JP2000205991A - リ―クテスタ - Google Patents

リ―クテスタ

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JP2000205991A
JP2000205991A JP11005533A JP553399A JP2000205991A JP 2000205991 A JP2000205991 A JP 2000205991A JP 11005533 A JP11005533 A JP 11005533A JP 553399 A JP553399 A JP 553399A JP 2000205991 A JP2000205991 A JP 2000205991A
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JP
Japan
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differential pressure
valve
pressure
work
master
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JP11005533A
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Hiroshi Horikawa
宏 堀川
Yoshihiko Yamakawa
芳彦 山川
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Toyota Motor Corp
Temco Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyotsu Engineering and Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つのリークテスタで複数のワークを測定す
ることができ、かつ測定時間を短縮することができるリ
ークテスタを提供する。 【解決手段】 リークテスタ2を用いた測定時には、ま
ず全ての開閉弁6,8,10,20,22,24,…が
開かれて、加圧気体源4から各ワークW1,W2,W
3,…およびマスタM内に加圧気体が導入される。測定
圧力に達したら、開閉弁6が閉じられて、各ワークW
1,…およびマスタM内の気圧の平衡が図られる。次に
開閉弁20以外の全ての開閉弁が閉じられ、ワークW1
の測定が行われる。続いて開閉弁20が閉じられ、開閉
弁22が開けられ、ワークW2についての測定が行われ
る。そして、差圧検出器12による差圧の測定データと
マスタデータ算出記憶手段26に記憶されているマスタ
データとを比較することで、ワーク圧力洩れ量算出手段
28によってワークW2の圧力洩れ量が算出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワークとマスタ
とを差圧検出器を介して接続し、ワークおよびマスタに
加圧気体を導入して差圧の変化を測定することによっ
て、ワークからの圧力洩れを測定するリークテスタに関
する。
【0002】
【従来の技術】リークテスタは、ワークに加圧気体を導
入し、そのワークからの加圧気体の洩れ量を測定する装
置である。このリークテスタとしては、ワークとマスタ
とを差圧検出器を介して接続し、ワークおよびマスタに
加圧気体を導入して、ワークとマスタとの間に発生する
差圧の変化に基づいてワークからの加圧気体の洩れ量を
測定する差圧式リークテスタが一般に用いられている。
このような差圧式リークテスタとしては、例えば、特開
平4−221733号公報に記載された差圧式リークテ
スタの発明がある。
【0003】この公報に記載された差圧式リークテスタ
による測定方法について、図7を参照して説明する。図
7(A)は従来技術における差圧式リークテスタの基本
的構成を示すブロック図であり、図7(B)は開閉弁の
開閉を示すバルブチャートである。図7(A)に示され
る差圧式リークテスタ32は、加圧気体源34と、加圧
気体源34をワークW,マスタMおよび差圧検出器42
と接続する配管系、および配管系に設けられた開閉弁3
6,38,40を中心として構成されている。
【0004】加圧気体源34は配管44Aによって開閉
弁36に接続され、開閉弁36の他端は配管44Bに接
続されている。配管44Bは配管44Cと配管46Aに
分岐しており、配管44Cは開閉弁38に接続され、開
閉弁38の他端は配管44Dに接続されている。配管4
4Dは配管44Eと配管48Aに分岐しており、配管4
4EはワークWに接続され、配管48Aは差圧検出器4
2の測定部の片側に接続されている。一方、配管46A
は開閉弁40に接続され、開閉弁40の他端は配管46
Bに接続されている。配管46Bは配管46Cと配管4
8Bに分岐しており、配管46CはマスタMに接続さ
れ、配管48Bは差圧検出器42の測定部のもう一方の
側に接続されている。
【0005】かかる構成を有する差圧式リークテスタ3
2において、加圧気体が導入されたワークWとマスタM
との差圧を差圧検出器42で測定することによって、ワ
ークWの圧力洩れが測定される。すなわち、図7(B)
に示されるように、まず開閉弁36,38,40が全て
開けられて、加圧気体源34からワークWおよびマスタ
M内に加圧気体が導入される。続いて、一定時間だけ開
閉弁36のみが閉じられて、ワークW内の気圧とマスタ
M内の気圧との平衡が図られる。その後、開閉弁38,
40が閉じられて、ワークW内の気圧とマスタM内の気
圧との差圧が、差圧検出器42によって測定される。平
衡操作によってワークW内の気圧とマスタM内の気圧は
一旦平衡に達していることから、ワークWからの気体洩
れがない場合には、差圧検出器42で検出される差圧は
ゼロとなる。これに対して、ワークWからの気体洩れが
あれば、差圧検出器42によって気体洩れ分だけの差圧
が検出される。
【0006】ここで、複数のワークWを同時にテストし
ようとすると、その数だけの差圧式リークテスタ32を
構成しなければならないため、非常にコスト高になって
しまう。そこで、複数のワークを一つのリークテスタで
測定するために、図8に示されるような構成の差圧式リ
ークテスタ52が開発されている。差圧式リークテスタ
52は、加圧気体源4と、加圧気体源4を複数のワーク
W1,W2,W3,…,マスタMおよび差圧検出器12
と接続する配管系、および配管系に設けられた開閉弁
6,8,10,20,22,24,…を中心として構成
されている。
【0007】加圧気体源4は配管14Aによって開閉弁
6に接続され、開閉弁6の他端は配管14Bに接続され
ている。配管14Bは配管14Cと配管16Aに分岐し
ており、配管14Cは開閉弁8に接続され、開閉弁8の
他端は配管14Dに接続されている。配管14Dは配管
14Eと配管18Aに分岐しており、配管14Eは配管
14F,14H,14Kに分岐している。配管14Fは
開閉弁20に接続され、開閉弁20の他端は配管14G
に接続され、配管14Gは第1のワークW1に接続され
ている。配管14Hは開閉弁22に接続され、開閉弁2
2の他端は配管14Jに接続され、配管14Jは第2の
ワークW2に接続されている。
【0008】配管14Kは配管Lと配管Nに分岐してお
り、配管Lは開閉弁24に接続され、開閉弁24の他端
は配管14Mに接続されている。配管14Mは第3のワ
ークW3に接続されており、以下ワークの数だけ同様の
構造が続いている。前記配管18Aは、差圧検出器12
の測定部の片側に接続されている。一方、配管16Aは
開閉弁10に接続され、開閉弁10の他端は配管16B
に接続されている。配管16Bは配管16Cと配管18
Bに分岐しており、配管16CはマスタMに接続され、
配管18Bは差圧検出器12の測定部のもう一方の側に
接続されている。
【0009】かかる構造を有するリークテスタ52によ
る複数のワークの圧力洩れ検査は、図9のバルブチャー
トに従って実施される。図9に示されるように、まず、
開閉弁6,8,10,20が開けられて、その他の開閉
弁は全て閉じられる。これによって、第1のワークW1
とマスタM内に加圧気体が導入される。続いて、開閉弁
6を閉じて一定時間おくことによって、第1のワークW
1内とマスタM内の気圧の平衡が図られる。そして、開
閉弁8,10を閉じて差圧検出器12で差圧を測定する
ことによって、第1のワークW1の圧力洩れが測定され
る。
【0010】次に、開閉弁20が閉じられるとともに、
開閉弁6,8,10,22が開かれる。これによって、
今度は第2のワークW2とマスタM内に加圧気体が導入
される。続いて、開閉弁6を閉じて一定時間おくことに
よって、第2のワークW2内とマスタM内の気圧の平衡
が図られる。そして、開閉弁8,10を閉じて差圧検出
器12で差圧を測定することによって、第2のワークW
2の圧力洩れが測定される。以下、全てのワークについ
て、同様な手順が繰り返される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このようにして、各ワ
ークW1,W2,W3,…について加圧・平衡・検出の
サイクルを繰り返すことによって、一つのリークテスタ
52によって複数のワークの圧力洩れが測定される。し
かしながら、かかる測定方法では一つのワークごとに加
圧・平衡・検出のサイクルを実施しなければならないた
め、測定時間が著しく長くなってしまうという問題点が
あった。
【0012】そこで、本出願の請求項1に係る発明にお
いては、一つのリークテスタで複数のワークを測定する
ことができ、かつ測定時間を短縮することができるリー
クテスタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、上記の課題を解
決するために、特許請求の範囲の請求項1に記載された
発明を創出した。
【0014】この発明に係るリークテスタにおいては、
予めマスタデータ算出記憶手段によって、ワークからの
圧力洩れがない場合のワーク内の圧力の経時変化である
マスタデータを複数のワークの各々について算出し記憶
しておく。そして、測定時には、まず全ての開閉弁が開
かれて、複数のワーク内とマスタ内に加圧気体が導入さ
れる。次に、第1の開閉弁のみが閉じられて、複数のワ
ーク内の気圧とマスタ内の気圧との平衡が図られる。続
いて、ワーク用開閉弁のうち一つのみを開けたままにし
て、他のワーク用開閉弁は全て閉じられる。そして、差
圧検出器で差圧を測定することによって、ワーク用開閉
弁が開けられたままのワークとマスタとの差圧が測定さ
れ、当該ワークからの圧力洩れ量が測定される。
【0015】次に、当該ワーク用開閉弁が閉じられて、
他のワーク用開閉弁のうち一つが開かれる。そして、差
圧検出器で差圧を測定することによって、ワーク用開閉
弁が開けられたワークとマスタとの差圧が測定され、当
該ワークからの圧力洩れ量が測定される。ここで、今回
の測定の前には平衡操作を行っていないため、検出のタ
イミングの相違に基づく測定誤差が生ずる。すなわち、
実際には圧力洩れがないにも関らず圧力洩れがあるが如
き差圧の変化が生じたりする。この測定誤差を解消する
ため、当該ワークについてのマスタデータがマスタデー
タ算出記憶手段から呼び出され、差圧検出器による測定
データをこのマスタデータと比較することによって、ワ
ークからの真の圧力洩れ量が算出される。
【0016】以下、他のワークについても同様な操作が
繰り返されて、全てのワークについての圧力洩れ量が算
出される。全てのワークについての測定が終了したら、
それぞれのワークを同種類の未測定のワークと交換し
て、次の測定が行われる。このときにも、加圧・平衡の
操作は一回行うのみで良く、後は順番に各ワークの圧力
洩れ量が測定される。このようにして、全てのワークの
測定が終了するたびに、次の同種類のワークと交換して
測定を続けることができる。
【0017】このように、本発明においては、各ワーク
についてのマスタデータを予め算出・記憶しておいて、
このマスタデータを用いることによって、加圧・平衡の
操作を一回行うのみで全てのワークの圧力洩れ量を算出
することができ、これをワークを交換して何度でも繰り
返すことができる。従って、ワークの交換回数が多いほ
ど、図9に示される従来技術に比較して測定時間はより
短縮される。このようにして、本発明のリークテスタに
よれば、一つのリークテスタで複数のワークを測定する
ことができ、かつ測定時間を短縮することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具現化した一実施
形態について、図1乃至図6を参照して説明する。ま
ず、本実施形態のリークテスタの全体構成について、図
1を参照して説明する。図1は、本実施形態のリークテ
スタの全体構成を示すブロック図である。図1に示され
るように、本実施形態のリークテスタ2の配管構成は図
8に示されるリークテスタ52と同様であるので、図8
と同一符号を付して説明を省略する。本実施形態のリー
クテスタ2が従来のリークテスタ52と異なるのは、マ
スタデータ算出記憶手段26およびワーク圧力洩れ量算
出手段28を備えている点である。
【0019】マスタデータ算出記憶手段26およびワー
ク圧力洩れ量算出手段28は、CPU(中央処理装置)
およびRAM,ROMのメモリ装置を中心として構成さ
れたコンピュータシステムである。マスタデータ算出記
憶手段26は電気的に差圧検出器12と接続されてお
り、差圧検出器12による各々のワークW1,W2,W
3,…の測定データを取り込んで、後述するような手順
によって各々のワークW1,W2,W3,…のマスタデ
ータを算出して記憶する。ワーク圧力洩れ量算出手段2
8は、差圧検出器12による各々のワークW1,W2,
W3,…についての測定データをマスタデータと比較す
ることによって各々のワークW1,W2,W3,…から
の圧力洩れ量を算出する。
【0020】なお、開閉弁6,8,10,20,22,
24,…は全て電磁開閉弁であり、図示しない制御ユニ
ットからの制御信号によって開閉制御される。また、開
閉弁6は、本発明における第1の開閉弁に相当する。開
閉弁8は本発明における第2の開閉弁に相当し、開閉弁
10は本発明における第3の開閉弁に相当する。さら
に、開閉弁20,22,24,…は、本発明におけるワ
ーク用開閉弁に相当する。
【0021】さて、かかる構成を有する本実施形態のリ
ークテスタ2を用いた複数のワークW1,W2,W3,
…の圧力洩れ量の測定手順について、図2を参照して説
明する。図2は、本実施形態のリークテスタ2を用いた
測定時の各開閉弁の開閉を示すバルブチャートである。
図2に示されるように、まず全ての開閉弁6,8,1
0,20,22,24,…が開かれて、加圧気体源4か
ら各ワークW1,W2,W3,…およびマスタM内に加
圧気体が導入される。各ワークW1,W2,W3,…お
よびマスタM内の圧力が測定圧力に達したら、開閉弁6
が閉じられて、各ワークW1,W2,W3,…およびマ
スタM内の気圧の平衡が図られる。
【0022】平衡操作が終了したら、開閉弁20以外の
全ての開閉弁が閉じられて、第1のワークW1について
の測定が行われる(検出1)。検出1については、平衡
操作が行われてすぐの測定であるため、マスタデータを
算出する必要はなく、差圧検出器12からの差圧のデー
タから直接圧力洩れ量が測定される。検出1が終了した
ら、続いて開閉弁20が閉じられ、開閉弁22が開けら
れる。そして、0.5〜1秒程度のディレイタイムをお
いてから、第2のワークW2についての測定が行われる
(検出2)。ディレイタイムを設けるのは、開閉弁2
0,22の開閉に伴う気圧変化による測定誤差を防止す
るためである。
【0023】ここで、検出2の測定の前には平衡操作を
行っていないため、検出のタイミングの相違に基づく測
定誤差が生ずる。すなわち、実際には圧力洩れがないに
も関らず圧力洩れがあるが如き差圧の変化が生じたりす
る。この測定誤差を解消するため、第2のワークW2に
ついてのマスタデータ、すなわち第2のワークW2から
の圧力洩れがない場合の第2のワークW2内の圧力の経
時変化、をマスタデータ算出記憶手段26から呼び出し
て比較することによって、真の圧力洩れ量を算出するの
である。
【0024】ここで、第2のワークW2についてのマス
タデータがマスタデータ算出記憶手段26によって既に
算出・記憶されている場合には、すなわち二順目以降の
測定である場合には、検出2においては差圧検出器12
による差圧の測定データとマスタデータとを比較するこ
とによって、ワーク圧力洩れ量算出手段28によって第
2のワークW2の圧力洩れ量が算出される。そして、開
閉弁22が閉じられ、開閉弁24が開けられて、ディレ
イタイムをおいてから、第3のワークW3についての測
定が行われる(検出3)。
【0025】一方、第一回目の測定であってマスタデー
タがまだ算出されていない場合には、検出2においては
第2のワークW2についてのマスタデータの取得操作が
行われる。後述するように、マスタデータを算出する過
程でワークからの圧力洩れ量も算出されるため、二順目
以降の測定より時間はかかるが、第2のワークW2につ
いてのマスタデータを取得するのと同時に第2のワーク
W2からの圧力洩れ量も測定される。
【0026】次に、マスタデータの算出の手順につい
て、図3乃至図5を参照して説明する。まず、マスタデ
ータ算出の原理について、図3および図4を参照して説
明する。図3は、圧力洩れ測定における差圧の変化を示
すグラフである。実線はワークの圧力洩れがない場合で
あり、破線はワークの圧力洩れが有る場合を示してい
る。図3に示されるように、時刻t0において開閉弁
8,10が閉じられてワークとマスタとが遮断される
と、これに伴って差圧が発生する。発生した差圧は、圧
力変動を伴いながら次第に変化していく。
【0027】ここで、断熱圧縮等に起因して実際にワー
クの内圧が変動するのは時刻t0から時刻t1までの範
囲であり、この範囲においてはワークからの圧力洩れに
起因する差圧ΔPに、圧力変動に起因する差圧ΔP0が
加わった値が差圧値として検出される。時刻t1以降に
おいては、ワークからの圧力洩れに起因する差圧ΔPの
みが差圧値として検出される。
【0028】ここで、ワークの容積,測定圧力やワーク
の温度及び外部温度等の検査条件が同一であれば、複数
回の測定を行っても、圧力変動に起因する差圧ΔP0は
毎回同じ値をとるはずである。すなわち、圧力洩れがな
いワークについての時刻t0から時刻t1までの差圧曲
線(実線)は、検査条件が同一であれば同一となる。ま
た、圧力洩れが有るワークについての時刻t0から時刻
t1までの差圧曲線(破線)は、このΔP0の曲線に圧
力洩れに起因する差圧ΔPが加わったものとなってい
る。そして、この圧力洩れに起因する差圧ΔPは、圧力
変動の有るなしに関わらず、単位時間当たりの変化量は
一定となるはずである。
【0029】従って、図3の破線から実線を差し引くこ
とによって、図4に示されるように圧力洩れに起因する
差圧ΔPの経時変化が求められ、この差圧ΔPは時刻t
1以降のみならず、時刻t0から時刻t1までの間にお
いても直線的に変化する。故に、特定の検査条件におけ
る圧力洩れがないワークについての差圧曲線を予め求め
ておいて、同一の検査条件におけるワークについての差
圧曲線から差し引く処理を行えば、図4のように差圧Δ
Pの単位時間当たり変化量が求められ、これからワーク
の圧力洩れの大きさを算出することができる。かかる算
出方法を用いることによって、圧力変動のある時刻t0
から時刻t1までの範囲内においても、圧力洩れの大き
さを算出することが可能となる。
【0030】この「特定の検査条件における圧力洩れが
ないワークについての差圧曲線」(図3の実線)が、マ
スタデータである。マスタデータを求めるには、まずワ
ークについて時刻t1以降の圧力変動がない範囲で差圧
ΔPの単位時間当たり変化量(図4の直線)を求め、こ
れをワークについての差圧曲線(図3の破線)から差し
引くという手順による。この時刻t1は、ワークからの
圧力洩れのあるなしに関わらず、差圧の単位時間当たり
の変化量が一定になる点、すなわち差圧センサによる差
圧の測定値が描く曲線の二回微分値が零になる点として
求めることができる。本実施形態においては、差圧の単
位時間当たりの変化量が一定になる点を求めるに当たっ
て、差圧センサによる測定値そのものではなく、その移
動平均値を用いている。これは、測定データのばらつき
による誤差をなくするためである。
【0031】具体的には、差圧センサからの測定信号
が、予め設定されたサンプリング時間ごとに測定値Xと
して取り込まれる。この測定値Xの移動平均算出個数N
P ごとに移動平均値Pが算出され、算出された移動平均
値Pが検出値XP として取り込まれる。この検出値XP
を用いて、予め設定された変化量算出単位時間C1ごと
に、一回微分値D1が次式(1)によって算出される。 D1(N) =XP(N)−XP(N-C1) …(1) そして、二回微分値D2が次式(2)によって算出され
る。 D2(N) =D1(N) −D1(N-C1) …(2)
【0032】さらに、加重移動平均法によって、二回微
分値D2から加重平均値D2AVE を算出して、この加重
平均値D2AVE が零になる点をもって、時刻t1とす
る。このようにして時刻t1に到達したことが判別され
たら、その時点から差圧ΔPの測定値の時間当たりの変
化量(図4の直線の傾き)を求める。そして、これをワ
ークについての差圧曲線(図3の破線)から差し引くこ
とによって、マスタデータ(図3の実線)が求められ、
このマスタデータはそのときの検査条件とともに記憶さ
れる。
【0033】さて、このようにして記憶されたマスタデ
ータを用いて、ワークからの圧力洩れ量の算出が行われ
る。まず、ワークについての差圧曲線を測定し、このと
きの検査条件がマスタデータを求めた際の検査条件と同
一と見做せるか否かを判定する。もし、検査条件が同一
と見做せないならば、この新しい検査条件について、上
述の手順によって新たなマスタデータを求める。
【0034】検査条件が同一と見做せる場合には、ワー
クについての差圧曲線からマスタデータを差し引く処理
を行って、図4のように差圧ΔPの単位時間当たり変化
量を求める。そして、この差圧ΔPの時間当たり変化量
を用いてワークの圧力洩れ量VL が算出される。この算
出の具体的な方法としては、種々の方法を用いることが
できる。例えば、時刻t1ともう一点の二点間の差圧測
定値Xあるいは検出値XP から求める方法、単位時間の
移動平均による方法、単位時間当たりの変化量(例え
ば、一回微分値D1)の移動平均による方法等である。
【0035】次に、本実施形態におけるマスタデータの
取得手順のより具体的な内容について、図5を参照して
説明する。図5は、マスタデータを求める手順を示すフ
ローチャートである。以下の手順は、マスタデータ算出
記憶手段26上において実行される。図5のステップS
10で測定が開始されると、まず、ワーク及びマスタに
ついてのパラメータが入力される(ステップS12)。
パラメータとしては、ワークの大きさ,形状等、マスタ
の大きさ,形状等がある。次に、差圧センサによる差圧
の測定値Xが入力される(ステップS14)。
【0036】続いて、移動平均Pを算出して良いか否か
の判定が行われる(ステップS16)。測定値Xが移動
平均算出に必要な個数NP だけ入力されるまではこの判
定はYESにならず、ステップS14に戻って測定値X
の入力が繰り返される。測定値Xが移動平均算出に必要
な個数NP だけ入力された時点でステップS18へ進ん
で、移動平均Pが算出される。こうして算出された移動
平均Pの値が、検出値XP として入力される(ステップ
S20)。
【0037】次に、変化量を演算して良いか否かの判定
が行われる(ステップS22)。予め設定された変化量
算出単位時間C1の時間が経過するとこの判定はYES
となり、検出値XP を用いて上記の式(1)及び式
(2)に従って、一回微分値D1及び二回微分値D2が
算出される(ステップS24)。続いて、加重平均値D
2AVE を算出して良いか否かの判定が行われる(ステッ
プS26)。二回微分値D2が移動加重平均算出に必要
な個数だけ算出されるまではこの判定はYESになら
ず、ステップS14に戻って上述した工程が繰り返され
る。二回微分値D2が移動加重平均算出に必要な個数だ
け算出された時点でステップS28へ進んで、加重平均
値D2AVE が算出される。
【0038】こうして算出された加重平均値D2AVE が
零であるか否かによって、圧力が安定したか否かの判断
が行われる(ステップS30)。加重平均値D2AVE が
零であればこの判定はYESとなり、ステップS32の
判定もYESとなって、リーク差圧ΔPの算出が行われ
る(ステップS34)。そして、このリーク差圧ΔPの
データをワークについての差圧曲線から差し引くことに
よって、マスタデータΔPMが求められ、検査条件とと
もに記憶される(ステップS36)。これによって、マ
スタデータの算出手順は終了する(ステップS38)。
【0039】次に、こうして算出したマスタデータを用
いて圧力洩れ量を求める手順について、図6を参照して
説明する。図6は、マスタデータを用いて圧力洩れ量を
求める手順を示すフローチャートである。以下の手順
は、マスタデータ算出記憶手段26およびワーク圧力洩
れ量算出手段28上において実行される。図6のステッ
プS40で測定が開始されると、まず、ワーク及びマス
タについてのパラメータが入力される(ステップS4
2)。パラメータとしては、ワークの大きさ,形状等、
マスタの大きさ,形状等がある。次に、今回ワークにつ
いての差圧曲線を測定したときの検査条件がマスタデー
タを求めた際の検査条件と同一と見做せるか否かを判定
する(ステップS44)。もし、検査条件が同一と見做
せないならば、この新しい検査条件について、図5に示
される手順によって新たなマスタデータを求める(ステ
ップS46)。
【0040】一方、検査条件が同一と見做せる場合に
は、差圧センサによる差圧の測定値Xが入力される(ス
テップS48)。続いて、移動平均Pを算出して良いか
否かの判定が行われる(ステップS50)。測定値Xが
移動平均算出に必要な個数NPだけ入力されるまではこ
の判定はYESにならず、ステップS48に戻って測定
値Xの入力が繰り返される。測定値Xが移動平均算出に
必要な個数NP だけ入力された時点でステップS52へ
進んで、移動平均Pが算出される。こうして算出された
移動平均Pの値が、検出値XP として入力される(ステ
ップS54)。
【0041】上述の如く、こうして求められた検出値X
P の値から同一時刻におけるマスタデータの値ΔPMを
差し引く処理を行うことによって、次式(3)に従っ
て、リーク差圧ΔPの値が算出される(ステップS5
6)。 ΔP=XP −ΔPM … (3) このリーク差圧ΔPの値を二以上求めることによって、
図4の破線の傾きすなわち変化量を求めることができ
る。続いて、変化量を演算して良いか否かの判定が行わ
れる(ステップS58)。予め設定された変化量算出単
位時間C1の時間が経過するとこの判定はYESとな
り、二つのリーク差圧ΔPの値を用いて次式(4)に従
って、一回微分値D1ΔPが算出される(ステップS6
0)。 D1(N) ΔP=ΔP(N) −ΔP(N-C1) …(4)
【0042】続いて、リーク量を算出して良いか否かの
判定が行われる(ステップS62)。一回微分値D1Δ
Pが移動加重平均算出に必要な個数だけ算出されるまで
はこの判定はYESにならず、ステップS48に戻って
上述した工程が繰り返される。一回微分値D1ΔPが移
動加重平均算出に必要な個数だけ算出された時点でステ
ップS64へ進んで、リーク量VL が算出される。これ
によって、マスタデータを用いた圧力洩れ量の測定の手
順は終了する(ステップS66)。
【0043】このように、本実施形態のリークテスタ2
においては、ワークについての差圧曲線から予め求めた
マスタデータを差し引く処理を行って差圧ΔPの単位時
間当たり変化量を求め、この差圧ΔPの時間当たり変化
量を用いてワークの圧力洩れ量VL を算出している。従
って、図2の検出2以降においても、加圧・平衡の操作
を繰り返すことなく、圧力洩れの大きさを算出すること
が可能となる。そして、全てのワークW1,W2,W
3,…についての測定が終了したら、新しい同じ種類の
ワークW1,W2,W3,…と交換して、同様に一回の
加圧・平衡操作のみで全てのワークW1,W2,W3,
…の圧力洩れ量を測定できる。このようにして、本実施
形態のリークテスタ2においては、一つのリークテスタ
で複数のワークを測定することができ、かつ測定時間を
短縮することができる。
【0044】本実施形態においては、各開閉弁6,8,
10,20,22,24,…として電磁弁を用いた例を
示したが、電動弁,油圧作動弁等の他の自動開閉弁や手
動開閉弁を用いることもできる。リークテスタのその他
の部分の構造,形状,寸法,材質,接続関係等について
も、本実施形態に限定されるものではない。
【0045】さらに、本実施形態に固有の効果として、
各開閉弁6,8,10,20,22,24,…に電磁弁
を用いたため制御ユニットによる自動制御が可能とな
り、より精密な測定を行うことができる。
【0046】
【発明の効果】請求項1に係る発明においては、一つの
リークテスタで複数のワークを測定することができ、か
つ測定時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリークテスタの一実施形態の全体
構成を示すブロック図である。
【図2】リークテスタの一実施形態を用いた測定時の各
開閉弁の開閉を示すバルブチャートである。
【図3】リークテスタの一実施形態による圧力洩れ測定
における差圧の変化を示す図である。
【図4】リークテスタの一実施形態による圧力洩れ測定
における圧力洩れに起因する差圧ΔPの経時変化を示す
図である。
【図5】リークテスタの一実施形態におけるマスタデー
タを求める手順を示すフローチャートである。
【図6】リークテスタの一実施形態におけるマスタデー
タを用いて圧力洩れ量を求める手順を示すフローチャー
トである。
【図7】従来技術におけるリークテスタの全体構成を示
すブロック図および開閉弁の開閉を示すバルブチャート
である。
【図8】従来技術における他のリークテスタの全体構成
を示すブロック図である。
【図9】従来技術における他のリークテスタの開閉弁の
開閉を示すバルブチャートである。
【符号の説明】
2 リークテスタ 4 加圧気体源 6 第1の開閉弁 8 第2の開閉弁 10 第3の開閉弁 12 差圧検出器 20,22,24,… ワーク用開閉弁 26 マスタデータ算出記憶手段 28 ワーク圧力洩れ量算出手段 M マスタ W1,W2,W3,… 複数のワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 芳彦 愛知県豊田市堤町東住吉50番地 豊通エン ジニアリング株式会社PE第2部営業技術 課内 Fターム(参考) 2G067 BB28 DD03 EE09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のワークとマスタに加圧気体を導入
    して前記複数のワークの各々の圧力洩れ量を測定するリ
    ークテスタであって、 前記複数のワークおよび前記マスタに加圧気体を導入す
    るための加圧気体源と、 前記複数のワークおよび前記マスタに前記加圧気体源を
    接続するための配管系と、 該配管系に設けられ、前記加圧気体源と前記複数のワー
    クおよび前記マスタとの間を同時に開閉する第1の開閉
    弁と、 前記配管系に設けられ、前記第1の開閉弁と前記複数の
    ワークとの間を開閉する第2の開閉弁と、 前記配管系に設けられ、前記第1の開閉弁と前記マスタ
    との間を開閉する第3の開閉弁と前記複数のワークの各
    々についてその手前側において前記配管系に設けられた
    ワーク用開閉弁と、 前記第2の開閉弁と前記ワーク用開閉弁とを接続する配
    管と前記第3の開閉弁と前記マスタとを接続する配管と
    の間において前記配管系に設けられた差圧検出器と、 該差圧検出器に電気的に接続され、前記複数のワークか
    らの圧力洩れがない場合の前記複数のワーク内の圧力の
    経時変化を前記複数のワークごとに求めてマスタデータ
    として記憶するマスタデータ算出記憶手段と、 該マスタデータ算出記憶手段および前記差圧検出器に電
    気的に接続され、前記差圧検出器による前記複数のワー
    クの各々についての測定データを前記マスタデータと比
    較することによって前記各々のワークからの圧力洩れ量
    を算出するワーク圧力洩れ量算出手段、とを有するリー
    クテスタ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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