JP2000203035A - 撥水性構造体の製造方法、撥水性構造体、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

撥水性構造体の製造方法、撥水性構造体、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置

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JP2000203035A
JP2000203035A JP767699A JP767699A JP2000203035A JP 2000203035 A JP2000203035 A JP 2000203035A JP 767699 A JP767699 A JP 767699A JP 767699 A JP767699 A JP 767699A JP 2000203035 A JP2000203035 A JP 2000203035A
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repellent
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English (en)
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Yasushi Karasawa
康史 柄沢
Mitsuaki Atobe
光朗 跡部
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水性が長期間に渡って持続される撥水性構
造体等を提供する。 【解決手段】 撥水性構造体100はその基板の表面に
凹部17及び凸部18が形成される。その表面の凸部1
8の高さは均一である。凹部17及び凸部18の上に撥
水性膜が形成される。インクジェット記録ヘッドのイン
ク吐出孔を除くインク吐出面に、該撥水性構造体100
が採用されており、そのインクジェット記録ヘッドがイ
ンクジェット記録装置に搭載される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水性の優れた撥
水性構造体及びその製造方法、インクジェット記録ヘッ
ド並びにインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液滴付着防止や汚染防止のため各種の撥
水剤、撥水処理が開発され、電子機器を含む各種製品に
用いられている。中でもインクジェット記録装置におい
ては、その心臓部であるヘッドの表面処理として実用化
され、この撥水処理は印字品質を左右する重要な処理と
なっている。
【0003】インクジェット記録ヘッドのインク吐出面
の構成材料はガラス、金属などが用いられている。
【0004】インクジェット記録ヘッドにおいて、ノズ
ル表面の撥水性が不十分な状況では、水性または油性の
インクの液滴が付着し易くなり、その結果、吐出するイ
ンク滴の直進性が損なわれ、印字乱れなどのトラブルに
よって記録不能となることがある。またインクジェット
記録ヘッドのインク吐出面の構成材料はインクに濡れ易
い性質がある。従って、水性または油性のインク付着を
完全に防止するを目的として、撥水処理が施される。
【0005】撥水処理には、水の接触角が120度を越
える、インクジェット記録ヘッドに対して理想的な撥水
処理(超撥水処理)がある。フッ素化学入門(日刊工業
新聞、1997年3月1日発行)59頁10行目〜63
頁6行目に記載されているように、ニッケル膜へフッ素
原子密度を高めたポリフルオロエチレン微粒子を分散さ
せてた超撥水を実現させた共析メッキ法や、関西ペイン
トの商品名「カンペニレックス」のような表面形状を設
計して超撥水を実現させた塗装法が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の超撥水処
理法は、次のような課題を有した。
【0007】(1)インクジェット記録装置のインクに
は、色素の安定分散及び紙への浸透促進のため、種々の
界面活性剤が添加されている。共析メッキ法では、これ
らの界面活性剤がニッケル面へ吸着するため、長期間印
字させた場合にはインク濡れによる品質低下が起きる場
合がある。
【0008】(2)インクジェット記録装置は、ヘッド
表面に付着した紙粉や外来の汚染物質をクリーニングす
るためゴム擦り操作がある。従来の超撥水塗装法はこの
ゴム擦り操作によって塗膜が剥がれるため、品質低下が
起きる場合がある。
【0009】本発明は、以上の課題を解決するものであ
り、撥水性が長期間に渡って持続される撥水性性構造体
及びその製造方法、ノズル表面が撥水特性に優れしかも
長期間に亘って高い印字品質を維持し得るインクジェッ
ト記録ヘッド並びにそのインクジェット記録ヘッドを搭
載したインクジェット記録装置を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の撥水性構造体
の製造方法は、基板表面に形成された凹凸構造を有する
撥水性構造体を製造する方法であって、前記凹凸構造を
フォトリソグラフィー法及び等方性ウェットエッチング
法によって製造することを特徴とする。
【0011】請求項2の撥水性構造体の製造方法は、基
板表面に形成された凹凸構造を有する撥水性構造体を製
造する方法であって、前記凹凸構造をフォトリソグラフ
ィー法及び異方性ウェットエッチング法によって製造す
ることを特徴とする。
【0012】請求項3の撥水性構造体の製造方法は、基
板表面に形成された凹凸構造を有する撥水性構造体を製
造する方法であって、前記凹凸構造をフォトリソグラフ
ィー法及び等方性ドライエッチング法によって製造する
ことを特徴とする。
【0013】請求項4の撥水性構造体は、請求項1乃至
3のいずれかに記載の撥水性構造体の製造方法によって
製造されたことを特徴とする。
【0014】請求項5の撥水性構造体は、請求項4に記
載の撥水性構造体において、前記基板表面の凸部の高さ
が均一であることを特徴とする。
【0015】請求項6の撥水性構造体は、請求項5記載
の撥水性構造体において、前記凸部の高さの均一性が2
50μm以内であることを特徴とする。
【0016】請求項7の撥水性構造体は、請求項5記載
の撥水性構造体において、前記凸部の高さの均一性が1
5μm以内であることを特徴とする。
【0017】請求項8の撥水性構造体は、請求項5記載
の撥水性構造体において、前記凸部の高さの均一性が5
μm以内であることを特徴とする。
【0018】請求項9の撥水性構造体は、請求項4に記
載の撥水性構造体であって、前記凹部の深さが所定の深
さ以上となっていることを特徴とする。
【0019】請求項10の撥水性構造体は、請求項9記
載の撥水性構造体において、前記凹部の深さが1μm以
上であることを特徴とする。
【0020】請求項11の撥水性構造体は、請求項9記
載の撥水性構造体において、前記凹部の深さが3μm以
上であることを特徴とする。
【0021】請求項12の撥水性構造体は、請求項9記
載の撥水性構造体において、前記凹部の深さが5μm以
上であることを特徴とする。
【0022】請求項13の撥水性構造体は、請求項4に
記載の撥水性構造体であって、前記凹凸は、液滴が凹部
に落ち込むことなく、かつ、液滴が凹部の空気層と確実
に接触する、ような大きさであることを特徴とする。
【0023】請求項14の撥水性構造体は、請求項4乃
至13に記載の撥水性構造体において、前記の凹凸は、
突起部が分布配置されたもの、突起部が線条になってい
るもの、又は、格子状からなるものであることを特徴と
する。
【0024】請求項15の撥水性構造体は、請求項14
に記載の撥水性構造体において、前記突起幅又は溝幅は
0.2μm〜500μmであることを特徴とする。
【0025】請求項16の撥水性構造体は、請求項14
に記載の撥水性構造体において、前記突起幅又は溝幅は
0.5μm〜30μmであることを特徴とする。
【0026】請求項17の撥水性構造体は、請求項14
に記載の撥水性構造体において、前記突起幅又は溝幅は
1μm〜10μmであることを特徴とする。
【0027】請求項18の撥水性構造体は、請求項4乃
至17に記載の撥水性構造体において、前記の凹凸を有
する基板表面に撥水膜が形成されてなることを特徴とす
る。
【0028】請求項19の撥水性構造体は、請求項4乃
至18に記載の撥水性構造体において、前記基板はシリ
コン、酸化シリコン又はガラスであることを特徴とす
る。
【0029】請求項20のインクジェット記録ヘッド
は、インク吐出面に撥水性能を付与したインクジェット
記録ヘッドにおいて、インク吐出孔以外の前記インク吐
出面が、請求項4乃至19のいずれかに記載の撥水性構
造体から構成されていることを特徴とする。
【0030】請求項21のインクジェット記録ヘッド
は、インク吐出面に撥水性能を付与したインクジェット
記録ヘッドにおいて、インク吐出孔以外の前記インク吐
出面が、請求項13に記載の撥水性構造体から構成され
ていることを特徴とする。
【0031】請求項22のインクジェット記録装置は、
請求項20に記載のインクジェット記録ヘッドを搭載し
たことを特徴とする。
【0032】請求項23のインクジェット記録装置は、
請求項21に記載のインクジェット記録ヘッドを搭載し
たことを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1は、本発明の
実施形態1に係る撥水性構造体の説明図である。同図に
おいて、撥水性構造体100はシリコン基板11の表面
に凹部17及び凸部18が形成される。そして、シリコ
ン基板11の表面に形成されたこの凹部17には空気層
20が生成される。
【0034】図2は撥水機能が発揮されているときの水
の接触角の説明図である。同図に示されるように、撥水
機能が発揮されるためには、水の接触角θが120度以
上(インク液滴の場合には90度以上)であることが必
要である。図1の撥水性構造体100は、水の接触角θ
が120度以上となり撥水機能を発揮するためには、凹
部17の大きさが、液滴21が凹部17に落ち込むこと
なく、空気層20と接することができるサイズであるこ
とが必要である。
【0035】図3は図1の凹部17及び凸部18の寸法
についての説明図である。同図において、Aは突起幅
(マスク設計による)、Bは溝幅(マスク設計によ
る)、Cは加工量(深さ・エッチング時間による)、D
は側壁角度(エッチング条件による)である。この撥水
性構造体をインクジェット記録ヘッドに適用する場合に
は、インク滴の直径が10μmくらいであるため、上記
のA,Bはその直径との関係から自ずと規制される。ま
た、上記Cもインク滴が底面に接触して封入される現象
を防止するために或る程度の深さが必要である。このた
め、上記のA,Bについては、0.2〜500μm、
0.5〜30μm、更に望ましくは1〜10μmの範囲
に規定される。また、上記のCについては、1μm以
上、3μm以上、更に望ましくは5μm以上の深さに規
定される。凸部の高さの均一性は、耐擦傷性の観点か
ら、A、Bの値の0.5倍以内、0.3倍以内、更に望
ましくは0.1倍以内に規定される。
【0036】図4は図1の撥水性構造体100の平面図
である。同図(A)は凸部18が規則的に分布配置され
た例であり、同図(B)は凸部18がライン状に配置さ
れた例であり、同図(C)は凸部18が格子状に配置さ
れた例である。なお、同図(A)は凸部18は四角柱の
例であるが、これは三角柱、五角柱、六角柱、円柱など
の各種柱であっても良い。
【0037】(実施形態2)図5は、本発明の実施形態
2に係るインクジェット記録ヘッドの分解斜視図であ
る。このようにインクジェット記録ヘッドは、第1プレ
ート1と第2プレート2の積層した構成により、インク
の供給部3、静電気により振動する静電振動板やPZT
などの圧電振動子などの振動板の振動により、又は発熱
体の発熱によりインクを吐出する圧力室4及びインクが
通過する流路5を形成しており、第2プレート2には流
路5と垂直方向にノズル孔6が形成されている。そし
て、第2プレートの表面には図1の撥水性構造体が形成
されており、その表面には撥水膜が形成されている。
【0038】(実施形態3)図6は、本発明の実施形態
3に係るインクジェット記録ヘッドの製造工程の一部を
示した断面図であり、第2プレート2の表面に撥水性構
造体を形成するための製造工程を示している。ここで
は、シリコン基板の表面をフォトリソグラフィー法及び
異方性ウエットエッチング法によって加工して撥水性構
造体を形成する場合について説明する。
【0039】まず、結晶方位(100)の4インチサ
イズの単結晶シリコンウエハを第2プレート2の製造基
板として用意し、図6(a)に示されるように、熱酸化
法を用いて、単結晶シリコン基板11の少なくとも一方
の面に約1000オングストロームのシリコン酸化膜1
2を形成する。
【0040】次に、図6(b)に示されるように、東
京応化株式会社製の感光性樹脂OFPR−800(粘度
30cps)を単結晶シリコン基板11のシリコン熱酸
化膜12上へ約2ml滴下し、1分間に5000回転の
速度で30秒間スピンコートし、感光性樹脂層13を形
成する。このスピンコート条件によって、感光性樹脂を
平均膜厚約1μm、ウエハ面内ばらつき10%で塗布す
ることができる。なお、塗布膜厚は加工する溝のサイズ
等によって適宜変化させる。感光性材料塗布膜厚の最大
値は溝の一辺の寸法が2μmの場合には2μmである。
【0041】次に、摂氏90度のオーブンで30分間
乾燥させ、単結晶シリコン基板11を室温まで冷却す
る。図6(c)に示されるように、基板11に対して、
一辺が0.2μmから200μmの四角形の凸部予定領
域13をフォトリソパターニングで残す。その後、摂氏
120度のオーブンで感光性樹脂を硬化させ、耐エッチ
ング性を改善する。
【0042】図6(d)に示されるように、フッ酸に
よって溝予定領域のシリコン酸化膜をエッチングして、
感光性樹脂を剥離液で除去する。
【0043】次に、シリコン酸化膜12をマスクとし
て、水酸化カリウム水溶液を用いた異方性エッチング法
によって、図6(e)に示されるように、シリコン基板
11へ断面V形状のエッチングピラミッド14を形成
し、図6(f)に示されるように、シリコン酸化膜マス
クを除去する。このエッチングピラミッド14が図1の
凸部18に相当する。このように、この凸部18は、図
7に示されるように、単結晶シリコン基板11の表面に
規則正しくレイアウトされる。
【0044】次に、ノズル穴(図5参照)を加工し、
酸化シリコン膜を熱酸化法(スパッタ法又はゾルゲル法
も代替可能)によって形成した後、フルオロアルキルシ
ラン又はポリフルオロエチレン等の撥水材料を真空蒸着
法によって蒸着して撥水膜19(図1参照)を形成す
る。
【0045】最後に、上記のようにして形成された第
2プレート2に第1プレート1を接合し、インクジェッ
ト記録ヘッドを完成させる。
【0046】(実施形態4)図8は、本発明の実施形態
4に係るインクジェット記録ヘッドの製造工程の一部を
示した断面図であり、第2プレート2の表面に撥水性構
造体を形成するための製造工程を示している。ここで
は、シリコン基板の表面をフォトリソグラフィー法及び
等方性ウエットエッチング法によって加工して撥水性構
造体を形成する場合について説明する。
【0047】まず、第2プレートの製造基板として、
例えば板厚200μmのガラス基板211を用意する。
【0048】図8(a)に示されるように、このガラ
ス基板211に耐エッチング皮膜として0.3μm厚の
窒化シリコン膜212をスパッタリング装置で形成す
る。
【0049】次いで、窒化シリコン膜212にフォト
リソエッチングを施し、図8(b)に示されるように、
構造体の凹部17に対応する部分の窒化シリコン膜をエ
ッチングする。
【0050】次に、窒化シリコン膜212をマスクと
して、弗化水素酸水溶液を用いた等方性エッチング法に
よって、図8(c)に示すようにガラス基板211へエ
ッチング凹部215を加工する。
【0051】次に図8(d)に示すように、窒化シリ
コン膜212を熱燐酸で除去して、凹凸を完成させる。
【0052】次にノズル穴6(図5参照)を加工し
て、撥水膜としてフルオロアルキルシラン膜を真空蒸着
法によって第2プレート2に蒸着する。
【0053】最後に、上述のように形成された第2プ
レート2に第1プレート1を接合し、インクジェット記
録ヘッドを完成させる。
【0054】(実施形態5)図9は、本発明の実施形態
5に係るインクジェット記録ヘッドの製造工程に一部を
示した断面図であり、第2プレート2の表面に撥水性構
造体を形成するための製造工程を示している。ここで
は、シリコン基板の表面をフォトリソグラフィー法及び
等方性ドライエッチング法によって加工して撥水性構造
体を形成する場合について説明する。
【0055】まず、第2プレートの製造基板として、
例えば板厚200μmのガラス基板311を用意する。
【0056】図9(a)に示されるように、このガラ
ス基板311に耐エッチング皮膜として約5μm厚の感
光性樹脂膜312をスピンコート装置で形成する。
【0057】次いで、フォトリソエッチングによっ
て、図9(b)に示されるように、構造体の凹部17に
対応する部分の感光性樹脂膜312をエッチングする。
【0058】次に、感光性樹脂膜をマスクとして、C
F4ガスを用いた等方性プラズマエッチング法によっ
て、図9(c)に示すようにガラス基板311へエッチ
ング凹部315を加工する。
【0059】次に、図9(d)に示すように、感光性
樹脂膜312を熱硫酸で除去して、凹凸を完成させる。
【0060】次にノズル穴6(図5参照)を加工し
て、撥水膜としてフルオロアルキルシラン膜を真空蒸着
法によって第2プレート2に蒸着する。
【0061】最後に、上述のように形成された第2プ
レート2に第1プレート1を接合し、インクジェット記
録ヘッドを完成させる。
【0062】(実施形態6)なお、上述の実施形態にお
いて、第2プレート2の材質としてシリコン基板を用い
た例を説明したが、本発明においてはシリコン系材料に
限らず、ステンレスのような金属材料や有機高分子材料
でも同様の機能を発揮する。
【0063】(実施形態7)上述の実施形態2及び3の
インクジェット記録ヘッドをインクジェット記録装置に
搭載して、印字したところ、高品質の印字が得られたこ
とが確認されている。特に、クリーニングに対する擦り
に対しては、撥水機能を凹凸の機能により得るようにし
たので、耐摩耗性があり、長期間の使用に耐えられるこ
とが確認されている。
【0064】(比較例1)図10は、実施形態2と同様
の構造からなるインクジェット記録ヘッドにおいて、ス
テンレス製の第2プレートへ撥水処理を施す比較例1の
製造工程を示した断面図である。なおこの比較例1及び
後述の比較例2のインクジェット記録ヘッドの構成は図
5に示される構成と同一である。
【0065】まず、図10(a)に示されるように、
第2プレートのための基板31を加工してノズル孔32
を形成して、その後、アルカリ性洗剤を使って超音波洗
浄した。
【0066】フッ素原子密度を高めたポリフルオロエ
チレン微粒子を含むニッケル電気めっき液へ基板31を
浸漬する。そして、図10(b)に示されるように、基
板31の表面へ、フッ素原子密度を高めたポリフルオロ
エチレン微粒子34が分散した共析メッキ膜33を電気
メッキにより生成する。このメッキ膜33にはフッ素元
素密度を高めたポリフルオロエチレン粒子34が含有さ
れている。
【0067】最後に、このようにして形成された第2
プレート2に第1プレート1を接合し、インクジェット
記録ヘッドを完成させる。
【0068】(比較例2)図11は実施形態2と同様の
構造からなるインクジェット記録ヘッドにおいて、ポリ
サルフォン製の第2プレートへ撥水材料を塗布する、比
較例2における製造工程を示した断面図である。
【0069】まず、図11(a)に示されるように、
第2プレートのための基板41を加工してノズル孔42
を形成して、その後、アルカリ性洗剤を使って超音波洗
浄する。
【0070】続いて、関西ペイント(株)の商品名
「カンペニレックス」を基板41表面に塗装して、図1
1(b)に示されるように、塗膜43を生成する。
【0071】最後に、このようにして形成された第2
プレート41に第1プレート1を接合し、インクジェッ
ト記録ヘッドを完成させる。
【0072】実施形態3、4、5及び比較例1、2のイ
ンクジェット記録ヘッドを記録装置に搭載して、ゴム3
000回の表面擦り試験を行ったところ、実施形態3、
4及び5のインクジェット記録ヘッドの印字品質は良好
であったが、比較例1及び2のインクジェット記録ヘッ
ドは、第2プレートの表面にインクが付着したため、印
字品質が悪化した。
【0073】(実施例8)樹脂を原料として用い、実施
形態3、4及び5の撥水性構造体(必ずしも撥水処理は
必要ない)を型として用いて成形を行なった。得られた
成形物品の表面はいずれも実施形態3、4及び5の撥水
性構造体の型を転写した凹凸模様を有していた。この撥
水性構造体又はそれに撥水処理を行なったものも実施形
態3、4又は5のように優れた特性を有することが確認
された。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、撥
水性構造体をフォトリソグラフィー法及び異方性エッチ
ング法又はフォトリソグラフィー法、等方性ウェットエ
ッチング法又は等方性ドライエッチング法によって製造
するため、再現性のある撥水性構造体が製造できる。
【0075】また、本発明によれば、インクジェット記
録ヘッドのインク吐出孔以外のインク吐出面を上記撥水
性構造体としたため、インクに対する撥水性能が向上し
ている。その結果、印字品質が長期間にわたって良好と
なっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る撥水性構造体の説明
図である。
【図2】撥水機能が発揮されているときの水の接触角の
説明図である。
【図3】図1の凹部及び凸部の寸法についての説明図で
ある。
【図4】図1の撥水性構造体100の平面図。
【図5】本発明の実施形態2に係るインクジェット記録
ヘッドの分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態3における第2プレートの表
面に撥水性構造体を形成するための製造工程の一部を示
した断面図である。
【図7】表面に構造体が形成された第2プレートの上面
図。
【図8】本発明の実施形態4における第2プレートの表
面に撥水性構造体を形成するための製造工程の一部を示
した断面図である。
【図9】本発明の実施形態5における第2プレートの表
面に撥水性構造体を形成するための製造工程の一部を示
した断面図である。
【図10】比較例1の第2プレートの製造工程を示した
断面図である。
【図11】比較例2の第2プレートの製造工程を示した
断面図である。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面に形成された凹凸構造を有する
    撥水性構造体を製造する方法であって、前記凹凸構造を
    フォトリソグラフィー法及び等方性ウェットエッチング
    法によって製造することを特徴とする撥水性構造体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 基板表面に形成された凹凸構造を有する
    撥水性構造体を製造する方法であって、前記凹凸構造を
    フォトリソグラフィー法及び異方性ウェットエッチング
    法によって製造することを特徴とする撥水性構造体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 基板表面に形成された凹凸構造を有する
    撥水性構造体を製造する方法であって、前記凹凸構造を
    フォトリソグラフィー法及び等方性ドライエッチング法
    によって製造することを特徴とする撥水性構造体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の撥水
    性構造体の製造方法によって製造されたことを特徴とす
    る撥水性構造体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の撥水性構造体におい
    て、前記基板表面の凸部の高さが均一であることを特徴
    とする撥水性構造体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の撥水性構造体において、
    前記凸部の高さの均一性が250μm以内であることを
    特徴とする撥水性構造体。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の撥水性構造体において、
    前記凸部の高さの均一性が15μm以内であることを特
    徴とする撥水性構造体。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の撥水性構造体において、
    前記凸部の高さの均一性が5μm以内であることを特徴
    とする撥水性構造体。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載の撥水性構造体であっ
    て、前記凹部の深さが所定の深さ以上となっていること
    を特徴とする撥水性構造体。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の撥水性構造体におい
    て、前記凹部の深さが1μm以上であることを特徴とす
    る撥水性構造体。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の撥水性構造体におい
    て、前記凹部の深さが3μm以上であることを特徴とす
    る撥水性構造体。
  12. 【請求項12】 請求項9記載の撥水性構造体におい
    て、前記凹部の深さが5μm以上であることを特徴とす
    る撥水性構造体。
  13. 【請求項13】 請求項4に記載の撥水性構造体であっ
    て、前記凹凸は、液滴が凹部に落ち込むことなく、か
    つ、液滴が凹部の空気層と確実に接触する、ような大き
    さであることを特徴とする撥水性構造体。
  14. 【請求項14】 請求項4乃至13に記載の撥水性構造
    体において、前記の凹凸は、突起部が分布配置されたも
    の、突起部が線条になっているもの、又は、格子状から
    なるものであることを特徴とする撥水性構造体。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の撥水性構造体にお
    いて、前記突起幅又は溝幅は0.2μm〜500μmで
    あることを特徴とする撥水性構造体。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の撥水性構造体にお
    いて、前記突起幅又は溝幅は0.5μm〜30μmであ
    ることを特徴とする撥水性構造体。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の撥水性構造体にお
    いて、前記突起幅又は溝幅は1μm〜10μmであるこ
    とを特徴とする撥水性構造体。
  18. 【請求項18】 請求項4乃至17に記載の撥水性構造
    体において、前記の凹凸を有する基板表面に撥水膜が形
    成されてなることを特徴とする撥水性構造体。
  19. 【請求項19】 請求項4乃至18に記載の撥水性構造
    体において、前記基板はシリコン、酸化シリコン又はガ
    ラスであることを特徴とする撥水性構造体。
  20. 【請求項20】 インク吐出面に撥水性能を付与したイ
    ンクジェット記録ヘッドにおいて、インク吐出孔以外の
    前記インク吐出面が、請求項4乃至19のいずれかに記
    載の撥水性構造体から構成されていることを特徴とする
    インクジェット記録ヘッド。
  21. 【請求項21】 インク吐出面に撥水性能を付与したイ
    ンクジェット記録ヘッドにおいて、インク吐出孔以外の
    前記インク吐出面が、請求項13に記載の撥水性構造体
    から構成されていることを特徴とするインクジェット記
    録ヘッド。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載のインクジェット記
    録ヘッドを搭載したことを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載のインクジェット記
    録ヘッドを搭載したことを特徴とするインクジェット記
    録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014177072A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Asahi Glass Co Ltd 撥水撥油性物品

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