JP2000195336A - 電線被覆用樹脂組成物および絶縁電線 - Google Patents
電線被覆用樹脂組成物および絶縁電線Info
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Abstract
れ、重金属化合物やリン化合物の溶出や、多量の煙、腐
食性ガスの発生がないノンハロゲンの電線被覆用樹脂組
成物及び絶縁電線を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
して、ステアリン酸および/またはオレイン酸等の脂肪
酸および末端基がエポキシ基および/またはビニル基で
あるシランカップリング剤で表面処理された金属水和物
を100〜250重量部含有することを特徴とする絶縁
被覆電線用組成物及びこの組成物の架橋体で導体を被覆
した絶縁電線。
Description
部および外部配線に使用される絶縁電線を被覆するため
の樹脂組成物、並びにその組成物で被覆した絶縁電線に
関するものであり、埋立、燃焼などの廃棄時において、
重金属化合物の溶出や、多量の煙、腐食性ガスの発生が
ない電線被覆用樹脂組成物、およびそれで被覆した絶縁
電線に関する。
使用される絶縁電線の被覆材料には、ポリ塩化ビニル
(PVC)コンパウンドや分子中に臭素原子や塩素原子
を含有するハロゲン系難燃剤を配合したエチレン系共重
合体を主成分とする樹脂組成物を使用することがよく知
られている。しかし、これらを適切な処理をせずに廃棄
した場合、被覆材料に配合されている可塑剤や重金属安
定剤が溶出したり、またこれらを燃焼させると被覆材料
に含まれるハロゲン化合物から腐食性ガスやダイオキシ
ン類が発生することがあり、近年、この問題が議論され
ている。このため、有害な重金属の溶出やハロゲン系ガ
スなどの発生の恐れがないノンハロゲン難燃材料で電線
を被覆する技術が検討されはじめている。ノンハロゲン
難燃材料は、ハロゲンを含有しない難燃剤を樹脂に配合
することで難燃性を発現させており、この難燃剤として
は、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム
などの金属水和物が、また、前記樹脂としては、ポリエ
チレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プ
ロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エ
チレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・プロピ
レン・ジエン三元共重合体などが用いられている。
ハーネスやその他の電気・電子機器用絶縁電線には、安
全性の面から非常に厳しい難燃性規格、例えばUL15
81(電線、ケーブルおよびフレキシブルコードのため
の関連規格(Reference Standard
for Electrical Wires、Cabl
es, and Flexible Cords))な
どに規定されている垂直燃焼試験(Vertical
Flame Test)、VW−1規格や水平難燃規格
やJIS C3005に規定される60度傾斜難燃特性
等が求められている。さらにこのような電線の被覆用樹
脂組成物には、ULや電気用品取締規格などから破断伸
び100%、破断抗張力10MPa以上という高い機械
特性が要求されている。
樹脂とし、これにノンハロゲン系の難燃剤である金属水
和物を多量に配合して難燃化した樹脂組成物は、良好な
難燃性を付与できるものの、機械特性が著しく低下する
という問題があった。この問題を解決するために、水酸
化マグネシウムの表面に種々の表面処理を施すことによ
り、電線被覆用樹脂組成物の破断伸び及び破断抗張力を
改善することが行われている。例えば、表面処理材料と
してステアリン酸で処理した水酸化マグネシウムを使用
することにより、電線被覆用樹脂組成物の破断伸びを向
上することが知られている。またシランカップリング剤
を無処理の水酸化マグネシウムに混練時に加えることに
より、表面処理を行い破断抗張力を保持する提案もなさ
れている(特許第2525982号)。絶縁電線の必要
特性としては、長期使用に耐え得る電気絶縁性の維持を
求められ、そのためには加熱老化試験後の電線被覆用樹
脂組成物の体積固有抵抗を高く保持することが要求され
る。しかし上記のように水酸化マグネシウムを大量に加
えたノンハロゲンの樹脂組成物は、満足する機械特性が
得られなかったり、加熱老化試験後の体積固有抵抗が著
しく低下することが判明し、難燃性、機械特性及び加熱
老化試験後の体積固有抵抗を両立させることが従来の技
術では困難なことがわかった。
点に鑑み、高度の難燃性と優れた機械特性を有し、かつ
埋立、燃焼などの廃棄時においては、重金属化合物やリ
ン化合物の溶出や、多量の腐食性ガスの発生がなく、長
期間にわたって高い電気絶縁性を維持できる電線被覆用
樹脂組成物及び絶縁電線を提供することを目的とする。
解決するために鋭意検討を行った結果、ベース樹脂に配
合する金属水和物の表面処理剤の種類が加熱老化試験後
の体積固有抵抗値に影響を与えることをつきとめ、その
知見に基づき、本発明を完成するに至ったものである。
ン系樹脂100重量部に対して、脂肪酸およびシランカ
ップリング剤で表面処理された金属水和物100〜25
0重量部を配合してなることを特徴とする電線被覆用樹
脂組成物、(2)脂肪酸がステアリン酸および/または
オレイン酸であることを特徴とする(1)に記載の電線
被覆用樹脂組成物、(3)シランカップリング剤は末端
基がエポキシ基および/またはビニル基であることを特
徴とする(1)または(2)に記載の電線被覆用樹脂組
成物、及び(4)(1)、(2)または(3)に記載の
樹脂組成物の架橋体で導体を被覆したことを特徴とする
絶縁電線を提供するものである。
て説明する。本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系
樹脂に脂肪酸及びシランカップリング剤で表面処理され
た金属水和物を配合してなる。本発明の樹脂組成物にお
けるポリオレフィン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン
−アクリル酸共重合体等のエチレン系共重合体を挙げる
ことができる。また、超低密度ポリエチレン(VLDP
E)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密
度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(M
DPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超低密度
ポリエチレン(VLDPE)、シングルサイト触媒を用
いて重合した直鎖状ポリエチレン等のポリエチレン樹脂
を挙げることができる。また、エチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体(R−PP)、エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体(B−PP)等のポリプロピレン樹脂を
挙げることができる。
レン−酢酸ビニル共重合体が望ましい。これらポリオレ
フィン系樹脂としては単独でもよいが、2種類以上を混
合しても良い。さらに、適宜不飽和カルボン酸で変性さ
れたポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを併用
することができる。ここで本発明において主成分とは、
樹脂成分全体にポリオレフィン系樹脂の占める割合が8
0重量%以上であることをいう。
ンおよび/またはポリプロピレンとは、ポリエチレン及
び/またはポリプロピレンに不飽和カルボン酸やその誘
導体で変性された樹脂のことであり、変性に用いられる
不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、イタ
コン酸、フマル酸などが挙げられ、不飽和カルボン酸の
誘導体としては、マレイン酸モノエステル、マレイン酸
ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステ
ル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸
モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸など
がある。ポリオレフィンの変性は、例えば、ポリオレフ
ィンと不飽和カルボン酸等を有機パーオキサイドの存在
下に溶融、混練することにより行うことができる。
しては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が
挙げられ、金属水和物の表面処理に用いる脂肪酸として
は特には限定されないが、ステアリン酸、オレイン酸等
が挙げられる。この脂肪酸の配合量は金属水和物100
重量%に対して、脂肪酸0.2〜5重量%、好ましくは
0.2〜2重量%のものが好適に使用される。本発明に
おけるシランカップリング剤とは末端にビニル基、グリ
シジル基、アミノ基を有するものであり、そのうちでも
ビニル基、グリシジル基を有するものが好ましい。シラ
ンカップリング剤としてはビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリ
ロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−
γ―アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプロピルト
リプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。このよ
うなシランカップリング剤の中で末端基がエポキシ基お
よび/またはビニル基のシランカップリング剤を使用す
るのが破断抗張力や難燃性の面で好ましい。
ンカップリング剤の両方で処理しても良いし、未処理の
水酸化マグネシウムにステアリン酸及びシランカップリ
ング剤を加えブレンドすることにより両者を表面処理し
ても良い。またあらかじめ脂肪酸で表面処理した金属水
和物にシランカップリング剤を添加し表面処理を行って
も良い。実質的には金属水和物の表面を脂肪酸で表面処
理した金属水和物にシランカップリング剤を添加し表面
処理を行った場合の方がコスト面や生産面から有効であ
る。ステアリン酸で表面処理された水酸化マグネシウム
はすでに上市されており。キスマ5A(協和化学
(株))、マグシースN−3(神島化学(株))やその
他の商品名(協和化学(株))で市販されているものを
用いることができる。オレイン酸で表面処理された水酸
化マグネシウムはすでに上市されており、キスマ5Bや
その他の商品名(協和化学(株))で市販されているも
のを用いることができる。また脂肪酸の処理割合につい
ては協和化学(株)や神島化学(株)等の製造社で変更
が可能である。
金属水和物にシランカップリング剤を添加し表面処理す
る場合は、予め部分的に金属水和物の表面を脂肪酸で表
面処理した金属水和物にシランカップリング剤を加え、
ブレンダーで攪拌したり、及び攪拌後加熱処理したもの
を混練り時に加える方法や混練り時に金属水和物の表面
を脂肪酸で表面処理した金属水和物に架橋性のシランカ
ップリング剤を加えることにより表面処理を行われる。
シランカップリング剤の添加量は、金属水和物100重
量%に対して0.2〜2重量%程度が良く、さらに好ま
しくは0.4〜1.2重量%程度である。
にさらにスズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛やホウ酸亜
鉛を配合するのが好ましい。ホウ酸亜鉛としては、平均
粒子径が5ミクロン以下、特に好ましくは3ミクロン程
度のものが好ましい。ホウ酸亜鉛としては市販品を用い
ることができ、例えばアルカネックスFRC−500
(2ZnO/3B2O3・3.5H2O)、FRC−60
0(商品名、販売元 水澤化学)などを挙げることがで
きる。またスズ酸亜鉛としては、スズ酸亜鉛(ZnSn
O3)、水和物を有するヒドロキシスズ酸亜鉛(ZnS
n(OH)6)が好ましく、商品名アルカネックスZ
S、アルカネックスZHS(販売元 水澤化学)などの
市販品を用いることができる。ヒドロキシスズ酸亜鉛、
スズ酸亜鉛は平均粒子径が5ミクロン以下、特に好まし
くは3ミクロン程度が好ましい。
シアヌレートを添加しても良い。本発明で用いることの
できるメラミンシアヌレート化合物としては、例えばM
CA−0、MCA−1(いずれも商品名、三菱化学社
製)や、Chemie Linz Gmbh社より上市されているものが
ある。また脂肪酸で表面処理したメラミンシアヌレート
化合物、シラン表面処理したメラミンシアヌレート化合
物としては、MC610、MC640(いずれも商品
名、日産化学社製)などがある。
は、電線・ケ−ブルの被覆材に一般的に使用されている
各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難
燃(助)剤、充填剤、滑剤などを本発明の目的を損なわ
ない範囲で適宜配合することができる。
ル・ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フ
ェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジ
ヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペ
ンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止
剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプ
ロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフ
ィド、2−メルカプトベンヅイミダゾールおよびその亜
鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリ
ル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤な
どがあげられる。
(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロ
イル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オ
キサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などがあ
げられる。さらに難燃(助)剤、充填剤としては、カー
ボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マ
グネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリ
コーン化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、ほう酸亜鉛、ホワイトカーボンなどがあげ
られる。滑剤としては、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸
アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系な
どがあげられ、なかでも、「ワックスE」「ワックスO
P」(商品名、Hoechst社製)などの内部滑性と
外部滑性を同時に示すエステル系滑剤が好ましい。
る。本発明の絶縁電線は、前記本発明の樹脂組成物から
なる被覆層を導体(例えば軟銅製などの単線または撚線
導体)上に有してなり、この被覆層が樹脂組成物の架橋
体で構成されたものである。本発明の絶縁電線において
は、樹脂組成物を架橋させて被覆層を形成することによ
り、耐熱性が向上するのみならず、難燃性をも向上させ
ることができる。架橋の方法としては、常法による電子
線架橋法や化学架橋法が採用できる。電子線架橋法の場
合は、被覆線を構成する樹脂組成物を押出成形して被覆
層とした後に電子線を照射することにより架橋をおこな
う。電子線の線量は1〜30Mradが適当であり、効
率よく架橋をおこなうために、被覆層を構成する樹脂組
成物に、トリメチロールプロパントリアクリレートなど
のメタクリレート系化合物、トリアリルシアヌレートな
どのアリル系化合物、マレイミド系化合物、ジビニル系
化合物などの多官能性化合物を架橋助剤として配合して
もよい。化学架橋法の場合は、被覆層を構成する樹脂組
成物に、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイドなどの
有機過酸化物を架橋剤として配合し、押出成形して被覆
層とした後に、常法により加熱処理により架橋をおこな
う。本発明の絶縁電線は、導体の周りに形成される絶縁
被覆層の肉厚は特には限定しないが通常0.15mm〜1
mmである。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、数字は特に記載がない場合、重量部を示す。 (実施例1〜10、比較例1〜6)まず、表1〜3に示
す各成分を室温にてドライブレンドし、バンバリーミキ
サーを用いて溶融混練して、各絶縁被覆層用樹脂組成物
を用意した。次に、電線製造用の押出被覆装置を用い
て、導体(導体径:0.95mmφ錫メッキ軟銅撚線
構成:21本/0.18mmφ)上に、予め溶融混練し
た絶縁被覆用樹脂組成物を押し出し法により被覆して、
各実施例、比較例に対応する絶縁電線を製造した。外径
は2.63mmとした。被覆後10Mradで電子線照射
を行うことにより架橋を行った。
難燃性を評価し、その結果を表1〜3に併せて示した。
試験方法、評価条件について以下に示す。 ・引張特性(抗張力、破断時の伸び) 各絶縁電線の被覆層を管状片にし、その引張強度(抗張
力)(MPa)と伸び(%)を、引張り試験機を用いて
標線間25mm、引張速度500mm/min.の条件
で測定した。引張強度および伸びの要求特性は、各々1
0MPa以上、100%以上である。 ・難燃性 各絶縁電線について、UL1581に規定される水平燃
焼試験(Vertical Flame Test)を
5サンプルについておこない、合格したものの比率で示
した。 ・体積固有抵抗 初期および158℃で168時間加熱した各絶縁電線に
ついて、JIS C3005に規定される絶縁抵抗を測
定し、下記換算式によって体積固有抵抗を算出した。体
積固有抵抗の要求特性は、初期および158℃で7日加
熱老化後の値が1×1013Ωcm以上である。 ρ=(L/3.665)・(1/(log10(D/
d)))・107
を使用した。 (01)エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA) 酢酸ビニル(VA)成分含有量 33重量% (02)エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA) エチルアクリレート(EA)成分含有量 25重量% (03)ポリエチレン EG8003(商品名、ダウケミカル社製) 密度0.86 (04)無水マレイン酸変性LLDPE アドテック L6100M(商品名、日本ポリオレフィン社製) (05)無処理水酸化マグネシウム キスマ5(商品名、協和化学社製) (06)ステアリン酸表面処理水酸化マグネシウム キスマ5A(商品名、協和化学社製) (07)ステアリン酸表面処理水酸化マグネシウム NO.1 0.5重量%ステアリン酸処理品 (08)ステアリン酸表面処理水酸化マグネシウム低処理品 NO.2 1.8重量%ステアリン酸処理品 (09)ステアリン酸表面処理水酸化マグネシウム低処理品 NO.3 0.3重量%ステアリン酸処理品 (10)ステアリン酸表面処理水酸化マグネシウム低処理品 NO.4 2.5重量%ステアリン酸処理品 (11)オレイン酸表面処理水酸化マグネシウム低処理品 NO.5 0.5重量%オレイン酸処理品 (12)末端にビニル基を有するシランカップリング剤 TSL8311(商品名、東芝シリコーン社製) ビニルエトキシシラン (13)末端にエポキシ基を有するシランカップリング剤 TSL8350(商品名、東芝シリコーン社製) (14)ヒンダートフェノール系老化防止剤 イルガノックス1010(商品名、チバガイギ社製) (15)2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩 ノクラックMBZ(商品名、大内新興化学社製) (16)TMPTM(トリメチロールプロパントリメタクリレート) オグモントT−200(商品名、新中村化学社製) (17)末端にビニル基を有するシランカップリング剤で表面処理した水酸化 マグネシウム キスマ5LH(商品名、協和化学社製)
の樹脂組成物を用いた絶縁電線(実施例1〜10)は、
伸びや抗張力という機械特性、難燃性、および熱老化後
の体積固有抵抗という電気特性のいずれも優れるもので
あることがわかる。一方、脂肪酸で表面処理しない水酸
化マグネシウムを使用し、かつシランカップリング剤を
使用しないときには、抗張力も熱老化後の体積固有抵抗
もともに低く(比較例3)、またシランカップリング剤
を使用したときには、抗張力は高い値を示すが熱老化後
の体積固有抵抗が低下する(比較例2)。また、脂肪酸
処理した水酸化マグネシウムを使用し、かつシランカッ
プリング剤を使用しないと、抗張力が低くなる(比較例
1)。また、金属水和物の配合量が、エチレン系共重合
体を主成分とする樹脂成分100重量部に対して、10
0重量部未満では、水平難燃試験に合格しない(比較例
4)し、250重量部を越えると伸びおよび抗張力が低
くなる(比較例5)。また、脂肪酸処理した水酸化マグ
ネシウムとシランカップリング処理した水酸化マグネシ
ウムを配合しても抗張力が低くなる(比較例6)。
水和物の表面処理として脂肪酸およびシランカップリン
グ剤を併用することにより、金属水和物を高充填しても
高度の難燃性および機械特性を有し、また長期間にわた
って電気絶縁性を維持でき、絶縁電線の被覆層用組成物
として好適なものである。また、本発明の絶縁電線は、
その被覆層がノンハロゲン難燃材料から構成されてお
り、埋立、燃焼などの廃棄、処理時において、重金属化
合物の溶出や、多量の煙、腐食性ガスの発生がなく、電
気・電子機器用配線材として有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
して、脂肪酸およびシランカップリング剤で表面処理さ
れた金属水和物100〜250重量部を配合してなるこ
とを特徴とする電線被覆用樹脂組成物。 - 【請求項2】 脂肪酸がステアリン酸および/またはオ
レイン酸であることを特徴とする請求項1記載の電線被
覆用樹脂組成物。 - 【請求項3】 シランカップリング剤は末端基がエポキ
シ基および/またはビニル基であることを特徴とする請
求項1または請求項2に記載の電線被覆用樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の電線被覆
用樹脂組成物の架橋体で導体を被覆したことを特徴とす
る絶縁電線。
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---|---|---|---|
JP36687198A JP3966632B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 電線被覆用樹脂組成物および絶縁電線 |
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