JP2000225491A - アルミニウム部材のろう付け用フラックス混合物及びろう付け方法並びに熱交換器 - Google Patents

アルミニウム部材のろう付け用フラックス混合物及びろう付け方法並びに熱交換器

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JP2000225491A JP11028190A JP2819099A JP2000225491A JP 2000225491 A JP2000225491 A JP 2000225491A JP 11028190 A JP11028190 A JP 11028190A JP 2819099 A JP2819099 A JP 2819099A JP 2000225491 A JP2000225491 A JP 2000225491A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラックス混合物を用いてアルミニウム部材
の接続部のろう付け行うことができ、更に、ろう付け性
の向上を図ることが可能なアルミニウム材のろう付け用
フラックス混合物、ろう付け方法及び熱交換器を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 腐食性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化
物を組成物とするフラックス混合物に、所定量のフッ化
アルミニウム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化合
物、又は/及び、金属及び/又は合金からなる混合物が
添加されているフラックス混合物、前記フラックス混合
物を用いた熱交換器、及び前記フラックス混合物を用い
たろう付け方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム部材
を接続するろう付け用のフラックス並びにろう付け方法
及び熱交換器に関し、ろう材を供給することなく、フラ
ックスに含まれるフッ化ケイ素化合物からケイ素(S
i)を析出させ、前記析出Siとアルミニウム部材から
溶融するアルミニウム(Al)とのAl−Si共晶液相
を用いるアルミニウム部材のろう付け用フラックス混合
物及びろう付け方法並びにこれらを用いて構成される熱
交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車部品の冷却や、空調シス
テム等の熱交換器のアッセンブリには、金属部材をアル
ミニウム製のブレージングシートによって組立てるろう
付けが行われている。
【0003】一般に金属部材のろう付けは、ろう付け前
に、塩化亜鉛等の腐食性を有するフラックスを金属部材
に塗布し、金属表面に形成された酸化被膜を除去し、再
酸化を防止して、アルミニウム部材表面の濡れ性を良く
してろう付け部分にろう材を融着させている。その他、
アルミニウム母材を心材として、ろうを片面又は両面に
被覆したブレージングシートを用いて各部材を形成し、
各部材を組み付けた後、600℃前後の加熱によって、
ろう材層を溶融し、熱交換器を形成する方法が知られて
いる。
【0004】金属部材のろう付けと、前記フラックスと
は、密接な関係にあった。すなわち、アルミニウム部材
等の表面に形成された酸化被膜をフラックスによって除
去しないと、ろう材がろう付け部分に融着せず、ろう付
けを行うことができなかった。従って、フラックスの良
否がろう付け性を左右することになる。
【0005】一方、ろう付け後の塩化亜鉛等のフラック
ス残渣には、強い腐食性があり、フラックス除去のため
に煩雑な洗浄工程を必要としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ろう材を被覆
したブレージングシートは高価であり、製造コストが高
騰するという問題があった。
【0007】また、芯材の両面又は片面にろう材を被覆
したブレージングシートを用いて積層された熱交換器に
おいて、各部品を互いに組み付けた後、各部品の接合部
分のろう付けを行うと、被覆されたろう材が溶融した分
の寸法変化が生じ、大きくは、2mmから3mm程度の
変化により組み付け性とろう付け歩留まり(洩れ等のた
め)が悪くなるという問題があった。
【0008】また、前述のように、塩化物を主成分とす
るフラックスの場合、水溶性で吸湿性、腐食性のある残
渣を生じる場合があり、洗浄を必要としていた。
【0009】このため、フラックスとして、フッ化ケイ
素カリウム(KSiF)を主成分とし、KSiF
中のSiを析出させてアルミニウム母材と反応させ
て、Al−Siろう材層を形成し、ろう付けを行う方法
が提案されている。
【0010】すなわち、ケイ素含有化合物(KSiF
)は、以下の化学式で示すように、Siが析出され、
部材中のAlと反応する。
【0011】3KSiF+4Al=3Si+2KA
lF+2KAlF この場合、ろう材となるSiを含有するケイ素含有化合
物には、ろう付け温度を降下させるため、AlF等の
フッ化アルミニウムを混合して用いている。
【0012】例えば、特許第2607585号に記載さ
れているように、KSiFとAlFを所定量混合
した基本組成物を用いて、ろう付けを行っている。ま
た、これらの基本組成物は、所定の分散材を用いて、残
渣の減少を図っている。
【0013】しかし、このように、KSiFとAl
からなる基本組成物を用いた場合、KSiF
30重量%よりも少ないと、Siの析出量が不足し、十
分なろう付け性が得られず、また、KSiFが95
重量%を超えると混合物の融点が上昇し溶けにくくなる
という現象があった。
【0014】また、フッ化物(フッ化アルミニウム)を
添加し、融点を降下させた場合であっても、結局未反応
Siによる黒色又は茶褐色残滓が残ってしまう場合があ
る。
【0015】従って、2つの部材の接続部分に生じる接
着材部分(フィレット)が小さくなりろう付け性に問題
を生じる場合があった。
【0016】そこで、本発明は、高価なブレージングシ
ートを用いることがなく、寸法変化を低減でき、洗浄を
必要とせず、しかもろう付け性及び残渣の影響を考慮
し、十分なフィレットを形成することが可能であり、ま
た、ろう付け強度が確保されたろう付け用のフラックス
混合物、ろう付け方法並びに熱交換器を提供することを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に記載し
た発明は、非腐食性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物
を組成物とするフラックス混合物であって、アルミニウ
ム部材の接続部表面に前記フラックス混合物を塗布し、
非酸化性雰囲気中で加熱して、前記接続部同士を接続す
るアルミニウム部材のろう付け用フラックス混合物にお
いて、前記フラックス混合物に、10重量%以上30重
量%以下のフッ化アルミニウム及びフッ化カリウムから
なる二元共晶化合物が添加されているアルミニウム部材
のろう付け用フラックス混合物である。
【0018】このように、非腐食性のフッ化ケイ素化合
物及びフッ化物の組成物とするフラックス混合物に、フ
ッ化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる二元共晶
化合物を10重量%以上30重量%以下添加したフラッ
クス混合物を用いると、芯材にろう材層が被覆されたブ
レージングシートを用いることなく、フラックス混合物
のみを用いてアルミニウム部材の接続部同士を接続する
ことが可能となる。
【0019】すなわち、フッ化ケイ素化合物中から析出
したSiがアルミニウム部材中のAlと反応し、Al−
Si共晶ろう材相を形成して、アルミニウム部材の接続
部同士がろう付け接合される。
【0020】従って、一般にアルミニウム部材表面の酸
化被膜を清浄化するために用いられるフラックス混合物
によって、ろう材層が被覆されたブレージングシートを
用いることなく、アルミニウム部材の接続部同士を接続
することが可能となり、コスト低減を図ることが可能と
なる。また、本発明のフラックス混合物によれば、ろう
材の溶融による部材同士の組み付け性の寸法変化を生じ
ないため、設計の自由度、歩留まり、組み付け性の向上
を図ることが可能となる。すなわち、ブレージングシー
トを用いた場合、加熱時に、芯材に被覆されたろう材層
が溶融し、各部材の接続部間の較差が大きくなり、ろう
材溶融分を考慮して、厳密に寸法設計を行う必要があっ
た。しかし、本例のフラックス混合物を用いると、溶融
によって生じる寸法変化の較差が低減するため、厳密な
寸法制御を考慮することなく、各部材の設計を行うこと
が可能となる。
【0021】更に、フッ化ケイ素化合物及びフッ化物か
らなるフラックス混合物に、フッ化アルミニウム及びフ
ッ化カリウムからなる二元共晶化合物を添加すると、フ
ラックス混合物の融点が降下し、この共晶化合物を添加
しないフッ化ケイ素化合物及びフッ化物からなるフラッ
クス混合物の溶融時に確認されていた黒色又は茶褐色の
残滓の低減を図ることが可能となる。
【0022】フッ化ケイ素化合物及びフッ化物からなる
フラックス混合物は、混合物中から析出するSiとアル
ミニウム部材のAlと反応して共晶ろう材相を形成し
て、アルミニウム部材の接続部が接続されるが、析出S
iが母材Alと十分に反応せず、未反応Siが存在する
と、この黒色又は茶褐色の残滓となり、外観上の美感を
損ない、また、ろう付け性を低減するおそれがあった。
【0023】本発明は、フッ化ケイ素化合物及びフッ化
物からなるフラックス混合物に、フッ化アルミニウム及
びフッ化カリウムからなる二元共晶化合物を添加するこ
とにより、フラックス混合物の融点が降下し、析出Si
及び母材Alの共晶反応を向上させて未反応Siを低減
し、問題となっていた黒色又は茶褐色残滓を低減するこ
とが可能となる。ここで、フッ化アルミニウム及びフッ
化カリウムからなる混合物の添加量が10%未満である
と、目的とする温度まで融点が降下せず、30重量%よ
りも多く添加すると、Si析出量が低減して良好なろう
付け性を得ることができない。
【0024】更に、析出Siの反応性を向上させること
によって、良好なフィレット形成能を有するろう材相を
生成すること可能となり、ブレージングシートを用いた
場合と同様のろう付け強度を得ること可能となる。
【0025】本願第2請求項に記載した発明は、非腐食
性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物とするフ
ラックス混合物であって、アルミニウム部材の接続部表
面に前記フラックス混合物を塗布し、非酸化性雰囲気中
で加熱して、前記接続部同士を接続するアルミニウム部
材のろう付け用フラックス混合物において、前記フラッ
クス混合物に、金属及び/又は合金からなる混合物が添
加されているアルミニウム部材ろう付け用フラックス混
合物である。
【0026】このように、フッ化ケイ素化合物及びフッ
化物からなるフラックス混合物に、金属及び/又は合金
からなる混合物が添加されていると、フラックス混合物
中から析出したSiは、アルミニウム部材のAlのみな
らず、金属及び/又は合金中の金属とも反応するため、
析出Siの反応性が向上し、従来において、黒色等残滓
の原因とみられていた未反応Siを低減し、黒色等残滓
の発生を防止して、外観を良好とすることが可能とな
る。また、フラックス混合物中から析出するSiとの反
応性を向上させて、Al−Si共晶液相のみならず、金
属−Si共晶液相によってろう材相を増大して、十分な
フィレット形成能を得ることが可能となる。
【0027】本願第3請求項に記載した発明は、前記請
求項2記載の発明において、フッ化ケイ素化合物及びフ
ッ化物を組成物とするフラックス混合物に60重量%以
下の金属及び/又は合金からなる混合物が添加されてい
るアルミニウム部材のろう付け用フラックス混合物であ
る。
【0028】このように、フッ化ケイ素化合物及びフッ
化物からなるフラックス混合物に、60重量%以下の金
属及び/又は合金の混合物を添加することにより、アル
ミニウム部材のAlのみならず、添加した金属及び/又
は合金の金属とも、フラックス混合物から析出したSi
が反応するため、未反応Siを低減され、ろう材相量が
増大し、未反応Siに起因する黒色等残滓の発生を防止
して外観を良好とし、ろう付け性の向上を図ることが可
能となる。
【0029】金属及び/又は合金混合物の添加量を60
重量%より多くすると、フッ化ケイ素化合物及びフッ化
物からなる混合物量が低減し、フラックス混合物から析
出するSi量が少なくなるため、Al−Si共晶ろう材
相の量が少なくなり、良好なろう付け性を得ることが困
難となる。
【0030】本願第4請求項に記載した発明は、非腐食
性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物とするフ
ラックス混合物であって、アルミニウム部材の接続部表
面に前記フラックス混合物を塗布し、非酸化性雰囲気中
で加熱して、前記接続部同士を接続するアルミニウム部
材のろう付け用フラックス混合物において、前記フラッ
クス混合物に、40重量%以下の金属及び/又は合金か
らなる混合物及び10重量%以上30重量%以下のフッ
化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化
合物が添加されているアルミニウム部材のろう付け用フ
ラックス混合物である。
【0031】このように、フッ化ケイ素化合物及びフッ
化物からなるフラックス混合物に、40重量%以下の金
属及び/又は合金からなる混合物及び10重量%以上3
0重量%以下のフッ化アルミニウム及びフッ化カリウム
からなる二元共晶化合物が添加されると、前記混合物か
ら析出する金属、及び、共晶化合物添加によるフラック
ス混合物の融点降下によって、フラックス混合物中から
析出するSiの反応性を向上して、未反応Siを低減し
て、未反応Siに起因する黒色等残滓の発生を防止し、
Al−Si共晶及び金属−Si共晶からなるろう材相量
を増大して、良好なろう付け性を得ることが可能とな
る。
【0032】金属及び/又は合金からなる混合物を40
重量%より多くフラックス混合物中に添加すると、フッ
化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物とする混合物の量
が低減し、前記フラックス混合物中から析出するSi量
が低下するため、生成されるAl−Si共晶及び金属−
Si共晶ろう材相が低減し、良好なろう付け性を得るこ
とが困難となる。
【0033】また、フッ化アルミニウム及びフッ化カリ
ウムからなる共晶化合物の添加量が10%未満である
と、目的とする温度まで融点が降下せず、30重量%よ
りも多く添加すると、Si析出量が低減して良好なろう
付け性を得ることができない。
【0034】本願第5請求項に記載した発明は、前記請
求項2乃至4いずれか記載の発明において、前記金属
は、アルミニウム、亜鉛、スズ、インジウム、ニッケ
ル、チタン、又はリンのうち少なくとも一つであるアル
ミニウム部材のろう付け用フラックス混合物である。
【0035】このように、フッ化ケイ素化合物及びフッ
化物を組成物とするフラックス混合物に添加する金属を
Al、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、インジウム(I
n)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、又はリン
(P)のいずれか一つの粉末とすると、フラックス混合
物中から析出するSiと前記金属が共晶を形成して、前
記金属−Si共晶ろう材相を形成するため、未反応Si
を低減し、黒色残滓の発生を防止して、良好なフィレッ
ト形成能を有するろう材相によって、ブレージングシー
トを用いた場合と同様のろう付け強度を得ることがで
き、ろう付け性の向上を図ることが可能となる。
【0036】本願第6請求項に記載した発明は、前記請
求項2乃至4いずれか記載の発明において、前記合金
は、Al−Si合金の粉末であるアルミニウム部材のろ
う付け用フラックス混合物である。
【0037】このように、フッ化ケイ素化合物及びフッ
化物を組成物とするフラックス混合物に添加する合金を
Al−Si合金の粉末とすると、フラックス混合物中か
ら析出するSiと母材Alとの反応により生成されるろ
う材相のみならず、添加したAl−Si合金によりろう
材相の量が多くなり、ろう付け性の向上を図ることが可
能となる。また、Al−Si合金を添加すると、融点が
577℃(アルミニウムの融点660℃)と低下するた
め、析出Siの反応性を向上させて、未反応Siを起因
とする黒色等残滓の発生を防止し、良好な外観とするこ
とが可能となる。
【0038】本願第7請求項に記載した発明は、前記請
求項2乃至6いずれか記載の発明において、前記金属又
は合金の粒径が平均粒度45μm以下であるアルミニウ
ム部材のろう付け用フラックス混合物である。
【0039】このように、フッ化ケイ素化合物及びフッ
化物を組成物とするフラックス混合物に添加する金属又
は合金の粒径を平均粒度45μm以下とすると、前記フ
ラックス混合物中から析出したSiと反応する表面積が
大きくなり、Siの拡散が早くなるため、析出Siの反
応性が向上し、低融点で金属−Si共晶ろう材相が形成
されてろう付け性の向上を図ることが可能となる。ま
た、未反応Siに起因する黒色等残滓の発生を防止し
て、良好なろう付け性を得ることが可能となる。
【0040】本願第8請求項に記載した発明は、前記請
求項2乃至7いずれか記載の発明において、前記金属又
は合金の粒径が平均粒度45μm以下であり、前記金属
及び/又は合金からなる混合物中の含有酸素量が1%以
下であるアルミニウム部材のろう付け用フラックス混合
物である。
【0041】このように、フッ化ケイ素化合物及びフッ
化物を組成物とするフラックス混合物に添加する金属又
は合金の粒径は、細かいほど表面積が大きくなり、Si
拡散速度が早くなって、低融点で金属−Si共晶ろう材
相が生成されてろう付け性が向上される。
【0042】一方、粒径が細かくなり過ぎると、金属及
び合金の混合物中に含まれる酸素含有量が多くなり、析
出Siと金属及び/又は合金との反応が妨げられて、未
反応Siが増大し、黒色又は茶褐色残滓が認められるよ
うになる。
【0043】従って、フラックス混合物に添加される金
属及び合金の混合物の粒径は、平均粒度が45μm以下
であり、かつ、混合物中の含有酸素量が1%以下である
ことが望ましい。金属及び合金の混合物中の含有酸素量
が1%以上であると、含有する酸素によって、析出Si
の反応性が妨げられ、未反応Siが増大し、未反応Si
を起因とする黒色又は茶褐色残滓が多く認められるよう
になる。
【0044】本願第9請求項に記載した発明は、前記請
求項1乃至7いずれか記載の発明において、前記フラッ
クス混合物の組成物であるフッ化ケイ素化合物は、K
SiF、また、フッ化物はAlFであるアルミニウ
ム部材のろう付け用フラックス混合物である。
【0045】このように、KSiF及びAlF
組成物とするフラックス混合物をアルミニウム部材の接
続部表面に塗布し、非酸化性雰囲気中で加熱すると、フ
ラックス混合物中からSiが析出し、アルミニウム部材
のAlとAl−Si共晶ろう材相を形成し、従来のフラ
ックス塗布の目的たる酸化被膜の清浄化のみならず、ア
ルミニウム部材の接続部分を前記Al−Si共晶ろう材
相により接続することが可能となる。
【0046】また、KSiFは、溶融温度が750
℃と高いため、600℃のろう付け温度まで、融点温度
を降下するために、AlFを添加している。
【0047】本願第10請求項に記載の発明は、前記請
求項1乃至8いずれか記載の発明において、前記フラッ
クス混合物の組成は、70〜90重量%のKSiF
及び10〜30重量%のAlFであるアルミニウム部
材のろう付け用フラックス混合物である。
【0048】本発明のフラックス混合物は、従来のフラ
ックスの働きである金属表面の酸化被膜の清浄化、再酸
化の防止のみならず、KSiFから析出するSi及
びアルミニウム部材のAlによって、Al−Si共晶ろ
う材相を形成し、アルミニウム部材の接続部同士のろう
付けを行うものであるため、ろう材相となるSiの析出
量の増大が望まれる。
【0049】フラックス混合物中、KSiFが90
重量%以上であると、析出Siは増大するが、アルミニ
ウム部材から析出するAlと反応しない未反応Siが残
存し、未反応Siに起因する黒色又は茶褐色残滓が存在
し、外観を損なうという不都合がある。また、フラック
ス混合物中のKSiFが70重量%以下であると、
フラックス混合物中から析出するSi量が減少し、Al
−Si共晶ろう材相量が減少して、ろう付け性が悪化す
るという不都合が生じる。
【0050】また、フラックス混合物に添加するAlF
量を増大すると、黒色等の残滓が少なくなり、溶融フ
ラックスはきれいな外観となるが、フラックス混合物中
にAlFを30重量%以上添加すると、他方の組成物
であるKSiFから析出するSi量が極めて減少
し、Al−Si共晶ろう材相量が減少して、ろう付けを
行うことができなくなる。また、AlFの添加を10
重量%以下とすると、フラックス混合物の良好な融点降
下が得られないため、フラックス混合物中から析出する
Siがアルミニウム部材中から析出するAlと十分に反
応せず、未反応Siを起因とする黒色又は茶褐色残滓が
残存し、ろう付け性の低下、及び外観を損なうという不
都合を生じる。
【0051】本願では、70重量%以上90重量%以下
のKSiF及び10重量%以上30重量%以下のA
lF3をフラックス混合物とすることにより、未反応S
iの発生を防止して、十分なAl−Si共晶ろう材相を
生成して、良好なろう付け性を得ることが可能となる。
【0052】本願第11請求項に記載した発明は、前記
請求項1乃至10いずれか記載の発明において、前記混
合物中のフッ化物の一部が、ZnF、CaF、Cs
F、NaF、KF及びZrFのフッ化物の少なくとも
一つであるアルミニウム部材のろう付け用フラックス混
合物である。
【0053】このように、フラックス混合物の組成物で
あるフッ化物の一部をZnF、CaF、CsF、N
aF、KF及びZrFのフッ化物の少なくとも一つと
代替した場合であっても、フラックス混合物の融点を降
下し、析出Siの反応性を向上させることが可能とな
る。
【0054】本願第12請求項に記載した発明は、非腐
食性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物とする
フラックス混合物をアルミニウム部材の接続部表面に塗
布し、非酸化性雰囲気中で加熱して、該混合物中のSi
を析出させた後、アルミニウム部材のAlと反応させ
て、Al−Si共晶の液相となるろう材相を生成し、前
記アルミニウム部材の接続部同士を接続するアルミニウ
ム部材のろう付け方法において、前記フラックス混合物
に、10重量%以上30重量%以下のフッ化アルミニウ
ム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化合物が添加さ
れているアルミニウム部材のろう付け方法である。
【0055】従来においては、芯材にろう材層が被覆さ
れたブレージングシートや、アルミニウム部材にろう材
を塗布して、アルミニウム部材の接続部同士の接続を行
っていた。例えば、ブレージングシートを用いてアルミ
ニウム部材を形成した場合、ブレージングシート表面に
被覆されたろう材層が溶融し、部材の組み付けにおいて
ろう材層分の較差が生じ、設計の自由度が制限されてい
た。
【0056】本例によれば、通常、アルミニウム部材表
面の酸化膜の清浄化・再酸化防止のために塗布されるフ
ラックスによって、アルミニウム部材の接続部同士を接
合することができるため、製造コストの低減が可能とな
る。また、ブレージングシートのようにろう材層分の誤
差を生じることもないため、設計の自由度の向上を図る
ことが可能となる。
【0057】本発明の方法は、フッ化ケイ素化合物及び
フッ化物を組成物とするフラックス混合物に10重量%
以上30重量%以下のフッ化アルミニウム及びフッ化カ
リウムからなる二元共晶化合物を添加することにより、
フラックス混合物の融点を降下して、フラックス混合物
から析出するSiの反応性を向上し、アルミニウム部材
から析出するAlとAl−Si共晶ろう材相の生成量を
増大して良好なろう付け性を得ることを可能とした。ま
た、フラックス混合物から析出するSiの反応性を向上
することにより、未反応Siに起因する黒色又は茶褐色
残滓を低減して、ろう付け性及び外観上良好なろう材相
を得ることが可能となる。
【0058】本願第13請求項に記載の発明は、非腐食
性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物とするフ
ラックス混合物をアルミニウム部材の接続部表面に塗布
し、非酸化性雰囲気中で加熱して、該混合物中のSiを
析出させた後、アルミニウム母材表面と反応させて、A
l−Si共晶液相となるろう材相を生成し、前記アルミ
ニウム部材の接続部同士を接合するアルミニウムのろう
付け方法において、前記フラックス混合物に、60重量
%以下の金属及び/又は合金からなる混合物が添加され
ているものを用いる構成のアルミニウム部材のろう付け
方法である。
【0059】このように、本発明の方法は、通常、部材
表面の酸化膜の清浄化・再酸化防止のために塗布される
フラックスを用いて、アルミニウム部材の接続部同士を
接合することができるため、製造コストの低減、設計自
由度の向上を図ることが可能となる。
【0060】また、フッ化ケイ素化合物及びフッ化物か
らなるフラックス混合物に、60重量%以下の金属及び
/又は合金の混合物を添加すると、この混合物中の金属
と析出Siによっても金属−Si共晶ろう材相が形成さ
れるため、生成ろう材相の量が増大し、また、未反応S
iを低減するため、黒色残滓を低減した良好な外観を有
する、ろう付けを行うことが可能となる。
【0061】本願第14請求項に記載の発明は、非腐食
性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物とするフ
ラックス混合物をアルミニウム部材の接続部表面に塗布
し、非酸化性雰囲気中で加熱して、前記混合物中のSi
を析出させた後、アルミニウム部材から析出するAlと
反応させて、Al−Si共晶液相となるろう材相を生成
し、前記アルミニウム部材の接続部同士を接合するアル
ミニウムのろう付け方法において、前記フラックス混合
物に、40重量%以下の金属及び/又は合金からなる混
合物及び10重量%以上30重量%以下のフッ化アルミ
ニウム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化合物が添
加されているものを用いるアルミニウム部材のろう付け
方法である。
【0062】このように、本発明の方法は、通常、部材
表面の酸化膜の清浄化・再酸化防止のために塗布される
フラックスを用いて、アルミニウム部材の接続部同士を
接合できるため、製造コストの低減、設計自由度の向上
を図ることが可能となる。
【0063】また、フッ化ケイ素化合物及びフッ化物か
らなるフラックス混合物に、40重量%以下の金属及び
/又は合金からなる混合物及び10重量%以上30重量
%以下のフッ化アルミニウム及びフッ化カリウムからな
る共晶化合物が添加されると、前記混合物の金属の存在
と、共有化合物添加によるフラックス混合物の融点降下
によって、フラックス混合物中から析出するSiの反応
性が向上し、未反応Siを低減して、未反応Siに起因
する黒色等残滓の発生を防止して、Al−Si共晶及び
金属−Si共晶からなるろう材相量を増大して、良好な
ろう付け性を得ることが可能となる。
【0064】本願第15請求項に記載した発明は、アル
ミニウム部材から形成される熱交換器において、非腐食
性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物とするフ
ラックス混合物に10重量%以上30重量%以下のフッ
化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化
合物が添加され、前記フラックス混合物を熱交換器を構
成するアルミニウム部材の接続部表面に塗布し、非酸化
性雰囲気中で加熱して、該混合物中のSiを析出させ、
熱交換器を構成するアルミニウム母材表面と反応させ
て、Al−Si共晶ろう材相を生成し、前記アルミニウ
ム部材の接続部同士を接続した構成の熱交換器である。
【0065】本願第16請求項に記載した発明は、アル
ミニウム部材から形成される熱交換器において、非腐食
性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物とするフ
ラックス混合物に、金属及び/又は合金からなる混合物
が添加され、前記フラックス混合物を熱交換器を構成す
るアルミニウム部材の接続部表面に塗布し、非酸化性雰
囲気中で加熱して、該混合物中のSiを析出させ、熱交
換器を構成するアルミニウム母材表面と反応させて、金
属−Si共晶ろう材相及びAl−Si共晶ろう材相を生
成し、前記アルミニウム部材の接続部同士を接続した構
成の熱交換器である。
【0066】本願第17請求項に記載した発明は、アル
ミニウム部材から形成される熱交換器において、非腐食
性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物とするフ
ラックス混合物に、40重量%以下の金属及び/又は合
金からなる混合物及び10重量%以上30重量%以下の
フッ化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる二元共
晶化合物が添加され、前記フラックス混合物を熱交換器
を構成するアルミニウム部材の接続部表面に塗布し、非
酸化性雰囲気中で加熱して、該混合物中のSiを析出さ
せ、熱交換器を構成するアルミニウム母材表面と反応さ
せて、金属−Si共晶ろう材相及びAl−Si共晶ろう
材相を生成し、前記アルミニウム部材の接続部同士を接
続した構成の熱交換器である。
【0067】このように、フッ化ケイ素化合物及びフッ
化物からなるフラックス混合物に、フッ化アルミニウム
及びフッ化カリウムからなる二元共晶化合物、及び、金
属及び/又は合金からなる混合物を添加したフラックス
混合物及びろう付け方法によれば、前記混合物の添加に
よって、フラックス混合物の融点を降下してフラックス
混合物中から析出するSiの反応性を向上し、また、ア
ルミニウム部材から析出するAlのみならず、金属及び
/又は合金からなる金属とも析出Siが反応するため、
未反応Siを低減し、Al−Si共晶ろう材相及び金属
−Si共晶ろう材相を生成することができ、ろう付け性
の向上により、良好なろう付け強度が確保された熱交換
器を得ることが可能となる。
【0068】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体例を詳細に説
明する。
【0069】本例は、非腐食性であるフッ化ケイ素化合
物及びフッ素化合物の混合物を用いてアルミニウム材の
ろう付けを行っている。
【0070】非腐食性フラックスの基本組成として用い
られているKSiFは、次の式に表されるように、
Siを析出しているものと考えられる。
【0071】3KSiF+4Al=3Si+2KA
lF+2KAlF 前記反応式から、フッ化ケイ酸カリウム中のSiが母材
のアルミニウム板上に析出するものと考えられる。
【0072】<実験1>まず、非腐食性フラックスであ
るKSiF及びAlFの混合物からなるフラック
スをアルミニウム板(3003系)上に塗布し、600
℃〜610℃の炉中で加熱した。
【0073】図1は、本例の試験に用いた小型管状炉の
概略構成を示す図である。
【0074】図1に示すように、加熱は、外径60m
m、内径54mm、全長1000mmの小型管状炉1で
あり、炉中雰囲気として、流量3〜5リットル/min
の窒素ガスを導入して行った。炉内雰囲気中の酸素濃度
は0.01%以下であった。
【0075】なお、図中2は試験試料、3は酸素センサ
ー、4は熱伝対、5は窒素ガス導入口、6は炉を構成す
る石英管、7は発熱体を示す。8は、試料2を保持する
試料台である。
【0076】本実験例においては、縦30mm×横30
mm×高さ1mmの大きさのアルミニウム板(3003
系)にKSiF及びAlFフラックス混合物0.
05gを秤量し、分散材によって前記アルミニウム板上
に均一に塗布した。また、比較として、従来用いられて
いる酸化被膜を除去するために用いられるフラックスを
前記アルミニウム板上に同様に塗布し、前記フラックス
混合物と、従来のフラックスを塗布したアルミニウム板
を600℃の窒素雰囲気中で加熱し、加熱後の状態を観
察した。
【0077】その結果、従来のフラックスは、加熱によ
って溶融しているが、溶融したフラックスから金属析出
は認められず、別にろう材を供給しなければ、接続部同
士を接続するろう付けを行うことができないことが確認
された。
【0078】一方、KSiF及びAlFからなる
フラックス混合物は、フラックス混合物が溶融すると同
時にSiの析出が行われていることが確認された。
【0079】図2にKSiF及びAlFからなる
フラックス混合物を加熱溶融した後のフラックス混合物
の拡大写真を示す。
【0080】図2に示すように、Siの灰色の結晶が析
出していることが確認でき、更に、析出Siが母材のA
lと反応して、Al−Si共晶液相となって、母材Al
の結晶粒に添って流れている状態を観察することができ
る。
【0081】従って、KSiF及びAlFのフラ
ックス混合物から析出したSiと、母材アルミニウムか
ら析出したAlによって、Al−Si共晶液相が生成さ
れ、この液相がろう材相として結晶化することにより、
ろう付けされることが確認できる。このように、K
iF及びAlFのフラックス混合物から析出するS
iと、アルミニウム部材から析出するAlによって形成
される共融混合物がろう材相を形成して、新たにろう材
を供給したり、ろう材層が被覆されたブレージングシー
トを用いることなく、アルミニウム部材の接続部同士が
ろう付けされることが確認できた。
【0082】しかし、KSiF及びAlFからな
るフラックス混合物において、KSiF自体の融
点は750℃と比較的高いため、600℃前後のろう付
け温度まで、融点を降下させるためには、AlFの添
加割合を厳重に管理する必要がある。
【0083】また、フラックス混合物が溶融した、共晶
中には、黒色又は褐色の残滓が依然として存在している
ことも確認され、良好なろう付けが得られないという問
題も残っている。
【0084】更に、良好なろう付けを行うためには、フ
ィレット形成能を向上し、ろう材相量を増大する必要が
ある。また、良好なろう付け性を得るためには、母材の
濡れ性が問題となり、広範囲で均一な濡れ性が必要とさ
れている。 <実験2>まず、ろう付け温度である600℃前後ま
で、フラックス混合物の融点を降下させるため、フラッ
クス混合物であるKSiF及びAlFの組成を変
化させて、加熱後の共融混合物の状態を確認した。結果
を表1に示す。
【0085】
【表1】 表1(1)に示すように、AlFを全く添加しない
と、フラックス混合物が溶融しない。表1(2)乃至
(5)に示すように、10重量%〜40重量%のAlF
を添加すると、AlFの添加量が少ないほど、すな
わち、フラックス混合物中のKSiF量が多い程、
混合物中から析出するSi量が増大する。一方、AlF
の添加量が少ないと、アルミニウム部材表面に現れる
黒色又は茶褐色残滓が増大することが確認できる。
【0086】従って、AlFの添加量が多いと、黒色
又は茶褐色残滓のなく、溶融後の外観が良好となる一
方、析出Si量が減少する。
【0087】実際観察した結果、AlF添加量が30
%以上となると、黒色又は茶褐色の残滓は少なくなる
が、Si析出量が減少してしまうことが確認できる。
【0088】このため、AlF添加量を15Wt%〜
25Wt%の範囲で変えてみると、顕著な差異は認めら
れなかった。
【0089】従って、KSiF及びAlFの混合
割合としては、KSiFが70Wt%〜90Wt%
及びAlFが10Wt%〜30Wt%程度が適切であ
ると考えられる。 <実験3>次に、良好と思われるKSiF80Wt
%ーAlF20Wt%組成の混合物(以下「混合物
A」と称する。)を用いて、黒色又は茶褐色の残滓を減
少させる実験を試みた。フラックス混合物Aから析出す
る黒色又は茶褐色の残滓を減少させるために、フッ化ア
ルミニウム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化合物
を10Wt%〜30Wt%の範囲で添加し、前記フラッ
クス混合物をアルミニウム板の表面に塗布して600℃
の窒素雰囲気中で加熱溶融後の混合物の状態を観察し
た。
【0090】図3(a)は、混合物Aのみをアルミニウ
ム板に塗布して加熱した後の共融混合物の状態を示し、
図3(b)は、混合物Aにフッ化アルミニウム及びフッ
化カリウムからなる二元共晶化合物を20重量%添加し
た混合物(以下「混合物B」と称する。)をアルミ板に
塗布して加熱した後の混合物の状態を示す。
【0091】図3(a)及び図3(b)を比較すると、
SiF及びAlFのみからなる混合物Aの加熱
後の状態(図3(a))と比較して、フッ化アルミニウ
ム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化合物が添加さ
れた混合物Bの加熱後の状態(図3(b))は、中心部
においては黒色残滓の存在が認められるものの、外周部
において黒色残滓が減少していることが確認できる。従
って、フッ化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる
二元共晶化合物を添加することにより残滓除去の改善が
認められた。
【0092】ここで、混合物A加熱後の混合物に認めら
れる黒色又は茶褐色残滓は、混合物Aから析出するSi
が未反応で残存するためと考えられる。すなわち、混合
物Aの融点が比較的高いため、析出Siが混合物Aより
も融点の低いアルミニウム部材のAlと十分に反応せ
ず、未反応Siとして残存してしまうためと考えられ
る。
【0093】そこで、フッ化アルミニウム及びフッ化カ
リウムの二元共晶化合物を、混合物Aに添加することに
より、フラックス混合物の融点が降下し、析出Siの反
応性が向上して、残滓の起因となる未反応Siが減少す
るため、残滓が低減されるものと考えられる。
【0094】フッ化アルミニウム及びフッ化カリウムか
らなる二元共晶化合物の溶融温度は、570℃〜590
℃であり、共晶化合物を混合物Aに添加すると、フラッ
クス混合物の融点が降下する。また、フッ化アルミニウ
ム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化合物は、加熱
溶融後、KAlF、KAlF・5HO、KAl
.AlF等の化合物形態となって共晶ろう材相に
関与するものと想定される。
【0095】ここで、フッ化アルミニウム及びフッ化カ
リウムからなる共晶化合物の添加量が10%未満である
と、目的とする程度まで、混合物Bの融点が降下しな
い。また、フッ化アルミニウム及びフッ化カリウムから
なる共晶化合物の添加量が30重量%よりも多いと、S
i析出量が低減し、十分なろう材相の生成が行われてな
いため、フラックス混合物によってろう付けを行う目的
には、適合しないことが確認できた。
【0096】従って、KSiF及びAlFからな
る混合物Aに添加するフッ化アルミニウム及びフッ化カ
リウムの二元共晶化合物の添加量は、10重量%以上3
0重量%以下が適すると思われる。
【0097】<実験4>次に、前記混合物Bを用いて、
熱交換器のフィンのろう付けを行い、フィレット形成及
びろう付け強度の評価を行った。
【0098】評価方法として、アルミニウム板(300
3系)に所定量の混合物Bを塗布し、10山からなるフ
ィン材を前記フラックスが塗布されたアルミ板2枚の間
に挟み、治具によって固定し、600℃〜610℃、1
2分〜13分程度の加熱を行った後、フィレットの形状
を観察した。
【0099】まず、試験片であるアルミニウム板に塗布
するフラックス量の検討を行った。
【0100】結果を表2に示す。
【0101】
【表2】 また、図4(1)乃至(5)に混合物Bの塗布量を40
g/m〜200g/mの範囲で変化させた場合に、
フィン材及びアルミ板間に形成されるフィレットの側面
図を示す。
【0102】図4(1)乃至(5)中、9はフィン材、
10はアルミ板、11はろう材相によって形成されるフ
ィレットを示す。
【0103】表2の結果及び図4(1)から(5)に示
すように、混合物Bの塗布量が増大すると、形成される
フィレットの大きくなることが確認できた。
【0104】また、混合物B塗布量が160g/m
上で有ると、良好なフィレット生成量となるが、160
g/m以下では良好なフィレット形成量とならないこ
とが確認できた。
【0105】ここで、フラックス混合物の塗布量が増大
すると、フラックス混合物中から析出したSiが未反応
のまま残るため、残滓が増加する傾向にある。また、コ
スト的にもろう付け時に塗布するフラックス量は少ない
方が好ましい。 <実験5>そこで、次に、塗布するフラックス量を低減
して良好なろう付け性を得るため、混合物Bに、金属及
び/又は合金からなる混合物を添加して、加熱溶融後の
共融混合物の状態を評価した。
【0106】本例においては、金属として、アルミニウ
ムを用いた。
【0107】混合物Bに所定割合でAlを添加して、加
熱溶融後の共融混合物の状態を観察した結果を表3に示
す。
【0108】なお、本例においては、Alの添加割合の
み示したが、Al及び/又は合金(例えば、Al−Si
合金)についても同様の結果が得られると考えられる。
【0109】
【表3】 表3に示す結果から、混合物B添加するAl及び/又は
Al−Si合金の添加量として、40重量%以下である
と、ろう材相の改善を図ることが可能であることが確認
できた。
【0110】Al及び/又はAl−Si合金を40重量
%よりも多く添加すると、析出するSi量が低下するた
め、生成されるAl−Si共晶及び金属−Si共晶のろ
う材相が低減し、良好なろう付け性を得ることが困難と
なる。
【0111】ここで、混合物Bに金属及び/又は合金か
らなる混合物を添加したのは、フラックス混合物から析
出するSiが、アルミニウム部材のAlと反応してAl
−Si共晶ろう材相を生成するのみならず、添加した金
属及び/又は合金の金属とも反応して金属−Si共晶ろ
う材相を生成し、生成される共晶液相量を増大して、ろ
う付け性の改善を図るためである。
【0112】すなわち、フラックス中から析出するSi
は、アルミニウム部材のAlと拡散反応して、共晶液相
を形成し、この液相がろう材相となって、ろう付けが行
われると想定されるが、同時にアルミニウム部材へ拡散
しきれなかった析出Siは、未反応Siとなって残滓が
発生すると想定される。従って、フラックス混合物中
に、金属及び/又は合金からなる混合物を添加すれば、
析出Siは、優先してフラックス混合物中の金属及び/
又は合金と反応し、生成する液相量を増大させてろう付
け性の改善を図ることが可能となると想定される。
【0113】また、金属及び/又は合金からなる混合物
を添加したのは、本例で金属として用いるAlは、融点
が660℃であり、一方、Al−Si合金の融点は、5
77℃であることから、Alのみを添加する場合より
も、フラックス混合物の融点が降下し、析出Siの反応
性が向上したためと思われる。 <実験6>次に、混合物Bに、金属及び合金からなる混
合物を添加したフラックス混合物のろう付け性の改善を
図るため、添加する金属及び/又は合金混合物の平均粒
度を変化して、加熱溶融後の共融混合物の状態を確認し
た。
【0114】本例においては、平均粒度45μm〜15
0μm、平均粒度45μm及び平均粒度10μmを超え
ないもの、3種類の平均粒度を有するAl及びAl−S
i合金からなる混合物を用いて、加熱溶融後の共融混合
物の状態を観察した。
【0115】本例においては、実験1と同様に、縦30
mm×横30mm×高さ1mmの大きさのアルミニウム
板(3003系)に各平均粒度のAl及びAl−Si合
金の混合物を添加したフラックス混合物を0.05gを
前記アルミニウム板上に塗布し、600℃の窒素雰囲気
中で加熱し、加熱後の共融混合物の状態を観察した。
【0116】結果を表4に示す。
【0117】
【表4】 表4に示すように、Al及びAl−Si合金の平均粒度
が45μm以下であると、加熱後の濡れ性は良好であっ
た。
【0118】図5(a)に、平均粒度45μm以下のア
ルミニウム及びAl−Si合金を添加したフラックス混
合物の加熱後の共融混合物状態、図5(b)に平均粒度
45μm〜150μmのアルミニウム及びAl−Si合
金を添加したフラックス混合物の加熱後の共融混合物状
態の顕微鏡写真を示す。
【0119】図5(a)に示すように、平均粒度45μ
m以下のアルミニウム及びAl−Si合金を添加したフ
ラックス混合物は、析出SiとAlが完全に溶け合い、
完全な共晶組織を形成し、良好な濡れ性を得ていること
が確認できる。一方、平均粒度45μm〜150μmの
Al及びAl−Si合金を添加したフラックス混合物
は、Si及びAlが完全に共晶せず、未反応Si、Al
が残存し、濡れにむらができていることが確認できる。
【0120】従って、フラックス混合物に添加する金属
及び合金混合物の平均粒径は、45μm以下であると、
析出Siと完全な共晶液相を形成して、ろう付け性の向
上を図ることが可能であることを確認できた。
【0121】すなわち、金属又は合金の粒径を平均粒度
45μm以下であると、析出Siと反応する表面積が大
きくなり、Siの拡散速度が促進するため、反応性が向
上し、低融点で金属−Si共晶ろう材相が形成される。
【0122】なお、平均粒度10μm以下のAl及び/
又はAl−Si合金を添加した場合、濡れ性は良好であ
ったが、共融混合物中に黒色又は茶褐色の残滓が存在す
ることが確認された。これは、平均粒度が細かくなった
ことにより、金属及び合金混合物中にふくまれる酸素量
が増大したためと思われる。
【0123】平均粒度が45μm以上であると、酸素含
有量0.3〜0.4%程度であるが、平均粒度が10μ
m以下であると、酸素含有量は、1%程度となる。
【0124】前述のように、平均粒度が細かい方が、表
面積が増大し、Siの拡散速度が促進するため、反応性
が向上するが、一方で平均粒度が細かくなると、混合物
中に含有される酸素量が増えるため、フラックス混合物
に添加する金属及び/又は合金混合物の平均粒度は45
μm以下であり、かつ、酸素含有量量が1%以下である
ものが望ましい。 <実験7>また、平均粒度45μm〜150μm、平均
粒度45μm及び平均粒度10μmを超えないもの、3
種類の平均粒度を有するAl及び/又はAl−Si合金
からなる混合物を、前記混合物Bに添加したフラックス
混合物のろう付け性の確認を行った。
【0125】本例のろう付け性確認試験は、図6に示す
ように、アルミニウム板(3003系)12に一定量の
フラックスを全面塗布し、その上にもう一つのアルミニ
ウム板(3003系)13を逆T型に組み合わせた試験
片を、600℃〜610℃で12分から13分程度加熱
を行った後、溶融後の混合物状態及びアルミニウム板1
2及び13間に形成されるフィレット14の生成状態の
確認を行った。
【0126】本試験においては、フラックス塗布量をな
るべく減少させるため、混合物Bを0.04gに、Al
及びAl−Si合金の混合物を0.01g添加した、合
計で0.05g(100g/m)のフラックス混合物
を塗布した。
【0127】結果を表5及び図7に示す。
【0128】
【表5】 図7(1)乃至(4)は、表5(1)乃至(4)の組成
のフラックス混合物を逆T字試験片に塗布し、600℃
加熱した後の共融混合物の状態を示す写真である。
【0129】表5及び図7に示すように、混合物Bのみ
を塗布した試験片には、茶褐色残渣がはっきりと認めら
れ(表5(1)、図7(1))、平均粒度45μm〜1
50μm以下のAl及びAl−Si合金を塗布した試験
片は、混合物Bのみを塗布した試験片と比較して黒色残
渣は減少しているもの、共晶液相の周辺に、黒色残渣が
認められる(表5(4)、図7(4))。
【0130】平均粒度45μm以下のAl及びAl−S
i合金を塗布した試験片は、黒色残渣がなく、良好な濡
れ性を示していることが確認できた(表5(2)及び
(3)、図7(2)及び(3))。
【0131】図8は、前記平均粒度45μm以下のAl
及びAl−Si合金を塗布した逆T字に組み合わせた試
験片(アルミニウム板)間に形成されるフィレット部分
の拡大図である。
【0132】図8に示すように、混合物Bに20重量
%、平均粒度45μm以下のAl及びAl−Si合金の
混合物を添加することにより、フラックス混合物塗布量
0.05g(100g/m)で、良好なフィレット形
成能を示すことが確認できた。
【0133】従って、Al及びAl−Si合金を混合物
Bに添加したフラックス混合物は、塗布量100g/m
で、混合物Bのみからなるフラックス混合物を160
g/m以上塗布した場合と同様の良好なフィレットが
形成あれ、ろう付け性が改善されていることが確認でき
る。 <実験8>また、混合物Bと、前記混合物Bに20重量
%、平均粒度45μm以下のAl及びAl−Si合金を
添加した混合物Cの各塗布量におけるフィレットの形成
面積の確認を行った。
【0134】実験8と同様に、アルミニウム板(300
3系)に所定量の混合物B又は混合物Cを全面塗布し、
その上に他のアルミニウム板(3003系)を逆T型に
組み合わせた試験片を、600℃〜610℃で12分か
ら13分程度加熱を行った後、形成されるフィレット面
積を測定した。
【0135】結果を図9に示す。図9は、各フラックス
混合物塗布量と、フィレット面積の変化を示し、図中B
は、フラックス混合物Bを各量塗布した場合に形成され
るフィレット面積、図中Cは、フラックス混合物Cを各
量塗布した場合に形成されるフィレット面積を示す。
【0136】図9に示すように、混合物Bと混合物Cを
比較すると、混合物Cの方が、形成されるフィレット面
積が大きく、フィレット形成能の増大により、良好なろ
う付け性を示すことが確認できた。
【0137】すなわち、混合物Bに金属及び/又は合金
を添加した混合物Cは、フラックス混合物中から析出す
るSiが、同じくフラックス混合物中の金属と優先的に
共晶液相となり、生成されるろう材相量が増大し、金属
及び/又は合金が添加されていない混合物Bよりも、フ
ィレット形成能が大きくなり、良好なろう付け性を示す
ものと考えられる。 <実験9>次に、混合物Bに、20重量%、平均粒度4
5μm以下(酸素含有量1%以下)のAl及びAl−S
i合金混合物を添加した混合物Cを用いて、熱交換器の
フィンのろう付けを行い、フィレット形成及びろう付け
強度の評価を行った。
【0138】評価方法として、アルミニウム板(300
3系)に100g/mの混合物Cを塗布し、10山か
らなるフィン材を前記フラックスが塗布されたアルミニ
ウム板2枚の間に挟み、治具によって固定し、600℃
〜610℃、12分〜13分程度の加熱を行った後、フ
ィレットの形状を観察した。
【0139】結果を図10に示す。図10は、フィン1
及びアルミ板2の間に、混合物Cの共晶ろう材相によっ
て形成されたフィレット4の状態を示す側面図である。
【0140】図10に示すように、フラックス混合物C
を100g/m塗布してフィンのろう付けを行うと、
フラックス混合物Bを160g/m以上塗布した場合
(図4(4)及び(5)参照)と同程度の良好なフィレ
ット形成能を示すことが確認できた。また、図示を省略
したが、混合物Cを用いて、フィンのろう付けを行う
と、黒色又は茶褐色残滓のない外観上良好なろう付け性
を示すことが確認できた。
【0141】<実験10>次に、フラックス混合物Cを
用いてろう付けを行った場合のろう付け強度の評価を行
った。
【0142】評価方法として、アルミニウム板(300
3系)に100g/mの混合物Cを100g/m
布し、10山からなるフィン材を前記フラックスが塗布
されたアルミニウム板2枚の間に挟み、治具によって固
定して、600℃〜610℃、12分〜13分程度の加
熱し、ろう付けされたフィン及びアルミニウム板の破壊
試験を行った。
【0143】破壊試験の結果、フラックス混合物Cを塗
布したフィン及びアルミニウム板は、100%フィン材
が破壊され、フィンとアルミニウム板が接続するろう付
け部分の破壊が確認されなかったため、ろう付け強度に
は問題がないことが確認できた。
【0144】一方、比較試験として混合物Bをアルミニ
ウム板に塗布し、同様にフィンをろう付けした後、破壊
試験を行うと、一部にフィンが未溶着となっている部分
や、フィンとアルミニウム板が接続するろう付け部分の
破壊が確認された。
【0145】<実験11>次に、混合物Aにフッ化アル
ミニウム及びフッ化カリウム混合物からなる二元共晶化
合物を添加せず、混合物Aに金属及び合金混合物のみを
添加した混合物Dの加熱溶融後の共融混合物の状態を確
認した。
【0146】本例においては、実験1と同様に、縦30
mm×横30mm×高さ1mmの大きさのアルミニウム
板(3003系)に、混合物Aに、20重量%、平均粒
度45μm以下のAl及びAl−Si合金を添加した混
合物Dを100g/m塗布し、600℃の窒素雰囲気
中で加熱し、加熱後の共融混合物の状態を観察した。
【0147】結果として、混合物Dの加熱溶融後の共融
混合物の状態は、フッ化アルミニウム及びフッ化カリウ
ムからなる混合物BにAl及びAl−Si合金を添加し
た混合物Cの共融混合物の状態とほぼ同様であり、析出
SiとAlが完全な共晶液相を形成して、良好な濡れ性
を示していることが確認できた。
【0148】また、共晶となった混合物Dには、黒色又
は茶褐色の残滓を確認されず、外観上良好な共晶ろう材
相を形成することが確認できた。
【0149】混合物Aに添加する金属及び/又は合金の
添加量は、60重量%以上となると、フラックス混合物
から析出するSi量が低減するため、共晶ろう材相量が
減少し、良好なろう付け性を得ることが困難となる。
【0150】このように、従来から用いられている非腐
食性フラックスである混合物Aに、所定組成のフッ化ア
ルミニウム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化合
物、若しくは、金属及び/合金からなる混合物を添加
し、又は混合物Aに所定組成のフッ化アルミニウム及び
フッ化カリウムからなる二元共晶化合物及び金属及び/
合金からなる混合物を添加すると、フラックス混合物の
融点降下により、析出Siと母材Al又は添加混合物中
の金属とフラックス混合物中から析出するSiの反応性
が向上し、未反応Siに起因する残滓の生成を防止し、
外観上良好なろう材相を得ることが可能となる。
【0151】また、フッ化アルミニウム及びフッ化カリ
ウムからなる二元共晶化合物の添加により、フラックス
混合物の融点が降下するため、フラックス混合物から析
出するSiと母材Al又は、析出Siと金属の反応性が
向上し、析出Siが完全に共晶となって、フィレット形
成能を向上し、所定のろう付け強度を確保した共晶ろう
材相を提供でき、ろう付け性の向上が図られる。
【0152】本発明のフラックス混合物によれば、ブレ
ージングシートを用いてアルミニウム部材同士を接合し
た場合と同様に、所定のろう付け強度及びフィレット形
成能が確保されたろう付けを行うことが可能となる。
【0153】また、本発明のフラックス混合物を用いた
ろう付け方法により、ろう付けを行うと、従来用いられ
ていたブレージングシートにおいては、被覆されたろう
材層の溶融により接続部のろう付けが行われ、ろう材層
の溶融によって寸法変化が生じる較差が大きいという問
題があったが、本例のフラックス混合物によれば、ろう
材層溶融による寸法変化の較差が低減し、厳密な寸法制
御が必要なくなり、設計の自由度、歩留まり、組み付け
性が向上する。
【0154】また、従来において金属表面の酸化被膜を
除去するために用いられていたフラックスを用いてろう
付けを行うことが可能となるため、コスト低減が図られ
る。
【0155】なお、本例においては、Al及びAl−S
i合金の混合物を添加したが、Alの一部又は全部を、
Zn、Sn又はInに変えて、犠牲陽極効果を向上さ
せ、ろう付け部分の耐食性の向上を図ることも可能であ
る。
【0156】また、Srを添加すると、フラックス混合
物を微細化する働きにより、析出Siの反応性が向上す
ることが想定される。
【0157】また、Znや銀(Ag)を添加すると、5
重量%〜10重量%の少量の添加でもフィレット形成能
が向上することが確認されている。
【0158】また、Alの代わりにNiやTiを添加す
ると、表面被膜を安定化することができ、ろう付け部分
の耐食性、耐熱性の改善を図ることが可能である。更
に、Al−Si合金の他、Al及びSiの混合物を添加
すると、Al−Si合金の添加と同様に、共晶ろう材相
を増加して、ろう付け性の向上を図ることも考えられ
る。
【0159】また、基本組成となるフッ化ケイ素化合物
の一部を、NaSiF又はZnSiFに代替してす
ることも可能である。
【0160】また、フッ化ケイ素化合物の融点降下を目
的として、AlFを添加したが、AlFの一部を、
ZnF又はLiFに代替して混合物フラックスを形成す
ることも可能である。
【0161】また、アルミニウム部材等によって形成さ
れる熱交換器15(図11)の各部材の接続部のろう付
けに、本例のフラックス混合物を用いると、設計の自由
度、歩留まり、及び組み付け性が向上し、所定のろう付
け強度及び良好なフィレット形成能が確保されたろう付
けを行うことが可能となる。なお、本例においては、積
層型の熱交換器を図示したが、本例に限らず、サーペン
タインタイプの熱交換器や、アルミニウム部材を用いて
形成する他の部品の製造も可能となる。
【0162】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、非腐食
性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物とするフ
ラックス混合物であって、アルミニウム部材の接続部表
面に前記フラックス混合物を塗布し、非酸化性雰囲気中
で加熱して、前記接続部同士を接続するアルミニウム部
材のろう付け用フラックス混合物において、前記フラッ
クス混合物に、10重量%以上30重量%以下のフッ化
アルミニウム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化合
物が添加されているアルミニウム部材のろう付け用フラ
ックス混合物である。
【0163】このように、非腐食性のフッ化ケイ素化合
物及びフッ化物の組成物とするフラックス混合物に、フ
ッ化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる二元共晶
化合物を10重量%以上30重量%以下添加したフラッ
クス混合物を用いると、芯材にろう材層が被覆されたブ
レージングシートを用いることなく、アルミニウム部材
の接続部同士を接合できる。
【0164】フラックス混合物によってアルミニウム部
材の接続を行うと、ブレージングシートのようにろう材
層の溶融による寸法変化の較差が大きくならないため、
設計の自由度、歩留まり及び組み付け性を向上する。ま
た、ろう材を供給することなく、フラックス混合物によ
りろう付けできるため、コスト低減を図ることが可能と
なる。
【0165】また、フラックス混合物に、フッ化アルミ
ニウム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化合物を添
加すると、フラックス混合物の融点が降下し、フラック
ス混合物中から析出するSiの反応性が向上するため、
未反応Siが低減し、フッ化アルミニウム及びフッ化カ
リウムからなる二元共晶化合物を添加しないフッ化ケイ
素化合物及びフッ化物からなるフラックス混合物の溶融
時に確認されていた黒色又は茶褐色の残滓を低減し、外
観上良好な状態で、各アルミニウム部材をろう付けする
ことができ、ろう付け性の改善を図ることができる。
【0166】また、本願発明は、非腐食性のフッ化ケイ
素化合物及びフッ化物を組成物とするフラックス混合物
に、金属及び/又は合金からなる混合物が添加されてい
るフラックス混合物である。
【0167】フラックス混合物中から析出したSiは、
アルミニウム部材のAlのみならず、金属及び合金混合
物中の金属とも反応するため、析出Siの反応性が向上
し、従来において、黒色等残滓の原因とみられていた未
反応Siを低減し、黒色等残滓の発生を防止して、外観
を良好とすることが可能となる。また、フラックス混合
物中から析出するSiとの反応性を向上させて、Al−
Si共晶及び金属−Si共晶からなるろう材相を増大し
て、十分なフィレット形成能を得ることが可能となる。
【0168】また、本願発明は、フッ化ケイ素化合物及
びフッ化物を組成物とするフラックス混合物に60重量
%以下の金属及び/又は合金からなる混合物が添加され
ているアルミニウム部材のろう付け用フラックス混合物
である。
【0169】このように、フッ化ケイ素化合物及びフッ
化物からなるフラックス混合物に、60重量%以下の金
属及び/又は合金の混合物を添加することにより、アル
ミニウム部材のAlと反応により生成されるろう材相の
みならず、添加した金属及び/又は合金の金属とも反応
してろう材相を生成するため、未反応Siを低減し、ろ
う材相量が増大し、未反応Siに起因する黒色等残滓の
発生を防止して外観を良好とし、ろう付け性の向上を図
ることが可能となる。
【0170】また、本願発明は、非腐食性のフッ化ケイ
素化合物及びフッ化物を組成物とするフラックス混合物
に、40重量%以下の金属及び/又は合金からなる混合
物及び10重量%以上30重量%以下のフッ化アルミニ
ウム及びフッ化カリウムからなる二元共晶化合物が添加
されているアルミニウム部材のろう付け用フラックス混
合物である。
【0171】このように、フッ化ケイ素化合物及びフッ
化物からなるフラックス混合物に、40重量%以下の金
属及び/又は合金からなる混合物及び10重量%以上3
0重量%以下のフッ化アルミニウム及びフッ化カリウム
からなる二元共晶化合物が添加されると、前記混合物の
金属、及び共晶化合物の添加によるフラックス混合物の
融点降下によって、フラックス混合物中から析出するS
iの反応性を向上して、未反応Siを低減して、未反応
Siに起因する黒色等残滓の発生を防止し、Al−Si
共晶及び金属−Si共晶からなるろう材相量を増大し
て、ろう付け強度が確保され、フィレット形成能の大き
い、良好なろう付け性を得ることが可能となる。
【0172】また、本願発明は、前記金属又は合金の粒
径が平均粒度45μm以下であるアルミニウム部材のろ
う付け用フラックス混合物である。
【0173】このように、フッ化ケイ素化合物及びフッ
化物を組成物とするフラックス混合物に添加する金属又
は合金の粒径を平均粒度45μm以下とすると、前記フ
ラックス混合物中から析出したSiと反応する表面積が
大きくなり、Siの拡散が促進するため、析出Siの反
応性が向上し、低融点で金属−Si共晶ろう材相が形成
されてろう付け性の向上を図ることが可能となる。ま
た、未反応Siに起因する黒色等残滓の発生を防止し
て、良好なろう付け性を得られる。また、金属及び合金
の粒径が平均45μm以下であり、更に、前記金属及び
合金中に含まれる酸素含有量が1%以下であると、含有
酸素によって析出Siの反応性が妨げられない。
【0174】前記フラックス混合物の組成物であるフッ
化ケイ素化合物は、KSiF、また、フッ化物はA
lFであるアルミニウム部材のろう付け用フラックス
混合物である。
【0175】このように、KSiF及びAlF
組成物とするフラックス混合物をアルミニウム部材の接
続部表面に塗布し、非酸化性雰囲気中で加熱すると、フ
ラックス混合物中からSiが析出し、アルミニウム部材
から析出したAlとAl−Si共晶ろう材相を形成し、
従来のフラックス塗布の目的たる酸化被膜の清浄化のみ
ならず、アルミニウム部材の接続部分を前記Al−Si
共晶ろう材相により接続する。
【0176】このように、本願発明は、フラックス混合
物又はフラックス混合物を用いたろう付け方法を用いる
ことにより、アルミニウム部材を用いた熱交換器等のろ
う付けを行うことができ、ブレージングシート等を用い
ることなく設計の自由度、歩留まり、及び組み付け性を
向上し、コスト低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例に係り、試験に用いる小型管状
炉の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の具体例に係り、試験片にKSiF
及びAlFからなるフラックス混合物を塗布し、加熱
溶融した後の状態を示す図である。
【図3】本発明の具体例に係り、(a)は、混合物Aの
みをアルミ板に塗布して加熱した後の共融混合物の状態
を示し、(b)は、混合物Aにフッ化アルミニウム及び
フッ化カリウムからなる二元共晶化合物を20重量%添
加した混合物Bをアルミ板に塗布して加熱溶融した後の
状態を示す図である。
【図4】本発明の具体例に係り、(1)乃至(5)は、
混合物Bの塗布量を40g/m 〜200g/mの範
囲で変化させた場合に、フィン材及びアルミ板間に形成
されるフィレットの状態を示す側面図である。
【図5】本発明の具体例に係り、(a)は、平均粒度4
5μm以下のアルミニウム及びAl−Si合金を添加し
たフラックス混合物の加熱後の共融混合物の状態を示
し、(b)に平均粒度45μm〜150μmのアルミニ
ウム及びAl−Si合金を添加したフラックス混合物の
加熱後の共融混合物の状態を示す顕微鏡写真である。
【図6】本発明の具体例に係り、ろう付け性の試験のた
めにアルミ材(3003系)を逆T字型に組み合わせた
状態の試験片である。
【図7】本発明の具体例に係り、(1)乃至(4)は、
混合物Bのみ及び混合物Bに20重量%の各平均粒度を
有するアルミニウム及びAl−Si合金を添加し、逆T
字のアルミ板を用いてろう付け性の試験を行った後の共
融混合物の状態を示す図である。
【図8】本発明の具体例に係り、混合物Bに20重量
%、平均粒度45μm以下のアルミニウム及びAl−S
i合金を添加したフラックス混合物を塗布した逆T字に
組み合わせた試験片(アルミ材)間に形成されるフィレ
ット部分の拡大図である。
【図9】本発明の具体例に係り、各フラックス混合物塗
布量と、フィレット面積の変化を示す図である。
【図10】本発明の具体例に係り、フィン及びアルミ板
の間に、混合物Cの共晶ろう材相によって形成されたフ
ィレットの状態を示す側面図である。
【図11】本発明の具体例に係り、前記フラックス混合
物を用いてアルミニウム部材のろう付けを行った熱交換
器の正面図である。
【符号の説明】
1 小型管状炉 2 試験試料 3 酸素センサー 4 熱伝対 5 窒素ガス導入口 6 石英管 7 発熱体 8 試料台 9 フィン 10 アルミニウム板 11 フィレット 12 アルミニウム板 13 アルミニウム板 14 フィレット 15 熱交換器 B 混合物B C 混合物

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非腐食性のフッ化ケイ素化合物及びフッ
    化物を組成物とするフラックス混合物であって、アルミ
    ニウム部材の接続部表面に前記フラックス混合物を塗布
    し、非酸化性雰囲気中で加熱して、前記接続部同士を接
    続するアルミニウム部材のろう付け用フラックス混合物
    において、 前記フラックス混合物に、10重量%以上30重量%以
    下のフッ化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる二
    元共晶化合物が添加されていることを特徴とするアルミ
    ニウム部材のろう付け用フラックス混合物。
  2. 【請求項2】 非腐食性のフッ化ケイ素化合物及びフッ
    化物を組成物とするフラックス混合物であって、アルミ
    ニウム部材の接続部表面に前記フラックス混合物を塗布
    し、非酸化性雰囲気中で加熱して、前記接続部同士を接
    続するアルミニウム部材のろう付け用フラックス混合物
    において、 前記フラックス混合物に、金属及び/又は合金からなる
    混合物が添加されていることを特徴とするアルミニウム
    部材のろう付け用フラックス混合物。
  3. 【請求項3】 前記フッ化ケイ素化合物及びフッ化物を
    組成物とするフラックス混合物に、60重量%以下の金
    属及び/又は合金からなる混合物が添加されていること
    を特徴とする請求項2記載のアルミニウム部材のろう付
    け用フラックス混合物。
  4. 【請求項4】 非腐食性のフッ化ケイ素化合物及びフッ
    化物を組成物とするフラックス混合物であって、アルミ
    ニウム部材の接続部表面に前記フラックス混合物を塗布
    し、非酸化性雰囲気中で加熱して、前記接続部同士を接
    続するアルミニウム部材のろう付け用フラックス混合物
    において、 前記フラックス混合物に、40重量%以下の金属及び/
    又は合金からなる混合物及び10重量%以上30重量%
    以下のフッ化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる
    二元共晶化合物が添加されていることを特徴とするアル
    ミニウム部材のろう付け用フラックス混合物。
  5. 【請求項5】 前記金属は、アルミニウム、亜鉛、ス
    ズ、インジウム、ニッケル、チタン、又はリンのうち少
    なくとも一つであることを特徴とする前記請求項2乃至
    4いずれか記載のアルミニウム部材のろう付け用フラッ
    クス混合物。
  6. 【請求項6】 前記合金は、Al−Si合金の粉末であ
    ることを特徴とする前記請求項2乃至4いずれか記載の
    アルミニウム部材のろう付け用フラックス混合物。
  7. 【請求項7】 前記金属又は合金の粒径が平均粒度45
    μm以下であることを特徴とする前記請求項2乃至請求
    項6いずれか記載のアルミニウム部材のろう付け用フラ
    ックス混合物。
  8. 【請求項8】 前記金属又は合金の粒径が平均粒度45
    μm以下であり、前記金属及び合金からなる混合物中の
    含有酸素量が1%以下であることを特徴とする前記請求
    項2乃至請求項7いずれか記載のアルミニウム部材のろ
    う付け用フラックス混合物。
  9. 【請求項9】 前記フラックス混合物の組成物であるフ
    ッ化ケイ素化合物は、KSiFであり、また、フッ
    化物は、AlFであることを特徴とする前記請求項1
    乃至7記載のアルミニウム部材のろう付け用フラックス
    混合物。
  10. 【請求項10】 前記フラックス混合物の組成は、70
    〜90重量%のKSiF及び10〜30重量%のA
    lFであることを特徴とする前記請求項1乃至8いず
    れか記載のアルミニウム部材のろう付け用フラックス混
    合物。
  11. 【請求項11】 前記フラックス混合物中のフッ化物の
    一部が、ZnF、CaF、CsF、NaF、KF及
    びZrFのフッ化物の少なくとも一つであることを特
    徴とした前記請求項1乃至10いずれか記載のアルミニ
    ウム部材のろう付け用フラックス混合物。
  12. 【請求項12】 非腐食性のフッ化ケイ素化合物及びフ
    ッ化物を組成物とするフラックス混合物をアルミニウム
    部材の接続部表面に塗布し、非酸化性雰囲気中で加熱し
    て、該混合物中のSiを析出させた後、アルミニウム部
    材のAlと反応させて、Al−Si共晶液相となるろう
    材相を生成し、前記アルミニウム部材の接続部同士を接
    続するアルミニウム部材のろう付け方法において、 前記フラックス混合物に、10重量%以上30重量%以
    下のフッ化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる二
    元共晶化合物が添加されていることを特徴とするアルミ
    ニウム部材のろう付け方法。
  13. 【請求項13】 非腐食性のフッ化ケイ素化合物及びフ
    ッ化物を組成物とするフラックス混合物をアルミニウム
    部材の接続部表面に塗布し、非酸化性雰囲気中で加熱し
    て、該混合物中のSiを析出させた後、アルミニウム部
    材のAlと反応させて、Al−Si共晶液相となるろう
    材相を生成し、前記アルミニウム部材の接続部同士を接
    合するアルミニウムのろう付け方法において、 前記フラックス混合物に、金属及び/又は合金からなる
    混合物が添加されているフラックス混合物を用いること
    を特徴とするアルミニウム部材のろう付け方法。
  14. 【請求項14】 非腐食性のフッ化ケイ素化合物及びフ
    ッ化物を組成物とするフラックス混合物をアルミニウム
    部材の接続部表面に塗布し、非酸化性雰囲気中で加熱し
    て、前記混合物中のSiを析出させた後、アルミニウム
    部材のAlと反応させて、Al−Si共晶液相となるろ
    う材相を生成し、前記アルミニウム部材の接続部同士を
    接合するアルミニウムのろう付け方法において、 前記フラックス混合物に、40重量%以下の金属及び/
    又は合金からなる混合物及び10重量%以上30重量%
    以下のフッ化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる
    二元共晶化合物が添加されているフラックス混合物を用
    いることを特徴とするアルミニウム部材のろう付け方
    法。
  15. 【請求項15】 アルミニウム部材から形成される熱交
    換器において、 非腐食性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物と
    するフラックス混合物に10重量%以上30重量%以下
    のフッ化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる二元
    共晶化合物が添加され、 前記フラックス混合物を熱交換器を構成するアルミニウ
    ム部材の接続部表面に塗布し、非酸化性雰囲気中で加熱
    して、該混合物中のSiを析出させ、熱交換器を構成す
    るアルミニウム母材表面と反応させて、Al−Si共晶
    ろう材相を生成し、前記アルミニウム部材の接続部同士
    を接続したことを特徴とする熱交換器。
  16. 【請求項16】 アルミニウム部材から形成される熱交
    換器において、 非腐食性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物と
    するフラックス混合物に、金属及び/又は合金からなる
    混合物が添加され、前記フラックス混合物は、熱交換器
    を構成するアルミニウム部材の接続部表面に塗布し、非
    酸化性雰囲気中で加熱して、該混合物中のSiを析出さ
    せ、熱交換器を構成するアルミニウム母材表面と反応さ
    せて、金属−Si共晶ろう材相及びAl−Si共晶ろう
    材相を生成し、前記アルミニウム部材の接続部同士を接
    続したことを特徴とする熱交換器。
  17. 【請求項17】 アルミニウム部材から形成される熱交
    換器において、 非腐食性のフッ化ケイ素化合物及びフッ化物を組成物と
    するフラックス混合物に、40重量%以下の金属及び/
    又は合金からなる混合物及び10重量%以上30重量%
    以下のフッ化アルミニウム及びフッ化カリウムからなる
    二元共晶化合物が添加され、前記フラックス混合物を熱
    交換器を構成するアルミニウム部材の接続部表面に塗布
    し、非酸化性雰囲気中で加熱して、該混合物中のSiを
    析出させ、熱交換器を構成するアルミニウム母材表面と
    反応させて、金属−Si共晶ろう材相及びAl−Si共
    晶ろう材相を生成し、前記アルミニウム部材の接続部同
    士を接続したことを特徴とする熱交換器。
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