JP2000242323A - プラント運転ガイダンスシステム - Google Patents

プラント運転ガイダンスシステム

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JP2000242323A
JP2000242323A JP4607999A JP4607999A JP2000242323A JP 2000242323 A JP2000242323 A JP 2000242323A JP 4607999 A JP4607999 A JP 4607999A JP 4607999 A JP4607999 A JP 4607999A JP 2000242323 A JP2000242323 A JP 2000242323A
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plant
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Akira Osawa
陽 大澤
Yoshio Sato
美雄 佐藤
Akihiko Yamada
昭彦 山田
Yukinori Katagiri
幸徳 片桐
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】信頼性の高いプラント運転ガイダンス情報を迅
速に提供する。 【解決手段】動特性モデル14は、プラント13の構成
機器に対応する機器モジュールを有している。モジュー
ルベース自動調整部15は、プラント13の構成機器毎
に、それぞれ、構成機器と機器モジュールとの出力誤差
を算出する誤差算出部、誤差算出部の算出結果に応じて
機器モジュールの調整項を修正する自動同定部を有して
いる。ガイダンス部16は、モジュールベース自動調整
部15によって同定された動特性モデル14の応答出力
(プラントの将来的な目標値に対する応答出力)を、ガイ
ダンス情報gとして出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラント制御支援
技術およびプラント制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、プラント試運転時には、調整員
が、プラントの応答を監視しつつ、その制御パラメータ
(例えば、比例ゲイン、積分ゲイン等)を試行錯誤的に手
動調整している。この手動調整に要する時間の短縮化を
図るため、プラントの動特性を与える動特性モデルを用
いて、プラントの制御パラメータの調整を大まかに行っ
ておくという試みもなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
手動調整には、調整員の高度な熟練が必要とされる。し
たがって、経験が少ない調整員では、規定の調整期間内
に所期の性能を達成することができない可能性がある。
それによる調整の遅延は、人件費の増大を招く要因とな
る。そして、制御対象であるプラントの規模が大きくな
るほど、その可能性が高くなる。大規模なプラントに
は、運転上の制約条件、制御量、操作端が多数存在する
上に、それらの間に相互干渉があり、その試運転時の調
整を担当する者には、より高度な技術が要求されるから
である。
【0004】そこで、本発明は、プラントの制御パラメ
ータの的確な調整指針を迅速に与えるプラント運転ガイ
ダンスシステムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、プラントを構成する機器単位にモジュー
ル化されたプラント動特性モデルと、前記各機器モジュ
ール間に設けられ、それぞれが、前段の機器モジュール
の応答出力と当該前段の機器モジュールに対応する機器
の応答出力とを受け付け、当該2種類の応答出力間で後
段機器モジュールへの入力を切り替える入力切替手段
と、前記各機器モジュールごとに設けられ、それぞれ
が、前記機器モジュールと当該機器モジュールに対応す
る機器との応答誤差に基づき、当該機器モジュールに含
まれるパラメータを調整するモデル同定手段と、前記モ
デル同定手段により同定済みのプラント動特性モデルの
応答出力に応じた情報を出力する情報出力手段とを備え
ることを特徴とするプラント運転ガイダンスシステムを
提供する。
【0006】本プラント運転ガイダンスシステムによれ
ば、例えば、プラント運転パターンにおいて予め定めら
れている将来の制御指令(目標値等)を、同定済み動特性
モデルに与えれば、その入力に対する動特性モデルの応
答出力に関する情報、すなわち、未来の制御指令等に対
する現プラント制御系の制御性能の指標となる情報が出
力されるため、運転員は、この情報をガイダンスとして
参照することによって、将来プラントに与えられる制御
指令に対する現プラント制御系の制御性能を事前に予測
し、今後の制御パラメータの調整指針を獲得することが
できる。すなわち、運転員は、自身の経験に頼らなくて
も、プラント制御系の制御パラメータの調整を迅速かつ
的確に行うことができる。
【0007】また、自動同定処理中に機器モジュール間
の結合が分断され、各機器モジュールがその前段機器モ
ジュールの応答出力と無関係に同定されることから、機
器モジュールの出力誤差の累積が防止され、動特性モデ
ル全体としての同定誤差が抑制されるため、情報出力手
段から出力される情報のガイダンス情報としての信頼性
も高い。さらに、機器モジュール単位の同定処理が並列
して実行されるため、山登り法等の繰返し計算による同
定手法を用いている場合であっても、動特性モデルの同
定が速やかに終了し、第1回目のプラント試運転時か
ら、ガイダンス情報を提供することが可能である。
【0008】そして、情報出力手段から出力される情報
をプラント運転制御装置に入力し、プラント運転制御装
置が、その情報に基づいてプラント制御系の制御パラメ
ータを制御するようにすれば、プラントのモデル規範形
適応制御システムを実現することもできる。
【0009】例えば、本プラント運転ガイダンスシステ
ムにおいて、前記情報出力手段が、前記同定済み動特性
モデルの調整項および前記同定済み動特性モデルの制御
系モデルの制御パラメータのうちの少なくとも一方を変
化させながら、逐次、前記同定済み動特性モデルの応答
出力を検出し、当該検出結果に基づき、前記同定済み動
特性モデルの出力応答と前記調整項変化量と前記制御パ
ラメータとを関係付けた情報を定める手段と、前記モデ
ル同定手段による再調整が行われた場合に、前記関係付
けの情報によって、当該再調整による調整項変化量と、
前記プラントの制御目標値に合致するモデル応答出力と
に関係付けられた制御パラメータ値を、前記動特性モデ
ルの応答出力に関連する情報として出力する制御パラメ
ータ推定手段とを備えるようしてもよい。
【0010】なお、この場合の同定済み動特性モデルの
調整項等の変化のさせかたは特に限定するものでなく、
例えば、(1)同定済み動特性モデルの調整項だけを変化
させる、(2)同定済み動特性モデルの制御系モデルの制
御パラメータだけを変化させる、(3)同定済み動特性モ
デルの調整項と、同定済み動特性モデルの制御系モデル
の制御パラメータとの双方を変化させる、(4)連続的に
変化させる、(5)ステップ状に区間毎に変化させる、
(6)同一初期状態から同一目標値にむかって動特性モデ
ルを動作させるケースを複数回実行し、それぞれケース
において、同定済み動特性モデルの調整項と、同定済み
動特性モデルの制御系モデルの制御パラメータを変化さ
せる等、状況に応じた変化のさせかたを選択すればよ
い。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しなが
ら、本発明に係る実施の一形態について説明する。
【0012】最初に、本実施の形態に係るプラント運転
ガイダンスシステムの基本構成について説明する。
【0013】本システム10は、図lに示すように、制
御対象であるプラント13の動特性モデル14、運転員
が設定した制御目標値等a1を制御指令cとして動特性
モデル14およびプラント13に与える制御装置12、
同一制御指令に対するプラント出力dと動特性モデル出
力eとの偏差に基づき動特性モデル14を同定するモジ
ュールベース自動調整部15、モデル出力eに応じたガ
イダンス情報gを出力するガイダンス部16を備えてい
る。なお、制御装置12には、プラントの制御パラメー
タa2(例えば、比例ゲイン、積分ゲイン等)および前述
の制御目標値a1の入力を運転員から受け付ける入力装
置(不図示)が接続されている。
【0014】そして、動特性モデル14およびモジュー
ルベース自動調整部15は、図2に示すように、プラン
ト13を構成する機器単位にモジュール化されている。
すなわち、動特性モデル14は、プラント13を構成す
る各機器Ai(1≦i)ごとに、それぞれ、機器Aiの動特
性を模擬する機器モジュール14Ai、機器出力d
モジュール出力eとの間で後段機器Ai+1の機器モジ
ュール14Ai+1等への入力を切り替える入力切替部1
4Bを有しており、モジュールベース自動調整部15
は、プラント13を構成する各機器Aiごとに、それぞ
れ、2つの入力ポートから入力される入力データの誤差
を算出する誤差算出部15Bi、誤差算出部15Biの算
出結果に応じて機器モジュール14Aiの調整項を修正
する自動同定部15Aiを有している。なお、図2では
省略しているが、制御装置12からの制御指令cは所定
の機器モジュールに与えられている。
【0015】つぎに、本システムにおいて実行される自
動同定処理について説明する。
【0016】各機器モジュール14Aiの応答出力が、
入力切替部14Biを介して、後段機器モジュール14
i+1に入力されている状態、すなわち、隣接機器モジ
ュール間がそれぞれ入力切替部により結合され、動特性
モデル15がプラント全体の動特性を模擬している状態
において、各誤差算出部15Biには、いずれも、その
2つの入力ポートに、機器モジュール14Aiの応答出
力eiが入力される。したがって、各誤差算出部15Bi
に入力されるデータ間には誤差を生じず、各自動同定部
15Aiが、機器モジュール14Aiの調整項を修正する
ことはない。
【0017】ここで、運転員からの指示に応じた制御装
置12の制御によって、各入力切替部14Biがそれぞ
れ機器出力側に切り替わると、先頭機器モジュール14
1以降の機器モジュール14Ak(但し、2≦k)には、
前段機器Ak-1の応答出力dk-1が入力される。また、各
誤差算出部15Biには、いずれも、一方の入力ポート
に機器モジュール14Aiの応答出力eiが入力され、他
方のポートに機器Aiの応答出力diが入力されるように
なる。これにより、全誤差算出部15Biが、並列的
に、機器Aiの応答出力diと機器モジュール14Ai
応答出力eiとの偏差(di−ei)を算出し、全自動同定
部15Aiが、並列的に、機器モジュール14Aiの調整
項の調整量fiを、偏差(di−ei)に基づき算出する。
そして、全機器モジュール14Aiの調整項が、並列的
に、調整量分だけ修正される。これにより、機器Ai
応答出力diと機器モジュール14Aiの応答出力ei
の偏差が0に収束する。
【0018】そして、各誤差算出部15Biが算出する
偏差(di−ei)が所定の範囲におさまると、制御装置1
2は、各入力切替部14Biを機器モジュール側に切り
替えて、隣接機器モジュール間を再度結合させる。これ
により、動特性モデル14の同定が終了し、動特性モデ
ル14は、プラント13と等価になる。
【0019】さらに、制御装置12は、プラント運転パ
ターンにおいて予め定められている将来の制御目標値
を、この同定済みの動特性モデル14に与える。動特性
モデル14は、この入力に対して応答し、所定の時間経
過後のプラント状態量の推定値を出力する。ガイダンス
部16は、この応答出力をガイダンス情報gとして出力
装置から出力させる。なお、各機器モジュールの調整項
の調整量は、機器モジュールの結合順に並べて出力す
る。
【0020】このように、本システムによれば、プラン
ト出力の未来の制御目標値に対する現プラント制御系の
制御性能の指標となるガイダンス情報が出力されるた
め、運転員は、このガイダンス情報を参照することによ
って、将来プラントに与えられる制御指令に対する現プ
ラント制御系の制御性能を事前に予測し、プラント制御
計の今後の制御パラメータの調整指針を獲得することが
できる。したがって、運転員は、自身の経験に頼らなく
ても、プラント制御系の制御パラメータの調整を的確か
つ迅速に行うことができる。また、自動同定処理中に機
器モジュール間の結合が分断され、各機器モジュールが
その前段機器モジュールの応答出力と無関係に同定され
ることから、機器モジュールの出力誤差の累積が防止さ
れ、動特性モデル全体としての同定誤差が抑制されるた
め、運転員に提供されるガイダンス情報の信頼性も高
い。さらに、機器モジュール単位の同定処理が並列して
実行され、動特性モデル14の同定の迅速化が図られる
ため、早期に(具体的には、第1回目のプラント試運転
から)、ガイダンス情報を運転員に提供することができ
る。
【0021】なお、本実施の形態では、ガイダンス部1
6から出力されたガイダンス情報gを運転員に提供し、
プラント制御系の制御パラメータを運転員が手動調整す
るようにしているが、このガイダンス情報gを制御装置
12に入力し、制御装置12が、プラント制御系の制御
パラメータを自動調整するようにしてもよい。
【0022】ところで、ガイダンス情報として出力すべ
き情報は、動作モデルの応答出力に限られない。例え
ば、負荷変化等によって動作モデルの再同定が行われた
場合には、その再同定処理中における各機器モジュール
の調整項の経時的変化を、ガイダンス情報として出力す
ることが望ましい。再同定処理中における調整項変化
は、機器の動作遅れ等に相関するため、その変化分布を
ガイダンス情報として出力すれば、運転員は、自身の経
験に頼らなくても、機器入力の補正量(BIR)を的確か
つ迅速に決定し、プラントの機器の動作遅れ等を解消す
ることができる。そして、各機器モジュールの調整項の
変化分布が、機器モジュールの結合順に並んで出力され
れば、運転員は、それらのピーク位置のズレ具合から、
プラントの動作遅れの時定数を把握することができる。
【0023】つぎに、図5により、制御対象13を火力
発電プラントとした場合を例に挙げて、より具体的に説
明する。
【0024】動特性モデル14の各機器モジュール(伝
熱演算モジュール)14Aiは、火力発電プラントの構成
機器の熱収支・物質収支を模擬しており、前段機器モジ
ュール14Ai-1または前段機器Ai-1から、機器Ai
入口蒸気温度Tsiおよび入口ガス温度Tgiの計算値また
は実測値の入力を受け付けて、後段機器モジュール14
i+1へと、機器Aiの出口蒸気温度Tsoおよび出口ガス
温度Tgoの計算値を出力するようになっている。そのた
めの具体構成として、各機器モジュール14Aiは、下
記微分方程式(1)〜(3)により表現される入出力関係を
有する演算要素53、流体の流量変化による動特性を表
す一次遅れを演算要素53への入力Tsi,Tgiに持たせ
る一次遅れ要素50、演算要素53からの出力の積分値
(状態量)を下記数式(4)〜(6)により算出する積分器
51を有している。
【0025】 ΔTso=As・αs・(Tm―Ts)+Hsi・Gsi―Hso・Gso …(1) ΔTm=As・αs・(Tm―Ts)+Ag・αg・(Tg―Tm) …(2) ΔTgo=Ag・αg・(Tg―Tm)+Hgi・Ggi−Hgo・Ggo …(3) ここで、AgおよびAsは、ガス−メタル伝熱面積および
メタル−蒸気伝熱面積、αgおよびαsは、ガス−メタル
熱伝達係数および蒸気−メタル熱伝達係数、Ggiおよび
siは、機器Aiの実測入口ガス流量および実測入口蒸
気流量、GgoおよびGsoは、機器Aiの実測出口ガス流
量および実測出口蒸気流量、Tmは、後段の積分器51
から与えられるメタル温度、TgおよびTsは、ガスおよ
び蒸気の代表温度(例えば、後段の積分器51から与え
られる出口温度と、前段の一次遅延要素50から与えら
れる入口温度との平均値)、HgiおよびHgoは、ガス温
度とガス圧力とから算出される入口ガスエンタルピおよ
び出口ガスエンタルピ、HsiおよびHsoは、実測蒸気圧
力Psと蒸気温度とにより蒸気表から読み取られる入口
蒸気エンタルピおよび出口蒸気エンタルピである。
【0026】 Tgo(t)=Tgo(t―Δt)+ΔTgo・Δt …(4) Tso(t)=Tso(t―Δt)+ΔTso・Δt …(5) Tm(t)=Tm(t―Δt)+ΔTm・Δt …(6) さて、入力切替部の切替により自動同定処理が開始され
ると、所定の機器モジュールには、先頭機器モジュール
14A1以降の機器モジュール14Ai(2≦i)には、前
段機器Ak-1の応答出力の実測値、すなわち、入口蒸気
温度Tsiの実測値、入口ガス温度Tgiの実測値が逐次入
力される。また、ここで実測されないデータ(蒸気流量
si、入口ガス流量Ggi、蒸気圧Ps)については、前段
機器モジュール14Ak-1から、その入力を受け付け
る。そして、これらのデータは、各機器モジュール14
iにおいて、以下のように処理される。
【0027】前段機器Ai-1からの入口ガス温度Tgi
実測値および入口蒸気温度Tsiの実測値には、一次遅れ
要素50により、流体の流量変化による動特性を表す一
次遅れが与えられる。そして、演算要素53は、一次遅
れ要素50からの入力データと、前段機器モジュール1
4Ai-1からの入力データ(入口蒸気流量Gsi、入口ガス
流量Ggi、蒸気圧Ps)と、後段の積分器51から与えら
れる3つの温度データTm,Tso,Tgoとを、前述の微分
方程式(1)(2)(3)により処理して、出口蒸気温度の変
化量ΔTso、出口ガス温度の変化量ΔTgo、メタル温度
の変化量ΔTmを算出する。積分器51は、前述の数式
(4)(5)(6)により、それら変化量ΔTso,ΔTgo,ΔT
mを積分し、出口蒸気温度Tso、出口ガス温度Tgo、メ
タル温度Tmを算出する。そして、誤差算出部15B
iに、出口蒸気温度Tsoおよび出口ガス温度Tgoを与
え、演算要素53には、次回の演算処理用データとし
て、出口蒸気温度Tso、出口ガス温度Tgo、メタル温度
mを与える。
【0028】プラント13が静的状態である場合には、
誤差算出部15Biは、出口蒸気温度Tsoと出口ガス温
度Tgoとについて、それぞれ、積分器51による計算値
と、機器Aiからの実測値との誤差を算出し、その誤差
を自動同定部15Aiに与える。ただし、その誤差の変
動から、プラント13が負荷変化等の過渡的状態である
ことを検出すると、誤差算出部15Biは、その誤差の
二乗積分値を自動同定部15Aiに与える。自動同定部
15Aiは、誤差の入力を受け付けた場合には、その誤
差が0に近付くように、機器モジュール14Aiの微分
方程式(1)(2)(3)に含まれている調整医パラメータα
sgを修正し、誤差の二乗積分値の入力を受け付けた
場合には、最小二乗法を用いて、その二乗積分値が最小
になるように一次遅れ要素50の調整項(時定数)τs
gを修正し、機器モジュール14Aiの応答を改善する。
これにより、プラントが静的状態にある場合には、各機
器モジュール14Aiの熱収支が改善され、プラントが
過渡的状態にある場合には、プラントの過渡的変動によ
る誤差が解消される。
【0029】そして、各誤差算出部15Biが算出する
誤差が所定の範囲におさまると、各入力切替部14Bi
が機器モジュール側に切り替わり、隣接機器モジュール
間を結合する。これにより、動特性モデルの同定が終了
し、動特性モデルは、火力発電プラントと等価になる。
なお、この状態においては、各誤差算出部15Biが、
出口蒸気温度Tsoの計算値の比較対象として、出口蒸気
温度Tsoの計算値の入力を受け付けると共に、出口ガス
温度Tgoの計算値の比較対象として、出口ガス温度Tgo
の計算値の入力を受け付けるため、各誤差算出部15B
iに入力された比較対象データ間に誤差を生じず、いず
れの機器モジュール14Aiに含まれている調整項も修
正されない。
【0030】そして、この同定済みの動作モデル14
に、火力発電プラントに将来与えられるべき制御目標値
が与えられると、ガイダンス部16は、その入力に対す
る動作モデル14の応答出力をガイダンス情報として出
力装置から出力させる。
【0031】なお、負荷変動等により同定済みの動作モ
デルの再同定が行われた場合には、ガイダンス部16
は、ガイダンス情報として、再同定処理中における各機
器モジュールの調整項変化を、機器モジュールの結合
順、具体的には、水及び蒸気が流れる順、ガスが流れる
順等に並べて出力装置から出力させる。このガイダンス
情報を参照することにより、運転員は、給水、ガスの時
定数を把握し、給水BIRおよび燃料・空気BIRを容
易に決定することができる。
【0032】ところで、より経験度の少ない運転員にと
っては、動特性モデルの出力応答よりも、むしろ、プラ
ント制御系の制御パラメータをガイダンス情報として提
供されたほうが便利な場合もある。本実施の形態に係る
プラント運転ガイダンスシステムは、以下に示すように
ガイダンス部16を構成すれば、そのような機能をも実
現することができる。
【0033】図4に示すように、ガイダンス部16は、
制御パラメータ感度解析部40、調整項感度解析部4
1、制御パラメータ推定部42、演算部43を備えてい
る。
【0034】動特性モデル14の同定処理が終了する
と、調整項感度解析部41は、適当なタイミングで、同
定済みの動特性モデル14の調整項を1個ずつ変更する
処理を開始する。そして、制御パラメータ感度解析部4
0は、調整項感度解析部41により調整項が変更される
たびに、動特性モデルに含まれている制御系モデルの制
御パラメータを1個ずつ変更し、その都度、動特性モデ
ルの応答出力(状態量)を検出する。そして、その検出結
果に基づいて、制御パラメータ値と状態量との関係を表
すベクトル方程式(1)(第一の関係式)を導出する。
【0035】D=AK+B …(1) ここで、AおよびBは、係数行列であり、Kは、制御パ
ラメータべクトルであり、Dは、状態量べクトルであ
る。
【0036】以上の処理が終了すると、調整項感度解析
部41は、同定済みの動特性モデル14の調整項変更に
伴う係数行列A,Bの変化量ΔA,ΔBを算出し、調整項
変化量ベクトルΔXと、係数行列変化量ベクトルΔA,
ΔBとの関係を表すベクトル方程式(2)(第二の関係式)
を導出する。
【0037】[ΔA,ΔB]=FΔX+G …(2) ここで、FおよびGは、係数行列である。
【0038】そして、演算部43は、第一の関係式(1)
に第二の関係式(2)を代入し、調整項の変化量ベクトル
ΔXおよび状態量ベクトルDを入力データとして制御パ
ラメータベクトルKを算出するベクトル方程式(3)(第
三の関係式)を導出する。
【0039】 K=(A+ΔA)−1[D―(B+ΔB)] …(3) ここで、A−1は、Aの逆行列である。
【0040】その後、プラントの動特性が変化し、動特
性モデルの再同定が行われた場合、制御パラメータ推定
部42は、以下に示すように、演算部43が導出した第
三の関係式(3)に、入力ΔXおよびDとして、モジュー
ルベース自動調整部の再同定処理による調整項変化量ベ
クトルΔXrおよびプラント13の制御目標値べクトル
rを与える。
【0041】 Kr=(A+ΔA)−1[Dr―(B+ΔB)] その結果得らえた制御パラメータベクトルKrは、制御
目標値ベクトルDrの成分である各制御目標値を達成す
る最適制御パラメータを成分としている。制御パラメー
タ推定部42は、制御パラメータベクトルKrを、それ
に含まれている個々の最適制御パラメータが識別可能と
なるように加工し、それらをガイダンス情報として出力
する。
【0042】なお、本実施の形態では、運転員を支援す
べく、制御パラメータ推定部42が算出した各制御パラ
メータの最適値をガイダンス情報として運転員に提供し
ているが、図5に示すように、これらの最適制御パラメ
ータを制御装置20に与え、制御装置12が、それらを
プラント制御系の制御パラメータとして用いるようすれ
ば、プラントのモデル規範形適応制御システムを実現す
ることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、プラントの制御パラメ
ータの調整指針が提示されるため、プラント制御系の制
御パラメータの調整の迅速化および確実化を図ることが
できる。したがって、プラント試運転に費やされていた
時間およびコストの削減が期待できる。
【0044】また、動特性モデルがモジュール化されて
おり、各モジュールの同定がその前段モジュールの応答
出力と無関係に実行されるため、モジュールの出力誤差
の累積がなくなり、動特性モデルの高精度化が図られ
る。さらに、全てのモジュール単位の同定処理が並列し
て実行されるため、動特性モデルの同定の迅速化が図ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に実施の一形態に係るプラント運転ガイ
ダンスシステムの構成図である。
【図2】本発明に実施の一形態に係る動特性モデルおよ
び自動同定部の構成図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係る機器モジュールの
構成図である。
【図4】本発明に実施の一形態に係るプラント運転シス
テムの構成図である。
【図5】本発明に実施の一形態に係るプラント運転シス
テムの構成図である。
【符号の説明】
10…プラント運転ガイダンスシステム 12…制御装置 13…プラント 14…動特性モデル 14A1,14A2....,14An…機器モジュール 14B1,14B2....,14Bn…入力切替部 15…モジュールベース自動調整部 15A1,15A2....,15An…自動同定部 15B1,15B2....,15Bn…誤差算出部 16…ガイダンス部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 昭彦 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 片桐 幸徳 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5H223 AA01 BB01 CC01 EE06 EE08 FF05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラントを構成する機器単位にモジュール
    化されたプラント動特性モデルと、 前記機器モジュール間に設けられ、それぞれが、与えら
    れた指示に応じて、前段機器モジュールの応答出力と当
    該前段機器モジュールに対応する機器の応答出力とを受
    け付け、当該2種類の応答出力間で後段機器モジュール
    への入力データを切り替える入力切替手段と、 前記機器モジュールごとに設けられ、それぞれが、当該
    機器モジュールと当該機器モジュールに対応する機器と
    の応答誤差に基づき、当該機器モジュールに含まれる調
    整項を調整するモデル同定手段と、 前記モデル同定手段によって同定済みのプラント動特性
    モデルの応答出力に関連する情報を出力する情報出力手
    段とを備えることを特徴とするプラント運転ガイダンス
    システム。
  2. 【請求項2】請求項1記載のプラント運転ガイダンスシ
    ステムであって、 前記各モデル同定手段は、それぞれ、当該モデル同定手
    段に対応する機器モジュールの応答出力と、当該機器モ
    ジュールの後段に配された入力切替手段からの出力とを
    受け付け、当該受け付けた2つのデータ間の誤差に基づ
    き当該機器モジュールを同定することを特徴とするプラ
    ント運転ガイダンスシステム。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のプラント運転ガイ
    ダンスシステムであって、 前記情報出力手段は、さらに、前記各モデル同定手段に
    よる同定処理中における調整項変化を、前記機器モジュ
    ールの結合順に並べて出力することを特徴とするプラン
    ト運転ガイダンスシステム。
  4. 【請求項4】請求項1、2および3のうちのいずれか1
    項に記載のプラント運転ガイダンスシステムであって、 前記情報出力手段は、 前記同定済み動特性モデルの調整項および前記同定済み
    動特性モデルの制御系モデルの制御パラメータのうちの
    少なくとも一方を変化させながら、逐次、前記同定済み
    動特性モデルの応答出力を検出し、当該検出結果に基づ
    き、前記同定済み動特性モデルの出力応答と前記調整項
    変化量と前記制御パラメータとを関係付けた情報を定め
    る手段と、 前記モデル同定手段による再調整が行われた場合に、前
    記関係付けの情報によって、当該再調整による調整項変
    化量と、前記プラントの制御目標値に合致するモデル応
    答出力とに関係付けられた制御パラメータ値を、前記プ
    ラント動特性モデルの応答出力に関連する情報として出
    力する制御パラメータ推定手段とを備えることを特徴と
    するプラント運転ガイダンスシステム。
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