JP2000191980A - 自動車上塗り用クリヤ―塗料、自動車車体の複層塗膜形成方法及び自動車車体 - Google Patents

自動車上塗り用クリヤ―塗料、自動車車体の複層塗膜形成方法及び自動車車体

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JP2000191980A
JP2000191980A JP10370884A JP37088498A JP2000191980A JP 2000191980 A JP2000191980 A JP 2000191980A JP 10370884 A JP10370884 A JP 10370884A JP 37088498 A JP37088498 A JP 37088498A JP 2000191980 A JP2000191980 A JP 2000191980A
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coating
group
alcohol
resin
silicate
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Manabu Yoshioka
学 吉岡
Teruzo Azumai
輝三 東井
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐候性、耐汚染性を有し、貯蔵安定性に不備
が生じることがなく、しかも、塗装ラインでのサーキュ
レーション安定性に優れた自動車上塗り用クリヤー塗
料、それを用いた自動車車体の複層塗膜形成方法。 【解決手段】 硬化性樹脂組成物は、水酸基含有アクリ
ル樹脂若しくは水酸基含有ポリエステル樹脂及びメラミ
ン系硬化剤を樹脂成分とするものであり、アルコール変
性シリケート化合物(IV)若しくはシリケートグラフト
重合体(V)を含まないか、又は、含むものであり、ア
ルコール変性シリケート化合物(IV)及び前記シリケー
トグラフト重合体(V)を含まない場合には、前記硬化
性樹脂組成物の樹脂成分のうちの少なくとも1つは、シ
リケート化合物(A)をグラフトしてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性、洗車フリ
ーの優れた耐汚染性及び貯蔵安定性を有し、かつ、塗装
ラインでのサーキュレーション安定性に優れた自動車上
塗り用クリヤー塗料、自動車車体の複層塗膜形成方法及
び自動車車体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の上塗り用クリヤー塗料は、自動
車車体塗装用塗膜の最外層を構成するものであることか
ら、塗料としての最低限の性能である貯蔵安定性のほ
か、美粧性、耐候性等を基本性能として有することが要
求されている。
【0003】近年、更に、優れた外観を与える美粧性の
観点から、汚れが付着しにくく、繰り返し使用において
も不快感を与えることがないという美粧性を保持するこ
とが望まれている。
【0004】通常、自動車塗膜最外層は、使用者によっ
て、水洗により汚れを除去し、必要により更にワックス
をかけて表面の汚れを落とすことが行われている。高級
車の場合にはツヤ出しのためのワックスかけが美粧性の
観点から非常に重要となるが、実用車、例えば、商用車
の場合には、繰り返し使用においても不快感を与えるこ
とがないことが美粧性の観点から重要となる。
【0005】そこで、水洗により汚れを除去することを
特にしなくても表面の汚れが付着しない機能がより重要
性を帯びてくることとなる。つまり、表面に付着した汚
染物質が雨水等により洗い流され、除去作業のいらない
洗車フリーとするに必要な親水性を有するクリヤー塗膜
を提供すれば、使用者は洗車にかける手間を要すること
がなくなるので、そうした親水性を有する美粧性に優れ
た自動車上塗り用クリヤー塗料が望まれていた。
【0006】国際公開第94/06870号パンフレッ
ト(1994)には、オルガノシリケート及び/又はそ
の縮合物を配合してなる水酸基含有有機基体樹脂、及
び、アミノ樹脂架橋剤若しくは(ブロック化)ポリイソ
シアネート化合物架橋剤を反応硬化型有機樹脂として含
有する塗料組成物が開示されている。このオルガノシリ
ケートの好ましい具体例としては、テトラヒドロキシシ
ラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等
が挙げられている。
【0007】特開平7−331165号公報には、酸/
エポキシ硬化型塗料に、一分子中に少なくとも1個のシ
ラノール基及び/又は珪素原子に直接結合した加水分解
性基を有する珪素化合物を含有する硬化性塗料組成物で
形成される上塗り塗膜形成方法が開示されている。
【0008】特開平9−220516号公報には、ベー
スコート用塗料として、第3級アミノ基及び/又は酸基
を有する水性樹脂と、一分子中にエポキシ基と加水分解
性シリル基とを有する化合物とを含有する水性塗料を塗
装することよりなる自動車トップコート複層塗膜の形成
方法が開示されている。
【0009】特開平10−67844号公報には、ポリ
オール樹脂と、ブロックポリイソシアネート硬化剤又は
アミノ樹脂と、アルコキシシラン化合物の部分加水分解
縮合物をシランカップリング剤で処理したシランカップ
リング剤処理シリケート縮合体とを含む熱硬化性樹脂組
成物が開示されている。これらの技術は、比較的低分子
量のシリケート系化合物を含有することにより、上記し
た耐汚染性に関する問題点を解消しようとするものであ
る。
【0010】しかしながら、これらの技術で用いられて
いる比較的低分子量のシリケート系化合物は、水との反
応性が高い場合には、塗料の貯蔵安定性及び塗膜の耐水
性が著しく悪くなったり、貯蔵後の塗料から得られる塗
膜が充分な親水性を示さず、耐汚染性を充分に発揮でき
ないおそれが高く、水との反応性が低い場合には、充分
な耐汚染性が発揮できず、これらの比較的低分子量のシ
リケート系化合物を用いた塗料は、貯蔵安定性と耐汚染
性とのバランスが充分なものではなかった。
【0011】特開平10−140077号公報には、酸
/エポキシ硬化型塗料に、テトラメチルシリケート及び
/又はテトラエチルシリケートの縮合度2〜10の低縮
合物(シリケート低縮合物)を配合した自動車塗料が開
示されている。この技術も、上記した耐汚染性に関する
問題点を解消しようとするものである。
【0012】この技術で用いられているシリケート低縮
合物は、テトラメチルシリケート及び/又はテトラエチ
ルシリケートの低縮合物を用いることにより、アルコキ
シル基の炭素数を抑えて水との反応性を保たせる工夫を
している。そして、この塗料組成物による塗膜は、塗膜
表面近傍に多く存在するシリケート低縮合物のメトキシ
基又はエトキシ基が、曝露することや酸で処理すること
により水と反応して水酸基となり、当該水酸基に起因す
る高い親水性を示し、耐汚染性を発揮することを基本原
理とするものである。
【0013】しかしながら、シリケート低縮合物とし
て、反応性の高いメトキシ基のみを有するテトラメチル
シリケートの低縮合物を用いた場合、貯蔵初期の塗料を
用いた塗膜は、高い親水性を示して耐汚染性に優れたも
のとなるが、貯蔵期間が長くなると、塗料中において、
シリケート低縮合物同士が反応したり、シリケート低縮
合物とエポキシ樹脂中の水酸基とが反応したりして、粘
度上昇を起こして貯蔵安定性が著しく悪くなったり、貯
蔵後の塗料から得られる塗膜が充分な親水性を示さず、
耐汚染性を充分に発揮できない問題点を残している。
【0014】また、シリケート低縮合物として、エトキ
シ基のみを有するテトラエチルシリケートの低縮合物を
用いた場合、エトキシ基の反応性がメトキシ基よりも低
いので塗料の貯蔵安定性は比較的向上するが、得られる
塗膜は充分な親水性を示さず、耐汚染性を充分に発揮で
きないこととなる。
【0015】また、シリケート低縮合物として、テトラ
メチルシリケート及びテトラエチルシリケートの低縮合
物を用いた場合にも、シリケート低縮合物のケイ素原子
はメトキシ基又はエトキシ基のみを官能基として有する
ため、塗料としての貯蔵安定性に問題が生じ、貯蔵後に
用いる塗料から得られる塗膜の親水性が充分に発揮され
ない傾向があった。
【0016】更に、シリケート低縮合物は、塗膜表面に
高い親水性を与えるため、経時により塗膜中に水分を取
り込んで白化(白ボケ)して塗膜外観を悪くするおそれ
があった。
【0017】ところで、塗料を自動車塗装ラインにおい
て使用する際には、塗料仕込みタンク及び塗料搬送用パ
イプ中の塗料を均一化するために、塗料をギアーポン
プ、プランジャーポンプ等を用いて塗料仕込みタンク及
び塗料搬送用パイプ内を絶えず循環させるサーキュレー
ションが行われている。
【0018】自動車上塗り用クリヤー塗料に対してこの
ようなサーキュレーションを行うと、ポンプ付近で激し
い乱流が発生するため、塗料にシェアがかかり、循環経
路内壁で激しく衝突して、塗料中に微小な泡が内包さ
れ、見かけ上の粘度が変化して一定の塗装粘度が維持で
きず、また、塗出量が変動して塗装された塗膜の肉痩せ
感がでたり、ワキ等の外観不良が発生したりする原因と
なっていた。そこで、サーキュレーションによっても塗
膜の肉痩せ感、ワキ等の外観不良が起こらない性質(サ
ーキュレーション安定性)が望まれるようになってい
た。
【0019】ところで、塗料中には、水分が微量に含ま
れており、この水分の影響により、上述したようなシリ
ケート系化合物等のアルコキシシリル基がシラノール基
となり、塗料中において、アルコキシシリル基とシラノ
ール基との脱アルコール縮合反応、シラノール基同士の
脱水縮合反応、シラノール基と樹脂成分とによる縮合反
応による高分子化反応等が起こり、塗料の増粘や塗料中
に不溶性の高分子化反応による生成物(高分子化反応生
成物)が発生する等のおそれがあった。
【0020】また、塗料を自動車塗装ラインにおいてサ
ーキュレーションするときには、サーキュレーションし
ている塗料中に空気等が巻き込まれ、空気中の水分が取
り込まれて、塗料中に含有される水分量が多くなり、上
述したような塗料の増粘や塗料中に高分子化反応生成物
が発生する等の不備を生じ、塗装ラインの塗料仕込みタ
ンク及び塗料搬送用パイプ(サーキュレーション配管と
もいう)内や塗装機内で塗料がつまることや、スプレー
塗装時の霧化性が悪くなるおそれがあった。また、これ
らの高分子化反応により、得られる塗膜が、耐汚染性を
有さないものとなるおそれがあった。このような現象に
対するサーキュレーション安定性を向上させることも、
耐汚染性を有する自動車上塗り用クリヤー塗料に求めら
れる大きな課題であった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の現状
に鑑み、耐候性等の基本性能を有し、洗車フリーの優れ
た耐汚染性を有し、貯蔵安定性に不備が生じることがな
く、しかも、塗装ラインでのサーキュレーション安定性
に優れた自動車上塗り用クリヤー塗料を提供し、それを
用いた自動車車体の複層塗膜形成方法及び自動車車体を
も提供することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、硬化性樹脂組
成物及び脱水剤からなる自動車上塗り用クリヤー塗料で
あって、上記硬化性樹脂組成物は、水酸基含有アクリル
樹脂若しくは水酸基含有ポリエステル樹脂及びメラミン
系硬化剤を樹脂成分とするものであり、上記水酸基含有
アクリル樹脂及び上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、
数平均分子量(Mn)500〜20000、水酸基価5
〜200mgKOH/g(固形分換算)のものであり、
上記硬化性樹脂組成物は、アルコール変性シリケート化
合物(IV)若しくはシリケートグラフト重合体(V)を
含まないか、又は、含むものであり、上記硬化性樹脂組
成物が上記アルコール変性シリケート化合物(IV)及び
上記シリケートグラフト重合体(V)を含まない場合に
は、上記硬化性樹脂組成物の樹脂成分のうちの少なくと
も1つは、シリケート化合物(A)をグラフトしてなる
ものであり、上記シリケートグラフト重合体(V)は、
水酸基含有重合体(V−a)に上記シリケート化合物
(A)をグラフトしてなるものであり、上記アルコール
変性シリケート化合物(IV)の量及び/又は上記シリケ
ート化合物(A)のグラフト量は、上記樹脂成分全量に
対して、0.1〜30重量%(固形分換算)であり、上
記シリケート化合物(A)は、一般式(1);
【0023】
【化3】
【0024】(式中、mは、1〜50の整数を表す。R
1 は、異なるものを表してもよく、置換基を有するか又
は置換基を有しない炭素数1〜20の有機基を表す。)
で表されるものであり、上記アルコール変性シリケート
化合物(IV)は、一般式(2);
【0025】
【化4】
【0026】(式中、nは、1〜50の整数を表す。R
2 のうちの一部は、置換基を有するか若しくは置換基を
有しない炭素数2〜20のアルキル基及び/又は置換基
を有するか若しくは置換基を有しない炭素数7〜20の
アラルキル基を表し、残りのR 2 は、メチル基を表
す。)で表されるものである自動車上塗り用クリヤー塗
料である。
【0027】本発明はまた、自動車外板上に下塗り塗膜
層を形成し、着色顔料及び/又は光輝性顔料を含むベー
ス塗料を塗装した上に、上塗り用クリヤー塗料をウェッ
トオンウェットで塗装した後、加熱硬化させることより
なる自動車車体の複層塗膜形成方法であって、上記上塗
り用クリヤー塗料は、本発明の自動車上塗り用クリヤー
塗料である自動車車体の複層塗膜形成方法でもある。
【0028】本発明はまた、複層塗膜により塗装された
自動車車体であって、上記複層塗膜の最外層は、本発明
の自動車上塗り用クリヤー塗料により形成されたもので
ある自動車車体でもある。以下に本発明を詳述する。
【0029】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料は、
硬化性樹脂組成物及び脱水剤からなるものである。上記
硬化性樹脂組成物は、水酸基含有アクリル樹脂若しくは
水酸基含有ポリエステル樹脂及びメラミン系硬化剤を樹
脂成分とするものである。
【0030】上記水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含
有アクリル単量体と他のエチレン性不飽和基含有単量体
とを通常の方法により共重合することにより得ることが
できる。
【0031】上記水酸基含有アクリル単量体としては特
に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等のヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート類;プラクセルF
M−1(商品名、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートとポリカプロラクトンとの付加物、ダイセル化学
工業社製);ポリアルキレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート類等が挙げられる。これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書にお
いて、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/
又はメタクリレートを表す。
【0032】上記他のエチレン性不飽和基含有単量体と
しては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリ
レート類;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル
系単量体類;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポ
キシ基含有単量体類;ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト等のアミノ基含有単量体類;(メタ)アクリルアミ
ド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ブト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリ
ルアミド等のアクリルアミド系単量体類;アクリロニト
リル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げ
られる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0033】上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、多価
カルボン酸を主成分とした酸成分と、多価アルコールを
主成分としたアルコール成分とを通常の方法により重縮
合することにより得ることができる。
【0034】上記酸成分としては特に限定されず、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボ
ン酸等の芳香族ジカルボン酸類及びこれらの無水物;コ
ハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸類及びこれら
の無水物;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環式ジカルボン酸類及びこれらの無水物;γ−ブチロラ
クトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類;p−オキ
シエトキシ安息香酸等の芳香族モノカルボン酸類;トリ
メリット酸、トリメジン酸、ピロメリット酸等の3価以
上の多価カルボン酸類;これらの対応するヒドロキシカ
ルボン酸類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0035】上記アルコール成分としては特に限定され
ず、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジ
オール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジ
オール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサ
ンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−ドデ
カンジオール、1,2−オクタデカンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール等の脂肪族グリコール類;3−メチル−
1,5−ペンタンジオール等の側鎖を有する脂肪族グリ
コール類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール類;
ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、ビスフェ
ノールSアルキレンオキシド付加物等のビスフェノール
類;トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリ
スリトール等の3価以上の多価アルコール類等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0036】上記水酸基含有アクリル樹脂及び上記水酸
基含有ポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が5
00〜20000であり、酸価が100mgKOH/g
以下であり、水酸基価が5〜200mgKOH/gであ
り、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜60℃であ
る。
【0037】数平均分子量(Mn)が500未満である
と、塗膜の強度が低下又は塗膜の耐水性が低下し、20
000を超えると、上記水酸基含有アクリル樹脂及び上
記ポリエステル樹脂の粘度が高くなりすぎて取扱いが困
難となり、高固形分熱硬化性樹脂塗料になりにくい。酸
価が100mgKOH/gを超えると、上記水酸基含有
アクリル樹脂及び上記ポリエステル樹脂の粘度が高くな
りすぎて取扱いが困難となり、高固形分熱硬化性樹脂塗
料になりにくい。水酸基価が5mgKOH/g未満であ
ると、塗料の硬化性が不足し、かつ、下記するシリケー
ト化合物(A)のグラフト効率及びグラフト量が制限さ
れ、200mgKOH/gを超えると、塗膜の耐水性が
低下する。ガラス転移温度(Tg)が−20℃未満であ
ると、塗膜が軟弱なものになり、60℃を超えると、塗
膜が不均一になりやすく、塗膜が硬くなりすぎクラック
の原因となりやすい。
【0038】好ましくは、数平均分子量(Mn)が80
0〜20000であり、酸価が2〜50mgKOH/g
であり、水酸基価が30〜200mgKOH/gであ
り、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜40℃である。な
お、本明細書において、酸価及び水酸基価は、固形分換
算の値であり、数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー)で測定したポリ
スチレン換算の数平均分子量である。
【0039】上記メラミン系硬化剤は、アミノ樹脂及び
/又はブロックポリイソシアネート化合物である。上記
アミノ樹脂としては特に限定されず、例えば、メラミン
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル樹脂、
尿素樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、メラ
ミン樹脂及びベンゾグアナミン樹脂が一般的である。
【0040】上記メラミン樹脂は、アルキルエーテル化
してアルキルエーテル化メラミン樹脂とすることがで
き、このうちメトキシ基及び/又はブトキシ基で置換さ
れたメラミン樹脂が好ましい。
【0041】上記メトキシ基及び/又はブトキシ基で置
換されたメラミン樹脂としては、メトキシ基を単独で有
するものとしては、サイメル325、サイメル327、
サイメル370、メトキシ基とブトキシ基との混合タイ
プとしては、サイメル202、サイメル204、サイメ
ル232、サイメル235、サイメル236、サイメル
238、サイメル254、サイメル266、サイメル2
67(いずれも商品名、三井サイテック社製)、ブトキ
シ基を単独で有するものとしては、マイコート506
(商品名、三井サイテック社製)、ユーバン20N6
0、ユーバン20SE(いずれも商品名、三井化学社
製)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。また、上記ベンゾグアナミン
樹脂についても同様に置換されたものが使用できる。
【0042】上記ブロックポリイソシアネート化合物
は、ポリイソシアネート化合物をブロック剤でブロック
したものである。上記ポリイソシアネート化合物は、1
分子中に少なくと2個のイソシアネート基をもつ化合物
であれば特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族ジイソシアネ
ート類;イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の
脂環式ジイソシアネート類;キシリレンジイソシアネー
ト(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート類;ト
リレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香族ジイソ
シアネート類;ダイマー酸ジイソシアネート(DD
I)、水素化されたTDI(HTDI)、水素化された
XDI(H6XDI)、水素化されたMDI(H12M
DI)等の水添ジイソシアネート類;これらのジイソシ
アネート化合物の2量体、3量体、更に高分子量のポリ
イソシアネート類;トリメチロールプロパン等の多価ア
ルコール若しくは水、又は、低分子量ポリエステル樹脂
との付加物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0043】上記ブロック剤としては特に限定されず、
例えば、メチルエチルケトオキシム、アセトキシム、シ
クロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベ
ンゾフェノンオキシム等のオキシム類;m−クレゾー
ル、キシレノール等のフェノール類;メタノール、エタ
ノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、シクロ
ヘキサノール、エチレングリコールモノエチルエーテル
等のアルコール類;ε−カプロラクタム等のラクタム
類、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エステル等のジケト
ン類;チオフェノール等のメルカプタン類;チオ尿素等
の尿素類;イミダゾール類;カルバミン酸類等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0044】上記ポリイソシアネート化合物を上記ブロ
ック剤でブロックする方法としては特に限定されず、例
えば、通常の方法により、フリーのイソシアネート基が
なくなるまで反応させる方法等が挙げられる。
【0045】上記ブロックポリイソシアネート化合物と
しては、市販品を用いることができ、例えば、デスモジ
ュールシリーズ(商品名、住友バイエルウレタン社
製)、バーノックDシリーズ(商品名、大日本インキ化
学工業社製)、タケネートBシリーズ(商品名、武田薬
品工業社製)、コロネート2500シリーズ(商品名、
日本ポリウレタン工業社製)等が挙げられる。これらの
中でも、オキシム、ラクタム又はジケトンでブロックし
たものが好ましい。
【0046】本発明で用いられるメラミン硬化型の硬化
性樹脂組成物は、上記水酸基含有アクリル樹脂又は上記
水酸基含有ポリエステル樹脂の上記水酸基価に対して、
上記水酸基価の当量以上のイソシアナート基が含まれる
ように上記メラミン系硬化剤を配合するのが好ましい。
【0047】具体的に、上記メラミン系硬化剤の配合
は、上記水酸基含有アクリル樹脂又は上記水酸基含有ポ
リエステル樹脂と上記メラミン系硬化剤との重量比を8
/2〜5/5、好ましくは7/3〜6/4とするのが好
ましい。ポリイソシアネート化合物の場合、上記水酸基
価の当量の0.8〜1.5倍の範囲の配合であれば差し
支えない。上記水酸基価の当量の0.8倍未満である
と、塗料の硬化性が充分でなく、軟弱な塗膜しか得られ
ず、硬度のみならず塗膜の耐薬品性及び耐汚染性も低下
し、1.5倍を超えると、塗膜の強度、硬度、加工性、
耐薬品性等が低下し、黄変性や耐候性も低下しやすい。
好ましくは、1.0〜1.2倍である。
【0048】本発明で用いられる硬化性樹脂組成物の第
一の形態は、アルコール変性シリケート化合物(IV)及
びシリケートグラフト重合体(V)を含まない場合であ
る。この場合には、上記硬化性樹脂組成物の樹脂成分の
うちの少なくとも1つは、上記シリケート化合物(A)
をグラフトしてなるものである。
【0049】即ち、上記アルコール変性シリケート化合
物(IV)及び上記シリケートグラフト重合体(V)を含
まない場合には、上記硬化性樹脂組成物の樹脂成分のう
ちの少なくとも1つがシリケート化合物(A)をグラフ
トしてなるものとすることにより、本発明の自動車上塗
り用クリヤー塗料に耐汚染性を付与しようとするもので
ある。
【0050】上記第一の形態においては、上記水酸基含
有アクリル樹脂又は上記水酸基含有ポリエステル樹脂が
上記シリケート化合物(A)をグラフトしてなるもので
ある場合等が挙げられる。
【0051】なお、上記水酸基含有アクリル樹脂又は上
記水酸基含有ポリエステル樹脂の一部が上記シリケート
化合物(A)をグラフトしていればよく、その全部が上
記シリケート化合物(A)をグラフトしている必要はな
い。
【0052】また、これらの場合には、上記アルコール
変性シリケート化合物(IV)及び上記シリケートグラフ
ト重合体(V)を含む必要がなくなるので、製造工程が
簡素化する点で好ましい。
【0053】本発明で用いられる硬化性樹脂組成物の第
二の形態は、上記アルコール変性シリケート化合物(I
V)又は上記シリケートグラフト重合体(V)を含む場
合である。この場合には、上記シリケートグラフト重合
体(V)は、水酸基含有重合体(V−a)に上記シリケ
ート化合物(A)をグラフトしてなるものである。
【0054】そして、上記アルコール変性シリケート化
合物(IV)又は上記シリケートグラフト重合体(V)を
含む上記第二の形態においては、上記水酸基含有アクリ
ル樹脂又は上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、上記シ
リケート化合物(A)をグラフトしてなるものであって
も、上記シリケート化合物(A)をグラフトしてなるも
のでなくてもよい。
【0055】即ち、この場合には、上記水酸基含有アク
リル樹脂又は上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、 (1)
上記シリケート化合物(A)をグラフトしてなるもので
ある場合、 (2)上記シリケート化合物(A)をグラフト
してなるものではない場合等が挙げられる。
【0056】なお、上記水酸基含有アクリル樹脂又は上
記水酸基含有ポリエステル樹脂が上記シリケート化合物
(A)をグラフトしてなるものであるときには、上記水
酸基含有アクリル樹脂又は上記水酸基含有ポリエステル
樹脂の一部が上記シリケート化合物(A)をグラフトし
ていればよく、その全部が上記シリケート化合物(A)
をグラフトしている必要はない。
【0057】本発明で用いられる硬化性樹脂組成物を構
成する上記第一の形態及び上記第二の形態のいずれの形
態においても、上記樹脂成分のいずれかは、上記シリケ
ート化合物(A)をグラフトしてなる重合体であるか、
及び/又は、上記アルコール変性シリケート化合物(I
V)若しくは上記シリケートグラフト重合体(V)を含
むものである。
【0058】本発明で用いられるシリケートグラフト重
合体(V)は、水酸基含有重合体(V−a)にシリケー
ト化合物(A)をグラフトしてなるものである。上記水
酸基含有重合体(V−a)は、水酸基を含有する重合体
であれば特に限定されず、例えば、水酸基含有アクリル
樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有アルキ
ド樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。上記水酸基含有アクリル樹
脂としては特に限定されず、例えば、上述したものと同
様のもの等が挙げられる。
【0059】上記水酸基含有ポリエステル樹脂及び水酸
基含有アルキド樹脂としては特に限定されず、例えば、
上述した水酸基含有ポリエステル樹脂や、その重縮合に
おいて、必要により半乾性油、不乾性油等を用いること
により得られるもの等が挙げられる。
【0060】上記半乾性油としては特に限定されず、例
えば、大豆油、サフラワー油、トール油等が挙げられ
る。上記不乾性油としては特に限定されず、例えば、ヤ
シ油、ヒマシ油等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。上記水酸基含有ポ
リエステル樹脂及び上記水酸基含有アルキド樹脂は、油
長40%以下のものである。好ましくは油長30%以下
である。
【0061】上記水酸基含有重合体(V−a)は、水酸
基を有すれば、更に、カルボキシル基、エポキシ基等を
有していてもよい。上記水酸基含有重合体(V−a)
は、水酸基価が20〜200mgKOH/gであり、数
平均分子量(Mn)が500〜10000であることが
好ましい。
【0062】水酸基価が20mgKOH/g未満である
と、グラフト効率及びグラフト量が制限され、200m
gKOH/gを超えると、塗膜の耐水性が低下する。数
平均分子量(Mn)が500未満であると、塗膜の強度
が低下し、10000を超えると、塗料の粘度が高くな
り、外観が低下する。好ましくは、水酸基価が40〜1
50であり、数平均分子量が800〜8000である。
【0063】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料にお
ける上記アルコール変性シリケート化合物(IV)の量及
び/又は上記シリケート化合物(A)のグラフト量は、
上述した樹脂成分全量に対して、上記アルコール変性シ
リケート化合物(IV)及び/又は上記シリケート化合物
(A)の全量として0.1〜30重量%である。上記ア
ルコール変性シリケート化合物(IV)及び/又は上記シ
リケート化合物(A)の量が0.1重量%未満である
と、塗膜の親水性の発現が充分ではなく、耐汚染性が劣
り、30重量%を超えると、塗膜が優れた外観性を保つ
のに充分な耐水性を有さないおそれがある。好ましくは
3〜25重量%であり、より好ましくは5〜20重量%
である。なお、上記重量%は、固形分換算の値であり、
上記樹脂成分全量とは、上記シリケートグラフト重合体
(V)を含む場合には、上記水酸基含有重合体(V−
a)を含む量とする。
【0064】本発明で用いられるシリケート化合物
(A)は、一般式(1);
【0065】
【化5】
【0066】で表されるものである。上記一般式(1)
中、mは、1〜50の整数を表す。R1 は、異なるもの
を表してもよく、置換基を有するか又は置換基を有しな
い炭素数1〜20の有機基を表す。
【0067】上記一般式(1)中、mが50を超える
と、シリケート化合物(A)をグラフトしてなる重合体
の粘度が高くなり、塗膜表面に展開しにくくなる。シリ
ケート化合物(A)をグラフトしてなる重合体を適度な
粘度とする観点から、mは、5〜30が好ましい。より
好ましくは7〜20、更に好ましくは10〜15であ
る。
【0068】上記置換基を有するか又は置換基を有しな
い炭素数1〜20の有機基は、シリケート化合物(A)
をグラフトしてなる重合体が、塗装時にウェットな塗膜
中で塗膜表面に展開して塗膜表面近傍に多く存在しやす
くする、即ち、適度に他の樹脂成分との相溶性を少なく
するとの観点から、炭素数が1〜10のものが好まし
い。
【0069】上記置換基を有するか又は置換基を有しな
い炭素数1〜20の有機基としては特に限定されず、例
えば、置換基を有するか又は置換基を有しない炭素数1
〜20である、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、アシル基等が挙げられる。これら
の中でも、置換基を有するか又は置換基を有しない炭素
数1〜20であるアルキル基及びアラルキル基が好まし
い。
【0070】上記置換基を有するか又は置換基を有しな
いアルキル基としては特に限定されず、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ア
ミル基、イソアミル基、ネオアミル基、ヘキシル基、ヘ
プチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖
状又は分岐状のものが挙げられる。これらの中でも、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基が好ましい。
【0071】上記置換基を有するか又は置換基を有しな
いシクロアルキル基としては特に限定されず、例えば、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記アリール基としては特に限定されず、例えば、フェ
ニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
【0072】上記置換基を有するか又は置換基を有しな
いアラルキル基としては特に限定されず、例えば、ベン
ジル基、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル
基、4−クロロベンジル基、2−ブロモベンジル基、3
−ブロモベンジル基、4−ブロモベンジル基、2−ヨー
ドベンジル基、3−ヨードベンジル基、4−ヨードベン
ジル基、ジクロロベンジル基等のハロゲン化ベンジル
基;2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4
−メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、3,4,5
−トリメチルベンジル基、4−エチルベンジル基、4−
イソプロピルベンジル基、4−ブチルベンジル基、4−
tert−ブチルベンジル基等のアルキル置換ベンジ
ル;ジメトキシベンジル基、2−エトキシベンジル基、
3−エトキシベンジル基、4−エトキシベンジル基、4
−ブトキシベンジル基、2−メトキシベンジル基、3−
メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基等のアル
コキシ置換ベンジル基;フェネチル基、ベンゾイン基、
フェニルプロピル基のベンジル基類、フェネチル基類等
が挙げられる。これらの中でも、ベンジル基、クロロベ
ンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メト
キシベンジル基が好ましい。
【0073】上記置換基を有するか又は置換基を有しな
いアシル基としては特に限定されず、例えば、アセチ
ル、プロピニオル、ブチリル、エトキシカルボニル、プ
ロポキシカルボニル等が挙げられる。
【0074】上記置換基を有するか若しくは置換基を有
しない炭素数1〜20の有機基の一部又は全部は、塗膜
が充分な親水性を発揮するとの観点から、メチル基、エ
チル基、プロピル基であることが好ましい。これらの中
でもメチル基が最も好ましい。
【0075】また、塗膜が充分な親水性を発揮し、か
つ、充分な貯蔵安定性を有するとの観点から、上記有機
基の一部がメチル基であることがより好ましい。
【0076】上記シリケート化合物(A)の具体例とし
ては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロ
ポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−
sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシ
シラン、テトラ−n−ペントキシシラン、テトラ−is
o−ペントキシシラン、テトラネオペントキシシラン
等;それらの1種又は2種以上の縮合物等が挙げられ
る。
【0077】また、上記シリケート化合物(A)として
は、下記式(3)で表されるメチルシリケート及び/若
しくはその縮合物、又は、下記式(4)で表されるエチ
ルシリケート及び/若しくはその縮合物を反応基質とし
て、アルコール交換反応させて得られるものも挙げられ
る。
【0078】この場合、上記シリケート化合物(A)
は、メチルシリケート及び/若しくはその縮合物、又
は、エチルシリケート及び/若しくはその縮合物のメチ
ル基又はエチル基の一部が、アルコール交換反応により
変性されたアルコール変性シリケート化合物である。
【0079】
【化6】
【0080】上記式中、pは、上述したmと同様であ
る。
【0081】
【化7】
【0082】上記式中、qは、上述したmと同様であ
る。
【0083】上記メチルシリケート及び/又はその縮合
物としては特に限定されず、例えば、「MS−51」、
「MS−56」(いずれも商品名、三菱化学社製)等の
市販品が挙げられる。
【0084】上記エチルシリケート及び/又はその縮合
物としては特に限定されず、例えば、「エチルシリケー
ト40」、「エチルシリケート48」、「エチルシリケ
ート28」(いずれも商品名、コルコート社製)等の市
販品が挙げられる。
【0085】上記アルコール交換反応は、上記メチルシ
リケート及び/若しくはその縮合物、又は、上記エチル
シリケート及び/若しくはその縮合物を反応基質とし
て、アルコール化合物を反応試剤として反応させること
により行う。
【0086】上記アルコール化合物としては、置換基を
有するか又は置換基を有しない炭素数2〜20のアルキ
ルアルコール化合物、置換基を有するか又は置換基を有
しない炭素数7〜20のアラルキルアルコール化合物が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0087】上記置換基を有するか又は置換基を有しな
い炭素数2〜20のアルキルアルコール化合物としては
特に限定されず、例えば、エチルアルコール、プロピル
アルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチル
アルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコ
ール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オク
チルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等のア
ルキルアルコール化合物;メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ブ
チルジグリコール等のエーテルアルコール化合物等が挙
げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0088】上記置換基を有するか又は置換基を有しな
い炭素数7〜20のアラルキルアルコール化合物として
は特に限定されず、例えば、ベンジルアルコール、2−
クロロベンジルアルコール、3−クロロベンジルアルコ
ール、4−クロロベンジルアルコール、2−ブロモベン
ジルアルコール、3−ブロモベンジルアルコール、4−
ブロモベンジルアルコール、2−ヨードベンジルアルコ
ール、3−ヨードベンジルアルコール、4−ヨードベン
ジルアルコール、ジクロロベンジルアルコール等のハロ
ゲン化ベンジルアルコール;2−メチルベンジルアルコ
ール、3−メチルベンジルアルコール、4−メチルベン
ジルアルコール、ジメチルベンジルアルコール、3,
4,5−トリメチルベンジルアルコール、4−エチルベ
ンジルアルコール、4−イソプロピルベンジルアルコー
ル、4−ブチルベンジルアルコール、4−tert−ブ
チルベンジルアルコール等のアルキル置換ベンジルアル
コール;ジメトキシベンジルアルコール、2−エトキシ
ベンジルアルコール、3−エトキシベンジルアルコー
ル、4−エトキシベンジルアルコール、4−ブトキシベ
ンジルアルコール、2−メトキシベンジルアルコール、
3−メトキシベンジルアルコール、4−メトキシベンジ
ルアルコール等のアルコキシ置換ベンジルアルコール;
フェネチルアルコール、ベンゾイン、フェニルプロパノ
ール等のベンジルアルコール類、フェネチルアルコール
類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0089】上記アルコール交換反応の際にはアルコー
ル交換触媒を用いてもよい。上記アルコール交換触媒と
しては特に限定されず、例えば、酸又は塩基が挙げられ
る。上記酸としては特に限定されず、例えば、塩酸、硫
酸、燐酸、スルホン酸等のブレンステッド酸;有機スズ
化合物等のルイス酸等が挙げられる。上記塩基としては
特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、ジイソプ
ロピルエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジアザ
ビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシ
クロ[5,4,0]ウンデセン−7等の第3級アミン等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0090】上記アルコール交換反応の際の溶媒は、特
に使用しなくてもよいが、例えば、反応試剤であるアル
コール化合物を溶媒として、上記反応基質に対して過剰
に用いてもよい。
【0091】上記溶媒としては特に限定されず、例え
ば、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水
素;ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;THF、
ジオキサン等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル類;ジメチルカーボメート、アセトニ
トリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0092】上記溶媒の使用量としては特に限定され
ず、例えば、反応基質であるメチルシリケート及び/若
しくはその縮合物、又は、エチルシリケート及び/若し
くはその縮合物と反応試剤であるアルコール化合物との
合計重量に対して、10倍量以下であることが好まし
い。
【0093】上記アルコール交換反応の際の反応基質で
あるメチルシリケート及び/又はその縮合物、又は、エ
チルシリケート及び/若しくはその縮合物と反応試剤で
あるアルコール化合物との割合としては特に限定され
ず、例えば、アルコール化合物が反応基質に対して少な
くとも1モル%以上で、変性に必要な量又はそれ以上の
量となるようにすればよい。
【0094】上記アルコール交換反応は、変性によって
生成するメタノールを、アゼオトロピックに留去して行
ってもよい。
【0095】上記アルコール交換反応の反応温度として
は特に限定されず、一般に、0℃〜200℃である。反
応時間としても特に限定されず、例えば、24時間以内
であることが好ましい。反応時の圧力としても特に限定
されず、一般に、常圧であるが、必要に応じて、生成す
るメタノールを留去するために減圧下で行ってもよい。
【0096】上記アルコール交換反応における反応率
は、生成したメタノールの量の測定、NMRスペクトル
又はGC(ガスクロマトグラフィー)分析等により調べ
ることができる。上述したようにして得られる生成物
は、一般に、無色〜薄黄色の油状物質である。
【0097】上記シリケート化合物(A)は、上述のよ
うにアルコール交換反応によっても得ることができる
が、その他の製造方法として、例えば、重合性ポリシロ
キサン化合物又は連鎖移動能を有するシラン化合物と単
官能性単量体とを共重合する方法によっても得ることが
できる。上記シリケート化合物(A)としては、塗膜の
親水性発現機構から、メチルシリケートの縮合物が最も
好ましい。
【0098】本発明で用いられる水酸基含有アクリル樹
脂にシリケート化合物(A)をグラフトしてなるもの、
水酸基含有ポリエステル樹脂にシリケート化合物(A)
をグラフトしてなるもの、及び、水酸基含有重合体(V
−a)にシリケート化合物(A)をグラフトしてなるシ
リケートグラフト重合体(V)等は、それぞれの上記重
合体に上記シリケート化合物(A)をグラフト反応によ
りグラフトしてなるものである。上記シリケート化合物
(A)は、1種のものを用いてもよく、2種以上のもの
を用いてもよい。
【0099】上記グラフト反応の方法としては特に限定
されず、通常の方法より行うことができ、例えば、無溶
媒で行ってもよく、有機溶媒中で行ってもよい。
【0100】上記有機溶媒としては特に限定されず、例
えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類等が挙げられ、蒸留等の操作によって溶媒を容
易に除去できる観点から、沸点が100℃以下のものが
好ましい。
【0101】上記グラフト反応における反応温度及び反
応時間は、原料の種類によっても異なるが、通常、室温
〜150℃で、24時間以内の範囲であることが好まし
い。反応温度が室温より低いと、シリケート化合物
(A)が充分にグラフトされず、150℃を超えるか又
は24時間を超えると、シリケート化合物(A)同士の
縮合が生じる。上記グラフト反応における圧力は、1×
10-3〜7600Torrの範囲であることが好まし
い。
【0102】上記シリケート化合物(A)をグラフトし
てなる重合体のR1 O−基、特にメトキシ基の場合は、
経時により水酸基となりやすいことから、塗膜表面の水
接触角が低くなり、塗膜に親水性が付与される。従っ
て、塗膜表面に付着した汚染物質が洗い流されやすくな
るため、塗膜に高い耐汚染性が発現するものと考えられ
る。また、メトキシ基等の存在により、上記シリケート
化合物(A)をグラフトしてなる重合体は他の樹脂成分
と適度な相溶性を有しており、形成された塗膜表面にお
いては充分な耐汚染性が発揮される。
【0103】更に、上記シリケート化合物(A)をグラ
フトしてなる重合体は、テトラメチルシリケート及び/
又はテトラエチルシリケートの低縮合物とは異なり、上
記シリケート化合物(A)の最も反応性の高いアルキル
基と上述した水酸基含有重合体の水酸基とが反応し、上
記シリケート化合物(A)の最も反応性の高い部分をブ
ロックするため、塗料貯蔵中に縮合反応や他の樹脂成分
と反応を起こしにくく、塗料の貯蔵安定性に優れ、貯蔵
後の塗料から得られる塗膜も充分な親水性を示し、塗膜
表面に高い耐汚染性を、貯蔵後も安定的に発現する。
【0104】また、上記シリケート化合物(A)をグラ
フトしてなる重合体は、テトラメチルシリケート及び/
又はその低縮合物とは異なり、上述した樹脂成分に上記
シリケート化合物(A)をグラフトしてなるため、塗料
中の他の樹脂成分との相溶性に優れ、塗装後における親
水基の塗膜表層への局在化が適度に抑えられることか
ら、耐水性が向上する。
【0105】本発明で用いられるアルコール変性シリケ
ート化合物(IV)は、一般式(2);
【0106】
【化8】
【0107】で表されるものである。上記一般式(2)
中、nは、1〜50の整数を表す。R2 のうちの一部
は、置換基を有するか若しくは置換基を有しない炭素数
2〜20、好ましくは炭素数3〜15のアルキル基及び
/又は置換基を有するか若しくは置換基を有しない炭素
数7〜20のアラルキル基を表し、残りのR2 は、メチ
ル基を表す。
【0108】上記一般式(2)中、nが50を超える
と、得られるアルコール変性シリケート化合物(IV)の
粘度が高くなり、塗膜表面に移行しにくくなる。得られ
るアルコール変性シリケート化合物(IV)が、塗膜を加
熱硬化するときに塗膜表面から揮発しにくくし、また、
適度な粘度とする観点から、nは、5〜30が好まし
い。より好ましくは7〜20、更に好ましくは10〜1
5である。
【0109】上記置換基を有するか若しくは置換基を有
しない炭素数2〜20、好ましくは炭素数3〜15のア
ルキル基及び置換基を有するか若しくは置換基を有しな
い炭素数7〜20のアラルキル基は、それぞれ、炭素数
が3〜10、炭素数が7〜10のものが更に好ましい。
炭素数が上記未満では、反応性が高すぎ、貯安性が悪く
なり、上記を超えると、親水性機能が出なくなる。
【0110】上記アルコール変性シリケート化合物(I
V)の製造方法としては特に限定されず、例えば、反応
基質として上記式(3)で表されるメチルシリケート及
び/又はその縮合物をアルコール交換反応させる方法が
挙げられる。この場合、上記アルコール変性シリケート
化合物(IV)は、メチルシリケート及び/又はその縮合
物のメチル基の一部が、アルコール交換反応により変性
されたものである。
【0111】上記アルコール交換反応は、反応基質とし
て上記メチルシリケート及び/又はその縮合物に、反応
試剤としてアルコール化合物を反応させることにより行
い、上述したアルコール交換反応と同様にして行うこと
ができる。
【0112】上記アルコール化合物としては、置換基を
有するか又は置換基を有しない炭素数2〜20、好まし
くは炭素数3〜15のアルキルアルコール化合物、置換
基を有するか又は置換基を有しない炭素数7〜20のア
ラルキルアルコール化合物が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0113】上記置換基を有するか又は置換基を有しな
い炭素数2〜20、好ましくは炭素数3〜15のアルキ
ルアルコール化合物としては特に限定されず、例えば、
上述したアルキルアルコール化合物と同様のもの等が挙
げられる。これらの中でも、プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、ブチルセロソルブ、メトキシプロパ
ノール、エトキシプロパノールを用いるのが好ましい。
【0114】上記置換基を有するか又は置換基を有しな
い炭素数7〜20のアラルキルアルコール化合物として
は特に限定されず、例えば、上述したアラルキルアルコ
ール化合物と同様のもの等が挙げられる。これらの中で
も、ベンジルアルコール、クロロベンジルアルコール、
メチルベンジルアルコール、エチルベンジルアルコー
ル、メトキシベンジルアルコールを用いるのが好まし
い。
【0115】上記アルコール変性シリケート化合物(I
V)のメトキシ基は、経時により水酸基となりやすいこ
とから、塗膜表面の水接触角が低くなり、塗膜に親水性
が付与される。従って、塗膜表面に付着した汚染物質が
洗い流されやすくなるため、塗膜に高い耐汚染性が発現
するものと考えられる。
【0116】また、メトキシ基の存在により、上記アル
コール変性シリケート化合物(IV)は他の樹脂成分と適
度な相溶性を有しており、形成された塗膜表面において
は充分な耐汚染性が発揮される。
【0117】更に、アルコール交換反応により得られる
上記アルコール変性シリケート化合物(IV)は、例え
ば、R2 がメチル基の場合、テトラメチルシリケート縮
合体のメチル基のうち最も活性の高いメチル基から順
に、炭素数の多いアルキル基又はアラルキル基に置換さ
れ、活性の高い部分がブロックされるため、単なるテト
ラメチルシリケート縮合体とは異なり、塗料貯蔵中に縮
合反応や他の樹脂成分と反応を起こしにくく、塗料の貯
蔵安定性に優れ、貯蔵後の塗料から得られる塗膜も充分
な親水性を示し、塗膜表面に高い耐汚染性を、貯蔵後も
安定的に発現する。
【0118】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料は、
脱水剤を含んでなる。上記脱水剤は、塗料中に含まれる
水分を減少させるものであれば特に限定されず、例え
ば、水と反応して加水分解し、炭素数1〜4の低級アル
コール化合物を生成するもの等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0119】上記脱水剤としては、具体的には、オルト
ギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸ト
リブチル等のオルトギ酸トリアルキル類;オルト酢酸ト
リメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリブチ
ル等のオルト酢酸トリアルキル類;オルトホウ酸トリエ
チル、オルトホウ酸トリブチル等のオルトホウ酸トリア
ルキル類等の加水分解性エステル化合物類等が挙げられ
る。
【0120】これらの中でも、空気中の水分による塗料
への影響も抑制することができる点より、オルトギ酸ト
リメチル、オルトギ酸トリエチル、オルト酢酸トリメチ
ル、オルト酢酸トリエチルが好ましい。
【0121】上記脱水剤の配合量としては特に限定され
ず、通常、上述した樹脂固形分合計100重量部に対し
て、0.1〜5重量部が好ましい。0.1重量部未満で
あると、塗料中の水分を充分に脱水することができず、
5重量部を超えると、硬化剤成分等との副反応がおこる
おそれがある。より好ましくは、0.5〜3重量部であ
る。上記自動車上塗り用クリヤー塗料は、上記脱水剤の
加水分解を促進するものとして、脱水促進剤を含んでも
よい。
【0122】上記自動車上塗り用クリヤー塗料は、樹脂
等に含まれる水分や空気中の水分によって、塗料中に微
量の水分を含有するが、上記脱水剤を含まない場合に
は、塗料の貯蔵中に、塗料中の水分により、上記アルコ
ール変性シリケート化合物(IV)及び/又は上記シリケ
ート化合物(A)をグラフトしてなる重合体のR2 O−
基及び/又はR1 O−基の一部が水酸基となり、水酸基
同士の反応、水酸基とR2O−基及び/又はR1 O−基
との反応、水酸基と上述した樹脂成分の官能基との反応
等による高分子化反応等が起こり、塗料の増粘や高分子
化反応生成物の発生等をおこすおそれがあり、上記脱水
剤を含むことにより、塗料中の水分量が減少することか
ら、R2 O−基及び/又はR1 O−基が水酸基となるの
を抑制し、塗料の増粘や高分子化生成物の発生等を防ぐ
ことができる。
【0123】また、上記脱水剤を含まない場合には、上
記自動車上塗り用クリヤー塗料を自動車塗装ラインにお
いてサーキュレーションするときには、サーキュレーシ
ョンしている塗料中に空気等が巻き込まれ、空気中の水
分が取り込まれて、塗料中に含有される水分量が多くな
り、上述したような塗料の増粘や高分子化反応生成物の
発生をおこす等のおそれが更に大きくなり、サーキュレ
ーション安定性に不備を生じ、塗装ラインの塗料仕込み
タンク及び塗料搬送用パイプ内や塗装機内で塗料がつま
ることや、スプレー塗装時の霧化性が悪くなり、得られ
る塗膜が耐汚染性を有さないものとなるおそれがある。
【0124】上記脱水剤を含むことにより、シリケート
化合物と水との反応を抑制でき、サーキュレーション後
でも優れた耐汚染性を発現することができる。従って、
上述したように、塗料の増粘や高分子化反応生成物の発
生等を防ぐことができることから、塗装ラインの塗料仕
込みタンク及び塗料搬送用パイプ内や塗装機内で塗料が
つまることがなく、スプレー塗装時の霧化性が優れ、得
られる塗膜が安定的に耐汚染性を発現することができる
サーキュレーション安定性に優れたものとなる。
【0125】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料は、
更に、消泡剤を含んでなるのが好ましい。上記消泡剤
は、一般的に、塗料中又は塗膜形成時において、破泡作
用又は抑泡作用をもつものであり、硬化性樹脂組成物に
対して溶解度が低く、発泡する膜表面への展開性があ
り、硬化性樹脂組成物表面の表面張力を少なくするもの
である。本発明で用いられる消泡剤は、水トレランスが
0.5〜3.0mlのものであるのが好ましい。水トレ
ランスが0.5未満であると、極性が低すぎて、親水性
に劣ることから、硬化性樹脂組成物に対して溶解度が高
すぎるために発泡する膜表面への展開性に劣り、硬化性
樹脂組成物表面の表面張力を少なくすることができない
ことから充分に消泡することができず、3.0mlを超
えると、極性が高すぎて、硬化性樹脂組成物に対して溶
解度が低すぎるために塗膜表面へ展開して、上記アルコ
ール変性シリケート化合物(IV)及び上記シリケート化
合物(A)をグラフトしてなる重合体が塗膜表面に展開
しにくくなり、塗膜表面に充分な耐汚染性を発現しにく
くなる。好ましくは0.6〜2.5mlであり、より好
ましくは0.7〜2.0mlであり、更に好ましくは
0.8〜1.8mlである。
【0126】上記水トレランスは、以下のようにして測
定することができる。測定温度を20℃として、消泡剤
0.5gを100mlのビーカーに秤量し、アセトン1
0mlをホールピペットを用いて加え、マグネティック
スターラーにより溶解する。次に、10mlのビュレッ
トを用いて、蒸留水を、アセトンに溶解した塗料中に滴
下して、濁りが生じた点の滴下量を水トレランスとす
る。
【0127】上記消泡剤としては、上述した性質を有す
るものであれば特に限定されず、例えば、アクリル系重
合物、エーテル系重合物、シリコーン系重合物、ビニル
系重合物、エステル系重合物、フッ素系重合物等の消泡
剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0128】これらの中でも、アクリル系重合物、ビニ
ル系重合物、エステル系重合物が好ましい。より好まし
くはアクリル系重合物である。シリコーン系重合物及び
フッ素系重合物は、通常、塗膜表面に浮きやすく、その
ため上記アルコール変性シリケート化合物(IV)及び上
記シリケート化合物(A)をグラフトしてなる重合体が
塗膜表面に展開しにくくなり、塗膜表面に充分な耐汚染
性を発現しにくくなる。
【0129】上記消泡剤の配合量は、上述した樹脂成分
全量に対して、0.01〜5重量%である。0.01重
量%未満であると、消泡効果が劣り、サーキュレーショ
ン安定性や塗装作業性に劣り、5重量%を超えると、塗
膜にハジキが発生するおそれがある。好ましくは0.1
〜3重量%である。なお、上記重量%は、固形分換算の
値である。
【0130】上記消泡剤としては、具体的には、ディス
パロンOX−750、ディスパロンOX−881、ディ
スパロンOX−883、ディスパロンAP−10、ディ
スパロンAP−20、ディスパロンAP−30、ディス
パロンLC−915、ディスパロンLC−1983(い
ずれも商品名、楠本化成社製)、フローレンAC−30
0、フローレンAC−303(いずれも商品名、共栄社
製)等が挙げられる。
【0131】上記消泡剤を用いることにより、自動車塗
装ラインにおいてサーキュレーションするときに、塗料
中に発生する微小な泡を消すことができることから、塗
装粘度及び塗布量を一定に保ち、塗膜の肉痩せ感、ワ
キ、色相変化等の外観不良の発生を抑え、上記自動車上
塗り用クリヤー塗料の塗装作業において、自動車上塗り
用クリヤー塗膜として必要な膜厚となるように塗装して
も、ピンホール、泡等の外観不良の発生を抑えることが
できる。また、上述したように、上記消泡剤としてアク
リル系重合物を用いることにより、サーキュレーション
安定性と塗装作業性とに優れ、かつ、耐汚染性に優れた
自動車上塗り用クリヤー塗料を得ることができる。
【0132】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料にお
いては、上記熱硬化性樹脂組成物に上記アルコール変性
シリケート化合物(V)及び/又は上記シリケート化合
物(A)をグラフトしてなる重合体を含むことから、上
述したアルコール交換反応によって上記アルコール変性
シリケート化合物(V)及び/又は上記シリケート化合
物(A)を得る際に用いる反応試剤であるアルコール化
合物を溶剤として添加してもよい。
【0133】上記アルコール化合物の添加量は、上記シ
リケート化合物(A)及び/又は上記アルコール変性シ
リケート化合物(V)100重量部に対して、10〜2
00重量部であることが好ましい。上記アルコール化合
物を添加することにより、上記自動車上塗り用クリヤー
塗料の貯蔵中に、上記シリケート化合物(A)をグラフ
トしてなる重合体及び/又は上記アルコール変性シリケ
ート化合物(V)を安定化させることができ、また、加
熱硬化工程における塗膜異常を防止することができる。
【0134】本発明で用いられるメラミン硬化剤が上記
ブロックポリイソシアネートの場合には、硬化触媒を用
いることができる。上記硬化触媒としては特に限定され
ず、例えば、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズオ
クテート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合
物類;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、
チタニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタ
ニウムビス(アセチルアセトナート)、チタニウムビス
(ブトキシ)ビス(アセチルアセトナート)、チタニウ
ムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトナー
ト)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルア
セトナート)、ジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビ
ス(アセチルアセトナート)等の金属キレート化合物類
等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。これらの中でも、有機スズ化合物
類が一般的である。
【0135】本発明で用いられるメラミン硬化剤が上記
アミノ樹脂の場合にも、硬化触媒を用いることができ
る。上記硬化触媒としては特に限定されず、例えば、ド
デシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸
類;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1−ジホスホン酸等の有機ホスホン
酸類;これらのアミン塩等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0136】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料に
は、架橋密度を上げ、耐水性の向上を図るためのメラミ
ン・ホルムアルデヒド樹脂、塗膜の耐候性向上のための
紫外線吸収剤や光安定剤等、レオロジーコントロールの
ためのマイクロジェルや表面調整剤、粘度調整等のため
の希釈剤等を配合してもよい。
【0137】上記紫外線吸収剤、光安定剤としては特に
限定されず、例えば、チヌビン−900(チバスペシャ
リティーケミカル社製)、サノールLS−292(三共
社製)等が挙げられる。上記希釈剤としては特に限定さ
れず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール系溶剤;ハイドロカーボ
ン、エステル等の溶剤が挙げられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0138】上記硬化触媒の配合量は、樹脂固形分合計
に対し、0.01〜3.0重量%が好ましい。また、上
記希釈剤の配合量は、上記希釈剤を添加した塗料の総重
量に対し、最高60重量%、特に20〜55重量%が好
ましい。
【0139】上記自動車上塗り用クリヤー塗料は、通
常、顔料を含まないものであるが、塗膜の透明感を損な
わない程度に、着色顔料を含めてもよい。上記顔料とし
ては特に限定されず、例えば、酸化鉄、酸化鉛、カーボ
ンブラック、コールダスト、二酸化チタン、タルク、硫
酸化バリウム、カドミウムイエロー、カドミウムレッ
ド、クロムイエロー、金属顔料(例えば、アルミニウム
フレーク等)、有機顔料(例えば、フタロシアニンブル
ー、シンカシヤレッド等)、パールマイカ等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0140】上記自動車上塗り用クリヤー塗料の固形分
含有量は、25〜70重量%であり、好ましくは35〜
65重量%である。また、塗布時における固形分含有量
は、15〜65重量%であり、好ましくは30〜60重
量%である。
【0141】上記自動車上塗り用クリヤー塗料の調製法
としては特に限定されず、上述した各配合物を攪拌機等
により攪拌することにより行うことができ、上記顔料の
分散は、ニーダー、ロール等を用いて混練することによ
り行うこともできる。
【0142】また、上記シリケート化合物(A)をグラ
フトしてなる重合体及び/又はアルコール変性シリケー
ト化合物(IV)を、塗布する前に塗料中に添加して混合
してもよく、塗料を製造する段階で、予め塗料中に添加
して混合しておいてもよい。予め塗料中に添加して混合
しておく場合には、加水分解や縮合反応が進行しないよ
うに、水が混入しない条件で保管しておくことが好まし
い。
【0143】上記自動車上塗り用クリヤー塗料の形態と
しては、例えば、有機溶剤を媒体とした溶剤型塗料、非
水ディスパージョン塗料、粉体塗料等が挙げられる。
【0144】上記自動車上塗り用クリヤー塗料は、スプ
レー塗装、刷毛塗り塗装、浸漬塗装、静電塗装、ロール
塗装、流れ塗装等により塗装することができる。上記自
動車上塗り用クリヤー塗料は、硬化温度が100〜18
0℃、好ましくは120〜160℃で高い架橋度の硬化
塗膜となる。硬化時間は、硬化温度等により変化する
が、120〜160℃で10〜30分が適当である。
【0145】形成される上記自動車上塗り用クリヤー塗
料による乾燥膜厚は、一般に10〜80μm程度が好ま
しく、より好ましくは15〜60μm程度である。乾燥
膜厚が10μm未満であると、下地が隠蔽できず、80
μmを超えると、塗装時にワキ、タレ等の不具合が起こ
ることもある。
【0146】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料は、
上述したように、上記アルコール変性シリケート化合物
(IV)及び上記シリケート化合物(A)をグラフトして
なる重合体が塗料貯蔵中に縮合反応や他の樹脂成分と反
応を起こしにくいために、貯蔵安定性に優れている。
【0147】本発明で用いられる硬化性樹脂組成物の硬
化反応は、水酸基含有アクリル樹脂又は水酸基含有ポリ
エステル樹脂とメラミン系硬化剤との硬化反応に加え、
シリケート化合物(A)をグラフトしてなる重合体中の
1 O−基が触媒の存在により、加水分解縮合すると同
時に水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル
樹脂又はメラミン系硬化剤と反応して硬化が進行すると
考えることもできる。
【0148】従って、本発明の自動車上塗り用クリヤー
塗料により形成された硬化塗膜は堅固な構造となり、耐
候性、耐薬品性、耐擦傷性等に優れることとなる。ま
た、上記自動車上塗り用クリヤー塗料にアルコール変性
シリケート化合物(IV)及び/又はシリケート化合物
(A)をグラフトしてなる重合体を含を含むことより、
アルコール変性シリケート化合物(IV)及び/又はシリ
ケート化合物(A)をグラフトしてなる重合体が塗膜表
面に展開して、アルコール変性シリケート化合物(IV)
及び/又はシリケート化合物(A)をグラフトしてなる
重合体が塗膜表面近傍に多く存在したウェットな塗膜が
形成され、次いで加熱硬化されることにより、塗膜表面
にはアルコール変性シリケート化合物(IV)及び/又は
シリケート化合物(A)をグラフトしてなる重合体に由
来するメトキシ基等が多く存在し、上述したように耐汚
染性を発現することができる。
【0149】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料によ
り形成された硬化塗膜には、酸と反応させることにより
親水性が付与されるが、経時により徐々に耐汚染性を付
与してもよく、予め酸で処理することにより初期の段階
から耐汚染性を付与してもよい。
【0150】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料は、
上述したように、耐汚染性を発現することができる成分
として、アルコール変性シリケート化合物(IV)及び/
又はシリケート化合物(A)をグラフトしてなる重合体
を含むことより、比較的低分子量のシリケート系化合物
を含む場合に比べて、貯蔵安定性に不備が生じることが
なく、その硬化塗膜は、高い架橋密度を有するために耐
候性等の基本性能を有し、高い親水性を有するために洗
車フリーで美粧性を維持することができ、しかも、サー
キュレーション安定性に優れることから、増粘をおこす
等のおそれがなく、自動車塗装ラインに好適に用いるこ
とができるものである。
【0151】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料は、
自動車外板上に下塗り塗膜層(電着塗膜層、又は、必要
により中塗り塗膜層)を形成し、着色顔料及び/又は光
輝性顔料を含むベース塗料を塗装した上に、上塗り用ク
リヤー塗料をウェットオンウェットで塗装した後、加熱
硬化させることよりなる自動車車体の複層塗膜形成方法
に適用することができる。
【0152】上記自動車外板に用いられる基材としては
特に限定されず、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ス
ズ、亜鉛等、これらの合金及び鋳造物等の金属;ガラ
ス;プラスチック;発泡体等が挙げられる。上記自動車
上塗り用クリヤー塗料は、特にプラスチック及び金属に
有利に用いることができるが、カチオン電着塗装可能な
金属製品に特に好適に用いることができる。上記自動車
外板としては特に限定されず、例えば、乗用車、トラッ
ク、オートバイ、バス等の自動車車体及び部品等が挙げ
られる。これらの金属は、予めリン酸塩、クロム酸塩等
で化成処理されたものが特に好ましい。
【0153】上記下塗り塗膜層としては特に限定され
ず、例えば、電着塗膜により形成してもよく、電着塗膜
及び中塗り塗膜により形成してもよい。
【0154】上記電着塗膜の形成は、カチオン型又はア
ニオン型の電着塗料を電着塗装することにより行うこと
ができるが、カチオン型電着塗料が防食性に優れた塗膜
を与える。上記カチオン型電着塗料は、塩基性アミノ基
含有樹脂をベース樹脂とし、酸で中和することにより水
溶化する陰極析出型の熱硬化性電着塗料であり、被塗物
を陰極にして塗装される。
【0155】上記塩基性アミノ基含有樹脂としては特に
限定されず、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂の
エポキシ基に第2級アミンの付加した樹脂が好ましい。
上記第2級アミンとしては特に限定されず、例えば、ジ
エチレントリアミン等のケチミン化によって第1級アミ
ンを封鎖したもの等が挙げられる。
【0156】上記カチオン型電着塗料に用いられる架橋
剤としては特に限定されず、例えば、アルコール類、フ
ェノール類、オキシム類、ラクタム類等のブロック剤に
よって封止されたブロックポリイソシアネートが好まし
い。
【0157】上記電着塗料には、着色顔料、体質顔料、
防錆顔料等の顔料、親水性及び/又は疎水性の溶剤、添
加剤等を必要に応じて配合することができる。上記顔料
の配合量は、樹脂固形分100重量部に対し、5〜15
0重量部とすることができる。
【0158】上記電着塗膜は、通常、上記電着塗料を電
着塗装した後、焼付け乾燥後の膜厚が10〜40μmと
なるように形成することが好ましく、より好ましくは1
5〜25μmである。また、電着塗装の前には、通常の
化成処理を行うことがより好ましい。
【0159】上記中塗り塗膜は、中塗り塗料を上記電着
塗膜上に塗装することにより形成され、下地欠陥を隠蔽
し、上塗り塗装後の表面平滑性の確保と耐チッピング性
とを付与するためのもので、有機系、無機系の各種着色
顔料及び体質顔料を含む。
【0160】上記中塗り塗料に配合される着色顔料とし
ては特に限定されず、例えば、アゾキレート系顔料、不
溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔
料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、
ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリ
ノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系顔料;黄塩、黄色
酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等
の無機系顔料;炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレ
ー、タルク等の体質顔料等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。標準的に
は、カーボンブラックと二酸化チタンとを主要顔料とし
たグレー系中塗り塗料が多用されるが、上塗り塗膜の隠
蔽性に応じて、各種の着色顔料を組み合わせた、いわゆ
るカラー中塗り塗料を用いることもできる。
【0161】上記中塗り塗料に配合される熱硬化性樹脂
としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂等の塗膜形成性樹脂が挙げられ、これらは、アミノ
樹脂及び/又はブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤
と組み合わせて用いられる。これらの中でも、顔料分散
性又は作業性の観点から、アルキド樹脂及び/又はポリ
エステル樹脂とアミノ樹脂との組合わせが好ましい。
【0162】上記中塗り塗料中の固形分含有量は、30
〜70重量%であり、好ましくは35〜55重量%であ
る。また、塗布時には、10〜60重量%であり、好ま
しくは20〜50重量%である。
【0163】上記中塗り塗料の塗装方法は、加熱硬化さ
せた又は未硬化の電着塗膜上に、静電塗装、エアースプ
レー、エアレススプレー等の方法で塗装することが好ま
しく、上記中塗り塗料を塗布した後、中塗り塗膜自体
は、約100〜180℃の温度で加熱硬化させることが
できる。形成される中塗り塗膜の乾燥膜厚は、一般に1
0〜60μm程度が好ましく、より好ましくは20〜5
0μm程度である。乾燥膜厚が10μm未満であると、
下地が隠蔽できず、60μmを超えると、塗装時にワ
キ、タレ等の不具合が起こることもある。
【0164】上記顔料を含むベース塗料は、上記下塗り
塗膜層(電着塗膜層、又は、必要により中塗り塗膜層)
を形成した後、上記下塗り塗膜層が硬化又は未硬化の状
態で塗装される。上塗り塗色の彩度により、先ず、カラ
ーベース塗料を塗装して、上塗り塗膜の第1層を形成す
ることが好ましい。この場合、上塗り塗膜の第2層を光
輝性顔料含有ベース塗料により形成して意匠性に優れた
複層塗膜を形成することができる。
【0165】上記ベース塗料に配合される着色顔料とし
ては特に限定されず、例えば、上記中塗り塗料に配合さ
れる着色顔料と同様なものが挙げられる。光輝性顔料と
しては特に限定されず、例えば、アルミニウム粉、銅
粉、ニッケル粉、ステンレス粉、マイカ粉、干渉マイカ
粉、着色マイカ粉、アルミナフレーク、グラファイトフ
レーク等が挙げられる。
【0166】上記ベース塗料に配合される熱硬化性樹脂
としては特に限定されず、例えば、上記中塗り塗料に配
合される熱硬化性樹脂と同様なものが挙げられる。これ
らの中でも、顔料分散性、作業性、耐候性の観点から、
アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂とアミノ樹脂
との組合わせが好ましい。
【0167】上記ベース塗料中の固形分含有量は、15
〜60重量%であり、好ましくは20〜55重量%であ
る。また、塗布時には、10〜50重量%であり、好ま
しくは20〜45重量%である。
【0168】上記中塗り塗料及び上記ベース塗料の形態
は、共に溶液型のものが好ましい。溶液型であれば、有
機溶剤型、水性(水溶性、水分散性、エマルジョン)
型、非水分散型のいずれでもよい。また、必要により、
硬化触媒、表面調製剤等を配合することができる。
【0169】上記ベース塗料の形態が水性型であれば、
バインダーとして、米国特許第5,151,125号明
細書及び米国特許第5,183,504号明細書等に具
体的に開示されている熱硬化性樹脂を用いることができ
る。特に、米国特許第5,183,504号明細書に記
載のアクリルアミド基、水酸基及び酸基を有するアクリ
ル樹脂とメラミン樹脂とを組み合わせた熱硬化性樹脂
は、仕上がり、外観性能の点で良好である。この場合、
良好な仕上がりの硬化塗膜を得るために、クリヤー塗料
を塗装する前に、予め上記ベース塗膜を60〜100℃
で2〜10分間加熱しておくことが好ましい。
【0170】上記ベース塗料は、電着塗膜上又は中塗り
塗膜上に、静電塗装、エアースプレー等の方法で塗装す
ることが好ましく、上記ベース塗料を塗布した後、ベー
ス塗膜自体は、約100〜180℃の温度で加熱硬化さ
せることができる。形成されるベース塗膜の乾燥膜厚
は、一般に10〜60μm程度が好ましく、より好まし
くは20〜50μm程度である。乾燥膜厚が10μm未
満であると、下地が隠蔽できず、60μmを超えると、
塗装時にワキ、タレ等の不具合が起こることもある。
【0171】上記ベース塗膜が着色顔料及び/又は光輝
性顔料含有ベース塗膜のみにより形成される場合、上記
ベース塗膜を塗装した上に、上塗り用クリヤー塗料をウ
ェットオンウェットで塗装した後、加熱硬化させること
により、2コート1べーク(2C1B)の複層塗膜を形
成することができる。
【0172】また、上記ベース塗膜がカラーベース塗膜
及び上記光輝性顔料含有ベース塗膜により形成される場
合、上記カラーベース塗膜を単独で加熱硬化させたとき
には、その上に上記光輝性顔料含有ベース塗料を塗装
し、更にその上に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオ
ンウェットで塗装した後、加熱硬化させることにより、
3コート2べーク(3C2B)の複層塗膜を形成するこ
とができる。また、上記カラーベース塗膜を単独で加熱
硬化させないときには、その上にウェットオンウェット
で上記光輝性顔料含有ベース塗料を塗装し、更にその上
に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオンウェットで塗
装した後、加熱硬化させることもできる。すなわち、上
記カラーベース塗膜、上記光輝性顔料含有ベース塗膜及
び上塗り用クリヤー塗膜をウェットオンウェットで組合
わせ、複合塗膜を形成した後に加熱硬化することによ
り、3コート1ベーク(3C1B)の複合塗膜を形成す
ることができ、更に優れた意匠性を示す複合塗膜を形成
することができる。
【0173】上記上塗り用クリヤー塗料により形成され
る塗膜は、表面平滑性の確保とその他塗膜に要求される
性能とを付与するためのものであり、上記上塗り用クリ
ヤー塗料には、本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料を
用いる。
【0174】上記上塗り用クリヤー塗料は、未硬化の光
輝性顔料含有ベース塗膜上に、静電塗装、エアースプレ
ー等の方法で塗装することが好ましく、上記上塗り用ク
リヤー塗料を塗布した後、クリヤー塗膜自体は、100
〜200℃の温度で加熱硬化させることにより硬化塗膜
を形成することができる。硬化温度が100℃未満であ
ると、硬化が充分でなく、200℃を超えると、硬化塗
膜が固く脆くなる。好ましくは120〜180℃の温度
で加熱硬化させることにより高い架橋度の硬化塗膜を形
成することができる。
【0175】上記クリヤー塗膜の硬化時間は、硬化温度
により変化するが、120℃〜180℃で10〜30分
が適当である。形成される塗膜の乾燥膜厚は、所望の用
途により変化するが、多くの場合10〜80μmが好ま
しく、より好ましくは15〜60μm程度である。乾燥
膜厚が10μm未満であると、下地が隠蔽できず、60
μmを超えると、塗装時にワキ、タレ等の不具合が起こ
ることもある。
【0176】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料によ
り上記複層塗膜形成方法を用いて塗膜を形成させた自動
車車体は、上記複層塗膜の上塗り用クリヤー塗膜が、本
発明の自動車上塗り用クリヤー塗料により形成されたも
のであるので、耐候性等の基本性能を有し、高い親水性
を有するためにメンテナンスフリーで洗車したのと同様
な効果を維持することができ、塗料貯蔵後にも安定的に
性能を発揮することのできるものであり、更に、上記自
動車上塗り用クリヤー塗料がサーキュレーション安定性
に優れたものであることから、優れた外観を有するもの
である。このような自動車車体もまた、本発明の一つで
ある。
【0177】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0178】合成例1 水酸基含有アクリル樹脂(a) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた反応槽に、ソルベッソ100(商品名、エッソ社
製芳香族系溶剤)670重量部とn−ブタノール100
重量部とを仕込み125℃に昇温した。この反応槽に、
滴下ロートを用い、スチレン300重量部、メタクリル
酸2−エチルヘキシル350重量部、アクリル酸2−エ
チルヘキシル100重量部、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル220重量部、メタクリル酸30重量部、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40重量
部及びソルベッソ100 50重量部とからなる溶液を
3時間かけて滴下した。滴下終了後30分間にわたり1
25℃で保持した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート5重量部及びソルベッソ100 20
重量部を添加した。この添加終了後、更に2時間、12
5℃にて反応を継続させ、数平均分子量(Mn)800
0、酸価20mgKOH/g(固形分換算)及び水酸基
価95mgKOH/g(固形分換算)の水酸基含有アク
リル樹脂(a)を含む不揮発分55%のワニスを得た。
【0179】合成例2 アルコール変性シリケート化合
物(b) メチルシリケートとしてMS−56(商品名、三菱化学
社製)をイソプロピルアルコールでアルコール交換反応
させることにより、アルコール変性シリケート化合物
(d)を含む不揮発分100%の組成物を得た。アルコ
ール交換反応条件は、MS−56が74gに対して、イ
ソプロピルアルコール21g及びトリエチルアミン0.
2gを混合して、温度80℃で12時間反応させた後、
減圧下にて生成したメタノールを留去した。
【0180】合成例3 シリケートグラフト重合体
(c) 温度計、攪拌機、冷却管及び窒素導入管を備えた1Lの
反応槽の内部を窒素ガスで置換し、合成例2で得たアル
コール変性シリケート化合物(b)100重量部、合成
例1で得た水酸基含有アクリル樹脂(a)280重量
部、及び、オルト酢酸トリメチル3重量部を加えて、9
0℃で12時間グラフト反応を行い、シリケート化合物
をグラフトしたアクリル樹脂であるシリケートグラフト
重合体(c)を含む不揮発分67%のワニスを得た。
【0181】実施例1及び2 表1に示した塗料配合で、各配合物を仕込み、ディスパ
ー攪拌して、本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料を得
た。
【0182】次いで、得られた自動車上塗り用クリヤー
塗料を、それぞれ、酢酸エチル/酢酸ブチル/キシレン
/ソルベッソ100(商品名、エッソ社製)/セロソル
ブアセテート=30/10/30/20/10からなる
シンナーにより、20℃にて、フォードカップNo.4
で20秒に塗装粘度に調整した。
【0183】リン酸処理鋼板に日本ペイント社製カチオ
ン電着塗料パワートップU−30及びポリエステル・メ
ラミン型グレー中塗り塗料オルガP−2(いずれも商品
名)を、それぞれ、乾燥膜厚が25μm及び40μmに
なるように塗装して加熱硬化させた試験板に、日本ペイ
ント社製スーパーラックM−170(商品名)のシルバ
ーメタリックベース塗料を静電塗装機Auto REA
(商品名、ランズバーグゲマ社製)により霧化圧5kg
/cm2 で塗布し、その上にウェットオンウェットで、
表1に示したように、塗装粘度に調整した自動車上塗り
用クリヤー塗料を、それぞれ塗布し、約7分間セッティ
ング後、140℃で30分間焼付け乾燥を行い、塗装方
式として2コート1ベーク(2C1B)の塗装試験板を
作製した。なお、ベース塗料及びクリヤー塗料による硬
化塗膜は、乾燥膜厚がそれぞれ15μm及び40μmと
なるように塗装した。以下に示す評価方法により、得ら
れた自動車上塗り用クリヤー塗料及び複層塗膜を評価し
た。その結果を表1に記載した。
【0184】評価方法 (1)サーキュレーション試験 プランジャーポンプとしてイワタポンプPPS−102
(商品名、岩田塗装機社製)を用い、サーキュレーショ
ン配管としてテフロンチューブ製の長さ3m、直径0.
63cmのものを用いて、30ストローク/分で、塗装
粘度に調整した自動車上塗り用クリヤー塗料1800c
cをサーキュレーション配管中に72時間循環させた。
その後、塗料を抜き取り、20℃にて、フォードカップ
No.4で塗料粘度を測定し、初期粘度である20秒に
比べて何秒増加したかを測定した。数値が小さい程、サ
ーキュレーション安定性に優れていることを示してい
る。
【0185】(2)初期水接触角(°) 得られた硬化塗膜上に0.4mlのイオン交換水を落と
し、滴下して30秒後に接触角を協和界面科学社製Fa
ce自動界面張力計CA−Z(商品名)にて測定した。
【0186】(3)屋外曝露耐汚染性試験 JIS K5400 9.9に準拠して屋外曝露試験を
行い、1月及び6月経過後に、水接触角及び初期塗膜と
の明度差(ΔL)を測定した。
【0187】比較例1 実施例で用いた塗料配合の替わりに、表1に示した塗料
配合を用いたこと以外は実施例と同様にして、塗料及び
塗装試験板をそれぞれ作製した。それらの塗料及び複層
塗膜について、実施例と同様にして評価した。その結果
を表1に記載した。
【0188】
【表1】
【0189】なお、表1中、ユーバン20N−60(商
品名、三井化学社製)とは、不揮発分60%のブチル化
メラミン樹脂であり、消泡剤(OX−881)とは、水
トレランスが1.1mlであるディスパロンOX−88
1(商品名、楠本化成社製)であり、チヌビン900
(商品名、チバスペシャリティーケミカル社製)とは、
紫外線吸収剤であり、サノールLS−440(商品名、
三共社製)とは、光安定化剤であり、架橋樹脂粒子と
は、粒子径90nmの不揮発分30%のキシレン分散の
構造粘性付与剤(日本ペイント社製)であり、表面調整
剤とは、レジミックスRL−4(商品名、三井化学社
製)であり、ソルベッソ100(商品名、エッソ社製)
とは、芳香族系溶剤である。
【0190】なお、表1中、比較例1についての初期水
接触角及び屋外曝露耐汚染性試験は、サーキュレーショ
ン試験結果が悪かったため、実施しなかった。
【0191】表1から明らかなように、実施例で得た自
動車上塗り用クリヤー塗料は、サーキュレーション試験
結果が優れることから、好適に自動車塗装ラインに用い
ることができ、その硬化塗膜は、初期、1カ月暴露後、
6カ月暴露後の水接触角が低く、塗膜表面が充分な親水
性を示し、耐汚染性が優れ、塗膜外観を損なうことはな
かった。
【0192】一方、比較例で得た自動車上塗り用クリヤ
ー塗料は、サーキュレーション試験結果が満足できるも
のではないことから、自動車塗装ラインに適用すること
ができないことがわかった。
【0193】
【発明の効果】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料
は、上述の構成よりなるので、貯蔵安定性に不備が生じ
ることがなく、塗装ラインでのサーキュレーション安定
性に優れることから、増粘する等のおそれがなく、その
硬化塗膜は、高い架橋密度を有するために耐候性等の基
本性能を有し、高い親水性を有するために洗車フリーで
美粧性を維持し、塗膜外観が損なわれることがない。本
発明の自動車車体は、優れた外観及び塗膜性能を示し、
洗車のいらないメンテナンスフリーとすることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 167/00 C09D 167/00 183/10 183/10 Fターム(参考) 4D075 AE06 CA32 CA34 CB04 DC12 EA19 EA43 EB22 EB35 EB42 EB52 EC35 EC37 4J038 CG141 CH121 CP091 DA162 DD001 DD241 GA03 JC32 KA03 MA14 NA01 NA05 NA26 PA07 PB07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性樹脂組成物及び脱水剤からなる自
    動車上塗り用クリヤー塗料であって、前記硬化性樹脂組
    成物は、水酸基含有アクリル樹脂若しくは水酸基含有ポ
    リエステル樹脂及びメラミン系硬化剤を樹脂成分とする
    ものであり、前記水酸基含有アクリル樹脂及び前記水酸
    基含有ポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)50
    0〜20000、水酸基価5〜200mgKOH/g
    (固形分換算)のものであり、前記硬化性樹脂組成物
    は、アルコール変性シリケート化合物(IV)若しくはシ
    リケートグラフト重合体(V)を含まないか、又は、含
    むものであり、前記硬化性樹脂組成物が前記アルコール
    変性シリケート化合物(IV)及び前記シリケートグラフ
    ト重合体(V)を含まない場合には、前記硬化性樹脂組
    成物の樹脂成分のうちの少なくとも1つは、シリケート
    化合物(A)をグラフトしてなるものであり、前記シリ
    ケートグラフト重合体(V)は、水酸基含有重合体(V
    −a)に前記シリケート化合物(A)をグラフトしてな
    るものであり、前記アルコール変性シリケート化合物
    (IV)の量及び/又は前記シリケート化合物(A)のグ
    ラフト量は、前記樹脂成分全量に対して、0.1〜30
    重量%(固形分換算)であり、前記シリケート化合物
    (A)は、一般式(1); 【化1】 (式中、mは、1〜50の整数を表す。R1 は、異なる
    ものを表してもよく、置換基を有するか又は置換基を有
    しない炭素数1〜20の有機基を表す。)で表されるも
    のであり、前記アルコール変性シリケート化合物(IV)
    は、一般式(2); 【化2】 (式中、nは、1〜50の整数を表す。R2 のうちの一
    部は、置換基を有するか若しくは置換基を有しない炭素
    数2〜20のアルキル基及び/又は置換基を有するか若
    しくは置換基を有しない炭素数7〜20のアラルキル基
    を表し、残りのR 2 は、メチル基を表す。)で表される
    ものであることを特徴とする自動車上塗り用クリヤー塗
    料。
  2. 【請求項2】 更に、消泡剤を含んでなり、前記消泡剤
    は、水トレランスが0.5ml〜3.0mlである請求
    項1記載の自動車上塗り用クリヤー塗料。
  3. 【請求項3】 自動車外板上に下塗り塗膜層を形成し、
    着色顔料及び/又は光輝性顔料を含むベース塗料を塗装
    した上に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオンウェッ
    トで塗装した後、加熱硬化させることよりなる自動車車
    体の複層塗膜形成方法であって、前記上塗り用クリヤー
    塗料は、請求項1又は2記載の自動車上塗り用クリヤー
    塗料であることを特徴とする自動車車体の複層塗膜形成
    方法。
  4. 【請求項4】 複層塗膜により塗装された自動車車体で
    あって、前記複層塗膜の最外層は、請求項1又は2記載
    の自動車上塗り用クリヤー塗料により形成されたもので
    あることを特徴とする自動車車体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002294170A (ja) * 2001-04-02 2002-10-09 Nippon Paint Co Ltd 耐汚染性に優れた粉体塗料組成物およびこれを用いた塗膜形成方法
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