JP2000212131A - 新規な(メタ)アクリレ―ト系化合物および該化合物を含有する歯科用重合性組成物 - Google Patents

新規な(メタ)アクリレ―ト系化合物および該化合物を含有する歯科用重合性組成物

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JP2000212131A
JP2000212131A JP11008676A JP867699A JP2000212131A JP 2000212131 A JP2000212131 A JP 2000212131A JP 11008676 A JP11008676 A JP 11008676A JP 867699 A JP867699 A JP 867699A JP 2000212131 A JP2000212131 A JP 2000212131A
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acrylate
acid
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JP11008676A
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Eiichi Terakawa
栄一 寺川
Koichi Okada
浩一 岡田
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機械的強度の優れた硬化物を与える新規な2官
能性(メタ)アクリレート化合物であり、特に機械的性
能に優れた硬化物を与える歯科用重合性組成物に使用で
きる新規な2官能性(メタ)アクリレート化合物を提供
する。 【解決手段】ジヒドロキシベンゼン(ハイドロキノン、
レゾルシノール、カテコール)とヒドロキシ安息香酸と
が縮合した、ヒドロキシフェニルヒドロキシベンゾエー
トをスペーサーの中に有する、2官能性(メタ)アクリ
レート化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な(メタ)アクリレ
ート化合物に関する。この化合物は重合可能な(メタ)
アクリル基を2個有しており、さらに詳しくはその2個
の(メタ)アクリル基の間に2つのベンゼン環を有す
る、重合性単量体として有用な化合物である。該化合物
が配合された重合性単量体組成物は、機械的強度に優れ
た硬化物を与える。
【0002】
【従来の技術】従来、2官能性(メタ)アクリレート化
合物は分子内に重合可能な(メタ)アクリル基を2個有
するため、その重合硬化物は三次元架橋体となるために
機械的強度に優れ、種々の分野で広く用いられている。
これら2官能性(メタ)アクリレート化合物において、
各々のメタクリル基の間の有機残基(スペーサー)の分
子構造は、重合硬化物の特性に大きく影響する。特に、
スペーサーの中に芳香族基のような剛直な分子構造を持
った化合物は、機械的強度に優れた重合硬化物を与える
ことが知られており、その最も代表的な例は、2,2’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビス
フェノールA)をスペーサーの中に有する化合物群であ
る。かかる2官能性(メタ)アクリレート化合物として
は、例えば2,2’−ビス(4−メタクリロキシポリエ
トキシフェニル)プロパン(通称MPEPP)は工業的
に広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記の化
合物は機械的強度の優れた重合硬化物を与えるのである
が、各種成形材料としてこれらの重合硬化物を使用する
場合には強度がいまだ不十分であり、さらに高い強度の
硬化物を与える重合性単量体が望まれている。本発明の
目的は、従来の2官能性(メタ)アクリレート化合物よ
りもさらに機械的強度の優れた硬化物を与える、新規な
2官能性(メタ)アクリレート化合物を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明で与えられ
る(メタ)アクリレート化合物は、下記の化学式(I)
で示される新規化合物である。
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1とR2はそれぞれ独立して水素
またはメチル基を表し、mとnはそれぞれ1以上の整数
で2≦m+n≦30の関係を満足する)
【0007】本発明の化合物は、ジヒドロキシベンゼン
(ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール)とヒ
ドロキシ安息香酸とが縮合した、ヒドロキシフェニルヒ
ドロキシベンゾエート(HPHBと称する)をスペーサ
ーの中に有する、2官能性(メタ)アクリレート化合物
である。
【0008】本発明の2官能性メタクリレート化合物
は、HPHB基とメタクリル基とが、ポリオキシエチレ
ン残基またはポリオキシプロピレン残基で連結される構
造であることが特徴である。 なおHPHBにおいて、
ハイドロキノンとp−ヒドロキシ安息香酸を縮合してp
ara−para配位(以下p−p体と称する)のメソ
ゲン基を含むエポキシ樹脂は、「熱硬化性樹脂」Vo
l.16,No1,p17(1995)で知られている
が、本発明のメソゲン基を含むジ(メタ)アクリレート
化合物は新規である。
【0009】本発明によれば、ジヒドロキシベンゼンと
ヒドロキシ安息香酸をオルト、メタおよびパラの配位体
から選び、それらを各々組み合わせることによって、p
−p体の他にmetha−metha体(m−m体)、
ortho−ortho体(o−o体)、p−m体、m
−p体、p−o体、o−p体、m−o体、o−m体の各
構造の化合物が合成される。ここでp−o体とo−p体
が生ずるのは、HPHBの中心が左右非対称なCOO基
であるためである。本発明者らの検討によれば、HPH
Bのヒドロキシル基がm−m体、m−p体(以下特に示
さない限りp−mを含む)、p−p体である化合物は、
機械的強度に優れた硬化物を与えるが、特にp−p体の
化合物の硬化物はその性質に優れる。また、p−p体の
化合物にm−p体やo−p体を加えることにより、硬化
物の硬度や強靱性を調整することができる。
【0010】本発明の2官能性(メタ)アクリレート化
合物の合成は、HPHB基にポリオキシエチレン基(ま
たはポリオキシプロピレン基)を付加する工程(ステッ
プ1)と、さらに(メタ)アクリル基を付加する工程
(ステップ2)の2段階で行うことが出来る。
【0011】
【化4】
【0012】(式中R1は水素またはメチル基を表し、
mとnはそれぞれ1以上の整数で2≦m+n≦30の関
係を満足する)
【0013】本工程は、通常上記反応式に示すように、
触媒存在下でHPHBに約2当量以上のエチレンオキサ
イド(またはプロピレンオキサイド)を付加させること
により達成されるが、生成物におけるオキシエチレン基
(またはオキシプロピレン基)の個数は単一ではなく、
通常は数〜数十種類の化合物の混合物となる。本発明の
目的によってはこれらをそれぞれ単離する場合もある
が、混合物のままで次の工程に供することが通常であ
る。
【0014】上記触媒としては、アミン触媒(トリエチ
ルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミンなど
の)または、およびアルカリ触媒(苛性ソーダ、苛性カ
リ、ナトリウムメチラート、カリウムメチラート、金属
ナトリウムなど)があげられるが、灰分が少なく生成物
の外観の透明性が良好である点から、アミン触媒を使用
することが好ましい。反応は常圧好ましくは加圧下にお
いて、通常120〜200℃好ましくは140〜160
℃で行われる。反応後、触媒は有機酸で中和することが
できる。有機酸としてはカルボン酸(モノカルボン酸と
しては酢酸、プロピオン酸など、ポリカルボン酸として
はコハク酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル
酸など、酸無水物としては無水マレイン酸、無水フタル
酸など)または、およびスルホン酸(p−トルエンスル
ホン酸など)があげられる。
【0015】なおエチレンオキサイド(またはプロピレ
ンオキサイド)を使用する方法の他、特にm=n=1の
化合物を選択的に合成しようとする場合は、HPHBを
水酸化ナトリウムなどのアルカリ存在下で、クロロエタ
ノール等のエチレンハロヒドリン(またはプロピレン−
1−ハロヒドリン)と反応させる方法がある。
【0016】
【化5】
【0017】(式中、R1とR2はそれぞれ独立して水素
またはメチル基を表し、mとnはそれぞれ1以上の整数
で2≦m+n≦30の関係を満足する)
【0018】ステップ1で得られたポリオキシエチレン
(またはポリオキシプロピレン)誘導体の末端の水酸基
を(メタ)アクリル酸エステル化する方法は、上記反応
式に示されるような公知の方法が何ら制限なく用いられ
る。例えば上記のメタクリル酸メチルによる酸性または
アルカリ性下のエステル交換反応、他に(メタ)アクリ
ル酸と酸触媒による脱水反応、、さらには(メタ)アク
リル酸クロライドと三級アミンによる脱塩化水素反応等
が好適に用いられる。
【0019】なお前述のように、ステップ1の生成物は
オキシエチレン基(またはオキシプロピレン基)の個数
が異なった化合物の混合物であるが、これをステップ2
の原料として使用すると、当然のことながらオキシエチ
レン基(またはオキシプロピレン基)の個数が異なった
2官能性メタクリレート化合物の混合物が得られる。ス
テップ1の生成物をクロマトグラフィーや再結晶法によ
りそれぞれの化合物を純品として単離し、それをステッ
プ2の反応に使用することも出来るが、本発明の化合物
の使用目的によっては単離することなく混合物のままス
テップ2の反応に用いても差し支えない。
【0020】これらの方法により合成された本発明のフ
ェニルベンゾエート型ジ(メタ)アクリレート化合物の
同定は、NMR、IR等の分析手段で行うことが出来
る。本発明の化合物で、オキシエチレン基の平均付加数
(m+n)が2.6であるp−p体のフェニルベンゾエ
ート型ジメタクリレートの1HNMRは、δ5.82、
5.45(2(CH2=)、積分強度4)、δ1.95
(2(CH3)、積分強度6)、δ3.55、3.32
(5.2(−O−CH2−)積分強度10.4)、δ8.
20、δ7.63(2つの2置換ベンゼン環、積分強度
8)であった。IRは、1744cm-1にエステル基の
鋭い吸収が確認された。
【0021】このようにして得られた本発明の(メタ)
アクリレート化合物は、従来より知られている重合性単
量体の用途、例えば各種成形材料の原料、コーティング
材、塗料、封止材、印刷インキ、接着剤等の分野におい
て有用である。また、本発明の(メタ)アクリレート化
合物は、特に歯科材料分野における重合性単量体として
有用である。本発明の(メタ)アクリレート化合物を歯
科材料に用いる場合、通常本発明の(メタ)アクリレー
ト化合物と共重合する単量体、および重合開始剤ととも
に、歯科用重合性組成物として用いられる。以下、歯科
用重合性組成物について説明する。
【0022】本発明の(メタ)アクリレート化合物と共
重合する単量体としては、具体的には例えば、α−シア
ノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化ア
クリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン
酸、イタコン酸等のエステル類、(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル
類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体、スチ
レン誘導体等が挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸エ
ステルが好適に用いられる。かかる重合性単量体の例を
以下に示す。
【0023】本発明において、一つのオレフィン性二重
結合を有する単量体を一官能性単量体とする。 (イ)一官能性単量体 メチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミ
ノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプ
ロピル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メ
タ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリト
リトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリルアミド、N、N−(ジヒドロキシエチル)
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシ
ドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイ
ルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)ア
クリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、
(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウム
クロライド等が挙げられる。
【0024】(ロ)二官能性単量体 エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジ
ル(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(メタ)
アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキ
シフェニル〕プロパン、2,2−ビス[4−〔3−
((メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポ
キシ〕フェニル]プロパン、1,2−ビス〔3−(メ
タ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕
エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレー
ト、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒ
ドロキシプロポキシ)エタン、[2,2,4−トリメチ
ルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチ
ル]ジメタクリレート等が挙げられる。
【0025】(ハ)三官能性以上の単量体 トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラ
メチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−
(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−
(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テ
トラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−
2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4
−オキシヘプタン等が挙げられる。これらの重合性単量
体は1種類または数種類の組み合わせで用いられ、重合
性単量体は歯科材料において公知のものが何ら制限無く
用いられ、その配合量は組成物全体に対して90〜5重
量%の範囲である。
【0026】重合開始剤には光重合開始剤を使用するこ
とが出来る。例えば、特開昭48−49875号(カン
ファーキノンとアミン)、特開昭57−203007号
(カンファーキノンと有機過酸化物およびアミン)、特
開昭60−26002号(カンファーキノンとN,N−
ジメチル安息香酸アルキルエステル)、特開昭60−1
49603号(カンファーキノンとアルデヒドおよび有
機過酸化物)、特開昭60−197609号(カンファ
ーキノンとメルカプタン)、特願昭61−290780
号(カンファーキノンとアゾ化合物)等に記載されてい
る従来公知の可視光線を利用する光重合型開始剤が挙げ
られる。
【0027】さらに、アシルホスフィンオキサイド系の
光重合開始剤も好適に用いられる。かかるアシルホスフ
ィンオキサイドとしては、例えば、2,4,6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,
6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサ
イド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイ
ルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−
(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、2,4,
6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィン
オキサイドおよび特公平3−57916号公報に開示さ
れている水溶性のアシルホスフィンオキサイド等が挙げ
られる。これらアシルホスフィンオキサイド系の光重合
開始剤は、単独もしくは各種アミン類、アルデヒド類ま
たはメルカプタン類、スルフィン酸塩等の還元剤と併用
して用いてもよい。
【0028】また、加熱重合型開始剤を使用することも
出来、40〜100℃に使用温度範囲を持つ過酸化物、
アゾ化合物等の開始剤が挙げられる。さらに、2包装形
態の製品を使用時に混合し重合を開始させる、常温重合
型開始剤を使用することも出来、この場合には、例えば
重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド、促進剤と
してジエタノールトルイジンのような芳香族3級アミン
や芳香族スルフィン酸塩等が使用できる。これらの重合
開始剤は1種または数種類の組み合わせで用いられ、配
合量は組成物全体に対して、通常0.01〜20重量%
の範囲、好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用され
る。
【0029】本発明の歯科用重合性組成物を用いた歯科
材料としては、具体的には例えば歯科用複合充填材料、
義歯床用材料、歯冠用材料、合着用材料等の歯科用コン
ポジットレジン、また歯列矯正用接着剤、窩洞塗布用接
着剤および歯牙裂溝封鎖材等の歯科用接着剤が挙げられ
る。
【0030】本発明の歯科用重合性組成物を用いて歯科
用コンポジットレジンを作成する場合、さらにフィラー
が配合される。かかるフィラーとしては、各種ガラス類
{二酸化珪素(石英、石英ガラス、シリカゲル等)、ア
ルミナ、珪素を主成分とし、ランタン、バリウム、スト
ロンチウム等の各種重金属とともにホウ素および、又は
アルミニウムを含有する}、各種セラミック類、珪藻
土、カオリン、粘土鉱物(モンモリロナイト等)、活性
白土、合成ゼオライト、マイカ、フッ化カルシウム、リ
ン酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム、
二酸化チタン等の従来公知の物が使用出来る。これらの
フィラーは1種類または数種類の組み合わせで用いら
れ、その配合量は、組成物全体に対して90〜5重量%
の範囲である。
【0031】これらのフィラーに対しては、目的に応じ
てシランカップリング剤などにより表面処理が施される
場合がある。かかる表面処理剤としては、公知のシラン
カップリング剤、例えば、ω−メタクリロキシアルキル
トリメトキシシラン(メタクリロキシ基と珪素原子との
間の炭素数:3〜12)、ω−メタクリロキシアルキル
トリエトキシシラン(メタクリロキシ基と珪素原子との
間の炭素数:3〜12)、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等
の有機珪素化合物が使用される。表面処理剤の濃度は、
フィラーに対して通常0.1〜20重量%の範囲、好ま
しくは1〜5重量%の範囲で使用される。
【0032】また本発明の歯科用重合性組成物を歯科用
接着剤として使用する場合、共重合する単量体として各
種の接着性単量体、特に分子内に酸性基を有する単量体
がさらに配合される。酸性基を有する単量体とは、酸性
基および重合性基を同一分子内に持つ化合物であって、
酸性基として例えばリン酸残基、ピロリン酸残基、チオ
リン酸残基、カルボン酸残基またはスルホン酸残基等を
有し、重合性基として例えばアクリロイル基、メタクリ
ロイル基、ビニル基、スチレン基等を有する化合物が挙
げられる。
【0033】リン酸残基を有する重合性単量体として
は、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジ
ハイドロジェンホスフェート、9−(メタ)アクリロイ
ルオキシノニルジハイドロジェンホスフェート、10−
(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホ
スフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデ
シルジハイドロジェンホスフェート、20−(メタ)ア
クリロイルオキシエイコシルジハイドロジェンホスフェ
ート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル
−2−ジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルフェニルリン酸、2−(メタ)
アクリロイルオキシエチル 2’−ブロモエチルリン
酸、(メタ)アクリロイルオキシエチル フェニルホス
ホネート等、およびこれらの酸塩化物が挙げられる。
【0034】ピロリン酸残基を有する重合性単量体とし
ては、例えば、ピロリン酸ジ(2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチル)等およびこれらの酸塩化物。チオリン
酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンジ
チオホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシ
デシルジハイドロジェンチオホスフェート等、およびこ
れらの酸塩化物が挙げられる。
【0035】カルボン酸残基を有する重合性単量体とし
ては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキ
シカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキ
シエトキシカルボニルフタル酸無水物、5−(メタ)ア
クリロイルアミノペンチルカルボン酸、11−(メタ)
アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸
等およびこれらの酸塩化物、酸無水物等が挙げられる。
【0036】スルホン酸残基を有する重合性単量体とし
ては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スル
ホエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら
の酸性基を有する重合性単量体は1種類または数種類の
組み合わせで用いられ、配合量は組成物全体に対して、
通常0.01重量%〜70重量%の範囲、好ましくは
0.1重量%〜50重量%の範囲、さらに該組成物に有
機溶剤または水が配合される場合は、0.1重量%〜3
0重量%の範囲で好適に使用される。
【0037】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例、比較例に示した物性測定は、
以下の方法に従った。
【0038】(1)曲げ強度 製造した歯科用コンポジットレジンをステンレス製の金
型(寸法2mm×2mm×30mm)に充填した。上下
面をスライドガラスで圧接し、歯科用技工用光照射器
(モリタ製、αライトII)で両面から各1分間ずつ光を
照射して硬化させた。硬化物は、金型から取り出した後
37℃の蒸留水中に24時間保管し測定に供えた。測定
にはインストロン万能試験機を使用した。スパンは20
mm、クロスヘッドスピードは1mm/minとした。
各試料、5本ずつの試験片を作製し、その平均値を以て
その試料の曲げ強度とした。
【0039】(2)圧縮強度 製造した歯科用コンポジットレジンを、直径4mm、高
さ4mmの穴の空いた金型に充填し、両側からガラス平
板で圧接した。αライトIIで、両面から各3分間ずつ光
を照射して硬化させた。硬化物を型から取り外した後、
37℃の蒸留水中に24時間保管し測定に供えた。測定
にはインストロン万能試験機を使用した。クロスヘッド
スピードは2mm/minとした。各試料、10個ずつ
の試験片を作製し、その平均値を以てその試料の圧縮強
度とした。
【0040】実施例1 HPHBのポリオキシエチレン付加物の合成:内容積2
0リットルのステンレス製の耐圧反応釜に4−ヒドロキ
シフェニル−4−ヒドロキシべンゾエート1kg(4.
3mol)、および触媒のトリエチルアミン1.6g
(0.016mol)を加え、反応釜内を窒素で置換し
た。常法に従い、エチレンオキサイド530g(12m
ol)を反応温度150±5℃で付加反応させた後、マ
レイン酸2.3g(0.020mol)で中和した。こ
れにより反応生成物として4−ヒドロキシポリエトキシ
フェニル−4’−ヒドロキシポリエトキシベンゾエート
を得たが、生成物は両端のオキシエチレン基の付加数
(m+n)が2,3,4の混合物であり、これらの比率
が55:30:15であることがガスクロマトグラフィ
ーによって確認された(平均付加数2.6個、収率94
%)。
【0041】実施例2 本発明の(メタ)アクリレート化合物の合成:実施例1
で合成したオキシエチレン基の平均付加数2.6の4−
ヒドロキシポリエトキシフェニル−4’−ヒドロキシポ
リエトキシベンゾエート1.4kg(4.1mol)を
冷却管を備えた三ツ口フラスコに入れ、メチルメタクリ
レート1.2kg(12mol)、水素化ナトリウム1
7g(0.67mol)、ベンゼン1kgを加えて攪拌
した。オイルバスに浸して内部温度を80〜90℃に保
ちながら、毎分0.51リットルの空気を攪拌物に混入
した。生成したメタノールをベンゼンとの共沸により留
去した後室温まで放冷し、炭酸ガスを送って中和した。
ベンゼンを減圧留去した後、反応混合物をSiO2カラ
ム(溶媒として酢酸エチル/ヘキサン、検出はガスクロ
マトグラフィー)で精製した。減圧乾燥後、4−メタク
リロキシポリエトキシフェニル−4’−メタクリロキシ
ポリエトキシベンゾエート1.7kgを得た。1HNM
Rの結果、原料と同様にオキシエチレン基の平均付加数
は2.6であることが確認された(収率86%)。
【0042】該化合物が4−メタクリロキシポリエトキ
シフェニル−4’−メタクリロキシポリエトキシベンゾ
エートであることは、1HNMR、IRにより確認し
た。即ち、この化合物のD6−DMSO溶液の1HNMR
(270MHz)を測定すると、δ5.82、5.45
(2(CH2=)、積分強度4)、δ1.95(2(C
3)、積分強度6)、δ3.55、3.32(5.2
(−O−CH2−)積分強度10.4)、δ8.20、δ
7.63(2つの2置換ベンゼン環、積分強度8)であ
った。IRは、1744cm-1にエステル基の鋭い吸収
が確認された。
【0043】実施例3 実施例1で得られた4−メタクリロキシポリエトキシフ
ェニル−4’−メタクリロキシポリエトキシベンゾエー
ト((I−A)と略す)を含む、下記の組成(重量部)
からなる重合性組成物を調製した。 (I−A) 65.00 トリエチレングリコールジメタクリレート 35.00 カンファーキノン(CQ) 0.70 N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.70 ジブチルヒドロキシトルエン(BHT) 0.05 上記の重合性組成物20重量%に、シラン処理したシリ
カ粉末(平均粒径2.5μm、粒径範囲0.7〜20.
0μm)80重量%を混合して、ペースト状の歯科用コ
ンポジットレジンを調製した。該コンポジットレジンの
硬化物に対して、曲げ強度と圧縮強度を前述の方法によ
り測定したところ、曲げ強度220MPa、圧縮強度4
50MPaであった。
【0044】比較例1 実施例3の(I−A)を2,2’―ビス(4―メタクリ
ロキシポリエトキシフェニル)プロパン(MPEPP、
共栄社化学製)に代えた以外は実施例3と同一の組成の
歯科用コンポジットレジンを調製し、硬化物に対して曲
げ強度と圧縮強度を測定したところ、曲げ強度164M
Pa、圧縮強度358MPaであった。(I−A)を使
用した実施例3の組成物から得られた硬化物は、MPE
PPを使用したものに比べて優れた機械的性質を示し
た。
【0045】
【発明の効果】本発明の化合物は、機械的強度の優れた
硬化物を与える、新規な2官能性(メタ)アクリレート
化合物であり、該新規な2官能性(メタ)アクリレート
化合物を含有した、機械的性能に優れた硬化物を与える
歯科用重合性組成物が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C089 BC02 BC08 BD02 CA10 4H006 AA01 AA03 AB46 BJ50 BP30 4J027 AC02 AC06 AJ02 BA02 BA07 BA11 BA12 BA20 BA21 BA26 BA28 CB10 CC05 CD07 4J100 AL03Q AL05Q AL08Q AL09Q AL62Q AL63Q AL66P AL66Q AL67Q AM21Q BA03Q BA05Q BA06Q BA08P BA08Q BA20P BA31Q BA34Q BA77Q BB03Q BC43P BC43Q BC69Q CA04 DA47 FA03 FA18 JA52

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の化学式(I)で表される(メタ)ア
    クリレート化合物。 【化1】 (式中、R1とR2はそれぞれ独立して水素またはメチル
    基を表し、mとnはそれぞれ1以上の整数で2≦m+n
    ≦30の関係を満足する)
  2. 【請求項2】下記の化学式(I)で表される(メタ)ア
    クリレート化合物、該(メタ)アクリレート化合物と共
    重合する単量体および重合開始剤からなる歯科用重合性
    組成物。 【化2】 (式中、R1とR2はそれぞれ独立して水素またはメチル
    基を表し、mとnはそれぞれ1以上の整数で2≦m+n
    ≦30の関係を満足する)
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