JP2000219754A - プリプレグの製造方法及び製造装置 - Google Patents

プリプレグの製造方法及び製造装置

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JP2000219754A
JP2000219754A JP33313399A JP33313399A JP2000219754A JP 2000219754 A JP2000219754 A JP 2000219754A JP 33313399 A JP33313399 A JP 33313399A JP 33313399 A JP33313399 A JP 33313399A JP 2000219754 A JP2000219754 A JP 2000219754A
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sheet
roll
matrix resin
thermosetting matrix
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JP33313399A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Hamabe
竜一 浜辺
Kensho Sugimoto
憲昭 杉本
Hiroshi Harada
宏 原田
Toshihiro Ieji
敏弘 家治
Yoshinori Matsuzaki
義則 松▲崎▼
Hiroyuki Mori
弘行 森
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 清掃やメンテナンスに手間を要することな
く、安価な設備コストで製造を行なうことができ、しか
もボイドの発生を防止することができるプリプレグの製
造方法を提供する。 【解決手段】 転写ロール2の表面に膜状に形成された
溶剤を含まない熱硬化性マトリクス樹脂を溶融状態で転
写ロール2からシート状補強基材1の片面に転写して塗
工すると共にこの熱硬化性マトリクス樹脂をシート状補
強基材1に含浸させる。次にシート状補強基材1の熱硬
化性マトリクス樹脂が塗工された側に配置された付回り
ロール3をシート状補強基材1の片面に押圧して熱硬化
性マトリクス樹脂をシート状補強基材1の塗工面と反対
側に付回らせる。この後に、この熱硬化性マトリクス樹
脂を塗工・含浸したシート状補強基材1を非接触タイプ
の加熱ユニット4で加熱して熱硬化性マトリクス樹脂を
半硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維からなる長尺
のシート状補強基材を連続して送りながら溶剤を含まな
い熱硬化性マトリクス樹脂を塗工、含浸させることによ
ってプリプレグを連続的に製造するプリプレグの製造方
法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維からなる長尺のシート状補強基材を
連続して送りながら溶剤を含まない熱硬化性マトリクス
樹脂を塗工、含浸させることによってプリプレグを連続
的に製造する技術としては、特開平8−281645号
公報で提供されているものがある。
【0003】すなわちこのものは、ダイコーターを用い
て、溶剤を含まない熱硬化性マトリクス樹脂を溶融状態
でシート状補強基材の片面に塗工する第1のコーティン
グ工程と、熱硬化性マトリクス樹脂が塗工されたシート
状補強基材を非接触タイプの加熱ユニットで加熱して熱
硬化性マトリクス樹脂をシート状補強基材に含浸させる
工程と、熱硬化性マトリクス樹脂が含浸されたシート状
補強基材に、第1のコーティング工程による樹脂塗工面
とは反対側の面から熱硬化性マトリクス樹脂をダイコー
ターを用いて塗工する第2のコーティング工程と、熱硬
化性マトリクス樹脂が塗工・含浸されたシート状補強基
材を非接触タイプの加熱ユニットにより加熱し、熱硬化
性マトリクス樹脂を半硬化させてシート状プリプレグを
形成する工程とからなるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように特開平8
−281645号公報で提供されている技術では、ダイ
コーターを用いてシート状補強基材に熱硬化性マトリク
ス樹脂を塗工するようにしている。しかしダイコーター
は内部に熱硬化性マトリクス樹脂が固着し易くて塗工精
度が悪化するおそれがあり、ダイコーター内に固着した
樹脂を除去する清掃やメンテナンスに時間がかかるとい
う問題があった。またダイコーターはそのものが非常に
高価な装置であり、しかもシート状補強基材の一方の片
面と他方の片面にそれぞれダイコーターを配置してそれ
ぞれの面に熱硬化性マトリクス樹脂を塗工する必要があ
り、設備コストが増大するという問題もあった。さら
に、シート状補強基材の両面からそれぞれ熱硬化性マト
リクス樹脂を塗工するようにしているために、シート状
補強基材内の空気が封じ込められて、ボイドが発生し易
いという問題もあった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、清掃やメンテナンスに手間を要することなく、安
価な設備コストで製造を行なうことができ、しかもボイ
ドの発生を防止することができるプリプレグの製造方法
及び製造装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
プリプレグの製造方法は、繊維からなる長尺のシート状
補強基材1を連続して送りながら熱硬化性マトリクス樹
脂を塗工、含浸させることによってプリプレグを連続的
に製造するにあたって、転写ロール2の表面に膜状に形
成された溶剤を含まない熱硬化性マトリクス樹脂を溶融
状態で転写ロール2からシート状補強基材1の片面に転
写して塗工し、この熱硬化性マトリクス樹脂をシート状
補強基材1に含浸させ、次にシート状補強基材1の熱硬
化性マトリクス樹脂が塗工された側に配置された付回り
ロール3をシート状補強基材1の片面に押圧して熱硬化
性マトリクス樹脂をシート状補強基材1の塗工面と反対
側に付回らせ、この後に、この熱硬化性マトリクス樹脂
を塗工・含浸したシート状補強基材1を非接触タイプの
加熱ユニット4で加熱して熱硬化性マトリクス樹脂を半
硬化させることを特徴とするものである。
【0007】また請求項2の発明は、シート状補強基材
1に塗工・含浸された熱硬化性マトリクス樹脂を加熱す
る加熱器5を、シート状補強基材1の塗工面と反対側に
非接触で配置することを特徴とするものである。
【0008】また請求項3の発明は、シート状補強基材
1の送り方向に沿った複数箇所に付回りロール3を配置
することを特徴とするものである。
【0009】また請求項4の発明は、付回りロール3に
対向してシート状補強基材1の塗工面と反対側の面に接
触させて、熱硬化性マトリクス樹脂に対して離型性を有
するバックアップシート6を配置することを特徴とする
ものである。
【0010】また請求項5の発明は、シート状補強基材
1の塗工面と反対側をエア負圧にすることを特徴とする
ものである。
【0011】また請求項6の発明は、付回りロール3を
シート状補強基材1の送り方向と逆方向に回転させるこ
とを特徴とするものである。
【0012】また請求項7の発明は、付回りロール3を
シート状補強基材1の送り方向と同方向に回転させるこ
とを特徴とするものである。
【0013】また請求項8の発明は、転写ロール2の外
周面にシート状補強基材1を巻き付けるようにシート状
補強基材1を移動させる拭き取り用ロール7を設けるこ
とを特徴とするものである。
【0014】また請求項9の発明は、転写ロール2に対
向してメータリングロール12を配置すると共に転写ロ
ール2の表面に供給された溶融状態の熱硬化性マトリク
ス樹脂をメータリングロール12で拡げた状態で、転写
ロール2からシート状補強基材1の片面に転写して塗工
するにあたって、シート状補強基材1に塗工された熱硬
化性マトリクス樹脂の塗工状態を検出すると共に、検出
された塗工状態に応じて転写ロール2の回転軸に対する
メータリングロール12の回転軸の傾斜角度を演算し、
演算された傾斜角度になるようにメータリングロール1
2を角度調整することを特徴とするものである。
【0015】また請求項10の発明は、シート状補強基
材1に塗工された熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状態を
検出すると共に、検出された塗工状態に応じてシート状
補強基材1の送り方向と交差する方向に付回りロール3
を移動させる移動量を演算し、演算された移動量で付回
りロール3を移動調整することを特徴とするものであ
る。
【0016】また請求項11の発明は、ロールの回転数
やトルク値を計測し、計測された回転数やトルク値と予
め設定された回転数やトルク値とを比較して正常あるい
は異常を判定すると共に異常を検出することを特徴とす
るものである。
【0017】また請求項12の発明は、ロールの異常が
検出されると、ロールの回転を停止あるいは逆回転させ
ることを特徴とするものである。
【0018】また請求項13の発明は、熱硬化性マトリ
クス樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂の2液混合樹脂であること
を特徴とするものである。
【0019】本発明の請求項14に係るプリプレグの製
造装置は、繊維からなる長尺のシート状補強基材1を連
続して送り出す巻出しユニット8と、シート状補強基材
1の切り替え時に作動されるアキュムレータユニット9
と、主剤と硬化剤を混合して溶剤を含まない熱硬化性マ
トリクス樹脂を送り出す樹脂送り出しユニット10と、
樹脂送り出しユニット10から送られた熱硬化性マトリ
クス樹脂を溶融状態で供給するレジンガン11と、外周
面にレジンガン11から供給される溶融状態の熱硬化性
マトリクス樹脂をシート状補強基材1の片面に転写して
塗工する転写ロール2と、転写ロール2の外周面にレジ
ンガン11から供給された溶融状態の熱硬化性マトリク
ス樹脂を均一に拡げるメータリングロール12と、シー
ト状補強基材1を転写ロール2の外周面に押し付けるバ
ックアップロール13と、シート状補強基材1の片面に
塗工された熱硬化性マトリクス樹脂をシート状補強基材
1の塗工面と反対の面に付回らせる付回りロール3と、
シート状補強基材1に含浸された熱硬化性マトリクス樹
脂を加熱して半硬化させる非接触式の加熱ユニット4と
を具備して成ることを特徴とするものである。
【0020】また請求項15の発明は、付回りロール3
と加熱ユニット4の間において、シート状補強基材1の
両面にそれぞれ接触させて段違いに配置され、シート状
補強基材1の送り方向と逆方向に回転される一対のスム
ージングロール25を具備して成ることを特徴とするも
のである。
【0021】また請求項16の発明は、転写ロール2か
ら転写されてシート状補強基材1に塗工された熱硬化性
マトリクス樹脂の塗工状態を検出する検出手段を具備し
て成ることを特徴とするものである。
【0022】また請求項17の発明は、上記の検出手段
と、検出手段で検出された塗工状態に応じて転写ロール
2の回転軸に対するメータリングロール12の回転軸の
傾斜角度を演算する演算手段と、演算された傾斜角度に
なるようにメータリングロール12を角度調整する駆動
手段を具備して成ることを特徴とするものである。
【0023】また請求項18の発明は、上記の検出手段
と、検出手段で検出された塗工状態に応じてシート状補
強基材1の送り方向と交差する方向に付回りロール3を
移動させる移動量を演算する演算手段と、演算された移
動量で付回りロール3を移動調整する駆動手段を具備し
て成ることを特徴とするものである。
【0024】また請求項19の発明は、付回りロール3
の回転数やトルク値を計測すると共にバックアップロー
ル13の回転数やトルク値、バックアップロール13と
転写ロール2の間のクリアランスを計測する計測手段
と、付回りロール3の回転数やトルク値を制御すると共
にバックアップロール13の回転数やトルク値、バック
アップロール13と転写ロール2の間のクリアランスを
制御する制御手段とを具備して成ることを特徴とするも
のである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0026】図1は請求項1の発明の実施の形態の一例
を示すものである。シート状補強基材1はガラスクロス
など繊維からなる長尺物に形成されるものであり、連続
して矢印方向に送られている。このシート状補強基材1
はバックアップロール13の外周に回して折り返すよう
に送られるものであり、シート状補強基材1を介してバ
ックアップロール13と対向させて転写ロール2が配置
してある。この転写ロール2はシート状補強基材1の送
り方向と逆方向(シート状補強基材1と転写ロール2の
対向面の移動方向が逆方向)に回転駆動されるものであ
り、またこの転写ロール2の外周には転写ロール2の回
転方向とリバース方向(転写ロール2とメータリングロ
ール12の対向面の移動方向が逆方向)に回転駆動され
るメータリングロール12が配置してある。また、転写
ロール2の配置位置よりもシート状補強基材1の進行方
向側の位置において付回りロール3が配置してある。こ
の付回りロール3はシート状補強基材1の送り方向と逆
方向(シート状補強基材1と付回りロール3の対向面の
移動方向が逆方向)に回転駆動されるものである。そし
てさらに、付回りロール3の配置位置よりもシート状補
強基材1の進行方向側の位置において、加熱ユニット4
が配置してある。加熱ユニット4は例えば内部に加熱空
気を循環して非接触で加熱することができるものとして
形成してある。
【0027】熱硬化性マトリクス樹脂としては、無溶剤
型のエポキシ樹脂などが用いられるものであり、熱硬化
性樹脂を主成分とする組成物(主剤)を貯蔵するタンク
20aと硬化剤を主成分とする組成物を貯蔵するタンク
20bからそれぞれ、ギアポンプなどで形成される計量
ポンプ21a,21bによって所定量の各組成物を送り
出して混合する樹脂送りユニット10が設けてある。こ
のように各組成物を混合して調製される無溶剤型の熱硬
化性マトリクス樹脂は溶融状態で転写ロール2に供給さ
れるようにしてある。溶融状態の熱硬化性マトリクス樹
脂が転写ロール2の外周面に供給されると、この熱硬化
性マトリクス樹脂はメータリングロール12によって転
写ロール2の外周表面に均一に拡げられ、転写ロール2
の外周面で均一な膜状に形成される。
【0028】このように溶融状態の熱硬化性マトリクス
樹脂が均一な膜状に形成される転写ロール2の外周面に
は、バックアップロール13によってシート状補強基材
1の片面が押し付けられており、熱硬化性マトリクス樹
脂は転写ロール2からシート状補強基材1の片面の表面
に転写されて均一に塗工される。このようにシート状補
強基材1の片面に塗工された熱硬化性マトリクス樹脂は
溶融状態にあるので、熱硬化性マトリクス樹脂は自然に
シート状補強基材1内に浸透して含浸していく。シート
状補強基材1への熱硬化性マトリクス樹脂の塗工は、こ
のようにして転写ロール2による転写で行なうことがで
き、従来のようにダイコーターを用いる必要が無くなる
ものであり、ダイコーター内に熱硬化性マトリクス樹脂
が固着する場合のような問題が無くなるものである。
【0029】ここで、請求項13の発明では、熱硬化性
マトリクス樹脂として、無溶剤型のエポキシ樹脂のなか
でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの液状ビス
フェノール型エポキシ樹脂とクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂の2液混合樹脂を用いるようにしている。ビ
スフェノール型エポキシ樹脂とクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂の2液混合樹脂は溶融粘度が低く(従来の
エポキシ樹脂の100℃での粘度が約1/20)、上記
のように熱硬化性マトリクス樹脂を転写ロール2からシ
ート状補強基材1に転写して塗工するにあたって、塗工
が容易になるものであり、しかもこのビスフェノール型
エポキシ樹脂とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂は
樹脂材料としてコスト安価であり、プリプレグの製造を
材料コスト安価に行なうことができるものである。2液
混合樹脂において、ビスフェノール型エポキシ樹脂とク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂の混合割合は、両者
の合計量に対してクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
が5.0〜15.0質量%の範囲になるように設定する
のが好ましい。
【0030】次に、溶融状態の熱硬化性マトリクス樹脂
が塗工・含浸されたシート状補強基材1は付回りロール
3の位置に連続して送られる。付回りロール3はシート
状補強基材1の熱硬化性マトリクス樹脂を塗工した側の
面に押し付けらるように配置されているものであり、シ
ート状補強基材1が付回りロール3の外周に接触して通
過する際に、シート状補強基材1に塗工・含浸された溶
融状態の熱硬化性マトリクス樹脂は付回りロール3に押
圧されて、シート状補強基材1の塗工面と反対側の面に
押し出されて付回ることになる。このようにして、シー
ト状補強基材1の片面に転写ロール2で熱硬化性マトリ
クス樹脂を塗工するだけで、シート状補強基材1にはそ
の両面に均一に熱硬化性マトリクス樹脂を付回らせると
共にその内部に均一に熱硬化性マトリクス樹脂を含浸さ
せることができるものであり、従来のようにシート状補
強基材1の片面と他方の片面にそれぞれダイコーターを
配置して各面に熱硬化性マトリクス樹脂を塗工するよう
な必要が無くなるものである。また、シート状補強基材
1への転写ロール2による熱硬化性マトリクス樹脂の塗
工や、付回りロール3による塗工面と反対側への熱硬化
性マトリクス樹脂の付回りの操作は、いずれもシート状
補強基材1の同じ片面において行なわれるので、シート
状補強基材1内の空気は他方の片面から容易に逃げて封
じ込められることがなく、ボイドが発生することを防ぐ
ことができるものである。
【0031】このようにして熱硬化性マトリクス樹脂が
塗工・含浸されたシート状補強基材1は加熱ユニット4
に送られ、加熱ユニット4内を非接触で通過する間に熱
硬化性マトリクス樹脂が加熱され、熱硬化性マトリクス
樹脂をBステージ状態に半硬化させてシート状プリプレ
グ22を得ることができるものである。このシート状プ
リプレグ22は搬送ロール23で送られ、巻き取るか、
あるいは一定長さに切断して、次工程に送られるもので
ある。
【0032】図2は請求項2の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、転写ロール2と付回りロール3の間
の位置において、シート状補強基材1の熱硬化性マトリ
クス樹脂を塗工した面と反対側に加熱器5が配置してあ
る。加熱器5としては遠赤外線などの輻射熱で加熱した
り、熱風を吹き付けて加熱したりする非接触型のものが
用いられるものである。その他の構成は図1のものと同
じである。そしてこのものでは、転写ロール2によって
シート状補強基材1に塗工された熱硬化性マトリクス樹
脂は加熱器5によって加熱され、温度が低下して溶融状
態の熱硬化性マトリクス樹脂の粘度が高くなることがな
いように保温することができるものであり、シート状補
強基材1に対する溶融状態の熱硬化性マトリクス樹脂の
浸透を促進して、シート状補強基材1内に熱硬化性マト
リクス樹脂を良好に含浸させることができるものであ
る。シート状補強基材1に対する溶融状態の熱硬化性マ
トリクス樹脂の浸透条件が最適になるように、加熱器5
による加熱温度を調整するのが好ましい。
【0033】図3は請求項3の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、転写ロール2と加熱ユニット4の間
の位置において、シート状補強基材1の進行方向の複数
箇所にそれぞれ付回りロール3が配置して設けてある。
その他の構成は図1のものと同じである。このものでは
シート状補強基材1の片面に塗工・含浸された熱硬化性
マトリクス樹脂を各付回りロール3によってそれぞれ、
シート状補強基材1の塗工面と反対側の面に付回らせる
ことができるものであり、付回り量をより細かにコント
ロールすることが可能になるものである。すなわち、一
つの付回りロール3では付回り量に限界があるが、この
ように複数本の付回りロール3を配置することによっ
て、付回り量を補うことができ、この複数本の付回りロ
ール3間で各々の周速を調整することで付回り量をより
細かにコントロールすることができるものである。
【0034】図4は請求項4の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、付回りロール3に対向する位置にお
いて、シート状補強基材1の熱硬化性マトリクス樹脂を
塗工した面と反対側の面に接触させて、バックアップシ
ート6が配置してある。バックアップシート6は熱硬化
性マトリクス樹脂に対して離型性を有する離型紙などで
エンドレスに形成されるものであって、一対のロール2
6間にバックアップシート6を懸架してあり、バックア
ップシート6はシート状補強基材1に接しながら、シー
ト状補強基材1の送りと同調して同じ速度で同じ方向に
移動するようになっている。その他の構成は図1のもの
と同じである。このものでは、シート状補強基材1の片
面に塗工・含浸された溶融状態の熱硬化性マトリクス樹
脂が付回りロール3で押圧されて他方の片面に押し出さ
れると、バックアップシート6の表面張力を利用して熱
硬化性マトリクス樹脂をシート状補強基材1の他方の片
面の表面に沿って拡がらせることができ、熱硬化性マト
リクス樹脂をシート状補強基材1の他方の片面に均一に
付回すことができると共に付回り量を増やすことができ
るものである。
【0035】図5は請求項5の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、付回りロール3に対向する位置にお
いて、シート状補強基材1の熱硬化性マトリクス樹脂を
塗工した面と反対側に吸引装置24が配置してある。吸
引装置24は吸引面24aがシート状補強基材1の塗工
面と反対側の面に近接対向させてある。その他の構成は
図1のものと同じである。このものにあって、吸引装置
24を作動させて吸引面24aから吸引させると、シー
ト状補強基材1の塗工面と反対側の部分が負圧になり、
シート状補強基材1の塗工面と、塗工面と反対側の面と
の間に圧力差が生じ、シート状補強基材1の片面に塗工
された溶融状態の熱硬化性マトリクス樹脂が塗工面と反
対側へとシート状補強基材1を浸透し易くなり、付回り
ロール3による熱硬化性マトリクス樹脂の付回り速度を
速くすることができると共に付回り量を増やすことがで
きるものである。また吸引装置24による吸引を調整し
てシート状補強基材1の塗工面と反対側の部分の負圧の
程度を調整することによって、熱硬化性マトリクス樹脂
の付回り量をコントロールすることができるものであ
る。
【0036】図6は請求項6の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、付回りロール3をシート状補強基材
1の送り方向と逆方向に回転駆動させるようにしてあ
る。その他の構成は図1のものと同じである。このよう
に付回りロール3をシート状補強基材1の送り方向と逆
方向に逆回転させることによって、シート状補強基材1
と付回りロール3の対向面は移動方向が逆方向になり、
シート状補強基材1の片面に塗工された溶融状態の熱硬
化性マトリクス樹脂は付回りロール3によってシート状
補強基材1に擦り付けられる作用を受ける。この擦り付
け作用は付回りロール3の回転速度(周速度)が速くな
る程強くなって、付回りロール3による熱硬化性マトリ
クス樹脂のシート状補強基材1の他方の片面への付回り
量が多くなる。従って、付回りロール3の回転速度(周
速度)を調整することによって、熱硬化性マトリクス樹
脂の付回り量を容易にコントロールすることができるも
のである。
【0037】図7は請求項7の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、付回りロール3をシート状補強基材
1の送り方向と同方向に回転させるようにしてある。そ
の他の構成は図1のものと同じである。このように付回
りロール3をシート状補強基材1の送り方向と同方向に
正転させることによって、シート状補強基材1と付回り
ロール3の対向面は移動方向が同じ方向になり、シート
状補強基材1の片面に塗工された溶融状態の熱硬化性マ
トリクス樹脂は付回りロール3による加圧作用でシート
状補強基材1に押し込まれて他方の片面に回り付けられ
ることになる。従って、図7のイのように付回りロール
3に対するシート状補強基材1の巻き付け角度が小さく
接触距離が短いと、熱硬化性マトリクス樹脂のシート状
補強基材1の他方の片面への付回り量が少なくなり、図
7のロのように付回りロール3に対するシート状補強基
材1の巻き付け角度が大きく接触距離が長いと、熱硬化
性マトリクス樹脂のシート状補強基材1の他方の片面へ
の付回り量が多くなり、付回りロール3に対するシート
状補強基材1の巻き付け角度を調整することによって、
熱硬化性マトリクス樹脂の付回り量を容易にコントロー
ルすることができるものである。
【0038】図8は請求項8の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、バックアップロール13よりもシー
ト状補強基材1の送り方向と逆方向の位置において、シ
ート状補強基材1の塗工面と反対側に拭き取り用ロール
7が配置してある。この拭き取り用ロール7は転写ロー
ル2の側方位置と、転写ロール2の下側位置の間で移動
自在になっている。図8において25はシート状補強基
材1の表面を平滑にならすためのスムージングロールで
ある。その他の構成は図1のものと同じである。このも
のにあって、通常生産時では、拭き取り用ロール7は図
8(a)のように転写ロール2の側方位置に配置されて
おり、シート状補強基材1には接触していない。そして
トラブルによる一時停止が発生した場合には転写ロール
2の表面に供給された熱硬化性マトリクス樹脂が転写ロ
ール2の表面で硬化して固着するおそれがあるので、一
時停止が発生すると直ぐに転写ロール2の表面の熱硬化
性マトリクス樹脂を拭き取る必要があり、また品種切り
替え時にも転写ロール2の表面の熱硬化性マトリクス樹
脂を拭き取る必要がある。そこで、転写ロール2の表面
の熱硬化性マトリクス樹脂を拭き取る必要が発生する
と、拭き取り用ロール7を図8(b)のように転写ロー
ル2の下側位置に移動させることによって、拭き取り用
ロール7でシート状補強基材1を転写ロール2の外周表
面に巻き付かせ、このように巻き付かせたシート状補強
基材1によって転写ロール2の表面の熱硬化性マトリク
ス樹脂を拭き取り、転写ロール2の表面に熱硬化性マト
リクス樹脂が固着することを防ぐようにしてある。
【0039】図9は請求項14の発明に用いる装置の実
施の形態の一例を示すものである。図9において8は巻
出しユニットであって、長尺のシート状補強基材1を巻
いた一対の巻出しロール28a,28bを設けて形成し
てあり、一方の巻出しロール28aから繰り出したシー
ト状補強基材1がアキュムレータユニット9に送り出さ
れるようになっている。アキュムレータユニット9は上
下方向に移動駆動される複数の可動ロール29,29…
を具備して形成されるものであり、シート状補強基材1
は各可動ロール29,29…に折り返して蛇行するよう
に懸架してある。上記の一方の巻出しロール28aから
他方の巻出しロール28bにシート状補強基材1を切り
替える際に、アキュムレータユニット9を作動させるこ
とによって装置の連続運転が可能になるものである。ま
た、シート状補強基材1の送り方向に沿って、既述のバ
ックアップロール13、転写ロール2、付回りロール
3、スムージングロール25,加熱ユニット4が配置し
てある。さらに、樹脂送りユニット10はレジンガン1
1に接続してあり、溶融した熱硬化性マトリクス樹脂を
混合しながらレジンガン11から転写ロール2に供給す
ることができるようにしてある。そして既述のように、
熱硬化性マトリクス樹脂が塗工・含浸されたシート状補
強基材1を加熱ユニット4で加熱することによって、熱
硬化性マトリクス樹脂をBステージ状態に半硬化させて
シート状プリプレグ22を得ることができるものであ
る。このシート状プリプレグ22は搬送ロール23で送
られ、コンパクションロール30でシート状プリプレグ
22の表面を加圧して圧縮した後、巻き取りユニット3
1の巻き取りロール32にシート状プリプレグ22を巻
き取るようになっている。尚、このようにシート状プリ
プレグ22を巻き取る他に、カッターユニットと積載装
置を具備して、シート状プリプレグ22を所定の定寸に
カッターユニットで切断すると共に、切断した定寸のプ
リプレグを積載装置に積み上げるようにしてもよい。
【0040】図10は請求項16の発明の実施の形態の
一例を示すものであり、図10(a)は転写ロール2か
らシート状補強基材1に転写して塗工された熱硬化性マ
トリクス樹脂の塗工状態を検出する検出手段の一例を示
している。すなわち図10(a)に示される塗工状態検
出手段は、X線などの放射線を照射する照射器35と、
光軸上で照射器35に対向して配置され照射器35から
照射された放射線を受光する受光器36とから形成され
るものである。そして、熱硬化性マトリクス樹脂が塗工
されたシート状補強基材1を挟んで一方側と他方側に照
射器35と受光器36を配置し、照射器35から照射さ
れた放射線をシート状補強基材1に照射すると共に、シ
ート状補強基材1を透過した放射線を受光器36で受光
して、透過量を測定することによって、熱硬化性マトリ
クス樹脂の塗工状態を検出することができる。つまり、
熱硬化性マトリクス樹脂の塗工量が少ない部分では放射
線の透過量が多くなり、熱硬化性マトリクス樹脂の塗工
量が多い部分では放射線の透過量が少なくなるので、放
射線の透過量分布を測定することによって、熱硬化性マ
トリクス樹脂の塗工状態を検出することができるのであ
る。図10(b)は上記のようにして検出された熱硬化
性マトリクス樹脂の塗工状態の一例を示すものであり、
シート状補強基材1の幅方向の中央部で塗工量が多く、
両端部で塗工量が少ない塗工状態を示している。また、
照射器35から照射された放射線を転写ロール2に照射
すると共に、熱硬化性マトリクス樹脂を透過して転写ロ
ールの表面で反射した放射線を受光器36で受光して、
透過・反射量を測定することによって、転写ロール2の
表面に供給された熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状態を
検出することもできる。
【0041】図11は請求項9及び請求項17の発明の
実施の形態の一例を示すものであり、転写ロール2に近
接対向させてメータリングロール12を配置し、メータ
リングロール12を転写ロール2とリバース方向(転写
ロール2とメータリングロール12の対向面の移動方向
が逆方向)に回転駆動させることによって、転写ロール
2の表面に供給された溶融状態の熱硬化性マトリクス樹
脂をメータリングロール12で転写ロール2の表面に沿
って軸方向へ押し拡げ、この状態で、熱硬化性マトリク
ス樹脂を転写ロール2からシート状補強基材1の片面に
転写して塗工するようにしてある。そして転写ロール2
の回転軸2aとメータリングロール12の回転軸12a
はほぼ平行になるように設定されているが、この実施の
形態では、図11(b)(c)のように転写ロール2の
回転軸2aに対してメータリングロール12の回転軸1
2aを傾斜させて、両回転軸2a,12a間の角度であ
る傾斜角度θを調整できるようにしてある。
【0042】このように転写ロール2の回転軸2aに対
してメータリングロール12の回転軸12aの傾斜角度
θを調整することによって、転写ロール2とメータリン
グロール12の間の軸方向の両端部でのクリアランスを
調整することができる。すなわち、傾斜角度θが小さい
と、転写ロール2とメータリングロール12の軸方向の
中央部と両端部のクリアランスの差は小さいが、傾斜角
度θが大きくなると、転写ロール2とメータリングロー
ル12の軸方向の両端部のクリアランスが大きくなって
中央部と両端部のクリアランスの差が大きくなる。従っ
て、メータリングロール12の傾斜角度θを調整するこ
とによって、転写ロール2の表面に供給された溶融状態
の熱硬化性マトリクス樹脂をメータリングロール12で
転写ロール2の軸方向へ押し広げる際の、転写ロール2
の両端部での熱硬化性マトリクス樹脂の厚みを調整する
ことができるものである。
【0043】図12はメータリングロール12を角度調
整する駆動手段の一例を示すものであり、メータリング
ロール12の両端のロール軸37をそれぞれ軸支する軸
受け38を、個々にラック39に取り付けてある。この
一対の各ラック39にはそれぞれ独立して作動されるモ
ータ40によって回転駆動されるピニオン41が噛合し
てあり、各モータ40を作動させてピニオン41をそれ
ぞれ回転駆動することによって、各ラック39をその長
手方向に移動させることができるようにしてある。この
ものにあって、各モータ40を作動させてピニオン41
をそれぞれ回転駆動し、各ラック39をそれぞれ図12
(a)の矢印のように相互に逆方向に移動させると、メ
ータリングロール12は図12(a)の矢印方向に回動
されるものであり、また各ラック39を図12(a)の
矢印と反対向きに移動させると、メータリングロール1
2は図12(a)の矢印と逆向きに回動されるものであ
る。このようにしてメータリングロール12を回動させ
ることによって、転写ロール2に対してメータリングロ
ール12の角度調整を行なうことができるようにしてあ
る。
【0044】ここで、転写ロール2への溶融した熱硬化
性マトリクス樹脂の供給は、転写ロール2の軸方向の中
央の部分に行なわれるので、転写ロール2上の熱硬化性
マトリクス樹脂の付着分布は軸方向の中央部で多く、両
端部で少なくなり易く、この転写ロール2からシート状
補強基材1に転写して塗工される熱硬化性マトリクス樹
脂の塗工状態は図10(b)のようになり易い。一方、
上記のようにメータリングロール12の傾斜角度θを調
整することによって、転写ロール2の表面に供給された
溶融状態の熱硬化性マトリクス樹脂をメータリングロー
ル12で転写ロール2の軸方向へ押し広げる際の、転写
ロール2の両端部での熱硬化性マトリクス樹脂の厚みを
調整することができ、メータリングロール12の傾斜角
度θを大きくすると、転写ロール2の表面の軸方向での
中央部における熱硬化性マトリクス樹脂の付着量が少な
く、両端部における熱硬化性マトリクス樹脂の付着量が
多くなるように調整することができる。従って、転写ロ
ール2からシート状補強基材1に転写して塗工される熱
硬化性マトリクス樹脂の塗工状態が、図10(b)のよ
うに幅方向の中央部で多く、両端部で少なくなる状態の
ときには、メータリングロール12の傾斜角度θが大き
くなるように調整すると、転写ロール2の表面の軸方向
での中央部における熱硬化性マトリクス樹脂の付着量が
少なく、両端部における熱硬化性マトリクス樹脂の付着
量が多くなるように調整することができ、転写ロール2
からシート状補強基材1への熱硬化性マトリクス樹脂の
転写・塗工を均一な状態にすることができる。
【0045】そこで、メータリングロール12の傾斜角
度θを変えるとシート状補強基材1の幅方向での熱硬化
性マトリクス樹脂の塗布状態がどのように変化するかの
データを実験等で予め求めておき、このデータに基づい
て作成されたメータリングロール12の傾斜角度θと熱
硬化性マトリクス樹脂の塗布状態との関係を示すデータ
がパーソナルコンピュータなどの演算手段に登録してあ
る。そして、転写ロール2と付回りロール3の間の位置
において図10(a)の発光器35と受光器36からな
る塗工状態検知手段を配置し、この位置でのシート状補
強基材1の熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状態を検出し
て、この検出結果が図13のように演算手段に入力され
るようにしてある。塗工状態検知手段で検出された塗工
状態のデータが演算手段に入力されると、登録されてい
る上記のデータと比較演算され、メータリングロール1
2の傾斜角度θが決定される。メータリングロール12
の傾斜角度θが決定されると、図13に示すようにその
データがCPU等で形成される制御手段に入力される。
この制御手段は上記のメータリングロール12の角度調
整用の駆動手段を構成するモータ40の駆動を制御して
おり、制御手段に入力されたデータに基づいてモータ4
0を駆動することによって、メータリングロール12を
回動させて所定の傾斜角度θでメータリングロール12
を傾斜させるようになっている。
【0046】このようにして、シート状補強基材1に塗
工された熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状態の検出結果
に応じて、転写ロール2に対するメータリングロール1
2の傾斜角度θを調整することができ、転写ロール2の
軸方向の端部と中央部とにおける熱硬化性マトリクス樹
脂の厚みを調整した状態で、シート状補強基材1に熱硬
化性マトリクス樹脂を均一に転写・塗工することができ
るものである。
【0047】図14は請求項10及び請求項18の発明
の実施の形態の一例を示すものであり、付回りロール3
をシート状補強基材1の送り方向に対して略直交して交
差する方向に移動駆動できるようにしてある。付回りロ
ール3をシート状補強基材1の側へ移動させると、図1
4のイのように、シート状補強基材1に対する付回りロ
ール3の押圧力を高めると共に付回りロール3に対する
シート状補強基材1の巻き付け角度を大きくして、熱硬
化性マトリクス樹脂のシート状補強基材1の背面側への
付回り量を多くすることができ、また付回りロール3を
シート状補強基材1と逆の側へ移動させると、図14の
ロのように、シート状補強基材1に対する付回りロール
3の押圧力を低くすると共に付回りロール3に対するシ
ート状補強基材1の巻き付け角度を小さくして、熱硬化
性マトリクス樹脂のシート状補強基材1の背面側(塗工
面と反対側の面)への付回り量を少なくすることができ
るものであり、付回りロール3の移動によってシート状
補強基材1の背面への熱硬化性マトリクス樹脂の付回り
量を調整をすることができるものである。
【0048】図15は付回りロール3を移動させる駆動
手段の一例を示すものであり、付回りロール3の両端の
ロール軸43をそれぞれ軸支する軸受け44をそれぞれ
ラック45に取り付けてある。この一対の各ラック45
にはそれぞれモータ46によって回転駆動されるピニオ
ン47が噛合してあり、各モータ46を作動させてピニ
オン47をそれぞれ回転駆動することによって、各ラッ
ク45をその長手方向に移動させることができるように
してある。このものにあって、両モータ46を同方向に
回転作動させてピニオン47をそれぞれ同方向に回転駆
動し、各ラック45をそれぞれ図15(a)の矢印のよ
うに同方向に移動させると、付回りロール3はシート状
補強基材1の側へ移動されるものであり、また各ラック
45を図15(a)の矢印と反対向きに移動させると、
付回りロール3は図15(a)の矢印と逆向きにシート
状補強基材1と逆の側へ移動されるものである。このよ
うにして付回りロール3をシート状補強基材1の送り方
向に対して略直交する方向に移動駆動できるものであ
る。
【0049】ここで、シート状補強基材1に塗工された
熱硬化性マトリクス樹脂をシート状補強基材1の背面へ
付回らせるにあたって、背面への付回り量が少ないとき
には、上記の図14のイのように、付回りロール3をシ
ート状補強基材1の側へ移動させて付回り量が多くなる
ように調整し、また背面への付回り量が多すぎるときに
は、上記の図14のロのように、付回りロール3をシー
ト状補強基材1と逆の側へ移動させて付回り量が少なく
なるように調整することによって、シート状補強基材1
の背面への付回り量をコントロールし、付回り量を均一
にすることができる。
【0050】そこで、付回りロール3の移動量(及び移
動方向)を変えるとシート状補強基材1の背面への熱硬
化性マトリクス樹脂の付回り状態がどのように変化する
かのデータを実験等で予め求めておき、このデータに基
づいて作成された付回りロール3の移動量と付回り状態
との関係を示すデータがパーソナルコンピュータなどの
演算手段に登録してある。そして、付回りロール3と加
熱ユニット4の間の位置において塗工状態検知手段を配
置し、この位置でのシート状補強基材1の熱硬化性マト
リクス樹脂の塗工状態を検出して、シート状補強基材1
の背面への熱硬化性マトリクス樹脂の付回り状態を検知
する。この場合、塗工状態検知手段は図10(c)に示
すような散乱形厚さ計として形成されるものであり、検
出器50の発光部50aから発光された放射線をシート
状補強基材1に照射し、シート状補強基材1から散乱し
てくる放射線量を検出器50の受光部50bで受光して
測定するようになっている。シート状補強基材1の表面
の熱硬化性マトリクス樹脂Rの厚みは受光部50bで受
光される放射線量から算出されるので、シート状補強基
材1の両面の塗工状態をこの塗工状態検知手段で検出し
て表面の熱硬化性マトリクス樹脂Rの厚みを測定するこ
とによって、熱硬化性マトリクス樹脂の付回り状態を検
知することができるものである。この検知結果は図16
のように演算手段に入力されるようにしてある。塗工状
態検知手段で検知された付回り状態のデータが演算手段
に入力されると、登録されている上記のデータと比較演
算され、付回りロール3の移動量(及び移動方向)が決
定される。付回りロール3の移動量が決定されると、図
16に示すようにそのデータがCPU等で形成される制
御手段に入力される。この制御手段は上記の付回りロー
ル3の移動用の駆動手段を構成するモータ46の駆動を
制御しており、制御手段に入力されたデータに基づいて
モータ46を駆動することによって、付回りロール3を
所定の移動量で移動させるようになっている。
【0051】このようにして、シート状補強基材1に塗
工された熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状態を検出して
得られる、シート状補強基材1の背面への熱硬化性マト
リクス樹脂の付回り状態の検知結果に応じて、シート状
補強基材1に対する付回りロール3の移動量を調整する
ことによって、付回り量を調整し、シート状補強基材1
の背面への熱硬化性マトリクス樹脂の付回り量を均一に
することができるものである。
【0052】図17は請求項19の発明の実施の形態の
一例を示すものであり、付回りロール3やバックアップ
ロール13の駆動制御の構成を示している。52は付回
りロール3を回転駆動するモータであり、この付回りロ
ール用モータ52の回転数や回転トルクはロータリーエ
ンコーダやトルクセンサなどのセンサ53で検出される
ようにしてある。また54はバックアップロール13を
回転駆動するモータであり、このバックアップロール用
モータ54の回転数や回転トルクはロータリーエンコー
ダやトルクセンサなどのセンサ55で検出されるように
してある。さらに56はバックアップロール13を転写
ロール2に近接・離間する方向に移動させて転写ロール
2とバックアップロール13の間のクリアランスを調整
する手段を作動させるモータであり、57は転写ロール
2とバックアップロール13の間のクリアランスを測定
するギャップセンサである。これらの付回りロール用モ
ータ52、バックアップロール用モータ54はそれぞれ
モータドライバ58,59によって回転数を制御して回
転駆動されるようにしてあり、クリアランス用モータ5
6はモータドライバ60によって制御して回転駆動され
るようにしてある。そしてセンサ53,55、ギャップ
センサ57からなる計測手段で計測された回転数、回転
トルク、クリアランスのデータはパーソナルコンピュー
タなどで形成される演算手段61に入力されるようにな
っており、この入力されたデータに応じた演算手段61
からの指令に基づいてモータドライバ58,59,60
からなる制御手段を作動するようになっている。
【0053】図18は転写ロール2とバックアップロー
ル13の間のクリアランスを計測する手段を示すもので
ある。転写ロール2とバックアップロール13は同じレ
ール62に支持してあり、バックアップロール13はそ
のロール軸63をレール62に設けたガイド用長孔64
に挿通してあって、ガイド用長孔64に沿って移動自在
になっている。バックアップロール13は図14と同じ
ような構成の機構で移動駆動されるようになっており、
クリアランス用モータ56を作動させることによって、
バックアップロール13をガイド用長孔64に沿って転
写ロール2に近接・離間する方向に移動させることがで
きるようになっている。そしてギャップセンサ57はロ
ール軸63に取り付けてあり、転写ロール2の側方位置
においてレール62に設けたセンサドグ65にギャップ
センサ57を対向させてある。バックアップロール13
を転写ロール2に近接・離間する方向に移動させる際
の、センサドグ65とギャップセンサ57との間のギャ
ップを検知することによって、転写ロール2とバックア
ップロール13の間のクリアランスを計測することがで
きるものである。すなわち、ギャップセンサ57とセン
サドグ65の間隔は超音波などを用いた方法で検知され
るが、ギャップセンサ57はバックアップロール13と
一体で動くので、バックアップロール13と転写ロール
2とのクリアランスが0のときにギャップセンサ57と
センサドグ65の間隔を0に調整しておくことによっ
て、センサドグ65とギャップセンサ57との間のギャ
ップを検知することによって、転写ロール2とバックア
ップロール13の間のクリアランスを計測することがで
きるのである。
【0054】そして上記の図17に示す付回りロール3
やバックアップロール13の駆動制御機構にあって、付
回りロール3やバックアップロール13の回転数やトル
クは常時、センサ53,55で計測されていると共にこ
の計測されたデータは演算手段61に入力されている。
また転写ロール2とバックアップロール13のクリアラ
ンスは常時、ギャップセンサ57で計測されていると共
にこの計測されたデータは演算手段61に入力されてい
る。このように回転数やトルク、クリアランスの計測デ
ータが演算手段61に入力されると、演算手段61に予
め設定されている最適回転数、最適トルク、最適クリア
ランスのデータと比較され、最適の回転数やトルク、ク
リアランスとなるように演算された指令値が演算手段6
1からモータドライバ58,59,60に出力される。
すなわち、モータドライバ58,59には所定回転数で
付回りロール用モータ52やバックアップロール用モー
タ54を回転作動させるように指令値が出力され、モー
タドライバ60にはバックアップロール13を所定量移
動させる回転数でクリアランス用モータ56を回転作動
させるように指令値が出力される。このようにして、工
程の経時変化に応じて、付回りロール3やバックアップ
ロール13の回転数やトルク、転写ロール2とバックア
ップロール13のクリアランスが変化しても、これらを
計測手段で計測すると共に計測結果に応じて制御手段で
付回りロール3やバックアップロール13の回転数、転
写ロール2とバックアップロール13のクリアランスを
自動的に調整することができ、塗工条件を常に最適に保
って、塗工時の不良ロスを抑えることができるものであ
る。
【0055】図19は請求項11の発明の実施の形態の
一例を示すフローチャートである。この実施の形態で
は、上記の図17と同様にしてセンサ55やギャップセ
ンサ57からなる計測手段で、バックアップロール13
の回転数やトルクを測定すると共に転写ロール2とバッ
クアップロール13の間のクリアランスを測定するよう
にしてある。また演算手段61には、バックアップロー
ル13の最適回転数の設定データ、最適トルクの設定デ
ータ、転写ロール2とバックアップロール13の最適ク
リアランスの設定データが予め入力してある。
【0056】そして、バックアップロール13の回転数
やトルク、転写ロール2とバックアップロール13のク
リアランスを一定時間測定し、これらの測定データが演
算手段61に入力されると、上記の設定データと比較演
算がなされる。すなわち、測定された回転数の測定値M
と回転数の設定値Mrを比較演算し、その差の2倍が、
予め設定された回転数のバラツキ幅Mwより大きくない
ときには、バックアップロール13の回転は正常である
と判定され、予め設定された回転数のバラツキ幅Mwよ
り大きいときには、バックアップロール13の回転に異
常ありと判定されて回転数異常フラグがON出力され
る。また測定されたトルクの測定値Tとトルクの設定値
Trを比較演算し、その差の2倍が、予め設定されたト
ルクのバラツキ幅Twより大きくないときには、バック
アップロール13の回転は正常であると判定され、予め
設定されたトルクのバラツキ幅Twより大きいときに
は、バックアップロール13の回転に異常ありと判定さ
れてトルク異常フラグがON出力される。さらに測定さ
れたクリアランスの測定値Gとクリアランスの設定値G
rを比較演算し、その差の2倍が、予め設定されたクリ
アランスのバラツキ幅Gwより大きくないときには、ク
リアランスは正常であると判定され、予め設定されたク
リアランスのバラツキ幅Gwより大きいときには、クリ
アランスに異常ありと判定されてクリアランス異常フラ
グがON出力される。このように回転数、トルク、クリ
アランスについてそれぞれ正常あるいは異常の判定がさ
れた後、異常フラグの数が0あるいは1であれば、バッ
クアップロール13に異常はないと判断される。また異
常フラグの数が2以上であれば、バックアップロール1
3にシート状補強基材1が噛み込んでいる等の異常発生
と判定され、異常が検出される。
【0057】図20は請求項11の発明の実施の形態の
他の一例を示すフローチャートである。この実施の形態
では、上記の図17と同様にしてセンサ53からなる計
測手段で、付回りロール3の回転数やトルクを測定する
ようにしてある。また演算手段61には、付回りロール
3の最適回転数の設定データ、最適トルクの設定データ
が予め入力してある。
【0058】そして、付回りロール3の回転数やトルク
を一定時間測定し、これらの測定データが演算手段61
に入力されると、上記の設定データと比較演算がなされ
る。すなわち、測定された回転数の測定値Mと回転数の
設定値Mrを比較演算し、その差の2倍が、予め設定さ
れた回転数のバラツキ幅Mwより大きくないときには、
付回りロール3の回転は正常であると判定され、予め設
定された回転数のバラツキ幅Mwより大きいときには、
付回りロール3の回転に異常ありと判定されて回転数異
常フラグがON出力される。また測定されたトルクの測
定値Tとトルクの設定値Trを比較演算し、その差の2
倍が、予め設定されたトルクのバラツキ幅Twより大き
くないときには、付回りロール3の回転は正常であると
判定され、予め設定されたトルクのバラツキ幅Twより
大きいときには、付回りロール3の回転に異常ありと判
定されてトルク異常フラグがON出力される。このよう
に回転数、トルクについてそれぞれ正常あるいは異常の
判定がされた後、異常フラグの数が0あるいは1であれ
ば、付回りロール3に異常はないと判断される。また異
常フラグの数が2であれば、付回りロール3にシート状
補強基材1や異物が巻き込まれている等の異常発生と判
定され、異常が検出される。
【0059】上記のようにして、バックアップロール1
3の噛み込み異常や付回りロール3への巻き込み異常な
ど、ラインの異常を自動的に検知して、遠隔でも監視す
ることが可能になるものであり、ライン異常に対して速
やかに対処することが可能になるものである。また、複
数の情報を基に正常あるいは異常を判定し、異常判定が
複数かさなることによって、異常検知とするので、誤検
知が少なくなるものである。
【0060】図21は請求項12の発明の実施の形態の
一例を示すものであり、図19の実施の形態のようにし
てバックアップロール13にシート状補強基材1や異物
が噛み込まれたことが検知されると、まずバックアップ
ロール用モータ54の作動制御でバックアップロール1
3の回転を停止させ、次にクリアランス用モータ56の
作動制御でバックアップロール13を転写ロール2から
離れる方向に移動させ、転写ロール2とバックアップロ
ール13との間のクリアランスをガラスクロスなどのシ
ート状補強基材1の厚みよりも十分に大きくし、そして
所定の一定時間が経過した後に、バックアップロール1
3の回転数を元の設定値に戻すと共にバックアップロー
ル13を転写ロール2に近接する方向に移動させてクリ
アランスを元の設定値に戻し、定常運転に復帰するよう
にしてある。このようにバックアップロール13の回転
を停止させると共に転写ロール2とバックアップロール
13との間のクリアランスを広げた状態で一定時間が経
過すると、この間にもシート状補強基材1は送られてい
るので、バックアップロール13に噛み込んでいるシー
ト状補強基材1はバックアップロール13から自動的に
外れ、噛み込みは解除される。従って、ラインを停止さ
せることなく、速やかに定常状態に自動復帰させること
ができるものであり、不良ロスを最小限に抑えることが
できるものである。
【0061】図22は請求項12の発明の実施の形態の
他の一例を示すものであり、図20の実施の形態のよう
にして付回りロール3にシート状補強基材1や異物が巻
き込まれたことが検知されると、まず付回りロール用モ
ータ52の作動制御で付回りロール3を逆向きにゆっく
りと回転させ、そして所定の一定時間が経過した後に、
付回りロール3の回転方向及び回転数を元の設定値に戻
し、定常運転に復帰するようにしてある。このように付
回りロール3を逆向きに回転させた状態で一定時間が経
過すると、この間にもシート状補強基材1は送られてい
るので、付回りロール3に巻き込まれているシート状補
強基材1は付回りロール3から自動的に外れ、巻き込み
は解除される。従って、ラインを停止させることなく、
速やかに定常状態に自動復帰させることができるもので
あり、不良ロスを最小限に抑えることができるものであ
る。
【0062】図23は請求項15の発明の実施の形態の
一例を示すものであり、付回りロール3と加熱ユニット
4の間において、一対のスムージングロール25が配置
してある。この一対のスムージングロール25はシート
状補強基材1の両面にそれぞれ接触させて配置してあ
り、一方のスムージングロール25が付回りロール3に
近く、他方のスムージングロール25が付回りロール3
よりも遠くなるように段違いに配置してある。そして各
スムージングロール25はシート状補強基材1の送り方
向と逆方向(シート状補強基材1とスムージングロール
25の対向面の移動方向が逆方向)に回転駆動されるよ
うにしてある。シート状補強基材1に熱硬化性マトリク
ス樹脂を片面に塗工して付回りロール3で塗工面と反対
側へ付回らせた後は、シート状補強基材1の表面の熱硬
化性マトリクス樹脂は凹凸のムラになっているが、この
ように一対のスムージングロール25をシート状補強基
材1の両面に接触させてシート状補強基材1の送り方向
と逆方向に回転させることによって、スムージングロー
ル25で熱硬化性マトリクス樹脂の表面を均して、シー
ト状補強基材1への熱硬化性マトリクス樹脂の含浸状態
を均一にすることができるものである。
【0063】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係るプ
リプレグの製造方法は、繊維からなる長尺のシート状補
強基材を連続して送りながら熱硬化性マトリクス樹脂を
塗工、含浸させることによってプリプレグを連続的に製
造するにあたって、転写ロールの表面に膜状に形成され
た溶剤を含まない熱硬化性マトリクス樹脂を溶融状態で
転写ロールからシート状補強基材の片面に転写して塗工
し、この熱硬化性マトリクス樹脂をシート状補強基材に
含浸させ、次にシート状補強基材の熱硬化性マトリクス
樹脂が塗工された側に配置された付回りロールをシート
状補強基材の片面に押圧して熱硬化性マトリクス樹脂を
シート状補強基材の塗工面と反対側に付回らせ、この後
に、この熱硬化性マトリクス樹脂を塗工・含浸したシー
ト状補強基材を非接触タイプの加熱ユニットで加熱して
熱硬化性マトリクス樹脂を半硬化させるようにしたの
で、シート状補強基材への熱硬化性マトリクス樹脂の塗
工は転写ロールによる転写で行なうことができ、従来の
ようにダイコーターを用いる場合のような清掃やメンテ
ナンスに手間を要することがなくなると共に、ダイコー
ターに比較して安価な転写ロールによって安価な設備コ
ストで製造を行なうことができるものである。またシー
ト状補強基材に塗工・含浸された熱硬化性マトリクス樹
脂は付回りロールによって塗工面と反対側の面にも付回
らせられるものであり、シート状補強基材の片面に転写
ロールで熱硬化性マトリクス樹脂を塗工すると共に付回
りロールを押圧するだけで、シート状補強基材の両面及
び内部に硬化性マトリクス樹脂を含浸させることがで
き、従来のようにシート状補強基材の片面と他方の片面
にそれぞれダイコーターを配置して各面に熱硬化性マト
リクス樹脂を塗工するような必要が無くなって、設備コ
ストをさらに安価にすることができると共に、シート状
補強基材内の空気は他方の片面から容易に逃げて封じ込
められることがなく、ボイドが発生することを防ぐこと
ができるものである。
【0064】また請求項2の発明は、シート状補強基材
に塗工・含浸された熱硬化性マトリクス樹脂を加熱する
加熱器を、シート状補強基材の塗工面と反対側に非接触
で配置するようにしたので、加熱器による加熱によって
溶融状態の熱硬化性マトリクス樹脂の粘度を低い状態に
保つように保温することができるものであり、シート状
補強基材に対する熱硬化性マトリクス樹脂の浸透を促進
して、シート状補強基材内に熱硬化性マトリクス樹脂を
良好に含浸させることができるものである。
【0065】また請求項3の発明は、シート状補強基材
の送り方向に沿った複数箇所に付回りロールを配置する
ようにしたので、シート状補強基材の片面に塗工・含浸
された熱硬化性マトリクス樹脂を複数の各付回りロール
によってそれぞれ、シート状補強基材の塗工面と反対側
の面に付回らせることができるものであり、付回り量を
より細かにコントロールすることが可能になるものであ
る。
【0066】また請求項4の発明は、付回りロールに対
向してシート状補強基材の塗工面と反対側の面に接触さ
せて、熱硬化性マトリクス樹脂に対して離型性を有する
バックアップシートを配置するようにしたので、バック
アップシートの表面張力を利用して熱硬化性マトリクス
樹脂をシート状補強基材の他方の片面の表面に沿って拡
がらせることができ、熱硬化性マトリクス樹脂をシート
状補強基材の他方の片面に均一に付回すことができると
共に、付回り量を高めることができるものである。
【0067】また請求項5の発明は、シート状補強基材
の塗工面と反対側をエア負圧にするようにしたので、シ
ート状補強基材の塗工面と、塗工面と反対側の面との間
に圧力差が生じ、シート状補強基材の片面に塗工された
熱硬化性マトリクス樹脂が塗工面と反対側へとシート状
補強基材を浸透し易くなり、付回りロールによる熱硬化
性マトリクス樹脂の付回り速度を速くすることができる
と共に付回り量を増やすことができるものである。
【0068】また請求項6の発明は、付回りロールをシ
ート状補強基材の送り方向と逆方向に回転させるように
したので、シート状補強基材の片面に塗工された熱硬化
性マトリクス樹脂は付回りロールによってシート状補強
基材に擦り付けられる作用を受けるものであり、付回り
ロールの回転速度を調整することによって、熱硬化性マ
トリクス樹脂の付回り量を容易にコントロールすること
ができるものである。
【0069】また請求項7の発明は、付回りロールをシ
ート状補強基材の送り方向と同方向に回転させるように
したので、付回りロールに対するシート状補強基材の巻
き付け角度を調整することによって、熱硬化性マトリク
ス樹脂の付回り量を容易にコントロールすることができ
るものである。
【0070】また請求項8の発明は、転写ロールの外周
面にシート状補強基材を巻き付けるようにシート状補強
基材を移動させる拭き取り用ロールを設けたので、拭き
取り用ロールで転写ロールの外周表面に巻き付かせたシ
ート状補強基材によって転写ロールの表面の熱硬化性マ
トリクス樹脂を拭き取ることができるものであり、転写
ロールが一時的に停止したときなどに転写ロールの表面
に熱硬化性マトリクス樹脂が固着することを防ぐことが
できるものである。
【0071】また請求項9の発明は、転写ロールに対向
してメータリングロールを配置すると共に転写ロールの
表面に供給された溶融状態の熱硬化性マトリクス樹脂を
メータリングロールで拡げた状態で、転写ロールからシ
ート状補強基材の片面に転写して塗工するにあたって、
シート状補強基材に塗工された熱硬化性マトリクス樹脂
の塗工状態を検出すると共に、検出された塗工状態に応
じて転写ロールの回転軸に対するメータリングロールの
回転軸の傾斜角度を演算し、演算された傾斜角度になる
ようにメータリングロールを角度調整するようにしたの
で、転写ロールに対するメータリングロールの回転軸の
傾斜角度を調整することによって、転写ロールの軸方向
の端部と中央部とにおける熱硬化性マトリクス樹脂の厚
みを調整することができるものであり、シート状補強基
材に塗工された熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状態に応
じたメータリングロールの傾斜角度調整で、シート状補
強基材に熱硬化性マトリクス樹脂を均一に塗工すること
ができるものである。
【0072】また請求項10の発明は、シート状補強基
材に塗工された熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状態を検
出すると共に、検出された塗工状態に応じてシート状補
強基材の送り方向と交差する方向に付回りロールを移動
させる移動量を演算し、演算された移動量で付回りロー
ルを移動調整するようにしたので、付回りロールの移動
量を調整することによってシート状補強基材への付回り
ロールの押圧力や付回りロールの外周へのシート状補強
基材の巻き付き長さを調整することができ、シート状補
強基材に塗工された熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状態
に応じた付回りロールの移動量の調整で、シート状補強
基材の塗工面と反対側への熱硬化性マトリクス樹脂の付
回りをコントロールすることができるものである。
【0073】また請求項11の発明は、ロールの回転数
やトルク値を計測し、計測された回転数やトルク値と予
め設定された回転数やトルク値とを比較して正常あるい
は異常を判定すると共に異常を検出するようにしたの
で、ラインの異常を自動的に検出して、遠隔でも監視す
ることが可能になり、異常に対して速やかに対処するこ
とが可能になるものである。
【0074】また請求項12の発明は、ロールの異常が
検出されると、ロールの回転を停止あるいは逆回転させ
るようにしたので、ロールにシート状補強基材などが噛
みこんだりする異常が発生しても、ロールの回転を停止
したり逆回転したりすることによって、ラインを停止さ
せることなく、噛み込み等の異常をなくして定常状態に
自動復帰させることが可能になり、不良ロスを最小限に
抑えることができるものである。
【0075】また請求項13の発明は、熱硬化性マトリ
クス樹脂として、ビスフェノール型エポキシ樹脂とクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂の2液混合樹脂を用い
るので、ビスフェノール型エポキシ樹脂とクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂の2液混合樹脂は溶融粘度が低
く、熱硬化性マトリクス樹脂を転写ロールからシート状
補強基材に転写して塗工するにあたって、塗工を容易に
行なうことができるものである。
【0076】本発明の請求項14に係るプリプレグの製
造装置は、繊維からなる長尺のシート状補強基材を連続
して送り出す巻出しユニットと、シート状補強基材の切
り替え時に作動されるアキュムレータユニットと、主剤
と硬化剤を混合して溶剤を含まない熱硬化性マトリクス
樹脂を送り出す樹脂送り出しユニットと、樹脂送り出し
ユニットから送られた熱硬化性マトリクス樹脂を溶融状
態で供給するレジンガンと、外周面にレジンガンから供
給される溶融状態の熱硬化性マトリクス樹脂をシート状
補強基材の片面に転写して塗工する転写ロールと、転写
ロールの外周面にレジンガンから供給された溶融状態の
熱硬化性マトリクス樹脂を均一に拡げるメータリングロ
ールと、シート状補強基材を転写ロールの外周面に押し
付けるバックアップロールと、シート状補強基材の片面
に塗工された熱硬化性マトリクス樹脂をシート状補強基
材の塗工面と反対の面に付回らせる付回りロールと、シ
ート状補強基材に含浸された熱硬化性マトリクス樹脂を
加熱して半硬化させる非接触式の加熱ユニットとを具備
するので、上記のようなプリプレグを製造することがで
きるものである。
【0077】また請求項15の発明は、付回りロールと
加熱ユニットの間において、シート状補強基材の両面に
それぞれ接触させて段違いに配置され、シート状補強基
材の送り方向と逆方向に回転される一対のスムージング
ロールを具備するので、シート状補強基材に塗工された
熱硬化性マトリクス樹脂の表面をスムージングロールで
均すことができ、シート状補強基材の熱硬化性マトリク
ス樹脂の表面状態を均すことができるものである。
【0078】また請求項16の発明は、転写ロールから
転写されてシート状補強基材に塗工された熱硬化性マト
リクス樹脂の塗工状態を検出する検出手段を具備するの
で、シート状補強基材への熱硬化性マトリクス樹脂の塗
工状態をリアルタイムで監視することができ、塗工状態
の変化に迅速に対処することが可能になるものである。
【0079】また請求項17の発明は、請求項16に記
載の検出手段と、検出手段で検出された塗工状態に応じ
て転写ロールの回転軸に対するメータリングロールの回
転軸の傾斜角度を演算する演算手段と、演算された傾斜
角度になるようにメータリングロールを角度調整する駆
動手段を具備するので、転写ロールに対するメータリン
グロールの回転軸の傾斜角度を駆動手段で調整すること
によって、転写ロールの軸方向の端部と中央部とにおけ
る熱硬化性マトリクス樹脂の厚みを調整することができ
るものであり、シート状補強基材に塗工された熱硬化性
マトリクス樹脂の塗工状態の検出結果に応じたメータリ
ングロールの傾斜角度調整で、シート状補強基材に熱硬
化性マトリクス樹脂を均一に塗工することができるもの
である。
【0080】また請求項18の発明は、請求項16に記
載の検出手段と、検出手段で検出された塗工状態に応じ
てシート状補強基材の送り方向と交差する方向に付回り
ロールを移動させる移動量を演算する演算手段と、演算
された移動量で付回りロールを移動調整する駆動手段を
具備するので、駆動手段で付回りロールの移動量を調整
することによってシート状補強基材への付回りロールの
押圧力や付回りロールの外周へのシート状補強基材の巻
き付き長さを調整することができ、シート状補強基材に
塗工された熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状態の検出結
果に応じた付回りロールの移動量の調整で、シート状補
強基材の塗工面と反対側への熱硬化性マトリクス樹脂の
付回りをコントロールすることができるものである。
【0081】また請求項19の発明は、付回りロールの
回転数やトルク値を計測すると共にバックアップロール
の回転数やトルク値、バックアップロールと転写ロール
の間のクリアランスを計測する計測手段と、付回りロー
ルの回転数やトルク値を制御すると共にバックアップロ
ールの回転数やトルク値、バックアップロールと転写ロ
ールの間のクリアランスを制御する制御手段とを具備す
るので、付回りロールやバックアップロールを制御しな
がらラインを運転することができ、塗工条件を常に最適
に保って不良ロスを抑えることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の実施の形態の一例を示す概略
図である。
【図2】請求項2の発明の実施の形態の一例を示す概略
図である。
【図3】請求項3の発明の実施の形態の一例を示す概略
図である。
【図4】請求項4の発明の実施の形態の一例を示す概略
図である。
【図5】請求項5の発明の実施の形態の一例を示す概略
図である。
【図6】請求項6の発明の実施の形態の一例を示す概略
図である。
【図7】請求項7の発明の実施の形態の一例を示す概略
図である。
【図8】請求項8の発明の実施の形態の一例を示すもの
であり、(a),(b)はそれぞれ概略図である。
【図9】請求項14の発明の実施の形態の一例を示す概
略図である。
【図10】請求項16の発明の実施の形態の一例を示す
ものであり、(a)は熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状
態を検出する検出手段の一例を示す概略図、(b)は検
出結果の一例を示す図、(c)は熱硬化性マトリクス樹
脂の塗工状態を検出する検出手段の他の一例を示す概略
図である。
【図11】請求項9及び請求項17の発明の実施の形態
の一例を示すものであり、(a)は概略正面図、(b)
及び(c)は概略平面図である。
【図12】同上のメータリングロールの角度調整駆動手
段を示すものであり、(a)は概略平面図、(b)は概
略正面図である。
【図13】同上の動作のブロック図である。
【図14】請求項10及び請求項18の発明の実施の形
態の一例を示す概略図である。
【図15】同上の付回りロール移動駆動手段を示すもの
であり、(a)は概略平面図、(b)は概略正面図であ
る。
【図16】同上の動作のブロック図である。
【図17】請求項19の発明の実施の形態の一例を示す
概略図である。
【図18】同上のクリアランス計測手段の概略図であ
る。
【図19】請求項11の発明の実施の形態の一例を示す
フローチャートである。
【図20】請求項11の発明の実施の形態の他の一例を
示すフローチャートである。
【図21】請求項12の発明の実施の形態の一例を示す
フローチャートである。
【図22】請求項12の発明の実施の形態の他の一例を
示すフローチャートである。
【図23】請求項15の発明の実施の形態の一例を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 シート状補強基材 2 転写ロール 3 付回りロール 4 加熱ユニット 5 加熱器 6 バックアップシート 7 拭き取り用ロール 8 巻出しユニット 9 アキュムレータユニット 10 樹脂送り出しユニット 11 レジンガン 12 メータリングロール 13 バックアップロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 宏 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 家治 敏弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 松▲崎▼ 義則 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 森 弘行 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維からなる長尺のシート状補強基材を
    連続して送りながら熱硬化性マトリクス樹脂を塗工、含
    浸させることによってプリプレグを連続的に製造するに
    あたって、転写ロールの表面に膜状に形成された溶剤を
    含まない熱硬化性マトリクス樹脂を溶融状態で転写ロー
    ルからシート状補強基材の片面に転写して塗工し、この
    熱硬化性マトリクス樹脂をシート状補強基材に含浸さ
    せ、次にシート状補強基材の熱硬化性マトリクス樹脂が
    塗工された側に配置された付回りロールをシート状補強
    基材の片面に押圧して熱硬化性マトリクス樹脂をシート
    状補強基材の塗工面と反対側に付回らせ、この後に、こ
    の熱硬化性マトリクス樹脂を塗工・含浸したシート状補
    強基材を非接触タイプの加熱ユニットで加熱して熱硬化
    性マトリクス樹脂を半硬化させることを特徴とするプリ
    プレグの製造方法。
  2. 【請求項2】 シート状補強基材に塗工・含浸された熱
    硬化性マトリクス樹脂を加熱する加熱器を、シート状補
    強基材の塗工面と反対側に非接触で配置することを特徴
    とする請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
  3. 【請求項3】 シート状補強基材の送り方向に沿った複
    数箇所に付回りロールを配置することを特徴とする請求
    項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
  4. 【請求項4】 付回りロールに対向してシート状補強基
    材の塗工面と反対側の面に接触させて、熱硬化性マトリ
    クス樹脂に対して離型性を有するバックアップシートを
    配置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載のプリプレグの製造方法。
  5. 【請求項5】 シート状補強基材の塗工面と反対側をエ
    ア負圧にすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載のプリプレグの製造方法。
  6. 【請求項6】 付回りロールをシート状補強基材の送り
    方向と逆方向に回転させることを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  7. 【請求項7】 付回りロールをシート状補強基材の送り
    方向と同方向に回転させることを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  8. 【請求項8】 転写ロールの外周面にシート状補強基材
    を巻き付けるようにシート状補強基材を移動させる拭き
    取り用ロールを設けることを特徴とする請求項1乃至7
    のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  9. 【請求項9】 転写ロールに対向してメータリングロー
    ルを配置すると共に転写ロールの表面に供給された溶融
    状態の熱硬化性マトリクス樹脂をメータリングロールで
    拡げた状態で、転写ロールからシート状補強基材の片面
    に転写して塗工するにあたって、シート状補強基材に塗
    工された熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状態を検出する
    と共に、検出された塗工状態に応じて転写ロールの回転
    軸に対するメータリングロールの回転軸の傾斜角度を演
    算し、演算された傾斜角度になるようにメータリングロ
    ールを角度調整することを特徴とする請求項1乃至8の
    いずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  10. 【請求項10】 シート状補強基材に塗工された熱硬化
    性マトリクス樹脂の塗工状態を検出すると共に、検出さ
    れた塗工状態に応じてシート状補強基材の送り方向と交
    差する方向に付回りロールを移動させる移動量を演算
    し、演算された移動量で付回りロールを移動調整するこ
    とを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のプリ
    プレグの製造方法。
  11. 【請求項11】 ロールの回転数やトルク値を計測し、
    計測された回転数やトルク値と予め設定された回転数や
    トルク値とを比較して正常あるいは異常を判定すると共
    に異常を検出することを特徴とする請求項1乃至10の
    いずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  12. 【請求項12】 ロールの異常が検出されると、ロール
    の回転を停止あるいは逆回転させることを特徴とする請
    求項11に記載のプリプレグの製造方法。
  13. 【請求項13】 熱硬化性マトリクス樹脂は、ビスフェ
    ノール型エポキシ樹脂とクレゾールノボラック型エポキ
    シ樹脂の2液混合樹脂であることを特徴とする請求項1
    乃至12のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  14. 【請求項14】 繊維からなる長尺のシート状補強基材
    を連続して送り出す巻出しユニットと、シート状補強基
    材の切り替え時に作動されるアキュムレータユニット
    と、主剤と硬化剤を混合して溶剤を含まない熱硬化性マ
    トリクス樹脂を送り出す樹脂送り出しユニットと、樹脂
    送り出しユニットから送られた熱硬化性マトリクス樹脂
    を溶融状態で供給するレジンガンと、外周面にレジンガ
    ンから供給される溶融状態の熱硬化性マトリクス樹脂を
    シート状補強基材の片面に転写して塗工する転写ロール
    と、転写ロールの外周面にレジンガンから供給された溶
    融状態の熱硬化性マトリクス樹脂を均一に拡げるメータ
    リングロールと、シート状補強基材を転写ロールの外周
    面に押し付けるバックアップロールと、シート状補強基
    材の片面に塗工された熱硬化性マトリクス樹脂をシート
    状補強基材の塗工面と反対の面に付回らせる付回りロー
    ルと、シート状補強基材に含浸された熱硬化性マトリク
    ス樹脂を加熱して半硬化させる非接触式の加熱ユニット
    とを具備して成ることを特徴とするプリプレグの製造装
    置。
  15. 【請求項15】 付回りロールと加熱ユニットの間にお
    いて、シート状補強基材の両面にそれぞれ接触させて段
    違いに配置され、シート状補強基材の送り方向と逆方向
    に回転される一対のスムージングロールを具備して成る
    ことを特徴とする請求項14に記載のプリプレグの製造
    装置。
  16. 【請求項16】 転写ロールから転写されてシート状補
    強基材に塗工された熱硬化性マトリクス樹脂の塗工状態
    を検出する検出手段を具備して成ることを特徴とする請
    求項14又は15に記載のプリプレグの製造装置。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の検出手段と、検出
    手段で検出された塗工状態に応じて転写ロールの回転軸
    に対するメータリングロールの回転軸の傾斜角度を演算
    する演算手段と、演算された傾斜角度になるようにメー
    タリングロールを角度調整する駆動手段を具備して成る
    ことを特徴とする請求項16に記載のプリプレグの製造
    装置。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の検出手段と、検出
    手段で検出された塗工状態に応じてシート状補強基材の
    送り方向と交差する方向に付回りロールを移動させる移
    動量を演算する演算手段と、演算された移動量で付回り
    ロールを移動調整する駆動手段を具備して成ることを特
    徴とする請求項16又は17に記載のプリプレグの製造
    装置。
  19. 【請求項19】 付回りロールの回転数やトルク値を計
    測すると共にバックアップロールの回転数やトルク値、
    バックアップロールと転写ロールの間のクリアランスを
    計測する計測手段と、付回りロールの回転数やトルク値
    を制御すると共にバックアップロールの回転数やトルク
    値、バックアップロールと転写ロールの間のクリアラン
    スを制御する制御手段とを具備して成ることを特徴とす
    る請求項14乃至18のいずれかに記載のプリプレグの
    製造装置。
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