JP2000205612A - 蓄冷式空調装置 - Google Patents

蓄冷式空調装置

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JP2000205612A
JP2000205612A JP11008744A JP874499A JP2000205612A JP 2000205612 A JP2000205612 A JP 2000205612A JP 11008744 A JP11008744 A JP 11008744A JP 874499 A JP874499 A JP 874499A JP 2000205612 A JP2000205612 A JP 2000205612A
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JP
Japan
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cold storage
temperature
fan
air conditioner
refrigerator
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Application number
JP11008744A
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English (en)
Inventor
Masaru Mukawa
大 務川
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

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  • Other Air-Conditioning Systems (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷凍サイクルでのオイル寝込みが生じることが
なく、コンパクトな構成を有し、また優れた蓄冷制御を
実現する。 【解決手段】コンプレッサ4、コンデンサ5、リキッド
タンク6、膨張手段7、及びエバポレータ8が接続さ
れ、冷媒が循環する冷凍サイクル2を有すると共に、エ
バポレータ8、ポンプ13、及び蓄冷材14を冷却する
蓄冷材冷却器15が接続され、ブラインが循環する蓄冷
サイクル3を有する蓄冷式空調装置1において、エバポ
レータ8を、冷媒及びブラインのうちの少なくとも一方
が外気と熱交換すると共に冷媒とブラインとの間におい
ても熱交換する二重管熱交換器とし、また蓄冷材14の
冷熱を冷風として送出するファン17を備え、更にポン
プ13及びファン17を制御する蓄冷制御手段20,2
1a,21b,25,26,30,40を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両等に用いら
れ、エンジン稼動時に空調装置のエバポレータにおいて
発生した冷熱を蓄冷材に蓄えることにより、エンジン停
止後においてもこの蓄冷熱を利用して車室内、仮眠室、
車載冷蔵庫等の冷房・冷却を可能にする蓄冷式空調装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平10−53019号公報に開示さ
れている車両用空調装置は、車室内を冷房するための主
蒸発器と、仮眠室冷房用の蓄冷パックを冷却する蓄冷用
蒸発器とが別々に設けられ、蓄冷時には、冷媒流路に設
けられた電磁弁を開閉制御して冷媒を前記蓄冷用蒸発器
へ流すことにより、蓄冷パックの冷却を行うものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平10−53019号公報の車両用空調装置は、主蒸
発器とは別に蓄冷用蒸発器を設けられていることから、
この蓄冷用蒸発器の載置スペースが余計に必要となり、
また主サイクルと蓄冷サイクルとで同一の冷媒を循環さ
せていることから、蓄冷サイクルの不稼動時に、コンプ
レッサから冷媒と共に送出されたコンプレッサの潤滑油
が蓄冷用蒸発器に溜まるオイル寝込みが生じやすく、こ
れによるコンプレッサの焼き付きが懸念される。このこ
とから、蓄冷サイクルを独立した冷凍サイクルとするこ
とが考えられるが、コンプレッサやコンデンサを蓄冷サ
イクル用に別途設けたのでは、装置が更に大掛かりとな
ってしまう。
【0004】そこで、この発明は、冷凍サイクルでのオ
イル寝込みが生じることがなく、簡素な構成を有し、ま
た優れた蓄冷制御を実現できる蓄冷式空調装置を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、冷媒を圧送するコンプレッサと、前記
冷媒を凝縮液化させるコンデンサと、前記冷媒を膨張さ
せる膨張手段と、前記冷媒を蒸発気化させるエバポレー
タとが配管接続され、閉ループを構成する冷凍サイクル
を有すると共に、前記エバポレータと、ブラインを循環
させるためのポンプと、前記ブラインと蓄冷材とを熱交
換させてこの蓄冷材を冷却する蓄冷材冷却器とが配管接
続され、閉ループを構成する蓄冷サイクルを有する蓄冷
式空調装置において、前記エバポレータは、前記冷媒及
び前記ブラインがそれぞれ流通するための別々の流路を
備え、前記冷媒及び前記ブラインのうちの少なくとも一
方が外気と熱交換すると共に、前記冷媒と前記ブライン
との間においても熱交換する二重管熱交換器であり、ま
た、前記蓄冷材の冷熱を冷風として所望の場所へ送出す
るファンを備え、更に、前記ポンプ及び前記ファンを制
御する蓄冷制御手段を有するものである(請求項1)。
【0006】上記構成によれば、冷凍サイクルのコンプ
レッサを駆動させると、冷媒が冷凍サイクル中を循環
し、エバポレータとしての二重管熱交換器において、冷
媒が蒸発気化して冷気を発生させる。そして、蓄冷時に
は、蓄冷サイクルのポンプを駆動させてブラインを前記
二重管熱交換器内に流通させることにより、この二重管
熱交換器内において冷媒とブラインとの間で熱交換して
ブラインが冷却され、更にこの冷却されたブラインが蓄
冷材冷却器に流入し、このブラインと蓄冷材とが熱交換
することにより、蓄冷材が冷却される。こうして、蓄冷
が完了したならば、前記ポンプを停止させてブラインの
循環を止める。そして、エンジン停止中には、バッテリ
によりファンを駆動させ、冷却された蓄冷材が放出する
冷熱を冷風として送出したり、また放冷熱の自然対流に
より、車室、仮眠室、冷蔵庫等の冷房・冷却を行うこと
ができる。
【0007】このように、冷凍サイクルと蓄冷サイクル
とで別々の熱交換媒体、即ち冷媒とブラインとを用いて
いるため、冷凍サイクルを循環する冷媒量が蓄冷サイク
ルの稼動・不稼動に影響されることはないので、冷凍サ
イクルでのコンプレッサオイル(潤滑油)の寝込みを招
くことはない。また、冷凍サイクルのエバポレータが冷
媒とブラインとを熱交換させる熱交換器を兼ねているた
め、省スペース化に優れたものとなる。更に、前記冷媒
として、炭化水素などの可燃性冷媒を使用した場合であ
っても、車室内に近い場所に配されることの多い蓄冷サ
イクルの蓄冷材冷却部や配管などから、たとえブライン
が漏洩したとしても、このブラインは引火性がないため
安全である。
【0008】また、前記蓄冷制御手段は、利用者による
ON/OFFの切り換え操作により蓄冷を開始/停止さ
せるための制御信号を出力する蓄冷開始スイッチを備
え、前記蓄冷開始スイッチがONとされることにより前
記ポンプを駆動させ、また前記蓄冷開始スイッチがOF
Fとなっている場合であっても、前記エバポレータが要
求される以上の冷却力を有するに至った余剰冷却状態と
なった時に、前記ポンプを駆動させるものであってもよ
い(請求項2)。
【0009】上記構成によれば、利用者が蓄冷開始スイ
ッチをONとすることにより、ポンプが駆動してブライ
ンが蓄冷サイクル中を循環するので、蓄冷材の冷却を強
制的に開始させることができる。
【0010】また、空調装置の作動時には、蓄冷開始ス
イッチがOFFであっても、エバポレータ(二重管熱交
換器)が余剰冷却状態、即ち要求される以上の冷却力を
有し、通常ならコンプレッサが停止される状態となった
場合には、前記ポンプを駆動させ、ブラインを二重管熱
交換器に流通させる。また、この余剰冷却状態は、車室
内の温度が空調装置の目標設定温度以下となるか、若し
くは前記エバポレータの温度が第1の所定温度以下とな
った場合に、それとみなすことができるものである(請
求項3)。これにより、エバポレータが余剰冷力を有し
た時に、冷媒よりも暖かいブラインがエバポレータを流
通して熱交換が行われるため、エバポレータの余剰冷力
を押さえることができると共に、この余剰冷力を蓄冷の
ために有効に利用することができ、またエバポレータの
凍結を防止することができる。
【0011】また、前記蓄冷制御手段は、前記蓄冷制御
手段は、前記蓄冷材の温度を検出する蓄冷材温度センサ
を少なくとも2つ有し、これら複数の蓄冷材温度センサ
のうち、前記蓄冷材の最も冷却されにくい部分に設置さ
れた蓄冷材温度センサにより検出された最難冷却部温度
が、第2の所定温度以下となった場合に前記ポンプを停
止させ、蓄冷完了後、前記複数の蓄冷材温度センサのそ
れぞれの検出値から算出される平均温度が前記第2の所
定温度以上となった時に、再び前記ポンプを駆動させる
ものであってもよい(請求項4)。
【0012】上記構成によれば、蓄冷完了を判断する際
には、冷却材の最も冷却されにくい部分の温度を参照す
るため、この部分の温度が前記第2の所定温度、例えば
蓄冷材の凍結温度に達していれば、冷却材全体が凍結し
ていると判断することができる。このため、蓄冷完了を
確実且つ完全に把握することができる。また、蓄冷完了
後、蓄冷材が解凍し始めたため蓄冷を再開させる際に
は、蓄冷材全体の平均温度を参照する。これは、蓄冷材
の解凍は略均一に行われるためであり、これにより蓄冷
材の再冷却を最適に行うことができる。
【0013】また、前記蓄冷制御手段は、利用者が前記
ファンの駆動時間を設定するためのファン駆動時間設定
スイッチを備えると共に、前記ファン駆動時間設定スイ
ッチにより設定された駆動時間が経過した時に、前記フ
ァンを停止させ、また前記駆動時間の設定がなされなか
った場合には、前記蓄冷材の温度が第3の所定温度以上
となった時に、前記ファンを停止させるものであっても
よい(請求項5)。
【0014】上記構成によれば、エンジン停止後、蓄冷
熱を利用した冷房を行う際に、利用者がファン駆動時間
設定スイッチを操作してファン駆動時間を設定すれば、
この設定した駆動時間が経過した時にファンは自動停止
する。また、利用者がファン駆動時間を設定しなかった
場合には、蓄冷材の温度が、冷房能力が無くなったと判
断できる第3の所定温度まで上昇した時に、ファンは自
動停止する。これにより、バッテリが不要に消耗するこ
とを防止できる。
【0015】また、前記蓄冷制御手段は、少なくとも2
種類の異なる回転速度のうちから利用者が選択した回転
速度で前記ファンを回転させるための制御信号を出力す
るファン駆動スイッチを備えると共に、利用者により選
択された前記ファンの回転速度に応じて、前記ファン駆
動時間設定スイッチにより設定された駆動時間を変化さ
せるものであってもよい(請求項6)。
【0016】蓄冷材に蓄えられた冷熱は、冷気を送出す
るファンの回転が低速であるほど、蓄冷材と空気との間
の熱交換が少なくなるため、高速で回転させた時に比べ
て冷力が長持ちする。従って、上記構成によれば、ファ
ンを低速で運転させる場合には、利用者により設定され
た前記ファン駆動時間が、高速で運転させる場合よりも
長くなるように自動補正されるので、蓄冷材の冷力を十
分に利用することができる。
【0017】また、前記蓄冷材に蓄えられた冷熱を利用
して冷却される冷蔵庫を備え、前記蓄冷制御手段は、利
用者によるON/OFFの切り換え操作により前記冷蔵
庫を作動/停止させるための制御信号を出力する冷蔵庫
作動スイッチを備えると共に、前記冷蔵庫作動スイッチ
がONとされることにより前記ポンプを駆動させ、前記
蓄冷材の温度が前記第4の所定温度以下で、且つ、前記
冷蔵庫内の温度が第1の庫内設定温度以下となった場合
に、前記ポンプを停止させるものであってもよい(請求
項7)。
【0018】上記構成によれば、空調装置の作動時に、
利用者が冷蔵庫作動スイッチをONとすることにより、
ポンプが駆動してブラインが蓄冷サイクル中を循環し、
蓄冷材及びこの蓄冷材により冷却される冷蔵庫内の冷却
が開始される。そして、蓄冷材が前記第4の所定温度ま
で冷却され、且つ冷蔵庫内が第1の庫内設定温度まで冷
却されたならば、前記ポンプは自動停止する。また、前
記第1の庫内設定温度は、予めROM等に記憶されたも
のであっても、利用者により設定されるものであってよ
い。
【0019】また、前記蓄冷制御手段は、前記冷蔵庫内
の冷却が完了して前記ポンプが一度停止した後には、前
記冷蔵庫内の温度が前記第1の庫内設定温度よりも高い
温度として設定された第2の庫内設定温度以上となった
時に、再び前記ポンプを駆動させるものであってもよい
(請求項8)。
【0020】上記構成によれば、一度蓄冷材及び冷蔵庫
内が目標温度まで冷却されてポンプが停止した後であれ
ば、冷蔵庫内の温度が、前記第1の庫内設定温度よりも
高い温度として設定された第2の庫内設定温度となるま
で、再びポンプが駆動されることはない。これにより、
利用者が冷蔵庫を開けたことにより、冷蔵庫内の温度が
一時的に上昇したような場合には、ポンプが駆動しない
ようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0022】図1に示される第1の実施の形態に係る蓄
冷式空調装置1は、仮眠室を備える大型トラック等の車
両に使用されるものであり、主にエンジン稼動中におい
て車内を冷房するために駆動する冷凍サイクル2と、主
にエンジン停止後において仮眠室等の冷房を行うため
に、前記冷凍サイクルの駆動により発生した冷熱を蓄え
る蓄冷サイクル3とを有する。
【0023】前記冷凍サイクル2は、第1の熱交換媒体
としての冷媒を圧送するコンプレッサ4と、このコンプ
レッサ4により圧縮された冷媒を外気との熱交換により
冷却して凝縮液化させるコンデンサ5と、このコンデン
サ5から流出した冷媒を気液分離して液分だけを流出さ
せるリキッドタンク6と、このリキッドタンク6から流
出した冷媒を膨張させる膨張弁7と、この膨張弁7によ
り膨張された冷媒を熱交換により蒸発気化させて冷気を
発生させるエバポレータとして機能する後述する二重管
熱交換器8とが直列に配管接続されて構成される。
【0024】前記蓄冷サイクル3は、前記二重管熱交換
器8と、第2の熱交換媒体としてのブラインを循環させ
るブラインポンプ13と、冷熱を蓄えることができる蓄
冷材14と前記ブラインとを熱交換させる蓄冷材冷却器
15と、温度変化に伴う前記ブラインの体積変化を許容
するための液量調整溜め19とが直列に配管接続されて
なる蓄冷サイクル3を有する。また、前記蓄冷材冷却器
15は、蓄冷ファン17及び仮眠室等へ通じる空気吹出
口18を備えた蓄冷ユニット16内に配置されており、
前記蓄冷材14の放出する冷気を前記空気吹出口18か
ら冷風として仮眠室等に送出できるようになされてい
る。尚、この蓄冷サイクル3を構成する各部8,13,
15,19を接続する配管としては、断熱性を有する樹
脂製ホース等を用いることが好適である。
【0025】前記二重管熱交換器8は、2つの独立した
流路を有し、これら両流路内を流通する両熱交換媒体の
うちの少なくとも一方が外気と熱交換すると共に、両熱
交換媒体間での熱交換が行われるものである。そして、
これら両流路のうち一方の流路内に前記冷凍サイクル2
の熱交換媒体である冷媒を流通させると共に、他方の流
路内に前記蓄冷サイクル3の熱交換媒体であるブライン
をそれぞれ流通させることにより、冷媒が外気やブライ
ンから熱を吸収して前記一方の流路内で蒸発気化し、こ
の二重管熱交換器8の周囲に冷気が放出されると共に、
前記他方の流路内のブラインが冷却される。また、この
二重管熱交換器8は、空調ファン10及び車内へ通じる
空気吹出口11を備えた空調ユニット9内に配置されて
おり、前記空調ファン10の駆動により、冷風を前記空
気吹出口11から車内へ送出できるようになされてい
る。
【0026】また、蓄冷式空調装置1は、エバポレータ
として機能する前記二重管熱交換器8の温度を検出する
エバポレータ温度センサ20、前記蓄冷材14の温度を
検出する第1の蓄冷材温度センサ21a及び第2の蓄冷
材温度センサ21bを有し、この実施の形態において
は、第1の蓄冷材温度センサ21aが蓄冷材14のブラ
イン循環方向上流側に配置されると共に、第2の蓄冷材
温度センサ21bが蓄冷材14のブライン循環方向下流
側(前記蓄冷材14の最も冷却されにくい部分)に配置
されている。
【0027】更に、この蓄冷式空調装置1は、前記冷凍
サイクル2を制御する空調制御ECU25、前記蓄冷サ
イクル3を制御する蓄冷制御ECU26、及び利用者に
より入力された信号を前記空調制御ECU25及び前記
蓄冷制御ECU26に出力すると共に、これら両ECU
25,26から入力される信号に基づいて運転状況等を
表示させるメインコントロールパネル30(図2(a)
参照)及び蓄冷ユニットコントロールパネル40(図2
(b)参照)を備える。また、前記メインコントロール
パネル30と前記蓄冷制御ECU26は、前記空調制御
ECU25を介して信号の入出力を行う。
【0028】前記蓄冷制御ECU26は、前記エバポレ
ータ温度センサ20、前記蓄冷材温度センサ21、前記
空調制御ECU25、及び前記両コントロールパネル3
0,40からの入力信号に基づいて、前記ブラインポン
プ13及び前記蓄冷ファン17を制御すると共に、前記
空調制御ECU25及び前記両コントロールパネル3
0,40への制御信号を出力する。尚、図1中の矢印
は、蓄冷制御に関する信号の入出力を示すものであり、
空調制御に関する信号については示されていないが、こ
こで行われる空調制御は、従来と同様に、車内の温度を
検出する車内温度センサ(図示しない)からの検出値
と、利用者や空調装置自体により設定される車内の目標
設定温度とを比較して制御がなされるものである。
【0029】図2(a)に示されるメインコントロール
パネル30は、利用者により操作され、空調及び蓄冷作
業の開始、停止、及び設定に関する入力を行うと共に、
各動作状況を表示するためのものであり、前記蓄冷材1
4の冷却を開始させるための蓄冷スイッチ32と、空調
装置を作動させるためのA/Cスイッチ33と、各種状
況を表示するメイン表示部34とを有して構成されてい
る。
【0030】図2(b)に示される蓄冷ユニットコント
ロールパネル40は、利用者により操作され、蓄冷熱に
よる冷房の開始、停止、及び設定に関する入力を行うと
共に、各動作状況を表示するためのものであり、前記蓄
冷ユニット16の稼動を開始又は停止させるための蓄冷
A/Cスイッチ41と、前記蓄冷ファン17の駆動時間
を設定するためタイマースイッチ42と、前記蓄冷ファ
ン17の回転速度を設定するための蓄冷ファンスイッチ
43と、各種状況を表示する蓄冷表示部44とを有して
構成されている。
【0031】前記タイマースイッチ42は、利用者に押
される回数により、例えば60,120,240分のう
ちから前記蓄冷ファン17の作動時間を選択できるよう
になされており、この選択された作動時間が前記蓄冷表
示部44に作動時間表示45aとして点灯されると共
に、タイマーマーク45c及び「TIMER/REMAINING 」 表
示45bが点灯する。また、前記作動時間表示45a
は、前記蓄冷ファン17の動作終了までの残り時間と動
作累計時間とを切り替え表示できるものである。また、
前記蓄冷ファンスイッチ43は、利用者に押される回数
により前記蓄冷ファン17を高速で回転させるHi運転
か、又はより低速で回転させるLo運転かを選択できる
ようになされており、この選択されたファン強度が前記
蓄冷表示部44にファン強度表示47として点灯され
る。尚、図2(b)中のバーが2本表示されている状態
のファン強度表示47は、前記Hi運転を表すものであ
り、Lo運転を表す場合には、バーが1本となる。
【0032】前記メインコントロールパネル30の前記
蓄冷開始スイッチ32及び蓄冷ユニットコントロールパ
ネル40の蓄冷A/Cスイッチ41、タイマースイッチ
42、蓄冷ファンスイッチ43からの制御信号が、前記
蓄冷制御ECU26に入力されると共に、この蓄冷制御
ECU26から前記メイン表示部34及び前記蓄冷表示
部44に各種状況を表示させるための制御信号が、前記
両コントロールパネル30,40へ出力される。
【0033】以下に、前記蓄冷材14を冷却するための
制御について、図3を参照して説明する。この蓄冷制御
は、蓄冷式空調装置1の制御を司るメイン制御ルーチン
から定期的に開始されるものである。
【0034】先ず、ステップ100において、前記メイ
ンコントロールパネル30のA/Cスイッチ33がON
であるか否かを判定し、ONではないと判定された場合
には前記メイン制御ルーチンへリターンし、ONである
と判定された場合には、ステップ102において、前記
メインコントロールパネル30の蓄冷スイッチ32がO
Nであるか否かを判定する。
【0035】このステップ102において、前記蓄冷ス
イッチ32がONであると判定された場合には、強制蓄
冷運転を実行し、ステップ108において前記ブライン
ポンプ13を駆動させることにより蓄冷サイクル3中に
ブラインを循環させ、ステップ110において、メイン
コントロールユニット30のメイン表示部34に「蓄冷
運転」表示35を点灯させる。
【0036】一方、前記ステップ102において、蓄冷
スイッチ32がONではないと判定された場合には、自
動蓄冷運転を実行し、ステップ104において、前記空
調制御ECU25からの入力に基づいて、車内温度Tin
が空調装置の設定温度Tse以下であるか否かを判定し、
車内温度Tinが設定温度Tse以下であると判定された場
合には、前記ステップ108において、ブラインポンプ
13を駆動させる。また、前記ステップ104におい
て、車内温度Tinが設定温度Tse以下ではないと判定さ
れた場合には、ステップ106において、前記エバポレ
ータ温度センサ20からのエバポレータ温度Teva が、
エバポレータ(二重管熱交換器)8が凍結するのを防止
するために設定されたエバポレータ凍結防止温度Toff
(コンプレッサ4のクラッチの作動を停止させる温度)
であるか否かを判定し、エバポレータ温度Teva がエバ
ポレータ凍結防止温度Toff 以下であると判定された場
合には、前記ステップ108において、前記ブラインポ
ンプ13を駆動させる。一方、前記ステップ106にお
いて、エバポレータ温度Teva がエバポレータ凍結防止
温度Toff 以下ではないと判定された場合には、前記ス
テップ102へ戻り、再び蓄冷スイッチ32がONであ
るか否かを判定する。
【0037】そして、前記ステップ110において、メ
イン表示部34に「蓄冷運転」表示35がなされた後
に、ステップ112において、前記第2の蓄冷材温度セ
ンサ21bにより検出された最も凍結しにくい部分の蓄
冷材温度Tlas が蓄冷材14の凍結温度Tf 以下である
か否かを判定し、この蓄冷材温度Tlas が蓄冷材凍結温
度Tf 以下ではないと判定された場合には、前記ステッ
プ108に戻り、ブラインポンプの駆動を継続する。一
方、前記ステップ112において、前記蓄冷材温度Tla
s が蓄冷材凍結温度Tf 以下であると判定された場合に
は、蓄冷が完了したと判断し、ステップ114において
ブラインポンプ13を停止させ、ステップ116におい
て、前記メイン表示部34に「蓄冷完了」表示36を点
灯させ、ステップ118において、前記蓄冷スイッチ3
2をOFFとする。
【0038】次いで、ステップ120において、前記第
1及び第2の蓄冷材温度センサ21a,21bのそれぞ
れの検出値から算出される蓄冷材平均温度Tave が前記
蓄冷材凍結温度Tf 以下であるか否かを判定し、前記蓄
冷材平均温度Tave が前記蓄冷材凍結温度Tf 以下であ
る場合には、蓄冷材14の凍結状態は維持されていると
判断し、メイン制御ルーチンへリターンする。一方、前
記ステップ120において、前記蓄冷材平均温度Tave
が前記蓄冷材凍結温度Tf 以下ではないと判定された場
合には、蓄冷完了状態は解除され、ステップ122にお
いて、前記「蓄冷完了」表示36を消灯した後、前記ス
テップ104において、前記車内温度Tinが前記空調装
置設定温度Tse以下であるか否かを判定する。即ち、自
動蓄冷運転が実行されるのである。
【0039】上記制御によれば、空調装置の稼動中に利
用者が前記蓄冷スイッチ32をONとすると、前記ブラ
インポンプ13が駆動し、前記二重管熱交換器8におい
て冷却されたブラインが前記蓄冷材冷却部15に流通さ
れるので、前記蓄冷材14の冷却、即ち蓄冷を強制的に
開始させることができると共に、前記蓄冷スイッチ32
がOFFとなっている場合であっても、車内温度Tinが
空調装置の目標設定温度Tse以下であるか、若しくはエ
バポレータ(二重管熱交換器)温度Teva がエバポレー
タ凍結防止温度Toff 以下である場合には、前記ブライ
ンポンプ13が駆動される。即ち、空調装置作動時に
は、前記蓄冷スイッチ32がOFFであっても、エバポ
レータ8が要求される以上の冷力を有するに至った場合
には、前記ブラインポンプ13が自動的に駆動される。
これにより、エバポレータ8に発生した余剰冷力を、蓄
冷に有効に利用することができる。
【0040】そして、上述のように蓄冷材14の冷却が
行われ、蓄冷材14の最も冷却されにくい部分、この実
施の形態においてはブラインの循環方向下流側に位置す
る部分の温度Tlas が、蓄冷材凍結温度Tf 以下となっ
た時、蓄冷が完了したと判断され、ブラインポンプ13
は停止する。これにより、蓄冷材14全体が凍結するま
で確実に蓄冷することができる。
【0041】また、蓄冷が完了してブラインポンプ13
が一度停止した後には、前記第1の蓄冷材温度センサ2
1a及び第2の蓄冷材温度センサ21bのそれぞれの検
出温度から算出される蓄冷材平均温度Tave が前記蓄冷
材凍結温度Tf 以上となった時に、上記自動蓄冷運転が
開始される。これにより、蓄冷材14の凍結状態を自動
的に保持することができる。
【0042】尚、この発明は、より多くの蓄冷材及び蓄
冷材温度センサが設けられていてもよく、蓄冷材温度セ
ンサを配置する場所は、適宜変更されるべきものであ
る。
【0043】次に、前記蓄冷材14に蓄えられた冷熱を
利用して仮眠室等を冷房するための蓄冷冷房制御につい
て、図4を参照して説明する。この蓄冷冷房制御は、蓄
冷式空調装置1の制御を司るメイン制御ルーチンから定
期的に開始されるものである。
【0044】先ず、ステップ200において、前記蓄冷
ユニットコントロールパネル40の蓄冷A/Cスイッチ
41がONであるか否かを判定し、蓄冷A/Cスイッチ
41がONではないと判定された場合には、この前記メ
イン制御ルーチンへリターンし、一方蓄冷A/Cスイッ
チ41がONである判定された場合には、ステップ20
2において、前記タイマースイッチ42がONであるか
否かを判定する。
【0045】前記ステップ202において、タイマース
イッチ42がONであると判定された場合には、ステッ
プ204において、利用者によりファン作動時間t1が
入力され、次いでステップ208において、前記蓄冷フ
ァンスイッチ43がHi運転に設定されているか否かを
判定し、Hi運転であると判定された場合には、ステッ
プ210において、前記蓄冷ファン17を高速で回転さ
せると共に前記蓄冷表示部44にHi運転を示すファン
強度レベル表示47を点灯させ、一方Lo運転であると
判定された場合には、ステップ212において、前記蓄
冷ファン17を低速で回転させると共に前記蓄冷表示部
44にLo運転を示すファン強度レベル表示47を点灯
させる。
【0046】そして、ステップ214において、蓄冷フ
ァンスイッチ43がONとなった時からカウントされて
いる経過時間tが前記ファン作動時間t1 に到達したか
どうかを判定し、前記経過時間tが前記ファン作動時間
t1 に到達していないと判定された場合には、このステ
ップ214を再び繰り返し、一方前記経過時間tが前記
ファン作動時間t1 に到達したと判定された場合には、
ステップ228において、前記蓄冷ファンスイッチ43
をOFFとして前記蓄冷ファン17を停止させ、ステッ
プ230において前記蓄冷A/Cスイッチ41をOFF
とした後、メイン制御ルーチンへリターンする。
【0047】また、前記ステップ202において、タイ
マースイッチ42がONではないと判定された場合に
は、ステップ220において、前記蓄冷ファンスイッチ
43がHi運転に設定されているか否かを判定し、Hi
運転であると判定された場合には、ステップ222にお
いて、前記蓄冷ファン17を高速で回転させると共に前
記蓄冷表示部44にHi運転を示すファン強度レベル表
示47を点灯させ、一方Lo運転であると判定された場
合には、ステップ224において、前記蓄冷ファン17
を低速で回転させると共に前記蓄冷表示部44にLo運
転を示すファン強度レベル表示47を点灯させる。
【0048】そして、ステップ226において、前記第
1及び第2の蓄冷材温度センサ21a,21bからの検
出温度に基づいて算出された蓄冷材平均温度Tave が、
蓄冷材14が冷却能力を有するための上限温度Tupper
(例えば25℃)以上であるか否かを判定し、前記蓄冷
材平均温度Tave が前記上限温度Tupper 以上ではない
と判定された場合には、再びこのステップ226を繰り
返し、一方前記ステップ226において、前記蓄冷材平
均温度Tave が前記上限温度Tupper 以上であると判定
された場合には、前記ステップ228において、前記蓄
冷ファンスイッチ43をOFFとする。
【0049】上記制御によれば、エンジン停止後に、走
行中に蓄冷材14に蓄えられた冷熱を利用して仮眠室等
の冷房を行う際には、利用者が蓄冷ユニットコントロー
ルパネル40の蓄冷A/Cスイッチ41をONとし、蓄
冷ファンスイッチ43を操作して蓄冷ファン17の回転
速度を選択することにより、前記蓄冷ユニット16内に
設置された蓄冷ファン17がバッテリにより駆動され、
仮眠室内等が冷房される。
【0050】そして、利用者が前記蓄冷ファンスイッチ
43を操作して回転速度を選択する前に、前記タイマー
スイッチ42によりファン作動時間t1 が設定された場
合には、蓄冷ファン17がファン設定時間t1 が経過す
るまで駆動した後自動停止する。また、前記ファン作動
時間t1 の設定がなされなかった場合には、蓄冷材14
の平均温度Tave が前記上限温度Tupper 以上となり蓄
冷材14の冷却能力が失われたと判断されると、前記蓄
冷ファン17は自動停止する。即ち、利用者により前記
ファン作動時間t1が設定されなかった場合には、蓄冷
材14の温度に基づいて蓄冷ファン17が自動的に停止
される自動停止運転が実行されるのである。これによ
り、蓄冷ファン17が駆動し続け、バッテリが不要に消
耗することを防止することができる。尚、エンジン稼動
時であればA/Cスイッチ33がOFF(空調装置が非
作動)であっても、前記蓄冷スイッチ32が押されれ
ば、A/Cスイッチ33がONとなるようにしてもよ
い。
【0051】以下、この発明の他の実施の形態について
図面を参照して説明するが、上記第1の実施の形態と同
一の個所もしくは同様の効果を奏する個所には同様の符
号を付してその説明を省略する。
【0052】この発明の第2の実施の形態に係る蓄冷式
空調装置1は、図4に示される上記第1の実施の形態に
おける蓄冷冷房制御ルーチン中の破線部分Aが、図5に
示されるA’のように変更されたものである。
【0053】即ち、利用者により前記ファン作動時間t
1 の設定(ステップ204)がなされた場合、ステップ
208において、前記蓄冷ファンスイッチ43がHi運
転に設定されているか否かを判定し、Hi運転であると
判定された場合には、ステップ210において、前記蓄
冷ファン17を高速で回転させると共に前記蓄冷表示部
44にHi運転を示すファン強度レベル表示47を点灯
させ、次いでステップ214において、前記経過時間t
が前記ファン作動時間t1 に到達したかどうかを判定
し、前記経過時間tが前記ファン作動時間t1 に到達し
ていないと判定された場合には、再びこのステップ21
4を実行し、一方前記経過時間tが前記ファン作動時間
t1 に到達したと判定された場合には、前記ステップ2
28(図4参照)において、前記蓄冷ファンスイッチ4
3をOFFとする。
【0054】また、前記ステップ208において、前記
蓄冷ファンスイッチ43がLo運転に設定されていると
判定された場合には、ステップ212において、前記蓄
冷ファン17を低速で回転させると共に前記蓄冷表示部
44にLo運転を示すファン強度レベル表示47を点灯
させ、次いでステップ215において、前記ファン作動
時間t1 を、これよりも長い時間である補正ファン作動
時間t2 に補正すると共に、前記経過時間tがこの補正
ファン作動時間t2 に到達したか否かを判定し、前記経
過時間tが前記補正ファン作動時間t2 に到達していな
いと判定された場合には、再びこのステップ215にお
いて前記経過時間tが前記補正ファン作動時間t2 に到
達したか否かを判定し、一方前記経過時間tが前記補正
ファン作動時間t2 に到達したと判定された場合には、
前記ステップ228(図4参照)において、前記蓄冷フ
ァンスイッチ43をOFFとする。尚、上記以外の構成
は上述した第1の実施の形態と同様である。
【0055】前記蓄冷材14の冷却能力は、前記蓄冷フ
ァン17の回転が低速であれば、蓄冷材14と空気との
間の熱交換量が少なくなるため、高速で回転させた時よ
りも長持ちするものである。従って、上記制御のよう
に、蓄冷ファン17がLo運転を行う場合には、利用者
により設定された前記ファン作動時間t1 が補正され、
これよりも長い時間である前記補正ファン作動時間t2
に置き換えられることにより、Hi運転を行う場合より
も長い時間蓄冷材ファン17が駆動されることとなるの
で、蓄冷材14の冷力をより有効に利用することができ
る。
【0056】次に、図6、図7、及び図8を参照してこ
の発明の第3の実施の形態について説明する。
【0057】図6に示される第3の実施の形態に係る蓄
冷式空調装置1は、前記蓄冷ユニット16の送風口18
が、車内に設置された冷蔵庫の冷蔵室90に連通したも
のである。前記冷蔵室90には、この冷蔵室90内の温
度を検出する冷蔵室温度センサ23が設置されている。
また、前記蓄冷サイクル3を制御する蓄冷制御ECU2
6は、前記蓄冷材センサ21a,21b及び前記冷蔵室
温度センサ23からの検出信号、前記空調制御ECU2
5及び図8に示される冷蔵庫コントロールパネル50か
らの信号に基づいて、前記ブラインポンプ23及び前記
蓄冷ファン17を制御すると共に、前記空調制御ECU
25及び前記冷蔵庫コントロールパネル50に制御信号
を出力するものである。
【0058】図8に示される前記冷蔵庫コントロールパ
ネル50は、冷蔵開始スイッチ51と、「冷却中」表示
52と、「冷蔵中」表示53とを有して構成され、冷蔵
スイッチ51は、利用者によりON/OFF操作される
ものであり、また「冷却中」表示52及び「冷蔵中」表
示53は、冷蔵庫の運転状況を示すために点灯/消灯さ
れるものである。
【0059】次に、前記冷蔵室90内を冷却するための
冷蔵制御を、図7を参照して説明する。この冷蔵制御
は、前記冷凍サイクル2の稼動時に、蓄冷式空調装置1
の制御を司るメイン制御ルーチンから定期的に開始され
るものである。
【0060】先ず、ステップ300において、前記冷蔵
スイッチ51がONであるか否かを判定し、ONではな
いと判定された場合には、この制御ルーチンからアウト
し、ONであると判定された場合には、ステップ302
において、前記ブラインポンプ13を駆動させる。そし
て、ステップ304において、前記冷蔵コントロールパ
ネル50の前記「冷却中」表示52を点灯させる。
【0061】次いで、ステップ306において、前記第
2の蓄冷材温度センサ21bにより検出された蓄冷材温
度Tlas が前記蓄冷材凍結温度Tf 以下であるか否かを
判定し、前記蓄冷材温度Tlas が前記蓄冷材凍結温度T
f 以下ではないと判定された場合には、再び前記ステッ
プ300に戻り、一方前記蓄冷材温度Tlas が前記蓄冷
材凍結温度Tf 以下であると判定された場合には、ステ
ップ308において、前記冷蔵室温度センサ23が検出
した冷蔵室温度Tref がこの冷蔵室90内の目標設定温
度である第1の設定温度T1 (例えば4℃)以下である
か否かを判定する。
【0062】このステップ308において、前記冷蔵室
温度Tref が前記第1の設定温度T1 以下ではないと判
定された場合には、前記ステップ300に戻り、一方前
記冷蔵室温度Tref が前記第1の設定温度T1 以下であ
ると判定された場合には、ステップ310において、前
記ブラインポンプ13を停止させ、ステップ312にお
いて、前記「冷却中」表示52を消灯させると共に前記
「冷蔵中」表示53を点灯させ、冷蔵室90内が十分に
冷却されたことを利用者に伝える。
【0063】次いで、ステップ314において、前記冷
蔵室温度Tref が、前記第1の設定温度T1 よりも高い
温度として設定された第2の設定温度T2 (例えば7
℃)以上であるか否かを判定し、前記冷蔵室温度Tref
が前記第2の設定温度T2 以上ではないと判定された場
合には、冷蔵室90内の一時的の温度上昇であると判断
してこの制御ルーチンからアウトし、一方前記冷蔵室温
度Tref が前記第2の設定温度T2 以上であると判定さ
れた場合には、前記ステップ300に戻り、前記冷蔵ス
イッチ51がONである場合には、前記ステップ302
において再び前記ブラインポンプ13を駆動させ、ステ
ップ304において前記「冷蔵中」表示53を消灯させ
ると共に再び前記「冷却中」表示52を点灯させる。
【0064】上記制御によれば、空調装置の稼動中に、
利用者が前記冷蔵開始スイッチ51をONとすることに
より、前記ブラインポンプ13の駆動が開始され、前記
冷却材14の冷却が開始される。このとき、冷蔵庫コン
トロールパネル50には、「冷却中」表示52が点灯す
る。
【0065】そして、前記蓄冷材温度Tlas が前記蓄冷
材凍結温度Tf 以下となり、且つ前記冷蔵室温度Tref
が前記第1の設定温度T1 となった時に、前記ブライン
ポンプ13は停止され、「冷蔵中」表示53が点灯して
利用者に冷蔵庫が使用可能となったことを知らせ、空調
装置が単独で稼動する状態となる。そして、前記冷蔵室
温度Tref が前記第2の設定温度T2 以上となった時、
前記ブラインポンプ14は再び駆動し、冷蔵室90内の
冷却が再開される。
【0066】これにより、前記冷蔵室90内の温度が一
時的に上昇しても前記ブラインポンプ13は駆動しない
ため、利用者が冷蔵庫を利用するために冷蔵庫に設けら
れた扉(図示せず)を開ける度に、前記ブラインポンプ
13が駆動してしまうことを防止できる。また、前記蓄
冷ファン17は、前記冷蔵開始スイッチ17をONとす
ることにより駆動し、冷蔵開始スイッチ17をOFFと
することにより停止し、またエンジン稼動時であれば空
調装置が非作動であっても、冷蔵庫作動スイッチを押す
ことにより空調装置が作動するようにしてもよい。
【0067】また、第4の実施の形態として、図9に示
されるように、前記冷蔵室90の壁面を前記蓄冷材14
で囲むように構成することにより、前記蓄冷ファン17
を駆動させなくても、蓄冷材14の放冷を利用して冷蔵
室90内の冷却を行うことができる。
【0068】
【発明の効果】上記のように、この発明に係る蓄冷式空
調装置によれば、冷凍サイクルと蓄冷サイクルとで別々
の熱交換媒体、即ち冷媒とブラインとを用いているた
め、冷凍サイクルでのオイル寝込みが生じることがな
く、また冷凍サイクルのエバポレータを二重管熱交換器
としたことから、このエバポレータが冷媒とブラインと
の熱交換を行うための熱交換器を兼ねるので、省スペー
ス化及び構造の簡素化が達成され、また蓄冷時にブライ
ンを循環させるためのポンプを駆動させると共に蓄冷完
了時にはポンプを停止させる蓄冷制御手段を有している
ため、優れた蓄冷制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の第1の実施の形態に係る蓄
冷式空調装置を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、この発明の第1及び第2の実施
の形態における蓄冷式空調装置のメインコントロールパ
ネルを示す平面図であり、また図2(b)は、この発明
の第1及び第2の実施の形態における蓄冷式空調装置の
蓄冷コントロールパネルを示す平面図である。
【図3】図3は、この発明の第1の実施の形態における
蓄冷式空調装置の蓄冷制御を示すフローチャートであ
る。
【図4】図4は、この発明の第1の実施の形態における
蓄冷式空調装置の蓄冷冷房制御を示すフローチャートで
ある。
【図5】図5は、この発明の第2の実施の形態における
蓄冷式空調装置の蓄冷制御を示すフローチャートであ
る。
【図6】図6は、この発明の第3の実施の形態に係る蓄
冷式空調装置を示すブロック図である。
【図7】図7は、この発明の第3の実施の形態に係る蓄
冷式空調装置の冷蔵制御を示すフローチャートである。
【図8】図8は、この発明の第3の実施の形態に係る蓄
冷式空調装置の冷蔵庫コントロールパネルを示す平面図
である。
【図9】図9は、この発明の第4の実施の形態に係る蓄
冷式空調装置の冷蔵室を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 蓄冷式空調装置 2 冷凍サイクル 3 蓄冷サイクル 4 コンプレッサ 5 コンデンサ 6 リキッドタンク 7 膨張弁 8 二重管熱交換器 9 空調ユニット 10 空調ファン 11 送風口 13 ブラインポンプ 14 蓄冷材 15 蓄冷材冷却器 16 蓄冷ユニット 17 蓄冷ファン 18 送風口 19 液量補正溜め 20 エバポレータ温度センサ 21a 第1の蓄冷材温度センサ 21b 第2の蓄冷材温度センサ 25 空調制御ECU 26 蓄冷制御ECU 30 メインコントロールパネル 32 蓄冷スイッチ 33 A/Cスイッチ 34 メイン表示部 40 蓄冷ユニットコントロールパネル 41 蓄冷A/Cスイッチ 42 タイマースイッチ 43 ファンスイッチ 44 蓄冷表示部 50 冷蔵庫コントロールパネル 51 冷蔵スイッチ 90 冷蔵室

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を圧送するコンプレッサと、前記冷
    媒を凝縮液化させるコンデンサと、前記冷媒を膨張させ
    る膨張手段と、前記冷媒を蒸発気化させるエバポレータ
    とが配管接続され、閉ループを構成する冷凍サイクルを
    有すると共に、 前記エバポレータと、ブラインを循環させるためのポン
    プと、前記ブラインと蓄冷材とを熱交換させてこの蓄冷
    材を冷却する蓄冷材冷却器とが配管接続され、閉ループ
    を構成する蓄冷サイクルを有する蓄冷式空調装置におい
    て、 前記エバポレータは、前記冷媒及び前記ブラインがそれ
    ぞれ流通するための別々の流路を備え、前記冷媒及び前
    記ブラインのうちの少なくとも一方が外気と熱交換する
    と共に、前記冷媒と前記ブラインとの間においても熱交
    換する二重管熱交換器であり、 また、前記蓄冷材の冷熱を冷風として所望の場所へ送出
    するファンを備え、 更に、前記ポンプ及び前記ファンを制御する蓄冷制御手
    段を有することを特徴とする蓄冷式空調装置。
  2. 【請求項2】 前記蓄冷制御手段は、利用者によるON
    /OFFの切り換え操作により蓄冷を開始/停止させる
    ための制御信号を出力する蓄冷開始スイッチを備え、 前記蓄冷開始スイッチがONとされることにより前記ポ
    ンプを駆動させ、また前記蓄冷開始スイッチがOFFと
    なっている場合であっても、前記エバポレータが要求さ
    れる以上の冷却力を有するに至った余剰冷却状態となっ
    た時に、前記ポンプを駆動させることを特徴とする請求
    項1記載の蓄冷式空調装置。
  3. 【請求項3】 前記蓄冷制御手段は、車室内の温度が空
    調装置の目標設定温度以下となるか、若しくは前記エバ
    ポレータの温度が第1の所定温度以下となった場合に、
    前記余剰冷却状態であるとみなすことを特徴とする請求
    項2記載の蓄冷式空調装置。
  4. 【請求項4】 前記蓄冷制御手段は、前記蓄冷材の温度
    を検出する蓄冷材温度センサを少なくとも2つ有し、 これら複数の蓄冷材温度センサのうち、前記蓄冷材の最
    も冷却されにくい部分に設置された蓄冷材温度センサに
    より検出された最難冷却部温度が、第2の所定温度以下
    となった場合に前記ポンプを停止させ、 蓄冷完了後、前記複数の蓄冷材温度センサのそれぞれの
    検出値から算出される平均温度が前記第2の所定温度以
    上となった時に、再び前記ポンプを駆動させることを特
    徴とする請求項1、2、又は3記載の蓄冷式空調装置。
  5. 【請求項5】 前記蓄冷制御手段は、利用者が前記ファ
    ンの駆動時間を設定するためのファン駆動時間設定スイ
    ッチを備えると共に、 前記ファン駆動時間設定スイッチにより設定された駆動
    時間が経過した時に、前記ファンを停止させ、また前記
    駆動時間の設定がなされなかった場合には、前記蓄冷材
    の温度が第3の所定温度以上となった時に、前記ファン
    を停止させることを特徴とする請求項1、2、3、又は
    4記載の蓄冷式空調装置。
  6. 【請求項6】 前記蓄冷制御手段は、少なくとも2種類
    の異なる回転速度のうちから利用者が選択した回転速度
    で前記ファンを回転させるための制御信号を出力するフ
    ァン駆動スイッチを備えると共に、 利用者により選択された前記ファンの回転速度に応じ
    て、前記ファン駆動時間設定スイッチにより設定された
    駆動時間を変化させることを特徴とする請求項5記載の
    蓄冷式空調装置。
  7. 【請求項7】 前記蓄冷材に蓄えられた冷熱を利用して
    冷却される冷蔵庫を備え、 また、前記蓄冷制御手段は、利用者によるON/OFF
    の切り換え操作により前記冷蔵庫を作動/停止させるた
    めの制御信号を出力する冷蔵庫作動スイッチを備えると
    共に、 前記冷蔵庫作動スイッチがONとされることにより前記
    ポンプを駆動させ、前記蓄冷材の温度が前記第4の所定
    温度以下で、且つ前記冷蔵庫内の温度が第1の庫内設定
    温度以下となった場合に、前記ポンプを停止させること
    を特徴とする請求項1記載の蓄冷式空調装置。
  8. 【請求項8】 前記蓄冷制御手段は、前記冷蔵庫内の冷
    却が完了して前記ポンプが一度停止した後には、前記冷
    蔵庫内の温度が前記第1の庫内設定温度よりも高い温度
    として設定された第2の庫内設定温度以上となった時
    に、再び前記ポンプを駆動させることを特徴とする請求
    項7記載の蓄冷式空調装置。
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