JP2000220648A - 潤滑剤給脂式軸受 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリース又は潤滑油のような潤滑剤をベアリ
ング室に注入するに当たって、軸受を分解することなし
に迅速且つ容易に洗浄と給脂を行えるようにした潤滑剤
給脂式軸受を提供することにある。 【解決手段】 ベアリングボール又はローラ（４）と接
する位置で、外輪（１）の内面に環状溝（７）を設け、
該環状溝と連通する給脂口（８）及び排出口（9）を前
記外輪（１）に設け、潤滑剤を前記給脂口からベアリン
グ室に給脂できるようにした潤滑剤給脂式軸受。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する分野】本発明は内部を洗浄し又は洗浄す
ることなくグリース又は潤滑油のような潤滑剤を給脂す
ることができる潤滑剤給脂式軸受に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】機械的
軸受は回転部品を支承する部品として広く使用され、そ
の種類も多岐にわたっている。典型的な軸受はボールベ
アリングやローラベアリングであり、軸受機能を円滑に
行わせるために通常はグリース又は潤滑油のような潤滑
剤が注入されている。しかし、長期にわたる軸受の使用
により、潤滑剤は劣化して軸受要素を効果的に潤滑する
性質を失うことがある。

【０００３】そのような時、従来は軸受を機械等から取
り外し、分解して洗浄し、しかる後潤滑剤を軸受に給脂
する必要があった。このような一連の作業には熟練を要
するという他に、このような作業を行うときに油脂が手
や衣服に付着することがあり、大変作業性が悪かった。

【０００４】本発明はそのような不具合を解消すべくな
されたものであって、軸受を分解することなしに迅速且
つ容易に洗浄と給脂を行えるようにした潤滑剤給脂式軸
受を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、外輪と
内輪との間に、保持器で保持されたボール又はローラを
介在させ、外輪と内輪との間にベアリング室を構成する
ために外輪と内輪との間に、外輪で保持されたサイドシ
ール板を位置させてなる、軸受において、前記ボール又
はローラと接する位置で、外輪の内面に環状溝を設け、
前記環状溝と連通する給脂口及び排出口を前記外輪に設
け、グリース又は潤滑油のような潤滑剤を前記給脂口か
ら前記ベアリング室に充填できるようにしたことを特徴
とする潤滑剤給脂式軸受を提供する。本発明の好ましい
使用態様では、外輪に設けられた給脂口及び排出口は潤
滑剤のベアリング室への充填に先立って前記ベアリング
室を洗浄剤で洗浄するのにも使用される。

【作用】軸受の洗浄に当たっては、洗浄液を給脂口から
注入し、洗浄後廃液を下部の排出口から排出する。次い
で、グリース又は潤滑油のような潤滑剤を給脂口から注
入すると、潤滑剤は環状溝を通ってボール又はローラに
給脂されると共に、ベアリング室にそのほぼ1/3乃至2/3
を満たす程に充填される。勿論、給脂後給脂口及び排出
口は栓で閉鎖される。

【０００６】

【発明の実施形態】図を参照すると、本発明による軸受
は在来のものと同様に、外輪１、内輪２、及び外輪と内
輪との間に介在され、保持器３で保持されたボール又は
ローラ４を有する。外輪１と内輪２との間にはベアリン
グ室５を構成するために、外輪で保持されたサイドシー
ル板６、６が位置決めされている。外輪１にはその内面
に環状溝７が形成され、該環状溝７はボール又はローラ
４と接する箇所に位置するのが望ましい。外輪１の側面
にはその上下の位置に給脂口８及び排出口９が形成さ
れ、これら給脂口及び排出口は外輪の環状溝と連通して
おり、通常はねじ栓１０、１０で閉鎖されている。

【０００７】一般的には、軸受にはその機能を円滑にさ
せるためにグリース又は潤滑油のような潤滑剤が注入さ
れ、その注入量はベアリング室のおおよそ1/3乃至2/3と
されている。軸受の長期にわたる使用によりグリース又
は潤滑油が劣化し又は減少したら、ねじ栓１０、１０を
取り外して、必要に応じて、洗浄液を充填したチューブ
を給脂口８に装着し、チューブからその洗浄液を給脂口
８に注入する。すると洗浄液は環状溝７を伝わってボー
ル又はローラに達し、軸受を数回廻すことによってベア
リング内部の洗浄がその洗浄液によりより効率的に行わ
れる。洗浄後廃液を下部の排出口９から排出する。次い
で、クリース又は潤滑油を充填したチューブを給脂口８
に付け替え、グリース又は潤滑油を給脂口８に注入し、
環状溝７に沿って流入させる。この際、軸受を数回廻す
ことによってグリース又は潤滑油を軸受内部全体に行き
渡らせるようにする。上述したように、注入量がほぼ1/
3乃至2/3に達したら、潤滑剤の注入を止め、栓１０、１
０を給脂口８及び排出口９にそれぞれねじ込んでこれら
の口を閉鎖する。上記の例では、給脂手段としてチュー
ブの使用について述べたが、グリースガン等を使用して
給脂してもよいことはあきらかである。加えて、給脂口
及び排出口を外輪の側面に出っ張らせてもうけたが、そ
のような形態に限られることはないし、またそれらの口
を栓で閉鎖する構成を示しているが、キャップ形態のも
のでもよいことは明らかである。このように本発明によ
れば、洗浄剤による洗浄、潤滑剤による給脂を軸受を分
解することなく、その場で行うことができ、その作業効
率がよいばかりでなく、手や衣服を洗浄液やグリース又
は潤滑油などの潤滑剤で汚すこともなく大変好都合であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による軸受の概略縦断面図である。

【符号の説明】

１ 外輪 ２ 内輪 ３ 保持器 ４ ボール又はローラ ５ ベアリング室 ６ サイドシール板 ７ 環状溝 ８ 給脂口 ９ 排出口 １０ 栓

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外輪と内輪との間に、保持器で保持され
   たボール又はローラを介在させ、外輪と内輪との間にベ
   アリング室を構成するために外輪と内輪との間に、外輪
   で保持されたサイドシール板を位置させてなる、軸受に
   おいて、前記ボール又はローラと接する位置で、外輪の
   内面に環状溝を設け、前記環状溝と連通する給脂口及び
   排出口を前記外輪に設け、グリース又は潤滑油のような
   潤滑剤を前記給脂口から前記ベアリング室に充填できる
   ようにしたことを特徴とする潤滑剤給脂式軸受。
2. 【請求項２】 前記給脂口及び排出口は潤滑剤のベアリ
   ング室への充填に先立って前記ベアリング室を洗浄剤で
   洗浄するのにも用いられる、請求項1に記載の潤滑剤給
   脂式軸受。