JP2000194066A - 投影表示装置 - Google Patents

投影表示装置

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JP2000194066A
JP2000194066A JP10374310A JP37431098A JP2000194066A JP 2000194066 A JP2000194066 A JP 2000194066A JP 10374310 A JP10374310 A JP 10374310A JP 37431098 A JP37431098 A JP 37431098A JP 2000194066 A JP2000194066 A JP 2000194066A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再現できる色の領域が広く、より自然で美し
いカラー画像を表示できる投影表示装置を提供するこ
と。 【解決手段】 投影表示装置1は、画像入力部47に入
力されたRGBの3原色に加え4色目のデータを有する
画像データに基づいて制御部40により変調された信号
によりRGBの主レーザ発振器13R,13G,13
B及び補助レーザ発振器13Gが発光しレーザビーム
LBがポリゴンミラー17,18によりスクリーン50
を走査しながら投射し画像を表示する。その際、従来の
RGBの3原色のレーザビームLB(M)に加え、50
0nmの補助レーザビームLB(G)を必要に応じて
発光させることにより、従来のRGBの3原色では発色
が不可能であった色を発色でき、より自然の色に忠実な
カラー画像を表示できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を投影
し、これを走査することによりスクリーンに表示する投
影表示装置に関し、詳しくは補助用レーザ発振器を備え
た投影表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、カラー画像の表示装置では、
その色を忠実に再現するべく各種の方式が提案されてき
た。ここで、可視光として存在する色彩は、図3に示す
JISZ 8701が準拠したCIE(国際照明委員
会)のXYZ表色系(2°視野)のCIE1931色度
図において表されるように、いわゆる馬蹄形をしたスペ
クトル軌跡の範囲であり、図4に示すように、3原色を
用いた加法混色の場合に再現できる色の範囲は、その3
原色をそれぞれ図上に表した位置を頂点とした3角形の
内側の範囲の色になる。カラー画像の表示方法として、
例えばCRT(陰極線管)やLCD(液晶ディスプレ
イ)を用いたカラーディスプレイがあり、さらに近年N
TSC(National Television S
ystemCommittee)方式による高品位なテ
レビジョンやPDP(プラズマディスプレイ)や、LE
D(発光ダイオード)によるカラーディスプレイなどが
あるが、近年色の再現性が向上してきた。
【0003】また、特開平1−245780号公報、特
開平3−65916号公報、特開平4−181289号
公報に記載されているような加法混色の3原色であるレ
ッド(以下R)、グリーン(以下G)、ブルー(以下
B)のレーザ光をそれぞれ発振し、これらレーザ発振器
により出力されたレーザ光の光路を1つに合成して同時
加法混色を行い、この合成されたレーザ光をスクリーン
に投射し、これを高速に2次元走査することでスクリー
ン上にカラー画像等を表示する投影表示装置が提案され
ている。このような投影表示装置においては、加法混色
の3原色が、半導体レーザなどにより単波長に近い周波
数帯域で幅広い色の発色が可能なレーザ発振器により、
色再現の幅の広い且つ濁りのない色の表示ができるよう
になった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、色の再
現の範囲は3原色をそれぞれ図上に表した位置を頂点と
した3角形の内側の範囲に制限されるため、この3原色
を変更してこの3角形の位置を拡大し、移動させても、
前述の馬蹄形の範囲においては、この3角形でカバーで
きない部分ができ、即ち再現できない色彩が多く残され
てしまい自然な色の再現が困難であるという問題があっ
た。
【0005】この発明は上記課題を解決するものであ
り、再現できる色の領域が広く、より自然で美しいカラ
ー画像を表示できる投影表示装置を提供することを目的
をする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、請求項1に係る発明の投影表示装置では、画像信号
に基づき、加法混色の3原色の波長からなる3種類の主
レーザ光及び前記3原色の波長とは異なる波長からなる
補助レーザ光をそれぞれ発振するレーザ発振器と、その
レーザ発振器から発振された各波長のレーザ光を一体的
に走査して、所定の画面上に所望の画像を投影するレー
ザスキャナとを備えることを特徴とする。
【0007】この構成に係る発明の投影表示装置では、
補助レーザ光の色の光を用いることで、3原色の波長の
光では再現できない色彩を再現することが可能になり、
より自然の色に近い色再現ができるようになる。
【0008】請求項2に係る発明の投影表示装置では、
請求項1に記載の投影表示装置の構成に加え、前記補助
レーザ光は、前記主レーザ光のうち、少なくとも1種類
の主レーザ光が発振されない場合のみ発振されることを
特徴とする。
【0009】この構成に係る発明の投影表示装置では、
補助レーザ光を必要な場合だけ発振させる制御を行うこ
とができる。
【0010】請求項3に係る発明の投影表示装置では、
請求項1又は請求項2に記載の投影表示装置の構成に加
え、前記補助レーザ光は、略500nmに設定されてい
ることを特徴とする。
【0011】この構成に係る発明の投影表示装置では、
従来の3原色では出すことのできなかった500nm近
傍の色彩が再現できる。
【0012】請求項4に係る発明の投影表示装置では、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の投影表示装置
の構成に加え、前記画像信号は、前記3原色の波長に対
応する画像信号と、その3原色の波長とは異なる波長に
対応する画像信号とにより生成されていることを特徴と
する。
【0013】この構成に係る発明の投影表示装置では、
補助レーザ光を発振するレーザ発振器を備えた投影表示
装置において、この画像信号を用いて好適な制御をする
ことができ、色の再現性を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る投影表示装置
を好ましい1の実施の形態により、添付図面を参照して
説明する。ここで図1は、本発明に係る実施の形態であ
る投影表示装置1の主要構成を図示した模式図である。
まず最初に投影表示装置1の構成の概略について図1を
参照しながら説明する。
【0015】図1で示すように、投影表示装置1は、本
体2に収納されたレーザスキャナ部10、制御部40、
画像入力部47と、本体2からレーザビームLBを投射
されて画像を表示させるスクリーン50などから構成さ
れている。
【0016】投影表示装置1は、インタフェイス48を
介して画像入力部47に入力された画像データに基づい
て、制御部40からスキャナ制御部12に信号が送ら
れ、スキャナ制御部12のレーザ発振器制御部15で駆
動信号が生成されてレーザスキャナ部10に備えられた
赤色レーザ発振器13R、緑色レーザ発振器13G
青色レーザ発振器13B(図3参照、以下これらをまと
めて主レーザ発振器13Mという)と、補助レーザ発振
器13G(以上まとめてレーザ発振器13という。)
とが発振されて赤色レーザビームLB(R)、緑色レー
ザビームLB(G )、青色レーザビームLB(B)
(以下これらをまとめて主レーザビームLB(M)とい
う。)と、補助レーザビームLB(G)(以上をまと
めてレーザビームLBという。)とが発光・照射され、
レーザビームLBは、主走査ポリゴンミラー(回転多面
鏡)17及び副走査ポリゴンミラー18(以下まとめて
ポリゴンミラー17,18という。)により2次元的に
走査されながらスクリーン50を投射されて画像を形成
するものである。
【0017】制御部40は、図示しないCPUとRAM
とROMを備えた周知のコンピュータから構成されてい
る。ROMには投影表示装置1全体を制御する為のプロ
グラムが格納されており、このプログラムに従ってCP
Uにより入力処理・データ展開を行って画像データに基
づいてよりレーザスキャナ部10のレーザ発振器13の
発光を画像データに基づいて変調しながらポリゴンミラ
ー17,18に同期させながら投射し、スクリーン50
の画面を2次元走査してスクリーン50上に画像を表示
するものである。
【0018】スクリーン50は、レーザビームLBを受
けて、これを拡散しつつ透過させてユーザーに画像を観
察可能にするものであり、スクリーン50は、半透明乳
白色の拡散板から構成されている。なお、本実施の形態
では、スクリーン50と本体2とは、分離され移動可能
な開放型に構成されるが、これらを一体にして、レーザ
ビームLBが、ユーザーから直接見えないような密閉型
に構成されてもよい。さらに、スクリーン50を、反射
拡散板により構成された大型画面に投射するようなもの
であってもよい。要は、本体2に備えられたレーザスキ
ャナ部10により、画面が投影可能で、画像を表示でき
ればスクリーン50の形式は問わないものである。
【0019】ここで、図2は、レーザスキャナ部10を
説明する模式図である。以下この図2によりレーザスキ
ャナ部10の構造と作用を説明する。まず、レーザ発振
器13は、特定の色を発振するレーザ発振器を備え、7
00nmの赤色光を発光する赤色レーザ発振器13Rに
は、Krレーザが、450nmの青色光を発光する青色
レーザ発振器13Bには、He−Cdレーザが、520
nmの緑色光を発光する緑色レーザ発振器13G及び
500nmの明るい緑色光を発光する補助レーザ発振器
13Gには、Arレーザが好適に用いられる。
【0020】また、これらの4つのレーザ発振器13か
ら発光されるレーザビームLB(R),LB(G),
LB(B),LB(G)は、第1レーザビーム合成器
14A、第2レーザビーム合成器14B及び第3レーザ
ビーム合成器14C(以下レーザビーム合成器14とい
う)により1つの光路をもつレーザビームLBに合成さ
れる。
【0021】まず赤色レーザ発振器13Rと緑色レーザ
発振器13Gが第1レーザビーム合成器14Aにより
合成される。第1レーザビーム合成器14Aは、特定波
長は透過させ、他の波長は反射させるコーティングを施
されたダイクロイックミラー(波長選択反射板)から構
成されており、赤色レーザ発振器13Rから照射された
レーザビームLB(R)は透過させるが、緑色レーザ発
振器13Gから照射された緑色レーザビームLB(G
)は出力光の波長の違いにより反射させる材質から構
成される。そのため第1レーザビーム合成器14Aに、
直交して配設された赤色レーザ発振器13Rと緑色レー
ザ発振器13Gからそれぞれ射出された赤色レーザビ
ームLB(R)及び緑色レーザビームLB(G)は、
赤色レーザビームLB(R)がダイクロイックミラーを
透過して直進し、緑色レーザビームLB(G)がダイ
クロイックミラーにより反射してその光軸が直角に偏向
されるため、両者の光軸は同一方向に揃えられ、同一の
光軸をもつように調整される。
【0022】同様に、赤色レーザビームLB(R)と緑
色レーザビームLB(G)が合成されたものに第2の
レーザビーム合成器14Bにより、さらに青色レーザ発
振器13Bにより発光された青色レーザビームLB
(B)が合成され、主レーザビームLB(M)が合成さ
れる。
【0023】このようにして、生成された主レーザビー
ムLB(M)に加え、さらに、第3のレーザビーム合成
器14Cにより、主レーザビームLB(M)に補助レー
ザビームLB(G)が合成され、合成されたレーザビ
ームLBにより画面が走査される。
【0024】尚、これら3色のレーザビームLBの合成
は、ダイクロイックプリズムの他、波長による屈折率の
差を利用してプリズムにより光束を合成するような構成
のものであってもよく、要は3つの光束を1つの光路に
まとめられればよい。
【0025】次に、投影表示装置1のレーザビームLB
の走査の方法について図1及び図2を参照して説明す
る。レーザ発振器13により射出され、レーザビーム合
成器14により1つの光束にまとめられたレーザビーム
LBは、高速で回転する主走査ポリゴンミラー17に当
接する。主走査ポリゴンミラー17は、図2に示すよう
に底面に対して高さの低い正六角柱形状で、回転軸が水
平且つ、レーザビームLBに対して垂直な線を上方に平
行移動した位置に配置されているため、レーザビームL
Bは、この回転軸を中心に回転する6つの平面鏡により
下方に反射され、その光軸の向きは主走査ポリゴンミラ
ー17の回転により反射前のレーザビームLBの光軸と
の内角を大きくするように変化する。
【0026】このとき、主走査ポリゴンミラー17に反
射されたレーザビームLBは、所定角度の範囲外には投
射されないように、スキャナ制御部12に備えられたレ
ーザ発振器制御部15とポリゴンミラー制御部16によ
り制御される。又、このレーザ発振器制御部15とポリ
ゴンミラー制御部16による制御を調和させるため、主
走査ポリゴンミラー17により反射されたレーザビーム
LBの光軸が、主走査開始の位置のレーザビームLBの
光束が通過する位置の近傍に、主走査ビームセンサ19
を設けて、レーザビームLBの実際の位置を検出し、主
走査ポリゴンミラー17の回転にレーザ発振器13の発
光のタイミングを合わせている。ここで、主走査ビーム
センサ19が受光した光は、信号として制御部40に送
られるが、この信号を以下主走査SOS(Start
Of Scanning)信号と呼ぶ。この主走査SO
S信号を検知した制御部40は、この信号に基づいて演
算された走査開始位置に基づいてレーザ発振器制御部1
5に、画像データに基づいて変調されたレーザ発光の為
の信号を送出する。このようにして一列分のデータによ
り変調された信号が、レーザ発振器の駆動手段(ドライ
バ)であるレーザ発振器制御部15によりレーザ発振器
13にドライブ信号が送出されレーザビームLBが、副
走査ポリゴンミラー18に反射されてスクリーン50の
図2のX方向に走査され、スクリーン上に一列分の画像
が投影される。
【0027】一方、主走査ポリゴンミラー17に反射さ
れて偏向したレーザビームLBは、図2においてその下
方に位置する副走査ポリゴンミラー18に向かって反射
される。副走査ポリゴンミラー18は6枚の平面鏡を有
し底面に対して高さの大きい細長の六角柱の形状で、そ
の回転軸は水平で、スクリーン50と平行に、且つ主走
査ポリゴンミラー17よりスクリーン50に対して反対
方向に若干変位された位置に配置され、主走査ポリゴン
ミラー17により偏向される方向と同じ方向に平面鏡の
長手方向が配置される。そして、この副走査ポリゴンミ
ラー18は上端がスクリーン50に近づく方向に回転す
る。そのため主走査ポリゴンミラー17から反射されて
きたレーザビームLBは、さらにスクリーン50方向に
偏向されて、時間の経過とともに、偏向される内角が大
きくなるように、即ちスクリーン50のY方向にレーザ
ビームLBの移動する方向が変化する。
【0028】このように、水平の主走査を行いながら垂
直方向に副走査を行う。これは従来の周知のCRTの水
平走査及び垂直走査と同様の走査である。このようにし
て上端から下端まで繰り返し水平走査を行うと1画面が
表示されるが、副走査ポリゴンミラー18は一定の速度
で回転するので、制御部40で適当な間隔をおいて信号
を送出する。そうすれば、回転する副走査ポリゴンミラ
ー18の次の鏡面で次の画面の副走査を行うことができ
る。この副走査は電流により傾きを制御するガルバノメ
ータ(揺動一面鏡)を用いても可能であるが、ガルバノ
メータを用いた場合より、ポリゴンミラーを用いた方が
角速度に変化がないため、高速の走査を行う場合には特
にポリゴンミラーを用いることが好ましい。
【0029】なお、さらに厳密にいえば、主走査ポリゴ
ンミラー17により主走査の1ライン分を走査する間に
副走査ポリゴンミラー18が回転するので、これを補正
するように本実施の形態では副走査ポリゴンミラー18
の主走査方向側がやや下がった方向に傾けてセットされ
ている。
【0030】また、鉛直方向の走査の開始位置を検出す
るために、本来のスクリーン50上での走査開始位置の
僅か上方よりレーザ発振器13を点灯し、無変調でレー
ザビームLBが射出、主走査及び副走査がされる。そし
て、走査開始位置近傍に配置された副走査ビームセンサ
20にレーザビームLBが入射されると、副走査ビーム
センサ20から副走査SOS信号が制御部40に送出さ
れ、制御部40ではこの信号から実際の走査開始位置を
演算して、演算された所定時間後にレーザスキャナ部1
0のスキャナ制御部12に制御信号が送出され、スキャ
ナ制御部12はレーザ発振器13にドライブ信号を送出
して光量が変調され、主走査及び副走査が開始される。
【0031】以上のようにして、レーザビームLBによ
り、スクリーン50上に表示された画像は両側部が糸巻
き状の歪みを示し、上下方向には走査線間の間隔の不一
致を生じる。そのため、制御部40において、中央部の
走査のための変調時間を延長するか、上端、下端部の変
調時間を短縮することで、制御的に歪み補正をすること
が好ましく、或いは、fθレンズ51などを用いて光学
的に歪みを補正することが望ましい。
【0032】この走査は、本実施の形態では、一画面に
ついて主走査線(水平走査線)525本の走査を1/3
0秒の副走査(垂直走査)により行っており、ちらつき
の少ないスムーズな画面が投影可能となっている。
【0033】図1に戻り、説明を続けると、上述のよう
にスキャナ制御部12は、レーザ発振器制御部15と、
ポリゴンミラー制御部16とから構成されている。レー
ザ発振器制御部15は、制御部40から送出された微弱
な信号を駆動信号としてレーザ発振器13(図2参照)
に送出するドライバである。また、ポリゴンミラー制御
部16も、制御部40からの微弱な信号を受けて、主走
査ポリゴンミラー17及び副走査のポリゴンミラー18
を回転させるモータを駆動する駆動信号を送出するドラ
イバである。
【0034】画像入力部47は、投影すべき画像データ
を、外部から入力して記憶しておくバッファであり、こ
れをそれぞれの制御信号に分離する場所でもあるため、
記憶手段を有している。入力データとして、ビデオ信号
がインタフェイス48を介して入力される。もちろん画
像情報のデータはビデオ信号に限られず、何らかの方法
で画像情報が読みとれればよい。本実施の形態の投影表
示装置1においては、入力信号はRGBビデオ信号に補
助信号を加え、4色のビデオ信号による画像信号を用
い、これらの信号に基づいて画像を生成する。
【0035】ここで、この画像信号について説明する。
まず、人間の目が感じる色について説明すると、人間の
目が感じる色は網膜の3種の錐体が受ける刺激である3
刺激値に支配されている。そして、グラスマン(Gra
ssmann)の法則などで知られているように、すべ
ての色光は独立な3色の色光の混合で等色することがで
きる条件等色(メタメリズム・Metamerism)
が知られている。「メタメリズム」とは、人が、周囲の
状況が同じなら、等しい三刺激値を生じる分光組成の異
なる2種の光を区別できないことをいう。またここで
「独立な3色」とは、そのうちの1色が他の2色で等色
できないという意味である。
【0036】しかしながら、これは正確な表現ではない
ので、さらに説明すると以下のようになる。例えば、C
IEの標準のように赤(R)の原色光をλ=700n
m、緑(G)の原色をλ=546.1nm、青(B)の
原色をλ=435.8nmの単色光とする。そして、こ
の3色を用いて等色実験を行う。ここで「等色実験」と
は、RGBの3色の光源を準備し、このそれぞれの光源
のエネルギ強度を調節して混合を作り、この混合光で任
意の等色し、そのときの3原色のエネルギ量を記録し、
等色関数を求める実験である。「等色関数」とは、これ
らの3原色の各波長におけるエネルギ強度を関数にした
もので、この実験により導き出した等色関数には、負の
エネルギ値を示す部分がある。これは理論的には、如何
なる色も3原色の組み合わせでできるが、現実には、負
のエネルギ強度は出力できないので、3原色でも再現で
きない色があることを意味する。
【0037】具体的な例としては、例えば500nmの
単色光と等色するには、赤の原色光のエネルギを負にし
なければならない。即ち、実際の色光の混合により再現
できる色の範囲は、3原色の選び方により異なるためこ
のようなことが生じる。ある原色のセットを与えたと
き、その混合で再現できる色の範囲を、その原色の「色
再現域(Color Gamut)」という。即ち、カ
ラー画像表示装置においても、この3原色自体の発色に
より色再現域が決定付けられ、例えば、CRTディスプ
レーでは大きくは蛍光体の発色により決定付けられる。
冒頭に説明したように、従来のCRT、LCD、PD
P、LEDなどにより表示できる色再現域が狭かったの
は、これらの3原色自体の色再現に限界があったためで
ある。
【0038】この等色関数は、以下のような性質を有し
ている。まず、等色関数[r],[g],[b](通例
はバーを付して表示するがここでは便宜上角括弧を付け
て[r]のように表示する。)は、任意の色光Sを、与
えられた3原色R,B,Gの強度を調節して等色する
際、その強度r,g,bを色光S自身から求めるための
各波長に対する重み関数である。つまり、Sなる分光エ
ネルギーをもつ色光が3原色光R,B,Gで、式S≡r
R+gG+bB(≡は等色の関係とする。)の型で等色
されるとすると、r=S・[r],g=S・[g],b
=S・[b]になる。人が同じ色に見える色は、同じ3
原色値で測色されるように、メタメリズムを保って画像
表示するための画像信号は、等色関数の感度をもつ必要
があることがわかる。この原理は、実際カラーテレビな
どのカラー画像表示装置にも利用される。カラーテレビ
は赤、緑、青の3原色の蛍光体に当てる電子ビームの量
を調節して任意の色光Sを等色するものである。そし
て、その強度は、それぞれの等色関数に近似する3つの
感度をもつようなカラーフィルターを備えたCCDなど
の撮像素子を感光素子としたテレビカメラにより計測さ
れる。
【0039】また詳細な説明は省略するが、この等色関
数は、人間の網膜の3種の錐体の感度の線形変換であ
り、等色関数同士も線形変換の関係にある。従って、す
べての等色関数は、線形変換で移りあうことができると
いえる。そして、3原色光で等色するには、等色関数の
感度で画像信号の生成を行わなければならないので、画
像信号生成の条件は、等色関数の線形変換になっていな
ければならない。これを「ルーター条件」という。な
お、すべての色光は独立な3色の色光Sで等色できると
いえるが、これは画像信号の形成はその分光分布によら
ず3つの独立な任意の分光センサで行い結果を線形変換
さえすれば正しい画像表示ができる訳ではなく、正確な
色再現ができる画像信号を生成するには、等色関数の1
つで行わなければならない。また、画像信号生成のセン
サの分光感度が等色関数になっていなければ、線形変換
で正しい画像信号を得ることができない。そして、得ら
れた画像信号の値(r,g,b)は、その等色関数に対
応する3原色R,G,Bで、その色光を等色するための
強度である。センサの分光が等色関数であるということ
が、メタメリズムを実現するための条件なのであって、
これを満足していない場合には、人の目に違う色に見え
る光が、同じ色に測定されたり、その逆が起こる可能性
がある。さらに、3刺激値は3種の錐体に関する3刺激
値の線形変換であるといえる。以上のような意味で、3
刺激値は線形変換で移りあうといえるが、その3刺激値
は、正しく等色関数でセンスされているのが条件であ
る。従って、画像を形成する各波長のレーザ発振器13
と、これを駆動するための画像信号は同じ等色関数とす
る必要がある。そのため、補助レーザ発振器13G
より正確な色再現をするには、この発振波長である50
0nmの波長をセンサーによりセンスする必要がある。
【0040】上記のように、3刺激値は線形変換によっ
て移りあうので、色を測るには任意の1組の3原色を定
め、それにより定まる等色関数によって3刺激値を測定
すればよい。しかし、色を定量的に表すために、便宜的
に標準的な等色関数があれば便利であるので、その目的
としてCIEが1931年に定めた桿体の影響のない2
°視野のXYZ系がCIE−1931XYZ系としてS
tandard Colorimetric Obse
rverが定められて用いられる。ここでは、このCI
E−1931XYZ系を用いて説明する。
【0041】この等色関数[x],[y],[z](通
例はバーを付して表示するがここでは便宜上角括弧を付
けて[x]のように表示する。)は、上述の[r],
[g],[b]を線形変換したもので、計算の便のため
各等色関数は、すべての波長帯に亘って正の値をもち、
等色関数の1つである[y]は目の照度関数に一致し、
[x],[y],[z]の相対的な大きさは、この感度
で等エネルギー白色を測定したとき、3刺激値
([X],[Y],[Z])がグラフ上の曲線の下の面
積が一定になるように[X]=[Y]=[Z]となるよ
うにとられる。この性質のため、この等色関数に対応す
る3原色X,Y,Zは、実際には存在しない色光となっ
ている。等色関数[x],[y],[z]を用いたCI
E−1931XYZ系によれば、色光Sの色は、[X]
=S・[x],[Y]=S・[y],[Z]=S・
[z]の3刺激値で表される。
【0042】また、色光Sを明るさと色成分とで表した
い場合、輝度Yと色度(x,y)で表すことも行われ、
色度(x,y)は、次式で定義される。 x=[X]/([X]+[Y]+[Z]) y=[Y]/([X]+[Y]+[Z]) 色度は各波長でのエネルギが同じ割合で変化しても一定
であり、ある混色系での色の再現範囲を示すとき、よく
色度図が用いられる。ここで、図3は、x,yにJIS
Z 8701(XYZ表色系による色の表示方法)に
よるXYZ系の色度座標を用いたCIE色度図を示す図
である。
【0043】さらに等色関数[x],[y],[z]
は、その定義から単光色を等色する3刺激値であるが、
単光色の色度x(λ),y(λ)は、 x(λ)=[x](λ)/([x](λ)+[y]
(λ)+[z](λ)) y(λ)=[y](λ)/([x](λ)+[y]
(λ)+[z](λ)) という色で表される。
【0044】図3において、この単光色の色度x
(λ),y(λ)を色度図上に描くと、図3のSPに示
すように概ね馬蹄形の曲線を描く。この曲線をスペクト
ル軌跡SP(spectral locus)といい、
このスペクトル軌跡SPとその両端を線分でつないだ図
形の内部が、世の中に存在する色の存在範囲である。な
ぜなら、単光色の色度x(λ),y(λ)はスペクトル
軌跡SP上にあり、単光色以外のすべての色は単光色の
混色で得られるわけであるので、2色が混色された色の
色度x(λ),y(λ)は、2色の色度をつなぐ直線上
に存在するからである。
【0045】冒頭においても引用したが、図4は、この
CIE色度図において、従来の画像表示装置の色再現域
を示す図である(「ディスプレイの先端技術」1998
年9月25日・谷千束著・共立出版・183ページより
引用)。図上、LCD(液晶ディスプレイ)、CRT
(陰極線管)、NTSCのカラーテレビジョン、PDP
(プラズマディスプレイパネル)、LED(発光ダイオ
ード)を用いた画像表示装置では、それぞれ3原色とな
る発光体の色の波長に限界があるとともに、単波長では
ないため色の濁りを生じ、色再現域が狭かった。これら
に比較して、LS(レーザスキャナディスプレイ)を用
いた画像表示装置は、3原色を発光させるレーザ発振器
が、単波長で濁りのない純色が再現できること、又近年
の半導体の開発により幅広い波長のレーザ光を発振でき
るようになったことなどの理由から、図4のLSに示す
3角形のように、他の方式の画像表示装置と比較して格
段に広い色表示領域を達成することができるようになっ
た。
【0046】ここで図5は、前述CIE色度図におい
て、本実施の形態の投影表示装置1の色再現域を示す図
である。従来は、図4に示すようにいずれの方式を用い
ても3原色を用いて混色を行っていることには変わら
ず、スペクトル軌跡SPの描く馬蹄形の中で如何に3角
形の位置を定めても、このスペクトル軌跡SPの中をカ
バーすることができなかった。特に従来は前提となる3
原色の発色の限界を拡げることが課題であり、再現でき
ない可視光線の波長をなくすことまではそもそも課題と
はならなかった。このような中で、半導体レーザを初め
とする各種のレーザの開発によりレーザ発振器の発振波
長の種類が極めて多くなり、且つレーザスキャナディス
プレイが高速で精度の高いスキャニングができるように
なったためこの広範な波長を発振できるレーザ発振器を
用いた投射表示装置が可能になった。しかしながら、従
来の3原色を用いたものでは、再現できない色の領域が
あり、この再現できない色の領域のため、自然な色の再
現ができなかった。例えば、新緑の季節の木々の緑は、
500nm付近の波長による純色に近い色であるが、こ
のような彩度が大きい透明感のある緑は、従来如何なる
方法でも再現できなかった。本実施の形態の投影表示装
置1においては、補助レーザ光による4色目の色を混色
に用いることにより図5に示すような4角形の範囲の色
を再現して色再現域の拡大を達成し、自然な色調の再現
を可能にした。
【0047】なお、本実施の形態では、補助レーザ光を
1色のみ用い画像信号を4色のものとしているが、さら
に補助レーザを複数用いることで、色再現域の拡大が可
能になることは言うまでもない。
【0048】ここで、投影表示装置1に好適な画像信号
の生成について説明する。画像信号は、ビデオ信号を生
成する図示しないCCD(Charge Couple
dDevice)ビデオカメラを用いて生成するが、前
述のメタメリズムによれば、色の測定と再現には同一の
波長のセンサと発光体を用いるのが望ましいため、画像
読み取り用のCCDのカラーフィルターをレーザ発振器
13に合わせて4色にする必要がある。ここで、図6
は、この画像読み取り用のCCD上に配列するカラーフ
ィルターを模式的に示した図である。図6に示すよう
に、レーザ発振器13により発振されるレーザビームL
Bの波長に対応した4つのフィルターである赤色フィル
ターFR、緑色フィルターFG、青色フィルターF
B、補助フィルターFG(以下フィルターFとい
う。)がマトリックス状に配列されている。このフィル
ターFを通して、それぞれのレーザ発振器13に対応し
た信号が生成される。
【0049】以下、このフィルターFについて詳述す
る。図7は、赤色フィルターFRの透過する波長のスペ
クトルを示すグラフGFRと、比較のために示す赤色レ
ーザ発振器13Rの発振スペクトルを表すグラフG13
Rを示す図である。このグラフから分かるように、上述
のように赤色の画像信号を生成するために、これにセン
サを対応すべくCCDに赤色フィルターFRをかけて赤
色光を画像信号として記録し、他の波長の光は、カット
している。但し、レーザ発振器13Rの出力する波長に
対し、入力する波長の幅を広く取っているのは、信号形
成時の光量の確保のためである。このフィルターFR
は、広帯域のフィルターでよいので、製作が容易でコス
トの低い染料フィルターを用いることができる。なお、
780nmより長い波長の光線は、可視光ではないが、
CCDの赤外線感度の補正のためCM−500等の赤外
線カットフィルターを予め設置する。
【0050】図8は、従来の緑色フィルターFGの透
過する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較
のために示す緑色レーザ発振器13Gの発振スペクト
ルを表すグラフG13Gを示す図である。従来の緑色
フィルターにおいては、後述するような本実施の形態の
補助フィルターFGにおけるような狭帯域のフィルタ
ーは必要がないので、赤色フィルターFRと同様な広帯
域のフィルターを用いることができる。なお、従来の緑
色レーザ発振器は、本実施の形態の緑色レーザ発振器1
3Gと同一の発振波長示すため、従来の緑色レーザ発
振器も13Gとして説明する。
【0051】図9は、本実施の形態の青色フィルターF
Bの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFBと、
比較のために示す青色レーザ発振器13Bの発振スペク
トルを表すグラフG13Bを示す図である。この場合
も、上述の赤色フィルターFRや、従来の緑色フィルタ
ーFGと同様広帯域のフィルターで画像信号を入力さ
せる。
【0052】図10は、本実施の形態のの透過する波長
のスペクトルを示すグラフGFGと、比較のために示
す補助レーザ発振器13Gの発振スペクトルを表すグ
ラフG13Gを示す図である。500nmの波長を発
振する補助レーザ発振器13Gは、上述のような従来
の緑色フィルターFGのような広帯域のフィルターで
は、緑色レーザ発振器13Gの波長と近いため、透過
する波長域の狭い狭帯域のフィルターを使用する必要が
生じる。そのため図10のGFGに示すような、狭帯
域のフィルターFGを使用する。この狭帯域のフィル
ターは、染料フィルターでは製作できないため、干渉フ
ィルターを用いて透過光を選択する。
【0053】一方、図11は、本実施の形態の緑色フィ
ルターFGの透過する波長のスペクトルを示すグラフ
GFGと、比較のために示す緑色レーザ発振器13G
の発振スペクトルを表すグラフG13Gを示す図で
ある。この場合も、補助レーザ発振器13Gの発振波
長と重複しないように、510nm付近以下は透過しな
いようなフィルターFGを使用する。
【0054】図12は、従来のフィルターFR、F
、FBの透過する波長のスペクトルを示すグラフG
FR,GFG,GFBと、比較のために示すレーザ発
振器13R,13G,13Bの発振スペクトルを表す
グラフG13R,G13G,G13Bを示す図であ
る。ここで示すように、従来は、3原色の波長が離れて
いたため、いずれも広帯域のフィルターを使用し、広い
範囲の波長を透過させる構成とすることができた。
【0055】図13は、本実施の形態のフィルターF
R,FG,FG,FBの透過する波長のスペクトル
を示すグラフGFR,GFG,GFG,GFBと、
比較のために示すレーザ発振器13R,13G,13
,13Bの発振スペクトルを表すグラフG13R,
G13G,G13G,G13Bを示す図である。図
に示すように、緑色レーザ発振器13Gと補助レーザ
発振器13Gの発振波長G13G,G13Gが近
接しているため、前述のように狭帯域のフィルターを使
用することで、補助レーザ発振器13Gのための画像
信号を得ることができる。
【0056】上述のようなフィルターFを備えたCCD
ビデオカメラにより画像情報をビデオ信号に生成する。
この方法は、RGB信号の他に補助レーザ光のための補
助信号を加えた4色の信号とする他は周知のビデオ信号
の生成と同様である。
【0057】次に、上記のように生成された画像信号に
より、投影表示装置1において画像を表示する作用を図
1及び図2を参照して説明する。上記のようにして生成
された画像情報は、CCDビデオカメラ又はこの画像情
報を録画したテープ等を再生するビデオデッキからイン
ターフェイス48を介してビデオ信号として入力する。
入力されたビデオ信号は、画像入力部47においてRG
Bと補助信号のそれぞれの分離信号に分けられる。この
分離信号に基づいて制御部40は、ポリゴンミラー制御
部16にポリゴンミラーの制御信号を送るとともに、レ
ーザ発振器制御部15にポリゴンミラー17,18の回
転に同期するように制御信号を送り、レーザ発振器制御
部15は、各レーザ発振器13R,13G,13
,13Bに駆動信号を送る。
【0058】このようにして発光された各レーザビーム
LB(R),LB(G),LB(B),LB(G
は、レーザ合成器14により1つの光路にまとめられ、
主走査ポリゴンミラー17によりスクリーン50上を水
平方向Xに走査される。但し、主走査は、スクリーン5
0への投射方向の誤差を考慮して、図2においてやや上
方から開始され、レーザビームLBがスクリーン50の
走査開始位置方向近傍に設けられた副走査ビームセンサ
20に入射し、副走査ビームセンサ20から制御部40
にSOS信号が送られるまではレーザビームLBの変調
は開始されない。この副走査ビームセンサ20からのS
OS信号があり、さらに、主走査ビームセンサ19にレ
ーザビームLBが入射したときに、主走査ビームセンサ
19からSOS信号が制御部40に送信され、制御部4
0は、このSOS信号に基づいてスクリーン50上の所
定場所から画像を投影するように画像信号に基づいて各
レーザ発振器13の変調を始める。このように1主走査
が終了すると、レーザビームLBの射出方向は副走査ポ
リゴンミラー18により、次の主走査線上に移動するの
で、再び主走査ビームセンサ19により送信されるSO
S信号により次の行の主走査が行われる。
【0059】このようにしてスクリーン50上にレーザ
ビームLBにより525回主走査を行って1/30秒毎
に1画面を表示する。このように高速で精細に走査する
ことで、従来表現できなかった色まで表現するフルカラ
ーの画面を高輝度で連続的に表示でき、なめらかな動画
を表示することができる。
【0060】なお、この場合、補助レーザ発振器13G
の発振波長は、赤色レーザ発振器13Rの発振波長の
略補色の関係にある。前述のように、補助レーザ発振器
13Gを発光して500nmのレーザビームLB(G
)を発振しても、赤色レーザ発振器13Rを発光して
いる場合は、混色により図5に示す4角形のそれぞれを
示す2つ頂点を結ぶ直線上で、両者の発光の強度により
決定される色になる。また、図5から分かるように補助
レーザ発振器13Gを発光させる必要があるのは、図
5における破線より左の部分の領域の色であり、赤色レ
ーザ発振器13Rがほとんど発光していない場合に限ら
れる。逆に言えば、もし赤色レーザ発振器13Rが発光
している時には補助レーザ発振器13Gを発光させる
意味は低い。そこで、本実施の形態では、赤色レーザ発
振器13Rが発光していないことを条件として、この補
助レーザ発振器13Gを発光させるように制御する。
このようにすることで不必要な補助レーザ発振器13G
の発光を排除している。逆に、補助レーザ発振器13
を発光させる画像信号が入力された場合には赤色レ
ーザ発振器13Rの発光をカットするように制御するよ
うにしてもよい。この場合も、500nm近傍の波長の
色が表示される時には、赤色レーザ発振器13Rが発光
すれば、色再現に濁りを生じ、澄んだ500nm近傍の
波長の色が再現しにくくなるからである。また、このよ
うに、補助レーザ発振器13Gを、主レーザ発振器1
3Mのいずれかと排他的に選択して使用することによ
り、制御が単純化する。そして、省電力化もはかること
ができる。これは、補助レーザ発振器が複数ある場合も
同様で、同時点灯を3灯までにすることで同様のメリッ
トが生じる。
【0061】投影表示装置1は、上記のような構成及び
作用を備えるため、従来再現できなかった色なども再現
できるようになり、再現できる色の領域が広く、より自
然の色に忠実な美しいカラー画像を表示できるという効
果がある。
【0062】以上、1の実施の形態に基づき本発明を説
明したが、本発明は上述した実施の形態に何ら限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
の変更をし実施することができる。例えば、レーザ発振
器を半導体レーザ及びSHG(非線形光学素子)を用い
てもよい。さらに、単一パッケージから複数のレーザ光
を発光する半導体レーザアレイでもよい。
【0063】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、請求項1
に係る発明の投影表示装置によれば、画像信号に基づ
き、加法混色の3原色の波長からなる3種類の主レーザ
光及び前記3原色の波長とは異なる波長からなる補助レ
ーザ光をそれぞれ発振するレーザ発振器と、そのレーザ
発振器から発振された各波長のレーザ光を一体的に走査
して、所定の画面上に所望の画像を投影するレーザスキ
ャナとを備えることを特徴とするため、補助レーザ光の
色の光を用いることで、3原色の波長の光では再現でき
ない色彩を再現することができるという効果がある。そ
のため、より自然の色に近い色再現ができるようになる
という効果を奏する。
【0064】請求項2に係る発明の投影表示装置では、
請求項1に記載の投影表示装置の効果に加え、前記補助
レーザ光は、前記主レーザ光のうち、少なくとも1種類
の主レーザ光が発振されない場合のみ発振されることを
特徴とするため、補助レーザ光を必要な場合だけ発振さ
せる制御を行うことができるという効果がある。
【0065】請求項3に係る発明の投影表示装置では、
請求項1又は請求項2に記載の投影表示装置の効果に加
え、前記補助レーザ光は、略500nmに設定されてい
ることを特徴とするため、特に従来の3原色では出すこ
とのできなかった500nm近傍の色彩が再現できると
いう効果がある。
【0066】請求項4に係る発明の投影表示装置では、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の投影表示装置
の効果に加え、前記画像信号は、前記3原色の波長に対
応する画像信号と、その3原色の波長とは異なる波長に
対応する画像信号とにより生成されていることを特徴と
するため、補助レーザ光を発振するレーザ発振器を備え
た投影表示装置において、この画像信号を用いて好適な
制御をすることができるという効果がある。そのため、
さらに色の再現性を高めることができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態である投影表示装置1
の主要構成を図示した模式図である。
【図2】レーザスキャナ部10を説明する模式図であ
る。
【図3】x,yに、JIS Z 8701(XYZ表色
系による色の表示方法)によるXYZ系の色度座標を用
いたCいえ色度図を示す図である。
【図4】CIE色度図において、従来の画像表示装置の
色再現域を示す図である。
【図5】CIE色度図において、本実施の形態の投影表
示装置1の色再現域を示す図である。
【図6】画像読み取り用のCCD上に配列するカラーフ
ィルターを模式的に示した図である。
【図7】本実施の形態の赤色フィルターFRの透過する
波長のスペクトルを示すグラフGFRと、比較のために
示す赤色レーザ発振器13Rの発振スペクトルを表すグ
ラフG13Rを示す図である。
【図8】従来の緑色フィルターFGの透過する波長の
スペクトルを示すグラフGFG と、比較のために示す
緑色レーザ発振器13Gの発振スペクトルを表すグラ
フG13Gを示す図である。
【図9】本実施の形態の青色フィルターFBの透過する
波長のスペクトルを示すグラフGFBと、比較のために
示す青色レーザ発振器13Bの発振スペクトルを表すグ
ラフG13Bを示す図である。
【図10】本実施の形態の補助フィルターFGの透過
する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較の
ために示す補助レーザ発振器13Gの発振スペクトル
を表すグラフG13Gを示す図である。
【図11】本実施の形態の緑色フィルターFGの透過
する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較の
ために示す緑色レーザ発振器13Gの発振スペクトル
を表すグラフG13Gを示す図である。
【図12】従来のフィルターFR,FG,FBの透過
する波長のスペクトルを示すグラフGFR,GFG
GFBと、比較のために示すレーザ発振器13R,13
,13Bの発振スペクトルを表すグラフG13R,
G13G,G13Bを示す図である。
【図13】本実施の形態のフィルターFR,FG,F
,FBの透過する波長のスペクトルを示すグラフG
FR,GFG,GFG,GFBと、比較のために示
すレーザ発振器13R,13G,13G,13Bの
発振スペクトルを表すグラフG13R,G13G,G
13G,G13Bを示す図である。
【符号の説明】
1 投影表示装置 2 本体 10 レーザスキャナ部 11 スキャナ 12 スキャナ制御部 13 レーザ発振器 13R 赤色レーザ発振器 13G 緑色レーザ発振器 13B 青色レーザ発振器 13G 補助レーザ発振器 14 レーザビーム合成器 14A 第1レーザビーム合成器 14B 第2レーザビーム合成器 14C 第3レーザビーム合成器 15 レーザ発振器制御部 16 ポリゴンミラー制御部 17 主走査ポリゴンミラー 18 副走査ポリゴンミラー 19 主走査ビームセンサ 20 副走査ビームセンサ 40 制御部 47 画像入力部 48 インタフェイス 50 スクリーン 51 fθレンズ LB レーザビーム LB(R) 赤色レーザビーム LB(G) 緑色レーザビーム LB(B) 青色レーザビーム LB(G) 補助レーザビーム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月12日(1999.1.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 投影表示装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を投影
し、これを走査することによりスクリーンに表示する投
影表示装置に関し、詳しくは補助用レーザ発振器を備え
た投影表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、カラー画像の表示装置では、
その色を忠実に再現するべく各種の方式が提案されてき
た。ここで、可視光として存在する色彩は、図3に示す
JISZ 8701が準拠したCIE(国際照明委員
会)のXYZ表色系(2°視野)のCIE1931色度
図において表されるように、いわゆる馬蹄形をしたスペ
クトル軌跡の範囲であり、図4に示すように、3原色を
用いた加法混色の場合に再現できる色の範囲は、その3
原色をそれぞれ図上に表した位置を頂点とした3角形の
内側の範囲の色になる。カラー画像の表示方法として、
例えばCRT(陰極線管)やLCD(液晶ディスプレ
イ)を用いたカラーディスプレイがあり、さらに近年N
TSC(National Television S
ystemCommittee)方式による高品位なテ
レビジョンやPDP(プラズマディスプレイ)や、LE
D(発光ダイオード)によるカラーディスプレイなどが
あるが、近年色の再現性が向上してきた。
【0003】また、特開平1−245780号公報、特
開平3−65916号公報、特開平4−181289号
公報に記載されているような加法混色の3原色であるレ
ッド(以下R)、グリーン(以下G)、ブルー(以下
B)のレーザ光をそれぞれ発振し、これらレーザ発振器
により出力されたレーザ光の光路を1つに合成して同時
加法混色を行い、この合成されたレーザ光をスクリーン
に投射し、これを高速に2次元走査することでスクリー
ン上にカラー画像等を表示する投影表示装置が提案され
ている。このような投影表示装置においては、加法混色
の3原色が、半導体レーザなどにより単波長に近い周波
数帯域で幅広い色の発色が可能なレーザ発振器により、
色再現の幅の広い且つ濁りのない色の表示ができるよう
になった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、色の再
現の範囲は3原色をそれぞれ図上に表した位置を頂点と
した3角形の内側の範囲に制限されるため、この3原色
を変更してこの3角形の位置を拡大し、移動させても、
前述の馬蹄形の範囲においては、この3角形でカバーで
きない部分ができ、即ち再現できない色彩が多く残され
てしまい自然な色の再現が困難であるという問題があっ
た。
【0005】この発明は上記課題を解決するものであ
り、再現できる色の領域が広く、より自然で美しいカラ
ー画像を表示できる投影表示装置を提供することを目的
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、請求項1に係る発明の投影表示装置では、画像信号
に基づき、加法混色の3原色の波長からなる3種類の主
レーザ光及び前記3原色の波長とは異なる波長からなる
補助レーザ光をそれぞれ発振するレーザ発振器と、その
レーザ発振器から発振された各波長のレーザ光を一体的
に走査して、所定の画面上に所望の画像を投影するレー
ザスキャナとを備えることを特徴とする。
【0007】この構成に係る発明の投影表示装置では、
補助レーザ光の色の光を用いることで、3原色の波長の
光では再現できない色彩を再現することが可能になり、
より自然の色に近い色再現ができるようになる。
【0008】請求項2に係る発明の投影表示装置では、
請求項1に記載の投影表示装置の構成に加え、前記補助
レーザ光は、前記主レーザ光のうち、少なくとも1種類
の主レーザ光が発振されない場合のみ発振されることを
特徴とする。
【0009】この構成に係る発明の投影表示装置では、
補助レーザ光を必要な場合だけ発振させる制御を行うこ
とができる。
【0010】請求項3に係る発明の投影表示装置では、
請求項1又は請求項2に記載の投影表示装置の構成に加
え、前記補助レーザ光は、略500nmに設定されてい
ることを特徴とする。
【0011】この構成に係る発明の投影表示装置では、
従来の3原色では出すことのできなかった500nm近
傍の色彩が再現できる。
【0012】請求項4に係る発明の投影表示装置では、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の投影表示装置
の構成に加え、前記画像信号は、前記3原色の波長に対
応する画像信号と、その3原色の波長とは異なる波長に
対応する画像信号とにより生成されていることを特徴と
する。
【0013】この構成に係る発明の投影表示装置では、
補助レーザ光を発振するレーザ発振器を備えた投影表示
装置において、この画像信号を用いて好適な制御をする
ことができ、色の再現性を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る投影表示装置
を好ましい1の実施の形態により、添付図面を参照して
説明する。ここで図1は、本発明に係る実施の形態であ
る投影表示装置1の主要構成を図示した模式図である。
まず最初に投影表示装置1の構成の概略について図1を
参照しながら説明する。
【0015】図1で示すように、投影表示装置1は、本
体2に収納されたレーザスキャナ部10、制御部40、
画像入力部47と、本体2からレーザビームLBを投射
されて画像を表示させるスクリーン50などから構成さ
れている。
【0016】投影表示装置1は、インタフェイス48を
介して画像入力部47に入力された画像データに基づい
て、制御部40からスキャナ制御部12に信号が送ら
れ、スキャナ制御部12のレーザ発振器制御部15で駆
動信号が生成されてレーザスキャナ部10に備えられた
赤色レーザ発振器13R、緑色レーザ発振器13G
青色レーザ発振器13B(図3参照、以下これらをまと
めて主レーザ発振器13Mという)と、補助レーザ発振
器13G(以上まとめてレーザ発振器13という。)
とが発振されて赤色レーザビームLB(R)、緑色レー
ザビームLB(G)、青色レーザビームLB(B)
(以下これらをまとめて主レーザビームLB(M)とい
う。)と、補助レーザビームLB(G)(以上をまと
めてレーザビームLBという。)とが発光・照射され、
レーザビームLBは、主走査ポリゴンミラー(回転多面
鏡)17及び副走査ポリゴンミラー18(以下まとめて
ポリゴンミラー17,18という。)により2次元的に
走査されながらスクリーン50を投射されて画像を形成
するものである。
【0017】制御部40は、図示しないCPUとRAM
とROMを備えた周知のコンピュータから構成されてい
る。ROMには投影表示装置1全体を制御する為のプロ
グラムが格納されており、このプログラムに従ってCP
Uにより入力処理・データ展開を行って画像データに基
づいてレーザスキャナ部10のレーザ発振器13の発光
を画像データに基づいて変調しながらポリゴンミラー1
7,18に同期させながら投射し、スクリーン50の画
面を2次元走査してスクリーン50上に画像を表示する
ものである。
【0018】スクリーン50は、レーザビームLBを受
けて、これを拡散しつつ透過させてユーザーに画像を観
察可能にするものであり、スクリーン50は、半透明乳
白色の拡散板から構成されている。なお、本実施の形態
では、スクリーン50と本体2とは、分離され移動可能
な開放型に構成されるが、これらを一体にして、レーザ
ビームLBが、ユーザーから直接見えないような密閉型
に構成されてもよい。さらに、スクリーン50を、反射
拡散板により構成された大型画面に投射するようなもの
であってもよい。要は、本体2に備えられたレーザスキ
ャナ部10により、画面が投影可能で、画像を表示でき
ればスクリーン50の形式は問わないものである。
【0019】ここで、図2は、レーザスキャナ部10を
説明する模式図である。以下この図2によりレーザスキ
ャナ部10の構造と作用を説明する。まず、レーザ発振
器13は、特定の色を発振するレーザ発振器を備え、7
00nmの赤色光を発光する赤色レーザ発振器13Rに
は、Krレーザが、450nmの青色光を発光する青色
レーザ発振器13Bには、He−Cdレーザが、520
nmの緑色光を発光する緑色レーザ発振器13G及び
500nmの明るい緑色光を発光する補助レーザ発振器
13Gには、Arレーザが好適に用いられる。
【0020】また、これらの4つのレーザ発振器13か
ら発光されるレーザビームLB(R),LB(G),
LB(B),LB(G)は、第1レーザビーム合成器
14A、第2レーザビーム合成器14B及び第3レーザ
ビーム合成器14C(以下レーザビーム合成器14とい
う。)により1つの光路をもつレーザビームLBに合成
される。
【0021】まず赤色レーザ発振器13Rと緑色レーザ
発振器13Gが第1レーザビーム合成器14Aにより
合成される。第1レーザビーム合成器14Aは、特定波
長は透過させ、他の波長は反射させるコーティングを施
されたダイクロイックミラー(波長選択反射板)から構
成されており、赤色レーザ発振器13Rから照射された
レーザビームLB(R)は透過させるが、緑色レーザ発
振器13Gから照射された緑色レーザビームLB(G
)は出力光の波長の違いにより反射させる材質から構
成される。そのため第1レーザビーム合成器14Aに、
直交して配設された赤色レーザ発振器13Rと緑色レー
ザ発振器13Gからそれぞれ射出された赤色レーザビ
ームLB(R)及び緑色レーザビームLB(G)は、
赤色レーザビームLB(R)がダイクロイックミラーを
透過して直進し、緑色レーザビームLB(G)がダイ
クロイックミラーにより反射してその光軸が直角に偏向
されるため、両者の光軸は同一方向に揃えられ、同一の
光軸をもつように調整される。
【0022】同様に、赤色レーザビームLB(R)と緑
色レーザビームLB(G)が合成されたものに第2の
レーザビーム合成器14Bにより、さらに青色レーザ発
振器13Bにより発光された青色レーザビームLB
(B)が合成され、主レーザビームLB(M)が合成さ
れる。
【0023】このようにして、生成された主レーザビー
ムLB(M)に加え、さらに、第3のレーザビーム合成
器14Cにより、主レーザビームLB(M)に補助レー
ザビームLB(G)が合成され、合成されたレーザビ
ームLBにより画面が走査される。
【0024】尚、これら3色のレーザビームLBの合成
は、ダイクロイックプリズムの他、波長による屈折率の
差を利用してプリズムにより光束を合成するような構成
のものであってもよく、要は3つの光束を1つの光路に
まとめられればよい。
【0025】次に、投影表示装置1のレーザビームLB
の走査の方法について図1及び図2を参照して説明す
る。レーザ発振器13により射出され、レーザビーム合
成器14により1つの光束にまとめられたレーザビーム
LBは、高速で回転する主走査ポリゴンミラー17に当
接する。主走査ポリゴンミラー17は、図2に示すよう
に底面に対して高さの低い正六角柱形状で、回転軸が水
平且つ、レーザビームLBに対して垂直な線を上方に平
行移動した位置に配置されているため、レーザビームL
Bは、この回転軸を中心に回転する6つの平面鏡により
下方に反射され、その光軸の向きは主走査ポリゴンミラ
ー17の回転により反射前のレーザビームLBの光軸と
の内角を大きくするように変化する。
【0026】このとき、主走査ポリゴンミラー17に反
射されたレーザビームLBは、所定角度の範囲外には投
射されないように、スキャナ制御部12に備えられたレ
ーザ発振器制御部15とポリゴンミラー制御部16によ
り制御される。又、このレーザ発振器制御部15とポリ
ゴンミラー制御部16による制御を調和させるため、主
走査ポリゴンミラー17により反射されたレーザビーム
LBの光軸が、主走査開始の位置のレーザビームLBの
光束が通過する位置の近傍に、主走査ビームセンサ19
を設けて、レーザビームLBの実際の位置を検出し、主
走査ポリゴンミラー17の回転にレーザ発振器13の発
光のタイミングを合わせている。ここで、主走査ビーム
センサ19が受光した光は、信号として制御部40に送
られるが、この信号を以下主走査SOS(Start
Of Scanning)信号と呼ぶ。この主走査SO
S信号を検知した制御部40は、この信号に基づいて演
算された走査開始位置に基づいてレーザ発振器制御部1
5に、画像データに基づいて変調されたレーザ発光の為
の信号を送出する。このようにして一列分のデータによ
り変調された信号が、レーザ発振器の駆動手段(ドライ
バ)であるレーザ発振器制御部15によりレーザ発振器
13にドライブ信号が送出されレーザビームLBが、副
走査ポリゴンミラー18に反射されてスクリーン50の
図2のX方向に走査され、スクリーン上に一列分の画像
が投影される。
【0027】一方、主走査ポリゴンミラー17に反射さ
れて偏向したレーザビームLBは、図2においてその下
方に位置する副走査ポリゴンミラー18に向かって反射
される。副走査ポリゴンミラー18は6枚の平面鏡を有
し底面に対して高さの大きい細長の六角柱の形状で、そ
の回転軸は水平で、スクリーン50と平行に、且つ主走
査ポリゴンミラー17よりスクリーン50に対して反対
方向に若干変位された位置に配置され、主走査ポリゴン
ミラー17により偏向される方向と同じ方向に平面鏡の
長手方向が配置される。そして、この副走査ポリゴンミ
ラー18は上端がスクリーン50に近づく方向に回転す
る。そのため主走査ポリゴンミラー17から反射されて
きたレーザビームLBは、さらにスクリーン50方向に
偏向されて、時間の経過とともに、偏向される内角が大
きくなるように、即ちスクリーン50のY方向にレーザ
ビームLBの移動する方向が変化する。
【0028】このように、水平の主走査を行いながら垂
直方向に副走査を行う。これは従来の周知のCRTの水
平走査及び垂直走査と同様の走査である。このようにし
て上端から下端まで繰り返し水平走査を行うと1画面が
表示されるが、副走査ポリゴンミラー18は一定の速度
で回転するので、制御部40で適当な間隔をおいて信号
を送出する。そうすれば、回転する副走査ポリゴンミラ
ー18の次の鏡面で次の画面の副走査を行うことができ
る。この副走査は電流により傾きを制御するガルバノメ
ータ(揺動一面鏡)を用いても可能であるが、ガルバノ
メータを用いた場合より、ポリゴンミラーを用いた方が
角速度に変化がないため、高速の走査を行う場合には特
にポリゴンミラーを用いることが好ましい。
【0029】なお、さらに厳密にいえば、主走査ポリゴ
ンミラー17により主走査の1ライン分を走査する間に
副走査ポリゴンミラー18が回転するので、これを補正
するように本実施の形態では副走査ポリゴンミラー18
の主走査方向側がやや下がった方向に傾けてセットされ
ている。
【0030】また、鉛直方向の走査の開始位置を検出す
るために、本来のスクリーン50上での走査開始位置の
僅か上方よりレーザ発振器13を点灯し、無変調でレー
ザビームLBが射出、主走査及び副走査がされる。そし
て、走査開始位置近傍に配置された副走査ビームセンサ
20にレーザビームLBが入射されると、副走査ビーム
センサ20から副走査SOS信号が制御部40に送出さ
れ、制御部40ではこの信号から実際の走査開始位置を
演算して、演算された所定時間後にレーザスキャナ部1
0のスキャナ制御部12に制御信号が送出され、スキャ
ナ制御部12はレーザ発振器13にドライブ信号を送出
して光量が変調され、主走査及び副走査が開始される。
【0031】以上のようにして、レーザビームLBによ
り、スクリーン50上に表示された画像は両側部が糸巻
き状の歪みを示し、上下方向には走査線間の間隔の不一
致を生じる。そのため、制御部40において、中央部の
走査のための変調時間を延長するか、上端、下端部の変
調時間を短縮することで、制御的に歪み補正をすること
が好ましく、或いは、fθレンズ51などを用いて光学
的に歪みを補正することが望ましい。
【0032】この走査は、本実施の形態では、一画面に
ついて主走査線(水平走査線)525本の走査を1/3
0秒の副走査(垂直走査)により行っており、ちらつき
の少ないスムーズな画面が投影可能となっている。
【0033】図1に戻り、説明を続けると、上述のよう
にスキャナ制御部12は、レーザ発振器制御部15と、
ポリゴンミラー制御部16とから構成されている。レー
ザ発振器制御部15は、制御部40から送出された微弱
な信号を駆動信号としてレーザ発振器13(図2参照)
に送出するドライバである。また、ポリゴンミラー制御
部16も、制御部40からの微弱な信号を受けて、主走
査ポリゴンミラー17及び副走査のポリゴンミラー18
を回転させるモータを駆動する駆動信号を送出するドラ
イバである。
【0034】画像入力部47は、投影すべき画像データ
を、外部から入力して記憶しておくバッファであり、こ
れをそれぞれの制御信号に分離する場所でもあるため、
記憶手段を有している。入力データとして、ビデオ信号
がインタフェイス48を介して入力される。もちろん画
像情報のデータはビデオ信号に限られず、何らかの方法
で画像情報が読みとれればよい。本実施の形態の投影表
示装置1においては、入力信号はRGBビデオ信号に補
助信号を加え、4色のビデオ信号による画像信号を用
い、これらの信号に基づいて画像を生成する。
【0035】ここで、この画像信号について説明する。
まず、人間の目が感じる色について説明すると、人間の
目が感じる色は網膜の3種の錐体が受ける刺激である3
刺激値に支配されている。そして、グラスマン(Gra
ssmann)の法則などで知られているように、すべ
ての色光は独立な3色の色光の混合で等色することがで
きる条件等色(メタメリズム・Metamerism)
が知られている。「メタメリズム」とは、人が、周囲の
状況が同じなら、等しい三刺激値を生じる分光組成の異
なる2種の光を区別できないことをいう。またここで
「独立な3色」とは、そのうちの1色が他の2色で等色
できないという意味である。
【0036】しかしながら、これは正確な表現ではない
ので、さらに説明すると以下のようになる。例えば、C
IEの標準のように赤(R)の原色光をλ=700n
m、緑(G)の原色をλ=546.1nm、青(B)の
原色をλ=435.8nmの単色光とする。そして、こ
の3色を用いて等色実験を行う。ここで「等色実験」と
は、RGBの3色の光源を準備し、このそれぞれの光源
のエネルギ強度を調節して混合を作り、この混合光で任
意の等色し、そのときの3原色のエネルギ量を記録し、
等色関数を求める実験である。「等色関数」とは、これ
らの3原色の各波長におけるエネルギ強度を関数にした
もので、この実験により導き出した等色関数には、負の
エネルギ値を示す部分がある。これは理論的には、如何
なる色も3原色の組み合わせでできるが、現実には、負
のエネルギ強度は出力できないので、3原色でも再現で
きない色があることを意味する。
【0037】具体的な例としては、例えば500nmの
単色光と等色するには、赤の原色光のエネルギを負にし
なければならない。即ち、実際の色光の混合により再現
できる色の範囲は、3原色の選び方により異なるためこ
のようなことが生じる。ある原色のセットを与えたと
き、その混合で再現できる色の範囲を、その原色の「色
再現域(Color Gamut)」という。即ち、カ
ラー画像表示装置においても、この3原色自体の発色に
より色再現域が決定付けられ、例えば、CRTディスプ
レーでは大きくは蛍光体の発色により決定付けられる。
冒頭に説明したように、従来のCRT、LCD、PD
P、LEDなどにより表示できる色再現域が狭かったの
は、これらの3原色自体の色再現に限界があったためで
ある。
【0038】この等色関数は、以下のような性質を有し
ている。まず、等色関数[r],[g],[b](通例
はバーを付して表示するがここでは便宜上角括弧を付け
て[r]のように表示する。)は、任意の色光Sを、与
えられた3原色R,B,Gの強度を調節して等色する
際、その強度r,g,bを色光S自身から求めるための
各波長に対する重み関数である。つまり、Sなる分光エ
ネルギーをもつ色光が3原色光R,B,Gで、式S≡r
R+gG+bB(≡は等色の関係とする。)の型で等色
されるとすると、r=S・[r],g=S・[g],b
=S・[b]になる。人が同じ色に見える色は、同じ3
原色値で測色されるように、メタメリズムを保って画像
表示するための画像信号は、等色関数の感度をもつ必要
があることがわかる。この原理は、実際カラーテレビな
どのカラー画像表示装置にも利用される。カラーテレビ
は赤、緑、青の3原色の蛍光体に当てる電子ビームの量
を調節して任意の色光Sを等色するものである。そし
て、その強度は、それぞれの等色関数に近似する3つの
感度をもつようなカラーフィルターを備えたCCDなど
の撮像素子を感光素子としたテレビカメラにより計測さ
れる。
【0039】また詳細な説明は省略するが、この等色関
数は、人間の網膜の3種の錐体の感度の線形変換であ
り、等色関数同士も線形変換の関係にある。従って、す
べての等色関数は、線形変換で移りあうことができると
いえる。そして、3原色光で等色するには、等色関数の
感度で画像信号の生成を行わなければならないので、画
像信号生成の条件は、等色関数の線形変換になっていな
ければならない。これを「ルーター条件」という。な
お、すべての色光は独立な3色の色光Sで等色できると
いえるが、これは画像信号の形成はその分光分布によら
ず3つの独立な任意の分光センサで行い結果を線形変換
さえすれば正しい画像表示ができる訳ではなく、正確な
色再現ができる画像信号を生成するには、等色関数の1
つで行わなければならない。また、画像信号生成のセン
サの分光感度が等色関数になっていなければ、線形変換
で正しい画像信号を得ることができない。そして、得ら
れた画像信号の値(r,g,b)は、その等色関数に対
応する3原色R,G,Bで、その色光を等色するための
強度である。センサの分光が等色関数であるということ
が、メタメリズムを実現するための条件なのであって、
これを満足していない場合には、人の目に違う色に見え
る光が、同じ色に測定されたり、その逆が起こる可能性
がある。さらに、3刺激値は3種の錐体に関する3刺激
値の線形変換であるといえる。以上のような意味で、3
刺激値は線形変換で移りあうといえるが、その3刺激値
は、正しく等色関数でセンスされているのが条件であ
る。従って、画像を形成する各波長のレーザ発振器13
と、これを駆動するための画像信号は同じ等色関数とす
る必要がある。そのため、補助レーザ発振器13G
より正確な色再現をするには、この発振波長である50
0nmの波長をセンサーによりセンスする必要がある。
【0040】上記のように、3刺激値は線形変換によっ
て移りあうので、色を測るには任意の1組の3原色を定
め、それにより定まる等色関数によって3刺激値を測定
すればよい。しかし、色を定量的に表すために、便宜的
に標準的な等色関数があれば便利であるので、その目的
としてCIEが1931年に定めた桿体の影響のない2
°視野のXYZ系がCIE−1931XYZ系としてS
tandard Colorimetric Obse
rverが定められて用いられる。ここでは、このCI
E−1931XYZ系を用いて説明する。
【0041】この等色関数[x],[y],[z](通
例はバーを付して表示するがここでは便宜上角括弧を付
けて[x]のように表示する。)は、上述の[r],
[g],[b]を線形変換したもので、計算の便のため
各等色関数は、すべての波長帯に亘って正の値をもち、
等色関数の1つである[y]は目の照度関数に一致し、
[x],[y],[z]の相対的な大きさは、この感度
で等エネルギー白色を測定したとき、3刺激値
([X],[Y],[Z])がグラフ上の曲線の下の面
積が一定になるように[X]=[Y]=[Z]となるよ
うにとられる。この性質のため、この等色関数に対応す
る3原色X,Y,Zは、実際には存在しない色光となっ
ている。等色関数[x],[y],[z]を用いたCI
E−1931XYZ系によれば、色光Sの色は、[X]
=S・[x],[Y]=S・[y],[Z]=S・
[z]の3刺激値で表される。
【0042】また、色光Sを明るさと色成分とで表した
い場合、輝度Yと色度(x,y)で表すことも行われ、
色度(x,y)は、次式で定義される。 x=[X]/([X]+[Y]+[Z]) y=[Y]/([X]+[Y]+[Z]) 色度は各波長でのエネルギが同じ割合で変化しても一定
であり、ある混色系での色の再現範囲を示すとき、よく
色度図が用いられる。ここで、図3は、x,yにJIS
Z 8701(XYZ表色系による色の表示方法)に
よるXYZ系の色度座標を用いたCIE色度図を示す図
である。
【0043】さらに等色関数[x],[y],[z]
は、その定義から単光色を等色する3刺激値であるが、
単光色の色度x(λ),y(λ)は、 x(λ)=[x](λ)/([x](λ)+[y]
(λ)+[z](λ)) y(λ)=[y](λ)/([x](λ)+[y]
(λ)+[z](λ)) という色で表される。
【0044】図3において、この単光色の色度x
(λ),y(λ)を色度図上に描くと、図3のSPに示
すように概ね馬蹄形の曲線を描く。この曲線をスペクト
ル軌跡SP(spectral locus)といい、
このスペクトル軌跡SPとその両端を線分でつないだ図
形の内部が、世の中に存在する色の存在範囲である。な
ぜなら、単光色の色度x(λ),y(λ)はスペクトル
軌跡SP上にあり、単光色以外のすべての色は単光色の
混色で得られるわけであるので、2色が混色された色の
色度x(λ),y(λ)は、2色の色度をつなぐ直線上
に存在するからである。
【0045】冒頭においても引用したが、図4は、この
CIE色度図において、従来の画像表示装置の色再現域
を示す図である(「ディスプレイの先端技術」1998
年9月25日・谷千束著・共立出版・183ページより
引用)。図上、LCD(液晶ディスプレイ)、CRT
(陰極線管)、NTSCのカラーテレビジョン、PDP
(プラズマディスプレイパネル)、LED(発光ダイオ
ード)を用いた画像表示装置では、それぞれ3原色とな
る発光体の色の波長に限界があるとともに、単波長では
ないため色の濁りを生じ、色再現域が狭かった。これら
に比較して、LS(レーザスキャナディスプレイ)を用
いた画像表示装置は、3原色を発光させるレーザ発振器
が、単波長で濁りのない純色が再現できること、又近年
の半導体の開発により幅広い波長のレーザ光を発振でき
るようになったことなどの理由から、図4のLSに示す
3角形のように、他の方式の画像表示装置と比較して格
段に広い色表示領域を達成することができるようになっ
た。
【0046】ここで図5は、前述CIE色度図におい
て、本実施の形態の投影表示装置1の色再現域を示す図
である。従来は、図4に示すようにいずれの方式を用い
ても3原色を用いて混色を行っていることには変わら
ず、スペクトル軌跡SPの描く馬蹄形の中で如何に3角
形の位置を定めても、このスペクトル軌跡SPの中をカ
バーすることができなかった。特に従来は前提となる3
原色の発色の限界を拡げることが課題であり、再現でき
ない可視光線の波長をなくすことまではそもそも課題と
はならなかった。このような中で、半導体レーザを初め
とする各種のレーザの開発によりレーザ発振器の発振波
長の種類が極めて多くなり、且つレーザスキャナディス
プレイが高速で精度の高いスキャニングができるように
なったためこの広範な波長を発振できるレーザ発振器を
用いた投射表示装置が可能になった。しかしながら、従
来の3原色を用いたものでは、再現できない色の領域が
あり、この再現できない色の領域のため、自然な色の再
現ができなかった。例えば、新緑の季節の木々の緑は、
500nm付近の波長による純色に近い色であるが、こ
のような彩度が大きい透明感のある緑は、従来如何なる
方法でも再現できなかった。本実施の形態の投影表示装
置1においては、補助レーザ光による4色目の色を混色
に用いることにより図5に示すような4角形の範囲の色
を再現して色再現域の拡大を達成し、自然な色調の再現
を可能にした。
【0047】なお、本実施の形態では、補助レーザ光を
1色のみ用い画像信号を4色のものとしているが、さら
に補助レーザを複数用いることで、色再現域の拡大が可
能になることは言うまでもない。
【0048】ここで、投影表示装置1に好適な画像信号
の生成について説明する。画像信号は、ビデオ信号を生
成する図示しないCCD(Charge Couple
dDevice)ビデオカメラを用いて生成するが、前
述のメタメリズムによれば、色の測定と再現には同一の
波長のセンサと発光体を用いるのが望ましいため、画像
読み取り用のCCDのカラーフィルターをレーザ発振器
13に合わせて4色にする必要がある。ここで、図6
は、この画像読み取り用のCCD上に配列するカラーフ
ィルターを模式的に示した図である。図6に示すよう
に、レーザ発振器13により発振されるレーザビームL
Bの波長に対応した4つのフィルターである赤色フィル
ターFR、緑色フィルターFG、青色フィルターF
B、補助フィルターFG(以下フィルターFとい
う。)がマトリックス状に配列されている。このフィル
ターFを通して、それぞれのレーザ発振器13に対応し
た信号が生成される。
【0049】以下、このフィルターFについて詳述す
る。図7は、赤色フィルターFRの透過する波長のスペ
クトルを示すグラフGFRと、比較のために示す赤色レ
ーザ発振器13Rの発振スペクトルを表すグラフG13
Rを示す図である。このグラフから分かるように、上述
のように赤色の画像信号を生成するために、これにセン
サを対応すべくCCDに赤色フィルターFRをかけて赤
色光を画像信号として記録し、他の波長の光は、カット
している。但し、レーザ発振器13Rの出力する波長に
対し、入力する波長の幅を広く取っているのは、信号形
成時の光量の確保のためである。このフィルターFR
は、広帯域のフィルターでよいので、製作が容易でコス
トの低い染料フィルターを用いることができる。なお、
780nmより長い波長の光線は、可視光ではないが、
CCDの赤外線感度の補正のためCM−500等の赤外
線カットフィルターを予め設置する。
【0050】図8は、従来の緑色フィルターFGの透
過する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較
のために示す緑色レーザ発振器13Gの発振スペクト
ルを表すグラフG13Gを示す図である。従来の緑色
フィルターにおいては、後述するような本実施の形態の
補助フィルターFGにおけるような狭帯域のフィルタ
ーは必要がないので、赤色フィルターFRと同様な広帯
域のフィルターを用いることができる。なお、従来の緑
色レーザ発振器は、本実施の形態の緑色レーザ発振器1
3Gと同一の発振波長示すため、従来の緑色レーザ
発振器も13Gとして説明する。
【0051】図9は、本実施の形態の青色フィルターF
Bの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFBと、
比較のために示す青色レーザ発振器13Bの発振スペク
トルを表すグラフG13Bを示す図である。この場合
も、上述の赤色フィルターFRや、従来の緑色フィルタ
ーFGと同様広帯域のフィルターで画像信号を入力さ
せる。
【0052】図10は、本実施の形態の透過する波長の
スペクトルを示すグラフGFGと、比較のために示す
補助レーザ発振器13Gの発振スペクトルを表すグラ
フG13Gを示す図である。500nmの波長を発振
する補助レーザ発振器13Gは、上述のような従来の
緑色フィルターFGのような広帯域のフィルターで
は、緑色レーザ発振器13Gの波長と近いため、透過
する波長域の狭い狭帯域のフィルターを使用する必要が
生じる。そのため図10のGFGに示すような、狭帯
域のフィルターFGを使用する。この狭帯域のフィル
ターは、染料フィルターでは製作できないため、干渉フ
ィルターを用いて透過光を選択する。
【0053】一方、図11は、本実施の形態の緑色フィ
ルターFGの透過する波長のスペクトルを示すグラフ
GFGと、比較のために示す緑色レーザ発振器13G
の発振スペクトルを表すグラフG13Gを示す図で
ある。この場合も、補助レーザ発振器13Gの発振波
長と重複しないように、510nm付近以下は透過しな
いようなフィルターFGを使用する。
【0054】図12は、従来のフィルターFR
FBの透過する波長のスペクトルを示すグラフG
FR,GFG,GFBと、比較のために示すレーザ発
振器13R,13G,13Bの発振スペクトルを表す
グラフG13R,G13G,G13Bを示す図であ
る。ここで示すように、従来は、3原色の波長が離れて
いたため、いずれも広帯域のフィルターを使用し、広い
範囲の波長を透過させる構成とすることができた。
【0055】図13は、本実施の形態のフィルターF
R,FG,FG,FBの透過する波長のスペクトル
を示すグラフGFR,GFG,GFG,GFBと、
比較のために示すレーザ発振器13R,13G,13
,13Bの発振スペクトルを表すグラフG13R,
G13G,G13G,G13Bを示す図である。図
に示すように、緑色レーザ発振器13Gと補助レーザ
発振器13Gの発振波長G13G,G13Gが近
接しているため、前述のように狭帯域のフィルターを使
用することで、補助レーザ発振器13Gのための画像
信号を得ることができる。
【0056】上述のようなフィルターFを備えたCCD
ビデオカメラにより画像情報をビデオ信号に生成する。
この方法は、RGB信号の他に補助レーザ光のための補
助信号を加えた4色の信号とする他は周知のビデオ信号
の生成と同様である。
【0057】次に、上記のように生成された画像信号に
より、投影表示装置1において画像を表示する作用を図
1及び図2を参照して説明する。上記のようにして生成
された画像情報は、CCDビデオカメラ又はこの画像情
報を録画したテープ等を再生するビデオデッキからイン
ターフェイス48を介してビデオ信号として入力する。
入力されたビデオ信号は、画像入力部47においてRG
Bと補助信号のそれぞれの分離信号に分けられる。この
分離信号に基づいて制御部40は、ポリゴンミラー制御
部16にポリゴンミラーの制御信号を送るとともに、レ
ーザ発振器制御部15にポリゴンミラー17,18の回
転に同期するように制御信号を送り、レーザ発振器制御
部15は、各レーザ発振器13R,13G,13
,13Bに駆動信号を送る。
【0058】このようにして発光された各レーザビーム
LB(R),LB(G),LB(B),LB(G
は、レーザ合成器14により1つの光路にまとめられ、
主走査ポリゴンミラー17によりスクリーン50上を水
平方向Xに走査される。但し、主走査は、スクリーン5
0への投射方向の誤差を考慮して、図2においてやや上
方から開始され、レーザビームLBがスクリーン50の
走査開始位置方向近傍に設けられた副走査ビームセンサ
20に入射し、副走査ビームセンサ20から制御部40
にSOS信号が送られるまではレーザビームLBの変調
は開始されない。この副走査ビームセンサ20からのS
OS信号があり、さらに、主走査ビームセンサ19にレ
ーザビームLBが入射したときに、主走査ビームセンサ
19からSOS信号が制御部40に送信され、制御部4
0は、このSOS信号に基づいてスクリーン50上の所
定場所から画像を投影するように画像信号に基づいて各
レーザ発振器13の変調を始める。このように1主走査
が終了すると、レーザビームLBの射出方向は副走査ポ
リゴンミラー18により、次の主走査線上に移動するの
で、再び主走査ビームセンサ19により送信されるSO
S信号により次の行の主走査が行われる。
【0059】このようにしてスクリーン50上にレーザ
ビームLBにより525回主走査を行って1/30秒毎
に1画面を表示する。このように高速で精細に走査する
ことで、従来表現できなかった色まで表現するフルカラ
ーの画面を高輝度で連続的に表示でき、なめらかな動画
を表示することができる。
【0060】なお、この場合、補助レーザ発振器13G
の発振波長は、赤色レーザ発振器13Rの発振波長の
略補色の関係にある。前述のように、補助レーザ発振器
13Gを発光して500nmのレーザビームLB(G
)を発振しても、赤色レーザ発振器13Rを発光して
いる場合は、混色により図5に示す4角形のそれぞれを
示す2つ頂点を結ぶ直線上で、両者の発光の強度により
決定される色になる。また、図5から分かるように補助
レーザ発振器13Gを発光させる必要があるのは、図
5における破線より左の部分の領域の色であり、赤色レ
ーザ発振器13Rがほとんど発光していない場合に限ら
れる。逆に言えば、もし赤色レーザ発振器13Rが発光
している時には補助レーザ発振器13Gを発光させる
意味は低い。そこで、本実施の形態では、赤色レーザ発
振器13Rが発光していないことを条件として、この補
助レーザ発振器13Gを発光させるように制御する。
このようにすることで不必要な補助レーザ発振器13G
の発光を排除している。逆に、補助レーザ発振器13
を発光させる画像信号が入力された場合には赤色レ
ーザ発振器13Rの発光をカットするように制御するよ
うにしてもよい。この場合も、500nm近傍の波長の
色が表示される時には、赤色レーザ発振器13Rが発光
すれば、色再現に濁りを生じ、澄んだ500nm近傍の
波長の色が再現しにくくなるからである。また、このよ
うに、補助レーザ発振器13Gを、主レーザ発振器1
3Mのいずれかと排他的に選択して使用することによ
り、制御が単純化する。そして、省電力化もはかること
ができる。これは、補助レーザ発振器が複数ある場合も
同様で、同時点灯を3灯までにすることで同様のメリッ
トが生じる。
【0061】投影表示装置1は、上記のような構成及び
作用を備えるため、従来再現できなかった色なども再現
できるようになり、再現できる色の領域が広く、より自
然の色に忠実な美しいカラー画像を表示できるという効
果がある。
【0062】以上、1の実施の形態に基づき本発明を説
明したが、本発明は上述した実施の形態に何ら限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
の変更をし実施することができる。例えば、レーザ発振
器を半導体レーザ及びSHG(非線形光学素子)を用い
てもよい。さらに、単一パッケージから複数のレーザ光
を発光する半導体レーザアレイでもよい。
【0063】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、請求項1
に係る発明の投影表示装置によれば、画像信号に基づ
き、加法混色の3原色の波長からなる3種類の主レーザ
光及び前記3原色の波長とは異なる波長からなる補助レ
ーザ光をそれぞれ発振するレーザ発振器と、そのレーザ
発振器から発振された各波長のレーザ光を一体的に走査
して、所定の画面上に所望の画像を投影するレーザスキ
ャナとを備えることを特徴とするため、補助レーザ光の
色の光を用いることで、3原色の波長の光では再現でき
ない色彩を再現することができるという効果がある。そ
のため、より自然の色に近い色再現ができるようになる
という効果を奏する。
【0064】請求項2に係る発明の投影表示装置では、
請求項1に記載の投影表示装置の効果に加え、前記補助
レーザ光は、前記主レーザ光のうち、少なくとも1種類
の主レーザ光が発振されない場合のみ発振されることを
特徴とするため、補助レーザ光を必要な場合だけ発振さ
せる制御を行うことができるという効果がある。
【0065】請求項3に係る発明の投影表示装置では、
請求項1又は請求項2に記載の投影表示装置の効果に加
え、前記補助レーザ光は、略500nmに設定されてい
ることを特徴とするため、特に従来の3原色では出すこ
とのできなかった500nm近傍の色彩が再現できると
いう効果がある。
【0066】請求項4に係る発明の投影表示装置では、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の投影表示装置
の効果に加え、前記画像信号は、前記3原色の波長に対
応する画像信号と、その3原色の波長とは異なる波長に
対応する画像信号とにより生成されていることを特徴と
するため、補助レーザ光を発振するレーザ発振器を備え
た投影表示装置において、この画像信号を用いて好適な
制御をすることができるという効果がある。そのため、
さらに色の再現性を高めることができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態である投影表示装置1
の主要構成を図示した模式図である。
【図2】レーザスキャナ部10を説明する模式図であ
る。
【図3】x,yに、JIS Z 8701(XYZ表色
系による色の表示方法)によるXYZ系の色度座標を用
いたCIE色度図を示す図である。
【図4】CIE色度図において、従来の画像表示装置の
色再現域を示す図である。
【図5】CIE色度図において、本実施の形態の投影表
示装置1の色再現域を示す図である。
【図6】画像読み取り用のCCD上に配列するカラーフ
ィルターを模式的に示した図である。
【図7】本実施の形態の赤色フィルターFRの透過する
波長のスペクトルを示すグラフGFRと、比較のために
示す赤色レーザ発振器13Rの発振スペクトルを表すグ
ラフG13Rを示す図である。
【図8】従来の緑色フィルターFGの透過する波長の
スペクトルを示すグラフGFGと、比較のために示す
緑色レーザ発振器13Gの発振スペクトルを表すグラ
フG13G を示す図である。
【図9】本実施の形態の青色フィルターFBの透過する
波長のスペクトルを示すグラフGFBと、比較のために
示す青色レーザ発振器13Bの発振スペクトルを表すグ
ラフG13Bを示す図である。
【図10】本実施の形態の補助フィルターFGの透過
する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較の
ために示す補助レーザ発振器13Gの発振スペクトル
を表すグラフG13Gを示す図である。
【図11】本実施の形態の緑色フィルターFGの透過
する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較の
ために示す緑色レーザ発振器13Gの発振スペクトル
を表すグラフG13Gを示す図である。
【図12】従来のフィルターFR,FG,FBの透過
する波長のスペクトルを示すグラフGFR,GFG
GFBと、比較のために示すレーザ発振器13R,13
,13Bの発振スペクトルを表すグラフG13R,
G13G,G13Bを示す図である。
【図13】本実施の形態のフィルターFR,FG,F
,FBの透過する波長のスペクトルを示すグラフG
FR,GFG,GFG,GFBと、比較のために示
すレーザ発振器13R,13G,13G,13Bの
発振スペクトルを表すグラフG13R,G13G,G
13G,G13Bを示す図である。
【符号の説明】 1 投影表示装置 2 本体 10 レーザスキャナ部 11 スキャナ 12 スキャナ制御部 13 レーザ発振器 13R 赤色レーザ発振器 13G 緑色レーザ発振器 13B 青色レーザ発振器 13G 補助レーザ発振器 14 レーザビーム合成器 14A 第1レーザビーム合成器 14B 第2レーザビーム合成器 14C 第3レーザビーム合成器 15 レーザ発振器制御部 16 ポリゴンミラー制御部 17 主走査ポリゴンミラー 18 副走査ポリゴンミラー 19 主走査ビームセンサ 20 副走査ビームセンサ 40 制御部 47 画像入力部 48 インタフェイス 50 スクリーン 51 fθレンズ LB レーザビーム LB(R) 赤色レーザビーム LB(G) 緑色レーザビーム LB(B) 青色レーザビーム LB(G) 補助レーザビーム
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像信号に基づき、加法混色の3原色の
    波長からなる3種類の主レーザ光及び前記3原色の波長
    とは異なる波長からなる補助レーザ光をそれぞれ発振す
    るレーザ発振器と、 そのレーザ発振器から発振された各波長のレーザ光を一
    体的に走査して、所定の画面上に所望の画像を投影する
    レーザスキャナとを備えることを特徴とする投影表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記補助レーザ光は、 前記主レーザ光のうち、少なくとも1種類の主レーザ光
    が発振されない場合のみ発振されることを特徴とする請
    求項1に記載の投影表示装置。
  3. 【請求項3】 前記補助レーザ光は、 略500nmに設定されていることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の投影表示装置。
  4. 【請求項4】 前記画像信号は、 前記3原色の波長に対応する画像信号と、その3原色の
    波長とは異なる波長に対応する画像信号とにより生成さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
    れかに記載の投影表示装置。
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