JP2000248087A - 重合膜の製造方法 - Google Patents

重合膜の製造方法

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JP2000248087A
JP2000248087A JP11056095A JP5609599A JP2000248087A JP 2000248087 A JP2000248087 A JP 2000248087A JP 11056095 A JP11056095 A JP 11056095A JP 5609599 A JP5609599 A JP 5609599A JP 2000248087 A JP2000248087 A JP 2000248087A
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正美 粂井
Kazuhito Ogura
和仁 小倉
Toshihiro Seko
利裕 世古
Hiroaki Sugino
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子薄膜の形成方法に関し、不溶、不融の
高分子重合体を容易に取り扱う技術を提供する。 【解決手段】 重合体の原料となる低分子量物質を含む
液体材料、前記低分子量物質に対する重合開始剤の溶
液、基材を準備する工程と、前記低分子量物質を含む液
体材料、および前記重合開始剤の溶液をそれぞれ独立
に、前記基材の表面の同一領域上に輸送し、そこで混
和、重合を生じさせて重合体を生成し、重合膜を形成す
る工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜の形成方法に
関し、特に高分子薄膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】何らかの機能を有する機能性有機材料
が、近年エレクトロニクスやオプトエレクトロニクスの
分野において数多く利用され始めた。高分子材料中、パ
イ共役系を主鎖に持つ材料は、ドーピングを行なうこと
により電気導電性を有し、機能性有機材料と呼ばれる物
質の1種である。
【0003】現在、これらの高分子材料を導電性高分子
と呼ぶ場合が多い。導電性高分子は、電気伝導性に加
え、蓄電性やエレクトロクロミック性も併せて有してい
る場合が多い。
【0004】パイ共役構造を持つ高分子は、パイ電子雲
からの電子の引き抜きやパイ電子雲への電子の注入が起
こり易い。このパイ電子雲の酸化、還元により、キャリ
アを発生し、導電性となり易い。別の観点から言えば、
ドーピングを行った時に導電性が顕著になる。ドーピン
グを行うと、導電性が顕著になるので導電材料として注
目され、ドーピングを行うと電子を放出/蓄積する能力
が顕著になるので蓄電材料として注目され、ドーピング
を行うと、分子構造を変化させ、色を変化させる能力が
顕著になるので、エレクトロクロミック材料として期待
されている。
【0005】導電性高分子は、電気的に興味深い特性を
持つが、一般的に不溶、不融の性質を持つ。たとえば、
アセチレン、ベンゼン、チオフェン等のパイ共役高分子
を持つ重合体は、特別な置換基を導入しない限り、有機
溶媒等に対してほとんど不溶の性質を持つ。このよう
に、溶剤に溶けず、可塑性もあまりないので、産業上の
利用において大きな制限を受ける。
【0006】導電性高分子に可溶性を付与する試みが種
々行われた。たとえば、側鎖にアルキル基あるいはアル
コキシ基などの親油基、スルホン酸基、カルボキシル基
などの解離基を置換基として導入することが行われてき
た。
【0007】今日では、ある種の溶媒に可溶な導電性高
分子が合成され、キャスト、スピンコート等の方法で導
電性高分子薄膜が得られるようになってきた。置換基導
入により可溶性等が得られれば、加工成形の製造プロセ
ス面の大きなメリットとなる。
【0008】しかし、可溶性を付与する置換基導入のた
めの化学修飾過程に多くの生産工程を要すると、これら
の工程のコスト分製造コストが上昇する。一方、置換基
を導入することによりエレクトロニクス特性が劣化する
場合もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、不溶、不
融の性質を持った高分子重合体は、その取扱い、産業上
の利用に関して、加工、成型が困難であるという問題を
有していた。化学合成によって溶剤に可溶な高分子重合
体を作製する技術が開発されているが、生産工程の増加
とコスト高につながり、置換基導入によって電気導電性
等の劣化を引き起こす場合もあった。
【0010】さらに、環境面を考慮すると水や一価や多
価のアルコール等の安全な溶媒を使用できることが望ま
れる。このような限られた溶媒に可溶な性質を与えるこ
とは容易でない。
【0011】本発明の目的は、不溶、不融の高分子重合
体を容易に取り扱う技術を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、(a)重合体の原料となる低分子量物質を含む液体
材料、前記低分子量物質に対する重合開始剤の溶液、基
材を準備する工程と、(b)前記低分子量物質を含む液
体材料、および前記重合開始剤の溶液をそれぞれ独立
に、前記基材の表面の同一領域上に輸送し、そこで混
和、重合を生じさせて重合体を生成し、重合膜を形成す
る工程とを含む重合膜の製造方法が提供される。
【0013】本発明の他の観点によれば、(a)重合体
の原料となる低分子量物質を含む液体材料、前記低分子
量物質に対する重合開始剤の溶液、ドーピング液を含む
液体材料、基材を準備する工程と、(b)前記低分子量
物質を含む液体材料、前記重合開始剤の溶液、およびド
ーピング剤を含む液体材料をそれぞれ独立に、前記基材
の表面の同一領域上に輸送し、そこで混和、重合を生じ
させて重合体を生成し、重合膜を形成する工程とを含む
重合膜の製造方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、制限的な意味なく、重合体
として主に導電性高分子を例にとって説明する。従来、
導電性高分子を用いて薄膜やパターンを形成する場合、
可溶性機能を付与するための特別な置換基を持つ可溶性
重合体を初めに合成し、これをキャストやスピンコート
あるいは印刷等により塗布していた。置換基を持たない
導電性高分子は、不溶、不融の性質を持つためである。
【0015】しかし、導電性高分子の原料であるベンゼ
ン、チオフェン、ピロール、アニリン、あるいはこれら
の誘導体等は、室温で液体であり、溶媒にも溶ける。こ
れらの低分子量原料が重合すると、不溶、不融の性質を
有するようになる。重合反応は、物理的、化学的、ある
いは電気化学的に行わせることができる。
【0016】本発明者らは、パイ共役重合体の原料とな
る低分子量物質は液相で取り扱えることに着目し、基材
上で低分子物質のその場重合を行うことによりパイ共役
重合体膜あるいは導電性高分子膜を形成することを考察
した。
【0017】導電性高分子用の低分子量原料を用い、導
電性高分子を生成するためには、低分子量材料の他重合
開始剤、ドーピング剤等を用いる。重合開始剤は、一般
的に常温で固体のものが多いが、溶媒に溶かして用いる
ことができる。ドーピング剤は、種々のものを用いるこ
とができ、液相や気相で用いることができる。
【0018】3種類の材料が液体である場合、それぞれ
の液剤を基板表面で混合することにより、その場で重合
反応を開始、進行させる。溶媒などの不要成分は蒸発、
乾燥させる。このようにして基材表面に導電性高分子を
定着させ、導電性高分子膜を得る。
【0019】3種類の材料のいずれか、又は全てに対し
て溶媒を用いる場合、溶媒としては水やアルコールの環
境安全性の高い溶媒を用いる。環境安全性があまり良く
ないエーテルやハロゲンを含む溶媒は使用を避けること
が好ましい。原料が扱い易い液体の場合は、溶媒を用い
る必要もない。
【0020】図1に本発明の実施例による導電性高分子
薄膜の形成方法を示す。
【0021】図1(A)に示すように、第1液体材料1
を基材4の上に供給し、液相の第1液層11を形成す
る。
【0022】図1(B)に示すように、第1液層11を
形成した基材4の上に、第2液2を供給し、第2液層1
2を形成する。なお、第1液1と第2液2を最初から混
合し、混合液層15を形成してもよい。
【0023】図1(C)に示すように、第3液3をさら
に基材4の上に提供し、第3液層13を形成する。第1
液1、第2液2、第3液3を最初から混合し、基材4の
上に供給し、混合液層16を形成してもよい。
【0024】第1液、第2液、第3液は各々導電性高分
子材料用の低分子量原料、重合開始剤、ドーピング剤の
いずれかであり、基材上への供給の順序は特に制限され
ない。
【0025】基材上への原料の供給は、インクジェット
プリント、スプレー、シルクスクリーン印刷、転写、刷
毛/筆塗り等が可能であろう。
【0026】基材4としては、紙、プラスチック、金
属、セラミック、繊維、革、木材、ガラス、半導体基
板、透明電極基板、機能性有機薄膜、機能性無機薄膜等
を用いることができよう。
【0027】図2は、本発明の他の実施例による導電性
高分子薄膜の形成方法を示す。
【0028】図2(A)に示すように、基材4の上に第
1液1と第2液2を同時に供給し、混合液層22を形成
する。
【0029】次に、図2(B)に示すように、第3液3
を混合液層22の上に供給し、第3液層23を形成す
る。なお、第1液1、第2液2、第3液3を当初から混
合し、基材4の上に供給し、混合液層26を形成しても
よい。
【0030】図3は、本発明の他の実施例による導電性
高分子薄膜の形成方法を示す。
【0031】図3(A)に示すように、基材4の上に、
第1液1を供給し、第1液層31を形成する。
【0032】図3(B)に示すように、第1液層31の
上に第2液2と第3液3を同時に供給し、混合液層32
を形成する。なお、第1液1、第2液2、第3液3を当
初から混合し、基材4の上に供給子、混合液層36を形
成してもよい。
【0033】図4は、本発明の他の実施例による導電性
高分子薄膜の形成方法を示す。基材4の上に、第1液
1、第2液2、第3液3を同時に供給し、混合液層38
を形成する。
【0034】上述の実施例において、3種類の原料液が
混合した混合液層が形成されると、混合液層から溶媒は
蒸発し、導電性高分子用低分子量原料の重合が進み、同
時にドーピングが行われ、導電性高分子薄膜が形成され
る。
【0035】3液を用いてドーピングされた導電性高分
子膜を形成する実施例を説明したが、低分子量原料と重
合開始剤との2液を用いて導電性高分子膜を形成しても
よい。この場合、2液は図1のように順次供給するか、
図4のように同時に供給すればよい。導電性高分子膜を
形成した後にドーピング剤で導電性高分子膜を処理すれ
ば高い導電性を付与することができる。
【0036】なお、低分子原料と重合開始剤を予め混合
した液を基板上に供給する場合、重合がなるべく進行し
ない短時間のうちに、基板上に供給することが望まし
い。
【0037】導電性高分子用の低分子量原料としては、
例えばチオフェン、ピロール、アニリンおよびそれらの
誘導体等を1種もしくは複数含む液体を用いる。原料が
固体である場合は、溶解することのできる水またはアル
コール等の有機溶媒に溶かして用いることもできる。重
合開始剤は、例えば塩化第2鉄、過塩素酸鉄、過硫酸ア
ンモニウム等を用いる。原料が固体である場合は、溶解
することのできる水又はアルコール等の有機溶媒に溶か
して用いることができる。
【0038】ドーピング剤は、例えば塩素、臭素、ヨウ
素等のハロゲン類、5弗化燐、5弗化砒素、5弗化アン
チモン、3弗化ほう素、3臭化ほう素、3酸化硫黄など
のルイス酸類、弗化水素、塩化水素、硝酸、硫酸、過塩
素酸、フロロスルフォン酸、クロロスルフォン酸、トリ
フルオロメタンスルフォン酸、トリフルオロ酢酸等のプ
ロトン酸、塩化第2鉄、過塩素酸鉄、4塩化チタン、塩
化ジルコニウム、5弗化ニオブ、5塩化ニオブ、5塩化
タンタル、5弗化モリブデン、5塩化モリブデン、6弗
化タングステン、6塩化タングステン等の遷移金属化合
物、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セ
シウム等のアルカリ金属や、カルシウム、バリウム、ス
トロンチウム等のアルカリ土類金属、電解質アニオンお
よび電解質カチオン等を用いることができる。これらが
固相の場合には、これを溶解することのできる水又はア
ルコール等の有機溶媒に溶かして用いることができる。
また、気相のものは気相のまま又は液相にして用いるこ
とができる。
【0039】原料、重合開始剤、ドーピング剤に用いる
溶媒は、基材表面への輸送、接着、溶液同士の混合、重
合反応を阻害せず、適切に重合を進行させるような特性
を備えていることが好ましい。インクジェットプリント
を用いる場合は、溶媒がインクジェットプリントに適し
ている材料であることが好ましい。水、アルコールはこ
の要件を満たす。
【0040】原料の溶解度を調整する、溶液の密度を調
整する、溶液の粘度を調整する、溶液の表面張力を調整
する、溶液の湿潤性を調整するなどの目的で、溶媒にト
ルエン、キシレン、DMF、DMSO、N−メチルピロ
リドン、エーテル類などの有機溶媒を混合してもよい。
さらに、界面活性剤等の添加物を混入してもよい。ま
た、溶媒は分散液も含むものとする。高分散であれば、
溶質が完全に溶解した溶液とほぼ同等に扱うことができ
る。
【0041】図5(A)〜(D)は、インクジェットプ
リントを用いて導電性高分子薄膜を形成する方法の実施
例を示す。
【0042】先ず、導電性高分子の原料である低分子量
原料、重合開始剤、ドーピング剤をそれぞれ液相で別個
に準備する。
【0043】図5(A)に示すように、原料タンク51
に導電性高分子の低分子量原料を主収容し、重合剤タン
ク52に重合開始剤を収容する。なお、各タンク51、
52には送液ノズル61、62が接続され、インクジェ
ットヘッド71、72に液体を供給することができる。
供給された液体は、それぞれインクジェットヘッド7
1、72に設けられた噴射ノズル81、82から噴射す
る。
【0044】インクジェットヘッドは、連続噴射型ある
いはドロップオンデマンド型液滴噴射機構を備えてい
る。これらの液滴噴射機構としては、公知のものを用い
ることができる。制御コンピュータを備えた制御回路9
0から印刷信号を供給し、インクジェットヘッドを駆動
する。印刷信号が送られると、タンクに収容された液体
は、送液ノズルを伝わってインクジェットヘッドに吸い
上げられる。インクジェットヘッドでは、液体が押し出
され、噴射ノズル先端より液体の液滴が交互あるいは同
時に基材表面の同一点に向かって吹き付けられる。
【0045】図5(B)に示すように、インクジェット
ヘッドを基材4の近傍に配置し、噴射ノズル81、82
からそれぞれ低分子量原料および重合開始剤を液滴状態
で基材4上に供給する。供給された低分量原料および重
合開始剤は、基材4の表面で混合し、混合液層22を形
成し、重合反応を開始する。
【0046】図5(C)に示すように、混合液層22が
重合反応を進行し、溶媒等を蒸発させると、重合体薄膜
22’となる。このようにして、基材4表面の所望領域
に導電性高分子薄膜のパターンを形成することができ
る。
【0047】図5(D)に示すように、重合体薄膜2
2’上に、ドーピング剤53を供給する。このドーピン
グ剤53の供給は、同様にインクジェットプリントを用
いて行うこともできるが、基材4表面全体に液層を形成
したり、ドーピング剤が気相の時は、気相原料を供給す
ることによって行うこともできる。ドーピング剤で処理
された導電性高分子膜は、所望形状の導電性パターンを
形成する。
【0048】ポリピロール膜のパターンを形成する場合
を説明する。ポリピロールの原料であるピロール液を原
料タンク51に収容する。重合開始剤の塩化第2鉄を重
合開始剤タンク52に収容する。制御回路90で任意の
印刷パターンをデザインし、印刷信号を発生する。印刷
信号がインクジェットプリンタに受信されると、インク
ジェットヘッドが駆動され、タンク51、52に収容さ
れた溶液が押し出され、噴射ノズル先端から液滴が交互
あるいは同時に基材表面の1点に吹き付けられる。基材
表面に吹き付けられた液滴の混合がおこると、ピロール
と塩化第2鉄とが重合反応を生じさせ、ポリピロールを
生成する。塩化第2鉄はドーパントとしての働きも有す
るため、ピロールと塩化第2鉄の反応のみでも導電性ポ
リピロールが得られる。
【0049】吹き付けられた液滴に含まれる溶媒が蒸
発、乾燥することにより、導電性ポリピロールの薄膜が
得られる。インクジェットヘッドによりこの工程が繰り
返されることにより、任意のデザインで導電性のポリピ
ロール薄膜のパターニングを行うことができる。
【0050】図5の例においては、低分子量原料と重合
開始剤とをインクジェットプリントを用いて基材上に供
給した。低分子量原料、重合開始剤と共に、ドーピング
剤もインクジェットプリントにより供給することもでき
る。
【0051】図6は、低分子量原料、重合開始剤、ドー
ピング剤を全てインクジェットプリントで供給する実施
例を示す。
【0052】図6(A)に示すインクジェットプリンタ
は、インクジェットプリントヘッドに、原料タンク5
1、重合剤タンク52、ドーピング剤タンク53の3つ
のタンクを有する。これら3つのタンクには、それぞれ
送液ノズル61、62、63が接続され、各液相原料を
インクジェットヘッド71、72、73に供給すること
ができる。
【0053】インクジェットヘッド71、72、73に
は、連続噴射型またはドロップオンデマンド型の液滴噴
射機構が備えられており、噴射ノズル81、82、83
が設けられている。インクジェットヘッドは、供給され
た液相原料を液滴として噴射ノズルから噴射することが
できる。
【0054】なお、低分子量原料と重合開始剤とは混合
すると重合反応が開始するため、反応が進行しない短時
間のうちに供給しなければならないが、ドーピング剤は
原料または重合開始剤と混合しても良い場合が多い。
【0055】図6(B)は、低分子量原料タンク51、
重合開始剤タンク52の2つのタンクを有するインクジ
ェットプリンタを用い、3種類の液相原料を同時に供給
する場合を示す。低分子量原料タンク51および重合開
始剤タンク52の一方または両方に、ドーピング剤を同
時に収容する。即ち、インクジェットプリントのやり方
としては、図5(A),(B)に示した方法と同様の方
法であるが、低分子量原料又は重合開始剤にドーピング
剤が混合されている点が異なる。
【0056】なお、インクジェットヘッドの駆動は、図
6(C)に示すように制御コンピュータを含む制御回路
90により、インクジェット装置91を制御することに
より行うことができる。インクジェット装置91におい
ては、インクジェットヘッド92が、制御回路90の制
御のもとにX−Y方向、またはX−Y−Z方向に移動す
る。
【0057】制御回路90から印刷信号が送られると、
インクジェット装置91のインクジェット92は、3種
類または2種類の液体を押し出し、噴射ノズル先端から
これらの液滴を交互あるいは同時に基材表面の1点に吹
きつける。図6(A)に示すように、3種類の液体が供
給される場合は、原料、重合開始剤、ドーピング剤がそ
れぞれ独立に基材表面に供給される。
【0058】図6(B)のように2種類の液体が供給さ
れる場合は、原料と重合開始剤とが交互あるいは同時に
基材表面の1点に吹き付けされる。なお、原料、重合開
始剤の一方または両方には、ドーピング剤が混合されて
いる。
【0059】図6(D)は、図6(A)、(B)に示し
たインクジェットヘッドを用い、基材4の上に混合液層
38を形成した状態を示す。混合液層38は低分子量原
料、重合開始剤、ドーピング剤の混合液で構成される。
【0060】液層38は、低分子量原料と重合開始剤を
含むため、低分子量原料の重合反応が開始する。さら
に、ドーピング剤が含まれるため、ドーピング反応も生
じる。このようにして、ドーピングされた導電性高分子
が生成する。液層に含まれる溶媒を蒸発、乾燥すること
により、基材表面にドーピングされた導電性高分子重合
体膜を形成することができる。コンピュータを含む制御
回路90により印刷工程を繰り返すことにより、基材表
面に任意パターンの導電性高分子重合体膜を形成するこ
とができる。
【0061】ポリピロール膜のパターニングを行う場合
を説明する。低分子量原料のピロール液は原料タンク5
1に収容される。重合開始剤の塩化第2鉄は、重合開始
剤タンク52に収容される。ドーピング剤のパラトルエ
ンスルホン酸は水溶液として原料タンク51または重合
開始剤タンク52または両方のタンクに収容される。
【0062】制御回路90が任意の印刷パターンをデザ
インし、印刷信号を発生すると、インクジェット装置9
1は印刷信号に応じて駆動される。3つのタンクまたは
2つのタンクに収容された液体は、印刷信号に応じて交
互あるいは同時に基材表面の1点に吹き付けられる。基
材表面に吹き付けされた液滴の混合が生じると、ピロー
ルと塩化第2鉄とが重合反応を生じさせ、ポリピロール
を生成する。同時にパラトルエンスルホン酸によってポ
リピロールはドーピングされる。塩化第2鉄はドーパン
ト剤としての働きも有するが、パラトルエンスルホン酸
でドーピングすることにより、より安定な導電性を得る
ことができる。
【0063】なお、導電性高分子の低分子量原料として
は、液相で取り扱うことのできるモノマー、ダイマー、
トリマー、オリゴマー等を用いることができる。低分子
量原料と重合開始剤は液層で基材上に供給するが、ドー
ピング剤は液相で供給しても気相で供給してもよい。
【0064】製造する導電性高分子膜は、導電パターニ
ング基板、ボンディングワイヤ、導電性レジスト、コン
デンサ、有機太陽電池、蓄電池、有機LED等各種発光
素子、各種表示素子、各種センサ、電磁シールド膜、静
電防止膜等に用いることができよう。
【0065】以上、導電性高分子膜を例にとって説明し
たが、重合膜は導電性高分子膜に限定されない。基体上
でその場重合を行なわせることにより重合膜の形成の自
由度が増す。特に、水、アルコールに溶けにくい又は不
溶の重合体の膜を基体上に容易に形成することができ
る。
【0066】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明これらに制限されるものではない。例えば種々の
変更、改良、組み合わせが可能なことは当業者に自明で
あろう。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶媒に溶けにくい、又は不溶の重合体の膜を容易に製造
することができる。
【0068】不溶、不融の性質を有する導電性高分子膜
を任意のパターンで形成することが容易になる。
【0069】インクジェットプリンタ等、公知のプリン
ト装置を用い、任意パターンの重合膜を形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による導電性高分子膜の製造方
法を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の実施例による導電性高分子膜の製造方
法を説明するための概略断面図である。
【図3】本発明の実施例による導電性高分子膜の製造方
法を説明するための概略断面図である。
【図4】本発明の実施例による導電性高分子膜の製造方
法を説明するための概略断面図である。
【図5】本発明の実施例により、インクジェットプリン
タを用いて導電性高分子膜を形成する方法を説明するた
めの概略断面図である。
【図6】本発明の実施例により、インクジェットプリン
タを用いて導電性高分子膜を形成する方法を説明するた
めの概略断面図である。
【符号の説明】
1 第1液 2 第2液 3 第3液 4 基材 11 第1液層 12 第2液層 13 第3液層 15、16 混合液層 22、26 混合液層 23 第3液層 31 第1液層 32、36、38 混合液層 51 低分子量原料タンク 52 重合開始剤タンク 61、62 送液ノズル 71、72 インクジェットヘッド 81、82 噴射ノズル 90 制御回路 91 インクジェット装置 92 インクジェットヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉野 弘明 茨城県つくば市並木3−24−1 コーポ並 木A101 Fターム(参考) 4F071 AA58 AA61 AA69 AB14 AB19 AB23 AB25 AB26 AC14 AE15 AH12 4F073 AA04 BB02 EA32 EA34 EA37 EA38 EA52 EA56 EA61 EA62 EA74 FA09 FA13 4J002 CE001 CM011 CM021 DA006 DD016 DD036 DE196 DF036 DG046 DH006 DJ006 EF036 EV236 FD116 GQ02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)重合体の原料となる低分子量物質
    を含む液体材料、前記低分子量物質に対する重合開始剤
    の溶液、基材を準備する工程と、 (b)前記低分子量物質を含む液体材料、および前記重
    合開始剤の溶液をそれぞれ独立に、前記基材の表面の同
    一領域上に輸送し、そこで混和、重合を生じさせて重合
    体を生成し、重合膜を形成する工程とを含む重合膜の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記重合体が主鎖にパイ共役構造を有す
    る請求項1記載の重合膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(b)が、前記低分子量物質を
    含む液体材料、および前記重合開始剤の溶液の少なくと
    も一方を印刷、スプレー、工具塗りの少なくとも1つに
    より前記基材の表面に輸送する請求項1または2に記載
    の重合膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(b)が、前記低分子量物質を
    含む液体材料、および前記重合開始剤の溶液の少なくと
    も一方をインクジェットプリントにより前記基材の表面
    に輸送する請求項1または2に記載の重合膜の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記低分子量物質がチオフェン、ピロー
    ル、アニリン、ベンゼン、ピリジン、これらの誘導体、
    およびこれらの混合物からなる群の少なくとも1つであ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の重合膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記重合開始剤が、塩化第2鉄、過塩素
    酸鉄、過硫酸アンモニウムからなる群から選ばれた少な
    くとも1つである請求項1〜5のいずれかに記載の重合
    膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記工程(a)または(b)において、
    前記低分子量物質を含む液体材料または重合開始剤の溶
    液が前記重合体に対するドーピング剤も含む請求項1〜
    6のいずれかに記載の重合膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 さらに、(c)前記工程(b)の後、前
    記重合体に対するドーピング剤を前記重合膜上に輸送す
    る工程を含む請求項1〜6のいずれかに記載の重合膜の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ドーピング剤が、ハロゲン元素、ル
    イス酸、プロトン酸、遷移金属化合物、アルカリ金属、
    アルカリ土類金属、電解質アニオン、電解質カチオンか
    らなる群から選ばれた少なくとも1種類を含む請求項7
    または8のいずれかに記載の重合膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記工程(c)が、液相または気相の
    ドーピング剤を前記重合膜上に輸送する請求項8または
    9記載の重合膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 (a)重合体の原料となる低分子量物
    質を含む液体材料、前記低分子量物質に対する重合開始
    剤の溶液、ドーピング液を含む液体材料、基材を準備す
    る工程と、 (b)前記低分子量物質を含む液体材料、前記重合開始
    剤の溶液、およびドーピング剤を含む液体材料をそれぞ
    れ独立に、前記基材の表面の同一領域上に輸送し、そこ
    で混和、重合を生じさせて重合体を生成し、重合膜を形
    成する工程とを含む重合膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記重合体がパイ共役構造を有する請
    求項11記載の重合膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記工程(b)が、前記低分子量物質
    を含む液体材料、前記重合開始剤の溶液および前記ドー
    ピング剤を含む液体材料の少なくとも1つを印刷、スプ
    レー、工具塗りの少なくとも1つにより前記基材の表面
    に輸送する請求項11または12に記載の重合膜の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 前記工程(b)が、前記低分子量物質
    を含む液体材料、前記重合開始剤の溶液および前記ドー
    ピング剤を含む液体材料の少なくとも1つをインクジェ
    ットプリントにより前記基材の表面に輸送する請求項1
    1または12に記載の重合膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記低分子量物質がチオフェン、ピロ
    ール、アニリン、ベンゼン、ピリジン、これらの誘導
    体、およびこれらの混合物からなる群から選ばれた少な
    くとも1つである請求項11〜14のいずれかに記載の
    重合膜の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記重合開始剤が、塩化第2鉄、過塩
    素酸鉄、過硫酸アンモニウムからなる群から選ばれた少
    なくとも1つである請求項11〜15のいずれかに記載
    の重合膜の製造方法。
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JP2019049427A (ja) * 2017-09-08 2019-03-28 株式会社アロマビット 導電性高分子膜の作製方法

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