JP2000257601A - 油圧回路装置 - Google Patents

油圧回路装置

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JP2000257601A
JP2000257601A JP11058563A JP5856399A JP2000257601A JP 2000257601 A JP2000257601 A JP 2000257601A JP 11058563 A JP11058563 A JP 11058563A JP 5856399 A JP5856399 A JP 5856399A JP 2000257601 A JP2000257601 A JP 2000257601A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ロードセンシングシステムを備えた油圧回路装
置において、駆動する慣性体の大きさ係わらずスムーズ
な起動特性が得られ、かつ構成が簡単でスプールタイプ
のコントロール弁であっても容易に適用できるようにす
る。 【解決手段】分流弁5−1とホールドチェック弁6−1
をバルブアセンブリ56−1で構成し、分流弁弁体50
とホールドチェック弁弁体60間の中間室56cは油路
スリット20、逆止弁機能を有するラップ部32、弁体
60内の制御室70、バネ室72を経由して信号検出油
路9に接続され、信号検出油路9は絞り14(面積a
t)を経てタンクTへと接続される。弁体60の内部を
制御室79内へと軸方向に固定プラグ75が伸び、弁体
60の内周と固定プラグ75の外周とで制御室70とバ
ネ室72との間に位置する円環絞り11(面積ac)を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の油圧アクチ
ュエータを同時操作することのある建設機械、例えば油
圧ショベルに搭載され、駆動する慣性体の大小に関ら
ず、スムーズな起動特性が得られる油圧回路装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベル等の建設機械に搭載される
油圧回路装置には、ブリードオフ回路を持つセンターバ
イパス型のコントロール弁を用いるものと、ブリードオ
フ回路を持たないクローズドセンター型のコントロール
弁を用いるものとがあり、後者では、コントロール弁が
要求する流量を基本的に供給できるよう油圧ポンプの吐
出油量を制御するロードセンシングシステムが採用され
る。油圧機器の簡素化を目的とする場合は、ブリードオ
フ回路を持たない分、後者が有利である。しかし、ブリ
ードオフ回路を持たないため、大きな慣性を有する油圧
アクチュエータを駆動する時に過渡的に、圧力が急に立
ち上がって急激な加速が生じたり、圧力の振動(圧力脈
動)がなかなか減衰せず、スムーズな起動特性が得られ
ないという問題がある。
【0003】即ち、ロードセンシングシステムではコン
トロール弁が要求する流量を供給するよう油圧ポンプの
吐出油量を制御するため、アクチュエータが駆動する負
荷が旋回等の慣性体であって、油圧ポンプが吐出した油
量をアクチュエータが消費できない場合は、油圧ポンプ
の吐出圧は急激に立ち上がり、油圧ポンプの吐出したエ
ネルギーは配管系に貯えられ、その後アクチュエータが
加速域を過き、加速圧が必要なくなると、駆動圧の低下
に伴って配管系に貯えられていたエネルギーが放出さ
れ、アクチュエータはオーバーシュートし、これに伴い
更に駆動圧が低下し、その後アクチュエータの速度が低
下すると再び駆動圧が上昇するというような変化を示
し、過渡的に、圧力の急な立ち上がりが生じ、かつ圧力
脈動がなかなか減衰しなくなる。
【0004】そこで、駆動圧の上昇に伴いアクチェエー
タヘの供給流量を減少させ、圧力の急峻な立ち上がりを
抑える方法として、特開平4−191501号公報、特
開平5−263804号公報、特開平10−89304
号公報に記載の方法が提案されている。
【0005】特開平4−191501号公報及び特開平
5−263804号公報に記載の方法は同趣旨であり、
スリットを有する比例シート弁の変位をパイロット弁の
弁開度で制御するコントロール弁において、アクチュエ
ータの駆動圧に応じてパイロット弁の弁変位を制御し、
比例シート弁の弁変位を制御するものである。即ち、油
圧モータの入口部から絞りを介して誘導された圧力がパ
イロット弁に、パイロット弁の操作力に対抗して誘導さ
れる。油圧モータの入口部から絞りを介して誘導された
圧力は油圧モータの駆動圧に比例して増加する圧力であ
り、従って、パイロット弁の弁開度は当該駆動圧に比例
して減少し、これに伴い比例シート弁の弁開度も減少す
る。これにより油圧ポンプからの吐出油も減少するよう
制御され、圧力の急な立ち上がりの緩和と、圧力脈動の
減衰に寄与する。
【0006】特開平10−89304号公報では、ロー
ドセンシングシステムで複合操作を可能とするために設
けられた圧力補償弁に負荷圧が増加するに従って補償差
圧を小さくする負荷依存性を持たせたものであり、これ
により負荷圧が増加するとアクチュエータへの供給流量
が減り、油圧ポンプの吐出量が減少するよう制御され
る。圧力補償弁の負荷依存性は、圧力補償弁の受圧面積
のうち、メータインの可変絞りの入側圧力が閉じ方向に
作用する受圧面積を、メータイン可変絞りの出側圧力が
開け方向に作用する受圧面積より大きくすることにより
得ている。このように受圧面積差を設けると、その差分
の受圧面積により、負荷圧が増加するに従って大きくな
る閉じ方向の油圧力が発生するため、負荷圧に比例して
メータインの可変絞りの前後差圧が小さくなるよう制御
され、アクチュエータへの供給流量が減少する。このア
クチュエータへの供給流量の減少により、ロードセンシ
ング制御される油圧ポンプは吐出流量を減少させ、圧力
の急な立ち上がりが避けられ、かつ圧力脈動も早期に減
衰するようになる。
【0007】一方、ロードセンシングシステムを備えた
油圧回路装置において、ポンプ制御手段に設定されたロ
ードセンシング制御の目標差圧を変更することなく、特
定の油圧アクチュエータの駆動速度のみを遅くし微速操
作を可能とするものとして、特開平2−296002号
公報に記載の提案がある。この提案は、負荷圧を検出す
る逆止弁のバネ力をある強さに設定し、逆止弁部分で圧
力損失を与えることにより負荷圧をモジュレイトするも
のであり、信号圧が負荷圧よりその圧力損失分だけ低下
することによりロードセンシング制御される油圧ポンプ
の吐出圧と負荷圧との差圧も正規の差圧からその圧力損
失分だけ低下し、これに応じて制御流量が減少させる。
【0008】また、ロードセンシングシステムを備えた
油圧回路装置において、分流弁とホールドチェック弁を
組み合わせてバルブアセンブリとして構成を簡素化した
ものとして、国際出願公開公報WO98/31940に
記載のコントロール弁がある。このものでは、ホールド
チェック弁の中空状の弁体に分流弁の弁体を部分的に内
蔵させると共に、コントロール弁の負荷圧検出油路を分
流弁の内部通路(油路スリット)として形成し、かつそ
の内部通路を利用して逆止弁機能を与えることにより、
バルブ要素としての逆止弁を不要とし、コントロール弁
全体の構成を簡素化している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−19150
1号公報及び特開平5−263804号公報に記載の提
案や、特開平10−89304号公報の提案によれば、
負荷圧に比例して油圧アクチュエータへの供給流量が減
少し、油圧ポンプの吐出流量が減少するため、油圧アク
チュエータ駆動時の圧力の急な立ち上がりが避けられ、
かつ油圧脈動も早期に減衰するようになり、駆動する慣
性体の大小に係わらずスムーズな起動特性が得られる。
しかし、これら従来技術には次のような問題がある。
【0010】特開平4−191501号公報及び特開平
5−263804号公報に記載の提案は、コントロール
弁として比例シート弁の変位をパイロット弁の弁開度で
制御するものを使用しており、通常のスプールタイプの
コントロール弁を使用してその提案を実施することは構
造的に難しい。特に最近のコントロール弁はスプール内
部を再生回路を組むための油通路として利用しており、
困難さが倍加する。
【0011】特開平10−89304号公報の提案は、
スプールタイプのコントロール弁を使用した場合の圧力
補償弁の弁構造を示しているが、圧力補償弁に受圧面積
に差を持たせるため、組み立て性を考慮すると構造が複
雑になり過ぎており、また面積管理も大変である。
【0012】特開平2−296002号公報の提案は、
特定の油圧アクチュエータの駆動速度のみを遅くし微速
操作を可能とすることを目的としている。しかし、油圧
ポンプの吐出流量が減るため、結果として油圧アクチュ
エータ駆動時の圧力の急な立ち上がりの防止や、油圧脈
動の早期の減衰が図れる。また、負荷圧を検出する逆止
弁部分で圧力損失を与えるだけなので、構造が簡単であ
るという長所もある。しかし、逆止弁部分で与えられる
圧力損失はバネ力で設定されるため、負荷圧に関係無く
ある一定値であり、慣性体の大きさに応じた制御特性、
即ち負荷依存性が得られない。このため、駆動する慣性
体の大きさによってはアクチュエータ駆動時に、圧力の
急な立ち上がりが生じたり、圧力脈動が早期に減衰しな
いという問題を生じる。
【0013】国際出願公開公報WO98/31940に
記載のコントロール弁は、分流弁とホールドチェック弁
を組み合わせてバルブアセンブリとし、その中に種々の
機能を組み込んだので、コントロール弁全体の構成が簡
素化される利点がある。しかし、大きな慣性を有するア
クチュエータを駆動するときの圧力の急激な立ち上がり
や油圧脈動に対する措置は講じられておらず、駆動する
慣性体が大きい場合はアクチュエータ駆動時に、圧力の
急な立ち上がりが生じたり、圧力脈動が早期に減衰しな
いという問題を生じる。
【0014】本発明の目的は、ロードセンシングシステ
ムを備えた油圧回路装置において、駆動する慣性体の大
きさ係わらずスムーズな起動特性が得られ、かつ構成が
簡単であり、スプールタイプのコントロール弁であって
も容易に適用できる油圧回路装置を提供することであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、油圧ポンプと、この油圧ポンプか
ら吐出された圧油により駆動される複数の油圧アクチュ
エータと、前記油圧ポンプと複数のアクチュエータとの
間に配置された複数のコントロール弁と、前記複数の油
圧アクチュエータの最高負荷圧に基づく信号圧が導か
れ、第1絞りを介してタンクに接続された信号検出油路
と、前記信号圧よりも所定値だけ高くなるよう前記油圧
ポンプの吐出圧を制御するポンプ制御手段とを備え、前
記複数のコントロール弁は、それぞれ、前記油圧アクチ
ュエータに供給される圧油の流量を制御するメータイン
の可変絞りを備えた主弁と、この主弁のメータインの可
変絞りと前記油圧アクチュエータとの間に配置された、
分流弁とホールドチェック弁との組み合わからなるバル
ブアセンブリとを有し、前記バルブアセンブリのホール
ドチェック弁は、前記信号検出油路につながる制御室を
内部に形成した中空スプール状の弁体を有し、前記バル
ブアセンブリの分流弁は、少なくとも部分的に前記中空
スプール状の弁体内に摺動自在に内装され、かつ一端が
入口通路に位置し、他端が前記制御室に位置する弁体を
有し、前記制御室の圧力と前記入口通路の圧力とのバラ
ンスで前記弁体がストロークし前記入口通路の圧力を制
御することにより前記メータインの可変絞りの前後差圧
を制御する油圧回路装置において、前記複数のコントロ
ール弁のそれぞれのバルブアセンブリは、前記分流弁の
弁体の外周に形成された油路スリットと、前記分流弁の
弁体が前記ホールドチェック弁の中空スプール状の弁体
に対して所定距離以上移動すると前記油路スリットを前
記制御室に開口させ、前記分流弁とホールドチェック弁
との間の中間室を前記制御室に連通させるラップ部とを
有し、前記複数のコントロール弁のうちの特定のコント
ロール弁のバルブアセンブリは、前記ホールドチェック
弁の中空スプール状の弁体の内部を軸方向に伸びる固定
プラグと、前記ホールドチェック弁の中空スプール状の
弁体の内周と前記固定プラグの外周とによって形成され
る円環状の第2絞りを有するものとする。
【0016】このように複数のコントロール弁のうちの
特定のコントロール弁のバルブアセンブリに円環状の第
2絞りを設けることにより、その特定のコントロール弁
に係わる油圧アクチュエータの負荷圧が最高負荷圧であ
るとき、特定のコントロール弁のバルブアセンブリにお
ける上記油路スリットが制御室に開口し、負荷圧を中間
室と油路スリットを介して制御室に誘導し、円環状の第
2絞りが第1絞りと共働し、制御室に誘導された負荷圧
をモジュレイトして信号検出油路に誘導するものとな
る。このため、特定のコントロール弁に係わる油圧アク
チュエータの負荷圧(最高負荷圧)が高くなるに従い円
環状の第2絞りの前後差圧は増し、信号検出油路に誘導
される信号圧を減圧する働きが強くなる。ポンプ制御手
段は、この信号圧よりも所定値だけ高くなるよう油圧ポ
ンプの吐出圧を制御するので、特定のコントロール弁の
メータインの可変絞りの前後差圧は負荷圧が高くなるに
従って小さくなり、制御流量を減少する働きが出てく
る。このため、特定のコントロール弁に係わる油圧アク
チュエータの起動時、負荷圧に応じて油圧アクチュエー
タへの供給流量が減少し、油圧ポンプの吐出流量が減少
するため、油圧アクチュエータ駆動時の圧力の急な立ち
上がりが避けられ、かつ油圧脈動の早期の減衰も図れ、
駆動する慣性体の大小に係わらずスムーズな起動特性が
得られる。
【0017】また、分流弁とホールドチェック弁のバル
ブアセンブリにおけるホールドチェック弁の弁体と固定
プラグを利用して円環状の第2絞りを追加形成しただけ
であるから、極めて構成は簡単であり、コントロール弁
の主弁がスプールタイプであっても容易に適用できる。
また、円環状の第2絞りを追加しただけなので誤動作の
恐れも無い。
【0018】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記固定プラグは前記複数のコントロール弁のバルブア
センブリの全てに設けられ、前記分流弁を閉位置に保持
するバネ受け部を有する同じバネ支持部材であり、前記
特定のコントロール弁のバルブアセンブリの円環状の第
2絞りは、前記ホールドチェック弁の中空スプール状の
弁体の内周形状を他のコントロール弁のバルブアセンブ
リにおけるホールドチェック弁の中空スプール状の弁体
の内周形状と違えることにより、前記弁体の内周と前記
バネ受け部の外周との間の円環状の隙間により形成され
ている。
【0019】これにより簡単に特定のコントロール弁の
バルブアセンブリ側だけに円環状の第2絞りを形成する
ことができる。
【0020】(3)また、上記(1)において、好まし
くは、前記複数のコントロール弁のバルブアセンブリに
おけるそれぞれの分流弁の弁体は、前記入口側の受圧面
積が前記制御室側の受圧面積より大きい。
【0021】これにより複合操作時の低負荷圧側のコン
トロール弁で分流弁に働くフローフォースの影響を除去
するなど低負荷圧側のコントロール弁の特性も改善さ
れ、良好な複合操作が行える。また、上記(1)で述べ
た高負荷圧側のコントロール弁の特性の改善手段(円環
状の第2絞りの設置)と、低負荷圧側のコントロール弁
の特性の改善手段(受圧面積を変える)とは相互に独立
しており、高負荷圧側の特定の改善と低負荷圧側の特性
の改善を独立した手段で達成でき、機器の選択自由度が
大幅に増加する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。
【0023】まず、本発明の第1の実施形態による油圧
回路装置を図1〜図4により説明する。
【0024】図1において、本実施形態の油圧回路装置
は、固定容量型の油圧ポンプ1と、油圧ポンプ1の全吐
出油量を小さなオーバライドでブリードできるブリード
弁2とを備え、油圧ポンプ1とブリード弁2との組み合
わせで固定ポンプのロードセンシングシステムを構成し
ている。
【0025】油圧ポンプ1から吐出された圧油は複数の
油圧アクチュエータ3−1,3−2に供給され、油圧ポ
ンプ1と油圧アクチュエータ3−1,3−2との間には
図2に示すようなメータインの可変絞りM/Iとメータ
アウトの可変絞りM/Oを備えたスプールタイプの主弁
4a−1,4a−2を有するコントロール弁4−1,4
−2が設置され、主弁4a−1,4a−2を切り換え操
作することで油圧アクチュエータ3−1,3−2に供給
される圧油の流れ方向と流量が制御される。本実施形態
では、アクチュエータを2つだけ示したが、使用できる
アクチュエータの数はこの限りではないことは勿論であ
る。また、図1では図示の都合上、主弁4a−1,4a
−2の片側の切換位置におけるメータインの可変絞りM
/Iとメータアウトの可変絞りM/Oのみをメータイン
側とメータアウト側とで分けて示している。
【0026】コントロール弁4−1,4−2は、それぞ
れ、上記のメータインの可変絞りM/I及びメータアウ
トの可変絞りM/Oを備えた主弁4a−1,4a−2に
加え、複合操作を可能とする分流弁5−1,5−2とホ
ールドチェック弁6−1,6−2の組み合わせからなる
バルブアセンブリ56−1,56−2を内臓している。
【0027】バルブアセンブリ56−1,56−2は、
それぞれ、主弁4a−1,4a−2のメータインの可変
絞りM/Iと油圧アクチュエータ3−1,3−2との間
に設置され、分流弁5−1,5−2はバルブアセンブリ
56−1,56−2の入口通路56a側に位置し、ホー
ルドチェック弁6−1,6−2はバルブアセンブリ56
−1,56−2の出口通路56b側に位置している。
【0028】コントロール弁4−1において、バルブア
センブリ56−1のホールドチェック弁6−1は中空ス
プール状の弁体60を有し、分流弁5−1は、少なくと
も部分的に中空スプール状の弁体60内に摺動自在に内
装され、かつ一端が入口通路56aに位置し、他端が制
御室70(後述)に位置するスプール状の弁体50を有
し、弁体50と弁体60の間には中間室56cが形成さ
れている。
【0029】ホールドチェック弁6−1の弁体60は、
図3に示すように、外径D2及び内径d2を持つ大径部
61と外径D3(<D2)及び内径d3(<d2)を持
つ小径部62とを有し、大径部61の先端にはシート部
63が設けられている。また、大径部61はケーシング
1と摺動自在に嵌合し、小径部62はケーシング1内に
挿入されたスリーブ64の内径部と摺動自在に嵌合して
いる。大径部61と小径部62の境界段部とスリーブ6
4の端面間には負荷圧室65が形成され、大径部61の
外周には出口通路56bから負荷圧を負荷圧室65へ誘
導する複数のスリット66が形成されている。
【0030】また、弁体60は、基端がスリーブ64の
内側段差部に支持されたバネ79によりシート部63が
中間室56cと出口通路56bの間のエッジ部分に触座
するよう付勢されている。
【0031】更に、弁体60の小径部62の外径D3と
大径部61の内径d2(=分流弁5−1のステム部53
(後述)の外径)は同一寸法に製作されており、これに
より制御室70内の油圧が弁体60に作用する力の影響
を無くしている。
【0032】分流弁5−1の弁体50はメータリングノ
ッチ51が形成されたランド52とステム部53とを有
し、ステム部53がホールドチェック弁6−1の弁体6
0の大径部61に摺動自在に嵌合し、ホールドチェック
弁6−1の弁体60内に分流弁5−1のステム部53の
背部が位置する制御室70を形成している。分流弁5−
1の動作時、制御室70には分流弁5−1のステム部5
3の外周に設けられた油路スリット20を介して中間室
56cの油圧が誘導される(後述)。
【0033】制御室70はホールドチェック弁6−1の
小径部62の背部に位置する、第2の制御室を兼ねるバ
ネ室72に連通し、バネ室72はスリーブ64に設けら
れた小孔73を介して信号検出油路9に接続されてい
る。信号検出油路9は更に絞り14(面積at)を経て
タンクTへと接続されている。
【0034】バネ室72から弁体60の小径部62の内
部を通って固定プラグ75が軸方向に伸びており、固定
プラグ75の基端はスリーブ64に保持されている。固
定プラグ75は先端付近にフランジ状のバネ受け部76
が設けられたバネ支持部材であり、バネ受け部76に、
分流弁5−1の弁体50を入口通路56aの内壁77に
当たるよう付勢し弁体50を閉位置に保持するバネ78
の基端が支持されている。また、ホールドチェック弁6
−1の弁体60の小径部62の内周は固定プラグ75の
バネ受け部76の外周との間の円環状の隙間を狭くする
ような内径寸法とされ、この円環状の隙間により本発明
の特徴である円環絞り11(面積ac>at)が形成され
ている。
【0035】分流弁5−1のステム部53の外周に形成
された上述の油路スリット20は一端が中間室56cに
開口し、他端はステム部53の途中で切れ、弁体50が
閉位置にあるときは油路スリット20と制御室70との
間の連通を遮断するラップ量Xのラップ部32が形成さ
れ、弁体50が図示の閉位置からラップ量X以上ストロ
ークすると油路スリット20が制御室70に開口するよ
うになっている。即ち、このラップ部32は自身が係わ
る油圧アクチュエータ3−1(図1参照)の負荷圧が最
高負荷圧であるときにのみ開口し、中間室56cの圧力
(負荷圧)を検出可能とする逆止弁機能を果たす。
【0036】このようにラップ部32が逆止弁機能を果
たすことにより、自身が係わる油圧アクチュエータ3−
1の負荷圧が最高負荷圧であるときにのみ分流弁5−1
とホールドチェック弁6−1との間の中間室56cから
負荷圧が検出され、この負荷圧が制御室70に誘導され
る。また、制御室70とバネ室72との間に円環絞り1
1が設けられることにより、この円環絞り11と信号検
出油路9に設けられた絞り14とが共働して、制御室7
0に誘導された負荷圧をモジュレイトし(後述)、この
モジュレイトされた負荷圧が信号検出油路9へ誘導され
る。
【0037】また、ラップ部32のラップ量Xは弁体5
0の動作時の不感帯として機能し、分流弁5−1のラン
ド52にはメータリングノッチ20に対する不感帯Yが
形成され、Y<Xの関係にある。不感帯Xはホールドチ
ェック弁6−1の弁体60に対しては一定であるが、弁
体60が図示上方に移動すると、不感帯Xは弁体60の
位置に応じて変化するため、不感帯Xは可変不感帯とし
て機能する。
【0038】更に、分流弁5−1の弁体50のランド5
2は流体力低減のためステム部53の外径d2より大き
い外径d1を有し、分流弁5−1の弁体50の入口通路
56a側の受圧面積Aiと制御室70側の受圧面積Acと
の間に、Ai>Acの関係を持たせている。
【0039】中間室56cはランド52の外径d1より
大きくホールドチェック弁6−1の大径部61の外径D
2より小さい内径D1を有し、ホールドチェック弁6−
1が確実にホールドチェック機能を果たせるようになっ
ている。
【0040】コントロール弁4−1の等価回路を図4及
び図5に示す。図中、図3に示した部分又は機能と同等
のものには同じ符号を付している。
【0041】本実施形態のコントロール弁4−1におい
て、分流弁5−1とホールドチェック弁6−1のバルブ
アセンブリ56−1は、図4の分離した分流弁5−1及
びホールドチェック弁6−1の組み合わせに相当し、円
環絞り11は、図4の絞り11に相当する。即ち、バル
ブアセンブリ56−1は、図4の分流弁5−1とホール
ドチェック弁6−1と絞り11の3つのバルブ要素を合
理的に集約した構成となっている。また、本実施形態の
コントロール弁4−1において、油路スリット20、制
御室70、バネ室72は図5の負荷圧検出油路7−1に
相当し、ラッパ部32の逆止弁機能は、図5の逆止弁8
−1に相当する。即ち、バルブアセンブリ56−1は、
図5に示すコントロール弁の負荷圧検出油路7−1を内
部通路として構成し、その内部通路の一部である油路ス
リット20を利用して逆止弁8−1の機能を与えてい
る。このようにバルブアセンブリ56−1には種々の機
能が集約されており、これによりコントロール弁4−1
全体の構成をコンパクト化、簡素化できる。
【0042】コントロール弁4−2のバルブアセンブリ
56−2は、円環絞り11を持たない点を除いてコント
ロール弁4−1のバルブアセンブリ56−1と同様に構
成されている。
【0043】即ち、コントロール弁4−1のバルブアセ
ンブリ56−1においては、上記のようにホールドチェ
ック弁6−1の弁体60の小径部62の内周を固定プラ
グ75のバネ受け部76の外周との間の円環状の隙間が
狭くなるような内径寸法とし、この円環状の隙間により
円環絞り11(面積at)が設けられている。これに対
し、コントロール弁4−2のバルブアセンブリ56−2
は、ホールドチェック弁6−1の弁体60の小径部62
の内周を制御室70側で拡径し、小径部62の内周と固
定プラグ75のバネ受け部76の外周との間の円環状の
隙間を広げ、絞りのない通路構造としている。これによ
り同じ固定プラグ(バネ支持部材)を用い、弁体60の
小径部62の内周形状を変えることにより、容易にバル
ブアセンブリ56−1側にだけ円環絞り11を形成する
ことができる。
【0044】ブリード弁2は、弁体2aと、弁体2aの
閉弁方向の作用端が位置するバネ室2bと、このバネ室
2bに配置され、弁体2aを閉弁方向に付勢するバネ2
cとを有し、バネ室2bは信号検出油路9に絞り15を
介して接続され、信号検出油路9に検出された信号圧が
バネ室2bに誘導される。油圧ポンプ1の吐出圧をP
1、信号検出油路9の信号圧をPcとすると、ブリード弁
2はP1とPcの差がバネ2cで設定された差圧ΔPL以
上になると、油圧ポンプ1からの余剰流をタンクTへ還
流する働きをする。このことは、コントロール弁4−
1,4−2に流れる油量により作り出された差圧であ
る、メータインの可変絞りM/Iの入口圧力(=P1)
と信号検出油路9の信号圧Pcとの差圧がΔPLを越える
と、余剰流をタンクTへ還流することを意味する。
【0045】21は主回路保護のためのメインリリーフ
弁、22は信号回路保護のための補助リリーフ弁であ
る。
【0046】以上において、バルブアセンブリ56−1
の円環絞り11以外の構造、あるいは円環絞りのないバ
ルブアセンブリ56−2の構造は国際公開公報WO98
/31940に開示されている「分流弁付き方向制御
弁」の分流弁とホールドチェック弁を組み合わせた弁構
造と基本的に同じであり、バルブアセンブリ56−1,
56−2の上記以外の構造の特徴及び下記する以外の動
作の特徴は国際公開公報WO98/31940に説明さ
れている。
【0047】本実施形態の油圧回路装置の動作を説明す
る。なお、以下の説明では、油圧ポンプ1の吐出圧及び
信号検出油路9の信号圧を上記のようにそれぞれP1,
Pcとし、分流弁5−1の入口通路56aの圧力(以下
適宜、入口圧という)をP2、分流弁5−1の出口通路
(中間室56c)の圧力(以下適宜、出口圧という)を
P3、制御室70の圧力(以下適宜、制御圧という)を
P4とする。また、ホールドチェック弁6−1の弁体6
0での圧力損失は微小であり、分流弁5−1の出口圧P
3は油圧アクチュエータ3−1の負荷圧にほぼ等しいと
する。
【0048】まず、円環絞り11の検出負荷圧モジュレ
イ機能について説明する。
【0049】円環絞り11の面積をac、絞り14の面
積をat、絞り11,14を通過する流量をqとする
と、制御圧P4と信号圧Pcの関係は次のようになる。た
だし、ac>atである。また、逆止弁機能を持つラップ
部32での圧力損失は無視できるものとする。
【0050】 q=C・ac・√(2g/γ)√(P4−Pc) =C・at√(2g/γ)√Pc C:流量係数 g:重力 γ:粘性係数 の関係から、モジュレイトされた検出信号圧力Pcは、 Pc={ac2/(ac2+at2)}・P4 となり、 P4−Pc={at2/ac2+at2}・P4 …(1) の関係から、P4−Pcの差圧、即ち円環絞り11の前後
差圧が定まる。この式から、油圧アクチュエータ3−1
の負荷圧(出口圧P3)が上昇し、制御圧P4が高くなる
に従って円環絞り11の前後差圧P4−Pcが増し、円環
絞り11による信号圧Pcを減圧する作用が強くなるこ
とが分かる。即ち、円環絞り11は、負荷圧(出口圧P
3)に依存して差圧P4−Pcを増大させ、信号圧を減圧
するモジュレイト機能を有する。
【0051】油圧アクチュエータ3−1の単独操作時、
あるいは油圧アクチュエータ3−1の負荷圧が最高負荷
圧である複合操作時のコントロール弁4−1の動作を説
明する。
【0052】分流弁5−1の入口圧P2と制御室70の
制御圧P4の差圧をΔPb1とする。この差圧ΔPb1は入
口通路56aから制御室70に至る油通路の圧損であり
制御流量の関数となるが、極力圧損を下げる工夫をし
て、流量の影響は少ないものとする。この場合、ΔPb1
は微小であり、制御圧P4は分流弁5−1の出口圧P3、
即ち負荷圧にほぼ等しい。
【0053】もし、円環絞り11が無いとすると、P4
=Pcであり、主弁4a−1のメータインの可変絞りM
/Iの前後差圧は、 P1−P2=(Pc+ΔPL)−(P4+Pb1) =ΔPL−ΔPb1 …(2) となる。これに対して、円環絞り11が挿入されると、
円環絞り11の検出負荷圧モジュレイ機能により信号圧
Pcは制御圧P4よりも低くなり、主弁4a−1のメータ
インの可変絞りM/Iの前後差圧は、 P1−P2=(Pc+ΔPL)−(P4+Pb1) =ΔPL−ΔPb1−(P4−Pc) …(3) とP4−Pcの差圧分だけ減少する。
【0054】ここで、上記(1)式で表される円環絞り
11のモジュレイト機能により、(3)式で表される差
圧P4−Pcは負荷圧(出口圧P3)が高くなるに従って
増大するから、負荷圧が高くなるに従って制御流量を減
少する働きが出てくる。即ち、コントロール弁4−1
は、円環絞り11が設置されているから、図6に示すよ
うな負荷圧(出口圧P3)が上昇すると制御流量Qが減
少する負荷依存特性を持つ。
【0055】円環絞り11の効果を調べるために行った
シュミレーションの結果を図7に示す。図7において、
(a)と(b)で油圧アクチュエータ3−1の慣性モー
メントを違え、(a)に対し(b)は3倍の慣性モーメ
ントを持っている。また、(a)及び(b)の上段は油
圧ポンプ1の吐出油量Qpと負荷側へ流れる流量Q1とブ
リード弁2にブリードされる流量Qcとの関係を示して
いる。コントロール弁4−1は0.5秒でフル操作され
ている。(a)及び(b)の中段はポンプ吐出圧P1、
下段は油圧アクチュエータ3−1の角速度ωを示す。円
環絞り11の効果を見るために円環絞り11の開口面積
acと絞り14の開口面積atの比、k=ac/at、をパ
ラメータとして選択した。
【0056】1)絞り11の効果の無いk=25では、
油圧脈動が大きく、特に慣性モーメントが大きい場合い
に顕著である。このシュミレーションではメインのリリ
ーフ弁21が作動しないものとしたため、油圧ポンプ1
の吐出圧(駆動圧)P1が慣性モーメント大でかなり高
くなっている。
【0057】2)k=5.76の場合は過渡的にブリー
ド弁2によるブリード流量が増加し、油圧アクチュエー
タ3−1の回転もスムーズであり、圧力脈動も直ぐに減
衰している。(k=5.76は絞りの直径で比較すると
dt=0.5に対しdc=1.2位の関係にある。)回転
速度が一定値になると、駆動圧も低下し、P4−Pcの値
も小さくなり、検出圧をモジュレイトしない場合と同じ
ような回転速度が得られている。
【0058】また、本実施形態においては、円環絞り1
1を制御室70とバネ室72の間に設けたことにより、
制御室70とバネ室72の間に差圧が発生し、ホールド
チェック弁6−1の弁体60に図示上方の押し上げ力が
働き、ホールドチェック弁6−1の弁体60の開度が増
加するので、高負荷圧側のホールドチェック弁6−1で
の圧力損失が確実に低減ができる。
【0059】ここで、ラップ部32のラップ量Xは上記
のように可変不感帯であるため、ホールドチェック弁6
−1の弁体60の開度が増加すると、分流弁5−1の弁
体50は弁体60の後を追いかけて移動し、この分だけ
分流弁5−1の弁体50の変位が大きくなり開口面積が
増大する。このため、分流弁5−1で生ずる圧力損失も
軽減される。
【0060】次に、油圧アクチュエータ3−1の負荷圧
が最高負荷圧である複合操作時の低負荷圧側のコントロ
ール弁4−2の動作について説明する。
【0061】複合操作時に高負荷圧側と低負荷圧側に要
求される流量特性に若干の相違がある。複合操作時に低
負荷圧側に要求される流量特性の1つとして、低負荷圧
側に圧油が多量に流れた方が良い場合いがあることがあ
る。例えば、油圧ショベルのブームと旋回の複合操作で
は、ブームの伸び駆動圧で旋回を駆動したい要求があ
り、この場合、分流弁の機能をかなり緩和させた特性が
必要となる。2つ目としては、低負荷圧側の分流弁に働
くフローフォースの影響の除去がある。分流弁に作用す
るフローフォースは、 FL=2・C・A(x)・(Pin−Pout)・cosθ C:流量係数 A(x):弁体のストロークxにより決まる開口面積 Pin:入口圧 Pout:出口圧 θ:流れ角 で与えられ、フローフォースFLは分流弁の絞りの前後
差圧Pin−Poutに応じて大きくなる。分流弁の絞りの
前後差圧Pin−Poutは低負荷側の分流弁で大きくな
る。このため、分流弁に作用するフローフォースの影響
は低負荷圧側で大となる。 上述したように、高負荷圧
側のコントロール弁4−1には円環絞り11が設置され
ているため、負荷圧(出口圧P3)が増加すると、制御
流量Qが減少する図3に示すような特性を持つ。低負荷
圧側のコントロール弁4−1の分流弁5−2において
は、信号検出油路9の信号圧Pcがその制御室70に誘
導されている。高負荷圧側の分流弁5−1の弁体50が
圧力P2と圧力P4で釣り合い関係にあるのに対して、低
圧側の分流弁5−2の弁体50は制御室70に誘導され
ている信号圧Pcに対して釣り合い関係にあり、この信
号圧Pcは検出した負荷圧(出口圧P3)(=P4)を円
環絞り11で減圧した値であるため、低負荷圧側の分流
弁5−2の弁体50はP2より低い入口圧Pinで釣り合
うはずである。しかし、低負荷圧側の分流弁5−2の弁
体50には、弁体50の絞り(メータリングノッチ5
1)の前後差圧Pin−P5に応じたフローフォースが閉
弁方向に作用し、このフローフォースと制御室50の信
号圧Pcにバランスさせるためには、分流弁5−2の入
口圧PinはP2以上の圧力が必要になる。換言すれば、
低負荷圧側ではフローフォースの影響により、第1の実
施形態で(2)式を引用して説明した分流弁5−2の入
口圧Pinと制御室70の制御圧Pcの差圧ΔPb2が無視
できなくなる。その結果、図8に点線で示すように、P
3とP5の差圧が増大するにしたがって制御流量Qが減少
する特性になる恐れがある。この場合、高負荷圧側のコ
ントロール弁4−1では、負荷圧が高くなると流量を減
らすよう制御されるのに対し、低負荷圧側のコントロー
ル弁4−2はP3とP5の差圧が増するに従って制御流量
が減少し、高負荷圧側の働きをキャンセルすることにな
る。また、これは高負荷圧側の圧力が一定で低負荷圧側
の圧力が低下したとき、低負荷圧側で消費される流量が
減少することになり、理に反している。
【0062】本実施形態では、この低負荷圧側のコント
ロール弁4−2の分流弁5−2におけるフローフォース
の影響をキャンセルするために、上記のように入口通路
56a側の受圧面積Aiと制御室70側の受圧面積Acの
間にAi>Acの関係を持たせ、分流弁5−2の入口圧と
出口圧の差圧がAi−Acの面積に働くようにする。これ
によりフローフォースが差圧P3−P5に比例して増大
し、弁体50を閉じ側に働くのに対し、面積Ai−Acに
働く弁体50を開け側に働く力も差圧P3−P5に比例し
て増大するから、フローフォースの影響をキャンセル
し、図8に実線で示すように差圧P3−P5が増大するに
したがって制御流量Qが増大する特性が得られる。
【0063】これにより複合操作時の低圧負荷側のコン
トロール弁4−2においてもフローフォースの影響を除
去して特性を改善し、良好な複合操作が行える。また、
高負荷圧側のコントロール弁4−1の特性の改善手段は
円環絞り11を設置するだけであり、低負荷圧側のコン
トロール弁4−2の特性の改善手段は分流弁5−2の受
圧面積を違えるだけであり、両改善手段は相互に全く独
立しているため、高負荷圧側の要求性能と低負荷圧側の
要求性能を相互に独立した手段で達成でき、機器の選択
自由度が大幅に増加する。
【0064】以上のように本実施形態によれば、油圧ア
クチュエータ3−1の単独操作時や油圧アクチュエータ
3−1の負荷圧が最高負荷圧である複合操作時におい
て、油圧アクチュエータ3−1の起動時に、負荷圧に応
じて油圧アクチュエータ3−1への供給流量が減少し、
油圧ポンプ1の吐出流量が減少するため、油圧アクチュ
エータ駆動時の圧力の急な立ち上がりが避けられ、かつ
油圧脈動の早期の減衰も図れ、駆動する慣性体の大小に
係わらずスムーズな起動特性が得られる。
【0065】また、バルブアセンブリ56−1の制御室
70とバネ室72との間に弁体60と固定プラグ75を
利用して円環絞り11を追加形成しただけであるから、
極めて構成は簡単であり、コントロール弁4−1の主弁
4a−1がスプールタイプであっても容易に適用でき
る。また、円環絞り11を追加しただけなので誤動作の
恐れも無い。
【0066】更に、コントロール弁4−1のバルブアセ
ンブリ56−1は、図4の分流弁5−1とホールドチェ
ック弁6−1と絞り11の3つのバルブ要素と、図5の
負荷圧検出油路7−1、逆止弁8−1の機能を集約した
構成となっており、コントロール弁4−2のバルブアセ
ンブリ56−2も同様であり、これによりコントロール
弁4−1全体の構成をコンパクト化、簡素化できる。
【0067】また、単独及び複合操作時の高負荷圧側の
コントロール弁4−1の特性に負荷依存性を持たせ、コ
ントロール弁4−1の特性を改善するだけでなく、複合
操作時の低圧負荷側のコントロール弁4−2においても
フローフォースの影響を除去するなど特性を改善し、良
好な複合操作が行える。また、高負荷圧側のコントロー
ル弁4−1の特性の改善手段は円環絞り11を設置する
だけであり、低負荷圧側のコントロール弁4−2の特性
の改善手段は分流弁5−2の受圧面積を違えるだけであ
り、両改善手段は相互に全く独立している。このため高
負荷圧側の要求性能と低負荷圧側の要求性能を相互に独
立した手段で達成でき、機器の選択自由度が大幅に増加
する。
【0068】以上に本発明の代表的実施形態を説明した
が、この実施形態は本発明の精神の範囲内で種々の変形
が可能である。例えば、以上の実施形態では、油圧ポン
プとして固定容量型の油圧ポンプを用い、ロードセンシ
ングシステムのポンプ制御手段としてブリード2を用い
たが、図9に示すように油圧ポンプとして可変容量型の
油圧ポンプ1Aを用い、ロードセンシングシステムのポ
ンプ制御手段として、油圧ポンプ1Aの吐出圧P1が信
号検出油路9の信号圧Pcよりもバネ2dの設定値ΔPL
だけ高くなるように油圧ポンプ1Aの傾転制御を行う傾
転制御器2Aを用いてもよい。このようなロードセンシ
ングシステムを持つ油圧回路装置に本発明を適用しても
同様の効果が得られる。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、油圧アクチュエータの
起動時、負荷圧に応じて油圧アクチュエータへの供給流
量が減少し、油圧ポンプの吐出流量が減少するため、油
圧アクチュエータ駆動時の圧力の急な立ち上がりが避け
られ、かつ油圧脈動の早期の減衰も図れ、駆動する慣性
体の大小に係わらずスムーズな起動特性が得られる。
【0070】また、分流弁とホールドチェック弁のバル
ブアセンブリにおけるホールドチェック弁の弁体と固定
プラグを利用して円環状の第2絞りを追加形成しただけ
であるから、極めて構成は簡単であり、コントロール弁
の主弁がスプールタイプであっても容易に適用できる。
また、円環状の第2絞りを追加しただけなので誤動作の
恐れも無い。
【0071】更に、分流弁とホールドチェック弁と円環
状の第2絞りの3つのバルブ要素を1つのバルブアセン
ブリに合理的に集約し、かつコントロール弁の負荷圧検
出油路をバルブアセンブリの内部通路として構成し、そ
の内部通路の一部である油路スリットを利用して逆止弁
の機能を与えたので、コントロール弁全体の構成をコン
パクト化、簡素化できる。
【0072】また、複合操作時の低負荷圧側のコントロ
ール弁で分流弁に働くフローフォースの影響を除去する
など低負荷圧側のコントロール弁の特性も改善され、良
好な複合操作が行えると共に、高負荷圧側のコントロー
ル弁の特定の改善と低負荷圧側のコントロール弁の特性
の改善を独立した手段で達成でき、機器の選択自由度が
大幅に増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による油圧回路装置を
示す図である。
【図2】コントロール弁の主弁部の機能を油圧記号で示
す図である。
【図3】コントロール弁の分流弁とホールドチェック弁
のバルブアセンブリを拡大して示す図である。
【図4】コントロール弁の等価回路を示す図である。
【図5】コントロール弁の他の等価回路を示す図であ
る。
【図6】絞りの設置により得られる単独又は複合操作時
の高負荷圧側のコントロール弁の負荷依存性を示す図で
ある。
【図7】絞りの負荷依存性による効果を調べるために行
ったシュミレーションの結果を示す図である。
【図8】複合操作時の低負荷圧側のコントロール弁の特
性を示す図である。
【図9】可変容量型の油圧ポンプを用いた場合のロード
センシングシステムのポンプ制御手段を示す図である。
【符号の説明】
1 固定容量型の油圧ポンプ 1A 可変容量型の油圧ポンプ 2 ブリード弁 2A 傾転制御器 3−1,3−2 油圧アクチュエータ 4−1,4−2 コントロール弁 4a−1,4a−2 主弁 5−1,5−2 分流弁 6−1,6−2 ホールドチェック弁 9 信号検出油路 11 円環絞り(第2絞り) 14 絞り(第1絞り) 20 油路スリット 32 ラップ部 50 弁体 51 メータリングノッチ 52 ランド 53 ステム部 56−1,56−2 バルブアセンブリ 56a 入口通路 56b 出口通路 56c 中間室 60 弁体 61 大径部 62 小径部 63 シート部 64 スリーブ 65 負荷圧室 66 スリット 70 制御室 72 バネ室 73 小孔 75 固定プラグ 76 バネ受け部 77 内壁 78 バネ 79 バネ M/I 主弁のメータインの可変絞り M/O 主弁のメータアウトの可変絞り X ラップ量 T タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野沢 勇作 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 東ケ崎 光久 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D003 AA01 AB05 BA01 BB02 BB03 CA08 CA09 DA02 DB02 DC05 3H089 AA27 CC01 CC08 CC11 DA02 DB03 DB12 DB75 DB76 DB78 EE04 EE07 HH05 JJ02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出さ
    れた圧油により駆動される複数の油圧アクチュエータ
    と、前記油圧ポンプと複数のアクチュエータとの間に配
    置された複数のコントロール弁と、前記複数の油圧アク
    チュエータの最高負荷圧に基づく信号圧が導かれ、第1
    絞りを介してタンクに接続された信号検出油路と、前記
    信号圧よりも所定値だけ高くなるよう前記油圧ポンプの
    吐出圧を制御するポンプ制御手段とを備え、 前記複数のコントロール弁は、それぞれ、前記油圧アク
    チュエータに供給される圧油の流量を制御するメータイ
    ンの可変絞りを備えた主弁と、この主弁のメータインの
    可変絞りと前記油圧アクチュエータとの間に配置され
    た、分流弁とホールドチェック弁との組み合わからなる
    バルブアセンブリとを有し、 前記バルブアセンブリのホールドチェック弁は、前記信
    号検出油路につながる制御室を内部に形成した中空スプ
    ール状の弁体を有し、 前記バルブアセンブリの分流弁は、少なくとも部分的に
    前記中空スプール状の弁体内に摺動自在に内装され、か
    つ一端が入口通路に位置し、他端が前記制御室に位置す
    る弁体を有し、前記制御室の圧力と前記入口通路の圧力
    とのバランスで前記弁体がストロークし前記入口通路の
    圧力を制御することにより前記メータインの可変絞りの
    前後差圧を制御する油圧回路装置において、 前記複数のコントロール弁のそれぞれのバルブアセンブ
    リは、前記分流弁の弁体の外周に形成された油路スリッ
    トと、前記分流弁の弁体が前記ホールドチェック弁の中
    空スプール状の弁体に対して所定距離以上移動すると前
    記油路スリットを前記制御室に開口させ、前記分流弁と
    ホールドチェック弁との間の中間室を前記制御室に連通
    させるラップ部とを有し、 前記複数のコントロール弁のうちの特定のコントロール
    弁のバルブアセンブリは、前記ホールドチェック弁の中
    空スプール状の弁体の内部を軸方向に伸びる固定プラグ
    と、前記ホールドチェック弁の中空スプール状の弁体の
    内周と前記固定プラグの外周とによって形成される円環
    状の第2絞りを有することを特徴とする油圧回路装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の油圧回路装置において、前
    記固定プラグは前記複数のコントロール弁のバルブアセ
    ンブリの全てに設けられ、前記分流弁を閉位置に保持す
    るバネ受け部を有する同じバネ支持部材であり、前記特
    定のコントロール弁のバルブアセンブリの円環状の第2
    絞りは、前記ホールドチェック弁の中空スプール状の弁
    体の内周形状を他のコントロール弁のバルブアセンブリ
    におけるホールドチェック弁の中空スプール状の弁体の
    内周形状と違えることにより、前記弁体の内周と前記バ
    ネ受け部の外周との間の円環状の隙間により形成されて
    いることを特徴とする油圧回路装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の油圧回路装置において、前
    記複数のコントロール弁のバルブアセンブリにおけるそ
    れぞれの分流弁の弁体は、前記入口側の受圧面積が前記
    制御室側の受圧面積より大きいことを特徴とする油圧回
    路装置。
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