JP2000222005A - プロセスの制御装置 - Google Patents
プロセスの制御装置Info
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Abstract
プロセスに対して、操作量に対応して異なる予測時間に
おける予測値を演算し、それぞれの予測値に基づいて操
作量を決定するので精度が高い制御装置を提供する。 【解決手段】蒸気温度予測コントローラ380には、同
一の制御量に対する操作量をそれぞれ出力する制御器3
20a、320bと、予測値を算出する予測部330
と、その出力である予測値Ysとプラント出力値(制御
量:蒸気温度)Yとのうちいずれか一方を制御器320
にフィードバックするための切替部339と、予測部3
30に含まれる各種モデルのパラメータを調整するため
のパラメータ調整部340とが具備されており、予測部
330は、異なる操作量(燃料流量、減温器スプレ水流
量)に対して予測時間の異なる二つの予測値Ys(t+τ
a),Ys(t+τb)を演算して出力する。
Description
状態を予測し、その予測結果に基づいて操作量を決定し
てプロセスを制御する制御装置に関する。
れが大きいものがある。例えば火力発電プラントでは、
燃料投入量に変更を加えてから主蒸気温度が変化するま
での時間が長く、その時定数は数分〜20分程度である。
偏差(主蒸気温度偏差)が大きくなるという問題があっ
た。
に予測し、その予測値に基づいて操作量を決定する予測
制御方法がある。予測制御方法には、例えば以下の文献
に開示された従来技術がある。
化モデルとむだ時間モデルによりプロセスモデルを構成
して、入力変数を状態観測器により推定し、プロセス量
の将来値を計算する方法が述べられている。
制御方式をプロセスと分散形PID(比例、積分、微分)
制御装置とで構成される制御対象に対して並列に付加し
て適応制御系を構成する方法が記載されている。
を含む複数の制御系を切り替えながら制御する場合に、
制御指令値が大きくずれることなくスムーズに切り替わ
るようにする方法が述べられている。
り、将来のプロセスの状態を予測して先行的に操作量を
決定するため、制御偏差を小さくすることができる。
セスの特性や予測するプロセス量の種類、また、それを
制御するための操作量の種類によって、望ましい予測時
間は異なる。そのため、一つのプロセス量の予測値に基
づいて複数の操作量を決定する場合には、予測制御の効
果が最大限発揮できない場合があった。
作量との関係に応じた予測時間の決定方法に関しては記
載されていない。
を制御するための操作量として燃料流量と蒸気温度減温
器のスプレー水流量などがあるが、燃料に対する蒸気温
度の応答時間よりもスプレー水流量に対する応答時間の
方が短い。そのため、制御量である蒸気温度の予測時間
を例えば燃料に合わせて設定すると、スプレー水流量を
効果的に決定できない。
御量に対して複数の操作量を有する制御対象を精度良く
制御することができるプロセスの制御装置および方法を
提供することにある。
に本発明は、制御対象とすべきプロセス量(被制御量)
の将来の値を予測する予測手段と、該予測手段から出力
される予測値に基づいて前記被制御量を制御するために
操作するプロセス量(操作量)を決定する操作量算出手
段とを有するプロセスの制御装置または制御方法におい
て、単一の被制御量に対して複数の操作量が存在する場
合に、前記予測手段は、同一の被制御量に対して、予測
時刻および予測時間間隔のうち少なくとも一方が異なる
複数の予測値を演算して出力し、前記操作量算出段は、
前記複数の予測値を用いて前記複数の操作量をそれぞれ
決定することを特徴としている。
うち前記被制御量に対しての時定数が小さい方の操作量
を決定する前記操作量算出手段と等価またはその入出力
特性を模擬した制御器モデルを少なくとも含んで構成す
ることが好ましい。
セスに関する制御信号または操作量のうち少なくとも一
方と被制御量であるプロセス量との関係を模擬したプロ
セスモデルと、例えば前記操作量算出手段と等価または
その入出力特性を模擬した制御器モデルとを備える構成
としてもよい。
した制御性能評価値に基づいて対応する操作量に対して
複数の予測時間をそれぞれ決定する予測時間決定手段も
さらに備える構成としてもよい。
した制御性能評価値に基づいて前記制御器モデルや前記
プロセスモデルのパラメータ値を設定するパラメータ設
定手段をさらに具備すればなお良い。
は、火力発電プラントの蒸気温度の将来値を予測する予
測手段と、該予測手段の出力値である蒸気温度予測値に
基づいて前記火力発電プラントの燃料流量、蒸気温度減
温器スプレ流量、再循環ガス流量およびガス分配ダンパ
開度のうち少なくとも一つを操作量として決定する、一
つまたは複数の操作量算出手段とを有する火力発電プラ
ントの制御装置または方法において、同一位置における
蒸気温度に対して、予測時刻および予測時間間隔のうち
少なくとも一方が異なる複数の予測値を演算し出力し、
前記出力された複数の予測値を用いて前記燃料流量、前
記蒸気温度減温器スプレ流量、前記再循環ガス流量およ
び前記ガス分配ダンパ開度のうち2つ以上の操作量を決
定することを特徴とする。
の制御装置または方法においては、燃焼ガス温度の推定
値と蒸気温度測定値とを少なくとも用いて、該蒸気温度
を測定した時刻以降の蒸気温度と前記熱交換器の伝熱管
温度とを推定すると共に、所定時間経過後の蒸気温度を
予測する際には、推定した前記蒸気温度と推定した伝熱
管温度とを使用するものであって、前記燃焼ガス温度
は、前記時刻以前の前記伝熱管温度推定値と前記時刻以
降の蒸気温度の測定値とを少なくとも使用して算出する
構成としてもよい。
法は、廃棄物焼却プロセスに対しても、火力発電プラン
トと同様に適用することができる。ただしこの場合、前
記被制御量は、廃棄物焼却プロセスに係わる排出ガス中
のCO(一酸化炭素)濃度、塩化フェノール濃度、窒素酸
化物濃度、およびダイオキシン類濃度のうち少なくとも
一つであり、前記操作量は、焼却炉への廃棄物の投入
量、該焼却炉内の搬送速度、乾燥用空気流量、燃焼用空
気流量、空気温度、および燃焼ガス無害化処理用の薬剤
投入量のうちいずれかを少なくとも含むものである。
て説明する。
ントの蒸気温度予測制御に適用した例について述べたも
のである。以下、図を参照して説明する。
0の基本構成の一例を図2に示す。
おいては、ボイラ150で燃料と空気をバーナー160
に供給して燃焼させ、給水ポンプ140により循環する
供給水を火炉水壁152で蒸発させる。さらに過熱器1
54で昇温して過熱状態となった蒸気はタービン加減弁
121を介して高圧タービン130に導かれて高圧ター
ビン130を駆動する。高圧タービンを通過した蒸気は
再熱器156で再び昇温されて低圧タービン120に入
る。高圧タービン130および低圧タービン120の回
転により発電機110で電力を発生させる。
蒸気、低圧タービン120入口の蒸気を再熱蒸気と称す
る。主蒸気及び再熱蒸気の温度を制御する目的で、過熱
器154と再熱器156の入口に過熱器減温器154a
と再熱器減温器156aがある。減温器154a,156
aには給水ポンプ140通過後の低温の水が導かれ、減
温器スプレ水量調節弁154b及び156bをそれぞれ介
して高温の蒸気中に注入する構造になっている。
熱蒸気温度が設定値を超えた場合にのみ作動する。
させるためのガス再循環ファン142が設けられてお
り、これも蒸気温度を調整する手段の一つとなってい
る。
との間に隔壁を設けてガスの流路を二分し、それぞれの
ガス流量の配分を調整するガス分配ダンパが設けられて
いる場合もある。この場合は、ガス分配ダンパも蒸気温
度の調整手段となる。
にもタービンを駆動後の蒸気を冷却水126により冷却
する復水器125や燃焼排ガス処理装置170などの機
器もある。排ガス処理装置170を通過したガスは煙突
175から大気へ放出される。
測定器111、主蒸気温度(過熱器出口蒸気温度)測定
器122、過熱器入口蒸気温度測定器127、主蒸気圧
力測定器123、再熱蒸気(再熱器出口蒸気温度)温度
測定器124、再熱器入口蒸気温度測定器124a等の
データ測定装置で計測され、運転制御装置300へ伝送
される。プラントには、この他にも種々のプロセス量を
計測するための装置が取り付けられており、それらによ
る計測値も運転制御装置300で取込んでいる。ここで
は、それらの詳細な説明は省略する。
ータを基にして、プラントの運転状態を把握し、プラン
トが望ましい状態になるように燃料流量調節弁162、
空気流量調節弁161、タービン加減弁121、給水ポ
ンプ140などの機器を制御している。
時間が比較的長い制御量があり、この制御は一般に難し
いとされている。そこで、主蒸気温度及の制御に、本発
明の特徴である予測制御技術を適用する。
が遅いプロセス値に対して、その将来の挙動を予測し、
先行的に操作量を決定することにより、制御精度を向上
させることである。
る。図3に示すように、マスタ制御部370とそれに基
づくサブループ制御部390とで構成されている。マス
タ制御部370は通常制御コントローラ375と、本発
明を適用している蒸気温度予測制御コントローラ380
とに分かれている。マスタ制御部370では、負荷指令
信号に基づく各種操作量指令信号を作成し、その値に蒸
気温度、蒸気圧力、ガスO2濃度などの測定値に基づく補
正を加えて操作量を決定する。
御コントローラ391、給水ポンプコントローラ39
2、燃料流量調節弁コントローラ393、押込みファン
コントローラ394、誘引ファンコントローラ395、
スプレ流量コントローラ396、ガス再循環流量コント
ローラ397がある。
ットワーク400に接続されており、信号の授受が可能
である。サブループ制御部390の各コントローラから
の出力は、プラント100の各アクチュエータ101に
送られ、機器を操作する。
ードウエア構成になっている。外部入力インターフェイ
ス301、出力インターフェイス302を介して信号伝
送ネットワーク400と接続されている。受信した信号
を必要に応じて記憶装置303にストアーしながら、演
算処理装置304にて各種指令信号を演算・生成する。
指令信号は出力インターフェイスを介して制御対象へ送
られる。
はキーボード930とマウス940とから成る外部入力
装置900及びデータ記憶装置500が接続されてい
る。また出力インターフェイス302には画像表示装置
910と磁気ディスク装置950が接続されており、運
転員とのインターフェイスとして機能する。
トローラ380について、図1を用いて説明する。蒸気
温度予測コントローラ380には、予測部330とその
出力である予測値Ysとプラント出力値(制御量:蒸気温
度)Yとのうちいずれか一方を制御器320にフィード
バックするための切替部339とパラメータ調整部34
0とが具備されている。なお、予測制御を行わない場合
は、切替部339で蒸気温度Yを選択し、燃料流量及び
スプレ水流量の両方に対して蒸気温度の現在の測定値を
出力する。
は、燃料流量に対する操作量指令値Uaと減温器スプレ水
流量に対する操作量指令値Ubがある。操作量指令値Uaは
負荷指令に基づいてユニットマスタ315で操作量基準
値を生成し、その値と制御量Yの測定値または予測値Ys
と目標値Rsとの偏差に基づくPI(比例・積分)制御器3
20aの出力値との和として算出される。
予測値Ysと目標値Rsとの偏差に基づいてP(比例)制御
器320bの出力値として算出される。
じであるが、異なる操作量(燃料流量、減温器スプレ水
流量)に対して、予測時間の異なる二つの予測値Ys(t+
τa),Ys(t+τb)を演算して出力するようにしているこ
とである。
作してから蒸気温度にその影響が現れる時間は比較的長
く数分〜20分程度である。これは、燃料の燃焼プロセ
ス、燃焼ガスから蒸気への伝熱プロセス、ガスや蒸気の
流動遅れなどの要因が存在することに起因している。こ
れに対して、もう一方の操作量となる減温器スプレ水は
過熱器154の入口で作用するため、過熱器154の出
口位置での蒸気温度である主蒸気温度へは、数分の範囲
で影響が現れる。
な予測時間を選択する場合、減温器スプレ水流量に対し
ては予測時間が長すぎることになる。その場合、スプレ
水流量に対する予測制御の効果が十分発揮されないばか
りか、かえって蒸気温度の制御性能を低下させる原因と
なる。
的特性に応じて予測時間の異なる予測値を出力するの
で、複数の操作量に対しても予測制御の効果を最大限に
発揮することができる。
本発明において出力する予測値の数に制限はない。
る。
蒸気温度の目標値を計算する。主蒸気温度目標値は、一
定である場合もあるが、負荷変化に伴って目標値が変化
する場合がある。
数である蒸気温度目標値Rs(数1)から、その負荷変化
計画に基づいて将来の負荷変化を算出する。
ンプリングステップkでの蒸気温度目標値Rs(k)と1サン
プリングステップ前の目標値Rs(k-1)と、サンプリング
時間間隔Δt秒から、n秒先の目標値を次式で算出する。
て求めているが、本発明はこの方法に限定されるもので
はない。また、目標値は現在サンプリングステップkに
おける値R(k)を用いても良い。
値に対して、蒸気温度が将来の同時刻に何度Cになるか
を予測する。
方式はPI(比例・積分)またはP(比例)制御を採用
している。その具体的計算方法をPI制御の場合を例に示
す。
操作量指令値の変化分、Ysは蒸気温度予測値、Kcは比例
ゲイン、Tcは積分時間である。
決定されると、この値からプラント100の燃料流量調
節弁162の開度とスプレ水流量調節弁開度154bが
操作される。
すように、火炉水壁モデル331と、過熱器減温器(ス
プレ)モデル332と、過熱器モデル333と、負荷指
令(計画)値に基づいて諸プロセス量を設定する関数発
生器331a〜331eとから成る制御対象モデルと、上
記図1のPI制御器320a及びP制御器モデル320bの
機能と等価な制御器モデル334及び335とから構成
されている。
ントの制御系の影響も考慮して予測値を演算するモデル
となっている。
ル332、過熱器モデル333はエネルギー保存式に基
づいてモデル化している。
す。火炉水壁部では、輻射熱伝達と対流熱伝達の和とし
て伝熱量を表す
m3]、Hはエンタルピー[J/kg]、Fは流量[kg/s]、Aは伝熱
面積[m2]、αは熱伝達率[J/(m2・s・K)]、βは輻射熱伝達
係数及び有効輻射伝熱面積に係わる係数[J/(s・K4)]、θ
は温度[°C]、Mは重量[kg]、Cは比熱[J/(kg・K)]であ
る。また、添え字sは蒸気、mは伝熱管(メタル)、fは
燃料、aは空気、grfは再循環ガス、msは伝熱管から蒸
気、gmは燃焼ガスから伝熱管、inは入口位置、oは出口
位置をそれぞれ表す。また、添え字中の数字1は火炉水
壁部、2は過熱器減温器部、3は過熱器部を表すものとす
る。
式に示す。
はスプレ水を表す。
をエネルギー保存式に基づいてモデル化している。モデ
ル式を示す。
き状態観測器を構成して、これを利用して過熱器入口ガ
ス温度を推定する機能を有している。
明する。
相互に値を変換することが可能である。数16、17は蒸気
についての関係式であるが、ガスに対しても同様の関係
が成り立つ。
は基準エンタルピ[J/kg]である。
と次式が得られる。
る。
クス表現すると次式となる。
式で表される。
温度に対応)、CMは観測行列、VMは観測ノイズベクトル
である。
度を予測する。
度)は測定可能であるが、x2(過熱器伝熱管温度)は測
定困難であるため、カルマンフィルタを適用して状態X
M(k)を推定する。
4のアルゴリズムを説明する。
(k-1)サンプリングステップにおける諸値を用いて状
態方程式(数32)より算出した状態値には上付き添字P
を、カルマンフィルタを構成して求める最尤推定値には
上付き添字SPをつけて表すことにする。
添字−1は逆行列を意味する。
温度を計算することができる。過熱器出口蒸気温度の前
回値として、計算の初回のみ測定値を使用するが、2回
目以降は計算値を使用して計算する。過熱器出口蒸気温
度の計算値と目標値との偏差に基づいて制御器モデル3
34及び335で次時間ステップの操作量(燃料流量、
スプレ水流量)を算出し、火炉水壁モデル331の燃料
流量と減温器モデル332のスプレ水流量を変更して再
び過熱器出口蒸気温度を計算する。この操作を所定の予
測時間に相当する回数まで繰り返して蒸気温度の予測値
を算出する。
θg3inが必要であるが、高温のガス温度は直接計測する
ことが困難である。ガス温度は火炉水壁モデル331で
計算できるが、前述の状態観測器を用いてより正確にガ
ス温度を決定できるようにしている。
ステップ(k-1)での諸値を用いて数36により現在の過
熱器出口蒸気温度を推定する。将来の蒸気温度を予測す
るためには、(k-1)時点で得られる情報から、現在ス
テップkの蒸気温度が正しく求められていることが前提
になる。
と、XM SP(k)に誤差を生じる原因になる。そこで、本発
明では、現在ステップkにおける過熱器出口蒸気温度x1
(k)(=θs3o(k))の測定値と、ステップ(k-1)におけ
る伝熱管温度の最尤推定値x2 SP(k-1)(=θm3 SP(k-1))
を用いて、状態方程式(数32)の関係から次式を導き、ガ
ス温度θg3inを算出する。
出口蒸気温度測定値である。
度の推定値が測定値と一致するように、ガス温度を決定
することができる。火炉水壁モデルの出口ガス温度θ
g1oと式(43)で計算したガス温度θg3inとの偏差に基
づいて、修正部336で逐次火炉水壁モデルのβgm1を
修正している。この方法によれば、逐次、適切なガス温
度を決定でき、火炉水壁モデル331の特性も逐次修正
できるので、現在ステップにおけるモデル誤差が小さく
なる。また、モデル誤差が小さいため、予測精度が向上
する。
はサンプリングステップ(k-1)における値を用いている
が、ステップkにおける測定値を用いてもよい。
本発明は本実施形態に示した予測方法に限定されるもの
ではない。火炉水壁モデル331、過熱器減温器モデル
332、過熱器モデル333はそれぞれ対象機器の特性
を模擬しているモデルなら、物理的因果関係を模擬した
物理モデル以外であっても良い。例えば、統計的方手法
による回帰式モデルでも、ニューラルネットワークによ
る学習型モデルでも良い。その際、蒸気温度の目標値と
測定値との偏差分を出力とする相関モデルとしても良
い。
制御するための異なる操作量に対して予測時間の異なる
予測値を演算する。パラメータ調整部340は、例えば
図6に示すような燃料流量に対する予測時間τaとスプ
レ流量に対する予測時間τbとを決定すると共に、制御
器320a、320bの比例ゲイン、積分時間も決定す
る。
示すように、プラントモデル355と、予測部330を
模擬した予測機能モデル350と、予測機能モデル35
0及びプラントモデル355内の制御対象モデルパラメ
ータを調整するモデル調整部342と、制御器320a
のパラメータ(比例ゲインKc1,積分時間Tc)及び制御
器320bのパラメータ(比例ゲインKc2)と予測時間間
隔τa,τbを算出するパラメータ最適化部348とから
構成されている。
及び320bと等価な制御器モデル346a、346b
と、制御対象100のモデル344とから構成され、予
測機能モデル350にも、プラントモデル355と同じ
モデルが含まれている。
制御器を表す次式の伝達関数で定義する。
制御器を表す次式で定義する。
度との関係を模擬したモデル344aと減温器スプレ水
流量と蒸気温度との関係を模擬したモデル344bとか
ら成る。
4aと344bはそれぞれ一次遅れと無駄時間で模擬し、
次式の伝達関数で定義する。
定数、Lp1,Lp2は無駄時間に相当するモデルパラメータ
である。
ル355と全く同じモデルを持っているので、先の時間
ステップまでシミュレーション計算することによりプラ
ントモデル355の出力値を予測したことになる。この
予測値をプラントモデル355へ出力し、目標値との偏
差を計算して、制御器モデル346a及び346bを介し
てプラントモデル355の出力を計算する。
て、予測制御を実施した場合を模擬している。パラメー
タ調整部340は、この予測制御の模擬計算により、制
御対象モデル344が最も望ましい状態になるように予
測時間τa,τb及び制御器パラメータである比例ゲイン
Kc1,Kc2、積分時間Tcとを決定する。
決定方法を説明する。まず、制御対象モデル344の応
答特性を制御対象100の特性と合わせる必要がある。
火力プラントでは、プラント新設時や定期検査終了時に
プラント特性を把握するために試験運転を実施する。
ップ応答試験を実施する。モデル調整部342はそのス
テップ応答試験のデータを取り込み、制御対象モデル3
44及び344’のモデルパラメータKp1,Kp2,Tp1,T
p2,Lp1,Lp2を調整する。
転データを用いてオフラインで実施する。図8にモデル
パラメータ調整のマンマシンインターフェイスを示す。
図8は画像表示装置910に表示され、外部入力装置9
00を用いて操作やデータ入力ができる。
程について説明する。制御対象モデル344bについて
も同様の手順で調整できる。
転時のステップ応答の応答波形915がグラフ表示され
る。この波形からモデルパラメータKp1,Tp1,Lp1を決
定するために補助線912,914,916が表示され
る。補助線914はステップ応答試験開始時の定常状態
の出力レベルAを表しており、画面上でマウスポインタ
カーソル918を用いて上下に移動させることができ
る。出力レベルは定格レベルに対してパーセント表示さ
れている。
ルAの他、各種数値が表示され、その値をキーボード9
30からの入力により直接変更することができる。ま
た、増減ポインタ922をマウスでクリックすることに
より表示されている値を微小間隔で増加または減少させ
ることができる。補助線914と数値表示エリア920
内の値は連動して変化する。
Aの値を決定する。同様にして補助線912が示すステ
ップ応答試験終了時の定常状態における出力レベルBを
決定する。
ける接線916を決定する。接線916は出力レベルA
及びBと同様の方法で図8に示す点C及び点Dを決定す
ることにより特定する。
ようにしてモデルパラメータKp1,Tp1,Lp1が決定され
る。
(%)よりゲインKp1は
時刻Qから無駄時間Lp1は
Pの長さが0.632K1となる時刻Pより、
理して図9に示す。すなわち、本処理手順では、ステッ
プ応答試験データとして目標値R、被制御量Y1を読み込
み(ステップ5001)、該データを用いて出力レベル
A、Bおよび接戦916の形状を特定するための点C、D
を決定し(ステップ5002、5003)、これら点A
〜Dの値からプラントモデルのパラメータKp1、Tp1、Lp
1を決定する(ステップ5004)。
ータKc1,Kc2,Tcの決定方法について説明する。
価値Jを最小にするパラメータτa,τb,Kc1,Kc2,Tc
の組合わせを求める。ここで、制御性能評価値Jは次式
で定義する。
対象モデル344の出力値、Uam(t)及びUbm(t)はそれぞ
れ制御器モデル346a及び346bの出力値であり制御
対象モデル344に対する操作量に相当する。p、qは重
み係数である。
計算することができる。数52の右辺{ }内第一項、第
二項及び第三項の値を各計算時間ステップにおいて計算
し、それらの和を積算することにより求める。すなわ
ち、計算時間間隔をΔtとすると次式で表される。
取り得る値として、それぞれ上・下限値を定める。ま
た、予測時間τa,τbはそれぞれ、0からTp1×αaとTp
2×αbまでとする。αaとαbは係数であり、任意に設定
可能である。
み幅で変化させてt=0からTまでシミュレーション計算を
行い、その都度評価値Jを計算する。最終的に評価値J
が最小になるパラメータτa,τb,Kc1,Kc2,Tcの組合
わせを最適値とする。
ては制御系が安定しない場合があるので、評価値Jを計
算する前にHurwitzの安定判別法などを用いて安定性を
確認することが望ましい。不安定な組合わせに対しては
評価値Jを計算せずに、パラメータ値を変更して、最適
値探索を進める。
合わせを求める方法は上記方法に限定されるものではな
く、山登り法、遺伝アルゴリズムなどの最適化方法を用
いても良い。
にパラメータの最適値が計算できる。
度目標値を所定のタイムスケジュールに従って上げてい
く昇温過程が存在する。昇温過程においては、目標値と
の偏差を小さくすることのみならず、機器材料に与える
影響を考慮すると昇温率を目標値の昇温率と合わせるこ
とも大切な要素となる。
内)に次の昇温率の項を加えることが望ましい。
る。
ル344、予測機能モデル350はそれぞれ数44、45、
46、47で定義したが、これらのモデル化はこの方法に限
定されるものではない。例えば、前述した予測部330
と全く同じモデルで構成してもよい。
れるものではなく、任意に設定可能である。また、フィ
ードバックを伴う閉ループ系に対して、評価値を計算す
る方法が例えば次の文献に示されている。
DコントローラMinimax最適化による設計」、河辺 徹、
片山 徹、計測自動制御学会論文集、Vol.32,No.8,pp1
226〜1233(1996)。
t=0から評価時間∞までの評価値が計算できる場合もあ
る。
の処理手順を図10に示す。
1〜1104に示すように、パラメータτa,τb,Kc
1,Kc2,Tcの値をそれぞれ所定の範囲内を、所定の刻み
幅で変化させて、すべての組合わせの評価が終了した
時、最適値探索を終了する。
には山登り法などの最適化手法を導入してももちろん良
い。
方法としては、例えば特開平9-146612号公報に述べられ
ている方法等、他の方法を用いても良い。
目標値Rm(t)の設定方法を説明する。
ためのマンマシンインターフェイスを示す。グラフエリ
ア911には時間軸(横軸)に対する目標値Rmの値93
0のグラフが表示される。
でクリックしてドラッグすることにより、グラフ波形形
状を変更することができる。その時の折れ線の座標は数
値で座標表示エリア932に表示される。座標表示エリ
ア932には全座標点を一度に表示できない場合、スク
ロールバー934が表示されて、マウス操作により上下
にスクロールすることができる。
となる評価時間Tは評価時間入力欄936にキーボード
から数値で入力する。目標値Rmと評価時間Tの入力終了
後、設定ボタン938をマウスでクリックすることによ
り設定が完了する。
び制御器パラメータKc1,Kc2,Tcを決定した場合の制御
結果のシミュレーション例を図12に示す。本例は目標
値をステップ変化させた場合の応答である。
合に比べて目標値への追従が早くなり、かつ、オーバー
シュート量が減少しており、制御性能が向上しているこ
とがわかる。
制御性能がもっとも向上する予測時間を操作量に応じて
決定できる他、予測制御を実施した場合の制御器パラメ
ータの最適値も決定することができるので、予測制御方
式の効果を最大限に発揮させることができる。
従来それらの制御器パラメータを試行錯誤的に調整して
いたのに対して、調整時間が短縮できる効果もある。
示すように画面上に表示してユーザが確認可能であるよ
うに構成する。
ーション結果による応答波形を表示する。また、パラメ
ータ表示欄924には、その時のパラメータτa,τb,
Kc1,Kc2,Tcの値を表示する。また、切替えボタン92
6をマウスでクリックするたびにグラフエリア911に
表示されるグラフがモデル出力値Ym(t)と操作量Uam
(t),Ubm(t)とに順に切り替える。
出力値Ym(t)または操作量Uam(t),Ubm(t)を単独に表示
させるか、各グラフを並べて表示するかを切り替える機
能を設けても良い。
ラントの試運転時または定期検査時などの機会を利用し
てオフライン的に調整する方法を説明したが、本発明は
以下に述べるようにプラントの運転を制御しながらオン
ライン的に使用することもできる。
トの運転中に所定の時間間隔で周期的に起動する。例え
ば5分毎に起動し、パラメータ調整部348によって予
測時間τa,τb及び制御器パラメータKc1,Kc2,Tcを決
定する。パラメータ調整部348の処理手順は図10と
同じである。
状態(負荷帯、負荷変化条件)に応じて随時、適正な予
測時間間隔τs及び制御器パラメータKc,Tcを決定でき
るので制御性能をさらに向上させることができる。
ータKc,Tcを決定する前に、モデル調整部342により
制御対象モデル344の特性が制御対象100の特性と
合うように随時、制御対象モデル344を調整すること
もできる。制御対象モデルを回帰式モデルやニューラル
ネットワークモデルとすれば、直近(直前)のデータで
相関式を作り直したり、ニューラルネットワークで再学
習することによりモデル特性を逐次調整する構成として
もよい。
転状態)近傍の特性に制御対象モデル344の特性を常
に合わせることができるので、予測制御の効果がさらに
向上する。また、制御対象モデル344はプラントの広
範囲な運転状態を模擬する必要がなくなるため、比較的
簡単なモデルで近似できるようになり、演算負荷が減少
する効果もある。
る。
の形態において、図14に示すような構成を有する蒸気
温度予測コントローラ380を用いたものである。
測コントローラ380と異なる点は、予測値Ysと目標値
Rsとの偏差をPI制御器320aとP制御器320bにフィ
ードバックするのではなく、プラント出力値(蒸気温度
の測定値)をフィードバックして、予測値YsからはP制
御器320c及び320dによって操作量に補正を加える
構成にした点である。この場合には、プラントモデル3
55も同じ構成にする。
補正値をそのまま出力するか、0を出力して実質的に予
測制御を使わないようにするかを切り替える機能を持つ
ものとする。
補正量算出部としてP制御器320c及び320dを用い
ているが、他の方法であってももちろん良い。
実施の形態と同様に、同一の制御量に対し複数の操作量
が存在するプロセスにおいて、該複数の操作量のそれぞ
れに対応して互いに異なる予測時間における予測値を演
算し、それぞれの予測値に基づいて操作量を決定するこ
とができる。
説明する。
ントの運転制御装置に適用している。廃棄物焼却プラン
トの概要を図15により説明する。
却プラント1000の構成の一例を示す。
ごみ収集車700によって集められる。集められたごみ
は、ごみピット614へ一旦貯蔵される。
2で焼却炉ホッパ610へ運ばれる。その途中で重量測
定器201があり、ごみの重量を計測する。ホッパ61
0へ投入後、押し出し機630によってストーカ上に運
ばれる。ストーカは前段の乾燥ストーカ626と後段の
燃焼ストーカに分かれている。乾燥ストーカでは、主に
投入ごみの水分を蒸発させる。燃焼ストーカでは、乾燥
したごみを燃焼させる。燃焼後の灰は、灰ピット638
に一旦堆積した後で、埋め立て処理される。
度で、また、燃焼量は燃焼ストーカの移送速度で主に制
御している。
8には下部から、それぞれ乾燥用空気及び燃焼用空気が
吹き込まれるようになっている。空気はファン620に
より送り込まれるが、その途中に、燃焼ガスの一部と熱
交換(不図示)して昇温するエアヒータ622が設置さ
れている。
とへの空気量はファン620とそれぞれのストーカへの
配分量を調節する空気ダンパ624の開度によって制御
される。
てダストや有害物質をある程度除去した後で煙突634
から排出される。
にガス分析装置115へ送られてCO(一酸化炭素)濃
度、O2(酸素)濃度、NOx(窒素酸化物)の濃度を
随時オンラインで測定している。また、ダイオキシン類
濃度はオフラインで定期的に測定している。
所、排ガス処理装置632の入口に1個所、煙突634
の入口に1箇所、ガス温度センサ640、642、64
4、646が設置してあり、燃焼ガス温度を測定してい
る。
害物質の排出を抑制することが重要である。特にダイオ
キシン類は炉内を高温に保つことによって熱分解する性
質が知られている。高温状態を維持することは、基本的
に完全燃焼状態を維持することである。しかし、廃棄物
の焼却では、焼却炉に投入される廃棄物の組成や含水率
が一定ではなく、安定に燃焼させることが難しい。
ることを目的に、本発明の予測制御方法を適用する。
できることが望ましいが、できない場合には、ダイオキ
シン類濃度の指標となるプロセスデータで代用する。そ
の一つとして、CO濃度や塩化フェノールがあり、これ
らの値は比較的短時間で測定が可能であり、ダイオキシ
ン類濃度とある程度相関が認められる。
のCO濃度とする。この値はガス分析装置115でオン
ライン測定している。本例では排出ガス中のCO濃度で
あるが、塩化フェノールなど、ダイオキシン類濃度を推
定でき、比較的短時間で測定可能な物質であればそれ以
外でも良い。
量(操作量)は燃焼ストーカの移送速度とごみ投入量
(速度)である。
第1の実施の形態で説明した火力プラントの場合と同様
に、焼却プラント1000に配備された各アクチュエー
タの操作量を決定するための制御系を有し、その制御系
には制御の対象となるプロセス量(本例ではCO濃度)
の予測コントローラ380が備えられている。
に示すように、制御プロセス量(CO濃度)を変化させ
るための操作量を算出する操作量1算出部321a、操
作量2算出部321bと、各操作量に対応して異なる予
測時間の予測値をそれぞれ出力する予測部330、予測
部330に含まれる制御器モデル等の各種モデルのパラ
メータを調整するパラメータ調整部340と、切替部3
32と、P制御器321c、321dとを備えている。
は、重量測定器201で計測したごみの重量に基づい
て、操作量演算部321a及び321bで燃焼ストーカ移
送速度とごみ投入量(速度)を演算する。さらに、本発
明の予測制御方法により将来のCO濃度を予測し、P制
御器321cと321dにより燃焼ストーカの移送速度と
ごみ投入量に対する操作量に補正を加えるようにしてい
る。
上で乾燥した後、燃焼ストーカ628に移動する。この
ため、ごみの投入量の変更が燃焼状態に影響するまでの
時間は比較的長い。これに対して、燃焼ストーカ移送速
度の変更は、すぐに現在の燃焼状態に影響する。そのた
め、両操作量に対して予測制御を実施する場合には、そ
れぞれに適した予測時間を用いる方法が有効である。
説明する。
度)、燃焼ストーカ移送速度、乾燥空気流量、燃焼空気
流量、(前回サンプリング分までの)CO濃度測定値と
の関数として次式でモデル化している。
み供給量(速度)、CSVは燃焼ストーカ移送速度、Fdaは
乾燥空気流量、Fcaは燃焼空気流量であり、kは現在サン
プリングステップを表す。
ップの値で保持された状態で、数55の右辺のCOの値を順
次、左辺の計算値に置き換えて将来のCO濃度を計算す
る。
55のCO相関モデル360と、操作量算出部321a及び
321bのモデル322a及び322bと、P制御器321
cと321dのモデル322c及び322dとで構成されて
いる。
と同様にパラメータ調整部340を備えており、燃焼ス
トーカ移送速度とごみ投入量(速度)に対応する予測時
間と、P制御器321cと321dの比例定数を決定す
る。
量として燃焼ストーカ移送速度とごみ投入量を選択して
いるが、乾燥ストーカ移送速度、乾燥空気量、燃焼空気
量などでも良く、また、それらの組合わせであっても良
い。
化合物であるため、排ガス中の塩素を別の安定な塩素化
合物として固定化して除去することによりダイオキシン
類の排出量を抑制する方法がある。この場合例えば、石
灰石や消石灰のようなカルシウム化合物をダイオキシン
抑制剤として用いることができる。その時、次式のよう
な反応によりCaCl2(塩化カルシウム)として塩素分が
固定化される。
どのダイオキシン抑制剤の投入量を用いても良い。ま
た、制御量としてダイオキシン類の濃度のみならず、
(窒素酸化物)濃度でも良く、NOx濃度を予測しても良
い。
複数の操作量が存在するプロセスに対して、各操作量に
対応して異なる予測時間における予測値を演算し、それ
ぞれの予測値に基づいて操作量を決定するので制御精度
が高い制御装置を提供することができる。
構成を表すブロック線図。
図。
す説明図。
ト。
チャート。
の構成を表すブロック線図。
図。
の構成を表すブロック線図。
すブロック線図。
発電機出力計測装置、120…低・中圧タービン、12
1…タービン加減弁、122…過熱器出口蒸気温度測定
器、123…主蒸気圧力測定器、124…再熱蒸気温度
測定器、125…復水器、126…冷却水、130…高
圧タービン、140…給水ポンプ、150…ボイラ、1
52…火炉水壁、154…過熱器、156…再熱器、1
60…バーナー、161…空気流量調節弁、162…燃
料流量調節弁、170…排ガス処理装置、175…煙
突、300…運転制御装置、320a,b…制御器、33
0…予測部、331a…火炉水壁モデル、331b…スプ
レモデル、331c…過熱器モデル、339…切替部、
340…パラメータ調整部、342…モデル調整部、3
44…制御対象モデル、346…制御器モデル、348
…パラメータ最適化部、350…予測機能モデル。
Claims (15)
- 【請求項1】制御対象とすべきプロセス量(被制御量)
の将来の値を予測する予測手段と、該予測手段から出力
される予測値に基づいて前記被制御量を制御するために
操作するプロセス量(操作量)を決定する操作量算出手
段とを有する制御装置において、 1つの被制御量に対して複数の操作量が存在するもので
あって、 前記予測手段は、同一の被制御量に対して、予測時刻お
よび予測時間間隔のうち少なくとも一方が異なる複数の
予測値を演算して出力し、 前記操作量算出段は、前記複数の予測値を用いて前記複
数の操作量をそれぞれ決定することを特徴とするプロセ
スの制御装置。 - 【請求項2】請求項1に記載のプロセスの制御装置にお
いて、 前記予測手段は、 前記制御対象とすべきプロセスを模擬したプロセスモデ
ルと、 前記操作量算出手段を模擬した制御器モデルとを具備す
ることを特徴とするプロセスの制御装置。 - 【請求項3】請求項1に記載のプロセスの制御装置にお
いて、 前記予測手段は、前記複数の操作量のうち前記制御対象
量に対しての時定数が小さい方の操作量を決定するため
に設けられた前記操作量算出手段の一部構成を模擬した
制御器モデルを少なくとも含んでいることを特徴とする
プロセスの制御装置。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス
の制御装置において、 予め定義した制御性能を評価するための評価値を算出
し、該評価値を用いて前記複数の予測値の各々について
予測時刻または予測時間間隔を決定する予測時間決定手
段をさらに具備することを特徴とするプロセスの制御装
置。 - 【請求項5】請求項2または3に記載のプロセスの制御
装置において、 予め定義した制御性能を評価するための評価値を算出
し、該評価値を用いて前記制御器モデルのパラメータ値
を設定するパラメータ設定手段をさらに具備することを
特徴とするプロセスの予測制御装置。 - 【請求項6】請求項5に記載のプロセスの制御装置にお
いて、 前記操作量算出手段は、比例制御器および積分制御器の
うち少なくとも一方を含んで構成されており、 前記パラメータ設定手段が設定するパラメータ値は、前
記比例制御器の比例ゲインまたは前記積分制御器の積分
時間に対応するものであることを特徴とするプロセスの
制御装置。 - 【請求項7】火力発電プラントの蒸気温度の将来値を予
測する予測手段と、該予測手段の出力値である蒸気温度
予測値に基づいて前記火力発電プラントの燃料流量、蒸
気温度減温器スプレ流量、再循環ガス流量およびガス分
配ダンパ開度のうち少なくとも一つを操作量として決定
する、一つまたは複数の操作量算出手段とを有する火力
発電プラントの制御装置において、 前記予測手段は、同一位置における蒸気温度に対して、
予測時刻および予測時間間隔のうち少なくとも一方が異
なる複数の予測値を演算し出力し、 前記操作量算出手段は、前記出力された複数の予測値を
用いて前記燃料流量、前記蒸気温度減温器スプレ流量、
前記再循環ガス流量および前記ガス分配ダンパ開度のう
ち2つ以上の操作量を決定することを特徴とする制御装
置。 - 【請求項8】請求項7に記載の火力発電プラントの制御
装置において、 前記予測手段は、 前記火力プラントの運転に関する制御信号および前記操
作量のうち少なくとも一方と前記蒸気温度との関係を模
擬した熱交換器モデル、および前記蒸気温度減温器モデ
ルのうち少なくとも一方とから構成されるプロセスモデ
ルと、 前記操作量算出手段と等価またはその特性を模擬した操
作量算出モデルとを具備し、 前記プロセスモデルと前記操作量算出モデルとを組み合
わせて演算を実行し、ある特定の時刻における蒸気温度
を算出することを特徴とする制御装置。 - 【請求項9】請求項7に記載の火力発電プラントの制御
装置において、 前記予測手段は、前記燃料流量、前記蒸気温度減温器ス
プレ流量、前記再循環ガス流量および前記ガス分配ダン
パ開度のうち前記蒸気温度に対しての時定数が小さい操
作量を決定する前記操作量算出手段の一部構成と等価ま
たはその入出力特性を模擬した制御器モデルを少なくと
も含んで構成することを特徴とする制御装置。 - 【請求項10】請求項7〜9のいずれかに記載の火力発
電プラントの制御装置において、 予め定義した制御性能を評価するための評価値を算出
し、該評価値を用いて前記複数の予測値の各々について
予測時刻および予測時間間隔のうち一方を決定する予測
時間決定手段をさらに具備することを特徴とする制御装
置。 - 【請求項11】請求項7〜10のいずれかに記載の火力
発電プラントの制御装置において、 前記操作量算出手段は、比例制御器および積分制御器の
うち少なくとも一方を含んで構成されており、 予め定義した制御性能を評価するための評価値を算出
し、該評価値を用いて前記比例制御器の比例ゲインまた
は積分制御器の積分時間を算出する制御器パラメータ設
定手段をさらに具備することを特徴とする制御装置。 - 【請求項12】請求項1〜6のいずれかに記載のプロセ
スの制御装置において、 前記被制御量は、廃棄物焼却プロセスに係わる排出ガス
中のCO(一酸化炭素)濃度、塩化フェノール濃度、窒素
酸化物濃度、およびダイオキシン類濃度のうち少なくと
も一つであり、 前記操作量は、焼却炉への廃棄物の投入量、該焼却炉内
の搬送速度、乾燥用空気流量、燃焼用空気流量、空気温
度、および燃焼ガス無害化処理用の薬剤投入量のうちい
ずれかを少なくとも含むことを特徴とするプロセスの制
御装置。 - 【請求項13】制御対象とすべきプロセス量(被制御
量)の将来の値を予測し、該予測値に基づいて前記被制
御量を制御するために操作するプロセス量(操作量)を
決定するプロセスの制御方法において、 1つの被制御量に対して複数の操作量が存在するもので
あって、 同一の被制御量に対して、予測時刻および予測時間間隔
のうち少なくとも一方が異なる複数の予測値を演算して
出力し、 前記出力された複数の予測値を用いて前記複数の操作量
をそれぞれ決定することを特徴とするプロセスの制御方
法。 - 【請求項14】火力発電プラントの蒸気温度の将来値を
予測する予測手段と、該予測手段の出力値である蒸気温
度予測値に基づいて前記火力発電プラントの燃料流量、
蒸気温度減温器スプレ流量、再循環ガス流量およびガス
分配ダンパ開度のうち少なくとも一つを操作量として決
定する、一つまたは複数の操作量算出手段とを有する火
力発電プラントの制御方法において、 同一位置における蒸気温度に対して、予測時刻および予
測時間間隔のうち少なくとも一方が異なる複数の予測値
を演算して出力し、 前記出力された複数の予測値を用いて前記燃料流量、前
記蒸気温度減温器スプレ流量、前記再循環ガス流量およ
び前記ガス分配ダンパ開度のうち2つ以上の操作量を決
定することを特徴とする制御方法。 - 【請求項15】請求項14に記載の火力発電プラントの
制御方法において、 燃焼ガス温度の推定値と蒸気温度測定値とを少なくとも
用いて、該蒸気温度を測定した時刻以降の蒸気温度と前
記熱交換器の伝熱管温度とを推定すると共に、所定時間
経過後の蒸気温度を予測する際には、推定した前記蒸気
温度と推定した伝熱管温度とを使用する方法であって、 前記燃焼ガス温度は、前記時刻以前の前記伝熱管温度推
定値と前記時刻以降の蒸気温度の測定値とを少なくとも
使用して算出することを特徴とする制御方法。
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JP02596099A JP3712329B2 (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | プロセスの制御装置 |
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ID=12180323
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