JP2000229837A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JP2000229837A
JP2000229837A JP11035690A JP3569099A JP2000229837A JP 2000229837 A JP2000229837 A JP 2000229837A JP 11035690 A JP11035690 A JP 11035690A JP 3569099 A JP3569099 A JP 3569099A JP 2000229837 A JP2000229837 A JP 2000229837A
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和章 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒアルロン酸自体が本来持っている優れた生
体適合性の特徴を最大限生かすために、なんら化学的架
橋剤や化学的修飾剤を使用することなく、またカチオン
性の高分子と複合体化することなく、安全性及び生体適
合性に優れ、更に皮膚での滞留性を向上させることで美
容効果の優れる化粧料を提供すること。 【解決手段】 中性水溶液に難溶性であるヒアルロン酸
単独で形成されたゲルを含有する化粧料を構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中性水溶液に難溶
性であるヒアルロン酸単独で形成されたゲルを含有する
化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚の水分を適正な範囲に保つことは、
美容の面から非常に大切なことであり、保湿を目的とし
た化粧料は多くみられる。皮膚の保湿に関与する物質に
ついて研究もされ、プロピレングリコールやソルビトー
ル等の多価アルコールをはじめとして数多くの保湿剤が
使用されるに至った。特に最近、注目を集めているのが
ヒアルロン酸である。ヒアルロン酸は皮膚の天然保湿因
子であり、保湿剤として優れた性質を有しているので、
皮膚細胞を賦活化し、老化皮膚の代謝を速め、肌荒れ改
善効果、角質改善効果に著効を呈すると共に、皮膚にし
っとり感、なめらか感、張り及び艶を付与し、皮膚を美
しくする効果があるとされている。
【0003】かかる効果を持つヒアルロン酸を配合した
各種化粧用クリーム、乳液、化粧水、美容液等の多くの
化粧料が提供されている。さらにヒアルロン酸に美白効
果を有する物質を配合した化粧料や肌荒れ改善効果のあ
る物質を配合した化粧料も提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ヒアルロン酸は肌荒れ
改善効果、角質改善効果、保湿効果等の美容効果を有す
ることは前記の通りであるが、さらに皮膚での滞留性を
向上させることでその美容効果は著しく改善されること
が期待される。ワンポイント化粧料として、瞼、目尻、
額、口許、首等にヒアルロン酸のシートを塗布すること
や、滞留性の向上のためにヒアルロン酸を化学的に架橋
することがさまざま試みられている(特開平3−112
914号公報、米国特許第4,582,865号明細
書、特公平6−37575号公報、特開平7−9740
1号公報、特開昭60−130601号公報)。
【0005】しかしながら、ヒアルロン酸のシートは水
や化粧水に対して溶解性が高く、架橋剤による架橋ヒア
ルロン酸はもはや本質的にヒアルロン酸そのものではな
い。架橋剤の残存を完全に否定することが難しいことも
考慮すると、皮膚への安全性を無条件に保証することは
できない。我々は、架橋剤を用いない本質的にヒアルロ
ン酸単独で形成された中性水溶液に難溶性であるヒアル
ロン酸ゲルを見出しPCT/JP98/03536
号)、今回、この難水溶性ヒアルロン酸ゲルの化粧料へ
の適用の可能性を鋭意検討し、その有用性を見出し本発
明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1)中性水溶液に難溶性であるヒアルロン酸単独で形
成されたゲルを含有する化粧料、(2)次の(a)、
(b)の要件を満たすヒアルロン酸単独で形成されたゲ
ルを含有することを特徴とする化粧料、(a)中性の3
7℃の水溶液中で12時間での溶解率が50%以下であ
る、(b)ヒアルロン酸の促進酸加水分解条件下でヒア
ルロン酸ゲルを処理することで可溶化されたヒアルロン
酸が分岐構造を有し、該可溶化されたヒアルロン酸中
に、分岐度が0.5以上の分子量フラクションを部分的
に含む、(3)ヒアルロン酸単独で形成されたゲルが、
シート状、破砕状、又は流動状からなる群より選択した
1種であることを特徴とす(2)記載の化粧料、(4)
中性の37℃の水溶液中で12時間での溶解率が50%
以下であり、ヒアルロン酸の促進酸加水分解条件下でヒ
アルロン酸ゲルを処理することで可溶化されたヒアルロ
ン酸が分岐構造を有し、該可溶化されたヒアルロン酸中
に、分岐度が0.5以上の分子量フラクションを部分的
に含むヒアルロン酸ゲルと、ゲル化されていないヒアル
ロン酸を含む化粧料、(5)シート状、破砕状、又は流
動状であるヒアルロン酸単独で形成されたヒアルロン酸
ゲルと、ゲル化されていないヒアルロン酸を含む化粧料
である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうヒアルロン酸ゲルとは、三次元網目構造を
もつ高分子及びその膨潤体である。三次元網目構造はヒ
アルロン酸の架橋構造によって形成されている。
【0008】その一例としては、ヒアルロン酸のpH
3.5以下の水溶液を凍結し、次いで解凍することでシ
ート状、フィルム状、破砕状、又は流動状の中性水溶液
に難溶性であるヒアルロン酸ゲルを得ることができる。
より具体的には以下に述べる。
【0009】本発明に用いられるヒアルロン酸は、動物
組織から抽出したものでも、また発酵法で製造したもの
でもその起源を問うことなく使用できる。発酵法で使用
する菌株は自然界から分離されるストレプトコッカス属
等のヒアルロン酸生産能を有する微生物、又は特開昭6
3−123392号公報に記載したストレプトコッカス
・エクイFM−100(微工研菌寄第9027号) 、特開平
2−234689号公報に記載したストレプトコッカス
・エクイFM−300(微工研菌寄第2319号) のような
高収率で安定にヒアルロン酸を生産する変異株が望まし
い。上記の変異株を用いて培養、精製されたものが用い
られる。
【0010】本発明に用いられるヒアルロン酸の分子量
は、約1×105 〜約1×107 ダルトンの範囲内のも
のが好ましい。また、上記範囲内の分子量をもつもので
あれば、より高分子量のものから、加水分解処理等をし
て得たものでも同様に好ましく使用できる。なお、本発
明にいうヒアルロン酸は、そのアルカリ金属塩、例え
ば、ナトリウム、カリウム、リチウムの塩をも包含する
概念で使用される。
【0011】本発明でいうヒアルロン酸単独とは、ヒア
ルロン酸以外に化学的架橋剤や化学的修飾剤等は使用し
ないことまた、カチオン性の高分子と複合体化しないこ
とを意味するものである。
【0012】本発明でいうヒアルロン酸ゲルは、ヒアル
ロン酸の促進酸加水分解反応条件下でヒアルロン酸ゲル
を処理することで分解、可溶化することができる。可溶
化されたヒアルロン酸が架橋構造を保持している場合、
分岐点を有するヒアルロン酸として高分子溶液論的に直
鎖状のヒアルロン酸と区別することができる。
【0013】本発明でいうヒアルロン酸の促進酸加水分
解反応条件としては、水溶液のpH1.5、温度60℃
が適当である。ヒアルロン酸のグリコシド結合の加水分
解による主鎖切断反応が、中性の水溶液中と比較して、
酸性やアルカリ性の水溶液中で著しく促進される。更に
酸加水分解反応は、反応温度が高い方が促進される。
【0014】本発明ではGPC−MALLS法を用い、
GPCで分離された分子量フラクションの分子量と分岐
度をオンラインで連続的に測定した。本発明では、同一
溶出体積のフラクションの可溶化されたヒアルロン酸の
分子量と対照となる直鎖状ヒアルロン酸の分子量を比較
して分岐度を計算する溶出体積法を使って分岐度の測定
を行った。分岐度は可溶化されたヒアルロン酸の高分子
鎖1コ当たりに存在する分岐点の数であり、可溶化され
たヒアルロン酸の分子量に対してプロットされる。
【0015】可溶化されたヒアルロン酸は、GPC溶媒
で希釈して濃度を調製し、0.2μmのメンブランフィ
ルターでろ過した後測定に供した。本発明でいうヒアル
ロン酸ゲル中に、ヒアルロン酸の促進酸加水分解条件下
でも安定に存在する架橋構造がある場合、可溶化された
ヒアルロン酸に分岐構造が高分子溶液論的に確認され
る。本発明でいうヒアルロン酸ゲルの分岐度は、0.5
以上である。
【0016】ヒアルロン酸の水溶液のpHを調整するた
めに使用する酸は、pH3.5以下に調整できる酸であ
れば、いずれの酸も使用することができる。酸の使用量
を低減するために、好ましくは強酸、例えば、塩酸、硝
酸、硫酸等を使用することが望ましい。
【0017】流動状ゲルを調整する場合には、0.1〜
10重量%の金属塩を添加する。金属塩としては塩化ナ
トリウム、塩化カリウム等を使用することができる。
【0018】ヒアルロン酸の水溶液のpHは、ヒアルロ
ン酸のカルボキシル基が充分な割合でプロトン化するp
Hに調整する。調整されるpHはヒアルロン酸塩の対イ
オンの種類、ヒアルロン酸の分子量、水溶液濃度、凍結
及び解凍の条件、並びに生成するゲルの強さ等の諸特性
により適宜決められるが、本発明では、pH3.5以
下、好ましくは、pH2.5以下に調整することであ
る。
【0019】凍結、解凍はヒアルロン酸の調整された酸
性水溶液を、任意の容器に入れた後、所定の温度で凍結
させ、凍結が終わった後、所定の温度で解凍させる操作
を少なくとも1回行う。凍結、解凍の温度と時間は、容
器の大きさ、水溶液量によりヒアルロン酸の酸性水溶液
が凍結、解凍する温度と時間の範囲内で適宜決められる
が、一般には、氷点以下の凍結温度、氷点以上の解凍温
度が好ましい。凍結、解凍時間を短くできることから、
更に好ましくは−5℃以下の凍結温度、5℃以上の解凍
温度が選ばれる。また、時間は、その温度で凍結、解凍
が終了する時間以上であれば特に制限されない。
【0020】ヒアルロン酸の調整された酸性水溶液を凍
結し、次いで解凍する操作の繰り返し回数は、使用する
ヒアルロン酸の分子量、水溶液濃度、水溶液のpH、凍
結及び解凍の温度と時間、並びに生成するゲルの強さ等
の諸特性により適宜決められる。通常は1回以上繰り返
すことが好ましい。また、凍結、解凍の操作を繰り返す
ごとに、その凍結、解凍の温度及び時間を変えても構わ
ない。
【0021】ヒアルロン酸の調整された酸性溶液の凍結
解凍により得られたヒアルロン酸ゲルは、ヒアルロン酸
の酸加水分解を避けるために、酸性に調整するために用
いた酸等の成分を除く必要がある。酸等の成分を除くた
めには、通常は水性溶媒による洗浄か透析をする。流動
状のゲルを調整する場合には、透析が主に用いられる。
使用する溶媒は、ヒアルロン酸ゲルの機能を損なわない
ものであれば特に制限はないが、例えば、水、生理食塩
水、リン酸緩衝液等が用いられるが、好ましくは、生理
食塩水、リン酸緩衝液等が用いられる。
【0022】また、洗浄・透析方法は、特に制限はない
が、通常は、バッチ法、濾過法、カラム等に充填して通
液する方法等が、また、透析の場合、透析膜、限外ろ過
膜による方法等が好適に用いられる。これらの条件は、
液量、回数等を含めて、除きたい成分を目標の濃度以下
にできる条件であればよく、ヒアルロン酸ゲルの形態や
用途により適宜選択することが可能である。
【0023】この洗浄・透析されたヒアルロン酸ゲル
は、その使用目的に応じて、溶媒中に浸漬した状態、溶
媒を含ませた湿潤状態、風乾、減圧乾燥あるいは凍結乾
燥等の処理を経た乾燥状態で化粧料として供される。
【0024】ヒアルロン酸ゲルの成形加工等の処理は、
作製時には、ヒアルロン酸の調整された酸性溶液の凍結
時の容器や手法の選択によりシート状、フィルム状、破
砕状及び流動状の所望の形態のヒアルロン酸ゲルの作製
が可能である。例えば、板上にキャスティングして凍結
することによりフィルム状及びシート状の形態が得られ
るし、水と混和しない有機溶剤と激しく混合撹拌しなが
ら凍結解凍することにより破砕状の形態が得られる。
【0025】これらの中性水溶液に難溶性であるヒアル
ロン酸ゲルは、皮膚での滞留性がヒアルロン酸溶液に比
べ著しく向上することで、ヒアルロン酸による肌荒れ改
善効果、角質改善効果、保湿効果、さらには美白効果を
有する物質の配合による美白効果、又は肌荒れ改善効果
を有する物質の配合による肌荒れ改善効果の持続性が増
強されるものである。
【0026】美白効果を有する物質としては、L−アス
コルビン酸、コウジ酸、及びその誘導体(脂肪酸、硫
酸、リン酸エステル等)、システイン、又はグルタチオ
ンとその誘導体、ビタミンE誘導体、アルブチン、ヒド
ロキノン等が挙げられる。
【0027】肌荒れ改善効果を有する物質としては、ド
コサヘキサエン酸、エイコペンタエン酸、アラントイ
ン、アロエ抽出物、人参抽出物、胎盤抽出物、牛血液徐
蛋白物、発酵代謝物等が挙げられる。
【0028】化粧料は、ワンポイント化粧料、各種化粧
用クリーム、乳液、化粧水、美容液、パック剤、アンダ
ーメークアップ、ファンデーション、ゼリー剤、及び軟
膏等に使用できる。また、適用部位に応じ、その形状を
シート状、フィルム状、破砕状、又は流動状から選択す
ることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する
が、これらに限定されるものではない。
【0030】実施例1:シート状の中性水溶液に難溶性
であるヒアルロン酸ゲル化粧料の作製 分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウム
を蒸留水に溶解し、1重量%のヒアルロン酸水溶液を調
製した。この水溶液のpHを、1N塩酸でpH1.5に
調整し、ヒアルロン酸酸性水溶液を得た。このヒアルロ
ン酸酸性水溶液30mlを、180mm×180mmの
角型プラスチック製シャーレに入れ、−20℃に設定し
た冷凍庫に入れた。22時間の凍結と25℃で2時間の
解凍を2回繰り返し、スポンジ状のヒアルロン酸ゲルが
得られた。次にこれを生理的食塩水に50mM濃度でリ
ン酸緩衝成分を加えて調整したpH7のリン酸緩衝生理
的食塩水100mlに5℃で24時間浸漬し中和した
後、蒸留水で十分に洗浄した。そして、これを凍結乾燥
し、180mm×180mm大のシート状の中性水溶液
に難溶性であるヒアルロン酸ゲル化粧料を得た。
【0031】実施例2:フィルム状の中性水溶液に難溶
性であるヒアルロン酸ゲル化粧料の作製 分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウム
を蒸留水に溶解し、1重量%のヒアルロン酸水溶液を調
製した。この水溶液のpHを、1N塩酸でpH1.5に
調整し、ヒアルロン酸酸性水溶液を得た。このヒアルロ
ン酸酸性水溶液30mlを、180mm×180mmの
角型プラスチック製シャーレに入れ、−20℃に設定し
た冷凍庫に入れた。22時間の凍結と25℃で2時間の
解凍を2回繰り返し、スポンジ状のヒアルロン酸ゲルが
得られた。次にこれを生理的食塩水に50mM濃度でリ
ン酸緩衝成分を加えて調整したpH7のリン酸緩衝生理
的食塩水100mlに5℃で24時間浸漬し中和した
後、蒸留水で十分に洗浄した。そして、これをオーブン
により40℃で3時間乾燥し、180mm×180mm
大のフィルム状の中性水溶液に難溶性であるヒアルロン
酸ゲル化粧料を得た。
【0032】実施例3:破砕状の中性水溶液に難溶性で
あるヒアルロン酸ゲル化粧料の作製 分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウム
を蒸留水に溶解し、1重量%のヒアルロン酸水溶液を調
製した。この水溶液のpHを、1N塩酸でpH1.5に
調整し、ヒアルロン酸酸性水溶液を得た。このヒアルロ
ン酸酸性水溶液30mlを、180mm×180mmの
角型プラスチック製シャーレに入れ、−20℃に設定し
た冷凍庫に入れた。22時間の凍結と25℃で2時間の
解凍を2回繰り返し、スポンジ状のヒアルロン酸ゲルが
得られた。次にこれを生理的食塩水に50mM濃度でリ
ン酸緩衝成分を加えて調整したpH7のリン酸緩衝生理
的食塩水100mlに5℃で24時間浸漬し中和した
後、蒸留水で十分に洗浄した。そして、マイクロホモジ
ナイザーを用い破砕処理をし、破砕状の中性水溶液に難
溶性であるヒアルロン酸ゲル化粧料を得た。
【0033】実施例4:流動状の中性水溶液に難溶性で
あるヒアルロン酸ゲル化粧料の作製 分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウム
を1.0重量%の塩化ナトリウム溶液に溶解し、1.0
重量%のヒアルロン酸水溶液を調製した。この水溶液の
pHを、1N塩酸でpH1.5に調整し、ヒアルロン酸
酸性水溶液を得た。このヒアルロン酸酸性水溶液50m
lを金属容器に入れ、−20℃に設定した冷凍庫に入れ
た。120時間後に取り出し、25℃で解凍し、流動状
ゲルが得られた。次にこれを蒸留水で十分透析し、過剰
の酸を除いた。続いてpH7の25mMリン酸を含む緩
衝生理的食塩水で十分に透析中和し、流動状の中性水溶
液に難溶性であるヒアルロン酸ゲル化粧料を得た。
【0034】比較例1:加熱乾燥ヒアルロン酸シートの
作製 分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウム
を蒸留水に溶解し、1重量%のヒアルロン酸水溶液を調
製した。この溶液30mlを、180mm×180mm
の角型プラスチック製シャーレに入れ、−20℃に設定
した冷凍庫に入れ凍結した。そして、これを凍結乾燥
し、180mm×180mm大のヒアルロン酸シートを
得た。
【0035】比較例2:凍結乾燥ヒアルロン酸フィルム
の作製 分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウム
を蒸留水に溶解し、1重量%のヒアルロン酸水溶液を調
製した。この溶液30mlを、180mm×180mm
の角型プラスチック製シャーレに入れ、これをオーブン
により40℃で3時間乾燥し、180mm×180mm
大のヒアルロン酸フィルムを得た。
【0036】比較例3:ヒアルロン酸溶液の作製 分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウム
を生理食塩液に溶解し、1重量%のヒアルロン酸溶液を
得た。
【0037】実施例5:シート状のリン酸−L−アスコ
ルビルマグネシウム含有の中性水溶液に難溶性であるヒ
アルロン酸ゲル化粧料の作製 実施例1で調製した中性水溶液に難溶性であるヒアルロ
ン酸ゲルシートを、2%リン酸−L−アスコルビルマグ
ネシウム5mlに浸漬し、再度凍結乾燥してフィルム状
のリン酸−L−アスコルビルマグネシウム含有の中性水
溶液に難溶性であるヒアルロン酸ゲル化粧料を得た。
【0038】実施例6:中性水溶液に難溶性であるヒア
ルロン酸ゲルの溶解性試験 生理食塩水に50mM濃度でリン酸緩衝成分を加え、p
H7のリン酸緩衝生理食塩水を調製した。実施例1〜実
施例5、及び比較例1〜2で作製したシート(30×3
0mm)、フィルム(30×30mm)、破砕状ゲル5
ml及び流動状ゲル5mlを50mlのリン酸緩衝生理
食塩水に浸漬し緩やかに攪拌した。37℃でリン酸緩衝
生理食塩水中に溶出するヒアルロン酸の割合を、リン酸
緩衝生理食塩水中のヒアルロン酸濃度から求めた。
【0039】ヒアルロン酸濃度の測定 リン酸緩衝生理食塩水中のヒアルロン酸濃度は、GPC
を使って、示差屈折率検出器のピーク面積から求めた。
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1より、実験No.5〜7の対照試料が
溶解しやすいの比べ、実験No.1〜4のヒアルロン酸
ゲルは、中性水溶液に難溶性であることがわかった。
【0042】実施例7:中性水溶液に難溶性であるヒア
ルロン酸ゲルの分岐度測定 実施例1と実施例2で得られた中性水溶液に難溶性であ
るヒアルロン酸ゲルを、pH1.5の塩酸水溶液15m
lに浸漬し、60℃、6時間の加水分解を行った。ゲル
は加水分解により可溶化され、これをGPC溶媒で2倍
に希釈して濃度を0.05重量%に調製し、0.2μm
のメンブレンフィルターで濾過した後、0.1ml注入
してGPC−MALLSの測定を行った。実施例1と実
施例2で得られた難水溶性ヒアルロン酸ゲルの分岐度
は、いずれも0.5以上であった。
【0043】実施例8:女性パネラーの実使用試験 実施例1〜実施例5、及び比較例1〜比較例3で作製し
た化粧料、シート、及びフィルムの作用効果について、
10名の女性パネラーによる実使用試験で判定、評価を
行った。シート及びフィルムは目、鼻、口の部分をくり
抜き顔面マスク状に成形して使用した。溶液はそのまま
使用した。試験は、毎日夜の就寝前、洗顔後、生理食塩
水等の水分を適量、顔の全体に塗布し、その上に上記の
形成したシート及びフィルムを貼り付けた。溶液は適量
を顔全体にたっぷりとつけ、よくなじませた。一晩、そ
の状態で保ち、翌朝は水で洗顔した。試験は2ヶ月間行
い、シートの有効性を肌の潤い、肌の張り、肌の荒れ、
美白効果の4項目について、女性パネラー本人が評価し
た。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2より、中性水溶液に難溶性であるヒア
ルロン酸単独で形成されたゲルを含有する化粧料である
実施例1〜5は、ヒアルロン酸をシート状、フィルム
状、溶液にした比較例1〜3と比べ、肌の潤い、肌の張
り、肌の荒れ、美白効果に改善効果を示すものであっ
た。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、ヒアルロン酸単独で形
成された難水溶性ヒアルロン酸ゲルを含有する化粧料を
提供することができる。かかる本発明の化粧料は、架橋
剤を使用していないため生体内に存在する本来のヒアル
ロン酸の構造を維持しており、安全性及び生体適合性に
優れ、更に皮膚での滞留性を向上させることで美容効果
を増進させるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性水溶液に難溶性であるヒアルロン酸
    単独で形成されたゲルを含有する化粧料。
  2. 【請求項2】 次の(a)、(b)の要件を満たすヒア
    ルロン酸単独で形成されたゲルを含有することを特徴と
    する化粧料。 (a)中性の37℃の水溶液中で12時間での溶解率が
    50%以下である、(b)ヒアルロン酸の促進酸加水分
    解条件下でヒアルロン酸ゲルを処理することで可溶化さ
    れたヒアルロン酸が分岐構造を有し、該可溶化されたヒ
    アルロン酸中に、分岐度が0.5以上の分子量フラクシ
    ョンを部分的に含む。
  3. 【請求項3】 ヒアルロン酸単独で形成されたゲルが、
    シート状、破砕状、又は流動状からなる群より選択した
    1種であることを特徴とする請求項2記載の化粧料。
  4. 【請求項4】 中性の37℃の水溶液中で12時間での
    溶解率が50%以下であり、ヒアルロン酸の促進酸加水
    分解条件下でヒアルロン酸ゲルを処理することで可溶化
    されたヒアルロン酸が分岐構造を有し、該可溶化された
    ヒアルロン酸中に、分岐度が0.5以上の分子量フラク
    ションを部分的に含むヒアルロン酸ゲルと、ゲル化され
    ていないヒアルロン酸を含む化粧料。
  5. 【請求項5】 シート状、破砕状、又は流動状であるヒ
    アルロン酸単独で形成されたヒアルロン酸ゲルと、ゲル
    化されていないヒアルロン酸を含む化粧料。
JP03569099A 1999-02-15 1999-02-15 化粧料 Expired - Fee Related JP3982937B2 (ja)

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