JP2000229844A - 磁気利用ドラッグデリバリーシステム - Google Patents

磁気利用ドラッグデリバリーシステム

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JP2000229844A
JP2000229844A JP11034229A JP3422999A JP2000229844A JP 2000229844 A JP2000229844 A JP 2000229844A JP 11034229 A JP11034229 A JP 11034229A JP 3422999 A JP3422999 A JP 3422999A JP 2000229844 A JP2000229844 A JP 2000229844A
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JP
Japan
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magnetic field
drug
living body
magnet
stage
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Application number
JP11034229A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Aogaki
良一 青柿
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Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁石粒子を用いることなく、生体内部におい
て薬剤の空間位置制御を可能とする新しいドラッグデリ
バリーシステムを提供する。 【解決手段】 生体(2)の一部もしくは全体を磁場空
間中で固定するステージ(3)と、そのステージ(3)
の周囲に配置した磁石(1)を備え、ステージ(3)お
よび/または磁石(1)が三次元的に可動し、生体内の
磁場位置を三次元的に制御することにより、生体内患部
に磁場の極大または極小の分布を与え、薬剤の位置空間
分布を制御するシステムとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、磁気利用
ドラッグデリバリーシステムに関するものである。さら
に詳しくは、この出願の発明は、効率的な内科治療に有
用な、磁気を利用した新しいドラッグデリバリーシステ
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、患部のみを治療す
る内科治療法の一つとして、ドラッグデリバリー技術が
注目されている。このドラッグデリバリー技術は、生体
内部の患部のみに薬剤を直接的に配置させることによ
り、副作用のない効率的な内科治療法を可能とするもの
である。そして、薬剤を患部のみに直接的に配置させる
手法としては、化学的手法と物理的手法とがある。
【0003】化学的手法としては、薬剤の表面改質が一
般的である。表面改質した薬剤は、患部以外では溶解す
ることがほとんどなく、したがって、薬剤を患部のみに
直接的に配置させることが可能となる。一方、物理的手
法としては、微少な磁石粒子を溶剤中にあらかじめ混入
させておき、生体外部から磁石により磁力を発生させ、
その磁石粒子を通して薬剤を患部に長時間固定させるも
のである。そしてまた、このような化学的手法と物理的
手法とを併用することにより、より高い効果をあげるこ
とが試みられてもいる。
【0004】しかしながら、ドラッグデリバリー技術の
うちの物理的手法の場合には、生体にとっての異物であ
る磁石粒子が生体内に残留するために、血栓などの危険
な副作用が伴うとの問題点が指摘されている。このよう
な事情から、磁石粒子を薬剤中に混入しなくても、薬剤
を患部に長時間固定できる新しい物理的手法の実現が望
まれているものの、いまだに具体化されていないのが実
情である。
【0005】そこで、この出願の発明は、以上のとおり
の従来の問題点を解消し、磁石粒子を用いることなく、
生体内部において薬剤の空間位置制御を可能とする新し
いドラッグデリバリーシステムを提供することを課題と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、第1には、生体の一部も
しくは全体を磁場空間中で位置固定するステージと、そ
のステージの周囲に配置した磁石とを備え、ステージお
よび/または磁石が三次元的に可動とされ、磁場強度と
ともに生体内の磁場位置が三次元的に制御される機構を
有し、生体内患部に磁場の極大または極小の分布が与え
られて、生体内投与された薬剤の位置空間分布が制御さ
れることを特徴とする磁気利用ドラッグデリバリーシス
テムを提供する。
【0007】さらにこの出願の発明は、第2には、薬剤
の磁気的性質が制御されている前記のドラッグデリバリ
ーシステムをも提供する。以上のとおりのこの出願の発
明は、発明者による鋭意検討の結果として完成されたも
のであって、磁場を与えても非磁性体には大きな力は働
かないという従来の常識を打ち破り、強磁場中では、非
磁性体であっても強磁性体同様の力が働くとの事実を発
見したことに基づいており、このことを基本原理として
用いている(北沢宏一、化学工業、Vol.48, P769(199
7))。
【0008】すなわち、この基本原理を生体内の非磁性
体の薬剤の挙動に適用し、強力な磁場の中においては、
非磁性体の薬剤であっても、その薬剤の空間位置制御を
可能とし、結果として、薬剤を直接生体内患部に固定さ
せたり、一定の時間が経過すると拡散させたりすること
ができる。したがって、磁石粒子が体内に残留する恐れ
はまったくなく、さらに薬剤のすべてが生分解性成分を
用いたものであるならば、他の副作用をもまったく心配
はない。
【0009】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、以上のとおり
の特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につ
いて説明する。この発明の磁気を利用したドラッグデリ
バリーシステムは、例えば図1に例示したものをひとつ
の態様として示すことができる。生体(2)の一部もし
くは全体を磁場空間中で位置固定するステージ(3)
と、そのステージ(3)の周囲に配置した磁石(1)、
および、生体に薬剤を投与するための注入器(4)を備
え、ステージ(3)および/または磁石(1)が三次元
的に可動し、生体(2)内の磁場位置を三次元的に制御
し、生体(2)内患部に磁場の極大または極小の分布を
与えることができ、結果として、薬剤の位置空間分布を
制御できるものとしている。
【0010】この発明においては、生体(2)内の三次
元的な磁場位置の制御は、ステージ(3)と磁石(1)
について、その片方または両方を三次元的に可動させる
ことにより、実現することができる。磁石にはたとえば
超伝導磁石を用いることができ、薬剤としては、各種の
もの、たとえば生体内に注入される固形治療薬、あるい
は薬剤マイクロカプセルなどを用いることもできる。ま
た、薬剤は、液相に溶解ないしは分散させたものでもよ
く、液滴、液膜として処方するものであってよい。さら
には、ゼリー状のものや、以上の適宜な組合わせでもよ
い。ある程度の分布を持って移動するものでもよい。経
口剤あるいは座薬等であってよい。
【0011】そして、後述のように、その磁石は強力な
磁場を発生し、空間内の一点においてマイクロカプセル
などの薬剤が捕捉されるように、磁場分布が設計されて
いることが望ましい。さらにこの発明においては、薬剤
中の化学物質を変化させることにより、その化学物質が
非磁性体であっても磁気的性質を制御することが可能で
あり、このように薬剤の磁気的性質を制御して、薬剤の
位置空間分布を、より高度に制御することもできる。
【0012】ここで、非磁性体の薬剤であっても磁気に
より配置位置を制御できることの一般的要件を説明する
と次のとおりである。すなわち、まず一般的に、薬剤に
作用する磁気力は次式で与えられる。
【0013】
【数1】
【0014】 V:薬剤の見掛け体積 μ0 :真空透磁率(一定値) χ:薬剤の体積磁化率 χ’:液体の体積磁化率 従って、磁気力を大きくするには、いくつかの方法が考
えられる。まず薬剤の体積磁化率χを液体の体積磁化
率χ’とできるだけ異なるものになる。次に薬剤の見
掛けの体積を大きくするためには、薬剤そのものの大き
さを大きくすることが望ましいが、血栓等の配慮から、
固体微粒子の凝集体、または液滴の集合体、さらには血
管内壁に付着する液膜ゼリー状の無定形物の形で使用す
ることで見掛け上の体積を増大させ磁場による薬剤の位
置制御をより有効にすることができる。最後に磁場の
分布積B(dB/dχ)の値を出来るだけ大きくするこ
とが望ましい。単一粒子の場合、直径10μm程度の粒
子に対してはこの値は1000T2 -1以上の値をもつ
ことが望ましい。この程度の大きさをもつ磁石は現在す
でに製造されている。磁場の分布がこのような値を生み
出せない場合においても、上記、の方法により標準
的な値である100T2 -1程度の値の磁石においても
適用は十分可能である。
【0015】この発明においては、以上のとおりの説明
からも理解されるように、その適用対象とする生体は人
だけに限られずに、動物などについてもその対象とする
ことができる。
【0016】
【実施例】図2を用いてさらに詳しく説明する。この図
2に示したように、生体(2)内の磁場分布において、
その生体の身長方向をx方向、その半径方向をr方向と
し、仮に各方向の磁場分布において、極大点または極小
点をもつようにする。例えば図2の(a)に示したよう
に、常磁性体が強力な磁石によって作り出される磁場分
布内に存在する場合、その磁場分布の極大点近傍に、常
磁性体が引き付けられるという性質がある。一方、
(b)反磁性体が強力な磁石によって作り出される磁場
分布内に存在する場合、その磁場分布の極小点近傍に、
反磁性体が引き付けられるという性質がある。
【0017】したがって、磁性体を混入しない常磁性ま
たは反磁性を示す薬剤でも、生体内に注入されると極大
点または極小点近傍の位置に捕捉されることになる。こ
のような極点を磁場空間水平および垂直方向に作り出す
磁石を用いることで、捕捉点を三次元的に作り出すこと
ができ、磁石および/またはステージを移動させること
により、患者の位置を制御し、任意の位置において生体
内に注入された薬剤を捕捉固定化することができる。
【0018】さらに、その磁場分布を制御することによ
り、薬剤をある一定分布で患部周辺に分散させることも
可能であり、より高度な薬剤の位置制御をも可能とす
る。実際にたとえばモデル試験として、水中に分散させ
たゼラチンゲルマイクロカプセル剤について磁場を印加
し、その挙動を観察したところ、ゼラチンゲルマイクロ
カプセル剤は非磁性体であるにもかかわらず、2〜8T
の磁場印加条件下において、磁場分布の極小点近傍にお
いて位置固定されることが確認されている。
【0019】このことによっても、この発明のドラッグ
デリバリーシステムの有効性が把握される。
【0020】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この発明に
より、磁石粒子を用いることなく、薬剤の空間位置制御
を可能とする磁気を利用した新しいドラッグデリバリー
システムの提供が可能となり、効率的な内科治療が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明システム概要を示した概略図である。
【図2】この発明の基本原理を示した概略図である。
【符号の説明】
1 磁石 2 生体 3 ステージ 4 注入器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体の一部もしくは全体を磁場空間中で
    位置固定するステージと、そのステージの周囲に配置し
    た磁石とを備え、ステージおよび/または磁石が三次元
    的に可動とされ、磁場強度とともに生体内の磁場位置が
    三次元的に制御される機構を有し、生体内患部に磁場の
    極大または極小の分布が与えられて、生体内投与された
    薬剤の位置空間分布が制御されることを特徴とする磁気
    利用ドラッグデリバリーシステム。
  2. 【請求項2】 薬剤の磁気的性質が制御されている請求
    項1の磁気利用ドラッグデリバリーシステム。
JP11034229A 1999-02-12 1999-02-12 磁気利用ドラッグデリバリーシステム Pending JP2000229844A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006035550A1 (ja) * 2004-09-28 2006-04-06 Osaka University 三次元誘導装置及び方法、並びに薬剤配送システム
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