JP2000198160A - SiO2系セラミックス膜の形成方法 - Google Patents

SiO2系セラミックス膜の形成方法

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JP2000198160A JP11000175A JP17599A JP2000198160A JP 2000198160 A JP2000198160 A JP 2000198160A JP 11000175 A JP11000175 A JP 11000175A JP 17599 A JP17599 A JP 17599A JP 2000198160 A JP2000198160 A JP 2000198160A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種基材に耐溶剤性を付与すると共に、又は
中間層を設けることなく、ポリシラザン膜の各種基材に
対する密着性を高める方法を提供すること。 【解決手段】 基材上にポリシラザンを含む塗膜を形成
し、前記塗膜をセラミックス化処理して実質的にSiO
2 からなるセラミックス膜を形成する方法において、前
記基材と前記塗膜の間にシランカップリング剤を含むプ
ライマー層を設ける工程を含むことを特徴とする方法。
ポリシラザン及びシランカップリング剤を含むコーティ
ング組成物を調製し、次いで前記コーティング組成物の
塗膜を基材上に形成し、その後前記塗膜をセラミックス
化処理して実質的にSiO2 からなるセラミックス膜を
形成することを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材上にポリシラ
ザン由来のSiO2 系セラミックス膜を形成する方法
に、より詳細には、基材に対する密着性の高いセラミッ
クス膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムをはじめとする耐
熱性の低い材料にガスバリヤ性、耐擦傷性、耐熱性、耐
蝕性、平坦化性、イオンバリア性、等を付与すべく、ポ
リシラザンを塗布して実質的にSiO2 から成るセラミ
ックス膜を低温で且つ迅速に形成することができる技術
が開発されている。例えば、本出願人による特開平8−
112879号公報に、プラスチックフィルムの少なく
とも片面上にポリシラザンの膜を形成して該膜をセラミ
ックス化する工程を含むことを特徴とするSiO2 被覆
プラスチックフィルムの製造方法が記載されている。こ
こで用いられているポリシラザンは低温セラミックス化
ポリシラザンと呼ばれ、様々なポリシラザン変性物が開
示されている。中でも、特に好適な低温セラミックス化
ポリシラザンとして特開平6−299118号公報に記
載されている金属カルボン酸塩付加ポリシラザンが挙げ
られ、さらには該金属がパラジウム(Pd)であるポリ
シラザン変性物がより好ましいことが記載されている。
【0003】また、本出願人による特願平7−3416
01号明細書に、特定のポリシラザン又はその変性物を
塗布する前又は塗布した後にこれにアミン化合物及び/
又は酸化合物を接触させることを特徴とするプラスチッ
クフィルムにSiO2 系セラミックスを被覆する方法が
記載されている。さらに、このアミン化合物及び/又は
酸化合物を接触させる方法として、塗布前にポリシラザ
ン又はその変性物にアミン化合物及び/又は酸化合物を
添加する第一の態様と、塗布後にポリシラザン塗膜をア
ミン化合物及び/又は酸化合物の蒸気に暴露する第二の
態様と、そして塗布後にポリシラザン塗膜をアミン化合
物及び/又は酸化合物を含む水溶液に浸漬する第三の態
様とが記載されている。
【0004】このようなポリシラザンの塗膜の形成に
は、一般にポリシラザンを有機溶剤に溶かしたコーティ
ング組成物が用いられる。したがって、使用される有機
溶剤に侵される基材にはポリシラザン溶液を塗布するこ
とができない。また、基材によっては得られるポリシラ
ザンの塗膜、ひいてはセラミックス膜の基材に対する密
着性が不十分で、実用に供することができない場合もあ
る。
【0005】特開平9−39161号公報に、プラスチ
ックフィルムに耐溶剤性を付与すると共にポリシラザン
膜の当該フィルムに対する密着性を向上させるために、
プラスチックフィルムとポリシラザン膜の間に、エポキ
シ硬化樹脂、フェノキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリ
コーン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂のグループ
の内から選択した少なくとも1種類を50重量%以上含
有する樹脂からなる中間層を設けることを特徴とする積
層フィルムの製造方法が記載されている。しかしなが
ら、特開平9−39161号公報には、当該中間層とし
てシランカップリング剤を含むプライマー層を設ける旨
の開示や示唆はない。
【0006】また、特開平9−174782号公報に、
中間層を設けることなくポリカーボネート系のフィルム
に耐溶剤性を付与するために、ポリシラザンと脂肪族炭
化水素系溶媒を含む混合溶媒とを含むコーティング組成
物を使用することにより当該フィルムに直接セラミック
ス層を積層することを特徴とする透明積層フィルムの製
造方法が記載されている。しかしながら、特開平9−1
74782号公報には、コーティング組成物にシランカ
ップリング剤を添加する旨の開示も示唆もなければ、ポ
リシラザンの塗膜のフィルムに対する密着性を改良する
意図もない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、各種基材に耐溶剤性を付与すると共に、ポリシラザ
ン膜の各種基材に対する密着性を高める方法を提供する
ことにある。本発明の第二の目的は、中間層を設けるこ
となくポリシラザン膜の各種基材に対する密着性を高め
る方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記第
一の目的は、(A)基材上にポリシラザンを含む塗膜を
形成し、前記塗膜をセラミックス化処理して実質的にS
iO2 からなるセラミックス膜を形成する方法におい
て、前記基材と前記塗膜の間にシランカップリング剤を
含むプライマー層を設ける工程を含むことを特徴とする
方法によって達成される。さらに、本発明によると、上
記第二の目的は、(B)ポリシラザン及びシランカップ
リング剤を含むコーティング組成物を調製し、次いで前
記コーティング組成物の塗膜を基材上に形成し、その後
前記塗膜をセラミックス化処理して実質的にSiO2
らなるセラミックス膜を形成することを特徴とする方法
によって達成される。
【0009】上記(A)の構成を採ることにより、ポリ
シラザン塗膜用コーティング組成物に含まれる溶剤の種
類を問わず、各種基材に耐溶剤性を付与すると共に、ポ
リシラザン膜ひいては実質的にSiO2 からなるセラミ
ックス膜の各種基材に対する密着性を高めることができ
る。また、上記(B)の構成を採ることにより、中間層
を設けることなく、ポリシラザン膜ひいては実質的にS
iO2 からなるセラミックス膜の各種基材に対する密着
性を高めることができる。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0010】本発明の方法(A)では、基材上にポリシ
ラザンを含む塗膜を形成し、前記塗膜をセラミックス化
処理して実質的にSiO2 からなるセラミックス膜を形
成する方法において、前記基材と前記塗膜の間にシラン
カップリング剤を含むプライマー層を設ける工程が含ま
れる。シランカップリング剤を含むプライマー層を設け
る工程には、シランカップリング剤を含むプライマー層
用組成物の調製工程、当該プライマー層用組成物の塗布
工程及びプライマー層の硬化工程が含まれる。
【0011】本発明によるプライマー層用組成物の調製
に用いられるシランカップリング剤は、一般にX−Si
3 で表される化合物である。ここで、Xは有機基と反
応し得る官能基、例えば、アミノ基、エポキシ基、ビニ
ル基、チオール基、ハロゲン(例、塩素、臭素)、等を
表し、また、Rは加水分解可能な基、例えば、アルコキ
シ基(例、メトキシ基、エトキシ基)、ハロゲン(例、
塩素、臭素)、等を表す。このようなシランカップリン
グ剤の具体例を化学構造式で示す。
【0012】
【化1】
【0013】好ましいシランカップリング剤は、これを
塗布する基材の種類によって異なる。例えば、塗布する
基材がポリカーボネート又はポリイミドの樹脂である場
合には、CH2 =CCH3 COOC3 6 Si(OCH
3 3 〔日本ユニカー(株)A−174〕やNH2 3
6 Si(OC2 5 3 〔同A−1100〕を使用す
ることが好ましい。特定の基材に対して好ましいシラン
カップリング剤の選定は、当業者であれば適宜行うこと
ができる。
【0014】本発明によるプライマー層用組成物には、
加水分解及びシラノール基の生成を経てシランカップリ
ング剤を重合させるためにアルコールと水を添加する。
ここで添加されるアルコールは、シランカップリング剤
がアルコキシ基を有する場合には、当該アルコキシ基の
アルキル部分と同一のアルキル部分を有することが好ま
しい。例えば、メトキシ基(−OCH3 )を有するシラ
ンカップリング剤の場合にはメタノールを、エトキシ基
(−OC2 5 )を有するシランカップリング剤の場合
にはエタノールを使用することが好ましい。
【0015】アルコールの添加量は、シランカップリン
グ剤に対して40重量%〜99重量%、好ましくは50
重量%〜60重量%とする。特に、アルコールの添加量
が40重量%よりも少ないとシランカップリング剤の重
合が不十分となり好ましくない。水の添加量は、シラン
カップリング剤に対して0.01モル当量〜5モル当
量、好ましくは0.1モル当量〜3モル当量とする。水
の添加量が0.01モル当量よりも少ないとシランカッ
プリング剤の重合が不十分となり好ましくない。また、
水の添加量が5モル当量を超えると重合が急激に生じ、
プライマー層が白濁するため好ましくない。水は蒸留水
を使用することが好ましい。
【0016】シランカップリング剤に対するアルコール
と水の添加順序は、いずれを先にしても、または両方同
時にしてもよいが、重合を急激に生じさせないためには
アルコールを先に添加してから水を添加することが好ま
しい。また、アルコールと水の添加は、シランカップリ
ング剤を攪拌しながら徐々に添加(例、滴下)すること
が好ましい。なお、所望によりシランカップリング剤に
酸触媒を添加することができる。酸触媒としては、酢
酸、塩酸、硫酸、硝酸、等が挙げられる。酸触媒の添加
量は、最終的なプライマー層用組成物のpHが4〜6の
範囲になるような量とすることが好ましい。酸触媒の添
加は、基材に対する濡れ性を高めるため、上記アルコー
ルの添加前とすることが好ましい。酸触媒を添加する場
合、シランカップリング剤を攪拌しながら徐々に添加、
好ましくは滴下することが好ましい。
【0017】本発明によるプライマー層用組成物には、
シランカップリング剤の重合速度を制御することにより
プライマー層の白濁を防止するために、高沸点の有機溶
媒を含めることが好ましい。ここで「高沸点」とは、一
般に沸点が150℃よりも高いことをいう。また、当該
有機溶媒は当該組成物の塗布時に基材と接触することに
なるため、基材を浸食しない溶媒を選ぶ必要がある。こ
のような観点から好ましい高沸点有機溶媒として、ブチ
ルセロソルブの商品名で知られているエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、トルエン、ブタノールが挙げら
れる。特に好ましい高沸点有機溶媒はブチルセロソルブ
である。高沸点有機溶媒は、プライマー層用組成物に対
して50重量%〜99重量%、好ましくは80重量%〜
99重量%の量で使用される。
【0018】調製されたプライマー層用組成物を基材に
塗布することによりプライマー層を形成させる。塗布方
法は、通常実施されている塗布方法、例えば、浸漬塗
布、ロール塗布、バー塗布、ウェブ塗布(グラビア、キ
ス、キスメイヤバー、ダイ、フレキソ、等)、刷毛塗
り、スプレー塗布、回転塗布、流し塗り等が用いられ
る。基材がプラスチックフィルムである場合(特に、長
尺フィルムの場合)に好ましい適用方法はグラビア(リ
バース)塗布法である。塗布後、硬化処理を施すことに
よりシランカップリング剤を重合させてプライマー層を
完成させる。硬化処理は室温〜200℃、好ましくは8
0℃〜120℃で10分〜120分、好ましくは10分
〜30分の熱処理を施すことにより行う。
【0019】プライマー層の厚さは0.01〜10μm
とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜5μm
とする。プライマー層の厚さが0.01μmより薄い
と、後述のポリシラザンの溶剤が浸透して基材にまで到
達する恐れが出てくる。一方、プライマー層の厚さが1
0μmより厚い場合には、クラックが発生する、等の問
題が起こり得る。
【0020】本発明の方法(A)では、基材上にプライ
マー層を設けた後、ポリシラザンを含む塗膜を形成し、
当該塗膜をセラミックス化処理して実質的にSiO2
らなるセラミックス膜を形成する。本発明で用いるポリ
シラザンは、分子内に少なくともSi−H結合又はN−
H結合を有するポリシラザンであればよく、ポリシラザ
ン単独は勿論のこと、ポリシラザンと他のポリマーとの
共重合体やポリシラザンと他の化合物との混合物でも利
用できる。ポリシラザンには、鎖状、環状又は架橋構造
を有するもの、あるいは分子内にこれら複数の構造を同
時に有するものがあり、これら単独でもあるいは混合物
でも利用できる。ポリシラザンは下記一般式(I)で表
される。
【0021】
【化2】
【0022】用いるポリシラザンの代表例としては下記
のようなものがあるが、これらに限定されるものではな
い。得られる膜の硬度や緻密性の点からはペルヒドロポ
リシラザンが好ましく、可撓性の点ではオルガノポリシ
ラザンが好ましい。これらポリシラザンの選択は、当業
者であれば用途に合わせて適宜行うことができる。上記
一般式(I)でR1 、R2 及びR3 に水素原子を有する
ものは、ペルヒドロポリシラザンであり、その製造法
は、例えば特公昭63−16325号公報、D. Seyfert
h らCommunication of Am. Cer. Soc., C-13, January
1983. に報告されている。これらの方法で得られるもの
は、種々の構造を有するポリマーの混合物であるが、基
本的には分子内に鎖状部分と環状部分を含み、
【0023】
【化3】
【0024】の化学式で表わすことができる。ペルヒド
ロポリシラザンの構造の一例を以下に示す。
【0025】
【化4】
【0026】一般式(I)でR1 及びR2 に水素原子、
3 にメチル基を有するポリシラザンの製造方法は、D.
Seyferth らPolym. Prepr., Am. Chem. Soc., Div. Po
lym.Chem., 25, 10(1984)に報告されている。この方
法により得られるポリシラザンは、繰り返し単位が−
(SiH2 NCH3 )−の鎖状ポリマーと環状ポリマー
であり、いずれも架橋構造をもたない。一般式(I)で
1 及びR3 に水素原子、R2 に有機基を有するポリオ
ルガノ(ヒドロ)シラザンの製造法は、D. Seyferth ら
Polym. Prepr., Am. Chem. Soc., Div. Polym. Chem.,
25, 10(1984)、特開昭61−89230号公報、同6
2−156135号公報に報告されている。これらの方
法により得られるポリシラザンには、−(R2 SiHN
H)−を繰り返し単位として、主として重合度が3〜5
の環状構造を有するものや(R3 SiHNH)X 〔(R
2 SiH)1.5 N〕1-X (0.4<x<1)の化学式で
示される分子内に鎖状構造と環状構造を同時に有するも
のがある。
【0027】一般式(I)でR1 に水素原子、R2 及び
3 に有機基を有するポリシラザン、またR1 及びR2
に有機基、R3 に水素原子を有するものは、−(R1
2 SiNR3 )−を繰り返し単位として、主に重合度が
3〜5の環状構造を有している。用いるポリシラザン
は、上記一般式(I)で表わされる単位からなる主骨格
を有するが、一般式(I)で表わされる単位は、上記に
も明らかなように環状化することがあり、その場合には
その環状部分が末端基となり、このような環状化がされ
ない場合には、主骨格の末端はR1 、R2 、R3 と同様
の基又は水素であることができる。
【0028】ポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの中に
は、D. Seyferth らCommunication ofAm. Cer. Soc., C
-132, July 1984. が報告されている様な分子内に架橋
構造を有するものもある。一例を下記に示す。
【0029】
【化5】
【0030】また、特開昭49−69717号公報に報
告されている様なR1 SiX3 (X:ハロゲン)のアン
モニア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラ
ザン(R1 Si(NH)X )、あるいはR1 SiX3
びR2 2SiX2 の共アンモニア分解によって得られる下
記の構造を有するポリシラザンも出発材料として用いる
ことができる。
【0031】
【化6】
【0032】また、ポリシラザン変性物として、例えば
下記の構造(式中、側鎖の金属原子であるMは架橋をな
していてもよい)のように金属原子を含むポリメタロシ
ラザンも出発材料として用いることができる。
【0033】
【化7】
【0034】その他、特開昭62−195024号公報
に報告されているような繰り返し単位が〔(SiH2
n (NH)m 〕及び〔(SiH2 r O〕(これら式
中、n、m、rはそれぞれ1、2又は3である)で表さ
れるポリシロキサザン、特開平2−84437号公報に
報告されているようなポリシラザンにボロン化合物を反
応させて製造する耐熱性に優れたポリボロシラザン、特
開昭63−81122号、同63−191832号、特
開平2−77427号公報に報告されているようなポリ
シラザンとメタルアルコキシドとを反応させて製造する
ポリメタロシラザン、特開平1−138108号、同1
−138107号、同1−203429号、同1−20
3430号、同4−63833号、同3−320167
号公報に報告されているような分子量を増加させたり
(上記公報の前4者)、耐加水分解性を向上させた(後
2者)、無機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、特
開平2−175726号、同5−86200号、同5−
331293号、同3−31326号公報に報告されて
いるようなポリシラザンに有機成分を導入した厚膜化に
有利な共重合ポリシラザンなども同様に使用できる。
【0035】さらに本発明においては、ポリシラザン又
はその変性物に触媒を添加することにより予め低温化処
理を施したポリシラザン(以下、低温セラミックス化ポ
リシラザン)を使用してもよい。このような低温セラミ
ックス化ポリシラザンとして、本願出願人による特開平
5−238827号公報に記載されているケイ素アルコ
キシド付加ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシ
ラザンは、前記一般式(I)で表されるポリシラザン
と、下記一般式(II): Si(OR4 4 (II) (式中、R4 は、同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭素原子数1〜20個を有するアルキル基またはア
リール基を表し、少なくとも1個のR4 は上記アルキル
基またはアリール基である)で表されるケイ素アルコキ
シドを加熱反応させて得られる、アルコキシド由来ケイ
素/ポリシラザン由来ケイ素原子比が0.001〜3の
範囲内かつ数平均分子量が約200〜50万のケイ素ア
ルコキシド付加ポリシラザンである。上記R4 は、炭素
原子数1〜10個を有するアルキル基がより好ましく、
また炭素原子数1〜4個を有するアルキル基が最も好ま
しい。また、アルコキシド由来ケイ素/ポリシラザン由
来ケイ素原子比は0.05〜2.5の範囲内にあること
が好ましい。ケイ素アルコキシド付加ポリシラザンの調
製については、上記特開平5−238827号公報を参
照されたい。
【0036】低温セラミックス化ポリシラザンの別の例
として、本出願人による特開平6−122852号公報
に記載されているグリシドール付加ポリシラザンが挙げ
られる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で
表されるポリシラザンとグリシドールを反応させて得ら
れる、グリシドール/ポリシラザン重量比が0.001
〜2の範囲内かつ数平均分子量が約200〜50万のグ
リシドール付加ポリシラザンである。グリシドール/ポ
リシラザン重量比は0.01〜1であることが好まし
く、さらには0.05〜0.5であることがより好まし
い。グリシドール付加ポリシラザンの調製については、
上記特開平6−122852号公報を参照されたい。
【0037】低温セラミックス化ポリシラザンの別の例
として、本願出願人による特開平6−240208号公
報に記載されているアルコール付加ポリシラザンが挙げ
られる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で
表されるポリシラザンとアルコールを反応させて得られ
る、アルコール/ポリシラザン重量比が0.001〜2
の範囲内かつ数平均分子量が約100〜50万のアルコ
ール付加ポリシラザンである。上記アルコールは、沸点
110℃以上のアルコール、例えばブタノール、ヘキサ
ノール、オクタノール、ノナノール、メトキシエタノー
ル、エトキシエタノール、フルフリルアルコールである
ことが好ましい。また、アルコール/ポリシラザン重量
比は0.01〜1であることが好ましく、さらには0.
05〜0.5であることがより好ましい。アルコール付
加ポリシラザンの調製については、上記特開平6−24
0208号公報を参照されたい。
【0038】低温セラミックス化ポリシラザンのまた別
の特に好適な例として、本願出願人による特開平6−2
99118号公報に記載されている金属カルボン酸塩付
加ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザン
は、前記一般式(I)で表されるポリシラザンと、ニッ
ケル、チタン、白金、ロジウム、コバルト、鉄、ルテニ
ウム、オスミウム、パラジウム、イリジウム、アルミニ
ウムの群から選択される少なくとも1種の金属を含む金
属カルボン酸塩を反応させて得られる、金属カルボン酸
塩/ポリシラザン重量比が0.000001〜2の範囲
内かつ数平均分子量が約200〜50万の金属カルボン
酸塩付加ポリシラザンである。上記金属カルボン酸塩
は、式(RCOO)n M〔式中、Rは炭素原子数1〜2
2個の脂肪族基又は脂環式基であり、Mは上記金属群か
ら選択される少なくとも1種の金属を表し、そしてnは
金属Mの原子価である〕で表される化合物である。この
Mがパラジウム(Pd)であることが特に好ましい。上
記金属カルボン酸塩は無水物であっても水和物であって
もよい。また、金属カルボン酸塩/ポリシラザン重量比
は好ましくは0.001〜1、より好ましくは0.01
〜0.5である。金属カルボン酸塩付加ポリシラザンの
調製については、上記特開平6−299118号公報を
参照されたい。
【0039】低温セラミックス化ポリシラザンのさらに
別の例として、本願出願人による特開平6−30632
9号公報に記載されているアセチルアセトナト錯体付加
ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、
前記一般式(I)で表されるポリシラザンと、金属とし
てニッケル、白金、パラジウム又はアルミニウムを含む
アセチルアセトナト錯体を反応させて得られる、アセチ
ルアセトナト錯体/ポリシラザン重量比が0.0000
01〜2の範囲内かつ数平均分子量が約200〜50万
のアセチルアセトナト錯体付加ポリシラザンである。上
記金属を含むアセチルアセトナト錯体は、アセチルアセ
トン(2,4−ペンタジオン)から酸解離により生じた
陰イオンacac- が金属原子に配位した錯体であり、
一般に式(CH3 COCHCOCH3 n M〔式中、M
はn価の金属を表す〕で表される。アセチルアセトナト
錯体/ポリシラザン重量比は、好ましくは0.001〜
1、より好ましくは0.01〜0.5である。アセチル
アセトナト錯体付加ポリシラザンの調製については上記
特開平6−306329号公報を参照されたい。
【0040】他の低温セラミックス化ポリシラザンの例
として、本願出願人による特開平7−196986号公
報に記載されている金属微粒子添加ポリシラザンが挙げ
られる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で
表されるポリシラザンを主成分とするコーティング溶液
に、Au、Ag、Pd、Niをはじめとする金属の微粒
子を添加して得られる変性ポリシラザンである。好まし
い金属はAgである。金属微粒子の粒径は0.5μmよ
り小さいことが好ましく、0.1μm以下がより好まし
く、さらには0.05μmより小さいことが好ましい。
特に、粒径0.005〜0.01μmの独立分散超微粒
子を高沸点アルコールに分散させたものが好ましい。金
属微粒子の添加量はポリシラザン100重量部に対して
0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部
である。金属微粒子添加ポリシラザンの調製については
上記特開平7−196986号公報を参照されたい。
【0041】その他の低温セラミックス化ポリシラザン
の例として、本願出願人による特願平7−200584
号明細書に記載されているアミン類及び/又は酸類添加
ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、
前記一般式(I)で表されるポリシラザン又はその変性
物に、一般式R4 5 6 Nで表されるアミン化合物
や、ピリジン類、DBU、DBN、等、及び/又は有機
酸や無機酸などの酸化合物を添加したものである。
【0042】アミン化合物の代表例として、下記一般式
(III) で表されるものが挙げられる。 R4 5 6 N (III) 式中、R4 〜R6 は、それぞれ水素原子、アルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキ
ルシリル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表
す。アミン化合物の具体例として、メチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロ
ピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブ
チルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミン、ジペ
ンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘキシルアミン、
ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、ヘプチルアミ
ン、ジヘプチルアミン、トリヘプチルアミン、オクチル
アミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、フェ
ニルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、
等が挙げられる。なお、これらアミン化合物に含まれる
炭化水素鎖は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。
特に好ましいアミン化合物は、トリエチルアミン、トリ
ペンチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミ
ン、トリヘプチルアミン及びトリオクチルアミンであ
る。
【0043】ピリジン類の具体例として、ピリジン、α
−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペリジ
ン、ルチジン、ピリミジン、ピリダジン、等が挙げられ
る。さらに、DBU(1,8−ジアザビシクロ〔5.
4.0〕−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザ
ビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネン)、等も使用する
ことができる。一方、酸化合物の具体例としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、マレイン酸、ステア
リン酸、等の有機酸、塩酸、硝酸、硫酸、過酸化水素、
等の無機酸、等が挙げられる。特に好ましい酸化合物
は、プロピオン酸、塩酸及び過酸化水素である。
【0044】アミン化合物のポリシラザンに対する添加
量は、ポリシラザン重量に対して1ppm以上であれば
よく、好ましくは100ppm〜10%である。尚、塩
基性度(水溶液中でのpKb値)及び沸点が高いアミン
化合物ほど、セラミックス化を促進する傾向がある。ま
た、酸化合物のポリシラザンに対する添加量は、ポリシ
ラザン重量に対して0.1ppm以上であればよく、好
ましくは10ppm〜10%である。特に好ましいアミ
ン化合物はトリペンチルアミンであり、また酸化合物は
プロピオン酸である。
【0045】本発明によると、上記のようなポリシラザ
ン若しくはその変性物又はその低温セラミックス化ポリ
シラザンを含む塗布用組成物を調製する。この調製には
一般にポリシラザンのための溶剤が用いられる。溶剤と
しては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化
水素の炭化水素溶剤、ハロゲン化メタン、ハロゲン化エ
タン、ハロゲン化ベンゼン等のハロゲン化炭化水素、脂
肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類を使用す
ることができる。好ましい溶剤は、塩化メチレン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、塩化エチレン、
塩化エチリデン、トリクロロエタン、テトラクロロエタ
ン等のハロゲン化炭化水素、エチルエーテル、イソプロ
ピルエーテル、エチルブチルエーテル、ブチルエーテ
ル、1,2−ジオキシエタン、ジオキサン、ジメチルジ
オキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等
のエーテル類、ペンタンヘキサン、イソヘキサン、メチ
ルペンタン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソ
オクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン、エチルシクロヘキサ
ン、シクロヘキセン、p−メンタン、リモネン、デカリ
ン、テトラリン、フェニルシクロヘキサン、シクロヘキ
サン、ノナン、デカン、n−ヘキサン、ペンタン、ジメ
チルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、等
の炭化水素等である。これらの溶剤を使用する場合、ポ
リシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するため
に、2種類以上の溶剤を混合してもよい。
【0046】本発明の方法(A)によると、このような
溶剤が基材と接触することがないので、当該溶剤の選定
に際して基材への影響を考慮する必要がない。溶剤の使
用量(割合)は採用する塗布方法により作業性がよくな
るように選択され、また用いるポリシラザンの平均分子
量、分子量分布、その構造によって異なるので、適宜、
自由に混合することができる。好ましくは固形分濃度で
1〜50重量%の範囲で混合することができる。
【0047】また、本発明の塗布用組成物において、必
要に応じて適当な充填剤及び/又は増量剤を加えること
ができる。充填剤の例としてはシリカ、アルミナ、ジル
コニア、マイカを始めとする酸化物系無機物あるいは炭
化珪素、窒化珪素等の非酸化物系無機物の微粉等が挙げ
られる。また用途によってはアルミニウム、亜鉛、銅等
の金属粉末の添加も可能である。これら充填剤は、針状
(ウィスカーを含む。)、粒状、鱗片状等種々の形状の
ものを単独又は2種以上混合して用いることができる。
又、これら充填剤の粒子の大きさは1回に適用可能な膜
厚よりも小さいことが望ましい。また充填剤の添加量は
ポリシラザン1重量部に対し、0.05重量部〜10重
量部の範囲であり、特に好ましい添加量は0.2重量部
〜3重量部の範囲である。塗布用組成物には、必要に応
じて紫外線吸収剤、各種顔料、レベリング剤、消泡剤、
帯電防止剤、pH調整剤、分散剤、表面改質剤、可塑剤、
乾燥促進剤、流れ止め剤を加えてもよい。
【0048】本発明の方法では、プラスチック、金属、
セラミックス、ガラス、等をはじめとする多種多様な基
材の表面にSiO2 系セラミックス膜を形成することが
できる。本発明の方法は、ポリシラザン溶剤の種類を問
わず各種基材に耐溶剤性を付与すると共に、ポリシラザ
ン膜の各種基材に対する密着性を高めることができるの
で、ポリシラザン溶剤に浸食されたりポリシラザンとの
密着性が不良であるプラスチック材料に適用すると特に
有利である。
【0049】本発明の方法が特に有効に利用できる基材
として、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート
(PAr)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)、アモルファスポリオレフィン(α−PO:
例、日本合成ゴム(株)製「アートン」(商品名))及
びポリイミド(PI:例、宇部興産(株)製「ユーピレ
ックス」(商品名))の樹脂フィルム、樹脂シート及び
樹脂成形体(バルク)が挙げられる。
【0050】本発明によると、上記のようなコーティン
グ用組成物を上記のような各種基材に塗布することによ
ってポリシラザンの膜を形成する。塗布方法は、通常実
施されている塗布方法、例えば、浸漬塗布、ロール塗
布、バー塗布、ウェブ塗布(グラビア、キス、キスメイ
ヤバー、ダイ、フレキソ、等)、刷毛塗り、スプレー塗
布、回転塗布、流し塗り等が用いることができ、被塗布
物の形状等によって適宜選択することができる。プラス
チックフィルムに好ましい適用方法はグラビア(リバー
ス)塗布法である。塗布後、所望であればポリシラザン
塗膜を乾燥する工程を別途設けてもよい。しかしなが
ら、一般にポリシラザン溶剤は揮発性が高く、特別に乾
燥工程を設けなくても次の工程へ進めることができ、ま
た他の工程において同時に乾燥させることもできる。
【0051】本発明の方法(B)では、ポリシラザン及
びシランカップリング剤を含むコーティング組成物を調
製し、次いで当該コーティング組成物の塗膜を基材上に
形成し、その後当該塗膜をセラミックス化処理して実質
的にSiO2 からなるセラミックス膜を形成する。すな
わち、方法(B)では、ポリシラザンを含むコーティン
グ組成物にシランカップリング剤を直接混入する。方法
(B)により、シランカップリング剤のプライマー層を
独立に設けることなく、ポリシラザン膜ひいては実質的
にSiO2 からなるセラミックス膜の各種基材に対する
密着性を高めることができる。
【0052】本発明の方法(B)によるコーティング組
成物の調製に用いられるシランカップリング剤は、上記
方法(A)と同様、一般にX−SiR3 で表される化合
物である。ここで、Xは有機基と反応し得る官能基、例
えば、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、
ハロゲン(例、塩素、臭素)、等を表し、また、Rは加
水分解可能な基、例えば、アルコキシ基(例、メトキシ
基、エトキシ基)、ハロゲン(例、塩素、臭素)、等を
表す。
【0053】方法(B)において用いられるシランカッ
プリング剤は、混合されるポリシラザンと反応しないも
のであることが好ましい。また、シランカップリング剤
はこれを塗布する基材の種類によっても異なる。例え
ば、塗布する基材がポリカーボネート又はポリイミドの
樹脂である場合には、CH2 =CCH3 COOC3 6
Si(OCH3 3 〔日本ユニカー(株)A−174〕
やNH2 3 6 Si(OC2 5 3 〔同A−110
0〕を使用することが好ましい。
【0054】本発明の方法(B)によるコーティング組
成物の調製は、上記のようなポリシラザン若しくはその
変性物又はその低温セラミックス化ポリシラザンを含む
コーティング組成物を攪拌しながらこれにシランカップ
リング剤を徐々に添加、好ましくは滴下することにより
行う。当該コーティング組成物に用いられる溶剤は、基
材を浸食することがなく且つシランカップリング剤を溶
解するものであれば、先にポリシラザンのための溶剤と
して挙げたもののいずれを使用してもよい。
【0055】当該コーティング組成物におけるシランカ
ップリング剤の量は、当該組成物に含まれるポリシラザ
ンに対して0.1重量%〜50重量%、好ましくは0.
1重量%〜10重量%である。シランカップリング剤が
0.1重量%よりも少ないとポリシラザン塗膜の基材に
対する密着性が不十分となる。一方、シランカップリン
グ剤が50重量%よりも多いと、最終的なセラミックス
膜に望まれる特性が損なわれる。
【0056】方法(B)によると、このように調製した
コーティング組成物を、先に方法(A)において記載し
たような基材に上記のような塗布方法によって塗布する
ことにより、当該コーティング組成物の塗膜を基材上に
形成する。塗布後、所望であれば当該塗膜を乾燥する工
程を別途設けてもよい。しかしながら、一般にポリシラ
ザン溶剤は揮発性が高く、特別に乾燥工程を設けなくて
も次の工程へ進めることができ、また他の工程において
同時に乾燥させることもできる。
【0057】方法(A)又は方法(B)によりポリシラ
ザンを含む塗膜を形成した後、これをセラミックス化処
理することによりSiO2 系セラミックス膜にする。こ
のセラミックス化処理に際して、セラミックス化温度を
低温化するために、ポリシラザン塗膜に対して以下のよ
うな低温化工程を実施することができる。
【0058】低温化工程の第一の態様として、該塗膜
に、アミン化合物及び/又は酸化合物を含む水溶液から
発生させた蒸気を接触させることができる。アミン化合
物及び酸化合物としては先に記載したものが挙げられ
る。アミン化合物は水に可溶であるものが好ましく、そ
の水溶液中濃度は100ppm以上の範囲で任意に選択
することができる。また、酸化合物の水溶液中濃度は、
0.1ppm以上であればよく、好ましくは10ppm
〜10%である。この第一の態様において特に好ましい
アミン化合物はトリエチルアミンである。蒸気を発生さ
せるための温度は室温で十分であるが、0℃〜水溶液沸
点の範囲で任意に選択することができる。
【0059】尚、この第一の態様の別法として、アミン
化合物及び/又は酸化合物を含む水溶液ではなく、アミ
ン化合物及び/又は酸化合物及び/又は水をそれぞれ独
立に気化させて、それ又はそれらの蒸気をポリシラザン
塗膜に接触させてもよい。この第一の態様を実施する際
には、別の蒸気発生装置で発生させたアミン化合物の蒸
気をキャリヤガス(例、窒素ガス)で運搬して乾燥ゾー
ンへ導入することができる。もちろん、酸化合物を同様
にして乾燥ゾーンへ導入することは可能であるが、一般
には付帯設備に耐酸腐食処理を施す必要がでてくる。ア
ミン化合物蒸気の発生方法としては、上記したようなア
ミン化合物の水溶液中に窒素ガスなどの不活性なキャリ
ヤガスを吹き込んでバブリングさせる方法が有利であ
る。蒸気発生装置は常温で維持してもよいし、また所望
により40℃程度に加熱することもできる。
【0060】このように発生させた蒸気は、キャリヤガ
スによって溶剤乾燥ゾーンへ運搬し、好ましくは複数本
の噴霧ノズルを介してポリシラザン塗膜へ吹き付けるこ
とができる。噴霧のための圧力は、噴霧ノズルの出口径
などにもよるが、一般には蒸気発生装置内の圧力が約
9.8×104 〜約2.0×105 Pa(約1〜約2k
gf/cm2 )になるように該装置内へのキャリヤガス
の吹き込み圧力を調節すればよい。このように別の蒸気
発生装置でアミン化合物蒸気を発生させてこれを乾燥ゾ
ーンで噴霧する方式を採用することにより、アミン化合
物蒸気及び水蒸気を安定に供給することができる。さら
に、窒素ガスなどの不活性ガスを使用してもポリシラザ
ン塗膜の硬化に悪影響はなく、また、このような不活性
ガス雰囲気下ではアミン化合物による爆発の危険性が減
少するので安全対策面からも有利である。
【0061】低温化工程の第二の態様として、前記のよ
うなポリシラザン又はその変性物の塗膜を基材表面に形
成してから、上記のようなアミン化合物及び/又は酸化
合物を含む水溶液に当該塗膜を浸漬することによってポ
リシラザンとアミン化合物及び/又は酸化合物とを接触
させることができる。アミン化合物は水に可溶であるも
のが好ましく、その水溶液中濃度は100ppm〜溶解
度限界までの範囲で任意に選択することができる。ま
た、酸化合物の水溶液中濃度は、0.1ppm以上であ
ればよく、好ましくは10ppm〜10%である。この
態様において特に好ましいアミン化合物はブチルアミン
であり、また酸化合物は過酸化水素水である。
【0062】尚、上記第一及び第二の態様では、必要に
応じて、処理後のポリシラザン塗布サンプル(例、フィ
ルム、シリコンウェハ)に水蒸気雰囲気への暴露、
水中への浸漬、酸化合物水溶液中への浸漬、アルカ
リ化合物水溶液中への浸漬又は大気中での放置、のい
ずれかの処理又はこれらの組合せを施すことが好まし
い。
【0063】の水蒸気雰囲気への暴露は、一般に加湿
炉やスチームが用いられる。具体的には、溶剤乾燥ゾー
ンにスチームを導入し、その中(温度50〜100℃、
相対湿度50〜100%RH)の中を滞留時間10〜6
0分で通過させる方法や、塗布後の溶剤乾燥時に通過し
たスチームを導入した溶剤乾燥ゾーンを滞留時間10〜
60分で再度通過させる方法が考えられる。又はの
酸化合物又アルカリ化合物水溶液への浸漬は、上記第二
態様において記載した方法を採用すればよい。但し、酸
化合物には上記酸化合物の他、リン酸、等の無機酸類;
氷酢酸、酢酸、プロピオン酸、カプロン酸のような低級
モノカルボン酸又はその無水物、シュウ酸、フマル酸、
マレイン酸、コハク酸のような低級ジカルボン酸又はそ
の無水物、トリクロロ酢酸、等の有機酸類;過塩素酸、
塩酸、硝酸、硫酸、スルホン酸、パラトルエンスルホン
酸、三フッ化ホウ素及びその電子供与体との錯体、等;
SnCl4 、ZnCl2 、FeCl3 、AlCl3 、S
bCl3 、TiCl4 等のルイス酸及びその錯体、等が
含まれる。また、アルカリ化合物には上記アミン化合物
の他、水酸化ナトリウム、塩化アンモニウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウム、ピリジン、アンモニア、等が
含まれる。
【0064】基材が長尺プラスチックフィルムである場
合、第一又は第二態様の処理後のフィルムをセパレータ
シートと共に巻き取ってロール体にすることが好まし
い。このセパレータシートは、巻き取られたフィルム同
士が接触しないようにするためのシート状物であって、
ポリシラザン塗布フィルムの全面又は一部(例えば、塗
布フィルムの両端に各1本ずつ)に適用される不織布、
サイドテープ、エンボスフィルム、等を含む。サイドテ
ープとしては、厚さ12〜100μm、幅10〜30m
m程度のものが好ましく、また様々な材質の市販品を使
用することができる。市販品の具体例として、片面又は
両面にマット加工が施されたPETフィルム〔東レ製ル
ミラーX−42〜45、パナック製ルミマット〕、発泡
PETフィルム〔東洋紡績製クリスパー〕、Alを張り
合わせた又は蒸着させたPETフィルム〔パナック製ア
ルペットフィルム〕、等が挙げられる。また、エンボス
フィルムとはフィルム両面にエンボス加工されたフィル
ムであって、フィルム厚75〜150μm、エンボス
(突起部)の高さ1〜10mmのものを使用することが
好ましい。さらに、塗布幅よりも広いフィルム幅を有す
るエンボスフィルムを使用することが好ましい。このよ
うなエンボスフィルムの市販品として、フィルム両面に
エンボス加工されたポリイミドフィルム〔大日化成工業
製706410H12又は706420H12〕が挙げ
られる。
【0065】の放置処理条件は、室温近傍(約10
℃)〜60℃、好ましくは約25℃、相対湿度10〜9
0%RH、好ましくは50〜70%RHにおいて3〜2
4時間とすることが好ましい。所望により、上記方法で
塗布した後、上記低温化工程の前、低温化工程の後、又
は低温化工程と同時に、ポリシラザンを含む塗膜に紫外
線を照射することができる。この紫外線照射により、基
材が加熱され、セラミックス化(シリカ転化)に寄与す
るO2 とH2 Oや、紫外線吸収剤、ポリシラザン自身が
励起、活性化されるため、ポリシラザンが励起し、ポリ
シラザンのセラミックス化が促進され、また得られるセ
ラミックス膜が一層緻密になる。
【0066】紫外線照射は、塗膜形成後であればいずれ
の時点で実施しても有効である。すなわち、ポリシラザ
ンを含む塗膜形成直後の塗膜乾燥前、塗膜乾燥中、塗膜
乾燥後、後述の別の低温化工程前、低温化工程中及び低
温化工程後のいずれにおいて実施しても有効である。し
かしながら、上述のように少なくとも一つの低温化工程
を施した後に紫外線照射を行うと、セラミックス化の一
層の低温化や迅速化の点で特に有効である。また、任意
であるが、紫外線照射と同時にオゾンや過酸化水素ガス
をポリシラザン含有塗膜に接触させるとさらに有効であ
る。
【0067】また、上記紫外線照射とは別に、必要に応
じてポリシラザンを含む塗膜に赤外線を照射することに
より該塗膜のセラミックス化を一層促進することができ
る。また、上記紫外線照射の場合と同様、赤外線照射
は、ポリシラザン含有塗膜形成後であればいずれの時点
で実施しても有効である。さらに、上記紫外線照射と併
用する場合、赤外線照射は、紫外線照射の前後いずれに
おいても、又は紫外線照射と同時に、実施することがで
きる。
【0068】赤外線照射に際しては、常用されているい
ずれの赤外線発生装置でも使用することが可能である。
本明細書における「赤外線」とは、一般に解釈されてい
る波長、具体的には波長約0.8〜1000μmを有す
る輻射線を意味する。この赤外線は波長約0.8〜2.
0μmの近赤外線と、波長約2.0〜4.0μmの中赤
外線と、波長約4.0〜1000μmの遠赤外線との三
つの領域に分けられる。一般に、これらの赤外線を塗膜
側から照射した場合、膜厚にもよるが、近赤外線は、コ
ーティングされた基材(例、プラスチック基材)まで透
過しこれを加熱する。また、中赤外線の場合は、基材と
塗膜の界面から塗膜内部まで透過しこれを加熱する。さ
らに、遠赤外線の場合は、塗膜内部から塗膜表面まで透
過しこれを加熱する。本発明の方法では、基材を損ない
にくい点で、近赤外線よりも中赤外線、さらには中赤外
線よりも遠赤外線を使用することが好ましい。すなわ
ち、本発明の方法では一般に0.8〜1000μm、好
ましくは2.0〜1000μm、より好ましくは4.0
〜1000μmの赤外線が用いられる。
【0069】上記の低温化工程及び/又は紫外線照射及
び/又は赤外線照射により、場合によってはSi−O、
Si−N、Si−H、N−Hが存在する膜が形成され
る。この時点でポリシラザン塗膜の一部がセラミックス
化している場合もあるが、この塗膜はまだセラミックス
への転化が不完全な場合もある。この塗膜を、次に述べ
る熱処理及び/又は後処理によって、セラミックスに完
全に転化させることが可能である。もちろん、低温化工
程等を省略して以下の処理を直接施すことは可能であ
る。
【0070】熱処理を採用する場合、その熱処理温度は
ポリシラザンが完全にセラミックス化する温度、通常3
00℃以上が好ましい。ポリシラザンに上記のような低
温化工程を施した場合には、基材(特に、プラスチック
や強化ガラス)を損なわない低温、好ましくは150℃
以下で加熱処理を施すことができる。一般に、プラスチ
ック基材の場合、加熱処理を150℃以上で行うと、変
形や強度劣化などプラスチック基材が損なわれる。
【0071】熱処理の昇温速度は特に限定しないが、5
〜20℃/分の緩やかな昇温速度が好ましい。熱処理雰
囲気は酸素中、空気中あるいは不活性ガス等のいずれで
あってもよいが、空気中がより好ましい。空気中での熱
処理によりポリシラザンの酸化、あるいは空気中に共存
する水蒸気による加水分解が進行し、上記のような低い
熱処理温度でSi−O結合あるいはSi−N結合を主体
とする緻密なセラミック被膜の形成が可能となる。この
被膜は、ポリシラザンに由来するために窒素を原子百分
率で0.005〜5%含有する。
【0072】上記の低温での熱処理においてはSi−
O、Si−N、Si−H、N−H結合が存在する膜が形
成される場合がある。この膜はまだセラミックスへの転
化が不完全である。この膜を、次に述べる2つの方法
及びのいずれか一方又は両方(後処理)によって、セ
ラミックスに転化させることが可能である。なお、上記
の低温での熱処理を省略して後処理を直接施した場合で
も、ポリシラザンのセラミックス化を促進することはで
きる。
【0073】 水蒸気雰囲気中での処理。 圧力は特に限定されるものではないが、1〜3気圧が現
実的に適当である。相対湿度は特に限定されるものでは
ないが、10〜100%RHが好ましい。温度は室温以
上で効果的であるが室温〜150℃が好ましい。水蒸気
処理時間は特に限定されるものではないが10分〜30
日が現実的に適当である。
【0074】水蒸気雰囲気中での処理により、ポリシラ
ザンの酸化または水蒸気との加水分解が進行するので、
上記のような低い加熱温度で、実質的にSiO2 からな
る緻密な膜の形成が可能となる。但し、このSiO2
はポリシラザンに由来するため窒素を原子百分率で0.
05〜5%含有する。この窒素含有量が5%よりも多い
と膜のセラミックス化が不十分となり所期の効果(例え
ば耐擦傷性)が得られない。一方、窒素含有量を0.0
5%よりも少なくすることは困難である。好ましい窒素
含有量は原子百分率で0.1〜3%である。
【0075】 触媒を含有した蒸留水中に浸す。 触媒としては、酸、塩基が好ましく、その種類について
は特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、ジ
エチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、n−エキシルアミン、n
−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブ
チルアミン、グアニジン、ピグアニン、イミダゾール、
1,8−ジアザビシクロ−〔5,4,0〕−7−ウンデ
セン、1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オク
タン等のアミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、ピリジン、アンモニア水等のアル
カリ類;リン酸等の無機酸類;永酢酸、無水酢酸、プロ
ピオン酸、無水プロピオン酸のような低級モノカルボン
酸、又はその無水物、シュウ酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸のような低級ジカルボン酸又はその無水
物、トリクロロ酢酸等の有機酸類;過塩素酸、塩酸、硝
酸、硫酸、スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、三フ
ッ化ホウ素及びその電気供与体との錯体、等;SnCl
4 、ZnCl2 、FeCl3 、AlCl3 、SbC
3 、TiCl4 などのルイス酸及びその錯体等を使用
することができる。好ましい触媒は塩酸である。触媒の
含有割合としては0.01〜50重量%、好ましくは
0.1〜10重量%である。保持温度としては室温から
沸点までの温度にわたって有効である。保持時間として
は特に限定されるものではないが10分〜30日が現実
的に適当である。
【0076】触媒を含有した蒸留水中に浸すことによ
り、ポリシラザンの酸化あるいは水との加水分解が、触
媒の存在により更に加速され、上記のような低い加熱温
度で、実質的にSiO2 からなる緻密な膜の形成が可能
となる。但し、先に記載したように、このSiO2 膜は
ポリシラザンに由来するため窒素を同様に原子百分率で
0.05〜5%含有する。
【0077】また、別の後処理法として、ポリシラザン
含有塗膜を形成して該塗膜に低温化工程を施した後、そ
の塗膜にアルコキシシラン及び水を含む反応性の混合溶
液を接触させる方法も挙げられる。用いるアルコキシシ
ランは、ゾル−ゲル法によるSiO2 系セラミック被膜
の形成に一般に用いられるアルコキシシランの中から任
意に選ぶことができる。
【0078】好適なアルコキシシランは、Si(OR)
4 〔式中、Rは、各々独立に、アルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアミノ基
またはアルキルシリル基を表す〕で示されるアルコキシ
シランである。好ましいRは、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基及びイソプロペニル基である。中で
も特に好ましいアルコキシシランは、テトラメトキシシ
ラン及びテトラエトキシシランである。
【0079】本発明の方法では、R’n Si(OR)
4-n 〔式中、Rは、各々独立に、アルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアミノ
基またはアルキルシリル基を表し、R’は、各々独立
に、上記Rの他、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メ
タクリル基またはメルカプト基を表し、そしてnは1〜
2の整数である〕で表される有機アルコキシシラン、又
はR’n (RO)3-n Si−R”−Si(OR)
3-m R’m 〔式中、Rは、各々独立に、アルキル基、ア
ルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキル
アミノ基またはアルキルシリル基を表し、R’は、各々
独立に、上記Rの他、ビニル基、エポキシ基、アミノ
基、メタクリル基またはメルカプト基を表し、R”は、
2価の有機結合基または−O−を表し、nは0〜3、m
は0〜3の整数を表すが、但し、n+mは4以下であ
る〕で表されるアルコキシジシランを使用してもよい。
このような有機基R’及びR”は、得られる最終のセラ
ミック被膜が所望の膜質(例えば、耐熱性や耐擦傷性)
を示すように、当業者であれば適宜選択することができ
る。
【0080】反応性の混合溶液に用いられる水(H
2 O)には、通常のイオン交換水、工業用水、濾過水、
等が使用できる。しかしながら、得られる最終セラミッ
ク被膜の膜質等を考慮した場合、純水を使用することが
好ましい。また、水の代わりに過酸化水素水を使用する
ことは可能である。混合溶液中のアルコキシシランと水
の存在比率は、体積基準でアルコキシシラン/水=0.
01〜100、より好ましくは0.1〜10の範囲が好
ましい。この比率が0.01よりも小さいと、水による
反応が主体となり、得られるセラミックスの膜質が悪く
なる。一方、100よりも大きいと、アルコキシシラン
の加水分解速度が遅くなる。また、この比率を変更する
ことによって混合溶液の反応性を制御することができ
る。
【0081】この混合溶液は、必要に応じて、R”OH
で示されるアルコールを含有することができる。ここで
R”は、アルコキシシランについて先に記載したRと同
じ基、すなわちアルキル基、アルケニル基、シクロアル
キル基、アリール基、アルキルアミノ基またはアルキル
シリル基を表す。特定の混合溶液におけるアルコールの
R”とアルコキシシランのRは、同種であることが好ま
しいが、異なっていてもよい。アルコールが含有される
ことによって、アルコキシシランの加水分解が促進さ
れ、溶液の反応性が高まる。
【0082】混合溶液中のアルコキシシランと前記アル
コールの存在比率は、体積基準でアルコキシシラン/ア
ルコール=100〜0.01、より好ましくは10〜
0.1の範囲が好ましい。この比率が100よりも大き
いと、アルコキシシランの分解が少なく、溶液の反応性
が低くなる。一方、0.01よりも小さいと、アルコー
ルとシラザンの反応が主体となり、膜質が劣化する。ま
た、先に記載した水の場合と同様に、この比率を変更す
ることによっても混合溶液の反応性を制御することがで
きる。
【0083】アルコキシシランと水を含む反応性の混合
溶液は、該アルコキシドの加水分解及びポリシラザンと
の反応を促進させるために触媒を含有することができ
る。触媒としては酸、塩基が好ましく、その種類につい
ては特に限定はされないが、例として塩酸、硫酸、フッ
酸、硝酸及びこれらの塩類、アンモニア、水酸化アンモ
ニウム、塩化アンモニウム、トリエチルアミン、ジエチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミンなどのアミン類、並びに水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、等が挙げられる。これ
らの酸、塩基触媒の添加量は、アルコキシシラン1モル
当たり0.0001〜10モル%、より好ましくは0.
001〜1.0モル%が好ましい。同様に、この触媒添
加量によっても混合溶液の反応性を制御することができ
る。
【0084】このように調製したアルコキシシラン及び
水を含有する反応性の混合溶液を、上記の紫外線照射後
のポリシラザン塗膜に適当な方法で接触させる。接触さ
せる方法として、例えば、浸漬法、噴霧法、等が挙げら
れる。この接触によってポリシラザンとアルコキシシラ
ンとの間で反応が起こり、これらがSiOx 組成のセラ
ミックに転化する。この接触時の温度(例えば、浸漬液
の温度)は、室温で十分であるが、所望により室温〜混
合溶液の沸点以下の範囲に加熱してもよい。接触時間
は、限定するわけではないが、一般に1時間以内で済
み、好ましくは1〜10分の範囲である。
【0085】これらのセラミックス化処理を施すことに
よって、ポリシラザン又はその変性物に含まれるSi−
N、Si−H、N−H結合等は消失し、Si−O結合を
主体とする強靱なセラミックス膜が基材表面に形成され
る。なお、このSiO2 膜はポリシラザンに由来するた
め窒素を原子百分率で0.005〜5%含有する。この
窒素含有量が5%よりも多い場合には膜のセラミックス
化が不十分となり所期の効果(例えば耐磨耗性)が得ら
れない。一方、窒素含有量を0.005%よりも少なく
することは困難である。
【0086】1回の適用で得られるSiO2 膜の厚さ
は、好ましくは50Å〜5μm、より好ましくは100
Å〜2μmの範囲である。膜厚が5μmよりも厚いと熱
処理時に割れが入ることが多く、更に可撓性が悪くな
り、折り曲げなどによる割れや剥離も生じ易くなる。反
対に、膜厚が50Åよりも薄いと所期の効果、例えば所
望のガスバリヤ性や耐擦傷性が得られない。この膜厚
は、コーティング用組成物の濃度を変更すること及び/
又はコーティング条件によって制御することができる。
すなわち、膜厚を増加したい場合にはコーティング用組
成物の固形分濃度を高くする(溶剤濃度を低くする)こ
とができ、またロールのメッシュを細かくすること、さ
らにコーティング用組成物を複数回適用することによっ
て膜厚をさらに増加させることもできる。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、これらの実施例が本発明を限定するものではないこ
とを理解されたい。
【0088】参考例〔ペルヒドロポリシラザンの合成〕 内容積1Lの四つ口フラスコにガス吹き込み管、メカニ
カルスターラー、ジュワーコンデンサーを装着した。反
応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口フ
ラスコに脱気した乾燥ピリジン490mlを入れ、これ
を氷冷した。次いで、ジクロロシラン51.9gを加え
ると、白色固体状のアダクト(SiCl 2 ・2C6 5
N)が生成した。反応混合物を氷冷し、攪拌しながら水
酸化ナトリウム管及び活性炭管を通して精製したアンモ
ニア51.0gを吹き込んだ後、100℃で加熱した。
反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾燥ピリジンを
用いて洗浄した後、さらに乾燥窒素雰囲気下で濾過して
濾液850mlを得た。濾液5mlから溶媒を減圧除去
すると、樹脂状固体ペルヒドロポリシラザン0.102
gが得られた。
【0089】得られたポリマーの数平均分子量は、凝固
点降下法(溶媒:乾燥ベンゼン)で測定したところ11
20であった。赤外吸収(IR)スペクトル(溶媒:乾
燥o−キシレン;ペルヒドロポリシラザン濃度10.2
g/l)は、波数(cm-1)3390及び1180のN
−Hに基づく吸収、2170のSi−Hに基づく吸収、
1040〜800のSi−N−Siに基づく吸収を示し
た。
【0090】方法(A):シランカップリング剤のプラ
イマー層を設ける方法 実施例1 ブチルセルソルブ中のシランカップリング剤CH2 =C
CH3 COOC3 6Si(OCH3 3 〔日本ユニカ
ー(株)A−174〕を攪拌しながらこれにメタノール
(シランカップリング剤に対して50重量%)及び蒸留
水(シランカップリング剤に対して1モル当量)を滴下
することにより固形分濃度2重量%のプライマー層用組
成物を調製した。得られたプライマー層用組成物を、1
0cm角、厚さ0.3mmのポリカーボネート(PC)
シート板にフローコート法で塗布した。塗布後のPCシ
ート板を120℃で10分間処理してプライマー層を硬
化させた。得られたプライマー層の厚さは0.1μmで
あった。
【0091】参考例で合成したペルヒドロポリシラザン
をm−キシレンに溶解して濃度10重量%のポリシラザ
ン溶液を調製した。この溶液にポリシラザン1重量部当
たり0.01重量部のプロピオン酸パラジウムを添加
し、大気中、20℃で3時間攪拌しながら反応を行っ
た。その後、孔径0.1μmのPTFE製フィルターで
濾過した。この溶液を、先に調製したプライマー層の上
に、スピンコート法(500rpm×2秒→2000r
pm×20秒)で塗布することによりポリシラザン塗膜
を形成させた。その後、ポリシラザン塗膜をクリーンオ
ーブン内で120℃、1時間処理し、次いで恒温恒湿槽
内で95℃、80%RH、3時間処理することによりポ
リシラザン塗膜をセラミックス化した。
【0092】実施例2 基材を10cm角、厚さ1mmのポリエチレンテレフタ
レート(PET)シート板に変更したこと、及びポリシ
ラザン塗膜のセラミックス処理の条件を350℃、1時
間に変更したことを除き、実施例1と同様にした。実施例3 基材を10cm角、厚さ75μmのポリイミド(PI)
フィルムに変更したことを除き、実施例1と同様にし
た。
【0093】実施例4 基材を10cm角、厚さ100μmのポリカーボネート
(PC)フィルムに変更したことを除き、実施例1と同
様にした。実施例5 基材を10cm角、厚さ75μmのポリアリレート(P
Ar)フィルムに変更したことを除き、実施例1と同様
にした。実施例6 シランカップリング剤をNH2 3 6 Si(OC2
5 3 〔日本ユニカー(株)A−1100〕に変更した
こと、及びメタノールに代えてエタノールを使用したこ
とを除き、実施例1と同様にした。実施例7 基材を10cm角、厚さ75μmのポリイミド(PI)
フィルムに変更したこと、及びポリシラザン塗膜のセラ
ミックス処理の条件を350℃、1時間に変更したこと
を除き、実施例6と同様にした。
【0094】比較例1〜7 上記実施例1〜7において、プライマー層を設けること
なく基材上にポリシラザン溶液を直接塗布したものをそ
れぞれ比較例1〜7とした。
【0095】膜特性の評価 上記実施例1〜7及び比較例1〜7で得られたセラミッ
クス膜の基材に対する密着性及び耐擦傷性を評価した。 ・密着性:碁盤目テープ剥離試験(JIS−K5400
準拠)で評価した。 ・耐擦傷性:スチールウール#000番、荷重500
g、(面積2cm角)100往復の条件で試験し、目視
で傷の数を観察し、A〜Eの格付けをした。評価A:傷
なし、評価B:傷2本以下、評価C:傷3〜5本、評価
D:傷6〜10本、評価E:傷11本以上。 膜特性の評価を以下に示す。
【0096】 密着性 耐擦傷性 基材の白化 実施例1 100/100 A 外観変化なし 実施例2 100/100 A 外観変化なし 実施例3 100/100 A〜B 外観変化なし 実施例4 100/100 A〜B 外観変化なし 実施例5 100/100 A〜B 外観変化なし 実施例6 100/100 A 外観変化なし 実施例7 100/100 A〜B 外観変化なし 比較例1 0/100 E 白化 比較例2 0/100 E 外観変化なし 比較例3 0/100 E 外観変化なし 比較例4 0/100 E 白化 比較例5 0/100 E 白化 比較例6 0/100 E 白化 比較例7 0/100 E 外観変化なし
【0097】上記のデータは、本発明によりプライマー
層を設けたことにより、各種基材に耐溶剤性を付与する
と共に、実質的にSiO2 からなるセラミックス膜の各
種基材に対する密着性を高めることができたことを示し
ている。
【0098】方法(B):ポリシラザンを含むコーティ
ング組成物にシランカップリング剤を添加する方法 実施例8 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをジブチルエ
ーテル(DBE)に溶解した。この溶液にポリシラザン
1重量部当たり0.01重量部のプロピオン酸パラジウ
ムを添加し、大気中、20℃で3時間攪拌しながら反応
を行った。次いで、この反応液にポリシラザンに対して
1重量%のシランカップリング剤NH23 6 Si
(OC2 5 3 〔日本ユニカー(株)A−1100〕
を添加し、大気中、23℃で10分間攪拌し、そして孔
径0.1μmのPTFE製フィルターで濾過することに
よりシランカップリング剤を含むコーティング溶液を調
製した。この溶液中のポリシラザン濃度は20重量%と
した。得られたコーティング溶液を、10cm角、厚さ
0.3mmのPCシート板にスピンコート法(500r
pm×2秒→2000rpm×20秒)で塗布すること
によりシランカップリング剤を含むポリシラザン塗膜を
形成させた。その後、ポリシラザン塗膜をクリーンオー
ブン内で120℃、1時間処理し、次いで恒温恒湿槽内
で95℃、80%RH、3時間処理することによりポリ
シラザン塗膜をセラミックス化した。
【0099】実施例9 シランカップリング剤の添加量を1重量%から10重量
%に変更したことを除き、実施例8と同様にした。実施例10 シランカップリング剤の添加量を1重量%から5重量%
に変更したこと、溶媒をDBEからm−キシレンに変更
したこと、基材をPCシート板から厚さ1mmのPET
シート板に変更したこと、及びセラミックス処理の条件
を350℃、1時間に変更したことを除き、実施例8と
同様にした。実施例11 シランカップリング剤の添加量を1重量%から5重量%
に変更したこと、溶媒をDBEからm−キシレンに変更
したこと、及び基材をPCシート板から厚さ75μmの
PIフィルムに変更したことを除き、実施例8と同様に
した。
【0100】実施例12 シランカップリング剤の添加量を5重量%に変更したこ
と及びポリシラザン濃度を12重量%としたことを除き
実施例8と同様にして得られたコーティング溶液を、厚
さ100μm、幅600mm、総延長300mのPCフ
ィルムを2m/分で搬送しながらグラビア(リバース)
コート法(ロール#80)で塗布することによりシラン
カップリング剤を含むポリシラザン塗膜を形成させた。
次いで、このフィルムに乾燥炉(120℃、3m)を通
して3分間の乾燥処理を施した。乾燥後のフィルムを、
セパレータシートをフィルム両端部に適用してこれを一
緒に挟み込みながらロールに巻き取った。その後、その
ロール体をクリーンオーブン内で120℃、1時間処理
し、次いで恒温恒湿槽内で95℃、80%RH、3時間
処理することによりポリシラザン塗膜をセラミックス化
した。実施例13 溶媒をDBEからm−キシレンに変更したこと、及び基
材をPCフィルムから厚さ75μmのPArフィルムに
変更したことを除き、実施例12と同様にした。
【0101】実施例14 シランカップリング剤をCH2 =CCH3 COOC3
6 Si(OCH3 3〔日本ユニカー(株)A−17
4〕に変更したことを除き、実施例8と同様にした。実施例15 シランカップリング剤の添加量を1重量%から10重量
%に変更したことを除き、実施例14と同様にした。
【0102】比較例8〜15 上記実施例8〜15において、ポリシラザンを含むコー
ティング溶液にシランカップリング剤を添加しなかった
ものをそれぞれ比較例8〜15とした。
【0103】膜特性の評価 上記実施例8〜15及び比較例8〜15で得られたセラ
ミックス膜の緻密性、基材に対する密着性及び耐擦傷性
を評価した。 ・緻密性:0.5重量%の緩衝化フッ酸水溶液による単
位時間当たりの膜の腐食深さ(エッチングレート)で評
価した。 ・密着性:碁盤目テープ剥離試験(JIS−K5400
準拠)で評価した。 ・耐擦傷性:スチールウール#000番、荷重500
g、(面積2cm角)100往復の条件で試験し、目視
で傷の数を観察し、A〜Eの格付けをした。評価A:傷
なし、評価B:傷2本以下、評価C:傷3〜5本、評価
D:傷6〜10本、評価E:傷11本以上。 膜特性の評価を以下に示す。
【0104】 エッチングレート 密着性 耐擦傷性 (μm/分) 実施例8 0.15 100/100 A 実施例9 0.15 100/100 A 実施例10 0.15 100/100 A 実施例11 0.15 100/100 A〜B 実施例12 0.15 100/100 A〜B 実施例13 0.15 100/100 A〜B 実施例14 0.15 100/100 A 実施例15 0.15 100/100 A 比較例8 0.15 0/100 E 比較例9 0.15 0/100 E 比較例10 0.15 0/100 E 比較例11 0.15 0/100 E 比較例12 0.15 0/100 E 比較例13 0.15 0/100 E 比較例14 0.15 0/100 E 比較例15 0.15 0/100 E
【0105】上記のデータは、本発明によりポリシラザ
ンを含むコーティング組成物にシランカップリング剤を
添加することにより、中間層を設けなくても、膜の緻密
性を損なうことなく、セラミックス膜の各種基材に対す
る密着性を高めることができたことを示している。
【0106】
【発明の効果】本発明によると、基材とポリシラザン塗
膜の間にシランカップリング剤を含むプライマー層を設
けることにより、各種基材に耐溶剤性を付与すると共
に、実質的にSiO2 からなるセラミックス膜の各種基
材に対する密着性を高めることができる。さらに、本発
明によると、ポリシラザンを含むコーティング組成物に
シランカップリング剤を添加することにより、中間層を
設けることなく実質的にSiO2 からなるセラミックス
膜の各種基材に対する密着性を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA20B AD00B AH06C AK45 AK52B AK80B AS00C AT00A BA02 BA03 BA10A BA10B EH462 EJ082 EJ422 EJ65C JB07 JK06 4G014 AH00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上にポリシラザンを含む塗膜を形成
    し、前記塗膜をセラミックス化処理して実質的にSiO
    2 からなるセラミックス膜を形成する方法において、前
    記基材と前記塗膜の間にシランカップリング剤を含むプ
    ライマー層を設ける工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 ポリシラザン及びシランカップリング剤
    を含むコーティング組成物を調製し、次いで前記コーテ
    ィング組成物の塗膜を基材上に形成し、その後前記塗膜
    をセラミックス化処理して実質的にSiO2 からなるセ
    ラミックス膜を形成することを特徴とする方法。
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