JP2000245465A - 高発現ベクタープラスミド用dna断片 - Google Patents
高発現ベクタープラスミド用dna断片Info
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Abstract
B遺伝子(glaB)の5′側上流324bpより更に
上流335bpまでの非翻訳領域からなる12塩基対の
DNA断片。 【効果】 本DNA断片は、glaBプロモーターの中
心部分をなすものであって、同種及び/又は異種遺伝子
の効率的発現に利用でき、例えば、グルコースオキシダ
ーゼを生産する組み換え株を培養した「麹」を用いるこ
とにより、グルコン酸含量の高い香味に特徴を有する清
酒等各種醸造食品が製造できる。
Description
ラーゼ遺伝子B(glaB)のプロモーター領域及びこ
れを利用した同種又は異種遺伝子発現システムに関す
る。更に詳細には、本発明は、麹菌(Aspergillus oryz
ae)の固体培養で特に多量に発現しているglaB遺伝
子のプロモーター領域を利用し、同種又は異種遺伝子を
麹菌で効率的に発現させるシステムの構築に関するもの
であって、有用タンパク質の高出産を可能にするもので
ある。
に、麹菌を含む糸状菌を宿主としてヒトの有用タンパク
質を生産することが可能となってきた。なかでも黄麹菌
Aspergillus oryzaeは、清酒や味噌など醸造産業上で長
く使用された実績から、異種遺伝子発現への応用に積極
的に利用されている。既にMucor mieheiの酸性プロテア
ーゼなどがA. oryzaeを宿主として、工業生産されてい
る。そしてA. oryzaeのαアミラーゼ遺伝子、グルコア
ミラーゼ遺伝子、αグルコシダーゼ遺伝子などのプロモ
ーターを用いて異種タンパクの生産例が報告されてい
る。しかしながらこれらの蛋白生産の培養方法は、ほと
んど液体培養に限られている。
培養より固体培養の方が酵素生産性が高い場合が多く、
また培養方法なども伝統的に確立されている。我々は、
既に麹菌の固体培養に特異的に発現するグルコアミラー
ゼ遺伝子を単離し(特開平10−84968)、そのプ
ロモーター領域を用いた異種発現システムを発明して出
願を完了している(特願平10−66114)。このプ
ロモーターは固体培養で高い発現能を有し、異種タンパ
クを発現に有効であることを示した。しかしその発現能
力はさらに上昇する可能性があり、今後、より強力なプ
ロモーターの検索は異種タンパク発現の実用化に急務で
ある。
状に鑑み、更に強力なプロモーターを新たに構築する目
的でなされたものである。
成するためになされたものであって、各方面から検討の
結果、本発明者らが行ってきた一連の研究に着目した。
て特異的に大量発現する新しいグルコアミラーゼ遺伝子
(glaB)を発見し、そのプロモーターおよび蛋白質
コード領域の塩基配列を決定した(特開平10−849
68)。この遺伝子は、既にA. oryzaeからクローニン
グされているグルコアミラーゼ遺伝子(glaA)とは
異なる新規遺伝子であった。そしてレポーター遺伝子を
用いたプロモーター解析の結果から、このglaB遺伝
子のプロモーターはglaA遺伝子のプロモーターに比
べて、固体培養で200倍も強い発現能力を有すること
を明らかにした(特願平10−55776)。さらに、
このglaB遺伝子プロモーター領域の中で、5′側上
流213塩基対よりさらに上流350塩基対までに固体
培養の高発現に重要である配列が含まれることを明らか
にした(特願平10−66114)。さらに、その中で
も−324〜−350塩基対までの27塩基対が固体培
養での高発現に特に重要な配列であることを示した。
したglaB遺伝子のプロモーター領域の中の重要な配
列から、さらに固体培養の高発現に重要な領域を更に限
定すればより強力なプロモーターを構築することが可能
であるとの観点にたち、このような領域を更につきとめ
るために、本発明者らは、glaB遺伝子のプロモータ
ー領域を種々の方法にて解析した結果、固体培養での高
発現に必要な領域を特定するのに成功し、更に研究の結
果、本発明の完成に至ったものである。
する正の転写活性化因子と考えられ、この領域を利用す
れば以下のことが可能となる。この領域を他の遺伝子
のプロモーター領域に挿入することにより、プロモータ
ー活性(特に固体培養での)を上昇させることができ
る。この領域を複数連結してglaBプロモーターに
挿入することにより、glaBプロモーターの発現量を
さらに上昇させることができる。以下、本発明について
詳述する。
は、glaB遺伝子プロモーターの下流域にレポーター
遺伝子を連結し、そのレポーター遺伝子産物の活性をプ
ロモーター発現の指標とする方法を採用した。
用マーカーであるA. oryzae(硝酸還元酵素欠損変異
株)のniaD遺伝子(S.Unklesら、Mol. Gen. Gene
t., 218,p.99-104, 1989)と、レポーター遺伝子である
大腸菌のβ−グルクロニダーゼ(GUS)をコードする
uidA遺伝子(R. A. Jeffersonら、Proc. Natl. Aca
d.Sci., p.8447-8451, 1986)を含むベクターpNGU
Sを作製した。そして、uidA遺伝子の上流域に、g
laB遺伝子のプロモーター領域あるいはその一部分を
挿入して、プロモーター解析用プラスミドを構築した。
llus oryzae GLB-01:本菌株は、工業技術院生命工学工
業技術研究所にFERM P−15826として寄託さ
れている)のniaD変異株(亜硝酸を資化できない変
異株:Nitrate Reductase欠損株)を形質転換し、導入
プラスミドが宿主染色体のniaD lociで1コピ
ーだけ導入された形質転換体を選択した。
ることにより、プロモーター活性の指標とした。まずプ
ロモーター領域の上流から順次欠失したDNA断片を調
製し、固体培養と液体培養でプロモーター活性を比較し
た。その結果、−356まで欠失しても、固体培養での
高いプロモーター活性は変化がないが、さらに−213
まで欠失させるとその活性は急激に低下した。したがっ
てこの−355から−213の間に、固体培養での高発
現に重要な領域が含まれていると考えられた。次にこの
領域をglaAプロモーターに挿入し固体培養でのプロ
モーター活性を検討した。その結果、本来固体培養では
ほとんど発現しないglaAプロモーターが、この領域
を挿入することにより固体培養でglaBとほとんど同
程度の発現量をしめすようになった。
の領域の中で、高発現に必要な領域の限定を試みた。そ
の結果、−350から−324の27塩基対の欠失だけ
でも固体培養での発現が大きく低下することが明らかと
なった。また、この領域を含む−350から−254の
97塩基対及び−350から−213の138塩基対を
glaAプロモーター領域に挿入した場合、いずれにお
いても、固体培養での発現能力を飛躍的に上昇させるこ
とができた。したがって、上記27塩基対はglaBプ
ロモーターのコアサイトまたは少なくともコアサイト関
連領域と認められ、このコアサイト領域を含む97塩基
対も高発現に関与する重要な領域と認められた。
Bプロモーター下流にレポーター遺伝子であるGUS遺
伝子を連結したプロモーター解析プラスミドを用いて、
この27塩基対の欠失、置換変異体のプロモーター活性
を測定した。その結果、27塩基対の中でも−335か
ら−324の12塩基対が特に重要であることが示され
た。この12塩基対だけを欠失させることにより固体培
養での発現能が低下し、12塩基対を異なる配列に置換
するとプロモーター活性が消失した。
プロモーター活性の低下が認められることがあるが、こ
れはその領域の配列が重要な場合と、欠失することによ
って生じるプロモーター領域の立体構造の変化など2次
的な要因による場合とが考えられる。ここで示した12
塩基対に関しては塩基配列を置換するだけでプロモータ
ー活性が消失することから、この12塩基対の配列その
ものが、固体培養の高発現に重要であることを示すもの
である。このようにして、この12塩基対が高発現に関
与する特に重要な領域と認め、コアサイト領域(27塩
基対)における活性領域と認めた。
ルコアミラーゼB遺伝子(glaB)の5′側上流32
4塩基対よりさらに上流335塩基対までの非翻訳領域
からなる12塩基対のDNA断片:ggcggcacgggcを特定
するのに成功し、そして更に、麹菌(A. oryzae)のグ
ルコアミラーゼB遺伝子(glaB)の5′側上流32
4塩基対よりさらに上流335塩基対までの非翻訳領域
からなる12塩基対のDNA断片を含むことを特徴とす
る麹菌発現プラスミドの作成にも成功した。
の転写活性を誘導する領域は、麹菌での高発現プロモー
ターの構築に有用で、広く外来遺伝子の発現に活用され
うるものである。なお、本発明に係るコアサイト活性領
域、及びコアサイト、この領域を含む97塩基対及び1
38塩基対からなる重要領域は、実際の製麹に使用され
る野生株であるAspergillus oryzaeが有するglaB遺
伝子(特開平10−84968:その塩基配列を図3に
示す)に含まれているので、そこから切り出して使用し
てもよいし(野生株の1例としては、A. oryzae GLB-01
(FERM P-15826)が例示される)、常法にしたがって合
成してもよい。また、該コアサイト活性領域を含む高発
現ベクタープラスミドも本発明に包含されるものであ
る。
た異種タンパク発現について検討した。glaBプロモ
ーター(全長1kb)下流にアスペルギルス・ニガー由
来のグルコースオキシダーゼ遺伝子を連結し、固体培養
でグルコースオキシダーゼの大量生産を成功させた。こ
のようにA. oryzaeを宿主として生産されたグルコース
オキシダーゼは、本来のニガー菌の酵素に比べて、非常
に多量の糖鎖が付加されていた。その結果酵素の熱安定
性や、溶解度の向上が認められた。このように麹菌の固
体培養を用いた異種タンパク生産は、生産量が高いだけ
でなく、酵素の熱安定性などの蛋白機能の向上も期待で
きる。
酒、味噌、醤油などの様々な醸造食品を製造することが
できる。例えばこれを清酒醸造に用いると、グルコース
オキシダーゼによって生産されるグルコン酸を多量に含
む香味に特徴のある清酒が醸造できる。このように固体
培養での組み換え蛋白の生産は、酵素生産性が高いだけ
でなく、培養物をそのまま醸造原料として利用すること
により、容易に組み換え蛋白を含む醸造食品を製造する
ことができる。以下、本発明の実施例について述べる。
平10−66114号において、本発明者らは、gla
B遺伝子プロモーター領域の中で、固体培養での高発現
には、−350から−327の27塩基対(コアサイ
ト)が重要であることを明らかにしたが、本実施例にお
いては、この27塩基対の配列決定、及び、この27塩
基対(コアサイト)の中で、固体培養において更に重要
な配列(コアサイト活性領域配列)を特定することとし
た。
G)から5′上流の非翻訳領域の1128塩基対を、プ
ロモーター解析用プラスミドpNGUS(図1)のPs
tI、SalIサイトに挿入した。次に、この1128
塩基対の5′上流側から、順次欠失したDNA断片を調
製し、それぞれ同様にpNGUSに挿入した。得られた
プラスミドにてA. oryzaeを形質転換後、導入したプラ
スミドが宿主染色体上で単一コピーで相同組換えした形
質転換体を選択した。これらの形質転換体を、デンプン
を炭素源としたツァペック−ドックス培地による液体培
養と70%精白米を用いた固体培養(米麹培養)を行
い、生産されるGUS活性を測定した。その結果、11
28塩基対すべてを含むものと比べて、5′側上流35
6塩基対まで欠失させても、固体培養でのGUS活性は
ほとんど低下しなかった。しかし、−272まで欠失し
たものでは、固体培養でのGUS活性が大きく減少し
た。したがって、この−355から−272の間に、固
体培養での高発現に関与する領域が存在すると考えられ
た。
5〜272bp付近に、固体培養での高発現に必要な領
域があることを確認するため、さらに、部位特異的欠失
プロモーターでの解析を行った。glaBプロモーター
領域(1128塩基対)のなかから、ある一定の領域だ
けを欠失した変異プロモーターを調製し、液体培養と固
体培養での発現能を検討した。glaBプロモーターの
中で、−934〜−705の領域、−704〜−572
の領域、−571〜356の領域、いずれの領域を欠失
させても、固体培養での発現能は低下しなかった。とこ
ろが−355〜213の領域を欠失させると、固体培養
での発現がほとんど確認することができなかった。以上
の結果より、この−355〜−213の領域に固体培養
での高発現に必要な領域が存在することが確認された。
glaAプロモーターに挿入し、その固体培養での発現
能を検討した。glaAのプロモーターの−205の
5′末端側に、PCR法にて調製したglaBプロモー
ター(−350〜−254)領域を挿入し、キメラプロ
モーターを調整後、glaAおよびglaBプロモータ
ーとその発現能を比較した。glaAプロモーターは固
体培養でほとんどプロモーター活性が検出されないが、
先のglaBプロモーター領域(−350〜−254)
を挿入することで、固体培養での活性が40倍に上昇し
た。このようにこのプロモーター領域(−350〜−2
54)は、プロモーターから欠失させると転写誘導活性
が低下させるだけでなく、この領域の付加により固体培
養での転写誘導活性を付与することも可能であることが
判明した。したがって、−350〜−254の領域(9
7bp)は重要領域ということができる。その配列を図
2上に示す。また、この領域を包含する−350〜−2
13の領域(138bp)も重要領域であり、その配列
を図2Fに示す。
での高発現に関与する領域をさらに限定させるため、
(−350〜−213)に対してさらに詳細な欠失変異
プロモーターを作成した。その結果、−350から−3
24のわずか27塩基対の欠失で、固体培養での発現が
大きく低下することが明らかとなった。したがって、こ
の27塩基対の配列およびその近傍に、転写活性因子が
存在すると考えられた。
認められる27bpの塩基配列は、配列番号2に示さ
れ、次のとおりである:gagaactaagagaatggcggcacgggc
固体培養に重要な配列を更に特定するために、塩基置換
法による解析を行った(図4)。27塩基対(gla
B)の上流側15塩基対を欠失させた場合(欠失1)、
固体培養でのプロモーター活性はほとんど変わらなかっ
た。一方下流側(−355から−324)の12塩基対
を欠失させた場合に、固体培養での発現能が低下し、液
体培養での発現能が上昇した。さらに、この12塩基対
を全く別の塩基配列に置換した場合は、固体培養、液体
培養ともに発現能が大幅に低下した。従って、この12
塩基対が、本プロモーターの固体培養高発現に関するコ
アサイト(27塩基対)の活性領域と認められる。その
塩基配列は、配列番号1に示され、次のとおりである:
ggcggcacgggc
蛋白の発現】(1)glaB遺伝子のプロモーター領域
を用いて、異種蛋白の発現を試みた。異種蛋白遺伝子と
してはアスペルギルス・ニガーのグルコースオキシダー
ゼ遺伝子(GOD)を用いた。まずglaB遺伝子のプ
ロモーター領域(1kb)とその下流のglaB遺伝子
のコーディング領域の内シグナル配列と考えられる領域
までをPCR法にて単離、niaDマーカーの入った麹
菌発現ベクターpNIA2にサブクローニングした。次
にアスペルギルス・ニガーのグルコースオキシダーゼ遺
伝子のコーディング領域の内、シグナル配列を除いた領
域を同じくPCR法にて単離し、先のglaBプロモー
ター+シグナル領域の下流に連結した。そしてGOD遺
伝子の下流に、PCR法にて調製したglaBのターミ
ネーター部分を連結して、異種蛋白発現用プラスミドp
GOGXを作成した(図5)。
い、アスペルギルス・オリゼーに移入し、プラスミドが
導入された形質転換体を数株(GOD5−9株)を得
た。これらの形質転換体を用いて、米麹を作成し、グル
コアミラーゼ(GA)および異種蛋白であるグルコース
オキシダーゼ(GOD)の活性を測定した。結果を表1
に示す。
の結果から明らかなように、コントロール(OSI 1
013株)と形質転換株(GOD7株)を比較すると、
固体培養においてコントロールはGOD活性が検出され
なかったのに対し、形質転換体では48.3と高い値を
示した。これは蛋白量に換算すると、48.3(U/g
麹)を示す株の場合、麹グラム当り約0.2mgものG
ODを生産していた。
あるグルコースオキシダーゼを著量に生度することが示
された。またグルコアミラーゼをはじめとする、清酒醸
造に重要な酵素については、宿主菌とほぼ同程度の生産
性を示した。また形質転換体で調製した米麹の抽出液の
蛋白質を、SDS−PAGEにより解析を行った。形質
転換体では、組換えグルコースオキシダーゼを考えられ
る蛋白バンドが明確に認められ、全タンパク質の中で5
0%程度占めていた。
オリゼーで生産したアスペルギルス・ニガーの組換えグ
ルコースオキシダーゼの安定性を検討した。まず組換え
グルコースオキシダーゼは、ニガー菌が本来生産するグ
ルコースオキシダーゼに比べて非常に多量の糖鎖が付加
されていた。SDS−PAGEの解析からではニガー菌
本来のものは10%以下であるのに対して、組換え蛋白
は50%程度の糖が含まれると考えられる。そのため組
換え蛋白は水に対する溶解性が顕著に上昇した。
のグルコースオキシダーゼは硫安濃度が2.5Mで、ほ
とんどの蛋白が沈殿したのに対して、組換えグルコース
オキシダーゼでは硫安3.5Mでも80%以上の活性が
上清中に認められた。これは組換え蛋白に付着した糖鎖
により、蛋白の溶解性が飛躍的に向上したものと考えら
れる。
(図6)。ニガー菌のグルコースオキシダーゼの90%
以上が失活する60℃の処理においても、組換え蛋白は
50%以上の活性が残存していた。種々の温度での熱安
定性実験の結果より、組換えグルコースオキシダーゼは
ニガー菌本来の酵素よりも熱安定性が5℃以上も上昇し
ていることが明らかとなった。
白であるGODを生産する形質転換体(GOD株)の米
麹を用いて、グルコン酸の多い爽やかな酒質を目指して
清酒醸造を行った。総米500g、精米歩合70%、K
7酵母を使用し、15℃一定とし、仕込みを行った。成
酒の分析結果を表2に示す。
らかなように、形質転換体の米麹で醸造した上槽酒は、
対照の仕込みに比べて、最終アルコール生成量は低いも
のの、通常の上槽酒に認められない非常に高い酸度を示
した。これは組換えグルコースオキシダーゼによって醪
中のグルコースが酸化されて生成するグルコン酸の影響
であることがわかった。このようにグルコースオキシダ
ーゼを生産する形質転換体を用いることにより、パネル
テストの結果、従来の清酒醸造方法では製造が困難な非
常に酸度の高いワイン風味の清酒を醸造することができ
た。
るグルコアミラーゼ遺伝子(glaB)のプロモーター
領域の中で、その高発現に重要な領域がさらに限定する
ことができた。さらに、glaBプロモーター下流に異
種遺伝子であるニガーのグルコースオキシダーゼ遺伝子
を連結して、アスペルギルス・オリゼーを宿主として熱
安定性の上昇した組換え酵素の生産に成功し、本プロモ
ーターの異種蛋白生産の実用性を示した。
糖鎖が多量に付加されることにより、蛋白の熱安定性が
上昇したり、溶解度が飛躍的に上昇する現象が認められ
る。これは固体培養での組換え蛋白生産が、異種蛋白を
大量に発現させるだけでなく、その蛋白の性能も向上さ
せうる可能性を示すもので、物質生産に対して新しい手
法を提供するものである。
することが可能であれば、これを用いて清酒、味噌、醤
油などの醸造食品を製造することにより、有用蛋白を含
む醸造食品が簡単に製造が可能である。これにより有用
な蛋白を食品と同時に摂取することができ、組換え食品
の製造に大きく貢献する技術であると考えられる。
(97bp)及びそれを含む領域(138bp)を上段
及び下段にそれぞれ示す。
遺伝子(glaB)の塩基配列を示す。
す。
Claims (9)
- 【請求項1】 配列表の配列番号1に示すDNA。
- 【請求項2】 該DNAが、麹菌(Aspergillus oryza
e)のグルコアミラーゼB遺伝子(glaB)の5′側
上流324塩基対よりさらに上流335塩基対までの非
翻訳領域からなる12塩基対のDNA断片であること、
を特徴とする請求項1に記載のDNA。 - 【請求項3】 麹菌がAspergillus oryzae GLB-01(FERM
P-15826)であること、を特徴とする請求項2に記載の
DNA。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のD
NAを含んでなること、を特徴とする麹菌発現プラスミ
ド。 - 【請求項5】 請求項4に記載のプラスミドを麹菌に移
入してなる形質転換体。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項に記載する
DNAを少なくとも含むDNAをプロモーターとして利
用し、麹菌において同種又は異種遺伝子を発現せしめる
方法。 - 【請求項7】 麹菌を固体培養すること、を特徴とする
請求項6に記載の発現方法。 - 【請求項8】 請求項5に記載の形質転換体を使用して
製造してなる醸造食品。 - 【請求項9】 醸造食品が清酒であること、を特徴とす
る請求項8に記載の醸造食品。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4782099A JP2000245465A (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | 高発現ベクタープラスミド用dna断片 |
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010004760A (ja) * | 2008-06-24 | 2010-01-14 | Gekkeikan Sake Co Ltd | 糸状菌プロテアーゼの生産方法 |
-
1999
- 1999-02-25 JP JP4782099A patent/JP2000245465A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010004760A (ja) * | 2008-06-24 | 2010-01-14 | Gekkeikan Sake Co Ltd | 糸状菌プロテアーゼの生産方法 |
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