JP2000191526A - 骨形成促進及び抗骨粗鬆症組成物 - Google Patents
骨形成促進及び抗骨粗鬆症組成物Info
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- JP2000191526A JP2000191526A JP10370606A JP37060698A JP2000191526A JP 2000191526 A JP2000191526 A JP 2000191526A JP 10370606 A JP10370606 A JP 10370606A JP 37060698 A JP37060698 A JP 37060698A JP 2000191526 A JP2000191526 A JP 2000191526A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 継続的に摂取して安全な骨成長や骨形成の促
進効果を有する、骨粗鬆症や骨折などの予防及び治療に
有効な食品や医薬品に使用することのできる組成物を提
供する。 【解決手段】 骨形成促進及び骨粗鬆症予防の効果を有
する組成物（大豆煮汁）は、その主たる有効成分とし
て、サポニン，ダイジン，ダイゼイン，ゲニスチン及び
ゲニスティンを含み、それぞれの単独成分よりも強い効
果を得ることができる。
進効果を有する、骨粗鬆症や骨折などの予防及び治療に
有効な食品や医薬品に使用することのできる組成物を提
供する。 【解決手段】 骨形成促進及び骨粗鬆症予防の効果を有
する組成物（大豆煮汁）は、その主たる有効成分とし
て、サポニン，ダイジン，ダイゼイン，ゲニスチン及び
ゲニスティンを含み、それぞれの単独成分よりも強い効
果を得ることができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨有効成分として
サポニン，ダイジン，ダイゼイン，ゲニスチン及びゲニ
スティンを共に含む、骨粗鬆症などの代謝性骨疾患や骨
折などの予防及び治療に用いることができる骨成長及び
骨形成促進並びに抗骨粗鬆症組成物に関する。
サポニン，ダイジン，ダイゼイン，ゲニスチン及びゲニ
スティンを共に含む、骨粗鬆症などの代謝性骨疾患や骨
折などの予防及び治療に用いることができる骨成長及び
骨形成促進並びに抗骨粗鬆症組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】老齢化に伴って骨量が減少し、骨粗鬆症
が引き起こりやすくなる。骨粗鬆症は、骨量の減少によ
り、骨折しやすくなる骨の病気であり、近年、国内外を
通じて多くの関心が持たれている。そのため、骨粗鬆症
は治療よりも予防することが重要な疾患と位置づけられ
ている。
が引き起こりやすくなる。骨粗鬆症は、骨量の減少によ
り、骨折しやすくなる骨の病気であり、近年、国内外を
通じて多くの関心が持たれている。そのため、骨粗鬆症
は治療よりも予防することが重要な疾患と位置づけられ
ている。
【０００３】骨粗鬆症の治療薬としては、カルシウム，
活性型ビタミンＤ3，エストロゲン，カルシトニン，イ
プリフラボン，ビタミンＫ2及びビスホスホネート関連
化合物が用いられている。これらの薬物の作用は、骨組
織から骨塩を溶解するときに機能する破骨細胞の働きを
抑制することを主な作用としている。現在、開発中の骨
粗鬆症治療薬は、上記関連化合物の誘導体である。これ
ら薬物の使用は高価となり、骨粗鬆症と診断されて使用
が可能になるため、骨粗鬆症を予防することが不可能で
あり、骨粗鬆症を予防できる食品素材が求められてい
た。
活性型ビタミンＤ3，エストロゲン，カルシトニン，イ
プリフラボン，ビタミンＫ2及びビスホスホネート関連
化合物が用いられている。これらの薬物の作用は、骨組
織から骨塩を溶解するときに機能する破骨細胞の働きを
抑制することを主な作用としている。現在、開発中の骨
粗鬆症治療薬は、上記関連化合物の誘導体である。これ
ら薬物の使用は高価となり、骨粗鬆症と診断されて使用
が可能になるため、骨粗鬆症を予防することが不可能で
あり、骨粗鬆症を予防できる食品素材が求められてい
た。
【０００４】骨粗鬆症の予防のために、若年期から骨量
を増やすことが不可欠で、日常的に骨成長及び骨形成に
必要な栄養成分や、骨形成を促進する食品を積極的に摂
取することが極めて重要であることが認識されるように
なった。骨を強化する食品としては、現在、主にカルシ
ウムやビタミンＤが利用されている。また、カルシウム
の腸管からの吸収を促進するカゼインホスホペプチドな
ども利用されている。更に、側鎖長の違いによりメナキ
ノン（ＭＫ）−１〜１４として知られている食品中ビタ
ミンＫ2を利用することも考えられている。最近では、
ゲニスチンなどのイソフラボノイドが利用されようとし
ている。しかしながら、これらの物質を骨粗鬆症の予防
のために利用するには、多量を食品中に単独添加し強化
することが必要となり、食品の素材となり得ないため、
食品の機能性を高めても、そのし好性を低下させるなど
の問題がある。現在、骨粗鬆症を予防することを目的と
した適当な食品素材は開発されていない。
を増やすことが不可欠で、日常的に骨成長及び骨形成に
必要な栄養成分や、骨形成を促進する食品を積極的に摂
取することが極めて重要であることが認識されるように
なった。骨を強化する食品としては、現在、主にカルシ
ウムやビタミンＤが利用されている。また、カルシウム
の腸管からの吸収を促進するカゼインホスホペプチドな
ども利用されている。更に、側鎖長の違いによりメナキ
ノン（ＭＫ）−１〜１４として知られている食品中ビタ
ミンＫ2を利用することも考えられている。最近では、
ゲニスチンなどのイソフラボノイドが利用されようとし
ている。しかしながら、これらの物質を骨粗鬆症の予防
のために利用するには、多量を食品中に単独添加し強化
することが必要となり、食品の素材となり得ないため、
食品の機能性を高めても、そのし好性を低下させるなど
の問題がある。現在、骨粗鬆症を予防することを目的と
した適当な食品素材は開発されていない。
【０００５】大豆種子は、イソフラボン成分を多く含ん
でいる。イソフラボンには、ダイジン，ゲニスチン，グ
リスチンとそれらにマロニル基が結合したものや、それ
らから糖がとれたダイゼインやゲニスティンが存在して
いる。近年、これらの成分の一部に、抗骨粗鬆症や女性
ホルモン活性などの生物学的作用が報告され注目を集め
ている。一方、イソフラボンが抗骨粗鬆症活性があるこ
とについての報告は散見されるが、主に、ダイゼインや
ゲニスティンを単品として用いたものである（Ｙａｍａ
ｇｕｃｈｉ Ｍ， Ｇａｏ ＹＨ： Ｒｅｓ．Ｅｘｐ．
Ｍｅｄ．，１９７：１０１−１０７，１９９７；Ｙａｍ
ａｇｕｃｈｉ Ｍ，Ｇａｏ ＹＨ： Ｍｏｌ．Ｃｅｌ
ｌ．Ｂｉｏｃｈｅｍ．，１７８：３７７−３８２，１９
９８； Ｙａｍａｇｕｃｈｉ Ｍ，Ｇａｏ ＹＨ：Ｂｉ
ｏｃｈｅｍ．Ｐｈａｒｍａｃｏｌ．，５５：７１−７
６，１９９８）。一方、大豆やその胚軸中には、サポニ
ン，ダイジン，ダイゼイン，ゲニスチン並びにゲニステ
ィンが高含有している。更に大豆からの納豆製造過程で
多量に生じる煮汁中には上記成分が高濃度に含有してお
り、この組成物は各々の単独成分よりも効果的な高い機
能性を有すると考えられるが、その知見は報告されてい
ない。また一方、大豆煮汁や大豆胚軸は食品として利用
されておらず、主に廃棄されている。これらに抗骨粗鬆
症作用などの機能性を見出すことができれば、機能性食
品として再利用することができる。
でいる。イソフラボンには、ダイジン，ゲニスチン，グ
リスチンとそれらにマロニル基が結合したものや、それ
らから糖がとれたダイゼインやゲニスティンが存在して
いる。近年、これらの成分の一部に、抗骨粗鬆症や女性
ホルモン活性などの生物学的作用が報告され注目を集め
ている。一方、イソフラボンが抗骨粗鬆症活性があるこ
とについての報告は散見されるが、主に、ダイゼインや
ゲニスティンを単品として用いたものである（Ｙａｍａ
ｇｕｃｈｉ Ｍ， Ｇａｏ ＹＨ： Ｒｅｓ．Ｅｘｐ．
Ｍｅｄ．，１９７：１０１−１０７，１９９７；Ｙａｍ
ａｇｕｃｈｉ Ｍ，Ｇａｏ ＹＨ： Ｍｏｌ．Ｃｅｌ
ｌ．Ｂｉｏｃｈｅｍ．，１７８：３７７−３８２，１９
９８； Ｙａｍａｇｕｃｈｉ Ｍ，Ｇａｏ ＹＨ：Ｂｉ
ｏｃｈｅｍ．Ｐｈａｒｍａｃｏｌ．，５５：７１−７
６，１９９８）。一方、大豆やその胚軸中には、サポニ
ン，ダイジン，ダイゼイン，ゲニスチン並びにゲニステ
ィンが高含有している。更に大豆からの納豆製造過程で
多量に生じる煮汁中には上記成分が高濃度に含有してお
り、この組成物は各々の単独成分よりも効果的な高い機
能性を有すると考えられるが、その知見は報告されてい
ない。また一方、大豆煮汁や大豆胚軸は食品として利用
されておらず、主に廃棄されている。これらに抗骨粗鬆
症作用などの機能性を見出すことができれば、機能性食
品として再利用することができる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】骨粗鬆症の予防におい
ては、その予防のための食品の摂取は長期にわたるため
に安全性に優れることが絶対的に必要となる。従来用い
られているカルシウム、イソフラボンやビタミンＫ2な
どを食品に添加及び強化することについては、今日、そ
の安全性の面における知見が得られておらず、将来多く
の問題が生じる可能性が強い。しかしながら、大豆食品
中から生成する煮汁や胚軸は、天然食品素材であり、伝
統的食生活の経験から安全性が保障されている。そのた
め長期間にわたっての摂取は骨量の増加や骨粗鬆症の予
防のために極めて有効性が高い。この煮汁の骨量増加作
用や抗骨粗鬆症効果などの機能性については、これまで
に知られておらず、煮汁素材を用いた機能性食品の開発
もなされていない。本発明は、大豆煮汁の骨成長や骨形
成促進並びに抗骨粗鬆症の予防と治療を目的とした食品
組成物を得ることを目的としている。
ては、その予防のための食品の摂取は長期にわたるため
に安全性に優れることが絶対的に必要となる。従来用い
られているカルシウム、イソフラボンやビタミンＫ2な
どを食品に添加及び強化することについては、今日、そ
の安全性の面における知見が得られておらず、将来多く
の問題が生じる可能性が強い。しかしながら、大豆食品
中から生成する煮汁や胚軸は、天然食品素材であり、伝
統的食生活の経験から安全性が保障されている。そのた
め長期間にわたっての摂取は骨量の増加や骨粗鬆症の予
防のために極めて有効性が高い。この煮汁の骨量増加作
用や抗骨粗鬆症効果などの機能性については、これまで
に知られておらず、煮汁素材を用いた機能性食品の開発
もなされていない。本発明は、大豆煮汁の骨成長や骨形
成促進並びに抗骨粗鬆症の予防と治療を目的とした食品
組成物を得ることを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】この発明の骨成長並びに
骨形成促進及び骨量減少防止効果を有する大豆煮汁の組
成物は、サポニン，ダイジン，ダイゼイン，ゲニスチ
ン，並びにゲニスティンを有効成分として含まれること
を特徴とする。
骨形成促進及び骨量減少防止効果を有する大豆煮汁の組
成物は、サポニン，ダイジン，ダイゼイン，ゲニスチ
ン，並びにゲニスティンを有効成分として含まれること
を特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明者は、骨代謝に影響を及ぼ
す食品成分に関して鋭意研究の結果、大豆煮汁組成物が
骨成分を増強させることを見出し、本発明を完成させた
ものである。本発明の組成物の作用及び効果は、４週齢
の幼若ラットに、本発明の煮汁液を経口投与し、ラット
の大腿骨の骨幹部及び骨幹端部組織の骨成分の変動を調
べることによって明らかにされた。すなわち、煮汁懸濁
液をラットに経口投与すると骨組織中の骨塩量としての
カルシウム量、骨石灰化促進酵素アルカリ性ホスファタ
ーゼ活性、並びに骨組織中の細胞数の指標としてのＤＮ
Ａ量を測定した結果、これらの全ての骨成分量が、有意
に上昇することを見出した。この結果から、本発明の煮
汁組成物は、骨成長並びに骨形成促進作用に基づく抗骨
粗鬆症作用を有し、骨塩量の減少を防止し得る作用を有
しており、骨粗鬆症や骨折の予防に有用であることが期
待された。
す食品成分に関して鋭意研究の結果、大豆煮汁組成物が
骨成分を増強させることを見出し、本発明を完成させた
ものである。本発明の組成物の作用及び効果は、４週齢
の幼若ラットに、本発明の煮汁液を経口投与し、ラット
の大腿骨の骨幹部及び骨幹端部組織の骨成分の変動を調
べることによって明らかにされた。すなわち、煮汁懸濁
液をラットに経口投与すると骨組織中の骨塩量としての
カルシウム量、骨石灰化促進酵素アルカリ性ホスファタ
ーゼ活性、並びに骨組織中の細胞数の指標としてのＤＮ
Ａ量を測定した結果、これらの全ての骨成分量が、有意
に上昇することを見出した。この結果から、本発明の煮
汁組成物は、骨成長並びに骨形成促進作用に基づく抗骨
粗鬆症作用を有し、骨塩量の減少を防止し得る作用を有
しており、骨粗鬆症や骨折の予防に有用であることが期
待された。
【０００９】＜実験例＞以下の実験例によって、本発明
を更に詳細に説明する。 ＜実験方法の説明＞幼若な雄性ウイスター系ラット６匹
を１群として用いた。納豆製造過程で生成する煮汁乾燥
粉末を精製蒸留水に懸濁し、１００ｍｇ／ｍｌの試験溶
液を調製した。煮汁乾燥粉末中には、サポニン（６６ｍ
ｇ）、ダイジン（７７ｍｇ）、ダイゼイン（０．６ｍ
ｇ）、ゲニスチン（５８ｍｇ）及びゲニスティン（０．
６ｍｇ）を含有していた。この試験溶液をラットの体重
１００ｇ当り１００ｍｇ／ｍｌを胃ゾンデで経口投与し
た。投与は１日２回（午前１０時と午後４時）１４日間
行なった。最終投与の２４時間後に、ラットはと殺し、
大腿骨を摘出した。対照群には、精製蒸留水を１ｍｌ／
１００ｇ体重を経口投与した。摘出した大腿骨は骨幹部
（皮質骨）と骨幹端部（海綿骨）に分け、骨成分の測定
に使用した。
を更に詳細に説明する。 ＜実験方法の説明＞幼若な雄性ウイスター系ラット６匹
を１群として用いた。納豆製造過程で生成する煮汁乾燥
粉末を精製蒸留水に懸濁し、１００ｍｇ／ｍｌの試験溶
液を調製した。煮汁乾燥粉末中には、サポニン（６６ｍ
ｇ）、ダイジン（７７ｍｇ）、ダイゼイン（０．６ｍ
ｇ）、ゲニスチン（５８ｍｇ）及びゲニスティン（０．
６ｍｇ）を含有していた。この試験溶液をラットの体重
１００ｇ当り１００ｍｇ／ｍｌを胃ゾンデで経口投与し
た。投与は１日２回（午前１０時と午後４時）１４日間
行なった。最終投与の２４時間後に、ラットはと殺し、
大腿骨を摘出した。対照群には、精製蒸留水を１ｍｌ／
１００ｇ体重を経口投与した。摘出した大腿骨は骨幹部
（皮質骨）と骨幹端部（海綿骨）に分け、骨成分の測定
に使用した。
【００１０】骨組織中カルシウム量の測定 大腿骨の骨幹部組織と骨幹端部組織を０．２５Ｍショ糖
溶液中で軽く洗浄し、１００℃で約６時間乾燥器中で乾
燥した。その乾燥重量を測定した後、試験管に入れ、濃
硝酸３ｍｌを添加して、２４時間１２０℃で分解した。
これを試料液として、カルシウム量を原子吸光光度計で
定量した。カルシウム量は、骨乾燥重量１ｇ当りのｍｇ
として表示した。
溶液中で軽く洗浄し、１００℃で約６時間乾燥器中で乾
燥した。その乾燥重量を測定した後、試験管に入れ、濃
硝酸３ｍｌを添加して、２４時間１２０℃で分解した。
これを試料液として、カルシウム量を原子吸光光度計で
定量した。カルシウム量は、骨乾燥重量１ｇ当りのｍｇ
として表示した。
【００１１】骨アルカリ性ホスファターゼ活性の測定 大腿骨の骨幹部組織と骨幹端部組織を冷０．２５Ｍショ
糖溶液で洗浄後、冷６．５ｍＭバルビタール緩衝液（ｐ
Ｈ７．４）３ｍ１中で破砕し、６０秒間の超音波処理を
した。更に３０００回転／分で５分間遠心処理し、その
上清画分を粗酵素溶液として用いた。骨アルカリ性ホス
ファターゼ活性は、Ｗａｌｔｅｒ及びＳｃｈｕｔｔの方
法（Ｂｅｒｇｍｅｙｅｒ ＨＵ（ｅｄ）．Ｍｅｔｈｏｄ
ｓ ｏｆＥｎｚｙｍａｔｉｃ ａｎａｌｙｓｉｓ，Ｖｏ
ｌ．１−２，ＡｃａｄｅｍｉｃＰｒｅｓｓ，Ｎｅｗ Ｙ
ｏｒｋ， ｐｐ８５６−８６０，１９６５）に従って測
定した。酵素反応は、基質としてｐ−ニトロフェニルリ
ン酸ニナトリウムを含む０．１Ｍジエタノールアミン塩
酸緩衝液（ｐＨ９．８）２ｍｌに酵素溶液０．０５ｍｌ
を加えることにより反応を開始させた。反応は、３７
℃、３０分間インキュベーションすることにより行なっ
た。０．０５Ｎ ＮａＯＨ １０ｍｌを加えることによ
り、反応を停止させ、遊離したｐ−ニトロフェノール量
（ｎｍｏｌ）を分光光度計（４０５ｎｍ）で測定した。
酵素活性は、インキュベーションの１分間の反応で生成
したｐ−ニトロフェノール量（ｎｍｏｌ）を、使用した
酵素蛋白質量（ｍｇ）当りで表示した。蛋白質の濃度は
Ｌｏｗｒｙらの方法（Ｊ．Ｂｉｏｌ．Ｃｈｅｍ．，１９
３：２６５−２７３，１９５１）に準じて測定した。
糖溶液で洗浄後、冷６．５ｍＭバルビタール緩衝液（ｐ
Ｈ７．４）３ｍ１中で破砕し、６０秒間の超音波処理を
した。更に３０００回転／分で５分間遠心処理し、その
上清画分を粗酵素溶液として用いた。骨アルカリ性ホス
ファターゼ活性は、Ｗａｌｔｅｒ及びＳｃｈｕｔｔの方
法（Ｂｅｒｇｍｅｙｅｒ ＨＵ（ｅｄ）．Ｍｅｔｈｏｄ
ｓ ｏｆＥｎｚｙｍａｔｉｃ ａｎａｌｙｓｉｓ，Ｖｏ
ｌ．１−２，ＡｃａｄｅｍｉｃＰｒｅｓｓ，Ｎｅｗ Ｙ
ｏｒｋ， ｐｐ８５６−８６０，１９６５）に従って測
定した。酵素反応は、基質としてｐ−ニトロフェニルリ
ン酸ニナトリウムを含む０．１Ｍジエタノールアミン塩
酸緩衝液（ｐＨ９．８）２ｍｌに酵素溶液０．０５ｍｌ
を加えることにより反応を開始させた。反応は、３７
℃、３０分間インキュベーションすることにより行なっ
た。０．０５Ｎ ＮａＯＨ １０ｍｌを加えることによ
り、反応を停止させ、遊離したｐ−ニトロフェノール量
（ｎｍｏｌ）を分光光度計（４０５ｎｍ）で測定した。
酵素活性は、インキュベーションの１分間の反応で生成
したｐ−ニトロフェノール量（ｎｍｏｌ）を、使用した
酵素蛋白質量（ｍｇ）当りで表示した。蛋白質の濃度は
Ｌｏｗｒｙらの方法（Ｊ．Ｂｉｏｌ．Ｃｈｅｍ．，１９
３：２６５−２７３，１９５１）に準じて測定した。
【００１２】骨組織中のデオキシリボ核酸（ＤＮＡ）量
の測定 大腿骨の骨幹部組織と骨幹端部組織を冷０．２５Ｍショ
糖液で洗浄し、水分除去後、湿重量を測定した。これを
０．１Ｎ ＮａＯＨ ４．０ｍｌ中で破砕し、４℃、２
４時間振とう、抽出した。その後、３０００回転／分で
５分間遠心処理し、その上清画分をＤＮＡ測定用試料と
した。ＤＮＡ量の測定は、Ｃｅｒｉｏｔｔｉの方法
（Ｊ．Ｂｉｏｌ．Ｃｈｅｍ．，２１４：３９−７７，１
９５５）に従って行なった。試料２．０ｍｌに濃塩酸
１．０ｍｌ及び０．０４％インドール溶液１．０ｍｌを
加え、試験官にアルミキャップを被せ、沸騰水浴中で１
０分間加熱した後、氷中で急冷することによって反応を
停止させた。クロロホルム４．０ｍｌで３〜４分間の抽
出を数回繰返し、分光光度計（４９０ｎｍ）でＤＮＡ量
を測定した。ＤＮＡ量（ｍｇ）は、骨組織湿重量（ｇ）
当りで計算した。
の測定 大腿骨の骨幹部組織と骨幹端部組織を冷０．２５Ｍショ
糖液で洗浄し、水分除去後、湿重量を測定した。これを
０．１Ｎ ＮａＯＨ ４．０ｍｌ中で破砕し、４℃、２
４時間振とう、抽出した。その後、３０００回転／分で
５分間遠心処理し、その上清画分をＤＮＡ測定用試料と
した。ＤＮＡ量の測定は、Ｃｅｒｉｏｔｔｉの方法
（Ｊ．Ｂｉｏｌ．Ｃｈｅｍ．，２１４：３９−７７，１
９５５）に従って行なった。試料２．０ｍｌに濃塩酸
１．０ｍｌ及び０．０４％インドール溶液１．０ｍｌを
加え、試験官にアルミキャップを被せ、沸騰水浴中で１
０分間加熱した後、氷中で急冷することによって反応を
停止させた。クロロホルム４．０ｍｌで３〜４分間の抽
出を数回繰返し、分光光度計（４９０ｎｍ）でＤＮＡ量
を測定した。ＤＮＡ量（ｍｇ）は、骨組織湿重量（ｇ）
当りで計算した。
【００１３】統計処理法 各々の測定値の有意差検定は、Ｓｔｕｄｅｎｔ’ｓ ｔ
−ｔｅｓｔを用いて行なった。危険率５％以下のものを
有意差有りとした。
−ｔｅｓｔを用いて行なった。危険率５％以下のものを
有意差有りとした。
【００１４】実験結果の説明 納豆製造過程で生成する煮汁乾燥粉末を懸濁した試料液
（１００ｍｇ煮汁／ｍｌ）をラットに体重１００ｇ当り
１ｍｌを２週間経口投与したときの大腿骨の骨幹部組織
と骨幹端部組織の骨成分の変動について調べた。結果を
表１に示す。骨幹部組織中のカルシウム量並びにＤＮＡ
量は煮汁投与により有意に増加した。また更に、骨幹端
部組織中のカルシウム量、アルカリ性ホスファターゼ活
性及びＤＮＡ量は煮汁投与により有意に増大した。この
結果から、サポニン（６６μｇ／ｍｌ）、ダイズイン
（７７μｇ／ｍｌ）、ダイゼイン（０．６μｇ／ｍ
ｌ）、ゲニスチン（５８μｇ／ｍｌ）及びゲニスティン
（０．６μｇ／ｍｌ）を含有する煮汁組成物が、骨形成
促進による骨成長や老化に伴う骨代謝活性の減弱による
骨増量の減少を防止し得る有効な組成をもつ食品素材で
あることが判明した。なお、煮汁組成物と等濃度のサポ
ニン（６６μｇ／ｍｌ）、ダイズイン（７７μｇ／ｍ
ｌ）、ダイゼイン（０．６μｇ／ｍｌ）並びにゲニステ
ィン（０．６μｇ／ｍｌ）をそれぞれ単独に経口投与し
た場合には、上記骨成分の有意な増加は認められなかっ
た。このことから、煮汁経口投与による骨成分の増加効
果は、上記成分の複合的相乗効果に基づくことが判明し
た。これにより、老化性骨粗鬆症の発症を煮汁組成物の
摂取により予防できる可能性を開いたものである。
（１００ｍｇ煮汁／ｍｌ）をラットに体重１００ｇ当り
１ｍｌを２週間経口投与したときの大腿骨の骨幹部組織
と骨幹端部組織の骨成分の変動について調べた。結果を
表１に示す。骨幹部組織中のカルシウム量並びにＤＮＡ
量は煮汁投与により有意に増加した。また更に、骨幹端
部組織中のカルシウム量、アルカリ性ホスファターゼ活
性及びＤＮＡ量は煮汁投与により有意に増大した。この
結果から、サポニン（６６μｇ／ｍｌ）、ダイズイン
（７７μｇ／ｍｌ）、ダイゼイン（０．６μｇ／ｍ
ｌ）、ゲニスチン（５８μｇ／ｍｌ）及びゲニスティン
（０．６μｇ／ｍｌ）を含有する煮汁組成物が、骨形成
促進による骨成長や老化に伴う骨代謝活性の減弱による
骨増量の減少を防止し得る有効な組成をもつ食品素材で
あることが判明した。なお、煮汁組成物と等濃度のサポ
ニン（６６μｇ／ｍｌ）、ダイズイン（７７μｇ／ｍ
ｌ）、ダイゼイン（０．６μｇ／ｍｌ）並びにゲニステ
ィン（０．６μｇ／ｍｌ）をそれぞれ単独に経口投与し
た場合には、上記骨成分の有意な増加は認められなかっ
た。このことから、煮汁経口投与による骨成分の増加効
果は、上記成分の複合的相乗効果に基づくことが判明し
た。これにより、老化性骨粗鬆症の発症を煮汁組成物の
摂取により予防できる可能性を開いたものである。
【００１５】
【表１】ラット大腿骨骨組織中の骨成分の煮汁経口投与
による増量 各値は、６匹のラットの骨組織の平均値±標準誤差を示
す。
による増量 各値は、６匹のラットの骨組織の平均値±標準誤差を示
す。
【００１６】本発明の組成物を含有する食品素材は、副
作用が全くない抗骨粗鬆症効果を有することから、若い
時期から日常的に骨粗鬆症の予防を目的に摂取すること
ができるため、個人の老後の生活の質を守るだけではな
く、高齢化社会の医療費削減への貢献が期待できる。同
時に、本発明により提供できる組成物をもった食品素材
は、栄養成分の強化も行なうことができる。
作用が全くない抗骨粗鬆症効果を有することから、若い
時期から日常的に骨粗鬆症の予防を目的に摂取すること
ができるため、個人の老後の生活の質を守るだけではな
く、高齢化社会の医療費削減への貢献が期待できる。同
時に、本発明により提供できる組成物をもった食品素材
は、栄養成分の強化も行なうことができる。
【００１７】安全性試験 実施例で調製した粉末試料液の急性毒性試験を以下の方
法で行なった。 ＜試験方法＞４週齢のウイスター系雄性ラットを１群１
０匹使用した。被検物質の投与が個体体重に対して１ｇ
／１００ｇ体重及び１０ｇ／１００ｇの２群を編成し、
１８時間絶食後、胃ゾンデを用いて強制経口投与した。
ラットは恒温恒湿の条件で飼育し、投与日を０として各
個体の体重を測定しつつ、１４日間一般症状及び生死の
状態を観察した。この間、水と餌は自由に与えた。
法で行なった。 ＜試験方法＞４週齢のウイスター系雄性ラットを１群１
０匹使用した。被検物質の投与が個体体重に対して１ｇ
／１００ｇ体重及び１０ｇ／１００ｇの２群を編成し、
１８時間絶食後、胃ゾンデを用いて強制経口投与した。
ラットは恒温恒湿の条件で飼育し、投与日を０として各
個体の体重を測定しつつ、１４日間一般症状及び生死の
状態を観察した。この間、水と餌は自由に与えた。
【００１８】＜試験結果＞粉末試料液の投与は、死亡例
は認められず、体重も順調に増加した。また、外観も通
常のラットと何ら変わりがなかった。したがって、被検
物質ともＬＤ５０は１０ｇ／１００ｇより大きく、極め
て安全な組成物であることがわかった。また、本試料液
は天然食品成分をもった素材であることから慢性毒性に
関しても極めて安全性の高い素材であると判断される。
は認められず、体重も順調に増加した。また、外観も通
常のラットと何ら変わりがなかった。したがって、被検
物質ともＬＤ５０は１０ｇ／１００ｇより大きく、極め
て安全な組成物であることがわかった。また、本試料液
は天然食品成分をもった素材であることから慢性毒性に
関しても極めて安全性の高い素材であると判断される。
【００１９】
【実施例】 実施例１ 粉末素材 大豆煮汁乾燥粉末（サポニン ６６ｍｇ／１００ｇ，ダイジン ７７ｍｇ／１ ００ｇ，ダイゼイン ０．６ｍｇ／１００ｇ，ゲニスチン ５８ｍｇ／１００ｇ ，ゲニスティン ０．６ｍｇ／１００ｇ） ・・・・・・７００ｇ トウモロコシデンプン ・・・・・・２８０ｇ 抽出トコフェロール ・・・・・・ ２０ｇ 上記原料を高速ミキサーにて混合して均一な粉末が得ら
れた。この粉末は様々な食品に混合可能である。
れた。この粉末は様々な食品に混合可能である。
【００２０】 実施例２ 錠剤 大豆煮汁乾燥粉末（実施例１と同様の成分を含む） ・・・・１００ｇ トウモロコシデンプン ・・・・１２５ｇ 結晶セルロース ・・・・ ２５ｇ 上記成分を均一に混合して、７．５％ヒドロキシピロピ
ルセルロース水溶液２００ｍｌを加え、押出し造粒機に
より、直径０．５ｍｍスクリーンを用いて顆粒とし、直
ちにエルメライザーにより丸めた後、乾燥して顆粒剤と
した。
ルセルロース水溶液２００ｍｌを加え、押出し造粒機に
より、直径０．５ｍｍスクリーンを用いて顆粒とし、直
ちにエルメライザーにより丸めた後、乾燥して顆粒剤と
した。
【００２１】大豆煮汁及び胚軸の乾燥方法と適用の範囲 大豆食品加工時に発生する胚軸や煮汁は、直ちに乾燥し
て水分を飛ばさないと、腐敗微生物等が増殖し、成分組
成が変化してしまう。乾燥方法としては、通常食品の乾
燥に用いる手法の全てについて適用することができる。
て水分を飛ばさないと、腐敗微生物等が増殖し、成分組
成が変化してしまう。乾燥方法としては、通常食品の乾
燥に用いる手法の全てについて適用することができる。
【００２２】
【発明の効果】大豆食品加工中に生成する胚軸や煮汁
（サポニン、ダイズイン、ダイゼイン、ゲニスチン及び
ゲニスティンを含有）を食品素材とした組成物は、強い
骨成長並びに骨形成促進効果及び骨塩量増加効果を有
し、健康食品として摂取しやすい顆粒剤として服用する
ことができるのみならず、日常的に食する食品として違
和感なく容易に摂取できるので、高齢者の骨粗鬆症の治
療及び予防に特に有用であり、若年層においても、食生
活の偏重により生じる骨成長や骨形成の遅延を予防する
のに高い効果を奏する。更に、骨形成や骨代謝の異常に
よって生じる骨折、骨軟化症、骨粗鬆症、リュウマチ性
骨減少症や腰背痛の予防食品や医薬品として有用であ
る。
（サポニン、ダイズイン、ダイゼイン、ゲニスチン及び
ゲニスティンを含有）を食品素材とした組成物は、強い
骨成長並びに骨形成促進効果及び骨塩量増加効果を有
し、健康食品として摂取しやすい顆粒剤として服用する
ことができるのみならず、日常的に食する食品として違
和感なく容易に摂取できるので、高齢者の骨粗鬆症の治
療及び予防に特に有用であり、若年層においても、食生
活の偏重により生じる骨成長や骨形成の遅延を予防する
のに高い効果を奏する。更に、骨形成や骨代謝の異常に
よって生じる骨折、骨軟化症、骨粗鬆症、リュウマチ性
骨減少症や腰背痛の予防食品や医薬品として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ６１Ｋ 35/78 Ａ６１Ｋ 35/78 Ｊ ４Ｃ０８８ // Ａ２３Ｌ 1/20 Ａ２３Ｌ 1/20 Ａ 1/30 1/30 Ｂ Ｃ０７Ｄ 311/36 Ｃ０７Ｄ 311/36 Ｃ０７Ｈ 15/256 Ｃ０７Ｈ 15/256 Ｚ 17/07 17/07 Ｆターム(参考） 4B018 LE01 LE03 MD58 ME05 MF04 MF06 MF08 4B020 LB24 LB30 LC05 LC08 LG01 LK05 LP04 LP20 4C057 BB02 JJ52 KK08 4C062 EE43 4C086 AA01 AA02 BA08 EA11 MA01 ZA96 ZA97 4C088 AB61 AC04 CA05 NA06 NA07 ZA96 ZA97
Claims (3)
- 【請求項１】 サポニン，ダイジン，ダイゼイン，ゲニ
スチン及びゲニスティンを主たる有効成分とすることを
特徴とする骨形成促進及び抗骨粗鬆症組成物。 - 【請求項２】 サポニン，ダイジン，ダイゼイン，ゲニ
スチン及びゲニスティンが大豆煮汁あるいは大豆や大豆
胚軸由来である請求項１記載の組成物。 - 【請求項３】 固形物１００ｇ中のサポニン５０ｍｇ以
上，ダイジン５０ｍｇ以上，ダイゼイン０．４ｍｇ以
上，ゲニスチン４０ｍｇ以上及びゲニスティン０．４ｍ
ｇ以上である請求項１〜３のいずれか１項に記載の組成
物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10370606A JP2000191526A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 骨形成促進及び抗骨粗鬆症組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10370606A JP2000191526A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 骨形成促進及び抗骨粗鬆症組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000191526A true JP2000191526A (ja) | 2000-07-11 |
Family
ID=18497297
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10370606A Pending JP2000191526A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 骨形成促進及び抗骨粗鬆症組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000191526A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002074308A1 (en) * | 2001-03-15 | 2002-09-26 | Roche Vitamins Ag | Composition for the prevention of osteoporosis comprising a combination of isoflavones and polyunsaturated fatty acids |
| WO2003068218A1 (en) * | 2002-02-15 | 2003-08-21 | N.V. Nutricia | Use of genistein in the manufacture of a medicament for the treatment of osteoporosis and obesity, and compositions containing genistein in combination with vitamin d and k |
| WO2004037236A1 (ja) * | 2002-10-25 | 2004-05-06 | KEMIN FOODS, L. C. d/b/a KEMIN HEALTH, L. C. | β−クリプトキサンチンを有効成分とする骨形成促進剤 |
| JP2010088442A (ja) * | 2001-12-11 | 2010-04-22 | Soc Des Produits Nestle Sa | 骨成長の促進及び骨健康の維持のための組成物 |
| CN104324220A (zh) * | 2014-11-24 | 2015-02-04 | 吴玲 | 一种治疗骨质增生的中药 |
| CN105395773A (zh) * | 2015-11-25 | 2016-03-16 | 王雅芳 | 一种肩周炎配方的制作方法 |
| CN105396091A (zh) * | 2015-11-25 | 2016-03-16 | 王雅芳 | 一种治疗肩周炎中药配方的组合物 |
-
1998
- 1998-12-25 JP JP10370606A patent/JP2000191526A/ja active Pending
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100389765C (zh) * | 2001-03-15 | 2008-05-28 | Dsmip资产有限公司 | 含有异黄酮和多不饱和脂肪酸组合的用于预防骨质疏松症的组合物 |
| JP2004532829A (ja) * | 2001-03-15 | 2004-10-28 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー．ブイ． | イソフラボンおよび多価不飽和脂肪酸の組合せを含む、骨粗鬆症を予防するための組成物 |
| EP1852115A1 (en) * | 2001-03-15 | 2007-11-07 | DSM IP Assets B.V. | Composition for the prevention of osteoporosis comprising a combination of isoflavones and polyunsaturated fatty acids |
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| US8148431B2 (en) | 2002-10-25 | 2012-04-03 | Kemin Health, L.C. | Osteogenesis promoter containing β-cryptoxanthin as the active ingredient |
| CN104324220A (zh) * | 2014-11-24 | 2015-02-04 | 吴玲 | 一种治疗骨质增生的中药 |
| CN105395773A (zh) * | 2015-11-25 | 2016-03-16 | 王雅芳 | 一种肩周炎配方的制作方法 |
| CN105396091A (zh) * | 2015-11-25 | 2016-03-16 | 王雅芳 | 一种治疗肩周炎中药配方的组合物 |
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|---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041119 |
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