JP2000210523A - ケミカルフィルタとその製造方法 - Google Patents

ケミカルフィルタとその製造方法

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JP2000210523A JP11014218A JP1421899A JP2000210523A JP 2000210523 A JP2000210523 A JP 2000210523A JP 11014218 A JP11014218 A JP 11014218A JP 1421899 A JP1421899 A JP 1421899A JP 2000210523 A JP2000210523 A JP 2000210523A
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健一 堀内
Daisuke Takaso
大輔 高祖
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和也 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタ基材から吸着剤が脱離せず且つ吸着
効率が高いケミカルフィルタとその製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 三次元網状骨格構造を有するフィルタ基
材１に、小粒子状の吸着剤２をヒートシール型接着剤３
により固着して成る。また、製造方法は、三次元網状骨
格構造を有するフィルタ基材１にヒートシール型接着剤
３を塗布又は含浸させ、このヒートシール型接着剤３を
塗布又は含浸させたフィルタ基材１を小粒子状の吸着剤
２が入った容器内に埋め込んだ状態で、ヒートシール型
接着剤３を加熱し、加熱によって接着性を取り戻したヒ
ートシール型接着剤３により吸着剤２をフィルタ基材１
に固着させるようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、ケミカルフィル
タとその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】ケミカルフィルタとしては、例えば、ウ
レタン等の発泡体に活性炭等の粒子状の吸着剤を接着し
て成るものがある。このフィルタは、発泡体に液状の接
着剤を塗布させた後、前記接着剤がウエット（ＷＥＴ）
状態である間に大量の吸着剤を発泡体に降りそそぐ態様
で発泡体に吸着剤を接着させ、その後、熱をかけて接着
剤を固めるようにして製造される。
【０００３】しかしながら、このケミカルフィルタで
は、図３に示すように基材90に塗布された接着剤91が吸
着剤92を広い範囲で覆うものとなり、このため吸着効率
が低いという問題があった。このような問題が発生する
原因としては、以下の〜が挙げられる。 ウエットの柔らかい接着剤層に吸着剤がめり込んでし
まう（めり込み部を符号Ａで示す）。 液体である接着剤が表面張力により吸着剤表面をより
広く覆ってしまう（表面張力により覆われた部分を符号
Ｂで示す）。 吸着剤が発泡体内部に到達するまでの間に、吸着剤表
面の所々に付着する（付着部を符号Ｃで示す）。
【０００４】なお、上記吸着効率を向上させる手段とし
て接着剤の量を減少させることが考えられるが、このよ
うな手段では吸着剤が発泡体に十分に接着されず、発泡
体から吸着剤が脱離してしまうことから好ましくない。
【０００５】したがって、ケミカルフィルタを製造・販
売・使用する業界では、フィルタ基材から吸着剤が脱離
せず且つ吸着効率が高いケミカルフィルタ及びその製造
方法が開発されることを待ち望んでいる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明で
は、フィルタ基材から吸着剤が脱離せず且つ吸着効率が
高いケミカルフィルタとその製造方法を提供することを
課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】（請求項１記載の発明）
この発明のケミカルフィルタは、三次元網状骨格構造を
有するフィルタ基材１に、小粒子状の吸着剤２をヒート
シール型接着剤３により固着して成る。 （請求項２記載の発明）この発明のケミカルフィルタ
は、上記請求項１記載の発明に関して、フィルタ基材１
が、発泡体、繊維を絡めて形成した繊維体、ハニカム構
造体のうちのいずれかである。 （請求項３記載の発明）この発明のケミカルフィルタ
は、上記請求項１又は２記載の発明に関して、フィルタ
基材１の表裏面のうち少なくとも一方の形状が凹凸立体
構造である。 （請求項４記載の発明）この発明のケミカルフィルタの
製造方法は、三次元網状骨格構造を有するフィルタ基材
１にヒートシール型接着剤３を塗布又は含浸させ、この
ヒートシール型接着剤３を塗布又は含浸させたフィルタ
基材１を小粒子状の吸着剤２が入った容器内に埋め込ん
だ状態で、ヒートシール型接着剤３を加熱し、加熱によ
って接着性を取り戻したヒートシール型接着剤３により
吸着剤２をフィルタ基材１に固着させるようにしてあ
る。 （請求項５記載の発明）この発明のケミカルフィルタの
製造方法は、上記請求項４記載の発明に関して、吸着剤
２をフィルタ基材１に圧接させた状態で、ヒートシール
型接着剤３を加熱して、吸着剤２をフィルタ基材１に固
着させるようにしてある。 （請求項６記載の発明）この発明のケミカルフィルタの
製造方法は、上記請求項４又は５記載の発明に関して、
フィルタ基材１の表裏面のうち少なくとも一方の形状が
凹凸立体構造である。 （請求項７記載の発明）この発明のケミカルフィルタの
製造方法は、上記請求項４乃至６のいずれかに記載の発
明に関して、フィルタ基材１が、発泡体、繊維を絡めて
形成した繊維体、ハニカム構造体のうちのいずれかであ
る。
【０００８】なお、このケミカルフィルタ及びその製造
方法の機能については、以下の発明の実施の形態の欄で
説明する。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に従って説明する。
【００１０】このケミカルフィルタＦは、図１や図２に
示すように、三次元網状骨格構造を有するフィルタ基材
１に、小粒子状の吸着剤２をヒートシール型接着剤３に
より固着して構成されている。
【００１１】フィルタ基材１は、図１に示すように、ポ
リウレタンの発泡体であり、加熱と強風とにより泡を爆
破処理して形成されている。
【００１２】吸着剤２は、直径が0.1 〜５mmに設定され
た活性炭により構成されている。
【００１３】ヒートシール型接着剤３としては、可塑剤
を含まないポリ酢酸ビニルエマルジョンにより構成され
たものが使用されている。
【００１４】上記ケミカルフィルタＦは、以下の第１、
第２工程により製造できる。第１工程 フィルタ基材１にヒートシール型接着剤３を塗布又は含
浸させ、その後前記ヒートシール型接着剤３を乾燥させ
る。第２工程 ヒートシール型接着剤３が塗布又は含浸された上記フィ
ルタ基材１を、小粒子状の吸着剤２が入った容器内に埋
め込み、この状態でヒートシール型接着剤３を加熱す
る。なお、ヒートシール型接着剤３の加熱時において吸
着剤２がフィルタ基材１に押し付けられた状態（加圧状
態）であることが好ましい。
【００１５】上記第２工程により、ヒートシール型接着
剤３が接着性を取り戻し、前記ヒートシール型接着剤３
を介して吸着剤２がフィルタ基材１に固着されることと
なるが、ヒートシール型接着剤３は従来の接着剤のよう
にウエット（ＷＥＴ）になららいため、吸着剤２が大き
く接着剤内にめり込むことはなく且つ表面張力も非常に
弱く、更に、ヒートシール型接着剤３が乾燥した状態で
吸着剤２と接触するので吸着剤２の所々に接着剤が付着
するようなこともない。したがって、このケミカルフィ
ルタは、フィルタ基材１から吸着剤２が脱離せず且つ吸
着効率が高いものとなる。
【００１６】なお、上記実施形態ではフィルタ基材１を
ポリウレタンの発泡体により構成したが、他の材料の発
泡体、繊維を絡めて形成した繊維体、ハニカム構造体等
によりフィルタ基材１を構成するようにしてもよい。
【００１７】また、上記実施形態のフィルタ基材１にか
えて、フィルタ基材１の表裏面のうち少なくとも一方の
形状が凹凸を有する立体構造であるものとすることがで
きる。
【００１８】他方、上記実施形態では吸着剤２を活性炭
としたが、他の種類のもの、例えばイオン交換樹脂、シ
リカゲル等を採用してもよい。
【００１９】
【発明の効果】この発明は上記のような構成であるか
ら、次の効果を有する。
【００２０】上記した発明の実施形態の欄に記載した内
容から、フィルタ基材から吸着剤が脱離せず且つ吸着効
率が高いケミカルフィルタとその製造方法を提供でき
た。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施形態のケミカルフィルタにおけ
るフィルタ基材の斜視図。
【図２】前記ケミカルフィルタの部分拡大図。
【図３】従来の方法により製造されたケミカルフィルタ
の部分拡大図。
【符号の説明】
１ フィルタ基材 ２ 吸着剤 ３ ヒートシール型接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 健一 奈良県大和郡山市池沢町172 ニッタ株式 会社奈良工場内 (72)発明者 高祖 大輔 奈良県大和郡山市池沢町172 ニッタ株式 会社奈良工場内 (72)発明者 林 和也 大阪府八尾市二俣２丁目22番地 新田ゼラ チン株式会社大阪工場内 Ｆターム(参考） 4D012 CA09 CA10 CB01 CG01 CG02 CK06 CK07 4D019 AA01 BA16 BB07 BC05 BD03 BD10 CA01 CB06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 三次元網状骨格構造を有するフィルタ基
    材（１）に、小粒子状の吸着剤（２）をヒートシール型
    接着剤（３）により固着して成ることを特徴とするケミ
    カルフィルタ。
  2. 【請求項２】 フィルタ基材（１）が、発泡体、繊維を
    絡めて形成した繊維体、ハニカム構造体のうちのいずれ
    かであることを特徴とする請求項１記載のケミカルフィ
    ルタ。
  3. 【請求項３】 フィルタ基材（１）の表裏面のうち少な
    くとも一方の形状が凹凸立体構造であることを特徴とす
    る請求項１又は２記載のケミカルフィルタ。
  4. 【請求項４】 三次元網状骨格構造を有するフィルタ基
    材（１）にヒートシール型接着剤（３）を塗布又は含浸
    させ、このヒートシール型接着剤（３）を塗布又は含浸
    させたフィルタ基材（１）を小粒子状の吸着剤（２）が
    入った容器内に埋め込んだ状態で、ヒートシール型接着
    剤（３）を加熱し、加熱によって接着性を取り戻したヒ
    ートシール型接着剤（３）により吸着剤（２）をフィル
    タ基材（１）に固着させるようにしたことを特徴とする
    ケミカルフィルタの製造方法。
  5. 【請求項５】 吸着剤（２）をフィルタ基材（１）に圧
    接させた状態で、ヒートシール型接着剤（３）を加熱し
    て、吸着剤（２）をフィルタ基材（１）に固着させるよ
    うにしたことを特徴とする請求項４記載のケミカルフィ
    ルタの製造方法。
  6. 【請求項６】 フィルタ基材（１）の表裏面のうち少な
    くとも一方の形状が凹凸立体構造であることを特徴とす
    る請求項４又は５記載のケミカルフィルタの製造方法。
  7. 【請求項７】 フィルタ基材（１）が、発泡体、繊維を
    絡めて形成した繊維体、ハニカム構造体のうちのいずれ
    かであることを特徴とする請求項４乃至６のいずれかに
    記載のケミカルフィルタ。
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