JP2000240696A - 鉄道車両用ブレーキディスク付き車輪 - Google Patents

鉄道車両用ブレーキディスク付き車輪

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JP2000240696A
JP2000240696A JP11044860A JP4486099A JP2000240696A JP 2000240696 A JP2000240696 A JP 2000240696A JP 11044860 A JP11044860 A JP 11044860A JP 4486099 A JP4486099 A JP 4486099A JP 2000240696 A JP2000240696 A JP 2000240696A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキディスクおよび締結ボルトの長寿命
化可能な鉄道車両用ブレーキディスク付き車輪を提供す
る。 【解決手段】 ブレーキディスクには車輪体ウェブ部の
面と接する面に中心から放射状に伸びる凸部を設け、車
輪体のウェブ部面には前記ブレーキディスクの凸部と嵌
合する溝部を設ける。車輪体ウェブ部の両側面に設けら
れた溝部が車輪体ウェブ部の表裏で交互に配置されてい
るとなおよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両用のブレ
ーキディスクを備えた車輪に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両や自動車及び自動二輪車等の機
械式制動装置として、ブロックブレーキ、ドラムブレー
キ、ディスクブレーキなどが使用されている。近年、車
輌の高速化、大型化にともないディスクブレーキが多用
されるようになってきた。ディスクブレーキは、ブレー
キディスクとブレーキライニングとの摩擦により制動力
を得る構造をもっており、通常、ブレーキディスクはボ
ルトにより車軸または車輪に取り付けられている。
【0003】鉄道車両に使用されているブレーキディス
クとしては、側ディスク、軸マウントディスクがあげら
れる。側ディスクとは、車輪の側面に締結されるブレー
キディスクのことであり、軸マウントディスクとは車軸
に締結されるブレーキディスクのことである。本発明
は、側ディスクに関するものである。
【0004】新幹線等の高速鉄道車両では、ブレーキ負
荷時の回転速度や慣性力が非常に大きいため、他の自動
車用または自動二輪車用と比較してディスクの温度上昇
は著しく大きい。そのため、温度上昇に伴う熱ひずみも
非常に大きくなる。この熱ひずみが拘束されていると、
熱応力が増大してブレーキディスクは塑性変形し、これ
が繰返されるとき裂が発生し、破断に至るおそれもあ
る。また、ブレーキディスクと車輪を締結しているボル
トには、車輪体と締結することによる引張応力の他に、
ブレーキ負荷時のトルクを拘束することにより繰返し発
生する曲げ・せん断応力が負荷される。これらの繰返し
応力によりボルトが疲労破壊する可能性もある。
【0005】上記の繰返しの熱応力・引張応力、曲げ・
せん断応力によるボルトやディスクの破損を抑制するた
め、例えば、特開平10−318304号公報には、ブ
レーキディスクをブレーキパッドとの摺動面を有する外
リングと、車輪体とのボルト取付け部を有する内リング
とで構成し、両者を嵌合一体化して車輪体に締結する構
造のブレーキディスクが開示されている。内リングに高
強度材を使用し、内外リングを分離して、両者の間に生
じる熱応力や熱ひずみを緩衝することにより、ボルトお
よびボルト穴近傍に集中的に発生する応力を緩和できる
としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−3183
04号公報に記載のブレーキディスクでは、キー溝によ
り内リングと外リングとを嵌合させている。このキー溝
部にはブレーキ負荷時の制動トルクおよびディスクと車
輪とを締結するための引っ張り応力が負荷される。その
ため、キー溝部よりき裂が発生する恐れがある。
【0007】本発明の課題は、鉄道車両用ブレーキディ
スク付き車輪のブレーキディスク形状および車輪体との
締結方法を改善することにより、ブレーキディスクおよ
び締結ボルトを長寿命化することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は鉄道車輌用のブレ
ーキディスク付き車輪の部分断面図である。同図におい
て、符号1は車輪体、2は車軸、3はブレーキディス
ク、4は摺動面、5はリム、6は車輪体ウェブ部、7は
車輪のボルト穴、8はブレーキディスクのボルト穴、9
はブレーキディスクを車輪に締結するボルト、10はナ
ット、11はブレーキディスク付き車輪である。
【0009】摺動面の面積を確保するため、通常ボルト
9はブレーキディスク3の内周側に配置される。ボルト
9が内周側に配置されると、大径のボルトは使用でき
ず、ボルト本数をあまり多くはできない。従って、ボル
トには大きな応力が負荷される。前述のようにブレーキ
負荷時に繰返し応力が負荷されるのでボルトの寿命は疲
労強度に支配される。
【0010】発明者らは、ボルトに負荷される応力を低
減すれば、寿命を延ばすことができるとの着想のもと、
ブレーキディスクの負荷を車輪体ウェブ部に直接伝達す
る方法として、ブレーキディスクと車輪体ウェブ部とが
互いに噛み合う構造を検討した。その結果、ブレーキデ
ィスクに凸部、車輪体ウェブ部にはこの凸部と嵌合する
溝を設ける構造を想到した。前記凸部の形状は任意であ
るが、最も効率的に力を伝達できるのは、ブレーキディ
スク中心から放射状に延びた形状である。
【0011】一方、車輪体ウェブ部に溝を設けることに
よってその強度が低下するが、車輪体ウェブ部の両側面
の溝を表裏でずらせることによって、強度低下を最小限
にできることに想到した。
【0012】上記の知見に基づいて完成した本発明の要
旨は以下の(1) 〜(2) にある。 (1) 車輪体とそのウェブ部の両側面に締結されたブレー
キディスクとを備えた鉄道車輌用ブレーキディスク付き
車輪であって、ブレーキディスクには車輪体ウェブ部の
面と接する面にブレーキディスクの中心から放射状に伸
びる凸部を有し、車輪体ウェブ部の両面には前記ブレー
キディスクの凸部と嵌合する溝部を有することを特徴と
する鉄道車両用ブレーキディスク付き車輪。
【0013】(2) 車輪体ウェブ部の両側面に設けられた
溝部が車輪体ウェブ部の表裏で交互に配置されているこ
とを特徴とする前記(1) 項に記載の鉄道車両用ブレーキ
ディスク付き車輪。
【0014】
【発明の実施の形態】図2は本発明のブレーキディスク
付き車輪の一例を示す概要図であり、同図(a) は部分正
面図、同図(b) は同図(a) のO−A矢視部分断面図、同
図(c) は同図(a) のO−C矢視部分断面図である。同図
において、図1と同一要素は同一符号で示し、符号12
(12aおよび12bを含む)はブレーキディスクに設
けられた凸部、13(13aおよび13bを含む)は車
輪体ウェブ部に設けられた溝部である。同図において、
ブレーキディスクの凸部は車軸を中心に放射状に延びて
いる。車輪体ウェブ部6の内側(同図において右側)に
は溝部13aが設けられ、外側(同左側)には溝部13
bが設けられている。一方、内側のブレーキディスク
の、摺動面4の反対側(背面)には凸部12a、外側ブ
レーキディスクの背面には凸部12bが設けられてい
る。これらの凸部と溝部は互いに嵌合している。
【0015】図2の例では車輪体ウェブ部6の両面の溝
部13aおよび13bは同じ位置に設けられている。こ
の構造の場合、溝部13aと13bとは貫通した穴とし
て機械加工を簡略化してもよい。
【0016】図3は本発明のブレーキディスク付き車輪
の他の一例を示す概要図であり、同図(a) は部分正面
図、同図(b) は同図(a) のO−A矢視部分断面図、同図
(b) は同図(a) のO−B矢視部分断面図、同図(c) は同
図(a) のO−C矢視部分断面図である。同図において、
図1、図2と同一要素は同一符号で示す。
【0017】同図の車輪体ウェブ部6の両面の溝部13
aおよび13bは両面に交互に配置されている。
【0018】図2のように、車輪体ウェブ部の両側の同
じ位置に溝部13a、13bが設けられている場合、こ
の部分の車輪体ウェブ部の厚さが薄くなるため、強度は
図3の例にくらべて若干劣るおそれがある。
【0019】図4は本発明に係るブレーキディスクの凸
部の形状を示す概要図である。図2、図3と同一要素は
同一符号で示す。同図は図2または図3の凸部12a、
または12bの一つを拡大したものである。
【0020】図5は本発明のブレーキディスクつき車輪
の他の例を示す部分正面図である。図2、図3と同一要
素は同一符号で示す。図2〜4において、凸部の形状は
扇形としているが、図5のように長方形としてもよく、
機械加工等が容易な形状を選ぶことができる。
【0021】図4において、凸部の高さHp が低いと回
転方向の拘束力が小さく、またディスクが変形した場合
に拘束力がなくなること、高すぎるとこれと対応する溝
部の深さが深くなり、車輪体ウェブ部の厚さが小さくな
る。新幹線等に用いられる車輪体の径900〜1200
mm程度ものでは、この凸部高さは、5mm〜10mm
(車輪体の径に対して0.5〜1.5%)の範囲にする
のが良い。
【0022】凸部の幅WP については、図4のような扇
面形状凸部の場合、最小幅WPminを基準に考えるが、凸
部の最小幅WPminは小さすぎると凸部の強度が小さく、
ブレーキ負荷時に凸部が変形・破損する可能性がある。
Pminが大きすぎると車輪体ウェブ部の溝部幅が大きく
なり、車輪体ウェブ部の強度が低下することから、W
Pminは30〜100mm(車輪体の径に対して2.5〜
12%程度)の範囲にするのがよい。さらには40〜8
0mm(同3.3〜7%程度)にするのが望ましい。図
5のように、凸部が長方形であれば、上記の検討はW
Pmin=WPmaxとして扱うことができる。
【0023】図4の凸部の長さLp は、短かすぎると回
転方向の拘束力が低下することから、50mm以上(車
輪径に対して4%以上)とするのが良い。さらには80
mm以上(同8%以上)とするのが望ましい。また、応
力集中を避けるため図4の凸部12周囲のエッジ部1
4、コーナー部15には0.3〜2.0mmの面取りを
施すのが望ましい。
【0024】前記凸部に対応する車輪体ウェブ部の溝部
の深さHV (図示せず。以下、図4には溝部寸法を図示
していない)は、ブレーキディスクの凸部の高さに対応
するため、HV >HP とする必要があるが、車輪体ウェ
ブ部の厚さを確保するため、HV とHP とはできるだけ
近いことが望ましい。加工精度を考慮すると、HV −H
P は0.3〜1.0程度とするのが好ましい。溝部の幅
V は凸部の形状に合わせ、かつ溝部と凸部が嵌合する
ためには、例えば図4の扇形の直線部のそれぞれ対応す
る部分でWV >WP とする必要があるが、このときの溝
部の最大幅WVmxnは隣接する溝部との間隔が50mm以
上(車輪体径に対して4%以上)、さらには80mm以
上(同6.5%以上)になるように設定するのが望まし
い。
【0025】ブレーキ負荷時には凸部の片側の側面と溝
部の側面とが接触し、その面圧によって、ブレーキ制動
力を分担することになるため、幅WP と溝部の幅WV
できるだけ近いことが望ましい。即ち、凸部と溝部のギ
ャップ((WV −WP /2)ができるだけ小さいことが
望ましい。しかし、加工精度の問題およびブレーキディ
スクと車輪体ウェブ部を組み立てるときの嵌合の容易
さ、および焼き付き等を考慮するとこのギャップは大き
い方がよい。従って、これらを考慮して凸部と溝部のギ
ャップは、0.1〜0.7mm程度とするのが望まし
く、さらには0.2〜0.5mmとするのが望ましい。
【0026】溝部の長さLV は、凸部と溝部が嵌合する
ため、凸部の長さLP に対して、LV >LP としなけれ
ばならない。図4において、ブレーキディスクの中心か
ら凸部の外周側端部までの距離をrPo、凸部の内周側端
部までの距離をrPiとし、これに対応した車輪体の中心
から車輪体ウェブ部の溝の外周端部までの距離(図示せ
ず)をrVo、内周端部までの距離をrViとするとき、L
V >LP の関係は(rVo−rVi)>(rPo−rPi)にな
る。さらに、ブレーキディスクがブレーキ負荷時の摩擦
により高温になって膨張するため、(rVo−rPo)、す
なわち、外周側の半径方向のギャップを、0.5〜2.
0mmとするのが望ましい。内周側の半径方向のギャッ
プ(rPi−rVi)は、ブレーキディスクの熱膨張によっ
て拡大するため、特に限定しないが、0.1〜0.5m
m程度とするのが望ましい。なお、図2または図3から
明らかなように、rVoは車輪体ウェブ部の外径より大き
くはできず、rViは車輪体ウェブ部の内径より小さくは
できない。
【0027】ブレーキディスクの凸部の数は、4〜16
が望ましい。ブレーキディスクは一体型のものでもよい
し、周方向に2〜4分割した構造のものでもよい。
【0028】
【実施例】表1に、ブレーキ試験を実施したブレーキデ
ィスク付き車輪の一覧を示す。試作した車輪体およびブ
レーキディスクは図5に示す形状のように、ブレーキデ
ィスクの凸部の形状は長方形であり、車輪体ウェブ部の
溝部は表裏で同じ位置に配置されたものである。ブレー
キディスクの材料には新幹線車両で使用されている鍛鋼
材を使用した。なお、ブレーキディスクの外径は780
mm、摺動面の幅は125mmである。
【0029】
【表1】
【0030】車輪No.1〜3は本発明に係るものであ
る。表1に示すように、凸部の寸法のみを変化させた。
また、凸部にはそれぞれC1(mm)の面取り加工を施
した。
【0031】比較例の車輪No.4として、図1に示す
現状の鉄道車両に使用されている形状のブレーキディス
ク付き車輪を試作した。車輪No.4のブレーキディス
クの外径と摺動面の幅は、本発明例と同様である。
【0032】比較例の車輪No.5として、特開平10
−318304号公報に記載されたブレーキディスク
を、車輪No.1〜4と同一の外径および摺動面幅とし
たものを車輪体に装備してブレーキディスク付き車輪を
試作した。
【0033】上記5種類の車輪を用いて実体ブレーキ試
験を実施した。試験条件は100km/hからのブレー
キ負荷相当とした。この時ブレーキディスク温度は約1
00℃まで上昇する。その後ブレーキディスク温度が5
0度以下になるまで冷却した後、再度ブレーキを負荷し
た。このブレーキ負荷を繰返し100回行った。表2に
試験結果を示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2に示すように、摩擦係数に関しては、
本発明例の車輪No.1〜3では、平均値、変動幅とも
比較例の車輪No.4とほぼ同じレベルであり、適用可
能であることがわかった。一方比較例の車輪No.5で
は、他の車輪と比較して、摩擦係数の平均値は低く、変
動幅は大きくなっている。これは、車輪No.5のブレ
ーキディスクでは摺動部とフランジ部が分離しており、
ブレーキ負荷時に内リングと外リングとの間でのすべり
あるいはガタツキがあるものと思われる。ボルトに発生
する応力を比較すると、車輪No.1〜3では比較例の
車輪No.4〜5より応力の変動幅が小さくなってお
り、ブレーキディスクと車輪のはめ合わせにより回転方
向へ拘束していることによりボルトへの負荷が低減され
ている。
【0036】上記の試験結果より、比較例の車輪No.
4〜5より本発明例の車輪1〜3の方が優れていること
がわかった。
【0037】(実施例2)次に、本発明例の車輪No.
1〜3を用いて、300km/hからの試験を行った。
300km/hからブレーキを負荷するとブレーキディ
スク温度は最高で約600℃まで上昇する。ブレーキ負
荷後ブレーキディスク温度が50℃以下になるまで冷却
し、再度ブレーキを負荷した。このブレーキ試験を繰返
し100回行った。
【0038】試験後のブレーキディスクを観察するとす
べての車輪のブレーキディスクが変形(摺動面側へのそ
り)していた。また、車輪No.2では凸部の基部に微
細なき裂が発生し、凸部が回転方向に変形していた。表
3にブレーキ負荷時の摩擦係数、ボルトに発生する応力
を示す。
【0039】
【表3】
【0040】3種車輪の摩擦係数を比較すると、摩擦係
数の平均値、変動幅とも大きな差はなかった。ボルトに
発生する応力を比較すると、車輪No.1ではボルトに
発生する応力の変動幅が小さくなっており、ボルトはよ
り長寿命になると考えられる。これは、ブレーキディス
ク凸部と車輪体溝部のはめ合い部で制動力の大部分を分
担し、ボルトは車輪体ウェブ部の厚さ方向の拘束のみを
負担しているため、従来の締結方法と比較してボルトへ
の負荷が低減したためと思われる。また、車輪No.2
および3では、車輪No.1と比較して、ボルトに発生
する応力は高くなった。これは、ブレーキ負荷回数の増
加にともないブレーキディスクと車輪のはめ合い部の形
状が変化し、回転方向の拘束効果が低下したことが原因
と思われる。
【0041】上記のブレーキ試験の結果より、車輪N
o.1の形状が最も優れていることが判明した。
【0042】(実施例3)次にブレーキディスクの材質
を鍛鋼よりAl複合材に変更して上記と同様のブレーキ
試験を実施した。なお、使用したAl複合材ブレーキデ
ィスクは、鋳造により製造されたものであり、試作した
形状は車輪No.1、車輪No.4および車輪No.5
と同じである。それぞれを車輪No.6(本発明例)お
よび車輪No.7〜8(比較例)とする。試験条件は前
記鍛鋼ブレーキディスクの場合と同様に300km/h
からの非常ブレーキ相当である。試験結果を表4に示
す。
【0043】
【表4】
【0044】車輪No.7では、ブレーキ負荷を10回
繰返したところボルト穴よりき裂が発生し破断した。ま
た、車輪No.8では、ボルト穴のき裂は発生しなかっ
たが、ボルトに負荷される応力を低減することはできな
かった。また、摩擦係数が安定しておらず、実用化する
には難しいことがわかった。一方、本発明に係る車輪N
o.6では、ボルト穴のき裂は発生しなかった。また、
摩擦特性も比較的安定しており、本発明はAl複合材の
ブレーキディスクにも十分適用可能であることがわかっ
た。
【0045】
【発明の効果】本発明のブレーキディスク付き車輪によ
り、ブレーキディスクに発生する応力集中を低減し、か
つ締結ボルトへの負荷も低減することが可能で、ブレー
キディスクおよびボルトを長寿命化することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄道車輌用のブレーキディスク付き車輪の部分
断面図である。
【図2】本発明のブレーキディスク付き車輪の一例を示
す概要図であり、同図(a) は部分正面図、同図(b) は同
図(a) のO−A矢視部分断面図、同図(c) は同図(a) の
O−C矢視部分断面図である。
【図3】本発明のブレーキディスク付き車輪の他の一例
を示す概要図であり、同図(a) は部分正面図、同図(b)
は同図(a) のO−A矢視部分断面図、同図(b) は同図
(a) のO−B矢視部分断面図、同図(c) は同図(a) のO
−C矢視部分断面図である。
【図4】本発明に係るブレーキディスクの凸部の形状を
示す概要図である。
【図5】本発明のブレーキディスクつき車輪の他の例を
示す部分正面図である。
【符号の説明】
1:車輪体 2:車軸 3:ブレーキディスク 4:摺動面 5:リム 6:車輪体ウェブ部 7:車輪のボルト穴 8:ブレーキディスクのボルト穴 9:ボルト 10:ナット 11:ブレーキディスク付き車輪 12、12a、12b:凸部 13、13a、13b:溝部 14:エッジ部 15:コーナー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 三幸 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 Fターム(参考) 3J058 AA47 AA53 AA87 BA47 CB14 CB24 DD02 DD05 EA03 EA06 EA08 FA21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪体とそのウェブ部の両側面に締結さ
    れたブレーキディスクとを備えた鉄道車輌用ブレーキデ
    ィスク付き車輪であって、ブレーキディスクには車輪体
    ウェブ部の面と接する面にブレーキディスクの中心から
    放射状に伸びる凸部を有し、車輪体ウェブ部の両面には
    前記ブレーキディスクの凸部と嵌合する溝部を有するこ
    とを特徴とする鉄道車両用ブレーキディスク付き車輪。
  2. 【請求項2】 溝部が車輪体ウェブ部の表裏で交互に配
    置されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車
    両用ブレーキディスク付き車輪。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006258187A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Railway Technical Res Inst 車両用ディスクブレーキ装置
JP2012072913A (ja) * 2011-12-09 2012-04-12 Sumitomo Metal Ind Ltd 鉄道車両用ブレーキディスク及びその締結構造

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JP2006258187A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Railway Technical Res Inst 車両用ディスクブレーキ装置
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