JP2000211641A - ジュ―ス等の飲料缶 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジュース等の飲料缶の清潔性を向上させる。 【解決手段】 缶入りジュース等を飲用する際に口を当
てる部分、すなわち飲み口の周囲を安全カバー６で覆う
ことにより運搬や陳列の際に付着する汚れ等を防止可能
とするものである。安全カバー６は容器部１の上端に固
着している蓋部２の中心部で開口用のタブ４を支持して
いる支点ピン５によって回動可能に支持されている。安
全カバーの外周部は蓋部の外周部に沿って摺動可能とす
ることにより、飲用のための開口時に開口部からずらし
て飲用可能としてある。安全カバーと本体との材質を同
質とすることによりリサイクル性及び生産性の向上を配
慮してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、缶ビールや缶ジュ
ース等、飲料を詰めて密閉してなる飲料缶に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】近時、自動販売機の普及と相俟って缶ビ
ールや缶ジュース類の消費量が多くなってきていること
は周知の通りである。このような缶ジュース類の容器と
してはアルミニウムや鋼などの金属缶の他、プラスチッ
クや紙製の容器も採用されているが、自動販売機で販売
されるものは、アルミニウムや鋼などの金属製の飲料缶
の割合が圧倒的に多くなっている。

【０００３】金属製の缶入り飲料は、飲料缶の円筒形容
器の一端を開口とし、容器部内にジュース等を注入して
から蓋板を被せて密閉したものが箱詰めされて販売に供
されている。

【０００４】図５は、現在市販されているジュース用飲
料缶の上部の平面の状態を例示するものであるが、アル
ミニウム製飲料缶の容器部１の上部を胴部よりも細径に
してあり、その上端部に蓋部２が被せてある。蓋部２の
蓋板３の中央部に実質的に楕円形の開口用の切込み線３
ａが設けてある。

【０００５】この切込み線３ａの中心部に近い部分から
楕円の長軸方向に向けて開口用タブ４が支持ピン５を介
して取り付けてある。このタブ４は支持ピン５を支点と
するてこの働きをするようになっている。すなわち、タ
ブの外端部４ａを指でつまんで、蓋板３に表示されてい
る矢印に沿って起すと、支点（支持ピン５）の反対側に
位置する押圧部４ｂが蓋板の切込み線３ａ内の部分を押
圧し、切込み線の内側を切り離すとともに支持ピン５の
近傍を折り曲げ、切り離した部分を缶内に没入させるよ
うにしてある。

【０００６】なお、このタブ４は蓋板３の表面に表示さ
れているように、起こされていると飲用に邪魔になるの
で、原位置に戻すことにより飲用に邪魔にならない状態
を作ることができる。このとき、蓋板３の切り離された
部分およびタブ４は蓋板から分離されずに残っており、
路上等に捨てられることなく、缶と一体のまま回収され
るため、リサイクル及び公害防止に有効なものとなって
いる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、缶ジュース
等の飲料缶を自動販売機に補充する作業中には、一般に
作業者が１〜数個ずつ手で掴んで補充するのであるが、
誤ってこれを地面に落してしまったような場合がある。
このときには表面が汚れてしまうことがあるため布で拭
いたり、場合によっては作業衣で拭いたりしてから補充
していることも見受けられるが不潔感は免れないし、ま
た不衛生でもある。

【０００８】このような衛生上の観点から蓋部全体をプ
ラスチックのカバーで覆うようにしたものもあるが、飲
用時にプラスチック廃棄物が発生するため公害の原因を
生じさせる問題がある。このような状況を踏まえて衛生
及び公害防止の観点から新しい時代の飲料缶の出現が待
たれる所以である。そこで本発明の目的は、衛生的で公
害問題を生じない飲料缶を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明におけるジュース等の飲料缶は以下の手段
を採用してある。

【００１０】本発明は、缶入りジュースや缶入りビール
等を飲用する際に口が当たる部分を、飲用時までは安全
カバーで覆うことにより汚れなどを防止して清潔性を維
持するようにしたものである。

【００１１】この安全カバーは、開口手段であるタブを
支持している支点ピンを利用してこれに回動可能に支持
するようにしてあるとともに、外周部を蓋部の上面から
容器部の上部にかけて口が当たる部分を覆うようにして
ある。また、開口後は、支点ピンを中心として回動さ
せ、邪魔にならない位置までずらして飲用に支障を生じ
ないようにしてある。

【００１２】また、他の手段においては、安全カバーを
ずらすときの回転角度を安全カバーの側部に切欠部を設
けこの切欠部内にタブの側部が進入して、安全カバーが
タブ当たって停止する位置をずらすことにより飲み易く
してある。

【００１３】さらにまた、この安全カバーは、蓋部や胴
部の材質と実質的に同じ材質の素材によって構成するこ
とにより、リサイクル性及び生産性の向上を図ってあ
る。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態例につい
て図面を参照して説明する。なお、この形態例の基本的
構成は上記従来例と同じものとしてあるので、同一構成
要素については図５で用いた符号と同一符号を用い、重
複するものについては説明を省略してある。

【００１５】図１に示すように、アルミニウム薄板を加
工してなる容器部１の上端部に固着された同じ材質の素
材からなる蓋部２に、平面形状が実質的に扇形に形成さ
れた安全カバー６が取り付けてある。

【００１６】この安全カバー６は、容器部１及び蓋部２
の素材と同一の材質の薄板を加工したものからなり、扇
の要に相当する部分が支点ピン５に回動自在に支持され
ている。これととともに、安全カバー６の扇の円弧部に
相当する外周部は、蓋部２及び容器部１に沿ってエプロ
ン状に垂れ下がったエプロン部６ａによって飲用の際に
口が当る部分を覆ってある（図２参照）。

【００１７】安全カバー６は、支点ピン５を中心として
回動可能かつ容器部１及び蓋部２の各外周部に沿って摺
動可能としてある。なお、摺動操作は指で行うため、側
部で怪我をしないように予め折り返し加工が施してある
とともに、外周部の端部には丸みを付けてある（図示
略）。

【００１８】安全カバー６の一方の側部（弦部に相当す
る部分）における支持されている部分の近傍には、この
カバーの回転角を増加させるための切欠部６ｂが形成し
てある。これは例えば、安全カバーの外周部を回してこ
れを開口部となる部分の周囲から退避させる前にタブ４
を起してしまったような場合に、タブの側部に当たって
回動角に制約を受けて開口部が十分に露出しないような
場合に回転角の増加を図るために設けたものである。す
なわち、安全カバー６を回動させようとする時に切欠部
６ｂにタブ４の側部を進入可能とすることにより、回動
の障害を除去するためのものである。

【００１９】図２は、容器部１と蓋部２の結合状態を略
図で示したものである。図示してあるように、安全カバ
ー６はタブ４の上面に重ねて取り付けてあるので、タブ
を起す前ならばこれをかなりの角度まで回動可能であ
る。なお、エプロン部６ａの下端部にも折り返しを設け
て安全上の注意を払ってある。

【００２０】図３は、開蓋動作の前に安全カバー６を図
１，２の状態から時計方向に約９０°回動させて、これ
を開口部７からずらした状態を示している。この回動角
は図１の状態に対して９０°としてあるが、実際には１
１０°程度まで回動可能とし、これにより反対側の側部
６ｃが完全に開口部７から外れるようにすることが可能
である。

【００２１】この飲料缶の開口要領は、タブを起して開
口する前に安全カバー６を回動させて開口部７の周辺か
らずらす場合と、タブを起こして開口してから安全カバ
ーをずらす場合とがある。前者の場合には安全カバーが
タブの上に重なっているため、回動量に支障は生じな
い。これに対し後者の場合は、起こされたタブ４の側部
が邪魔になるところであるが、切欠部６ｂにタブの側部
が進入することにより回動するのに必要な角度が十分に
得られる。

【００２２】飲料の飲用時には、起されたタブを戻して
口を当てるのに邪魔にならないようにしてからジュース
等の飲料を飲み、飲用後の空缶はタブ及び安全カバーを
付けたままの状態で空缶回収ボックス等に回収される。

【００２３】安全カバー６の素材の材質は、特に制約さ
れないが、容器部等の本体と実質的に同一材質とするこ
とによりリサイクル及び製造コストを考慮することが望
ましい。

【００２４】図４は、他の例としての安全カバーを示す
もので、この安全カバー１６は、飲用時における安全カ
バーの回動方向を左右いずれにも可能とするために、両
側の側部に切欠部１６ｂ，１６ｂを設けたものである。

【００２５】なお、上記例では飲料缶全体の素材をアル
ミニウム薄板によって構成されるものとして説明してあ
るが、本発明はこれに限定される趣旨ではなく、鋼やプ
ラスチックあるいは紙その他の素材によって構成するこ
とも可能である。また、開口部やタブの形状等は図示し
た形状に限られず、安全カバーは、開口部となる部分の
周囲を覆うようにしたものであれば平面形状等に制約は
ない。

【００２６】さらにまた、本発明はビール、ジュース、
清涼飲料、コーヒーなど缶入り飲料一般の飲料缶に適用
可能である。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、飲用の際に口を当てる
部分を安全カバーで覆ってあるので、運搬や箱詰めある
いは自動販売機への補充などの際、落下や手で触れるこ
とによる汚れを防止して、清潔性を維持してある。これ
はまた、缶入り飲料の購入者に清潔感を与えるので購買
意欲を増進可能とする二次的効果がある。

【００２８】なお、安全カバーの側部に切欠部を形成し
ておけば、回動角を大きくすることができるので、開口
のための操作を容易とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】平面図である。

【図２】要部の断面の構成を示す説明図である。

【図３】開口した後に安全カバーをずらした状態を示す
平面図である。

【図４】他の形態例としての安全カバーの平面図であ
る。

【図５】従来例の平面図である。

【符号の説明】

１ 容器部 ２ 蓋部 ３ａ 開口用切込み線 ４ タブ ５ 支点ピン ６，１６ 安全カバー ６ｂ，１６ｂ 切欠部 ７ 開口部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 飲用時に蓋部に設けてあるタブを立てる
   ことにより切込み線に沿って開口し、この開口部に口を
   当てて充填されているジュース等の飲料を飲用可能なジ
   ュース等の飲料缶において、 少なくとも上記開口部の周辺における上記口が当たる範
   囲を安全カバーによって覆ってあり、 上記安全カバーは上記蓋部の中央部で上記タブを支持し
   ている支点ピンに回動自在に支持されているとともに、
   周囲の部分は上記蓋部の外周部から容器部にまたがった
   状態で摺動可能に取り付けられていることを特徴とする
   ジュース等の飲料缶。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記安全カバーは、
   上記支点ピンに支持されている部分の近傍に、当該安全
   カバーの回動角度を増加可能にする切欠部が形成してあ
   ることを特徴とするジュース等の飲料缶。
3. 【請求項３】 請求項１又は２において、上記安全カバ
   ーは、上記蓋部及び上記容器部と実質的に同一材質の素
   材によって構成してあることを特徴とするジュース等の
   飲料缶。