JP2000239182A - 抗炎症剤 - Google Patents

抗炎症剤

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inflammatory
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Masanori Sato
眞紀 佐藤
Masae Kakubari
雅江 角張
Jiro Sugimoto
次郎 杉本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炎症性サイトカインを抑制する抗炎症剤を提
供する。 【解決手段】 肝実質細胞増殖因子を有効成分とする抗
炎症剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肝実質細胞増殖因
子(以下、「HGF」と略記することがある)を有効成
分とする抗炎症剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】炎症
は、臓器組織の機能や構造が破綻するような物理的、科
学的、又は微生物感染などの刺激に生体が応答して、刺
激局所に循環障害、滲出、変性、壊死などの病変群を出
現させ、その刺激を解消して機能構造を回復させる機構
であり、炎症を伴う疾患は炎症性疾患と総称されてい
る。例えば肝疾患は、ウイルス、飲酒、薬剤などの原因
により肝細胞が破壊され、炎症が起こることから始ま
る。炎症によって湿潤してきたリンパ球、好酸球、マク
ロファージなどにより炎症が広がり、細胞壊死を起こ
し、そこから線維化が始まり、ついには肝硬変、肝癌に
至る。従って、肝炎の予防・治療には、初期の炎症を抑
えることが有効な手段となり得る。
【0003】一方HGFは、初代培養肝実質細胞の増殖
を促進させ得る蛋白性の因子であり、劇症肝炎患者血漿
よりヒト由来の因子が見出された(特開昭63-22526号公
報;以下、ヒト由来の肝実質細胞増殖因子を「hHG
F」と略記することがある)。その後、hHGF蛋白質
のアミノ酸配列およびそれをコードする遺伝子(cDNA)
(特開平3-72883 号公報)、さらにこのcDNAを用いた組
換えhHGF蛋白質(以下、「rhHGF」と略記する
ことがある)の生産方法および形質転換体(特開平3-28
5693号公報)が報告されている。rhHGF蛋白質は、
生体外(J.Clin.Invest., 87, 1853-1857 (1991))、ま
た生体内(Jpn.J.Pharmacol., 59(suppl.1), 137(199
2))において肝実質細胞の増殖および機能を促進する働
きが認められた。さらに、HGFの標的細胞や組織が広
く検索され、肝細胞以外の種々の上皮細胞(尿細管上
皮、肺上皮、胆管上皮、胃上皮)や線維芽細胞、リンパ
球系細胞がHGFに反応してその増殖や運動性を変化さ
せることが判明した(Mitsubishi Kasei R & D Review,
7, 16-24 (1993 ))。また、これらHGF標的細胞上
のレセプター分子として、癌原遺伝子c-met 産物が機能
していることが明らかとなった(Science, 251, 802-80
4 (1991))。
【0004】さらにHGFには、肝硬変治療剤、腎疾患
治療剤、上皮細胞増殖促進剤、抗ガン剤、ガン療法用副
作用防止剤、肺障害治療剤、胃・十二指腸損傷治療剤、
脳神経障害治療剤、免疫抑制副作用防止剤、コラーゲン
分解促進剤、軟骨障害治療剤、動脈疾患治療剤、肺線維
症治療剤、肝臓疾患治療剤、血液凝固異常治療剤、血漿
低蛋白治療剤、創傷治療剤、神経障害改善薬、造血幹細
胞増加剤、育毛促進剤等(特開平4-18028 号公報、同4-
49246 号公報、EP 492614 号公報、特開平6-25010 号公
報、WO 93/8821号公報、特開平6-172207号公報、同7-89
869 号公報、同6-40934 号公報、WO 94/2165号公報、特
開平6-40935 号公報、同6-56692 号公報、同7-41429 号
公報、WO 93/3061号公報、特開平5-213721号公報等)の
薬理作用が知られているが、抗炎症作用については知ら
れていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炎症性サ
イトカインに着目して検討を重ねてきた結果、HGFが
炎症性サイトカインを抑制すること、すなわちHGFが
抗炎症剤となり得ることを初めて見出し、本発明を完成
するに至った。すなわち本発明の要旨は、肝実質細胞増
殖因子を有効成分として含有することを特徴とする抗炎
症剤である。更に本発明の好ましい態様によれば、肝実
質細胞増殖因子がヒト由来の肝実質細胞増殖因子である
抗炎症剤;肝実質細胞増殖因子が組換え肝実質細胞増殖
因子である抗炎症剤;組織中で発現する炎症性サイトカ
インを抑制する抗炎症剤;かかる炎症性サイトカイン
が、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-8、IL-13 、IL
-16 、IL-17 、IL-1β、IL-1α、GM-CSF、TNF-α、TGF-
β、EGF 、FGF 、PDGF、IFN-α、MCP-1 およびRANTESか
ら選ばれる抗炎症剤が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明の抗炎症剤は、HGFを有効成分として含有
する。かかるHGFは、HGFを含有することの知られ
ているヒトやラット等のほ乳動物由来の体液や組織、ま
たは自発的にHGFを産生する細胞から天然のHGFを
単離してもよいし、あるいは遺伝子組換え法により該H
GFをコードするcDNAを細胞に導入して得られる組換え
HGFを用いてもよい。組換えHGFを産生させる宿主
としては、大腸菌、枯草菌、酵母、糸状菌、植物細胞、
昆虫細胞、動物細胞などが挙げられる。具体的には、上
記ほ乳動物由来の胎盤、肝障害患者肝組織および血液、
MRC-5細胞、IMR-9 細胞などの線維芽細胞株、あるいは
特開平3-285693号公報に記載された方法に従いhHGF
をコードするcDNAを含む発現ベクターをCHO細胞等の
宿主に導入した産生株などから得られたものが該当す
る。また、これらHGFにおいては、その前駆体蛋白質
た、肝実質細胞を増殖させるという活性を損なわない範
囲において、一部のアミノ酸を置換、欠失、挿入、修飾
するなどの改変を行ったものを用いてもよい。かかる改
変体としては、特開平2-288899号公報、WO90/10651号公
報、特開平3-130091号公報、同3-255096号公報、同4-30
000 号公報、Nature, 342, 440-443(1989)等に記載のも
のが挙げられる。
【0007】本発明においては、HGFが特開昭63-225
26号公報および米国特許第5,004,805 号に記載されてい
る、以下の理化学的性質を有する蛋白性因子であること
が好ましい。 1) ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS-PAGE;非還元条件下)による推定分子量
が約76,000〜92,000ダルトンである、 2) 肝実質細胞を増殖させる活性を有する、 3) 80℃、10分間の加熱処理により上記活性が失活す
る、 4) トリプシンまたはキモトリプシンによる消化処理に
より上記活性が失活する、および 5) ヘパリンに対して強い親和性を有する
【0008】また、かかるHGFはヒト由来のものであ
ることが好ましく、特に好ましいものとしては、特開平
3-72883 号公報、特開平4-89499 号公報およびヨーロッ
パ公開特許第0412557 号公報に記載のアミノ酸配列で表
されるもの、具体的には特開平3-72883 号公報の第一図
に示されるアミノ酸配列で表されるもの、同アミノ酸配
列のうち30番目のグルタミン酸から 728番目のセリンま
での配列で表されるもの、同アミノ酸配列のうち32番目
のグルタミンから 728番目のセリンまでの配列で表され
るものを挙げることができる。
【0009】本発明において、上記HGFは、以下の実
施例で示すように、組織中で発現するIL-1、IL-2、IL-
4、IL-5、IL-6、IL-8、IL-13 、IL-16 、IL-17 、IL-1
β、IL-1α、GM-CSF、TNF-α、TGF-β、EGF 、FGF 、PD
GF、IFN-α、MCP-1 、RANTES等の炎症性サイトカイン、
好ましくはIL-6、IL-1β、IL-1α、TNF-α、TGF-β等の
炎症性サイトカインを抑制する作用を有する。従ってH
GFは、肝障害に伴う炎症、アレルギー、喘息、腸炎
症、乾せん、慢性関節リウマチ、敗血症、臓器移植時の
拒絶反応等の広範囲の炎症に対して優れた効果を有する
ことが期待できる。
【0010】本発明の抗炎症剤は、前記HGFを単独も
しくは適当な希釈剤や他の添加剤と共に各種の製剤形態
(剤型)に調合され、使用される。剤型としては、一般
に非経口的投与に適する剤型が、好ましくは注射用アン
プル剤や注射用凍結乾燥粉末剤(バイアル)が使用に供
される。各種剤型への調製は、この技術分野で慣用され
る通常の手法を用いて行われる。製剤化に使用される製
剤担体としては、各種剤型への調製に慣用される希釈剤
や添加剤などが用いられる。例えば、注射用凍結乾燥粉
末剤は、精製された前記HGFの有効量を、例えば蒸留
水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液などの希釈剤に溶解
し、必要に応じてカルボキシメチルセルロース、アルギ
ン酸ナトリウムなどの賦形剤、ポリエチレングリコー
ル、デキストラン硫酸ナトリウム、アミノ酸、ヒト血清
アルブミンなどの安定化剤、ベンジルアルコール、塩化
ベンザルコニウム、フェノールなどの保存剤、ブドウ
糖、グルコン酸カルシウム、塩酸プロカインなどの無痛
化剤、塩酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウムなどの
pH調節剤などを加え、常法に従い凍結乾燥することによ
り調製される。また、注射用アンプル剤は、前記HGF
の有効量を、例えば蒸留水、生理食塩水、リンゲル液な
どの希釈剤に溶解し、必要に応じてサリチル酸ナトリウ
ム、マンニトールなどの溶解補助剤、クエン酸ナトリウ
ム、グリセリンなどの緩衝剤、ブドウ糖、添加糖などの
等張化剤、上記安定化剤、上記保存剤、上記無痛化剤、
上記pH調節剤などの添加剤を加え、これを通常の加熱滅
菌、無菌濾過などにより無菌化して調製される。上記添
加剤の配合量は、各種の製剤形態に応じて適宜決定され
る。
【0011】また、本発明の抗炎症剤は、特開平5-3018
24号公報に記載のように、HGFをヘパリン、デキスト
ラン硫酸等の硫酸化多糖類もしくはその誘導体と併用す
ることにより、その活性を増強することができ、また安
定化することができる。本発明の薬剤は、これを必要と
する患者に対して経口的または非経口的に、一般には皮
下、筋肉または静脈内注射により、その所定量を単回、
もしくは複数回に分けて投与するか、または連続的に投
与する。かかる投与量は、患者の年齢、性別、症状、体
重等により適宜調整されるが、有効HGF量として、1
日当たり1μg/kg〜10 mg/kg、より好ましくは10〜1000
μg/kgの範囲で投与される。
【0012】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、その要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。なおHGFは、特開平3-2856
93号公報に記載されているBD-24 株を用いて、当該公報
に記載されている方法に従って製造された組換えhHG
Fを使用した。かかる組換えhHGFは、特開平3-7288
3 号公報の第一図に示されるアミノ酸配列で表される。 実施例1 ウイスター系雄性ラット(6週齡、体重150g)を用い
た。慢性肝障害を誘起するためにDimethylnitrosamine
(DMN) を、また急性肝障害を誘起するためにD-galactos
amine (D-gal )を用いた。DMN は生理食塩水に溶解し
て1%溶液とし、ラットに0.1ml/100g body weightにて
毎週連日3日、4週間に渡り腹腔内投与した。D-gal は
生理食塩水に溶解して0.3g/ml のものを調整し、これを
0.1ml/100gbody weightにて皮下に一回投与した(300mg
/kg)。HGFは溶解バッファー(0.14M NaCl, 0.005%
Tween 80, 10mM Na PhosphateBuffer, pH7.4)に0.3mg/
mlの濃度になるように調整し、100ul/100g body weight
にて尾静脈より投与した(0.3mg/kg)。
【0013】DMN による慢性肝障害モデルにおいては、
DMN 投与開始と同時にHGF投与を開始し、毎日一回、
4週間の投与を行った。対照として、HGFを含まない
溶液バッファーのみを投与する群を設けた。DMN および
HGF投与開始後3、10、17、25日目それぞれに
おいてHGF投与群ラットを5匹、対照群ラットを5匹
ずつ屠殺し、肝臓摘出を行った。摘出した肝臓は秤量後
一部を病理組織作成に用い、一部はmRNA抽出に用いた。
また、D-gal による急性肝障害モデルにおいては、HG
Fの投与はD-gal 投与の前24時間、12時間、D-gal
投与直後の合計3回行った。対照として、HGFを含ま
ない溶解バッファーのみを投与する群を設けた。D-gal
投与直後、投与後6時間、24時間、36時間でラット
を屠殺し、下行大静脈より採血、肝臓摘出を行った。摘
出した肝臓は秤量後、一部を病理組織作成に用い、一部
はmRNA抽出に用いた。各屠殺の時間につき、対照群10
匹、HGF投与群10匹を設けた。
【0014】病理組織切片は、ヘマトキシリン・エオシ
ン染色を行った。病理切片の観察により、線維化、出
血、肝細胞増生、細胞浸潤、肝細胞の単細胞壊死の程度
を観察した。また、肝組織から抽出したmRNAを用いてノ
ザンハイブリダイゼーションを行い、肝組織中のtumor
necrosis factor-alpha (TNF- α), Inteleukin-6 (IL-
6), TGF-beta 1 (TGF-β1) mRNA発現の程度を観察し
た。mRNAの抽出は、Chomcaynski&Sacchiの方法(Anal.
Biochem.,162:156-159,1987 )に従って行った。すなわ
ち、摘出した0.5g前後の肝臓切片を液体窒素中で破砕
し、10倍量のグアニジンチオシアネート(GTC )溶液
(4M GTC 、25mMクエン酸ナトリウム、0.5%ザルコシ
ル、0.1M2−メルカプトエタノール)を加え、ポリトロ
ンでサイド破砕して0.1 倍量の2M酢酸ナトリウム、1 倍
量の水飽和フェノール、0.2 倍量のクロロフォルム−イ
ソアミルアルコール(49:1混合溶液)を順次添加
し、混合した。これを4度10,000g の条件で20分間遠
心分離し、上清を等量のイソプロパノールと混合するこ
とで沈殿を得た。この沈殿をGTC 溶液にて溶解後、再度
等量のイソプロパノールを添加してtotal RNA の沈殿を
得た。
【0015】total RNA からmRNAの抽出は、Oligotex-d
T(30) super (日本ロシュ)を用い、添付書に従ってmR
NAを単離した。すなわち、total RNA 500ugをElution
buffer(0.1% SDS, 1mM EDTA, 10mM Tris-HCl pH 7.5,
0.5M NaCl )に溶解し、Oligotex-dT(30) super 200ul
と混合する。37度で10分反応させた後室温下で15,0
00rpm 、3分遠心分離し、mRNAと結合したOligotex-dT
(30) super を沈殿させた。この沈殿に蒸留水を添加
し、65度で5分反応させ、室温下で15,000rpm 3分間
遠心分離し、上清を得た。この上清からエタノール沈殿
によってmRNAの沈殿を得た。
【0016】以上のようにして得られたmRNA約5ug を1M
Glyoxal, 50% DMSO, 10mM NaPhosphate buffer pH 7に
て変性させ、1%アガロースゲルにて電気泳動し、泳動
後ナイロンフィルターに転写した。プローブはTNF-α c
DNA (ATCCより購入)、IL-6cDNA (ATCCより購入)、T
GF-β1 cDNA(当社にて作成)およびインターナルコン
トロールとしてglyceraldhyde-3-phosphate dehydrogen
ase (GAPDH) (当社にて作成)を[alpha-32P]-dCTPにて
ラベルして作成した。上記フィルターを、上記プローブ
にてハイブリダイゼーション後、イメージングプレート
に感光させ、結果をBAS 2000(Fujix) にて解析した。検
出されたバンドは、その濃度をGAPDH のバンドの濃度に
対する比として表した。病理組織解析の結果を表1およ
び表2に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】DMN 投与による肝硬変およびD-gal の投与
による肝臓の急性肝障害に対してHGFの治療効果が認
められた。ノザンハイブリダイゼーションの結果を図
1、2、3に示す。DMN あるいはD-gal の投与により肝
組織中のTNF-α, TGF-β1, IL-6 mRNAの発現が上昇する
が、HGF投与によりその発現が有意に抑制されてい
る。DMN はその反復投与により肝硬変を誘起する物質で
ある。その際、肝細胞の壊死が広範囲に起こるが、これ
には炎症性のサイトカインが関係していると考えられ
る。この実験の結果、HGF により炎症性サイトカインで
あるIl-6発現が抑制されていることが判明した。また、
D-galactosamine は、その投与により主に肝臓に急性障
害を誘起する物質である。この障害はD-gal による直接
的な肝細胞障害によるもの、およびD-gal によって活性
化されたマクロファージから誘導される炎症性サイトカ
インによるものが考えられる。これらの実験の結果か
ら、HGFにより炎症性サイトカインの産生が抑制され
ていることが判明し、それによりその後の肝組織に対す
る細胞浸潤・細胞死・線維化・出血が抑制されているこ
とが示唆された。
【0020】
【発明の効果】本発明の抗炎症剤は、炎症性サイトカイ
ンを抑制する作用を有することから、肝障害に伴う炎
症、アレルギー、喘息、腸炎症、乾せん、慢性関節リウ
マチ、敗血症、臓器移植時の拒絶反応等の広範囲の炎症
に対して優れた効果を有することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DMN 肝硬変モデルにおける、IL-6mRNA発現の変
化を表す図面である。
【図2】D-gal 急性肝炎モデルにおける、TNF-α mRNA
発現の変化を表す図面である。
【図3】D-gal 急性肝炎モデルにおける、TBF-β1 mRNA
発現の変化を表す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 次郎 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 BA44 CA18 CA53 DA13 DA14 DA16 DA17 DA18 DA19 DA22 DA25 DA58 DB53 DB54 DB55 DB62 DC50 MA17 MA44 MA66 NA14 ZA752 ZB111 ZB112

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肝実質細胞増殖因子を有効成分として含
    有することを特徴とする抗炎症剤。
  2. 【請求項2】 肝実質細胞増殖因子がヒト由来の肝実質
    細胞増殖因子であることを特徴とする請求項1記載の抗
    炎症剤。
  3. 【請求項3】 肝実質細胞増殖因子が組換え肝実質細胞
    増殖因子であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の抗炎症剤。
  4. 【請求項4】 組織中で発現する炎症性サイトカインを
    抑制することを特徴とする請求項1〜3に記載の抗炎症
    剤。
  5. 【請求項5】 炎症性サイトカインが、IL-1、IL-2、IL
    -4、IL-5、IL-6、IL-8、IL-13 、IL-16 、IL-17 、IL-1
    β、IL-1α、GM-CSF、TNF-α、TGF-β、EGF、FGF 、PDG
    F、IFN-α、MCP-1 およびRANTESから選ばれることを特
    徴とする請求項4に記載の抗炎症剤。
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