JP2000262528A - 腹腔鏡下外科手術方法及び手術装置 - Google Patents
腹腔鏡下外科手術方法及び手術装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 患者に優しい腹腔鏡下手術へのウォータジェ
ットメスの活用方法とその手術に適した複合機能付き腹
腔鏡下外科手術装置を提供する。 【解決手段】 腹腔鏡下外科手術に使用するトロカール
を通過でき、かつ、先端部が手術部位に到達可能な長さ
と形状のノズルをハンドピースで保持し、前記ノズル先
端部にウォータジェットメス機能と電気メス機能との複
合機能を持たせるように、加圧装置と高周波電源装置に
それぞれ接続した構成とした。そのため、各種腹腔鏡下
外科手術に、ウォータジェット技術が活用できるように
なり、かつ、臓器の剥離や切離が機器を交換することな
く効率の良い手術が可能となる。
ットメスの活用方法とその手術に適した複合機能付き腹
腔鏡下外科手術装置を提供する。 【解決手段】 腹腔鏡下外科手術に使用するトロカール
を通過でき、かつ、先端部が手術部位に到達可能な長さ
と形状のノズルをハンドピースで保持し、前記ノズル先
端部にウォータジェットメス機能と電気メス機能との複
合機能を持たせるように、加圧装置と高周波電源装置に
それぞれ接続した構成とした。そのため、各種腹腔鏡下
外科手術に、ウォータジェット技術が活用できるように
なり、かつ、臓器の剥離や切離が機器を交換することな
く効率の良い手術が可能となる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、腹腔鏡下における
外科手術方法およびその装置に関し、特にウォータジェ
ット噴射機能と高周波電流通電機能とを備え、かつ、内
視鏡下外科手術に使用されるトロカールに適した形状を
したノズルを用いて手術部の漿膜の膨化、切離および剥
離などを行う腹腔鏡下外科手術方法とその装置に関する
ものである。
外科手術方法およびその装置に関し、特にウォータジェ
ット噴射機能と高周波電流通電機能とを備え、かつ、内
視鏡下外科手術に使用されるトロカールに適した形状を
したノズルを用いて手術部の漿膜の膨化、切離および剥
離などを行う腹腔鏡下外科手術方法とその装置に関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】従来は、開腹による外科手術が主流であ
った腹部外科領域で、患者の苦痛の少なさや、術後の回
復の早さなどのメリットから腹腔鏡下外科手術が行われ
るようになってきた。この腹腔鏡下手術は、すべてがト
ロカールを通過させた遠隔操作で行われるため、特別に
作成された器具が必要である。
った腹部外科領域で、患者の苦痛の少なさや、術後の回
復の早さなどのメリットから腹腔鏡下外科手術が行われ
るようになってきた。この腹腔鏡下手術は、すべてがト
ロカールを通過させた遠隔操作で行われるため、特別に
作成された器具が必要である。
【０００３】また、開腹鏡下外科手術用ハンドピースと
して、先端に電極を持つノズルパイプをハンドピース本
体部に連結し、このノズルパイプの先端から高圧水を噴
射して、生体組織（手術部位）を切開・剥離する所謂ウ
ォータジェットメスの機能と、ノズルパイプ先端の電極
で同部組織を凝固・切開する電気メスの機能とを併せ持
つものがある。
して、先端に電極を持つノズルパイプをハンドピース本
体部に連結し、このノズルパイプの先端から高圧水を噴
射して、生体組織（手術部位）を切開・剥離する所謂ウ
ォータジェットメスの機能と、ノズルパイプ先端の電極
で同部組織を凝固・切開する電気メスの機能とを併せ持
つものがある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】腹腔鏡下手術はＴＶモ
ニターを見ながら、トロカールを介して体外から手術操
作を行うものである。そのため、開腹手術と比べて、腹
腔鏡下手術では多くの制約があり、これを克服して、よ
り安全に確実に手術を行うために、新たな手術器具や周
辺機器の開発が切望されてきた。
ニターを見ながら、トロカールを介して体外から手術操
作を行うものである。そのため、開腹手術と比べて、腹
腔鏡下手術では多くの制約があり、これを克服して、よ
り安全に確実に手術を行うために、新たな手術器具や周
辺機器の開発が切望されてきた。
【０００５】また、従来の腹腔鏡下手術用器具の多くは
単機能であり、切開・剥離のたびに器具をとり換える必
要があり、手術が煩雑になり、かつ手術時間が長くなる
といった問題があった。
単機能であり、切開・剥離のたびに器具をとり換える必
要があり、手術が煩雑になり、かつ手術時間が長くなる
といった問題があった。
【０００６】さらに、既存の開腹用外科手術用ウォータ
ジェットメスハンドピースでは支障にならなかったよう
なことが腹腔鏡下手術では問題となる場合がある。たと
えば、ノズルからまっすぐの軸線方向に噴射されたウォ
ータジェットが臓器等に当たりはねかえってきたり、結
合組織の隙間に充満したりした時にノズル外周部に沿っ
て術者側に噴射水が戻って来ることもあり内視鏡の視界
を悪くしたりする場合もある。また、トロカールから突
出させるノズル先端部の移動可能な角度範囲が限られノ
ズルの軸線方向に噴射されるウォータジェットのみでは
十分に切開や剥離等ができない場合も多々ある。
ジェットメスハンドピースでは支障にならなかったよう
なことが腹腔鏡下手術では問題となる場合がある。たと
えば、ノズルからまっすぐの軸線方向に噴射されたウォ
ータジェットが臓器等に当たりはねかえってきたり、結
合組織の隙間に充満したりした時にノズル外周部に沿っ
て術者側に噴射水が戻って来ることもあり内視鏡の視界
を悪くしたりする場合もある。また、トロカールから突
出させるノズル先端部の移動可能な角度範囲が限られノ
ズルの軸線方向に噴射されるウォータジェットのみでは
十分に切開や剥離等ができない場合も多々ある。
【０００７】本発明は、上記課題に鑑みて成されたもの
であり、患者に優しい腹腔鏡下手術へのウォータジェッ
トメスの活用方法とその手術に適した複合機能付き腹腔
鏡下外科手術装置を提供することを目的とする。
であり、患者に優しい腹腔鏡下手術へのウォータジェッ
トメスの活用方法とその手術に適した複合機能付き腹腔
鏡下外科手術装置を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１に記載された発明は、トロカールを介して
腹腔内に挿入したノズル先端部に高周波電流を通電し
て、切除する臓器の漿膜に切開を加え、切開孔から漿膜
下に前記ノズル先端部を挿入して１〜５ＭＰａの高圧液
体を噴射して漿膜下層を膨化させ、通電した前記ノズル
先端部及び該ノズル先端部からの噴射液との組み合わせ
で手術部位の組織を切離、または、剥離することを特徴
とする腹腔鏡下外科手術方法である。
に、請求項１に記載された発明は、トロカールを介して
腹腔内に挿入したノズル先端部に高周波電流を通電し
て、切除する臓器の漿膜に切開を加え、切開孔から漿膜
下に前記ノズル先端部を挿入して１〜５ＭＰａの高圧液
体を噴射して漿膜下層を膨化させ、通電した前記ノズル
先端部及び該ノズル先端部からの噴射液との組み合わせ
で手術部位の組織を切離、または、剥離することを特徴
とする腹腔鏡下外科手術方法である。
【０００９】また、請求項２に記載された発明は、前記
手術方法において、前記ノズル先端部から、ノズル軸線
に交差する方向に高圧液体を噴射する方法を特徴とする
ものである。
手術方法において、前記ノズル先端部から、ノズル軸線
に交差する方向に高圧液体を噴射する方法を特徴とする
ものである。
【００１０】さらに、請求項３に記載された発明は、内
視鏡下外科手術に使用するトロカールを通過でき、か
つ、先端部が手術部位に到達可能な長さと形状を備えた
ノズルと、該ノズルを保持する手術用ハンドピースと、
前記ノズルの先端部に高周波電流を通電する高周波電源
装置と、前記ノズルに穿設された１〜５ＭＰａの加圧液
体を供給する加圧装置とを備えたことを特徴とする腹腔
鏡下外科手術装置を提供する。
視鏡下外科手術に使用するトロカールを通過でき、か
つ、先端部が手術部位に到達可能な長さと形状を備えた
ノズルと、該ノズルを保持する手術用ハンドピースと、
前記ノズルの先端部に高周波電流を通電する高周波電源
装置と、前記ノズルに穿設された１〜５ＭＰａの加圧液
体を供給する加圧装置とを備えたことを特徴とする腹腔
鏡下外科手術装置を提供する。
【００１１】さらにまた、請求項４に記載された発明
は、前記ノズルの噴射口がノズル軸線と交差する位置に
設けられたことを特徴とする手術装置を提供する。
は、前記ノズルの噴射口がノズル軸線と交差する位置に
設けられたことを特徴とする手術装置を提供する。
【００１２】
【作用】本発明による腹腔鏡下外科手術方法及び装置に
よれば、トロカールを通過し手術部位に到達できる形状
を持ち、高周波電流が通電可能でしかも高圧液体を噴射
できるノズルを備えたハンドピース１本を使用するだけ
で、手術部位の漿膜の切開、漿膜下への液の注入による
膨化、組織の切開・切離や剥離が可能であるため、効率
よくしかも安全に腹腔鏡下外科手術ができる。
よれば、トロカールを通過し手術部位に到達できる形状
を持ち、高周波電流が通電可能でしかも高圧液体を噴射
できるノズルを備えたハンドピース１本を使用するだけ
で、手術部位の漿膜の切開、漿膜下への液の注入による
膨化、組織の切開・切離や剥離が可能であるため、効率
よくしかも安全に腹腔鏡下外科手術ができる。
【００１３】また、漿膜が注入液により膨化するため容
易に切開・切離ができる。漿膜を切開・切離した後は、
脂肪組織を含む結合組織の間をウォータジェットとノズ
ル先端部を適度に使用することにより、剥離操作が効率
良く行える。
易に切開・切離ができる。漿膜を切開・切離した後は、
脂肪組織を含む結合組織の間をウォータジェットとノズ
ル先端部を適度に使用することにより、剥離操作が効率
良く行える。
【００１４】さらに、ウォータジェットを漿膜下で噴射
することで、血管を切断せずに血管のまわりの脂肪組織
のみを除去するといったウォータジェットの特性が利用
できるため、腹腔鏡下外科手術においても出血を少なく
おさえることができる。
することで、血管を切断せずに血管のまわりの脂肪組織
のみを除去するといったウォータジェットの特性が利用
できるため、腹腔鏡下外科手術においても出血を少なく
おさえることができる。
【００１５】なお、ウォータジェットの圧力範囲として
は１ＭＰａ〜５ＭＰａが使用できるが、好ましくは肝臓
切断時に使用される２ＭＰａ以下の圧力が一般的に推奨
できる。
は１ＭＰａ〜５ＭＰａが使用できるが、好ましくは肝臓
切断時に使用される２ＭＰａ以下の圧力が一般的に推奨
できる。
【００１６】また、内視鏡下手術における噴射水はねか
えり等による視界の悪さや噴射方向の悪さ等の各種問題
に対しては、本発明のノズル軸線に交差する方向、たと
えば４５°〜９０°の方向にウォータジェットを噴射さ
せることにより手術部位での切開・切除・剥離が効率よ
く容易に行える。
えり等による視界の悪さや噴射方向の悪さ等の各種問題
に対しては、本発明のノズル軸線に交差する方向、たと
えば４５°〜９０°の方向にウォータジェットを噴射さ
せることにより手術部位での切開・切除・剥離が効率よ
く容易に行える。
【００１７】
【発明の実施の形態】図１は、本発明による内視鏡下外
科手術装置の概略全体構成の一例を示す説明図である。
この手術装置は、ハンドピース１と、このハンドピース
１に接続された加圧装置（ウォータジェットポンプ）２
と、高周波電源装置３とから主に構成されている。ハン
ドピース１には、内視鏡下外科手術の際に１０ｍｍ径及
び５ｍｍ径のトロカールに挿入し通過させるため、その
太さに適合させた径で３０ｃｍ程度の長さの直線的形状
の外套と、操作性を考慮し、その先端部から３ｃｍ程度
さらに突出させたノズルとで構成したノズルパイプ部４
を備えている。
科手術装置の概略全体構成の一例を示す説明図である。
この手術装置は、ハンドピース１と、このハンドピース
１に接続された加圧装置（ウォータジェットポンプ）２
と、高周波電源装置３とから主に構成されている。ハン
ドピース１には、内視鏡下外科手術の際に１０ｍｍ径及
び５ｍｍ径のトロカールに挿入し通過させるため、その
太さに適合させた径で３０ｃｍ程度の長さの直線的形状
の外套と、操作性を考慮し、その先端部から３ｃｍ程度
さらに突出させたノズルとで構成したノズルパイプ部４
を備えている。
【００１８】生理食塩水パック５から供給ホース６を通
して生理食塩水が加圧装置２に供給され、該加圧装置２
で１〜５ＭＰａの範囲に加圧された加圧液体がフレキシ
ブルホース７を介してハンドピース１へ供給される。ハ
ンドピース１に設けられたスイッチ８の操作により、ノ
ズルから加圧液体が噴射される。高周波電源装置３は電
源コード９によりハンドピース１に接続され、フットス
イッチ（図示せず）等でノズルパイプ部４へ高周波電流
を供給する。
して生理食塩水が加圧装置２に供給され、該加圧装置２
で１〜５ＭＰａの範囲に加圧された加圧液体がフレキシ
ブルホース７を介してハンドピース１へ供給される。ハ
ンドピース１に設けられたスイッチ８の操作により、ノ
ズルから加圧液体が噴射される。高周波電源装置３は電
源コード９によりハンドピース１に接続され、フットス
イッチ（図示せず）等でノズルパイプ部４へ高周波電流
を供給する。
【００１９】図２は、ハンドピース１の概略構成を示す
断面模式図である。このハンドピース１は、把持部２１
とノズルパイプ部４とで主に構成されている。ハンドピ
ース１の把持部２１内には加圧液体を通すパイプ２７が
配置され、オン・オフバルブ２２を介してノズル２４に
接続されている。したがって、把持部２１に設けたスイ
ッチ２８の操作によりオン・オフバルブ２２が作動し、
ノズル２４の先端部まで加圧液体が供給される構造とし
ている。また、電源コード２９が端子２３でパイプ２７
に接続される。ノズルパイプ部４は、加圧液体を噴射す
べく金属性のノズル２４と電気の絶縁を考慮した樹脂性
の外套２５とで構成され、把持部２１の先端部に固定さ
れている。ノズルパイプ部４の先端部で突出しているノ
ズル２４は、その先端あるいは側面から加圧液体を噴射
してウォータジェットメスの役割りを果たし、また、高
周波電流用電極として機能して電気メスの役割りを果た
す多機能化が完成した。なお、把持部２１の先端部に固
定されている外套２５が直接トロカールに挿入され、気
密性を保つ役割りと電気の絶縁体としての役割りをして
いる。
断面模式図である。このハンドピース１は、把持部２１
とノズルパイプ部４とで主に構成されている。ハンドピ
ース１の把持部２１内には加圧液体を通すパイプ２７が
配置され、オン・オフバルブ２２を介してノズル２４に
接続されている。したがって、把持部２１に設けたスイ
ッチ２８の操作によりオン・オフバルブ２２が作動し、
ノズル２４の先端部まで加圧液体が供給される構造とし
ている。また、電源コード２９が端子２３でパイプ２７
に接続される。ノズルパイプ部４は、加圧液体を噴射す
べく金属性のノズル２４と電気の絶縁を考慮した樹脂性
の外套２５とで構成され、把持部２１の先端部に固定さ
れている。ノズルパイプ部４の先端部で突出しているノ
ズル２４は、その先端あるいは側面から加圧液体を噴射
してウォータジェットメスの役割りを果たし、また、高
周波電流用電極として機能して電気メスの役割りを果た
す多機能化が完成した。なお、把持部２１の先端部に固
定されている外套２５が直接トロカールに挿入され、気
密性を保つ役割りと電気の絶縁体としての役割りをして
いる。
【００２０】上記のように構成された内視鏡下外科手術
装置を用いて、腹腔鏡下胆嚢摘出手術を行う場合につい
て説明する。
装置を用いて、腹腔鏡下胆嚢摘出手術を行う場合につい
て説明する。
【００２１】臍下部からトロカールを挿入してＣＯ２ガ
スで気腹を行った後、ここから腹腔鏡を挿入して観察し
ながら３本のトロカールを胆嚢摘出の所定箇所に配置す
る。ここまでは、従来の手術方法と同じである。
スで気腹を行った後、ここから腹腔鏡を挿入して観察し
ながら３本のトロカールを胆嚢摘出の所定箇所に配置す
る。ここまでは、従来の手術方法と同じである。
【００２２】ここから、本願発明の特徴を明確にするた
めに体内の手術部位における拡大図を示す図３を利用し
て説明する。なお、ノズル３４はトロカールを通過させ
た状態を表している。
めに体内の手術部位における拡大図を示す図３を利用し
て説明する。なお、ノズル３４はトロカールを通過させ
た状態を表している。
【００２３】図３の（ａ）に示すように１本のトロカー
ルにハンドピース１のノズルパイプ部４を挿入通過さ
せ、ノズル先端部３４を電気メス機能にして、胆嚢頚部
で漿膜３１を切開し***３２をあける。その後、図３の
（ｂ）如く、その***３２からノズル先端部３４を挿入
して漿膜下に２ＭＰａに加圧したウォータジェットを注
入し漿膜を膨化する。この時、ノズル先端部３４からの
ウォータジェットの噴射方向や噴射数により膨化時の作
業性が影響されるため、場合によっては図３の（ｃ）に
示すように膨化及び剥離を進める場合もある。
ルにハンドピース１のノズルパイプ部４を挿入通過さ
せ、ノズル先端部３４を電気メス機能にして、胆嚢頚部
で漿膜３１を切開し***３２をあける。その後、図３の
（ｂ）如く、その***３２からノズル先端部３４を挿入
して漿膜下に２ＭＰａに加圧したウォータジェットを注
入し漿膜を膨化する。この時、ノズル先端部３４からの
ウォータジェットの噴射方向や噴射数により膨化時の作
業性が影響されるため、場合によっては図３の（ｃ）に
示すように膨化及び剥離を進める場合もある。
【００２４】ノズル先端部の形状については、標準の先
端部に噴射口を備えたものの他に、図４の（ａ）及び
（ｂ）に示すように、ノズル先端部４４においてノズル
軸線に交差する方向に噴射口を備えたものがある。交差
方向としては、たとえば４５゜〜９０゜の方向にウォー
タジェットを噴射させる噴射口４１ａ及び４１ｂ、ある
いは、４２ａ及び４２ｂを備え、そのために漿膜下への
ウォータジェット液の注入量を多くでき、膨化に要する
時間を短縮できるものである。また、ノズル先端部４４
に高周波電流を通電させ切開や切離を行うわけだが、炭
化物の付着によるノズルの詰まりが噴射***差型ノズル
の場合にはほとんど無い。
端部に噴射口を備えたものの他に、図４の（ａ）及び
（ｂ）に示すように、ノズル先端部４４においてノズル
軸線に交差する方向に噴射口を備えたものがある。交差
方向としては、たとえば４５゜〜９０゜の方向にウォー
タジェットを噴射させる噴射口４１ａ及び４１ｂ、ある
いは、４２ａ及び４２ｂを備え、そのために漿膜下への
ウォータジェット液の注入量を多くでき、膨化に要する
時間を短縮できるものである。また、ノズル先端部４４
に高周波電流を通電させ切開や切離を行うわけだが、炭
化物の付着によるノズルの詰まりが噴射***差型ノズル
の場合にはほとんど無い。
【００２５】さて、膨潤化した漿膜３１を電気メス機能
にしたハンドピース１のノズル先端部３４で切開した
後、ウォータジェットメス機能にしてノズル先端部３４
からウォータジェットを噴出して胆嚢管の周囲の結合組
織や脂肪組織を剥離する。ウォータジェット流が、胆嚢
管壁に沿ってまわり込むため容易にしかもきれいに胆嚢
管が遊離できる。その後、通常の手術通り、エンドクリ
ップを掛けた上で胆嚢管の切離が可能となった。
にしたハンドピース１のノズル先端部３４で切開した
後、ウォータジェットメス機能にしてノズル先端部３４
からウォータジェットを噴出して胆嚢管の周囲の結合組
織や脂肪組織を剥離する。ウォータジェット流が、胆嚢
管壁に沿ってまわり込むため容易にしかもきれいに胆嚢
管が遊離できる。その後、通常の手術通り、エンドクリ
ップを掛けた上で胆嚢管の切離が可能となった。
【００２６】同様にして、胆嚢動脈も処理できる。
【００２７】次に、肝床部の剥離を行うが、胆嚢頚部と
同様にハンドピース１を用い漿膜に小切開孔をあけ、ウ
ォータジェットを注入し膨化する。ハンドピース１の電
気メス機能とウォータジェットメス機能を組み合わせて
肝床部の結合組織や脂肪組織の剥離と切離を繰り返す。
同様にハンドピース１を用い漿膜に小切開孔をあけ、ウ
ォータジェットを注入し膨化する。ハンドピース１の電
気メス機能とウォータジェットメス機能を組み合わせて
肝床部の結合組織や脂肪組織の剥離と切離を繰り返す。
【００２８】なお、通常の操作用トロカールの位置では
ウォータジェットの角度が悪いときは、交差型噴射口を
備えたノズル、または、別の位置のトロカールを用いる
とうまくいく。ウォータジェットの注入により十分に膨
化されていると安全かつ容易に剥離を進めることができ
る。
ウォータジェットの角度が悪いときは、交差型噴射口を
備えたノズル、または、別の位置のトロカールを用いる
とうまくいく。ウォータジェットの注入により十分に膨
化されていると安全かつ容易に剥離を進めることができ
る。
【００２９】この操作を胆嚢漿膜と肝床の移行部でも行
って、胆嚢底部に向かって結合組織を切離していくと胆
嚢が摘出できる。
って、胆嚢底部に向かって結合組織を切離していくと胆
嚢が摘出できる。
【００３０】本実施例では、胆嚢摘出術での有効性を述
べたが、血管・神経・尿管の露出や遊離、リンパ節郭
清、腸間膜の切開や開放、結合織の剥離など腹腔鏡下手
術の各分野で応用が可能である。
べたが、血管・神経・尿管の露出や遊離、リンパ節郭
清、腸間膜の切開や開放、結合織の剥離など腹腔鏡下手
術の各分野で応用が可能である。
【００３１】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の腹腔鏡下
外科手術装置と手技によれば、従来の腹腔鏡下外科手術
では利用できなかったウォータジェットメス機能を十分
に活用し、出血を少なくしたり、切開や切離をしやすく
したりして、より安全な手術が可能となった。粗性結合
織の最も弱い層こそ最も適切な剥離層であるが、漿膜下
に注入したジェットは、弱い層に広がって、液性剥離の
作用をするため、理想的な剥離操作ができるようになっ
た。
外科手術装置と手技によれば、従来の腹腔鏡下外科手術
では利用できなかったウォータジェットメス機能を十分
に活用し、出血を少なくしたり、切開や切離をしやすく
したりして、より安全な手術が可能となった。粗性結合
織の最も弱い層こそ最も適切な剥離層であるが、漿膜下
に注入したジェットは、弱い層に広がって、液性剥離の
作用をするため、理想的な剥離操作ができるようになっ
た。
【００３２】さらに、１本のハンドピースに上述ウォー
タジェットメス機能に加えて電気メス機能をも備えたこ
とで、多機能器具となり、腹腔鏡下外科手術におけるト
ロカールへの器具の入れ換え回数が少なくてすみ、効率
が良くなり手術時間の短縮が実現できたため、術者（医
者）の疲労を減少することにも効果がある。
タジェットメス機能に加えて電気メス機能をも備えたこ
とで、多機能器具となり、腹腔鏡下外科手術におけるト
ロカールへの器具の入れ換え回数が少なくてすみ、効率
が良くなり手術時間の短縮が実現できたため、術者（医
者）の疲労を減少することにも効果がある。
【００３３】また、第２の発明によれば、噴射口をノズ
ル軸と交差する方向に設けたため、ノズルの外径に沿っ
て逆流する液体が少なくなり、漿膜下への液の注入量を
多くできるため、膨化に要する時間が短縮できる。加え
て、電気メス機能によるノズル部への炭化物の付着によ
るノズル詰まりを減少でき、たとえやすり等による炭化
物除去作業が必要となっても、ノズル噴射口への影響が
ほとんど無いし、ノズル先端部の形状もフック形状や球
形状など任意の形状にすることができる。
ル軸と交差する方向に設けたため、ノズルの外径に沿っ
て逆流する液体が少なくなり、漿膜下への液の注入量を
多くできるため、膨化に要する時間が短縮できる。加え
て、電気メス機能によるノズル部への炭化物の付着によ
るノズル詰まりを減少でき、たとえやすり等による炭化
物除去作業が必要となっても、ノズル噴射口への影響が
ほとんど無いし、ノズル先端部の形状もフック形状や球
形状など任意の形状にすることができる。
【図１】本発明の一実施の形態に係る腹腔鏡下外科手術
装置の概略全体構成を示す説明図である。
装置の概略全体構成を示す説明図である。
【図２】図１に示したハンドピースの概略構成の一例を
示す断面模式図である。
示す断面模式図である。
【図３】本発明の実施形態の一例に係る腹腔鏡下胆嚢摘
出術の一部を示す模式図である。
出術の一部を示す模式図である。
【図４】本発明の第２の実施形態に係るノズル部拡大断
面図である。
面図である。
１ ハンドピース ２ 加圧装置（ウォータジェットポンプ） ３ 高周波電源装置 ４ ノズルパイプ部 ５ 生理食塩水パック ８，28 スイッチ 21 把持部 22 オン・オフバルブ 24，34，44 ノズル 31 漿膜 41ａ，41ｂ，42ａ，42ｂ 噴射口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村椿 良司 富山県魚津市本江2410番地 株式会社スギ ノマシン内 (72)発明者 浦沢 正 富山県魚津市本江2410番地 株式会社スギ ノマシン内 Ｆターム(参考） 4C060 FF10 FF19 KK08 KK13 KK20
Claims (4)
- 【請求項１】 トロカールを介して腹腔内に挿入したノ
ズル先端部に高周波電流を通電して、切除する臓器の漿
膜に切開を加え、切開孔から漿膜下に前記ノズル先端部
を挿入して１〜５ＭＰａの高圧液体を噴射して漿膜下層
を膨化させ、通電した前記ノズル先端部及び該ノズル先
端部からの噴射液との組み合わせで手術部位の組織を切
離、または、剥離することを特徴とする腹腔鏡下外科手
術方法。 - 【請求項２】 前記ノズル先端部から、ノズル軸線に交
差する方向に高圧液体を噴射することを特徴とする請求
項１に記載された腹腔鏡下外科手術方法。 - 【請求項３】 腹腔鏡下外科手術に使用するトロカール
を通過でき、かつ、先端部が手術部位に到達可能な長さ
と形状を備えたノズルと、該ノズルを保持する手術用ハ
ンドピースと、前記ノズルの先端部に高周波電流を通電
する高周波電源装置と、前記ノズルに穿設された噴射口
へ１〜５ＭＰａの加圧液体を供給する加圧装置とを備え
たことを特徴とする腹腔鏡下外科手術装置。 - 【請求項４】 前記ノズルの噴射口がノズル軸線と交差
する位置に１個以上設けられたことを特徴とする請求項
３に記載された腹腔鏡外科手術装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11074903A JP2000262528A (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 腹腔鏡下外科手術方法及び手術装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11074903A JP2000262528A (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 腹腔鏡下外科手術方法及び手術装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000262528A true JP2000262528A (ja) | 2000-09-26 |
Family
ID=13560825
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11074903A Pending JP2000262528A (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 腹腔鏡下外科手術方法及び手術装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000262528A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010082056A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Seiko Epson Corp | 流体噴射装置、流体噴射装置の駆動方法及び手術用器具 |
| JP2012523863A (ja) * | 2009-04-16 | 2012-10-11 | エルベ エレクトロメディジン ゲーエムベーハー | 内視鏡外科器具 |
| US8979836B2 (en) | 2005-04-11 | 2015-03-17 | Erbe Elektromedizin Gmbh | Endoscopic surgical instrument |
| JP2015159870A (ja) * | 2014-02-26 | 2015-09-07 | セイコーエプソン株式会社 | 手術機器 |
| JP2016195757A (ja) * | 2010-05-27 | 2016-11-24 | ボストン サイエンティフィック インターナショナル ベスローテン フェンノートシャップＢｏｓｔｏｎ Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｂ．Ｖ． | 流体ジェットの発生装置 |
| CN110664479A (zh) * | 2019-09-30 | 2020-01-10 | 严立 | 控制气体供给装置的气体流速调节装置及喷气剥离*** |
| CN110664480A (zh) * | 2019-09-30 | 2020-01-10 | 严立 | 一种喷气剥离电切头及喷气剥离电切装置 |
| US12029468B2 (en) | 2005-04-11 | 2024-07-09 | Erbe Elektromedizin Gmbh | Method for selectively elevating and separating tissue layers and surgical instrument for performing the method |
-
1999
- 1999-03-19 JP JP11074903A patent/JP2000262528A/ja active Pending
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US9468486B2 (en) | 2005-04-11 | 2016-10-18 | Erbe Elektromedizin Gmbh | Method for selectively elevating and separating tissue layers and surgical instrument for performing the method |
| US9980767B2 (en) | 2005-04-11 | 2018-05-29 | Erbe Elektromedizin Gmbh | Method for selectively elevating and separating tissue layers and surgical instrument for performing the method |
| JP2010082056A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Seiko Epson Corp | 流体噴射装置、流体噴射装置の駆動方法及び手術用器具 |
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| US9039703B2 (en) | 2009-04-16 | 2015-05-26 | Erbe Elektromedizin Gmbh | Endoscopic surgical instrument |
| US9649122B2 (en) | 2009-04-16 | 2017-05-16 | Erbe Elektromedizin Gmbh | Method of manufacturing an endoscopic surgical instrument |
| JP2016195757A (ja) * | 2010-05-27 | 2016-11-24 | ボストン サイエンティフィック インターナショナル ベスローテン フェンノートシャップＢｏｓｔｏｎ Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｂ．Ｖ． | 流体ジェットの発生装置 |
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| CN110664480A (zh) * | 2019-09-30 | 2020-01-10 | 严立 | 一种喷气剥离电切头及喷气剥离电切装置 |
| CN110664479A (zh) * | 2019-09-30 | 2020-01-10 | 严立 | 控制气体供给装置的气体流速调节装置及喷气剥离*** |
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