樹脂層/高密度ポ
リエチレン層の構成厚み比は61/3/3/3/30で
あった。
【0023】得られた容器に、トルエンとイソオクタン
の混合溶剤(混合容積比=50/50)を30リットル
充填し、注入口を金属板で封鎖してから、該容器を40
±2℃に設定された環境試験室に一日、次いで−10±
2℃に設定された環境試験室に一日放置する操作を3ヶ
月行った後に、以下の要領で、ガスバリア性、静的変形
時の耐クラック性、長期間の層間接着性の評価を行っ
た。
【0024】(ガスバリア性)放置試験前後の容器の重
量変化を測定して、混合溶剤の透過量(g/day)を
算出した。
【0025】(静的変形時の耐クラック性)放置試験後
の容器の長径及び短径に垂直方向に切断して、その断面
のEVOH層を光学顕微鏡で観察して、以下の通り評価
した。 ○ −−− クラックの発生は認められなかった △ −−− わずかにクラックの発生が認められた × −−− 多数のクラックの発生が認められた
【0026】(長期間の層間接着性)放置試験前後の容
器の胴体部から、長さ15cm×幅1.5cmの積層体
を切り取り、23℃、50%RHの条件で、接着性樹脂
層とB−EVOH層の層間剥離強度を測定して、その層
間剥離強度の保持率(%)を調べた。
【0027】実施例2 実施例1において、含水率50%の多孔性析出物を0.
1%のホウ酸水溶液に投入して、30℃で5時間撹拌し
た後、110℃で7.5時間乾燥を行って、含水率0.
5%のEVOHを得た。次いで、得られたEVOH10
0部を500部の水に投入して、35℃で1時間撹拌し
た後、85℃で2時間乾燥を行って、含水率0.2%の
目的とするB−EVOH[ホウ素化合物をホウ素換算で
390ppm含有]を得た以外は実施例1と同様に容器
を得て、同様に評価を行った。尚、B−EVOH(ペレ
ット)の引張破断時の伸度は、E5=472%、E50
33%で、E5/E50=14.3で本文中の(1)式を
満足するものであった。
【0028】実施例3 EVOH[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.
5モル%、MI20g/10分(210℃、荷重216
0g)]の水/メタノール(水/メタノール=40/6
0重量比)溶液(60℃、EVOH濃度45%)を5℃
に維持された水槽にストランド状に押し出して凝固させ
た後、カッターで切断してペレット状(長さ5mm、直
径5mm)の多孔性EVOHを得て、更に該EVOHを
水で洗浄した後、0.1%のホウ酸水溶液に投入して、
30℃で5時間撹拌した後、110℃で7.5時間乾燥
を行って、含水率0.5%のEVOH[ホウ素化合物含
有量がホウ素換算で400ppm]を得た。
【0029】次いで、得られたEVOH100部をベン
ト付き単軸押出機(スクリュー径90mm、L/D=3
0)にて、該EVOHに対する比エネルギーがL/D当
たり0.012kW・hr/kgとなる条件下で、21
0℃にて溶融混練してペレット化を行って目的とするB
−EVOHを得た以外は同様に容器を得て、同様に評価
を行った。尚、B−EVOHの引張破断時の伸度は、E
5=403%、E50=27%で、E5/E50=14.9で
本文中の(1)式を満足するものであった。
【0030】実施例4 実施例2において、EVOHのMIを15g/10分
(210℃、荷重2160g)とし、かつEVOH中の
ホウ素化合物の含有量をホウ素換算で250ppmとし
た以外は同様に行って、容器を得て、同様に評価を行っ
た。尚、B−EVOHの引張破断時の伸度は、E5=4
65%、E50=34%で、E5/E50=13.7で本文中
の(1)式を満足するものであった。
【0031】実施例5 実施例1において、エチレン含有量30モル%、ケン化
度99.5モル%、MI10g/10分(210℃、荷
重2160g)のEVOHを用いた以外は同様に行っ
て、容器を得て、同様に評価を行った。尚、B−EVO
Hの引張破断時の伸度は、E5=335%、E50=26
%で、E5/E50=12.9で本文中の(1)式を満足す
るものであった。
【0032】実施例6 実施例1において、EVOHのケン化度を99.7モル
%、MIを30g/10分(210℃、荷重2160
g)とした以外は同様に行って、容器を得て、同様に評
価を行った。尚、B−EVOHの引張破断時の伸度は、
5=392%、E50=30%で、E5/E50=13.1
で本文中の(1)式を満足するものであった。
【0033】比較例1 実施例1において、B−EVOHに変えて、一般のEV
OH[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.5モ
ル%、MI12g/10分(210℃、荷重2160
g)]を用いた以外は同様に行って、容器を得て、同様
に評価を行った。尚、該EVOHの引張破断時の伸度
は、E5=158%、E50=32%で、E5/E50=4.
9で本文中の(1)式を満足するものではなかった。実
施例及び比較例の評価結果を表1にまとめて示す。
【0034】
【表1】 ガスバリア性 静的変形時の耐クラック性 長期間の層間接着性 (透過率;g/day) (保持率;%) 実施例1 0.2 ○ 98 〃 2 0.2 ○ 98 〃 3 0.2 ○ 98 〃 4 0.2 ○ 98 〃 5 0.1 ○ 97 〃 6 0.2 ○ 98 比較例1 0.4 × 90
【0035】
【発明の効果】本発明の容器は、中間層が特定のEVO
H層であるため、溶剤等のガスバリア性、静的変形時の
耐クラック性、長期間の層間接着性等に優れ、自動車の
ガソリン等の燃料用タンクをはじめ、農薬、試薬、灯油
等の炭化水素を主成分とする揮発性化合物の輸送・保管
・貯蔵用のボトル、タンク、ドラム等の容器の用途に非
常に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/24 C08K 3/24 C08L 23/08 C08L 23/08 // C08J 5/18 CER C08J 5/18 CER C08L 31:04 Fターム(参考) 3E033 AA01 AA06 BA14 BA15 BA16 BA17 BA21 BA24 BB08 CA16 CA20 FA02 FA03 FA04 GA02 4F071 AA15 AA15X AA28X AA29 AA76X AB27 AE05 AF08 AF14 AF58 AH05 BA01 BB06 BC02 BC04 4F100 AA31B AA36B AK01A AK01C AK05 AK69B AR00B BA03 BA06 BA10A BA10C CA12 DA01 GB16 GB32 JB16A JB16C JD02 JD05 JL11 YY00B 4J002 BB221 BE031 DK006 GF00 GG01 GJ01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)式を満足するエチレン−酢酸
    ビニル共重合体ケン化物を中間層とし、両最外層に熱可
    塑性樹脂を積層した積層体からなることを特徴とする炭
    化水素系化合物用容器。 E5/E50≧10 ・・・ (1) (ここで、E5は引張速度5mm/minでの引張破断
    時の伸度(%)、E50は引張速度50mm/minでの
    引張破断時の伸度(%)をそれぞれ表す。)
  2. 【請求項2】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    がホウ素またはホウ素化合物をホウ素換算で10〜10
    000ppm含有していることを特徴とする請求項1記
    載の炭化水素系化合物用容器。
  3. 【請求項3】 自動車用燃料タンクに用いることを特徴
    とする請求項1または2記載の炭化水素系化合物用容
    器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002226637A (ja) * 2001-02-05 2002-08-14 Wakoo Jushi Kk オレフィン系樹脂組成物
JP2005297983A (ja) * 2004-04-08 2005-10-27 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The キャップライナー材およびその用途

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