JP2000204178A - ポリイミドフィルムの製造方法及び装置 - Google Patents

ポリイミドフィルムの製造方法及び装置

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JP2000204178A JP344399A JP344399A JP2000204178A JP 2000204178 A JP2000204178 A JP 2000204178A JP 344399 A JP344399 A JP 344399A JP 344399 A JP344399 A JP 344399A JP 2000204178 A JP2000204178 A JP 2000204178A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性を付与するための、表面処理を効果的
に行ない得るポリイミドフィルムの製造方法及び装置を
得ることを目的とする。 【解決手段】 表面処理液浸漬処理を、ゲルフィルムの
段階において、行い,かつ表面処理液を効果的にフィル
ム表面に処理する方法及び装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミドフィル
ムの製造方法および製造装置に関し、特に接着性付与す
るために、表面処理液を施す方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは、耐熱性、耐寒性、耐薬品
性、電気絶縁性、機械的強度等について優れた諸特性を
有することが知られており、電気絶縁フィルム、断熱性
フィルム、フレキシブルプリント配線板のベースフィル
ム等に広く利用されている。特に、フレキシブル配線基
板や電気絶縁フィルム等の用途において、具体的にはポ
リイミドフィルムを接着剤を介して銅箔と接着して胴張
積層板としたり、接着剤コーティングによりプリプレグ
化したり、またフッ素樹脂との複合化をする等の用途に
多く用いられている。従って、フィルムの接着能力は重
要な特性となっており、接着性の改善が種々図られてい
る。
【0003】ところで、高分子フィルムに接着性を付与
する技術には、フィルム製造後の後処理として、例え
ば、火炎処理、コロナ処理、紫外線処理、アルカリ処
理、サンドブラスト処理、プラズマ処理等がある。これ
ら一般的技術において、ポリイミドフィルムにその特性
を維持しつつ接着性を向上させる目的に適用する方法が
選択され、カップリング剤やアルカリ溶液等液体による
各種表面処理がポリイミドフィルムの接着性付与に用い
られている。
【0004】現在行われている表面処理には、ポリイ
ミド前駆体溶液に表面処理剤を混入する方法、製造さ
れたポリイミドフィルムに表面処理剤を塗布する方法が
ある。
【0005】具体的には、上記の方法は、ポリイミド
製造工程において、ポリイミド前駆体であるポリアミド
酸の有機溶媒溶液中に表面カップリング剤を混合してか
ら、流延塗布し加熱することによりポリイミドフィルム
を製造する方法である。また、上記の方法は、ポリイ
ミド前駆体を流延塗布し加熱して製造されたポリイミド
フィルムに表面処理剤を塗布し、乾燥工程を経て、該フ
ィルムの接着性を向上する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法においては、表面処理剤がフィルム表面以外にフ
ィルム内部にも必要であることより、表面処理剤を大量
に消費するという問題がある。また、上記の方法は、
完成したフィルムに表面処理剤が十分浸透することが困
難であるため、表面処理剤の接着性向上への効果が少な
いという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、上記問題を解決し、表面処理剤による接着力向
上の効果を十分発揮させるべく、ゲルフィルムへの表面
処理剤の処理方法及び装置を開発し、本発明を完成する
に至った。
【0008】本発明の第1は、ポリイミドの前駆体物質
を含む有機溶媒溶液を流延塗布後加熱しゲルフィルムを
形成した後、該ゲルフィルムを表面処理液に浸漬し、フ
ィルム端部に圧縮気体をあてた後、フィルム表面の表面
処理液を除去し、さらに熱処理を施すことを内容とする
ポリイミドフィルムの製造方法である。
【0009】本発明の第2は、ポリイミドの前駆体物質
を含む有機溶媒溶液を流延塗布後加熱しゲルフィルムを
形成した後、該ポリイミドフィルムを表面処理液に浸漬
し、フィルム端部支持手段によりフィルムを支持しつ
つ、フィルム端部に圧縮気体をあてた後、フィルム表面
の表面処理液を除去し、さらに熱処理を施すことを内容
とするポリイミドフィルムの製造方法である。
【0010】本発明の第3は、ポリイミドの前駆体物質
を含む有機溶媒溶液を流延塗布後加熱しゲルフィルムを
形成する工程、表面処理液浸漬槽と、エアノズル、およ
び表面処理液の除去ロールで構成されるゲルフィルムを
表面処理液に浸漬する工程、さらに熱処理を施す工程で
構成されることを内容とするポリイミドフィルムの製造
装置である。
【0011】本発明の第4は、ポリイミドの前駆体物質
を含む有機溶媒溶液を流延塗布後加熱しゲルフィルムを
形成する工程、表面処理液浸漬槽と、複数のフィルム端
部支持用ピンチロールと、エアノズル、および表面処理
液の除去ロールで構成される該ゲルフィルムを表面処理
液に浸漬する工程、さらに熱処理を施す工程から構成さ
れることを内容とするポリイミドフィルムの製造装置で
ある。
【0012】本発明の第5は、前記表面処理液槽が表面
処理液で充填され、ゲルフィルムが巡行するための走行
ロールが設置されており、かつ前記表面処理液の除去ロ
ールがテフロンを用いたニップロールであることを内容
とするポリイミドフィルムの製造装置である。
【0013】本発明の第6は、前記表面処理液槽に設置
された走行ロールと表面処理液の除去ロールにより導か
れた、表面処理液に浸漬されたゲルフィルムが、表面処
理液槽から略垂直に引き上げられ得るように構成されて
いることを内容とするポリイミドフィルムの製造装置で
ある。
【0014】本発明の第7は、前記エアノズルが、ゲル
フィルムの両端部付近のフィルム表面の表面処理液残液
を中央方向に移動し得る気体噴射角度を保持し、かつフ
ィルム外側からフィルム中央方向に向かって1対として
設定することを内容とするポリイミドフィルムの製造装
置である。
【0015】本発明の第8は、前記エアノズルが、フィ
ルム幅方向に対して10度以上90度以下の角度、フィ
ルム進行方向に対して10度以上90度以下の角度に保
持されていることを内容とするポリイミドフィルムの製
造装置である。
【0016】本発明の第9は、前記フィルム端部支持用
ピンチロールが、ゲルフィルム両端部に設置され、フィ
ルム表面及び裏面からフィルム端部を各1対で挟持し、
かつフィルム進行方向に対して10度以上90度以下の
角度に保持されていることを内容とするポリイミドフィ
ルムの製造装置である。
【0017】本発明の第10は、前記表面処理液の除去
ロールが、ゲルフィルムの両端部から30mm内側の表
面にあたるように設置されていることを内容とするポリ
イミドフィルムの製造装置である。
【0018】本発明の第11は、前記エアノズルが、少
なくともゲルフィルムの両端部から30mmのフィルム
表面に空気を噴射し得ることを内容とするポリイミドフ
ィルムの製造装置である。
【0019】本発明の第12は、前記フィルム支持用ピ
ンチロールが、少なくともゲルフィルムの両端部から3
0mmのフィルム表面を挟持し得るように設定されてい
ることを内容とするポリイミドフィルムの製造装置であ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるポリイミド
フィルムの製造方法及びその装置について、実施の形態
の1例に基づいて、説明するが本発明はこれらに限定さ
れない。
【0021】一般に、ポリイミドフィルムは不溶不融で
あるため、その前駆体物質の有機溶媒溶液をドラムある
いはベルト等の支持体に流延塗布するソルベントキャス
ト法が用いられ、本発明にかかるポリイミドフィルムの
製造方法においても、この方法を用いる。
【0022】以下、本発明にかかるポリイミドフィルム
の製造方法及びその装置について、具体的に説明する。
【0023】本発明にかかるポリイミドフィルムは、公
知の各種原料から得られるものであり、特に限定される
ものではなく、主として有機テトラカルボン酸二無水物
と有機ジアミンとを原料として用い、各成分を実質的に
等モル使用し、有機溶媒溶液中で重合して得られる。
【0024】本発明にかかるポリイミドフィルムは、広
義のポリイミドからなるフィルムであり、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステル
イミドなどを例示することができ、非熱可塑性、熱可塑
性、熱硬化性等特に限定されない。即ち、ポリイミドの
分子構造は問わない。あえて、例示するとすれば、好ま
しくは、下記の一般構造式(1)化1
【0025】
【化1】
【0026】の繰り返し単位を有するポリイミドに適用
される。
【0027】式中、R1 は4価の有機基であり、具体的
には、少なくとも1個の芳香族を有してなり、かつ結合
すべき隣接するカルボニル基とは芳香環が直接結合して
なる。さらに具体的には、化2
【0028】
【化2】
【0029】(式中、Xは化3
【0030】
【化3】
【0031】から選択される2価の官能基であり、R4
は、CH3 −、Cl−、Br−、F−、CH3 O−であ
り、2以上置換される場合は、R4 は同一であってもよ
くまた異なってもよい。)で表される群から選ばれる少
なくとも1種である。
【0032】また、式中、R2 は2価の有機基、具体的
には少なくとも1個の芳香族を有してなり、さらに、具
体的には、化4
【0033】
【化4】
【0034】(式中、R4 は、CH3 −、Cl−、Br
−、F−、CH3 O−であり、2以上置換される場合
は、R4 は同一であってもよくまた異なってもよい。)
で表される群から選ばれる少なくとも1種である。
【0035】特に好ましいポリイミドは、式中、R
1 が、化5
【0036】
【化5】
【0037】で、R2 が、化6
【0038】
【化6】
【0039】を主成分とするポリイミド、あるいは、式
中、R1 が、化7
【0040】
【化7】
【0041】で、R2 が、化8
【0042】
【化8】
【0043】と、化9
【0044】
【化9】
【0045】を各々主成分とするポリイミド共重合体に
適用される。
【0046】さらに好ましくは、化10
【0047】
【化10】
【0048】と化11
【0049】
【化11】
【0050】のモル比が、数1
【0051】
【数1】
【0052】の範囲のものである。また、R1 が、化1
【0053】
【化12】
【0054】で、R2 が、化13
【0055】
【化13】
【0056】を主成分とするものや、R1 が、化14
【0057】
【化14】
【0058】と、化15
【0059】
【化15】
【0060】で、R2 が、化16
【0061】
【化16】
【0062】と、化17
【0063】
【化17】
【0064】を各々主成分とするポリイミド共重合体に
も適用可能である。
【0065】以下、ポリイミド樹脂の製造方法について
説明する。上記一般式(1)で表されるポリイミド樹脂
は、その前駆体であるポリアミド酸重合体を脱水閉環し
て得られるが、このポリアミド酸溶液は、従来公知の方
法により、酸二無水物とジアミン成分を実質的に等モル
使用し、有機極性溶媒中で重合して得られる。
【0066】まず、ポリアミド酸の製法について述べ
る。まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気中に
おいて、一般式(2)化18
【0067】
【化18】
【0068】(式中、R1 は4価の有機基を示す。)で
表される芳香族テトラカルボン酸二無水物中より、少な
くとも1成分以上の酸二無水物を有機溶媒中に溶解し、
または、拡散させる。この溶液に、一般式(3) H2 N−R2 −NH2 (3) (式中、R2 は2価の有機基を示す。)で表される少な
くとも1種以上のジアミン成分を有機溶媒に溶解、ある
いは、スラリー状に拡散させた状態で、または、固体の
状態で添加し、ポリアミド酸重合体の溶液を得る。
【0069】この時の反応温度は、−10℃から50℃
が好ましい。反応時間は、30分から6時間程度であ
る。
【0070】また、この反応において、上記添加順序と
は逆に、まず、ジアミン成分を拡散又は溶解させ、該溶
液中に酸二無水物の固体もしくは有機溶媒による溶液も
しくはスラリーを添加してもよい。
【0071】なお、生成されるポリイミド樹脂の強度を
維持するためには、数平均分子量が1万以上が好まし
い。ポリイミド重合体の分子量は直接測定が困難な場合
が多い。このようなときには間接的な方法によって推測
による測定がなされる。たとえば、ポリイミド重合体が
ポリアミド酸から合成される場合には、ポリアミド酸の
分子量に相当する値をポリイミドの分子量とする。
【0072】また、一般式(2)化19
【0073】
【化19】
【0074】で表される芳香族テトラカルボン酸二無水
物としては、本質的に種々のテトラカルボン酸二無水物
が使用可能であるが、より具体的には、諸特性のバラン
スから、一般式(2)中のR1 が、化20
【0075】
【化20】
【0076】(式中、Xは化21
【0077】
【化21】
【0078】で表される2価の官能基である。式中、R
4 は、CH3 −、Cl−、Br−、F−、CH3 O−で
あり、2以上置換される場合は、R4 は同一であっても
よく、また異なってもよい。)で表される4価の有機基
を示す1種以上の芳香族テトラカルボン酸二無水物を選
択することができる。
【0079】また、一般式(3)で表されるジアミン化
合物としては、本質的に種々のジアミンが使用可能であ
るが、より具体的には、諸特性のバランスから、一般式
(3) H2 N−R2 −NH2 (3) 中のR2 が、化22
【0080】
【化22】
【0081】(式中、R4 は、CH3 −、Cl−、Br
−、F−、CH3 O−であり、2以上置換される場合
は、R4 は同一であってもよく、また異なってもよ
い。)で表される2価の有機基である1種以上のジアミ
ンを選択することができる。
【0082】さらに、本発明に用いられ得る有機溶媒と
しては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスル
ホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホ
ルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶
媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピ
ロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、
m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン
化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あ
るいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクト
ンなどをあげることができ、これらを単独または混合物
として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエ
ンのような芳香族炭化水素の一部使用も可能である。
【0083】なお、ポリアミド酸溶液を調製する際、あ
るいはポリアミド酸溶液を調製した後、または化学的方
法による脱水剤及び触媒に酸化防止剤、光安定剤,難燃
剤、帯電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、あるいは無
機フィラー類、またはその他の強化剤等を混合し得る。
【0084】また、ポリイミドの製造方法は、前駆体で
あるポリアミド酸に無水酢酸等の酸無水物に代表される
脱水閉環剤と、ピコリン、キノリン、イソキノリン、ピ
リジン等の第3級アミン類とを作用させるケミカルキュ
ア法によってポリイミドに変換させる方法および、上記
脱水剤等を作用させずに加熱のみでイミド化反応を進行
させるいわゆる熱キュア法も用い得る。さらに両者を併
用した方法も用い得る。
【0085】ケミカルキュア法及び熱キュア法を組み合
わせた場合、通常、工程の前半は主にケミカルキュア法
が行われ、引き続き後半の熱キュア法でイミド化を完結
する。
【0086】ここで、本発明における「ゲルフィルム」
とは、前半のケミカルキュアの工程が終了した段階のフ
ィルム、あるいは熱キュア法による熱キュア工程に入る
前のフィルムと、定義する。
【0087】ポリイミド前駆体をイミド化し、最終的に
ポリイミドフィルムの製品とするための製造方法は、流
延塗布しケミカルキュアを行う加熱手段を備えたドラム
室あるいはベルト室と熱キュアを行うテンター室とに分
けられる。
【0088】本発明にかかるポリイミドフィルムの製造
工程の1例を図1により示すと、まずベルト室10での
工程は、ミキサーで混合したポリイミド前駆体をTダイ
12によりフィルム状に押し出す工程を行い、反応硬化
室においてはTダイより押し出されたフィルム状のポリ
イミド前駆体をエンドレスベルトあるいはキャスティン
グドラム14上にフィルム状に形成する。フィルム状に
形成された前駆体は、ベルトあるいはドラムの回転によ
り移動させられながら、加熱手段により加熱されてイミ
ド化される。このベルト室内においては反応に伴って生
成した生成物、主として水、酢酸、有機溶媒等が蒸発す
る。
【0089】加熱手段は、樹脂から蒸散した可燃性の揮
発成分に引火する危険を防止するため、あるいは樹脂自
体が発火することを防止するために、雰囲気温度、およ
びベルトあるいはドラムの回転速度を調整しつつ加熱
し、たとえば温風・ 熱風・放射熱による加熱、ベルト加
熱等を用い得る。
【0090】これらの工程により、ポリイミド前駆体の
フィルムをイミド化しながら、フィルムが自己支持性を
有する程度まで加熱・乾燥を行った後、エンドレスベル
トまたはキャスティングドラムから引き剥がして、本発
明にいうゲルフィルム16を得る。
【0091】ところで、通常フィルムを上記工程を通し
て搬送しつつイミド化を行う場合において、ゲルフィル
ムの形状及び表面状態を最良に保持しフィルムの剥がれ
・しわ等の表面上の難点を防止し、自己支持性を有する
フィルムを搬送上・加工上の問題なく製造する指標とし
て、残揮発物量の測定が行われている。
【0092】本発明において、フィルム中の残揮発物量
は、下記の式、数2
【0093】
【数2】
【0094】W :乾燥前の重量 W0:450℃20分間加熱処理後の重量
【0095】通常上、エンドレスベルトまたはドラムな
どの支持体より剥離されるフィルムの残揮発物量は、2
0〜200重量%の範囲内で行われる。残揮発物量が、
200重量%を超えるとベルトまたはドラムから剥がれ
にくい、また剥離後のフィルムの自己支持性が良好でな
い等の問題が生じる。一方残揮発物量は20重量%未満
以下である場合は、膜剥離の工程よりも前の段階でゲル
フィルムが支持体より剥がれてベルトまたはドラム上か
ら浮き上がり、搬送が不安定となる問題や、逆にフィル
ムが支持体より剥がれにくくなる場合がある等の問題が
生じるためである。
【0096】上記のようにして得られたゲルフィルム
は、本発明に用いられるゲルフィルムの表面処理液浸漬
工程18を経る。具体的に説明すると、ゲルフィルムは
表面処理液浸漬工程18において、ガイドロール20に
より表面処理液槽22に導入される。表面処理液で処理
されたゲルフィルムは、エアノズル24により圧縮空気
を噴射された後、ロール26により均一に表面処理液を
付着させられる。表面処理液浸漬工程18を経たゲルフ
ィルム28は、テンター室30に導入される。テンター
室30において、ゲルフィルムは、端部を固定され加熱
処理される。たとえば、図1に示すように、ピンでフィ
ルムを工程したピンシートをピンコンベアの回転駆動に
より移動させることによりフィルムをテンター室内で移
動させる。テンター室では、熱キュアを行う加熱炉内に
おいて徐々に加熱することによりゲルフィルムをさらに
イミド化する。加熱炉は通常200℃程度の温度から徐
々に昇温しポリイミドへのイミド化を完了させ、ポリイ
ミドフィルム32を得る。
【0097】図2は、本発明にかかるポリイミドフィル
ムの製造装置において、表面処理液浸漬工程を表した模
式図である。矢印はゲルフィルムの進行方向である。ベ
ルト室を経たゲルフィルムは、ガイドロール20に導か
れながら、表面処理液が満たされた表面処理液槽22に
浸漬される。ゲルフィルムは、この表面処理液浸漬工程
を経た後、さらに加熱されるため、表面処理液は加熱温
度においても変質しない耐熱性を有することが必要であ
る。具体的には、本発明において用いる表面処理液と
は、アルカリ溶液も用い得るが、主としてシラン系、チ
タン系、アルミニウム系、又はジルコアルミニウム系の
カップリング剤が挙げられ、これらカップリング剤は単
独でも、数種を混合してもよく、特にはチタン系カップ
リング剤を用いることが好ましい。特に、下記一般式
(4)化23
【0098】
【化23】
【0099】で表されるチタンカップリング剤が好まし
く用いられる。
【0100】なお、上記カップリング剤は溶媒に溶解さ
せて溶液として用いるが、この溶液としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール又は
これらの混合溶媒であるソルミックス等のアルコール系
溶媒、アセトン、MEK、2−ペンタノン、3−ペンタ
ノン等のケトン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらは、単独で用い
ても、数種を混合して用いてもよい。
【0101】また、カップリング剤溶液の濃度は、0.
005wt%〜30wt%であることが好ましく、特に
は、0.01wt%〜5wt%であることが好ましい。
カップリング剤の濃度が高すぎるとポリイミドフィルム
表面にムラが見られ、フィルムの色が濃くなる等、外観
上好ましくない。一方、カップリング剤の濃度が低すぎ
ると充分な効果が発現されなくなるからである。
【0102】浸漬されたゲルフィルムは、ガイドロール
に導かれつつ引き上げられる。図3は、引き上げられた
後のゲルフィルムの処理手段を斜視図により表したもの
である。フィルムにしわや偏りを生じさせないために
は、ゲルフィルムは略垂直に引き上げられることが好ま
しい。
【0103】次に、ゲルフィルムの両端部に圧縮気体を
噴射手段により噴射させる。噴射手段は、フィルムの両
端部の表面及び裏面に適用し、具体的には例えばエアノ
ズル24であってもよく、さらに圧縮気体は、窒素、ア
ルゴン等不活性気体または空気であってよい。圧縮気体
を噴射することにより、ゲルフィルムの端部に付着した
表面処理液を中央部分に寄せる効果を発揮する。エアノ
ズル等噴射手段は、図4(a)正面図に示すようにフィ
ルム表面に対しての角度θが10度以上90度以下の角
度、また図4(b)側面図に示すようにフィルム進行方
向に対しての角度φが10度以上90度以下の角度に保
持されることが好ましい。さらに、噴出した空気がゲル
フィルムの端部にあたるように構成されていることが好
ましい。具体的には、少なくともゲルフィルムの両端部
から30mmのフィルム表面に空気を噴射し得るように
位置および空気圧を設定することが好ましい。
【0104】均一であるポリイミドフィルムを得るため
に、比較的厚み、乾燥程度の不均一である端部は、表面
処理液が残留している場合に切れやすく、また表面処理
液除去ロール中を走行させる際に走行筋が発現するおそ
れがあるため、これを防止するために上記の角度で気体
噴射手段を設置することが効果的である。
【0105】次に、ゲルフィルムは、1対の表面処理液
除去ロールであるニップロール26により、フィルム表
面に残留する剰余の表面処理液が除去される。ニップロ
ール26は、はっ水性を有し、基本的にゲルフィルムの
有機溶媒および表面処理液と反応しない材質であれば特
に制限されないが、特にはテフロン製のロールまたは合
成樹脂製またはゴム製のロールにテフロンコーティング
したものが好ましい。これらの材質のロールは他の材質
に比較して、しわが入りにくくまた表面処理液の液切れ
が良好である。また、ニップロール26は1対で使用
し、ロールツーロール方式でロールの間隙を表面処理液
に浸漬されたゲルフィルムが通過する。このロールのニ
ップ圧は、ポリイミドの構造やこれに伴う機械的特性、
及び膜厚にもよるが、一般的に、25μmの厚さのフィ
ルムである場合、2〜3kgfのシリンダー圧を付加さ
せることが好ましい。
【0106】また、この表面処理液の除去ロールである
ニップロール26が、ゲルフィルムの両端部から30m
mより内側のフィルム表面にあたるように設置されてい
ることが好ましい。フィルム端部は、上記範囲のフィル
ムと比較して、不均一であるためニップするとフィルム
表面にしわがよる原因となり表面処理を行うことが困難
であることより、上記範囲のフィルムに接着性付与の処
理を施すことが、必要十分であるからである。
【0107】また、ポリイミドフィルムの構造やこれに
伴う機械的特性及び膜厚にもよるが、しわが比較的多い
場合、また端部のカールが大きい場合、さらに走行不良
の場合等は、ゲルフィルムの端部を支持することが好ま
しい。具体的には、フィルム端部支持手段として、例え
ば1対のピンチロール40で支持し得る。図3のピンチ
ロール40は、ゲルフィルムの端部を挟持しつつゲルフ
ィルムの動きに従ってロール部分が可動するように支柱
に固定されている構成となっている。このピンチロール
40はゲルフィルム両端部を支持し、基本的には複数箇
所設置されてもよい。
【0108】このフィルム端部支持用のピンチロールに
よりしわのない安定したフィルム幅を得ることができ、
さらに端部のカールを矯正し、厚みを一定にすることが
できる。また、このフィルム端部支持用ピンチロール
は、フィルムのしわをなくし走行を潤滑に行うために
は、ゲルフィルム両側からフィルム端部を各1対で挟持
し、かつ図5に示すように、フィルム進行方向(矢印)
に対して10度以上90度以下の角度δに保持されてい
ることが好ましい。
【0109】このようにして表面処理されたゲルフィル
ムは、熱処理工程を行うテンター室に供給される。この
ように、表面処理工程をテンター室での加熱工程の前に
設置することにより、表面処理剤の乾燥工程をテンター
室の熱処理工程で同時に行うことができる。
【0110】上記表面処理されたゲルフィルムは端部を
固定されテンター室にて加熱処理される。例えば、テン
ター室は、加熱炉及び徐冷炉で構成され、ピンでフィル
ムを固定したピンシートをピンコンベアの回転駆動によ
り可動させることにより、フィルムがテンター室内を移
動する。熱キュアを行う加熱炉内において徐々に加熱す
ることによりゲルフィルムをさらにイミド化する。加熱
炉内では、通常200℃程度の温度から徐々に昇温し
て、ポリイミドへのイミド化を完了させる。
【0111】熱処理の温度は、徐々に加熱し最高温度5
00℃以上620℃以下の温度範囲とすることが好まし
い。さらに好ましくは、540℃以上580℃以下の範
囲が好ましい。最高温度に達する温度勾配については、
上記の温度範囲で熱処理を施せば、特に制限されない。
熱処理時間は、数秒〜数十分、好ましくは1分〜5分で
あり、熱処理温度との関係で適宜設定される。
【0112】上記熱キュアの工程において、完全にイミ
ド化されたポリイミドフィルムは徐冷炉において徐々に
冷却される。
【0113】本発明にかかる製造方法により得られるポ
リイミドフィルムは、厚み数μmから数百μmのシート
状物を含む広義のフィルムを意味し、用途に応じてその
厚みを選択することができる。例えば、フレキシブルプ
リント配線板のベースフィルム等として使用する場合は
12.5μm〜50μm程度のフィルムが適用され得
る。
【0114】本発明にかかる製造方法は、フィルム製造
工程中において、表面処理工程を組み込むものであり、
具体的には表面処理液の残液処理手段を有する表面処理
液への浸漬工程を製造工程中に加えることにより最終製
品であるポリイミドフィルムの接着強度の向上に効果的
に寄与し得る。
【0115】以上、本発明にかかるポリイミドフィルム
の製造方法の実施の形態の1例を説明したが、本発明は
これら実施の形態のみに限定されず、必要に応じて他の
公知の後処理方法、例えば、火炎処理、コロナ処理、紫
外線処理、アルカリ処理、プライマ処理、サンドブラス
ト処理、プラズマ処理等をさらに適用することも可能で
ある等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で当業者の知
識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で
実施し得るものである。
【0116】
【実施例】以下、本発明にかかるポリイミドフィルムの
製造方法について、具体的に実施例を示す。本発明は、
これらの実施例に限定されるものではない。
【0117】なお、実施例において、ポリイミドフィル
ムに施したコロナ処理は、アルミニウム電極を用いて、
電力密度を220±10W・min/m2 で処理した。
【0118】接着強度は以下の方法により測定した。す
なわち、得られたポリイミドフィルムにナイロン・エポ
キシ系接着剤を用いて電解銅箔(三井金属鉱業社製、商
品名:3ECVLP、厚み35μm )と張り合わせ3層
銅張積層板を作製し、150℃で240時間放置した後
の接着強度をJISC−6481に従って銅パターン幅
3mm90度ピールで測定した。
【0119】
【実施例1】芳香族ジアミンとして、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテルを、芳香族テトラカルボン酸二無
水物としてピロメリット酸二無水物を用いて得られたポ
リアミド酸溶液に、ポリアミド酸の1繰り返し単位当た
り分子量に対してイミド化剤として5.5モルの無水酢
酸と0.55モルのイソキノリンを添加して十分に攪拌
し、約0℃の製膜用ドープ液として調整した。
【0120】上記得られたドープ液をTダイより、平滑
な金属製エンドレスベルト上に連続的に約600μm の
厚さで流延塗布し、ベルトを回転させながら熱風乾燥し
た。この時、ベルト室の温度条件は、ベルト条件120
℃×4分、冷却プーリ温度80℃とし、エンドレスベル
トから剥がした。このゲルフィルムの残揮発物量は46
%であった。
【0121】ついで、得られたゲルフィルムを0.2wt
%のジヒドロキシチタンビスラクテート/ブチルアルコ
ール溶液を充填した表面処理液槽に導入した。浸漬した
フィルムを垂直に引き上げ、両端部から50mmまでを
エアノズルで圧縮空気を当てることで吹き飛ばして乾燥
させ、次にそれより内側を、テフロンコーティングを施
したニップロールでニップ圧4kgfでニップし、フィ
ルム各面の残液量を約2g/m2 にした。しわ対策とし
てニップロール前後の両端部にピンチロールを用いた。
【0122】ついで、これらのフィルムをテンター室
で、300℃〜580℃で合計時間約4分の熱処理を行
った。その後、冷却室で室温まで徐々に降温し、さらに
所定のコロナ処理を行った。得られた50μm のポリイ
ミドフィルムの接着強度を測定したところ、接着強度は
1000N/mであった。また塗工ムラは見られず表面
状態は良好であった。
【0123】
【比較例1】実施例1において、ゲルフィルムの浸漬処
理工程を行わないこと以外は、同様の処理をして50μ
m のポリイミドフィルムを得た。接着強度は500N/
mであった。
【0124】
【比較例2】実施例1において、ニップロールを用いな
い以外は、同様の処理をして50μm のポリイミドフィ
ルムを得た。得られたフィルムは液だれ跡・塗工ムラが
多く、またフィルムが黒変しており外観不良であった。
【0125】
【比較例3】実施例1において、エアノズルを用いない
以外は、同様の処理をして50μmのポリイミドフィル
ムを得た。得られたフィルムはニップロールでニップさ
れている箇所とされていない箇所の境界周辺で液ダレに
よるスジが発生し外観不良であった。
【0126】
【比較例4】実施例1において、エアノズルの角度がフ
ィルム進行方向に対して120度の角度で設置する以外
は、同様の処理をして50μm のポリイミドフィルムを
得た。得られたフィルムは液ダレによるスジが発生し外
観不良であった。
【0127】
【発明の効果】以上のようにして得られたポリイミドフ
ィルムは、表面処理剤による接着性向上を効果的に得る
ことができ、さらに、ポリイミドフィルムとした後の処
理に比較して乾燥工程を、テンター室での熱処理工程の
含むことで、工程を省くことができる。
【0128】
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明にかかるポリイミドフィルムの製造装置
の模式図である。
【0130】
【図2】本発明にかかるポリイミドフィルムの製造装置
において、表面処理液浸漬工程の、模式図である。
【0131】
【図3】表面処理液浸漬工程の一部の斜視図である。
【0132】
【図4】エアノズルの設置方法の正面図(a)及び側面
図(b)である。
【0133】
【図5】ピンチロールの設置方法の正面図である。
【0134】
【符号の説明】
10;ベルト室 12;T ダイ 14;エンドレスベルト 16、28;ゲルフィルム 18;表面処理液浸漬工程 20;ガイドロール 22;表面処理液槽 24;エアノズル 26;表面処理液除去ロール 30;テンター室 32;ポリイミドフィルム 40;ピンチロール
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 (72)発明者 野口 武彦 滋賀県大津市比叡辻2−1−1 鐘淵化学 工業株式会社滋賀工場内 (72)発明者 牧 春彦 滋賀県大津市比叡辻2−1−1 鐘淵化学 工業株式会社滋賀工場内 Fターム(参考) 4F071 AA60 AH13 BA02 BB02 BC01 4F073 AA01 BA31 BB01 CA69 DA11 EA01 EA03 EA13 EA79 GA01 HA07 HA10 4F205 AA40 AC05 AE10 AG01 AM27 GA07 GB02 GC07 GE01 GE06 GF24 GN13 GW06 GW21 GW31 4J002 CM041 HA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミドの前駆体物質を含む有機溶媒溶
    液を流延塗布後加熱しゲルフィルムを形成した後、該ゲ
    ルフィルムを表面処理液に浸漬し、フィルム端部に圧縮
    気体をあてた後、フィルム表面の表面処理液を除去し、
    さらに熱処理を施すことを特徴とするポリイミドフィル
    ムの製造方法。
  2. 【請求項2】ポリイミドの前駆体物質を含む有機溶媒溶
    液を流延塗布後加熱しゲルフィルムを形成した後、該ポ
    リイミドフィルムを表面処理液に浸漬し、フィルム端部
    支持手段によりフィルムを支持しつつ、フィルム端部に
    圧縮気体をあてた後、フィルム表面の表面処理液を除去
    し、さらに熱処理を施すことを特徴とするポリイミドフ
    ィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】ポリイミドの前駆体物質を含む有機溶媒溶
    液を流延塗布後加熱しゲルフィルムを形成する工程、表
    面処理液浸漬槽と、エアノズル、および表面処理液の除
    去ロールで構成されるゲルフィルムを表面処理液に浸漬
    する工程、さらに熱処理を施す工程で構成されることを
    特徴とするポリイミドフィルムの製造装置。
  4. 【請求項4】ポリイミドの前駆体物質を含む有機溶媒溶
    液を流延塗布後加熱しゲルフィルムを形成する工程、表
    面処理液浸漬槽と、複数のフィルム端部支持用ピンチロ
    ールと、エアノズル、および表面処理液の除去ロールで
    構成される該ゲルフィルムを表面処理液に浸漬する工
    程、さらに熱処理を施す工程から構成されることを特徴
    とするポリイミドフィルムの製造装置。
  5. 【請求項5】前記表面処理液槽が表面処理液で充填され
    ゲルフィルムが巡行するための走行ロールが設置されて
    おり、かつ前記表面処理液の除去ロールがテフロンを用
    いたニップロールであることを特徴とする請求項3また
    は請求項4に記載するポリイミドフィルムの製造装置。
  6. 【請求項6】前記表面処理液槽に設置された走行ロール
    と表面処理液の除去ロールにより導かれ表面処理液に浸
    漬されたゲルフィルムが、表面処理液槽から略垂直に引
    き上げられ得るように構成されていることを特徴とする
    請求項3乃至請求項5のいずれかに記載するポリイミド
    フィルムの製造装置。
  7. 【請求項7】前記エアノズルが、ゲルフィルムの両端部
    付近のフィルム表面の表面処理液残液を中央方向に移動
    し得る気体噴射角度を保持し、かつフィルム外側からフ
    ィルム中央方向に向かって1対として設定することを特
    徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載するポ
    リイミドフィルムの製造装置。
  8. 【請求項8】前記エアノズルが、フィルム幅方向に対し
    て10度以上90度以下の角度、かつフィルム進行方向
    に対して10度以上90度以下の角度に保持され、噴射
    した気体がゲルフィルムの両端部にあたるように構成さ
    れていることを特徴とする請求項7に記載するポリイミ
    ドフィルムの製造装置。
  9. 【請求項9】前記フィルム端部支持用ピンチロールが、
    ゲルフィルム両端部に設置され表面及び裏面からフィル
    ム端部を各1対で挟持し、かつフィルム進行方向に対し
    て10度以上90度以下の角度に保持されていることを
    特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれかに記載する
    ポリイミドフィルムの製造装置。
  10. 【請求項10】前記表面処理液の除去ロールが、ゲルフ
    ィルムの両端部から30mmより内側の表面にあたるよ
    うに設置されていることを特徴とする請求項4乃至請求
    項9のいずれかに記載するポリイミドフィルムの製造装
    置。
  11. 【請求項11】前記エアノズルが、少なくともゲルフィ
    ルムの両端部から30mmのフィルム表面に空気を噴射
    し得ることを特徴とする請求項3乃至請求項10のいず
    れかに記載するポリイミドフィルムの製造装置。
  12. 【請求項12】前記フィルム支持用ピンチロールが、少
    なくともゲルフィルムの両端部から30mmの範囲のフ
    ィルム表面を挟持し得るように設定されていることを特
    徴とする請求項4乃至請求項11のいずれかに記載する
    ポリイミドフィルムの製造装置。
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