JP2000220610A - 流体の流動性制御方法、流動性制御装置および植毛バルブ機構 - Google Patents

流体の流動性制御方法、流動性制御装置および植毛バルブ機構

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JP2000220610A
JP2000220610A JP2469699A JP2469699A JP2000220610A JP 2000220610 A JP2000220610 A JP 2000220610A JP 2469699 A JP2469699 A JP 2469699A JP 2469699 A JP2469699 A JP 2469699A JP 2000220610 A JP2000220610 A JP 2000220610A
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electrode
fiber
electrodes
fibers
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Yasubumi Otsubo
坪 泰 文 大
Shinichi Yokota
田 眞 一 横
Kazuya Edamura
村 一 弥 枝
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SHINGIJUTSU MAN KK
SHINGIJUTSU MANAGEMENT KK
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SHINGIJUTSU MAN KK
SHINGIJUTSU MANAGEMENT KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の流動性制御方法は、少なくとも一
対の電極を、実質的に絶縁性の流体を介して対峙するよ
うに配置して、該電極間に電圧を印加することにより、
該実質的に絶縁性の流体に、概略電圧印加方向に沿った
移動流を形成して、該流体の流動性を制御する方法であ
って、該対峙する一対の電極のうちの一方の電極は、表
面に比抵抗値が102Ω・cm以下の導電性繊維を含む繊
維が植設された植毛電極であることを特徴としている。
流体の移動流は、導電性繊維が植設された電極を有する
一対の電極を用いて流体に非一様電界を形成することに
より発生する。この流体の移動流発生させることによ
り、流体の流動性を制御でき、この装置は流体のバルブ
として有用性が高い。 【効果】本発明によれば、均一系流体において、電圧を
印加することにより、流体の流動性制御が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、実質的に絶縁性を有する
流体の流動性を、電圧を印加することにより制御する方
法、この方法の実施に好適な流動制御装置およびこの方
法を利用した植毛バルブに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】電界中において、ある種の液体は
その導電率と誘電率との不均一性に起因して、内部に電
気的な力が生ずる。直流電場では誘電液体の誘電泳動力
により自由電化に作用するクーロン力が支配的となり、
このクーロン力が、流体力学的不安定性を引き起こすこ
とがある。そして、このクーロン力による流体力学的な
不安定性のために、ある種の誘電液体を電界下におくと
対流または二次流れが発生する。この現象は、電気流体
力学(Electro-hydrodynamic, [EHD]と略記されている)
効果と呼ばれている。しかしながら、EHD現象は、上
述したような電界下において誘電液体が動く現象をとら
えて総称しているのであり、EHD現象は、特定の発生
原理に基づくて液体の流動運動を示すものではない。む
しろ、EHD現象と呼ばれている電界下で液体が動く現
象について、その発生原理解明の研究は未だ充分にはな
されておらず、EHD現象の発生原因を含めその全貌は
依然として全く未知の領域である。
【0003】ところで、本発明者は、特定の絶縁性液体
中に一対の電極を配置し、この電極に直流電圧を印加す
ると、一方の電極から他方の電極に向かって強いジェッ
ト流が発生する電界共役流体現象を見出した。この現象
は広義には、EHD現象であるかもしれないが、これま
で知られていたEHD現象と比較して、誘電液体の化学
構造、作動条件、流動速度などが著しく相違しており、
両者が同一の発生原理により生じているとは考えにく
い。そこで、本発明者は、こうしたEHD現象とは異な
る現象である上記電界共役流体現象を示す液体を、電界
共役流体(Electro-Conjugate Fluid 以下「ECF」と
略記する)と称呼して、従来のEHD現象を生じさせる
液体と区別している。
【0004】そして、ECFにより生ずる現象が、従来
から知られていたEHD現象とはあまりにも相違し、そ
の現象をEHD現象からは説明することができないもの
であり、ECF現象とEHD現象とは異なるものである
とする認識が定着しつつある。
【0005】こうした状況下に、本発明者は、ECFに
電圧を印加することにより、EHD現象では説明できな
い強力なジェット噴流が生ずることを利用した発明に関
して、既に多くの出願をしている(例:特願平8-16
871号、、特願平8−2482417号、特願平8−
241679号、特願平8−16872号、特願平8−
76259号、特願平9−290826号、特願平9-
25557号などの各明細書参照)。
【0006】これらの中で特願平9-25557号によ
り、「流体中に、非一様電界を形成し得る少なくとも一
対の電極を配置子、該電極間に電圧を印加して該電極間
に流体の移動流を形成し、該移動流により該流体の流動
性を制御する方法。」の発明について出願している。
【0007】この発明は、ECF現象を示す液体でもあ
るER流体(Electro-Rheological Fluid)に、電圧を印
加することによって、この印加電圧に応じて、その粘度
などの力学的性質を可逆的に大きく高速変化させ、流体
の流動特性を制御するものである。上記出願に係る発明
では、主として、一方の電極として植毛電極を使用し
て、この植毛電極を形成する繊維の先端と他方の電極と
の間に非一様電界を形成して、流体の本来の流れ方向に
対して、略直角に新たな移動流を形成することにより、
この移動流を流体の本来の流れ方向に対する剪断応力と
して作用させて流体の流動性を発現させているのであ
る。
【0008】従って、植毛の開放端部と他方の電極との
間の電位差が大きいほど流体の流れ方向に対して直交す
る流体の移動流を大きくすることが可能になる。
【0009】本発明は、上記のような流体の流動性をよ
り効率的に制御する方法およびこの制御に用いる改良さ
れた装置である。
【0010】ところで、一般にER流体は不均一系(粒
子分散系)と均一系とに大別される。不均一系のER流
体は、シリカゲル等の微粒子を絶縁油に分散させたもの
である。こうした不均一系ER流体に電圧を印加する
と、分散している微粒子が静電力によって連結して鎖状
になり、この微粒子の鎖を利用して流体の流動性を変動
させることができる。
【0011】しかしながら、こうした不均一系のER流
体では、粒子と媒体との比重差から、粒子の沈降あるい
は浮遊が起こるという問題がある。また、室温では同比
重であっても、低温時あるいは高温時には粒子比重と媒
体比重の温度依存性が同一ではないことから、やはり時
間の経過と共に粒子沈降あるいは浮遊といった問題が生
ずる。
【0012】また、こうした不均一系のER流体では、
電圧を印加すると分散している粒子が鎖状構造を形成す
ることにより、その力学的な性質が変動するのである
が、こうした鎖状構造を形成することに伴い粘度の増加
だけでなく、液体に弾性も発現して固体状態に近似した
力学的応答性を示すようになる。このためこうした不均
一系ER流体は、線形制御が難しく、多くの場合、フィ
ードバック制御等複雑な制御機構を利用しなければなら
ないといった問題がある。
【0013】こうした点からしてER流体は、粒子等を
含有していない均一な流体であることが好ましい。均一
系ER流体であって、しかも弾性が発現しないER流体
としては液晶が知られている。こうした均一系ER流体
では、電圧の印加によってもER流体の弾性は発現しな
いため、制御が容易であり、また均一系であることから
粒子の沈降等の問題はない。
【0014】しかしながら、液晶に代表されるように、
こうした均一系のER流体は非常に高価であることか
ら、表示装置のような非常に付加価値の高い製品にしか
利用されていないのが現状である。また、均一系のER
流体である液晶は、液晶状態を示す温度範囲でなければ
駆動させることができず、従ってER流体として使用す
る可能な温度領域は著しく狭い。例えば、ER流体の使
用温度は、約−30〜120℃であると考えられるが、
こうした広範な温度範囲において液晶を駆動させること
は不可能である。
【0015】上記のようにER流体における流動性の制
御は、特に均一系ER流体においてその有用性が高い。
【0016】ところで、第8回「電磁力関連のダイナミ
ック」シンポジウム講演論文集 No.96-252第437〜438
頁には、「静電デバイスの研究(繊維を用いた新規な応
力伝達系)」についての記載がある。この静電デバイス
は、粒子を分散した不均一系ER流体に電圧を印加する
と粒子が静電電圧によって剛直な鎖状物を形成し、この
鎖状物が流体の流れ抵抗となることを応用した技術であ
り、粒子を含有するER流体を使用するかわりに、沈殿
・浮遊の虞のない布地繊維を電極に貼着固定しこの布地
繊維に電圧を印加することにより、布地繊維を電極に対
して起立させて、この起立した布地繊維による動抵抗を
発現させて流体の制御を行うものである。従って、ここ
での電圧の印加は、繊維を流れ方向に直交するように起
立させて、流体の流れ抵抗を形成するためのものであ
り、この電圧印加によって流体中にECF流体における
ような電圧印加に伴う特異的な高速ジェット流は形成さ
れていない。
【0017】また、第39回自動車制御連合講演会(1996
年10月16,17,18日)の予稿集第203〜206頁には「繊維を
用いた新規なトルク伝達系」が開示されており、円板に
布地繊維を貼着固定し、ここに電場をかけながら回転す
ることにより剪断応力が上昇することが記載されてい
る。
【0018】しかしながら、これらの方法では、電圧を
印加することより布地繊維が剛直な構造をとって電場方
向に配向して剪断応力が増加すると説明されている。即
ち、ここでは、電圧を印加しない状態では流体にたなび
く布地繊維を、電圧を印加して流体と電極との相対的な
移動に抗し得るように剛直にして配向させることによ
り、電圧印加時における剪断応力の増加をはかっている
のである。
【0019】また、これらの方法では、布地繊維を電極
に貼付固定することから、導電電極が流体に露出してい
る部分はなく、電極は一様に布地繊維に被覆されてい
る。さらに移動流発現の観察報告もなく、用いた布地繊
維が無電界時には剪断速度に応じてなびいている等の説
明から、本発明者の主張するようにECFによる移動流
を発生させて、この移動流による流体の剪断応力発現と
は流動制御機構が異なる。
【0020】本発明において発現する剪断応力には力学
的連続性があり、固体化を示す降状応力はなく、制御容
易な性質を示すが、布地繊維貼付固定の電極にあって
は、このような特性はない。
【0021】
【発明の目的】本発明は、粒子等を実質的に含有しない
均一系流体において、電圧を印加することによりその流
動特性を制御する新規な方法を提供することを目的とし
ている。
【0022】さらに本発明は、絶縁性液体を用いてその
流動性を広い温度範囲において容易に制御することので
きる新規な方法を提供することを目的としている。
【0023】また本発明は、上記のような流体の流動性
の制御を行うのに適した制御装置を提供することを目的
としている。
【0024】さらにまた、本発明は、電圧印加により流
体の見かけ粘度を変化させて、この見かけ粘度変化を利
用したバルブを提供することを目的としている。
【0025】
【発明の概要】本発明の流体の流動性制御方法は、少な
くとも一対の電極を、実質的に絶縁性の流体を介して対
峙するように配置して、該電極間に電圧を印加すること
により、該実質的に絶縁性の流体に、概略電圧印加方向
に沿った移動流を形成して、該流体の流動性を制御する
方法であって、該対峙する一対の電極のうちの一方の電
極は、表面に比抵抗値が102Ω・cm以下の導電性繊維
を含む繊維が植設された植毛電極であることを特徴とし
ている。
【0026】また、本発明の流動性制御装置は、比抵抗
値が102Ω・cm以下の導電性繊維を含む繊維を表面に
多数植設した植毛電極を一方の電極として有する少なく
とも一対の電極を、実質的に絶縁性の流体を介して対峙
するように配置されてなり、かつ該電極間に電圧を印加
可能にされている共に、該対峙する一対の電極間を流体
が流動可能にされていることを特徴している。
【0027】さらに本発明の植毛バルブ機構は、比抵抗
値が102Ω・cm以下の導電性繊維を含む繊維を表面に
多数植設した植毛電極を一方の電極として有する少なく
とも一対の電極を、実質的に絶縁性の流体を介して対峙
するように固定配置してなり、かつ該電極間に電圧を印
加可能にされていると共に、該対峙する一対の電極間を
流体が流動可能にされていることを特徴としている。
【0028】本発明の流体の流動性制御方法は、実質的
に絶縁性の流体を介して、植毛電極と他方の電極とから
なる一対の電極を対峙して配置し、この電極間に電圧を
印加してこの流体に非一様電界を形成することにより、
この流体の流れ方向に対して略直交する方向に流体の移
動流(例えば循環流)を形成する。この新たに形成され
た移動流(例えば循環流)を、流体の本来の流れ方向に
対して略直交するように形成すれば、この移動流は、流
体の本来の流れに抗する力、即ち剪断応力になる。
【0029】従って、本発明の方法に従って、流体に電
圧を印加すれば、流体の本来に流れに対して剪断応力を
与えることになり、この剪断応力を利用して、流体の流
動性を制御することができる。
【0030】そして、電圧を印加した際に形成される移
動流は、電位差の最も高い電極間で形成されやすいの
で、植毛電極として、所定の比抵抗値を有する導電性繊
維を植設することにより、この導電性繊維の先端と、他
方の電極との間に非常に強力な移動流を形成することが
可能となる。
【0031】
【発明の具体的な説明】次に本発明の流体の流動性を制
御する方法およびこの方法に用いる装置並びに植毛バル
ブについて具体的に説明する。
【0032】図1に本発明の方法で使用することができ
る流動制御装置の一例を模式的に示す図であり、図2
は、植設された繊維により移動流が形成される状態を模
式的に示す図である。
【0033】本発明で用いる流体の流動性制御装置10
は、少なくとも一対の電極12,14を有している。こ
の一対の電極を形成する電極12,14は、流体16に
非一様電界を形成することができるようにされている。
即ち、表面が平滑な一対の電極を用いたのでは、流体1
6に非一様電界を形成しにくく、流体に新たな移動流を
形成することは難しい。本発明では、対峙する一対の電
極12,14のうち、一方の電極12の表面に繊維18
が植設されており、この附け番12の電極は植毛電極で
ある。そして、本発明ではこの植毛電極12を形成する
繊維18のうち、少なくともその一部は、導電性繊維で
形成されている。ここで、導電性繊維は、比抵抗値が、
102Ω・cm以下でありことが必要である。このような
比抵抗値を有する導電性繊維を電極12の表面に植設す
ることにより、この植設された導電性繊維18の開放先
端部31と、他方の電極14との間の電位差が非常に大
きくなり、電極12,14間に電圧を印加すると、この
開放先端部31と他方の電極14との間に非常に強力な
流体の移動流(ジェット流)33が形成される。流体1
6は、電極12,14の面に沿って移動するのに対し
て、移動流33は、導電性繊維18の開放端部31と電
極14との間に流体16の流れ方向に対して略垂直に形
成されることから、この移動流33は、流体16の粘度
増加として検知される。即ち、電圧を印加することによ
り、電極12,14の間にある流体には、流れ方向に抗
する流体の新たな移動流が形成され、流体の見かけの粘
度が増加する。本発明の方法によれば、電界によって流
体のレオロジー効果が顕在化する電気レオロジー(E
R)効果と同等の効果が得られる。
【0034】なお、植設繊維の開放端部31から電極1
4方向に形成されたジェット流33は、電極14の表面
に達した後は、その向きを植毛電極12方向に変え、植
毛電極12の表面で折り返した移動流は再び繊維の開放
端部31からジェット流となって送り出される。
【0035】このような電圧を印加して流体に非一様電
界を形成することにより生ずる強力なジェット流を本来
の流体の流れ方向に対して抗するように形成すれば、こ
の装置を流体に対するバルブ機構として使用することが
できる。
【0036】例えば図2および図3において、左(A)
から右(B)に流れる流体16は、電極12,14に電
圧を印加することにより、この電極間で、流体16の見
かけ粘度の増加し、その流速および/または流量が低下
する。この流体16の見かけ粘度の増加は、印加電圧に
依存するから、流体16の流速および/または流量を印
加する電圧によって変動させることができる、例えば図
2および図3に示す領域Aと領域Bとを流動性制御装置
50を介して連結すれば、領域Aにおける液体に加圧し
て液体を領域Bに移動させる際に、流動制御装置50に
おける印加電圧を変えることにより、液体の移動速度、
移動量などを制御することができる。
【0037】この流動性制御装置50をバルブとして機
能させることができる。
【0038】このように電極12,14間に、流体の新
たな移動流を形成するためには、流体中に非一様電界を
形成する必要であり、植毛電極12の開放繊維端部33
と電極14との間の電位差が大きいほど移動流が形成さ
れやすい。
【0039】本発明では、植毛電極を形成する導電性繊
維として、比抵抗値が102Ω・cm以下、好ましくは、
10-5〜100Ω・cmの範囲内にある繊維を使用する。
比抵抗値が102Ω・cmを超える繊維を用いたのでは、
他の繊維との比較において、この導電性繊維を用いた優
位性が顕在化しない。但し、比抵抗値が10-5Ω・cmよ
り低い繊維は完全な導電体であり、比較的低い電圧で破
壊電圧に至ることがあり、有効な移動流を形成すること
ができないことがある。また、比抵抗値が10 0Ω・cm
よりも著しく高い場合には、繊維が電極として機能しな
いことがあり、こうした場合にはやはり有効な移動流を
形成されないこともあり得る。
【0040】一般に植毛に使用されているレーヨン繊
維、アクリル繊維等の合成繊維(通常繊維)の比抵抗値
は、102Ω・cmを大きく超え、通常の場合1010Ω・c
m程度である。従って、本発明で電極12に植設する導
電性繊維の比抵抗値は、通常繊維の比抵抗値よりも著し
く低く、通常繊維と導電性繊維とを混合して植設するこ
とにより、通常繊維からなる繊維の先端の群の中に、非
常に電圧の高い部分が点在するような状態になり、流体
には移動流を形成するのに好適な非一様電界が形成され
ることになる。
【0041】このような図2に示すように、植毛電極1
2と他方の電極とを固定し、電極間に電圧を印加しなが
らこの電極間に流体を流して、移動流が形成されること
による見かけ粘度の変化を測定すればよいが、図1に示
すように、粘度を測定しようとする液体中に植毛電極1
2が回転し、他方の電極14が固定された装置を浸漬
し、電極12,14間に電圧を印加しながら、植毛電極
12を回転させて、植毛電極12に対して液体16を相
対的に移動(電極に対して流動)させて、このときに回
転する植毛電極12にかかるストレスを測定することに
より電圧印加による見かけ粘度の変化を測定することが
できる。
【0042】図1には、直径35mmの一対の円板12,
14を有し、上部円板12の下部円板に対面する面に通
常繊維と導電性繊維とが植設された電極を用いた電極の
例が示されている。そして、この上部円板12は、下部
円板14に対して回動自在に配置されている。付番22
は、この上部電極12を回転させるためのモータであ
る。上部円板12と下部円板14とは、1.5mmの間隙
を形成して配置されており、植毛繊維18の長さは1mm
であるから、植設された繊維18の先端と下部円板14
との間に0.5mmの間隙が形成されるように配置されて
いる。このような上部円板12と下部円板14とは電気
的に絶縁されている。図1において、モータ22の回転
軸26には、回転接点が設けられており、上部円板12
と下部円板14との間に電圧を印加することができるよ
うにされている。印加電圧は、コントローラー24によ
って制御される。
【0043】また、上部円板12は、駆動装置であるモ
ータ22に回転軸26により連結されており、この回転
軸26には、回転の際の剪断応力を測定するための測定
装置(図示なし)が備えられている。
【0044】本発明において、植毛電極12は、金属基
板表面に通常繊維および導電性繊維が植設された電極で
ある。
【0045】本発明において、導電性繊維としては、上
述のような比抵抗値を有する繊維あるいは糸類、これら
の紡織、織布類、パンチング加工した不織布類が使用さ
れる。このような比抵抗値を有する繊維の例としては、
グラファイト、導電性処理された繊維、金属繊維、金属
細線、金属メッキ繊維、金属蒸着繊維、炭素複合繊維、
導電性を有するこれらの繊維を混紡あるいは交織して導
電性を付与した繊維を挙げることができる。ここで、繊
維の導電性処理とは、繊維を導電性物質で被覆する処
理、硫酸銅等の繊維に導電性を付与する物質と繊維とを
化学的に結合させる処理、繊維に金属等の導電性物質を
メッキする処理、繊維に金属等の導電性物質を蒸着する
処理、導電性を有するこれらの繊維の混紡あるいは交織
処理などであって、かつこの処理により繊維の比抵抗値
を102Ω・cm以下にする処理をいう。
【0046】上記のような導電性繊維は、通常はこの導
電性繊維よりも比抵抗値の高い繊維(通常の合成繊維な
ど、本発明では導電性繊維以外の繊維を「通常繊維」と
記載することもある)と共に平板状の電極12の表面に
植設される。
【0047】ここで導電性繊維と共に植設される通常繊
維の例としては、有機繊維、無機繊維または絶縁性金属
繊維を挙げることができる。具体的には、有機繊維とし
ては、ポリアミド繊維(ナイロン繊維)、ポリエステル
繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、
ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維およびポリ塩化ビニ
ル繊維等の化学繊維;綿、麻および羊毛等の天然繊維;
有機物質のウイスカー等を挙げることができる。また、
無機繊維としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、無機
物のウイスカー等を挙げることができる。さらに絶縁性
金属繊維としては、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化
物などの金属化合物および絶縁性金属誘導体等のウイス
カーを挙げることができる。
【0048】特に本発明では、導電性繊維と共に植設さ
れる通常繊維としては、有機繊維を使用することが好ま
しい。
【0049】このように上部円板12に植設される導電
性繊維および通常繊維18の長さは、電極間距離により
適宜設定することができるが、導電性繊維および通常繊
維の長さは、通常は、電極板間距離の1/100〜95
/100程度、好ましくは1/100〜80/100程
度に設定される。例えば図1に示す装置10において上
部円板12と下部円板14との円板間距離は1.5mmで
あり、この例では、植設されている導電性繊維および通
常繊維18の長さは、1.0mmである。また、この導電
性繊維および通常繊維18の太さは、通常は0.5〜1
5デニール、好ましくは1.0〜5.0デニールの範囲内
にある。導電性繊維および通常繊維の太さが上記範囲を
大きく逸脱すると電極面への繊維の均一な植設が困難と
なり、得られる植毛電極が示す剪断応力にバラツキが発
生する。
【0050】本発明において、導電性繊維の植設面積と
通常繊維の植設面積とは、流体の特性および導電性繊維
の特性を考慮して適宜設定することができるが、導電性
繊維の植設面積と通常繊維との植設面積との比が1:9
9〜50:50の範囲内にあることが好ましく、さら
に、3:97〜35:65の範囲内にあることが特に好
ましい。
【0051】こうした繊維の植設密度は、制御しようと
する流体の流動性を考慮して適宜設定することができる
が、通常は1000〜50000本/cm2、好ましくは
3000〜30000本/cm2の範囲内にあり、導電性
繊維及び通常繊維の断面積は、被植設電極面積の通常は
2〜75%であり、好ましくは5〜35%である。本発
明の方法において流体の移動流は、主として植設された
導電性繊維18の先端(導電性植毛電極の先端)と、他
方の電極14との間に形成されるため、繊維の植設密度
が低いと形成される流体の移動流の規模が小さく、従っ
て、繊維の植設密度が低いと電圧印加により形成される
移動流が少なくなり充分な流体流動制御ができないこと
があり、また上記範囲を超える本数の植毛は工業的には
実質的にできない。また、導電性繊維と通常繊維とを上
述した割合で混紡あるいは交織して得られる導電性繊維
あるいは糸類等を植毛することもできる。
【0052】上記のような繊維を電極に植設する方法に
特に制限はないが、例えば電極である金属などの表面に
形成された導電性接着剤(植毛糊)層28により電極と
繊維の端部とを接着する方法あるいは接着剤を用いるこ
となく繊維端部を電極材表面に融着する方法など挙げる
ことができる。また、繊維が金属あるいは無機材料など
である場合には電極表面に繊維状に金属あるいは無機材
料を成長させてもよい。
【0053】上記のように繊維18が植設された植毛電
極に対峙する他方の電極14は、電極間に電圧を印加す
ることができるものであればよく、種々の材料で形成す
ることができる。例えばこの他方の電極14は、金属、
グラファイト等の炭素材料、導電性の金属酸化物、導電
層を形成する塗材の塗布膜あるいは導電性フィルム等で
形成することができる。また、これらの電極形成材料の
表面が布等で表面被覆されていてもよい。図1、図2、
図3において、他方の電極14は金属で形成してある。
【0054】上記のような植毛電極12と他方の電極1
4の間には、その使用温度において実質的に絶縁性の流
体16が挟持されている。図1において、植毛電極12
と他方の電極14とは、流体を充填した容器30内に浸
漬された態様が示されており、上記のような植毛電極1
2と他方の電極14とを流体16が充填された容器30
内に浸漬することにより、植毛電極12と他方の電極1
4との間隙に流体16が供給される。
【0055】上記のようにして植毛電極12と他方の電
極間14との間に供給される流体16は、その使用温度
において流動性を示す液体であればよい。本発明におい
てはこの流体16として、その使用温度において実質的
に絶縁性を有する流体を使用する。本発明において「流
体が実質的に絶縁性である」とは、この流体の導電率
(σ)が通常5×10-6S・m-1以下、好ましくは2.5×
10-6S・m-1以下であることを意味する。このような流
体の例としては、シリコーン油、油圧作動油、機械作動
油、トランス油、潤滑油、鉱油、切削油、軸受油、EC
Fを挙げることができる。
【0056】上記のような実質的に絶縁性の流体16を
挟持する植毛電極12と他方の電極14間に電圧を印加
する。ここで印加電圧は、例えば、矩形波、パルス波、
連続波などの状態で印加することができる。印加電圧
は、通常は10V〜10KV、好ましくは50V〜6KVで
ある。こうした電圧が印加される流体が実質的に絶縁性
を示す流体であっても、上記のようにして電圧を印加す
ると非常に微量ではあるけれども電流が流れる。このと
きに流れる電流量は、流体の種類、植毛電極の種類、電
極間距離などによって異なるが、通常は0.001〜1
00μA/cm2、多くの場合0.05〜20μA/cm2
範囲内にある。
【0057】上記のようにして電極間に電圧を印加する
と、植毛電極12の導電性繊維18の先端31と他方の
電極14との間に選択的に流体の移動流が形成される。
すなわち、植毛電極を用いることにより、電極間に挟持
されている流体16に非一様電界が形成され、この非一
様電界により流体に新たな移動流が形成される。この移
動流は、例えば植毛電極を用いた場合には、ほぼそれぞ
れの導電性繊維の先端と他方の電極との間に形成され、
多くの場合流体の循環流となる。例えば図1および図2
においては、植毛電極12の導電性繊維の先端から他方
の電極14の間に縦方向に複数の循環流が形成される。
この循環流は、電極間を横方向に流れる流体の移動に対
してほぼ直角の方向に形成されることから、電極間を横
方向に移動する流体に対して剪断応力として機能する。
そして、この循環流の量(あるいは流れの強さ)は、植
毛電極と他方の電極間に印加される電圧の強さによって
制御することができるので、図1および図2においては
横方向に移動する流体の流動性を、植毛電極12と他方
の電極間14に印加される電圧を変えることにより制御
することができる。
【0058】図5に植毛電極の導電性繊維の先端33と
他方の電極14との間を0.5mmにし、この間隙に一般
的な作動油であるISO粘度グレード32の油圧作動油
(出光興産(株)製、商品名:ダフニースーパーハイド
ロウリックフルイド32)を挟持させて印加電圧1KVの
直流電圧を印加して、上部円板を回転したときの作動油
の粘度変化を示す。比較のために電圧を印加しないとき
の作動油の粘度も併記する。
【0059】一般に流体に電圧を印加した時に流体が粘
度変化することは電気レオロジー効果として知られてい
るが、これは流体が電界によって状態変化することに起
因している。すなわち、例えば粒子分散系電気レオロジ
ー流体は電界によって粒子が誘電分極して電極間に鎖状
構造を形成することにより剪断応力が増加し、流体粘度
が増加するものと理解されている。また、均一電気レオ
ロジー流体である液晶は、電界により電極間の液晶物質
が一方方向に配向し、剪断応力が増加し、流体粘度が増
加するものと理解されている。
【0060】しかしながら、本発明の制御方法の例で用
いた油圧油は、電気的に安定であり、上記のような粒子
分散系流体あるいは液晶のような配向性は有していな
い。従って、粒子が不均一系流体のように鎖状構造を形
成することはあり得ず、また、液晶のように配向するこ
ともあり得ない。油圧油は、電界において安定な物質状
態を示すことが知られており、それが故に、現在優れた
電気絶縁性流体として広く使用されているのである。
【0061】このような電気的に安定な物質である油圧
油を用いても、本発明で規定するように植毛電極と他方
の電極との間に電圧を印加すれば、植毛電極である繊維
の先端と他方の電極間との間に流体の移動流、多くの場
合循環流が観察され、この移動流の形成によって油圧油
の本来に流れ方向に対する剪断応力が増加し、油圧油の
見かけ粘度が上昇することにより流動性が変化する。こ
の油圧油の流動性は、電極間に印加される電圧によって
制御することができる。上記のような流体の挙動は、油
圧油に限られるものではなく、通常の作動油なども同様
の挙動を示す。
【0062】従って、本発明によれば、流体の流動性を
電極に電圧を印加することによって容易に制御すること
ができる。しかも、本発明による制御は、電極間に印加
する電圧を調整することによって極めて精度良く制御す
ることができる。
【0063】そして、本発明の方法では、流体に粒子な
どを配合することなく、通常使用されている絶縁性液体
をそのまま使用して、既存の装置に電極を配置すること
により流体の制御を行うことができるので、設備の大規
模な変更を必要としない。さらに、図1に示すように、
電極を移動することもできるし、図2および図3に示す
ように、電極を固定して、この固定電極間に流体を流動
させ、固定電極に電圧を印加してこの固定電極間を通過
する流体の流動性を制御することができる。即ち、本発
明の方法では、電極に対する流体の相対的な流動特性を
制御することができる。
【0064】特に、図2および図3に示すように、植毛
電極12と他の電極14を固定し、この間を流体を移動
させる際に、植毛電極間に電圧を印加して流体の見かけ
粘度を変えることにより、この植毛電極12と他の電極
14との間を通過する流体の量、速度等を制御すること
ができる。そして、このように相互に位置が固定された
電極間を電圧を制御して印加しながら流体を通過させる
ことにより、この電極間を通過する流体の量及び速度を
制御することができる。このような電極は、流動する流
体に対する弁体に相当し、機械的に弁体を開放・閉鎖す
る代わりに、電極間に印加する電圧を変動することによ
り、流体の流量および流速を制御することができる。
【0065】本発明の制御方法および制御装置は、広く
産業応用が可能であり、図3に示すように、通常の油圧
油を用いる油圧機構において摺動部がなく電圧により制
御可能な油圧バルブとして利用することができる。さら
に、本発明の方法は、クラッチ、ショックアブゾーバー
のような自動車部品、産業機械部品、制振機構等として
応用することができる。
【0066】本発明の流体の流動性の制御方法は、上記
詳述したように植毛電極を用いて、絶縁性流体に電圧を
印加して流体の流動特性を制御するものであるが、本発
明はさらに種々に改変することが可能である。
【0067】例えば、本発明で用いられる流体には、特
に他の成分を配合する必要はないが、例えば酸化防止
剤、安定剤、着色剤、防錆剤、粘度調整剤、防腐剤、防
黴剤、各種溶剤、流動性調整剤、界面活性剤等の添加剤
を配合することもできる。
【0068】また、上記記載では導電性繊維と通常繊維
とは個別独立に植設した態様を示したが、導電性繊維と
通常繊維とを混合紡糸して、一本の繊維中に導電性部と
絶縁性部とを有する複合繊維を植設することによって
も、流体に非一様電界を形成することができ、上記と同
等の作用効果を示す。
【0069】また、流体として、難燃性乃至不燃性の流
体を使用することにより、印加電圧が通常よりも高い場
合であっても、この流体が引火したり、熱分解を起こす
ことが少なくすることができる。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、導電性の繊維を植設す
ることにより、この導電性繊維の開放端部において、流
体に略直行する方向に流体の新たな移動流が形成され、
この移動流によって、流体の見かけの粘度が上昇する。
従って、本発明の方法では、電極間に電圧を印加するこ
とにより、流体の流動特性を変動させることができる。
殊に本発明の流動制御方法では、粒子などが実質的に含
有されない均一系においてECFを用いることにより、
電極間に電圧を印加することにより、植毛電極に植設さ
れた導電性繊維に非常に強いジェット流が形成され、こ
のジェット流によって、流体の見かけ粘度が変わること
から、流体のでレオロジー特性を電圧の印加によって容
易に制御することができる。
【0071】また、この方法で使用する植毛電極を用い
た装置は、基板に導電性繊維と通常繊維とを植設した電
極を有するものであり、この導電性繊維部分では他の部
分よりも強いジェット流が形成され、非常に優れたER
効果を示す。
【0072】また、流体として、不熱性化合物あるいは
組成物を使用することにより、印加電圧は高いけれども
流体に引火の心配がなく、非常に長期間安定に使用する
ことができる。
【0073】しかも、本発明によれば発現する剪断応力
には力学的連続性があり、固体化を示す降状応力はなく
制御容易な性質を示し、制御装置等が簡素化される。
【0074】
【実施例】次に本発明の実施例を示してさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0075】
【実施例1】図1に示すように直径1.0mm、太さ3デ
ニールのレーヨン繊維(大和紡(株)製、商品名:コロ
ナ)85重量部と、長さ1.0mm、太さ3デニール、比
抵抗値が3.2×10-2Ω・cmの導電性処理を行ったア
クリル繊維(日本蚕毛染色(株)製、商品名:サンダー
ロン)15重量部をよく混合して植毛繊維とした。
【0076】直径35mmの円形金属平板上に植毛糊を
0.1mmの厚さに塗布した後、30000Vの電界下で静
電植毛法にて繊維を植毛して植毛電極を製造した。この
ときの植毛密度は8300本/cm2であった。そのう
ち、導電性繊維の植設面積は、1.4cm2であり、レーヨ
ン繊維の植設面積は、8.2cm2であり、両者の植設面積
比は15:85であった。
【0077】このようにして得られた植毛電極を平行平
板型測定センサーの上部の円板として配置した。
【0078】この植毛電極板の下方には、植設された繊
維の先端から0.5mmの間隙を形成して下部電極が配置
されている。この容器内に、ISO粘度グレード32の
油圧作動油(出光興産(株)製、商品名ダフニースーパ
ーハイドロウリックフルイド32)を充填した。
【0079】上記電極(植毛電極)を回転させること
で、油圧作動油に剪断速度を与え、上部電極を正極と
し、下部電極を負極として、1.0KVの電圧を印加し各
剪断速度における粘度を測定した。
【0080】結果を図4に示す。また、電圧印加時の電
流値は各剪断速度において0.3μA/cm2であった。
【0081】
【実施例2】実施例1において用いたレーヨン繊維95
重量部と、実施例1で用いた導電性処理を施したアクリ
ル繊維5重量部とをよく混合して、植毛繊維とした以外
は同様にして植毛電極を製造し、各剪断速度における粘
度を測定した。このときの植毛密度は8300本/cm2
であった。そのうち、導電性繊維の植設面積は、0.5c
m2であり、レーヨン繊維の植設面積は、9.1cm2であ
り、両者の植設面積比は5:95であった。
【0082】結果を図5に示す。
【0083】このときの電流値も、各剪断速度におい
て、0.3μA/cm2であった。
【0084】
【実施例3】実施例1において用いたレーヨン繊維70
重量部と、実施例1において用いた導電性処理を施した
アクリル繊維30重量部とをよく混合して、植毛用繊維
とした以外は実施例1と同様にして植毛電極を製造し
た。このときの植毛密度は8300本/cm2であった。
そのうち、導電性繊維の植設面積は、2.9cm2であり、
レーヨン繊維の植設面積は、6.2cm2であり、両者の植
設面積比は30:70であった。
【0085】実施例1と同様に上部電極(植毛電極)を
回転させ、油圧作動油に剪断速度102/sを与えたと
きの粘度を測定したところ4.8×10-2Pa・sを示
し、上部電極を正極として下部電極を負極として500
Vの直流電圧を印加した時の粘度は3.1×10-1Pa・s
を示し、そのときの電流値は15μA/cm2を示した。
【0086】
【実施例4】実施例1において用いて導電性処理したア
クリル繊維の代わりに長さ1.0mm、繊維直径7μm、
比抵抗値1.5×10-3Ω・cmのグラファイト繊維(東
邦レーヨン(株)製、商品名:ベスファイト)を用いた
以外は同様にして植毛電極を製造した。このときの植毛
密度は8300本/cm2であった。そのうち、導電性繊
維の植設面積は、1.2cm2であり、レーヨン繊維の植設
面積は、8.4cm2であり、両者の植設面積比は13:8
7であった。
【0087】実施例1と同様に、上部電極(植毛電極)
を回転させ、油圧作動油に剪断速度102/sを与えたと
きの粘度を測定したところ、500Vの直流電圧を印加
したときの粘度は4.3×10-1Pa・sを示し、そのとき
の電流値は57μA/cm2を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で好適に使用される制御装置の
例を模式的に示す模式図である。
【図2】図2は、植毛電極における移動流を模式的に示
す図である。
【図3】図3は、植毛バルブの一例を模式的に示す図で
ある。
【図4】図4は、実施例1で測定した、各剪断速度にお
ける流体の粘度を示すグラフである。
【図5】図5は、実施例2で測定した、各剪断速度にお
ける流体の粘度を示すグラフである。
【符号の説明】
10…流動性制御装置 12,14…電極(円板) 16…流体 18…繊維 22…モータ 26…回転軸 28…導電性接着剤 30…容器 31…開放繊維端部 50…流動制御装置(植毛バルブ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H082 AA23 CC02 CC05 DB01 EE13 3J048 AC04 BE04 3J069 BB10 DD25

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対の電極を、実質的に絶縁
    性の流体を介して対峙するように配置して、該電極間に
    電圧を印加することにより、該実質的に絶縁性の流体
    に、概略電圧印加方向に沿った移動流を形成して、該流
    体の流動性を制御する方法であって、該対峙する一対の
    電極のうちの一方の電極は、表面に比抵抗値が102Ω
    ・cm以下の導電性繊維を含む繊維が植設された植毛電極
    であることを特徴とする流体の流動性制御方法。
  2. 【請求項2】 前記導電性繊維の植設面積と他の繊維と
    の植設面積との比が1:99〜50:50の範囲内にあ
    ることを特徴とする請求項第1項記載の流体の流動性制
    御方法。
  3. 【請求項3】 前記導電性繊維が、導電性処理を施した
    繊維、グラファイトおよび金属繊維よりなる群から選ば
    れる少なくとも一種類の導電性物質で形成されているこ
    とを特徴とする請求項第1項記載の流体の流動性制御方
    法。
  4. 【請求項4】 前記電圧を、実質的に絶縁性の流体の流
    れ方向に対して概略直交する方向に印加することことを
    特徴とする請求項第1項に記載の流体の流動性制御方
    法。
  5. 【請求項5】 前記植毛電極を形成する繊維の平均長さ
    が10mm〜50μmの範囲内にあり、該繊維の太さが
    0.1〜10デニールの範囲内にあり、かつ該繊維が1c
    m2あたり1000〜50000本植設されていることを
    特徴とする請求項第1項記載の流体の流動性制御方法。
  6. 【請求項6】 前記一対の電極間に10V〜10KVの直
    流電圧または10V〜10KVのパルス状電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項第1項記載の流体の流動性制御
    方法。
  7. 【請求項7】 前記流体の使用温度における導電率が、
    5×10-6S・m-1以下であることを特徴とする請求項
    第1項記載の流体の流動制御方法。
  8. 【請求項8】 比抵抗値が102Ω・cm以下の導電性繊
    維を含む繊維を表面に多数植設した植毛電極を一方の電
    極として有する少なくとも一対の電極を、実質的に絶縁
    性の流体を介して対峙するように配置してなり、かつ該
    電極間に電圧を印加可能にされている共に、該対峙する
    一対の電極間を流体が流動可能にされていることを特徴
    とする流体の流動性制御装置。
  9. 【請求項9】 前記植毛電極と他の電極との相対的位置
    が固定されており、該一対の電極間を流体が流動するこ
    とを特徴とする請求項第8項記載の流体の流動性制御装
    置。
  10. 【請求項10】 比抵抗値が102Ω・cm以下の導電性
    繊維を含む繊維を表面に多数植設した植毛電極を一方の
    電極として有する少なくとも一対の電極を、実質的に絶
    縁性の流体を介して対峙するように固定配置してなり、
    かつ該電極間に電圧を印加可能にされていると共に、該
    対峙する一対の電極間を流体が流動可能にされているこ
    とを特徴とする植毛バルブ機構。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005143177A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Tokyo Denki Univ Ehd現象を利用したアクチュエータ
KR101407489B1 (ko) 2012-11-29 2014-06-13 서울대학교산학협력단 액체를 이용한 에너지 전환 장치

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JP4531375B2 (ja) * 2003-11-05 2010-08-25 学校法人東京電機大学 Ehd現象を利用したアクチュエータ
KR101407489B1 (ko) 2012-11-29 2014-06-13 서울대학교산학협력단 액체를 이용한 에너지 전환 장치

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