JP2000238210A - 熱圧着プリントラミネート用フィルムおよびプリントラミネート体 - Google Patents

熱圧着プリントラミネート用フィルムおよびプリントラミネート体

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JP2000238210A
JP2000238210A JP11041540A JP4154099A JP2000238210A JP 2000238210 A JP2000238210 A JP 2000238210A JP 11041540 A JP11041540 A JP 11041540A JP 4154099 A JP4154099 A JP 4154099A JP 2000238210 A JP2000238210 A JP 2000238210A
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ethylene
propylene
copolymer
film
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Junya Sato
淳也 佐藤
Yoshiaki Enami
吉章 榎並
Takeshi Kurokawa
健 黒川
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アンカーコート剤を使用せず、積層したポリプ
ロピレン系樹脂層と接着性樹脂層がプリントラミネート
後、印刷紙の種類にかかわらず、剥がれることのない、
かつ光沢性を維持したプリントラミネート用フィルムお
よびプリントラミネート体を提供する。 【解決手段】少なくとも1層が低融点のポリプロピレン
系樹脂からなる2層以上のポリプロピレン系樹脂層と、
ポリプロピレン成分が50〜95重量%のエチレン・プ
ロピレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、エチ
レン・プロピレン・ブテン三元共重合体またはこれら少
なくとも一種の共重合体を含有する混合物からなる樹脂
層および酢酸ビニルの含有量が10〜30重量%のエチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂層の2層の接着性樹脂層
をあわせた少なくとも4層からなる熱圧着プリントラミ
ネート用フィルムおよびそれからなるプリントラミネー
ト体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱圧着プリントラ
ミネート用フィルムおよびプリントラミネート体に関す
るものである。印刷を施した紙等の印刷物の表面を保護
したり、耐水・耐油性の付与、光沢等を与えて美麗化す
る目的で印刷物等にフィルムを熱圧着でラミネートした
ものが多く、この用途に使われるフィルムを一般にプリ
ントラミネート用フィルムと称している。
【0002】
【従来の技術】プリントラミネート体を得る方法として
は、熱可塑性樹脂フィルム層の上にアンカーコート剤を
塗布しこのアンカーコート剤面にエチレン−酢酸ビニル
共重合体からなる接着性樹脂層を押出しラミネートし、
ついでこのエチレン−酢酸ビニル共重合体の接着性樹脂
層の表面を酸化処理した後、この押出しラミネートされ
酸化処理された接着層面と印刷物の印刷面とを熱圧着し
た構造のプリントラミネート製品とする例(実開昭63
−119639号公報)等が知られている。
【0003】また、2軸延伸ポリプロピレンフィルムの
片面にエチレン−メタクリル酸メチル共重合体からなる
熱接着層を積層し、かつ、熱接着層表面の濡れ張力が3
4dyne/cm以上である熱圧着プリントラミネート
用フィルム(特開平3−73341号公報)および2軸
延伸ポリプロピレンフィルムの片面に少なくとも1軸方
向に延伸されたエチレンアクリル系共重合体層が積層さ
れ、該エチレンアクリル系共重合体層に、未延伸の線状
エチレン系接着性樹脂層を積層したプリントラミネート
用積層フィルム(特開平1−320158号公報)等が
知られている。
【0004】しかしながら、アンカーコート剤を使用す
る方法では、接着剤を塗布し乾燥する工程があり、設備
が大掛かりになるばかりでなく、接着剤の乾燥時に発生
する溶剤臭の飛散に伴う作業環境の悪化、工場周辺への
環境への影響および火災の発生の危険という問題があ
る。また、コーティング能力がネックとなり加工速度が
上げられないといった生産性にかかわる問題もある。
【0005】一方、アンカーコート剤を使用せずに熱接
着層を積層する方法では、プリントラミネート後の印刷
面とフィルム間にエア−が残存しやすいため、接着が悪
く、印刷部分が美麗でなく、さらに光沢も悪くなるとい
う問題(ツブレ性)があるものや、二軸延伸ポリプロピ
レンフィルムとこれに積層される樹脂層の層間接着力が
十分とはいえないものがあった。
【0006】以上の観点よりアンカーコート剤を使用せ
ず、積層したポリプロピレン系樹脂層と接着性樹脂層の
接着性が良好で、しかも、従来通りの光沢性を維持した
プリントラミネート用フィルム(特開平10ー3370
6号公報)の開発がなされた。しかし、耐軽油接着力、
軽油漬浸後の折り曲げ特性の点で必ずしも十分でない場
合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の課題を解消せんとするものであり、アンカーコー
ト剤を使用しないため、溶剤除去装置・回収装置等を必
要とせずに、積層したポリプロピレン系樹脂層と接着性
樹脂層がプリントラミネート後に剥がれることのない、
しかも、従来通りの光沢性を維持し、更に、耐軽油接着
力がより優れ、かつ軽油漬浸後の折り曲げで浮きがない
というプリントラミネート用フィルムおよびプリントラ
ミネート体を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、少
なくとも1層が低融点のポリプロピレン系樹脂からなる
2層以上のポリプロピレン系樹脂層と、ポリプロピレン
成分が50〜95重量%のエチレン・プロピレン共重合
体、プロピレン・ブテン共重合体、エチレン・プロピレ
ン・ブテン三元共重合体またはこれら少なくとも一種の
共重合体を含有する混合物からなる樹脂層および酢酸ビ
ニルの含有量が10〜30重量%のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂層の2層の接着性樹脂層をあわせた少な
くとも4層からなる熱圧着プリントラミネート用フィル
ムによって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】ポリプロピレン系樹脂層に用いら
れるポリプロピレン系樹脂の少なくとも1層の低融点ポ
リプロピレン系樹脂は融点が105℃〜155℃であ
り、プロピレンと他のオレフィン、例えばエチレン、ブ
テン等とのランダム、ブロック等の共重合体、より具体
的にはエチレンプロピレンランダム共重合体とプロピレ
ンブテン共重合体の混合物(エチレン成分1〜7重量
%、ブテン成分3〜30重量%)であることが好まし
い。
【0010】かかる低融点樹脂層を設けることにより、
ポリプロピレン系樹脂層と接着性樹脂層との層間接着力
を十分に保つことができる。
【0011】ベ−スとなる他層のポリプロピレン系樹脂
は、アイソタクチックインデックス(I.I)90〜9
9%、テトラリン中で測定した極限粘度[η]が1.0
〜4.0dl/gの範囲のものが好ましい。更に、アイ
ソタクチックインデックス(I.I)が96〜98%の
ポリプロピレン、また結晶化ピーク温度の高い(110
℃以上)を用いるのが好ましく、かかる両特性を兼ね備
えたポリプロピレンが特に好ましい。
【0012】プロピレン以外の第2成分、例えばエチレ
ン、ブテン、ヘキセン等を少量(3モル%以下)ランダ
ムに共重合したものを用いてもよいが、本発明の場合、
ホモポリプロピレンからなる樹脂層が特に好ましい。
【0013】接着樹脂層に用いられるエチレン・プロピ
レン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、エチレン
・プロピレン・ブテン三元共重合体は各々単独で用いる
こともでき、またこれら少なくとも一種の共重合体を含
有する混合物を用いることもできる。共重合体若しくは
混合物中のプロピレン成分が50〜95重量%、好まし
くは70〜90重量%含有するものである。ポリプロピ
レン成分が50重量%未満の場合、熱圧着プリントラミ
ネート後、軽油を漬浸させた後折り曲げるとポリプロピ
レン系樹脂層と接着性樹脂層の間で浮きが生じる。一
方、ポリプロピレン成分が95重量%を越えるとポリプ
ロピレン系樹脂層とのラミ接着が弱くフィルム剥離が生
じる。
【0014】ここで共重合体の少なくとも一種を含有す
る混合物とは、上記共重合体の2種以上を混合したも
の、またはこれら各共重合体の少なくとも1種をポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン・ブテン共重合体な
どのポリオレフィンと混合したものが例示される。 上
述の共重合体及びその混合物の中でも、エチレン・プロ
ピレン・ブテン三元共重合体、エチレン・プロピレン共
重合体にポリエチレンを混合したものが好ましく用いら
れる。
【0015】ポリプロピレン成分が50〜95重量%の
エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・ブテン共
重合体、エチレン・プロピレン・ブテン三元共重合体ま
たはこれら少なくとも一種の共重合体を含有する混合物
には、接着性、軽油漬浸後の折り曲げ特性、ツブレ性な
どに影響が出ない範囲で、エチレン−メタクリル酸エス
テル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル・無水マ
レイン酸三元共重合体に例示されるその他樹脂が含有さ
れていても良い。
【0016】ポリプロピレン成分が50〜95重量%の
エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・ブテン共
重合体、エチレン・プロピレン・ブテン三元共重合体ま
たはこれら少なくとも一種の共重合体を含有する混合物
からなる樹脂層はMFRが15以上〜40未満、好まし
くは20以上〜35未満のものがよい。MFRが15未
満の場合、引き取りサージングが発生し均一な厚みが得
られない。また、ポリプロピレン系樹脂層との界面にエ
アーを噛み込み易くなりラミ強度が十分得られず、フィ
ルム剥離を生じる。一方、MFRが40を越えると押し
出し量のコントロールが困難となり均一な厚みが得られ
ない。
【0017】エチレン・プロピレン共重合体、プロピレ
ン・ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン三
元共重合体またはこれら少なくとも一種の共重合体を含
有する混合物からなる樹脂層の共重合体は、ランダム共
重合、ブロック共重合または他の共重合のいずれでも良
い。
【0018】また、接着性樹脂層に用いられるエチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂は、エチレンと酢酸ビニルか
らなる共重合体で、その酢酸ビニル含有量は、10〜3
0重量%であることが必要であり、好ましくは15〜2
5重量%である。酢酸ビニル含有量が10重量%未満で
あると、接着性樹脂層の印刷物への熱圧着時における圧
着温度を130℃以上とせざるを得ず、このような高温
であると得られるプリントラミネート体がカールする
等、本来の目的を達成することができない。また、30
重量%を越えると接着性樹脂層の前記ポリプロピレン系
樹脂層への積層(ラミネート)時熱劣化するため問題で
ある。
【0019】本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂
層の厚みはとくに限定しないが、通常10〜30μmで
あり、接着性樹脂層と合わされる低融点樹脂層の厚みも
とくに限定はしないが、通常0.5〜10μmであり、
好ましくは1〜5μmである。
【0020】一方、接着性樹脂層の厚みは5〜25μm
が好ましく、より好ましくは10〜20μmである。5
μm未満では接着性樹脂層と印刷物との接着力やツブレ
性が十分でない場合があり、逆に、25μmを越える
と、接着力やツブレ性に対して、顕著な効果が得られ
ず、経済性からも実用性に乏しくなる場合がある。
【0021】また、接着性樹脂層のうち、ポリプロピレ
ン成分が50〜95重量%のエチレン・プロピレン共重
合体、プロピレン・ブテン共重合体、エチレン・プロピ
レン・ブテン三元共重合体またはこれら少なくとも一種
の共重合体を含有する混合物からなる樹脂層の厚みは
0.1〜5μmが好ましい。0.1μm未満ではポリプ
ロピレン系樹脂層と接着性樹脂層との接着力が十分でな
く、5μmを越えると光沢性やツブレ性が劣ったものに
なる。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂層の厚みは接
着性樹脂層と印刷物の接着力やツブレ性の観点から、4
μm以上が好ましく、24.5μmを越えると経済性が
劣る。 また、これら厚みの比率は、1:2〜1:50
の範囲にあるのが好ましい。
【0022】本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂
層と接着性樹脂層には、公知の添加剤、例えば結晶核
剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、ブロッ
キング防止剤、石油樹脂、ワックス等がラミ接着力、ツ
ブレ性等を低下させない範囲内で添加されていてもよ
い。
【0023】また、ポリプロピレン系樹脂層の表面は酸
化処理(コロナ放電、オゾン処理、フレーム処理等)さ
れていても構わないが、添加剤が表面にブリードアウト
してポリプロピレン樹脂層と接着性樹脂層間のラミ接着
力を低下させる恐れがあるので、低融点ポリプロピレン
系樹脂層面は未処理であるのが好ましい。
【0024】一方、接着性樹脂層の接着力を強固にする
ため、接着性樹脂層の表面を酸化処理するのが好まし
く、表面の濡れ張力は、34dyne/cm以上になる
ように表面処理するのが好ましい。
【0025】なお、接着性樹脂層をポリプロピレン系樹
脂層の片面に積層する方法は、とくに限定されるもので
はないが、Tダイ法などでポリプロピレンと接着層を共
押出し後二軸延伸する方法、一軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム上に接着層を積層しその後延伸する方法、二軸延
伸されたポリプロピレンフィルムに押出しラミネート機
から接着性樹脂層を押出積層する方法(押出しラミネー
ト法)等がある。接着性樹脂は、延伸により結晶化が進
み融点が上昇するため、押出しラミネート法が好まし
い。この時、接着性樹脂層の表面を凹凸状にするのが、
すべり性、対ブロッキング性の点で好ましい。
【0026】以下に本発明の熱圧着プリントラミネート
用フィルムの製造方法について述べるが、必ずしもこれ
に限定されるものではない。
【0027】ポリプロピレン系樹脂を押出機Aに、低融
点ポリプロピレン系樹脂を押出機Bにそれぞれ供給し、
溶融ポリマを口金内で積層し、隙間より吐出し、20〜
60℃に保たれたキャスティングドラム上に巻付けて冷
却固化して、未延伸シートを得る。該シートを120〜
160℃に加熱されたオーブン中に導き予熱後、3〜6
倍長手方向に延伸後冷却し、一軸延伸フィルムとし、次
いで140〜170℃に加熱されたテンターに導き、幅
方向に7〜12倍に延伸し、さらに140〜165℃で
数%リラックスさせながら熱処理する。次いで端部をカ
ット除去後巻き取り、ポリプロピレン系二軸延伸フィル
ムを得る。
【0028】次に、ポリプロピレン成分が50〜95重
量%のエチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・ブ
テン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン三元共重
合体とこれらの混合物または、これらとポリエチレンの
混合物または、これらとポリプロピレンの混合物からな
る樹脂層を押出機Cに、エチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂を押出機Dにそれぞれ供給し、溶融ポリマを口金内
で積層し、隙間より吐出し、前記フィルムの低融点ポリ
プロピレン系樹脂層に押し出しラミネートする。この
時、キャスティングドラム面に接着するのはエチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂面で、ニップロール面に接触す
るのはポリプロピレン系二軸延伸フィルム面とするのが
好ましい。キャスティングドラム面はサンドブラスト仕
上げのものとするのが好ましい。
【0029】次に、本発明で使用した用語定義及び測定
方法を以下に述べる。
【0030】(1)融点 走査型差動熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下で
10mgの試料を10℃/分の速度で昇温させたときの
得られる結晶の融解にともなう吸熱カーブのピーク温度
(℃)。
【0031】(2)極限粘度[η] ASTM D 1601に従って、テトラリン中で測定
したもので、dl/g単位で表す。値が低いほど結晶性
が高い傾向にある。
【0032】(3)アイソタクチックインデックス沸騰
n−ヘプタン抽出残分 試料を沸騰n−ヘプタンで一定時間抽出を行い、抽出さ
れない部分の重量(%)を求めてアイソタクチックイン
デックスを算出する。
【0033】詳しくは円筒濾紙を110±5℃で2時間
乾燥し、恒温恒湿の室内で2時間以上放置してから、円
筒濾紙中に試料(粉体またはフレーク状)8〜10gを
入れ、秤量カップ、ピンセットを用いて精秤する。
【0034】これをヘプタン約80ccの入った抽出器
の上部にセットし、抽出器と冷却器を組み立てる。これ
をオイルバスまたは電機ヒーターで加熱し、12時間抽
出する。加熱は冷却器からの滴下数が1分間130滴以
上であるように調節する。抽出残分の入った円筒濾紙を
取り出し、真空乾燥器にいれて80℃、100mmHg
以下の真空度で5時間乾燥する。乾燥後恒温恒湿中に2
時間放置した後精秤し、下記で算出する。
【0035】アイソタクチックインデックス(%)=
(P/Po)×100 但し、Poは抽出前の試料重量(g),Pは抽出後の試
料重量(g)である。
【0036】(4)MFR(メルトフローレイト) JIS K 7210の条件に従って測定する(230
℃、2.16kgf)。
【0037】(5)濡れ張力 ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテル
との混合液によるJIS K 6768に規定された測
定方法に基づいて測定する。
【0038】(6)ラミ接着力 熱圧着プリントラミネート用フィルムのポリプロピレン
系樹脂層とポリプロピレン成分が50〜95重量%のエ
チレン・プロピレン共重合体、プロピレン・ブテン共重
合体、エチレン・プロピレン・ブテン三元共重合体とこ
れらの混合物または、これらとポリエチレンの混合物ま
たは、これらとポリプロピレンの混合物からなる樹脂層
のフィルムとフィルムとの層間ラミ接着力(25℃の測
定雰囲気で、テンシロンを用い200mm/分の速度で
フィルムを180度剥離するに要した力)を次の3段階
で評価した。
【0039】○:300g/cm以上。
【0040】△:150g/cm以上300g/cm未
満。
【0041】×:150g/cm未満。
【0042】(7)プリントラミネート特性 ブックカバー用に印刷された印刷紙面にプリントラミネ
ート用フィルムの接着性樹脂層とを重ね合わせ、加熱さ
れた鏡面ロール(300mmφ)で線圧30kg/c
m、30m/分の速度で熱圧着ラミネートする。
【0043】イ 熱接着性 この時のフィルムと印刷紙面との層間接着力(25℃の
測定雰囲気で、テンシロンを用い200mm/分の速度
でフィルムを180度剥離するに要した力)が150g
/cm以上となったときの鏡面ロールの表面温度により
次の2段階で評価した。
【0044】○:100℃未満で達成。
【0045】×:100℃以上にしなければ達成できな
いまたは100℃以上にしても達成出来ない。
【0046】ロ ツブレ性 (プリントラミネート体の印刷面と熱接着した接着性樹
脂層との間にエアーが巻き込まれ、このエアーが白い斑
点として残存する状況)この時の印刷紙面と接着性樹脂
層とのツブレ状態を目視で観察し、その結果を次の3段
階で評価した。
【0047】○:残存エアーが全く無く印刷色が鮮明に
見える。
【0048】△:細かい残存エアーが見えるが印刷色は
ほぼ鮮明に見える。
【0049】×:残存エアーが見えるまたは残存エアー
が帯状に残存し印刷色がボケて見える。
【0050】ハ 耐軽油接着力 プリントラミネート体の紙面側と、ポリエステルフィル
ムにメタリングバーを用いて軽油1g/m2 を均一に塗
布した面とを重ね合わせた状態で、50℃、24hr熱
風オーブンで乾燥した。その後次の方法で接着力を測定
した。熱圧着プリントラミネート用フィルムのポリプロ
ピレン系樹脂層とポリプロピレン成分が50〜95重量
%のエチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・ブテ
ン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン三元共重合
体とこれらの混合物または、これらとポリエチレンの混
合物または、これらとポリプロピレンの混合物からなる
樹脂層のフィルムとフィルムとの層間ラミ接着力25℃
の測定雰囲気で、テンシロンを用い200mm/分の速
度でフィルムを180度剥離するに要した力)を次の3
段階で評価した。
【0051】○:150g/cm以上。
【0052】△: 80g/cm以上150g/cm未
満。
【0053】×: 80g/cm未満。
【0054】ニ 軽油漬浸後の折り曲げ特性 プリントラミネート体の紙面側と、ポリエステルフィル
ムにメタリングバーを用いて軽油1g/m2 を均一に塗
布した面とを重ね合わせた状態で、50℃、24hr熱
風オーブンで乾燥する。乾燥後プリントラミネート体を
折り曲げ、更に折り曲げた状態で熱風オーブンにて50
℃、24hr乾燥する。折り曲げ部分のポリプロピレン
系樹脂層とポリプロピレン成分が50〜95重量%のエ
チレン・プロピレン共重合体、プロピレン・ブテン共重
合体、エチレン・プロピレン・ブテン三元共重合体とこ
れらの混合物または、これらとポリエチレンの混合物ま
たは、これらとポリプロピレンの混合物からなる樹脂層
のフィルムとフィルムとの層間での浮き状態を次の3段
階で評価した。
【0055】○:浮きがないこと。
【0056】△:長さ1cm未満、幅1mm未満、1
個。
【0057】×:長さ1cm以上、幅1mm以上、2個
以上。
【0058】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0059】実施例1 極限粘度[η]が1.9、アイソタクチックインデック
スが96%のポリプロピレン樹脂層(MFR2.2)と
極限粘度[η]が1.6のエチレン成分3.5重量%、
ブテン成分4.0重量%のエチレン−ブテン−プロピレ
ンの三元共重合体樹脂層(低融点樹脂層、融点:138
℃)を、280℃に加熱した押出機で溶融して共押出し
て、口金の隙間より吐出し、30℃に保たれたキャステ
ィングドラム上に巻付けて冷却固化して、未延伸シート
を得た。
【0060】該シ−トを140℃に加熱されたオーブン
中に導き予熱後、135℃で5倍長手方向に延伸後冷却
し一軸延伸フィルムとした。次いで160℃に加熱され
たテンタ−に導き、幅方向に10倍に延伸し、さらに1
55℃で5%リラックスを許しながら熱処理した。次い
で冷却ロール上で冷却し端部をカット除去後巻き取り、
ポリプロピレン系二軸延伸フィルム(厚さ:15μm)
を得た。
【0061】次いで、ポリプロピレン成分が84重量
%、エチレン成分が1.5重量%、ブテン成分が14.
5重量%のエチレン・プロピレン・ブテン三元共重合体
樹脂(住友化学株式会社製商品名“エクセレン”WSW
5054、MFR20)を押出機aに、酢酸ビニルの含
有量が20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
(EVA)(三菱油化株式会社製商品名“三菱EVA
LV570”、MFR15)を押出機bへ、それぞれ供
給した。
【0062】該ポリプロピレン系二軸延伸フィルムの片
面に、240℃に加熱した押出機aと240℃に加熱し
た押出機bから樹脂を溶融し、エチレン・ブテン・プロ
ピレン3元共重合体樹脂層がポリプロピレン系フィルム
(15μm)に接着するように共押出して積層した。接
着性樹脂層厚みは、エチレン・プロピレン・ブテン三元
共重合体樹脂層1μm、EVA層12μm、全厚み28
μmのフィルムを得た。該フィルムのエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂層の表面に40W・分/m2のコロナ
放電処理を行い、熱圧着プリントラミネート用フィルム
を得た。
【0063】得られた熱圧着プリントラミネート用フィ
ルムのポリプロピレン系樹脂層、接着性樹脂層の各厚み
構成、ポリプロピレン系樹脂層とエチレン・プロピレン
・ブテン3元共重合体樹脂層のラミ接着力を表1に示
す。得られた熱圧着プリントラミネート用フィルムのラ
ミ接着力は、○の良好なものであった。
【0064】次にブックカバー用に印刷された印刷紙面
に得られた熱圧着プリントラミネート用フィルムの接着
性樹脂層とを重ね合わせ、加熱された鏡面ロール(30
0mmφ)で線圧30kg/cm、30m/分の速度で
加熱圧着し、プリントラミネート体を得て、熱接着性、
ツブレ性、耐軽油接着性、軽油漬浸後の折り曲げ特性を
評価した結果を表1に示す。ラミネート体の熱接着性、
ツブレ性、耐軽油接着性、軽油漬浸後の折り曲げ特性は
○の良好なものであった。
【0065】実施例2 押出機aに、エチレン・プロピレンランダム共重合体
(エチレン成分:7重量%)を85重量%とポリエチレ
ン15重量%を混合した樹脂層(ポリプロピレン成分:
79重量%、MFR21)を供給した以外は実施例1と
同様に実施した。その評価結果を表1に示す。ラミ接着
力は、○の良好なものであった。また、ラミネート体
の、熱接着性、ツブレ性、耐軽油接着性、軽油漬浸後の
折り曲げ特性も○の良好なものであった。
【0066】実施例3 接着層厚みをエチレン・プロピレン・ブテン三元共重合
体樹脂層が0.5μm、エチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂層が14.5μmとした以外は実施例1と同様に実
施した。その評価結果を表1に示す。ラミ接着力は、○
の良好なものであった。また、ラミネート体の、熱接着
力、ツブレ性、耐軽油接着力は、○の良好なものであ
り、軽油漬浸後の折り曲げ特性も△のほぼ満足出来る結
果であった。
【0067】実施例4 実施例2において、接着性樹脂層のエチレン・プロピレ
ンランダム共重合体(エチレン成分:7重量%)を85
重量%とポリエチレン15重量%を混合した樹脂層(ポ
リプロピレン成分:79重量%、MFR21)の厚みを
6μm、エチレン−酢酸ビニル共重合体の厚みを10μ
mとした以外は、実施例2と同様に実施した。その評価
結果を表1に示す。ラミ接着力、耐軽油接着力、軽油漬
浸後の折り曲げ特性、熱接着性は合格であり、ツブレ性
は若干悪く光沢の劣ったものとなったが、プリントラミ
ネート体として使用可能なものであった。
【0068】比較例1 ポリプロピレン成分が0の、エチレン・ブテン共重合体
(エチレン成分5.6重量%、ブテン成分94.4重量
%)を押出機aに供給したこと以外は実施例1と同様に
実施した。その評価結果を表1に示す。該フィルムは、
ラミ接着力、ラミネート体の、耐軽油接着性、軽油漬浸
後の折り曲げ特性が不十分でプリントラミネート用には
実用性に欠けるものとなった。
【0069】比較例2 実施例1において、ポリプロピレン系樹脂層に積層する
接着性樹脂層をエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の1
層とした以外は、実施例1と同様に実施して、熱圧着プ
リントラミネート用フィルムを得た。その評価結果を表
1に示す。該フィルムは比較例1と同様、ラミ接着力、
耐軽油接着力、軽油漬浸後の折り曲げ特性がなく、プリ
ントラミネート用には使用できないものであった。
【0070】比較例3 実施例1において、押出機aにホモポリプロピレン(ポ
リプロピレン成分100%)を供給した以外は、実施例
1と同様に実施して、熱圧着プリントラミネート用フィ
ルムを得た。その評価結果を表1に示す。該フィルム
は、ラミ接着力、ツブレ性、耐軽油接着力、軽油漬浸後
の折り曲げ特性の劣ったものであり、プリントラミネー
ト用には使用できないものであった。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】本発明の熱圧着プリントラミネート用フ
ィルムおよプリントラミネート体は、次のような優れた
効果を奏し、ブックカバー用などに極めて好適である。 (1)フィルムのラミ接着力が強く、しかも印刷物等と
プリントラミネートしたとき、光沢に優れクリアな感じ
を与える。 (2)耐軽油接着力、軽油漬浸後の折り曲げ特性に優
れ、印刷紙の種類にかかわらず、ラミ接着力を維持でき
る。 (3)印刷物等との熱接着性に優れる。 (4)基材(ポリプロピレン系樹脂)と押出ラミネート
する際および印刷物等と接着ラミネートする際に有機溶
剤を使用しないことから、作業環境が良好でありしかも
溶剤除去装置、回収装置等を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱圧着プリントラミネート用フィルム
およびプリントラミネート体を示す実施例1の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 :熱圧着プリントラミネート用フィルムおよびプリ
ントラミネート体 2 :ポリプロピレン系樹脂層 3 :低融点ポリプロピレン系樹脂層 4 :エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・ブ
テン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン三元共重
合体またはこれら少なくとも一種の共重合体を含有する
混合物からなる樹脂層 5 :エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂層 6 :印刷物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C061 BB08 CK02 4F100 AK04J AK07A AK07B AK07J AK09J AK64C AK67C AK68D AK80C AL01C AL05C BA04 BA05 BA10A BA10D BA10E BA15 EH23 EJ12D EJ38 GB90 HB31E JA04A JK06 JL12 JN21 YY00C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1層が低融点のポリプロピレン
    系樹脂からなる2層以上のポリプロピレン系樹脂層と、
    ポリプロピレン成分が50〜95重量%のエチレン・プ
    ロピレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、エチ
    レン・プロピレン・ブテン三元共重合体またはこれら少
    なくとも一種の共重合体を含有する混合物からなる樹脂
    層および酢酸ビニルの含有量が10〜30重量%のエチ
    レン−酢酸ビニル共重合体樹脂層の2層の接着性樹脂層
    をあわせた少なくとも4層からなる熱圧着プリントラミ
    ネート用フィルム。
  2. 【請求項2】接着性樹脂層が5〜25μmの厚みで、か
    つ、ポリプロピレン成分が50〜95重量%のエチレン
    ・プロピレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、
    エチレン・プロピレン・ブテン三元共重合体またはこれ
    ら少なくとも一種の共重合体を含有する混合物からなる
    樹脂層と酢酸ビニルの含有量が10〜30重量%のエチ
    レン−酢酸ビニル共重合体樹脂層の厚みの比が1:2〜
    1:50の範囲である請求項1記載の熱圧着プリントラ
    ミネート用フィルム。
  3. 【請求項3】接着性樹脂層の表面を酸化処理した請求項
    1または2に記載の熱圧着プリントラミネート用フィル
    ム。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の熱圧着プ
    リントラミネート用フィルムの接着性樹脂層面と印刷物
    の印刷面とを熱圧着した構造のプリントラミネート体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004209672A (ja) * 2002-12-26 2004-07-29 Japan Polypropylene Corp 積層フィルム及びその製造方法
JP2020192696A (ja) * 2019-05-27 2020-12-03 三井化学株式会社 積層体

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