JP2000254662A - 鉄イオン含有溶液の製造方法および廃水中のリンの除去方法 - Google Patents

鉄イオン含有溶液の製造方法および廃水中のリンの除去方法

Info

Publication number
JP2000254662A
JP2000254662A JP6264099A JP6264099A JP2000254662A JP 2000254662 A JP2000254662 A JP 2000254662A JP 6264099 A JP6264099 A JP 6264099A JP 6264099 A JP6264099 A JP 6264099A JP 2000254662 A JP2000254662 A JP 2000254662A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
solution
iron powder
dissolved oxygen
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6264099A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Nakamaru
裕樹 中丸
Fumio Kogiku
史男 小菊
Masaharu Ishikura
正治 石倉
Kuniaki Ogura
邦明 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP6264099A priority Critical patent/JP2000254662A/ja
Publication of JP2000254662A publication Critical patent/JP2000254662A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Removal Of Specific Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄イオンの溶出速度が大きい、鉄イオン含有
溶液の製造方法および廃液からのリンの除去が簡単なリ
ンの除去方法を提供することにある。 【解決手段】 平均粒径が10〜300 μm の鉄粉と、溶存
酸素の濃度が飽和濃度以上である溶液とを混合し、前記
鉄粉と前記溶存酸素とを反応させて、鉄イオンを含有す
る溶液を製造することを特徴とする鉄イオン含有溶液の
製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄イオン含有溶液
の製造方法および廃水からリンを除去するためのリンの
除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、廃水からのリン除去方法として、
塩化第二鉄や硫酸第二鉄等の水溶液を廃水に添加し、リ
ンを凝集沈殿させる方法が提案されている。例えば特開
平7-108296号公報には、汚水の循環経路中に鉄溶解装置
を設けた汚水処理装置が開示されている。該鉄溶解装置
の充填鉄材の比表面積は500〜10000m2/m3、被処理水容
積当たりの鉄材の表面積は10m2/m3 ・日以上、鉄材接触
部の流速は0.1 〜30cm/ 秒であり、かつ、鉄材が繊維状
または綿状である。しかしながら、特開平7-108296号公
報に開示されている汚水処理装置の鉄溶解装置では、比
表面積が500〜10000m2/m3である繊維状もしくは綿状の
鉄材が充填されているために、この鉄溶解装置では、所
定量の鉄イオン濃度にするのに長時間を要するという問
題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、従来技術が抱えている上記の問題点を解消すること
にあり、短時間で、所定量の鉄イオンを含む溶液を作る
ことができる、鉄イオン含有溶液の製造方法および廃水
からのリンの除去が簡単なリンの除去方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉄イオンの溶
出が、溶液中の酸素量が多いほど、および鉄粉の比表面
積が大きいほど早いとの知見を基にして、完成したもの
である。すなわち、本発明は、平均粒径が10〜300 μm
の鉄粉と、溶存酸素量の濃度が飽和濃度以上である溶液
とを混合し、前記鉄粉と前記溶存酸素とを反応させて、
鉄イオンを含有する溶液を製造することを特徴とする鉄
イオン含有溶液の製造方法である。
【0005】ここで、鉄粉の平均粒径が10〜300 μm で
あれば、比表面積(単位体積当たりの表面積)は10000
〜300000m2/m3 程度となる。( これは、鉄粉の形状を真
球と仮定した場合に、比表面積:S/V=3/rで換算
できるからである。ここでSは表面積(=4πr2)、V
は体積(=4πr3/3)、rは半径である。) また、上記の製造方法を用いて製造した鉄イオン含有溶
液を、リンを含有する廃水中に添加することを特徴とす
る廃水中のリンの除去方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いる鉄粉は、平均粒径
が10〜300 μm である。鉄粉の組成は、鉄と不可避的不
純物とからなる純鉄粉または合金元素が添加された合金
鋼粉いずれも好適である。具体的には、ミルスケールを
コークスで還元後、粉砕することによって得られる還元
鉄粉、水アトマイズ法によって製造されるアトマイズ鉄
粉、電解鉄粉や鋳鉄を粉砕したものなどを挙げることが
できる。
【0007】本発明に用いる鉄粉の平均粒径を10〜300
μm とする理由は、次のとおりである。鉄粉の平均粒径
が10μm 未満では、空気中の酸素と粒子表面との反応性
が大きくなり、粒子表面が酸化物で覆われて鉄イオンの
溶出速度が低下したり、酸素と反応して発火したり、爆
発したりする危険性が高くなる。一方、鉄粉の平均粒径
が300 μm を超えると、比表面積が小さくなることや溶
液中に均一に分散させるのが困難となるので、鉄イオン
の溶出速度が小さくなる。このため、本発明の用いる鉄
粉の平均粒径は10〜300 μm とする。
【0008】ここで、平均粒径が10〜300 μm の鉄粉を
得るには、例えば様々な粒径の混合物を、ふるいを用い
て選別する方法などがある。本発明に用いる溶液の溶存
酸素の濃度は、鉄イオンを生成させる条件下での飽和濃
度以上である。溶液の溶存酸素の濃度が飽和濃度未満で
は、鉄イオンの溶出速度が小さくなるからであり、溶液
の溶存酸素の濃度は、可能な限り高く設定するのが鉄イ
オンの溶出速度を大きくできるので好ましい。
【0009】溶液の溶存酸素の濃度を、飽和濃度以上と
するには、空気の吹き込みや溶液の振とう攪拌を大気中
で行えばよいが、鉄粉が溶液と均一に混合するように、
振とう攪拌を行うのが好ましい。その振とうや攪拌方法
は特に限定されない。なお、鉄粉を溶解させるための溶
液としては、水、Na、K、Mgなどを含有する水、リンを
含有する廃液、リン除去後の廃液などを使用できる。
【0010】以上説明したとおり、本発明の鉄イオン含
有溶液の製造方法は、鉄粉の平均粒径を10〜300 μm と
し、溶存酸素の濃度が飽和濃度以上の溶液とを混合する
ことにより、鉄粉と溶存酸素とが効果的に反応するため
に、鉄イオンの溶出速度が顕著に大きくなる。この結
果、所定量の鉄イオンを含有した溶液を、短時間で製造
できるのである。
【0011】また、上記の鉄イオン含有溶液の製造方法
により製造した鉄イオン含有溶液を、リンを含有する廃
水中に添加することによって、簡単に廃水中からリンを
除去できるのである。
【0012】
【実施例】(実施例1) 表1に示す水溶液1リットル
を図1に示したビーカー(容量:31)3内で攪拌した。
攪拌は、先端に直径80mmφのテフロン性プロペラを備え
た攪拌機2によって施した。攪拌回転数を100 〜600 rp
m の範囲に変えることにより、表2に示す所定値の溶存
酸素の濃度の溶液とした。次にこの溶液に表2に示した
鉄粉10g を添加し、常温、一気圧下で60分間攪拌を行っ
た後、溶出した鉄イオン量をトータル鉄として測定し
た。トータル鉄の量の測定は以下のように行った。攪拌
停止後、ただちに、溶液を50ml採取し、液中に分散混入
している鉄粉を磁石にて選別し、残りの液を分析用サン
プルとする。分析用サンプルには、一担、1N(1規
定)のHCL と1対1の割合(体積)で混ぜて一部水酸化
鉄等の沈殿になったものも、すべて溶解した後に、原子
吸光法にて液中のトータル鉄として分析した。溶出した
鉄イオン量を攪拌時間60分で除して、鉄イオンの溶出速
度を求め、その結果を表2に示した。
【0013】従来例として、鉄板と繊維状の鉄を上記と
同様にして攪拌し、溶出した鉄イオン量を測定した。攪
拌中における溶存酸素濃度の変化は、±0.5ppm以内であ
った。また、溶存酸素の濃度は市販の隔膜電極式酸素計
4で連続測定した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】この結果から、本発明の範囲内で鉄イオン
を溶出させると、従来例や本発明の範囲を外れた比較例
に比べて、鉄イオンの溶出速度が顕著に大きくなること
がわかる。したがって、本発明の範囲内で鉄イオンを溶
出させることにより、所定量の鉄イオンを含有した溶液
を、短時間で製造できる。 (実施例2) 表1(A01 )に示した本発明の範囲内の
平均粒径の鉄粉と、実施例1と同じ方法、同じ条件で作
成した溶液(溶存酸素濃度7.5ppm)とを用いて、所定量
の鉄イオン( 濃度:100ppm)を含有した鉄イオン含有水溶
液を製造した。その鉄イオン含有水溶液を、図2に示す
ようにして、鉄イオン製造装置5から流量0.002l/minで
連続的に曝気槽7に移送するとともに、濃度5ppm のリ
ン酸イオンを含有するリン酸水溶液を、廃水タンク6か
ら流量0.01l/min で曝気槽7に移送し、曝気槽7におい
てリン酸水溶液と鉄イオン含有水溶液とを反応させて、
難溶性の塩を生成させた。なお、曝気槽中のリン酸水溶
液の滞留時間が4時間となるようにした。難溶性の塩
は、曝気槽7で汚泥中に取り込まれるか、次の沈殿槽8
に水溶液とともに移送されて、沈殿槽8で除去される。
そして、反応生成物が沈殿した後の処理水9が、沈殿槽
8から次の工程に移送される。ここで、沈殿槽8から移
送した処理水9を採取して、処理水9のリン酸イオン濃
度(ppm) を定量し、リン除去率を式(1) で求めたとこ
ろ、リン除去率は98%であった。 100 ×{(5(ppm) −処理水のリン酸イオン濃度(ppm) )/5(ppm) } ・・・・(1) 上記の通り、廃水からのリンの除去が簡単にかつ高除去
率で行えることがわかる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、鉄イオンの溶出速度が
大きいので、所定量の鉄イオンを含有した溶液を、短時
間で製造できる。またその溶液を用いて、廃水中からの
リンの除去が簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄イオンの溶出速度の測定装置を示す概略図で
ある。
【図2】本発明の廃水中のリンの除去方法を示す概略系
統図である。
【符号の説明】
1 水溶液 2 攪拌機 3 ビーカー 4 隔膜電極式酸素計 5 鉄イオン製造装置 6 廃水タンク 7 曝気槽 8 沈殿槽 9 処理水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石倉 正治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 小倉 邦明 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D038 AA08 AB46 BB11 BB18 BB20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が10〜300 μm の鉄粉と、溶存
    酸素の濃度が飽和濃度以上である溶液とを混合し、前記
    鉄粉と前記溶存酸素とを反応させて、鉄イオンを含有す
    る溶液を製造することを特徴とする鉄イオン含有溶液の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法を用いて製造
    した鉄イオン含有溶液を、リンを含有する廃水中に添加
    することを特徴とする廃水中のリンの除去方法。
JP6264099A 1999-03-10 1999-03-10 鉄イオン含有溶液の製造方法および廃水中のリンの除去方法 Pending JP2000254662A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6264099A JP2000254662A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 鉄イオン含有溶液の製造方法および廃水中のリンの除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6264099A JP2000254662A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 鉄イオン含有溶液の製造方法および廃水中のリンの除去方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000254662A true JP2000254662A (ja) 2000-09-19

Family

ID=13206144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6264099A Pending JP2000254662A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 鉄イオン含有溶液の製造方法および廃水中のリンの除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000254662A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105923753A (zh) * 2016-05-24 2016-09-07 广东省环境科学研究院 一种新型除磷药剂的制备及使用方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105923753A (zh) * 2016-05-24 2016-09-07 广东省环境科学研究院 一种新型除磷药剂的制备及使用方法
CN105923753B (zh) * 2016-05-24 2021-07-09 广东省环境科学研究院 一种除磷药剂的制备及使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Van Benschoten et al. Chemical aspects of coagulation using aluminum salts—I. Hydrolytic reactions of alum and polyaluminum chloride
Hering et al. Arsenic removal by ferric chloride
EP2036866A1 (en) Method and apparatus for treating selenium-containing wastewater
CN107337301B (zh) 一种外加过氧化氢的电芬顿处理废水的方法
CN101613135A (zh) 一种利用纳米羟基磷灰石去除污水中重金属离子的方法
JP2008184469A (ja) 混合組成物及びそれを用いた重金属処理方法
CN108249644A (zh) 一种废水中亚磷酸盐的去除装置及方法
US5647996A (en) Groundwater total cyanide treatment method
CN110054267A (zh) 一种高效复合除磷剂及其在市政污水深度除磷中的应用方法
EP0005419A1 (en) Aluminium sulphate compositions containing polynuclear complexes and a method of producing the same and the use thereof
AU623777B2 (en) Improved process for the removal of cyanide from wastewaters
JP2000254662A (ja) 鉄イオン含有溶液の製造方法および廃水中のリンの除去方法
CN104882185B (zh) 一种处理污水中放射性元素的絮凝剂及其使用方法
JP3928017B2 (ja) 重金属含有廃液の処理剤及びその処理方法
JP3334786B2 (ja) 不溶性及び溶解性の鉛、クロム、亜鉛含有排水の処理方法
JP6571891B1 (ja) アンチモン含有水処理方法及びアンチモン含有水処理装置
Andersson et al. Effects of pH on release and sorption of dissolved substances in sediment-water microcosms
CN208857062U (zh) 一种废水中亚磷酸盐的去除装置
JPH0483590A (ja) シアン化合物含有液の処理方法および装置
JP3592175B2 (ja) フッ素含有排水の処理方法
JP3696943B2 (ja) 廃水中の重金属除去用処理剤およびそれを用いた廃水処理方法
KR20170132206A (ko) 폐수의 처리 방법, 및 폐수의 처리 시스템
JP3538912B2 (ja) 飛灰の性状測定方法及び薬剤処理方法
EP1035076A2 (en) Method for the treatment of water containing suspended or dissolved organic and/or inorganic matter by precipitation in situ of oxygenised compounds of titanium
CN110498532A (zh) 印制线路板废水的处理方法及处理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040302