JP2000188883A - 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動方法、携帯機器および時計 - Google Patents

圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動方法、携帯機器および時計

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JP2000188883A
JP2000188883A JP10363544A JP36354498A JP2000188883A JP 2000188883 A JP2000188883 A JP 2000188883A JP 10363544 A JP10363544 A JP 10363544A JP 36354498 A JP36354498 A JP 36354498A JP 2000188883 A JP2000188883 A JP 2000188883A
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誠 古畑
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修 宮澤
Tsukasa Funasaka
司 舩坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子の振動を効率よく増幅するととも
に、薄型化に適した圧電アクチュエータを提供する。 【解決手段】 圧電アクチュエータAは、板状の振動板
10とステータ20とを備えている。振動板10は、圧
電素子11とリン青銅等の薄板で構成され弾性板として
機能するシム部12とを貼り合わせて構成されている。
この圧電素子11圧電素子11が伸縮することによって
振動板10が振動する。ステータ20は、略長方形の形
状をした薄板で構成されており、円弧状の可動端21と
幅が狭くなった括れ部22および固定部23を備えてい
る。ここで、圧電素子11にはステータ20の固有振動
周波数を有する駆動信号が印加される。これにより、ス
テータ20は振動板10の変位を効率よく増幅して可動
端21に伝達する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステータの屈曲振
動等を利用した圧電アクチュエータ、その駆動方法、こ
の圧電アクチュエータを用いた携帯機器および時計に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電素子は、電気エネルギーから機械エ
ネルギーへの変換効率や、応答性に優れていることか
ら、近年、圧電素子を圧電効果を利用した各種の圧電ア
クチュエータが開発されている。この圧電アクチュエー
タは、カメラのシャッター機構、プリンタのインクジェ
ットヘッド、あるいは超音波モーターなどの分野に応用
されている。図25は従来の圧電アクチュエータを用い
た超音波モーターを模式的に示す平面図である。この種
の超音波モーターは、つっつき型と呼ばれるものであっ
て、圧電素子に結合した振動片の先端に、ローター面を
少し傾斜させて接触させてある。回転の原理は、発振部
からの交流電圧によって圧電素子が伸縮し、振動片が長
さ方向に往復運動すると、ローターの円周方向に分力が
発生してローターが回転するといったものである。ま
た、2個の超音波振動子(圧電素子)を備え、各超音波
振動子をそれ自身の電気的な共振周波数で振動させ、こ
の振動により振動片を変位させる技術が知られている
(特開平10−225151号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電素
子の変位は印加電圧にもよるが微少であり、数μm程度
であるのが通常であり、上記した共振周波数で振動させ
る場合でも同様である。このため、なんらかの増幅機構
によって変位を増幅してローターに伝達することが望ま
しい。一方、増幅機構を用いると、それ自身を動かすた
めにエネルギーが消費され、効率が低下するといった問
題がある。また、腕時計やカメラのような小型の携帯機
器は電池で駆動するので、消費電力や駆動電圧を低く抑
える必要がある。したがって、そのような携帯機器に圧
電アクチュエータを組み込む場合には、特に、そのエネ
ルギー効率が高く、駆動電圧が低いことが重要である。
【0004】ところで、腕時計などにおいて日、曜など
を表示するカレンダー表示機構では、電磁式のステップ
モータの回転駆動力を運針用の輪列を介して日車などに
も間欠的に伝達し、日車を送り駆動するのが一般的であ
る。一方、腕時計は手首にベルトを巻き付けて携帯する
ものであるから、携帯に便利なように薄型化の要求が古
くからある。このためには、カレンダー表示機構の厚さ
を薄くする必要がある。しかし、ステップモータはコイ
ルやローターといった部品を面外方向に組み込んで構成
されるので、その厚さを薄くするのには限界がある。こ
のため、ステップモータを用いた従来のカレンダー表示
機構は、構造的に薄型化に向かないといった問題があっ
た。
【0005】特に、カレンダー表示機構のある時計と、
係る表示機構のない時計との間で運針の機械系(いわゆ
るムーブメント)を共通化するためには、カレンダー表
示機構を文字板側に構成する必要があるが、電磁式のス
テップモータでは文字板側に構成できる程の薄型化が困
難である。したがって、従来の時計は、表示機構の有無
よって運針の機械系を別々に設計して製造する必要があ
り、その生産性を向上させる際の問題となっていた。
【0006】本発明は上述した事情に鑑みてなされたも
のであり、圧電素子の振動を効率よく増幅するととも
に、薄型化に適した圧電アクチュエータ、これを用いた
携帯機器および時計を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る圧電アクチュエータは、振動により少
なくとも一方の端部が可動端として変位する板部と、こ
の板部に力を加えるように配置され、圧電素子を設けた
振動板と、前記圧電素子に前記板部の固有振動周波数と
ほぼ等しい周波数を有する駆動信号を印加する駆動手段
とを備えたことを特徴とする。この発明において、振動
板は板部が変位する力を加えるように配置されているか
ら、振動板が振動すると、この振動によって、板部の少
なくとも一方の可動端が変位する。ここで、振動板に設
けられた圧電素子には、板部の1次の振動モードあるい
は高次の振動モードにおける固有振動周波数とほぼ等し
い周波数を有する駆動信号が印加される。このため、板
部は、その固有振動周波数で振動することになる。構造
物は、固有振動周波数で振動するとき、その機械的イン
ピーダンスが極小となり、大きな変位が生じる。したが
って、この発明の圧電アクチュエータによれば、高いエ
ネルギー効率の下に、低い駆動電圧で大きな変位が得ら
れる。
【0008】また、本発明に係る圧電アクチュエータ
は、振動により少なくとも一方の端部が可動端として面
内方向に変位する板部と、この板部が面内方向に変位す
る力を前記板部に加えるように配置され、圧電素子を設
けた振動板と、前記圧電素子に前記板部の固有振動周波
数とほぼ等しい周波数を有する駆動信号を印加する駆動
手段とを備えたことを特徴とする。この場合、振動板
は、板部の側面に配置されることが望ましい。
【0009】この発明において、振動板は板部が面内方
向に変位する力を前記板部に加えるように配置されてい
るから、振動板が振動すると、この振動によって、板部
の少なくとも一方の可動端は面内方向に変位する。この
発明の圧電アクチュエータは、板部の振動を面内方向の
振動として取り出す新しいタイプの圧電アクチュエータ
であり、少ない部品で構成することができる。さらに、
板部の側面に振動板を配置する場合には、圧電アクチュ
エータを薄型化することができ、しかも、面外方向への
力の逃げがなくなるので、送り方向への力の変換が大き
くなる。このため、入力エネルギーから出力エネルギー
への変換効率をより一層向上させることができる。
【0010】本発明において、前記振動板は、面外方向
に撓み振動するように前記圧電素子を配置してもよい。
例えば、板部を略長方形の形状で構成すると、その幅が
狭いほど内部損失が低減するとともに固有振動周波数が
低下する。一方、振動板を面外方向に撓み振動させる場
合には、振動周波数を低周波数に設定することが容易で
ある。したがって、この発明に係る圧電アクチュエータ
は、振動周波数を比較的低い周波数に設定するとともに
板部の幅を狭くすることにより、板部での内部損失を低
減してエネルギー効率の向上を図るのに適している。
【0011】また、振動板を面外方向に撓み振動させる
場合、前記圧電素子を撓み振動の節で分割してもよい。
振動板を高次振動で駆動すると、振動板に複数の変極点
が生じ、1枚の圧電素子の中に伸びる部分と縮む部分が
発生する。伸びる部分と縮む部分とでは分極の方向が逆
極性となるめ、内部的に電荷が相殺され、電気的なエネ
ルギー効率が低下する。これに対して、本発明のように
圧電素子を撓み振動の節で分割すると、各圧電素子にお
いて伸びる部分と縮む部分とが同時に存在しないので、
電気的なエネルギー効率を向上させることができ、低い
駆動電圧で大きな変位を得ることができる。この場合、
前記振動板の上下面に振動の節で分割した複数の圧電素
子を各々配置し、前記振動板を介して上下方向に隣り合
う圧電素子の分極方向を一致させるとともに、長手方向
に隣り合う圧電素子の分極方向を逆極性とすることが好
ましい。
【0012】また、前記振動板の上下面に各々一枚の圧
電素子を設け、各圧電素子に複数の分割された電極を配
置し、前記駆動手段は長手方向に隣り合う電極に位相が
180度ずれた駆動信号を供給するようにしてもよい。
【0013】本発明において、前記振動板は、面内方向
に伸縮振動するように前記圧電素子を配置してもよい。
この場合には、振動板と板部との間で面外方向の応力を
面内方向の応力に変換する必要がないので、板部のねじ
れ等が発生せず、応力の方向変換に伴う損失が原理的に
ない。したがって、機械的なエネルギー効率の向上を図
ることができ、低い駆動電圧で大きな変位を得ることが
できる。また、振動板の運動は面内方向であるから、上
下方向に撓み振動するものと比較して、薄型化に適して
いる。
【0014】また、振動板を面内方向に伸縮運動させる
場合、前記圧電素子に印加する電界を前記振動板の長手
方向としてもよい。この場合には、圧電素子の縦効果を
利用することができるので、同一の駆動信号で大きな力
または変位を得ることができ、電気的なエネルギー効率
を向上させることができる。
【0015】本発明において、振動板は円板状に形成さ
れた圧電素子を備えるものであってもよい。一般に、印
可する電界に対する変位量を示す圧電係数は、圧電素子
の形状が円板であるとき最大となる。したがって、本発
明によれば、同一の駆動信号で大きな変位を得ることが
でき、電気的なエネルギー効率をより一層向上させるこ
とができる。
【0016】本発明において、駆動手段は、前記板部の
固有振動周波数と前記振動板の固有振動周波数とにほぼ
等しい周波数を有する前記駆動信号を前記圧電素子に供
給するようにしてもよい。この発明によれば、振動板と
板部は各々固有振動周波数で振動する。したがって、圧
電アクチュエータ全体として見たとき、機械的なエネル
ギー効率を向上させることができる。
【0017】本発明において、前記板部には、前記可動
端を変位可能に支持する支持部が設けられていてもよ
く、また、支持部は、前記板部の幅より幅狭な括れ部に
よって構成することが好ましい。括れ部は、弾性体とし
て作用するから、振動をさほど減衰させることなく板部
を支持することが可能である。
【0018】本発明において、前記支持部を前記板部に
おいて前記可動端と反対側の端部に設けてもよいし、あ
るいは、前記板部が振動した際に生じる節の近傍に設け
てもよい。振動の節は固定点として作用するため、板部
の中で応力の大きさが最も小さい箇所である。したがっ
て、節の近傍で支持すると、そこで消費される機械的な
エネルギーをより一層削減することができる。なお、括
れ部によって支持部を構成する場合には、板部が屈曲振
動した際に生じる節に対応した前記板部の側面に括れ部
を設けることが好ましい。また、特に、板部を偶数次振
動させる場合には、板部の中央の節で支持するのが好ま
しい。この場合には、板部のバランスを取りつつ支持す
ることができるので、機械的な強度を増すことができ
る。
【0019】本発明において、振動板は、前記板部が振
動した際に生じる腹の近傍を加振するように配置するこ
とが好ましい。一般に、振動体においては、腹を加振す
ることによって最大の伝達効率を得ることができる。し
たがって、この発明によれば、振動板の振動を高い効率
で板部に伝達して、可動端から大きな振幅を取り出すこ
とができ、駆動電圧の低電圧化を図ることができる。な
お、この場合に、加振位置は腹そのものでなくとも、当
該板部の振動伝達特性に応じた一定の範囲であれば、高
い効率で振動を伝達することが可能である。したがっ
て、加振位置は腹の近傍であればよい。
【0020】本発明において、前記板部と前記振動板と
を略同一平面内に構成するようにしてもよい。この場合
には、圧電アクチュエータの薄型化を図ることができ
る。具体的には、前記板部と前記振動板とを一枚の板状
部材で形成するとともに、前記振動板に薄板状の前記圧
電素子を形成することが好ましい。この場合には、圧電
アクチュエータの主要部を二つの部品から構成すること
ができるので、構成を非常に簡易にすることができる。
【0021】本発明に係る圧電アクチュエータは、前記
可動端と接し、この可動端が面内方向に振動すると回転
する円板状のローターを備えることが好ましい。この場
合には、可動端の往復振動をローターによって回転方向
の応力に変換することができる。
【0022】本発明に係る携帯機器は、前記圧電アクチ
ュエータと、この圧電アクチュエータに電力を給電する
電池とを備えたことを特徴とする。この場合、圧電アク
チュエータはエネルギー効率が極めて良いので、長時間
の連続使用が可能となる。なお、電池は、乾電池、水銀
電池等の一次電池の他に、大容量のコンデンサ、リチウ
ムイオン二次電池、Ni−Cd等の蓄電能力のある二次
電池であってもよい。また、何らかの発電機構によって
二次電池に電力が充電されるものであってもよい。
【0023】本発明に係る時計は、前記圧電アクチュエ
ータと、前記ローターの回転力によって回転するリング
状のカレンダー表示車とを備えたことを特徴とする。カ
レンダー表示車としては日車の他に曜車等がある。この
圧電アクチュエータは、薄型化に適した構造をしている
ので、時計全体を薄型化することが可能である。
【0024】また本発明に係る圧電アクチュエータの駆
動方法は、振動により少なくとも一方の端部が可動端と
して面内方向に変位する板部と、この板部が面内方向に
変位する力を前記板部に加えるように配置され、圧電素
子を設けた振動板とを備えた圧電アクチュエータを駆動
するものであって、前記板部の固有振動周波数とほぼ等
しい周波数の駆動信号を生成し、この駆動信号を前記圧
電素子に供給することを特徴とする。この発明によれ
ば、板部の共振を積極的に利用することが可能となり、
板部の機械的インピーダンスを極小として、大きな変位
を取り出すことができる。この結果、高いエネルギー効
率の下に、低い駆動電圧で大きな変位が得られる。ま
た、前記駆動信号の周波数は、前記振動板の固有振動周
波数と一致することが好ましい。この場合には、板部の
みならず振動板も固有振動周波数で振動するので、より
高いエネルギー効率の下に、より低い駆動電圧で大きな
変位が得られる。
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
に係る圧電アクチュエータを用いた時計について説明す
る。
【0025】[1.圧電アクチュエータの原理]まず、本
実施形態に用いられる圧電アクチュエータの原理につい
て説明する。図1は、圧電アクチュエータの平面図であ
る。この圧電アクチュエータAは、図に示すように、板
状の振動板10とステータ20とから概略構成される。
振動板10は、圧電素子11とリン青銅等の薄板で構成
され弾性板として機能するシム部12とを貼り合わせて
構成されている。この圧電素子11に交流電圧を給電す
るとことによって圧電素子11が伸縮し、これによって
振動板10が振動する。ステータ20は、略長方形の形
状をした薄板で構成されており、円弧状の可動端21と
幅が狭くなった括れ部22および固定部23を備えてい
る。
【0026】振動板10の振動モードとしては、図2
(a)に示すように振動板10が上下方向に波打つよう
に撓み振動する屈曲モードと、図2(b)に示すように
振動板10が長手方向に伸縮振動する縦振動モードとが
ある。圧電素子11の構成によって、振動モードが決定
されるが、いずれのモードにおいても振動板10の端部
13がステータ20の側面部を図1に示す矢印方向に押
すことになる。ステータ30を剛体として考えると、図
3(a)に示すようにステータ20は括れ部22を中心
として変位する。この場合、振動板10が変位すると、
端部13の変位が括れ部22を中心として、てこの原理
によって増幅され、可動端21に伝達される。しかし、
ステータ20は、いわゆる片持ち梁構造をしているた
め、支持部となる括れ部22に大きな応力が掛かり、応
力が括れ部22から逃げてエネルギー損失が大きくな
る。このため、電気エネルギーから機械エネルギーへの
変換効率が低下するといった問題がある。
【0027】ところで、機械的な構造物に対して力一定
の条件で、加振周波数を徐々に大きくしてゆくと、ある
周波数で構造物の振幅は極大値を取り、その後極小値を
取るといった応答を繰り返す。すなわち、振幅が極大と
なる周波数は複数存在し、この各々の極大に対応する各
周波数を一括して固有振動周波数という。そして、最も
低い固有振動周波数に対応する振動の態様を1次の振動
モード、その次に低い固有振動周波数に対応する振動の
態様を2次の振動モード、…という。構造物は、これら
の振動モードの固有振動周波数で振動する時、その機械
的インピーダンスが極小となり、小さな駆動力で容易に
大きな変位が得られることが知られている。
【0028】本実施形態に用いられる圧電アクチュエー
タAは、この点に着目して構成されたものであり、可動
部21の1次の振動モードもしくは高次の振動モードの
固有振動周波数にほぼ等しい周波数で可動部21を加振
する。図3(b)は、可動部21の1次の振動モードに
おける変位を模式的に示したものであり、図3(c)は
可動部21の2次の振動モードにおける変位を模式的に
示したものである。図3(b)、(c)に示すように、
可動部21は面内で屈曲しながら振動する。
【0029】ここで、可動部をn次の振動モードで振動
させるものとすれば、駆動信号Vの周波数をn次のモー
ドの固有振動周波数にほぼ等しい周波数になるように設
定する。この圧電アクチュエータAによれば、可動部2
1の機械的インピーダンスが極小となるので、小さな駆
動力で容易に大きな変位が得られる。可動部21の減衰
係数にもよるが、一般に可動部21を剛体として捉え、
その固有振動周波数を考慮することなく加振した場合と
比して、数倍から数千倍の変位を得ることができる。以
下の各実施形態にあっては、ステータ20の固有振動を
積極的に利用した圧電アクチュエータAを時計のカレン
ダー表示機構に応用した例を説明する。
【0030】[2.第1実施形態] [2−1.全体構成]図4は、本発明の第1実施形態に係
る時計において、カレンダー表示機構の主要構成を示す
透過平面図である。この例の圧電アクチュエータAにお
いて、振動板10は屈曲モードで撓み振動するものとす
る。この場合、圧電アクチュエータAは面外方向の振動
を面内方向の振動として増幅し、可動端21の変位とし
て出力する。可動端21はロータ30に接触している。
ここで、ステータ20とロータ30とは、静止状態にお
いて適度な応力が掛かるように配置されている。可動端
21が矢印Xの方向に振動すると、ロータ30は矢印Y
の方向に回転する。ロータ30の回転は、中間車40を
介して日車50に伝達され、日車50が矢印Zの方向に
回転する。
【0031】図5は本発明の第1実施形態に係る時計の
断面図である。図において、斜線部分に、上述したカレ
ンダー機構が組み込まれており、その厚さは0.5mm
程度と極めて薄い。カレンダー表示機構(斜線部分)の
上側には、円盤状の文字板60が設けられている。この
文字板60の外周部の一部には日付を表示するための窓
部61が設けられており、窓部61から日車50の日付
が覗けるようになっている。また、文字板60の下側に
は、針70を駆動するムーブメントが設けられている。
【0032】以上の構成において、圧電アクチュエータ
Aは、従来のステップモータのようにコイルやローター
を面外方向に積み重ねるのではなく、同一平面内に振動
板10、ステータ20およびローター30を配置した構
成となっているので、構造的に薄型化に適している。こ
のため、カレンダー表示機構を薄型化することができ、
ひいては時計全体の厚さを薄くすることができる。さら
に、カレンダー表示機構のある時計と、係る表示機構の
ない時計との間でムーブメントを共通化することがで
き、生産性を向上させることができる。
【0033】[2−2.圧電アクチュエータの構成例]次
に、各種の圧電アクチュエータの構成例を駆動回路とと
もに説明する。 [2−2−1.第1の態様]図6に第1の態様に係る圧電
アクチュエータA1の構成例を示す。この圧電アクチュ
エータA1は、0.05mm程度の厚さの金属性の振動
板10の上面側に、0.2mm程度のユニモルフ型の圧
電素子11を貼り合わせており、振動板10の端部13
がステータ20に当接している。なお、圧電素子11の
材料には、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウ
ム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデ
ン、チタン酸ジルコン酸鉛、亜鉛酸ニオブ酸鉛((Pb(Z
n1/3-Nb2/3)O3 1-x-Pb Ti O3 x)xは組成により異な
る。x=0.09程度)、スカンジウムニオブ酸鉛((Pb
{(Sc1/2Nb1/2)1-x Tix)} O3)xは組成により異なる。X
=0.09程度)等の各種のものを用いることができる。
【0034】駆動回路100は、圧電素子11の上面に
設けられた電極(図示せず)と振動板10とをそれぞれ
両極として、それらの間に駆動信号Vが印加する。駆動
信号Vを生成する駆動回路100としては、他励式のも
のと自励式のものがある。まず、図7(a)に他励式の
駆動回路のブロック図を示す。他励式のものは、発振回
路101から出力される発振信号を周波数変換回路10
2で所望の発振周波数に変換して駆動信号Vを生成す
る。この場合、発振回路101を指針を駆動するための
時計回路における水晶発振回路と兼用し、また、周波数
変換回路102に分周回路を用いることにより、構成を
簡易にすることができる。次に、図7(b)に自励式の
駆動回路のブロック図を示す。同図に示す自励式のもの
は、コルピッツ型の発振回路103に対してフィルタ1
04を設け、所定の周波数の信号のみを正帰還させるこ
とにより圧電素子11に駆動信号Vを印加する。
【0035】ここで、駆動信号Vの周波数は、ステータ
20の1次の振動モード、あるいは高次の振動モードに
おける固有振動周波数となるように設定されている。上
述したように構造物は固有振動周波数で振動するとき、
機械的インピーダンスが最も小さくなる。したがって、
固有振動周波数でステータ20を駆動することによっ
て、ステータ20を大きく変位させることが可能とな
る。換言すれば、振動板10の振幅を効率良く増幅して
可動端21に伝達することができる。この結果、駆動回
路100の消費電力を削減するできるとともに駆動電圧
の低電圧化を図ることができ、さらに小型の圧電素子1
1を使用することが可能となる。
【0036】ところで、圧電素子11をシム部12に貼
り合わせた振動板10は、ステータ20の固有振動周波
数fsとは独立した固有振動周波数fpを有する。ステータ
20の幅をWs,長さをLsとすると固有振動周波数fsはWs
/Lsに比例し、また、振動板10の長さをLpとすると固
有振動周波数fpは1/Lpに比例する。
【0037】図8は、固有振動周波数fs,fpと、Ws/Ls
および1/Lpとの関係を示したグラフである。圧電素子
11にはステータ20の固有振動周波数fsを有する駆動
信号Vが印加されるので、振動板10は固有振動周波数
fsで振動する。ここで、固有振動周波数fsと固有振動周
波数fpとがかけ離れていると、振動板10の機械的イン
ピーダンスが大きくなり大きな変位が得られず効率が悪
くなる。このため、固有振動周波数fs,fpは、略一致す
るようにステータ20の幅Wsと長さLs、および振動板1
0の長さLpを各々設定する。この場合、固有振動周波数
fs,fpは、±5%の範囲内に設定することが望ましい。
ここで、ステータ20を2次の振動モード(図2(c)
参照)、3次の振動モード、…n次の振動モードといっ
た高次の振動モードで駆動する場合には、その次数に併
せて振動板10を振動させればよい。あるいは、固有振
動周波数fs,fpを振動モードの次数を変数とする関数で
あらわすものとすれば、駆動信号Vの周波数fを以下の
式で与えられるように設定し、ステータ20をn次の振
動モードで駆動するとともに、振動板10をm次の振動
モードで駆動するようにしてもよい。f=fs(n)=
fp(m) 但し、n,mは自然数例えば、ステータ2
0の2次の振動モードに対応する固有振動周波数fs(2)
と、振動板10の3次の振動モードに対応する固有振動
周波数fp(3)が一致するのであれば、ステータ20を2
次の振動モードで振動させるとともに振動板10を3次
の振動モードで振動させればよい。
【0038】ところで、ステータ20の固有振動周波数
fsはその幅Wsに比例するが、これが広くなるほど、Q値
が低下してステータ20の内部損失が大きくなる。この
ため、ステータ20の幅Wsは狭いことが望ましい。ステ
ータ20の幅Wsを狭くすると、これに伴って固有振動周
波数数fsが低下する。すなわち、固有振動周波数fsが低
い程、機械的なエネルギー効率が向上する。
【0039】さらに、駆動回路100から圧電素子11
まで実際の配線には浮遊容量が存在するし、駆動回路1
00の内部においても寄生容量が存在する。したがっ
て、駆動信号Vの周波数が高いと、これらの容量を介し
て漏洩電流が流れてしまうので、電気的なエネルギー効
率が低下する。換言すれば、固有振動周波数fpが低い
程、電気的なエネルギー効率が向上する。
【0040】機械的なエネルギー効率と電気的なエネル
ギー効率を向上させるためには、ステータ20の幅Wsを
狭くすることによって、ステータ20の固有振動周波数
fsを低く設定するとともに、これに略一致するように振
動板10の固有振動周波数fpを設定し、駆動信号Vの
周波数を低くすることが望ましい。ここで、振動板10
の振動モードとして屈曲モードは、図2(a)に示すよ
うに振動板10を上下方向に撓み振動させるものである
ので、図2(b)に示す縦振動モードに比較して、低い
周波数の駆動に適している。そこで、この例にあって
は、屈曲モードで振動可能な圧電素子11と幅Wsの狭
いステータ20とを組み合わせている。この組み合わせ
により、機械的および電気的なエネルギー効率の向上さ
せることができる。
【0041】[2−2−2.第2の態様]次に、図9に第
2の態様に係る圧電アクチュエータA2の構成例を示
す。この例の圧電アクチュエータA2は、圧電素子11
の構成を除いて、第1の態様に係る圧電アクチュエータ
と同様に構成されている。この例の圧電素子11はバイ
モルフ型の構造をしている。具体的には、図示するよう
に、シム部12の上面側に圧電素子11aをその下面側
に圧電素子11bを貼り合わせたサンドイッチ構造をし
ている。このようなサンドイッチ構造では、シム部12
によって振動板10の強度を高めることができから、落
下衝撃に強く耐久性を高めることができる。
【0042】この場合、振動板10は、圧電素子11a,
11bの共通電極として作用し、そこには駆動回路10
0から接地電位GNDが給電される。そして、圧電素子
11aおよび圧電素子11bには駆動信号Vが給電され
る。一般に、圧電素子に印加する電界の方向と変位方向
(歪み方向)とが一致する場合を縦効果、電界の方向と
変位方向とが直交する場合を横効果というが、この例で
は横効果を利用している。ここで、圧電素子11aと圧
電素子11bとの分極方向は、図中の矢印で示すように
分極方向が一致するように設定する。このため、駆動信
号Vが印加されると、一方の圧電素子が長手方向に伸び
たとき、他方の圧電素子が長手方向に縮む。したがっ
て、交流電圧が印可されると、振動板10が屈曲運動す
ることになる。図に示す結線はパラレル接続と呼ばれ
る。パラレル接続では、第1の態様と比較して、低電圧
駆動で大きな変位を得ることができる。このため、時計
など電池で駆動させる携帯機器への応用に適している。
【0043】[2−2−3.第3の態様]実際の圧電アク
チュエータにおいて、ステータ20の幅Wsと長さLsは、
ロータ30を回転させるための駆動力や、機械的な強度
を考慮して定める必要がある。さらに、振動板10の構
造は他の構成部分の配置等の制約を受ける。このため、
第1の態様で説明したように、ステータ20をn次のモ
ードで振動させ振動板10をm次のモードで振動させる
こともある。ここで、mが2以上の自然数であると、振
動板10に2以上の変極点が生じる。
【0044】ところで、第2の態様で説明した圧電アク
チュエータA2の振動板10は、シム部12の上面側と
下面側とに各1枚の圧電素子11a,11bをそれぞれ貼
り合わせた構造をしているので、複数の変極点が生じる
ような高次振動で駆動すると、1枚の圧電素子の中に伸
びる部分と縮む部分が存在する。伸びる部分と縮む部分
とでは、分極の方向が逆極性となる。このため、圧電素
子の内部で電荷が相殺され、大きな変位を得ることがで
きず、電気的なエネルギー効率が低下してしまう。そこ
で、第3の態様に係る圧電アクチュエータA3にあって
は、圧電素子を振動モードの次数に併せて振動の節で分
割することによって、電気的なエネルギー効率を向上さ
せている。
【0045】図10に第3の態様に係る圧電アクチュエ
ータA3の構成例を示す。なお、この例では、振動板1
0を2次の振動モードで駆動するものとする。圧電アク
チュエータA3は、圧電素子11の構成を除いて、第2
の態様に係る圧電アクチュエータA2と同様に構成され
ている。この例の圧電素子11は、図示するように、シ
ム部12の上面左側に圧電素子11a1を、上面右側に圧
電素子11a2を、下面左側に圧電素子11b1を、さらに
下面右側に圧電素子11b2を貼り合わせて構成されてい
る。また、各圧電素子において電圧を印加しない場合の
分極方向を、図中矢印で示す。この場合、圧電素子11
a1および圧電素子11b1の分極方向が一致し、圧電素子
11a2および圧電素子11b2の分極方向が一致するよう
に設定されており、長手方向に隣り合う圧電素子(例え
ば、11a1と11a2)の分極方向が逆極性となるように
設定されている。
【0046】このため、圧電素子11a1が横効果によっ
て長手方向に縮むように駆動信号Vが印加されると、圧
電素子11a2,11b1が長手方向に伸び、圧電素子11b
2が長手方向に縮む(図示する状態)。また逆に、圧電
素子11a1が横効果によって長手方向に伸びるように駆
動信号Vが印加されると、圧電素子11a2,11b1が長
手方向に縮み、圧電素子11b2が長手方向に伸びる。こ
の屈曲運動を繰り返すことによって、振動板10は屈曲
モードで振動する。
【0047】図11(a)は、m次の振動モードで駆動
する振動板10の構成例を示したものである。この図に
示すように、m次の振動モードで駆動する場合には(m
は2以上の自然数)、振動板10を長手方向にm分割
し、各領域の上下に同一の分極方向を有する圧電素子を
貼り合わせるとともに(例えば、11amと11bm)、長
手方向に隣り合う圧電素子の分極方向を逆極性となるよ
うに構成すればよい(例えば11b1と11b2)。
【0048】このように第3の態様に係る圧電アクチュ
エータA3によれば、振動板10の振動次数に併せて、
振動の節で圧電素子を分割して配置したので、各圧電素
子は一様に伸びるかあるいは縮むので、一つの圧電素子
の中で分極方向が逆極性となって電荷が相殺されるとい
ったことがなくなる。この結果、電気的なエネルギー効
率を向上させることができ、駆動電圧の低電圧化を図る
ことができる。また、図11(b)に示すように、シム
板12の上下面に分極方向が同一となる圧電素子11a
と11bを貼り合わせ、各圧電素子11a,11bにm個の
電極A1〜Am、B1〜Bmを設け、長手方向に隣り合う電極に
印加する駆動信号VおよびV’の位相を180度ずらす
ようにしてもよい。この場合には、上述した図11
(a)と同等の効果を得ることができる。
【0049】[2−2−4.第4の態様]上述した第1乃
至第3の態様は、屈曲モードによって振動板10を撓み
振動させるものであった。これらの場合には、振動周波
数を低く設定するのに適している。駆動周波数が低周波
数であると、駆動回路100内部の寄生容量やあるいは
配線の引き回しに伴う浮遊容量を介して流れる漏洩電流
が低減し、電気的な効率を高めることができる。しかし
ながら、屈曲モードでは、振動板10の端部13におい
て、面外方向の変位を面内方向の変位に変換するが、そ
の過程で、ステータ20にねじれが発生してしまう。本
来、ステータ20は面内方向に屈曲振動することによっ
て、振動板10の変位を増幅するものであるから、ねじ
れが発生すると、機械的なエネルギー効率が低下してし
まう。一方、駆動回路100の寄生容量は、トランジシ
ョン周波数の高いトランジスタを用いたり回路構成を工
夫すること等によって、低減することができる。また、
配線の浮遊容量は、誘電率の低い絶縁体を用いたり配線
を短くすることによって、低減することができる。そこ
で、第4の態様にあっては、寄生容量や浮遊容量が低減
されることを前提に、振動板10を縦振動モードで振動
させ、これによって、機械的なエネルギー効率の向上を
図っている。
【0050】図12に第4の態様に係る圧電アクチュエ
ータA4の構成例を示す。この圧電アクチュエータA4
は、圧電素子11bの替わりに圧電素子11b'を用いる
点を除いて、図9に示す圧電アクチュエータA2と同様
に構成されている。ここで、圧電素子11b'の分極方向
は、シム部12の上面側に設ける圧電素子11aの分極
方向と逆方向になるようにする。この場合、圧電素子1
1a,11b'に駆動信号Vが印加されると、横効果によっ
て両方の圧電素子が同時に伸び、また、同時に縮む。し
たがって、振動板10は図中矢印で示すように、長手方
向に伸縮する。
【0051】振動板10は面内方向に振動するから、そ
の端部13では変位の方向の変換が行われず、単に面内
方向の振動を伝達するだけでよい。このため、ステータ
20にねじれが発生せず、機械的なエネルギーを高い効
率で伝達することができる。
【0052】[2−2−5.第5の態様]上述した第4の
態様では、圧電素子11a,11b'の分極方向を逆方向に
設定して横効果によって駆動することによって、屈曲モ
ードで振動板10を振動させた。ところで、圧電素子に
電界を加えて分極を起こさせると電界に比例した変位
(歪み)が生じるが、電界方向と同一方向の変位量(縦
効果)と、電界方向と直交する方向の変位量(横効果)
は相違することが知られている。電界強度に対する変位
量は(m/V)、圧電係数と呼ばれ「dxy」で表す。こ
こで、添字xは、電界方向を指示しており、電界方向が
X軸方向である場合は1、Y軸方向である場合は2、Z
軸方向である場合は3で表す。また、添字yは、変位方
向を電界方向と同様の規則で表したものである。一般
に、縦効果に対応する圧電係数d33は、横効果に対応す
る圧電係数d31よりも大きい。したがって、電気エネル
ギーを機械エネルギーに変換する効率は、縦効果を用い
る方が有利である。そこで、第5の態様にあっては、圧
電素子の縦効果を利用して、振動板10を縦振動モード
で駆動することにより、エネルギー効率の向上を図って
いる。
【0053】図13に第5の態様に係る圧電アクチュエ
ータA5の構成例を示す。この図に示す圧電アクチュエ
ータA5は、直方体の形状をした圧電素子11cとシム部
12を備えた振動板10と、ステータ20とから構成さ
れている。圧電素子11cの左右の側面(斜線部分)に
は電極が各々構成されており、両電極間に駆動信号Vが
印加される。ここで、圧電素子11cの分極方向は図示
するように左側面から右側面に向かう方向となってい
る。したがって、圧電素子11cに駆動信号Vを印加す
ると、圧電素子11cは長手方向に伸縮運動を繰り返
す。この場合、伸縮は圧電素子11cの縦効果によって
生じるので、高いエネルギー効率でステータ20を振動
させることが可能である。
【0054】なお、圧電素子11cの替わりに、図14
に示す積層型の圧電素子11dを用いてもよい。この圧
電素子11dにあっては、各電極間の距離Dが短くな
る。電界強度は、同一の電圧を印加しても電極間の距離
Dが短くなるほど大きくなる。このため、圧電素子11
dは、圧電素子11cと比較して、より大きな変位を取り
出すことができる。換言すれば、振動板10に必要とさ
れる変位量を低電圧の駆動信号Vで取り出すことができ
る。したがって、圧電素子11dを用いた圧電アクチュ
エータA5は、時計など電池で駆動させる携帯機器への
応用に適している。
【0055】[2−2−6.第6の態様]上述した第1乃
至第5の態様において、圧電素子の形状は、いずれも直
方体であった。これに対して、第6の態様では円板状の
圧電素子を用いることを特徴とする。図15に第6の態
様に係る圧電アクチュエータA6の構成例を示す。この
圧電アクチュエータA6は、円板状のシム部12の上面
側に圧電素子11eとその下面側に圧電素子11fを貼り
合わせた振動板10と、ステータ20とから構成されて
いる。シム部12は、圧電素子11e,11fの共通電極
として作用し、そこには駆動回路100から接地電位G
NDが給電される。また、圧電素子11eおよび圧電素
子11fには駆動信号Vが給電される。ここで、圧電素
子11eと圧電素子11fの分極方向は、図中の矢印で示
すように分極方向が逆方向になるように設定する。駆動
信号Vが印加されると、径方向に圧電素子11eと圧電
素子11fとが同時に拡張し、同時に収縮する。これに
より振動板10が径方向に振動する。
【0056】円板状の圧電素子において、円板の電気機
械結合係数(機械エネルギーと電気エネルギーとの間の
変換を表す)Kpは、縦効果の電気機械結合係数k33(d33
から導かれる)よりも大きい。したがって、第6の態様
によれば、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する
効率をより一層向上させることができる。
【0057】[3.第2実施形態]次に、本発明の係る第
2実施形態の時計を説明する。第2実施形態に係る時計
は、圧電アクチュエータの構成を除いて、第1実施形態
と略同様に構成されている。第1実施形態の圧電アクチ
ュエータAでは、ステータ20において、可動端21と
反対側の端部に括れ部22を介して固定部23を設けて
おり、固定部23において圧電アクチュエータAを固定
していた。括れ部22の幅は狭くなっているから、括れ
部22は比較的自由に動くことができ、ステータ20の
振動をあまり減衰させずに支持することができる。
【0058】しかしながら、括れ部22の幅は、機械的
な強度とエネルギー損失の兼ね合いによって定められる
ものであるから、括れ部23である程度のエネルギー損
失が発生していた。特に、スポーツタイプのように、大
きな加速度が使用時に掛かることが想定される腕時計に
あっては、括れ部22の幅をある程度広くして機械的な
強度を高める必要がある。したがって、腕時計の用途に
よっては、括れ部22におけるエネルギー損失が大きく
無視できないこともありえる。ところで、本実施形態の
ステータ20は、図2(b)、(c)に示すように、固
有振動周波数fsで振動するものであり、振動モードの次
数は予め定められている。ステータ20の屈曲状態は振
動モードの次数に応じて定まるから、振動の節となる位
置も振動モードの次数に応じて定まる。ここで、ステー
タ20の振動の節は、固定点として作用する。
【0059】第2実施形態に係る圧電アクチュエータB
はこの点に鑑みてなされたものであり、振動の節でステ
ータ20を支持することにより、エネルギー損失を低減
するとともに機械的な強度を高めるものである。なお、
圧電アクチュエータBとしては、以下に述べる各種の態
様がある。
【0060】[3−1.第1の態様]図16は、第1の態
様に係る圧電アクチュエータB1の構成例を示す平面図
である。なお、同図に示す圧電アクチュエータB1は、
1次の振動モードによって駆動されるものとする。
【0061】同図において、圧電アクチュエータB1
は、振動板10とステータ20とを備えている。振動板
10としては、第1実施形態で説明した第1乃至第6の
態様に係るいずれのものでも適用することができる。ス
テータ20は、略長方形の形状をした薄板で構成されて
おり、円弧状の可動端21、幅が狭くなった括れ部2
2'および固定部23'を備えており、その長手方向の端
部はいずれも自由端となっている。
【0062】ここで、括れ部22'は、ステータ20が
1次の振動モードで振動した場合に生じる節24の位置
において、振動板10と反対側の側面に設けられてお
り、ステータ20は括れ部22'を介して固定部23'に
固定されている。振動板10に駆動信号Vが給電され
る。駆動信号Vの交流周波数は、ステータ20の固有振
動周波数fsと等しくなるように設定されている。なお、
振動板10の固有振動周波数fpは固有振動周波数fsと略
一致するように選ばれている。このため、機械的なエネ
ルギー効率を向上させることができる。
【0063】以上の構成において、振動板10が振動す
ると、ステータ20は面内で屈曲しながら一次振動す
る。ステータ20の長手方向は自由端であるから、振動
の節24、25はステータの長さをLpとすると、0.224L
p,0.776Lpの位置に生ずる。節24、25は、ステータ
20が屈曲振動しても固定点として作用する。この例で
は、括れ部22'が節24に対応するステータ20の側
面に設けられているから、括れ部22'には大きな応力
がかからず、あまり変形しない。したがって、第1実施
形態のようにステータ20の端部に括れ部22を設けた
場合と比較して、括れ部22'において、機械的なエネ
ルギーの損失を低減することができる。また、そこにか
かる応力も小さいことから、機械的な強度を得るために
括れ部22'の幅を多少広くしても、機械的なエネルギ
ーの損失がそれほど増加しない。したがって、圧電アク
チュエータB1は、括れ部22'の幅を多少広くして機械
的な強度を大きくすることによって、大きな加速度が係
ることが予想されるタイプの腕時計に適用することが好
ましい。
【0064】なお、ステータ20を2次の振動モードで
駆動する場合には、図17に示すように圧電アクチュエ
ータB1を構成すればよい。この場合には、ステータ2
0に三つの節26、27、28が生じるため、括れ部2
2'をいずれかの節26、27、28に対応するステー
タ20の側面に設ければよい。この例では、中央の節2
7に対応する位置に括れ部22'設けている。このよう
にステータ20の中央に括れ部22'を設けると、長手
方向のバランスを取りながらステータ20を支持するこ
とができるので、機械的な強度が増し、衝撃に強い構造
となる。
【0065】[3−2.第2の態様]図18は、第2の態
様に係る圧電アクチュエータB2の構成例を示す平面図
であり、図19はその断面図である。なお、同図に示す
圧電アクチュエータB1は、2次の振動モードによって
駆動されるものとする。この例の圧電アクチュエータB
2は、括れ部22'と固定部23が設けられておらず、こ
れらの替わりに振動の節24に固定部23'が直接設け
られている。固定部23'は図19に示すようにピンで
ベースに固定しても良いし、あるいは、スポット溶接に
よってステータ20をベースに固定するものであっても
よい。以上の構成によれば、振動の節に固定部23'を
直接設けたので、第1の態様と比較して、より一層、支
持部における機械的なエネルギー損失を低減することが
できる。また、括れ部22'や固定部23を設ける必要
がないので、スペースを有効に活用することができる。
【0066】なお、ステータ20を2次の振動モードで
駆動する場合には、図20に示すように圧電アクチュエ
ータB2を構成すればよい。この例では、第1の態様と
同様に、中央の節27に固定部23'を設けることによ
り、長手方向のバランスを取りながらステータ20を支
持することができるので、機械的な強度が増し、衝撃に
強い構造となる。
【0067】[4.第3実施形態]次に、本発明の係る第
3実施形態の時計を説明する。第3実施形態に係る時計
は、圧電アクチュエータの構成を除いて、第1実施形態
または第2実施形態と略同様に構成されている。第1お
よび第2実施形態の圧電アクチュエータA,Bでは、振
動板10がステータ20を加振する位置については、特
別な配慮が払われていなかった。しかし、振動体には、
振動時に全く変位しない節と呼ばれる部分と、振動時に
最も変位する部分である腹と呼ばれる部分がある。振動
体を最も効率良く振動させるには、節を支持して腹を加
振すればよい。第3実施形態に係る圧電アクチュエータ
Cは、この点に着目して構成されたものであり、ステー
タ20の振動の腹を振動板10で加振することによっ
て、振動板10の振動を効率良くステータ20に伝達す
るものである。圧電アクチュエータCとしては、以下に
述べる各種の態様がある。
【0068】[4−1.第1の態様]図21は、第1の態
様に係る圧電アクチュエータC1の構成例を示す平面図
である。なお、同図に示す圧電アクチュエータC1は、
第1実施形態の圧電アクチュエータAに対応しており、
一次振動によって駆動されるものとする。
【0069】同図において、圧電アクチュエータC1
は、振動板10とステータ20とを備えている。振動板
10としては、第1実施形態で説明した第1乃至第6の
態様に係るいずれのものを適用することができる。ステ
ータ20は、略長方形の形状をした薄板で構成されてい
る。その長手方向の一端には可動端21が設けられてお
り、他端は括れ部22を介して固定部23で固定されて
いる。
【0070】ここで、振動板10は、ステータ20が一
次振動した場合に生じる腹の部分に位置するように配置
されており、また、振動板10に印加される駆動信号V
の交流周波数は、ステータ20の固有振動周波数fsと等
しくなるように設定されている。したがって、振動板1
0は、ステータ20に一次振動を励起して、その振動の
腹を加振する。このため、ステータ20を最も効率良く
加振することができる。この結果、振動板10の振動振
幅をステータ20で増幅して、可動端21を大きく変位
させることができる。
【0071】上述したように、振動体を加振する場合、
振動の腹の部分を加振するのが最も効率が良いが、伝達
効率の観点から見ると、腹の部分から多少ずれてもさほ
ど問題とならない。図22は、円板状の振動体を半径方
向に加振した場合の伝達効率を示したグラフである。な
お、このグラフでは円板の中心(即ちa=0)の伝達効
率を100として正規化してある。円板状の振動体で
は、腹の部分に相当する中心を加振するのが最も効率が
良いため、a=0で伝達効率は最大となるが、0<a<
0.1の範囲内では、伝達効率は最大値の98%以内に
収まっている。したがって、この範囲内で加振すれば、
ほぼ最大の効率が得られるといえる。本実施形態におけ
る振動体は長方形をしたステータ20であるから、ステ
ータ20に図22から得られる知見と同様のことがあて
はまるとは限らない。しかし、円板であれ細長いステー
タ20であれ、振動体であることには変わりがない。し
たがって、ステータ20の加振の位置は、振動の腹その
ものでなくてもよく、腹近傍の一定範囲を加振すれば、
効率よく振動を伝達することができる。なお、実際の加
振位置は、実験によって許容される腹近傍の範囲を求め
ればよい。
【0072】[4−2.第2の態様]図23は、第2の態
様に係る圧電アクチュエータC2の構成例を示す平面図
である。なお、同図に示す圧電アクチュエータC2は、
第2実施形態の圧電アクチュエータBに対応しており、
2次の振動モードによって駆動されるものとする。
【0073】同図において、圧電アクチュエータC2
は、振動板10とステータ20とを備えている。振動板
10としては、第1実施形態で説明した第1乃至第6の
態様に係るいずれのものを適用することができる。ステ
ータ20は、略長方形の形状をした薄板で構成されてお
り、中央の節27の部分に固定部23'が設けられてい
る。ここで、振動板10は、ステータ20が2次の振動
モードで振動した場合に生じる腹の部分に位置するよう
に配置されており、また、振動板10に印加される駆動
信号Vの交流周波数は、ステータ20の固有振動周波数
fs(2)となるように設定されている。したがって、振動
板10は、ステータ20に二次振動を励起して、その振
動の腹を加振する。このため、ステータ20を最も効率
良く加振することができる。この結果、振動板10の振
動振幅をステータ20で増幅して、可動端21を大きく
変位させることができる。なお、第1の態様と同様に振
動板10がステータ20を加振する位置は、振動の腹そ
のものでなくてもよく、腹近傍の一定範囲を加振すれ
ば、効率よく振動を伝達することができる。
【0074】[5.変形例] (1)上述した各実施形態において、振動モードの次数
は1次および2次を主として説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、さらに高次の振動であって
もよいことは、勿論である。
【0075】(2)上述した各実施形態において、シム
部12とステータ20とは、一枚の板状部材で形成する
とともに、シム部12に薄板状の圧電素子11を設ける
ことによって振動板10を構成するようにしてもよい。
この場合には、圧電アクチュエータの主要部を二つの部
品から構成することができるので、構成を非常に簡易に
することができる。
【0076】(3)上述した各実施形態は、カレンダー
表示機構の日車50を回転させるものであったが、圧電
アクチュエータA,B,Cによって、曜車を回転させても
よい。また、腕時計のカレンダー表示機構だけでなく、
時刻、月、年、月齢、太陽位置、さらには、水深、気
圧、温度、湿度、方位、速度などを表示する装置の駆動
装置としてりようできる。さらには、表示装置以外の各
種の駆動装置として利用できることは勿論である。例え
ば、絵本やカードの中に組み込むからくりの駆動装置と
しても応用することができる。また、特に、圧電アクチ
ュエータA,B,Cは、エネルギー効率が極めて高いの
で、電池で駆動する携帯機器に適用することが好まし
く。この場合には、使用時間を長時間化することができ
る。なお、電池は、乾電池、水銀電池等の一次電池の他
に大容量のコンデンサ、リチウムイオン電池、Ni−C
d等の蓄電可能な二次電池であってもよい。さらに、何
らかの発電機構によって二次電池に電力が充電されるも
のであってもよい。
【0077】(4)上述した各実施形態では、ステータ
20にその固有振動周波数に応じた面内方向の屈曲振動
を励起させる例を説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、ステータ20にねじれ振動や、長手方
向に伸縮する振動を励起させるものであってもよい。こ
れらの場合には、ねじれ振動やあるいは伸縮振動といっ
た振動の種類に応じて定まるステータ20の固有振動周
波数で振動板10を駆動することになる。また、振動板
10にねじれ振動を励起させてもよい。ところで、ステ
ータ20にねじれ振動を励起させる場合には、図24に
示すようにステータ20の上面に振動板10を連結する
してもよい。この場合には、振動板10がステータ20
の上面を加振することになるので、ステータ20に大き
なねじれを励起することができる。すなわち、振動板1
0は、ステータ20の側面に連結されるとは限らず、要
は、ステータ20に予め定められた振動態様(屈曲、ね
じれ、伸縮等)を励起できる力を加えるように配置され
ればよい。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明の発明特定事
項によれば、板部を固有振動周波数とほぼ等しい周波数
で振動させることができるので、板部の機械的インピー
ダンスを極小にすることが、高いエネルギー効率の下
に、低い駆動電圧で大きな変位を可動端から取り出すこ
とができる。また、この発明の圧電アクチュエータは、
薄型化に適しており、しかも簡単に構成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る圧電アクチュエータの平面図で
ある。
【図2】 (a)は本発明に係る圧電アクチュエータに
おいて振動板が屈曲モードが撓み振動する様子を示す図
であり、(a)は振動板が縦振動モードが伸縮振動する
様子を示す図である。
【図3】 (a)はステータを剛体として考えたときの
振動を示す平面図であり、(b)はステータの一次振動
を示す平面図であり、(c)はステータの二次振動を示
す平面図である。
【図4】 本発明の第1実施形態に係る時計において、
カレンダー表示機構の主要構成を示す透過平面図であ
る。
【図5】 同実施形態に係る時計の断面図である。
【図6】 同実施形態の第1の態様に係る圧電アクチュ
エータA1の構成例を示す斜視図である。
【図7】 (a)は同実施形態の駆動回路を他励式で構
成した場合のブロック図であり、(b)は励式で構成し
た場合の回路図である。
【図8】 同実施形態に係るステータおよび振動板の固
有振動周波数fs,fpと、Ws/Lsおよび1/Lpとの関係を
示したグラフである。
【図9】 同実施形態の第2の態様に係る圧電アクチュ
エータA2の構成例を示す斜視図である。
【図10】 同実施形態の第3の態様に係る圧電アクチ
ュエータA3の構成例を示す斜視図である。
【図11】 同実施形態の同態様に係る圧電アクチュエ
ータA3において、m次振動で駆動する振動板の構成例
を示した斜視図である。
【図12】 同実施形態の第4の態様に係る圧電アクチ
ュエータA4の構成例を示す斜視図である。
【図13】 同実施形態の第5の態様に係る圧電アクチ
ュエータA5の構成例を示す斜視図である。
【図14】 同実施形態に係る積層型の圧電素子の構成
例を示す斜視図である。
【図15】 同実施形態の第6の態様に係る圧電アクチ
ュエータA6の構成例を示す斜視図である。
【図16】 本発明の第2実施形態において、第1の態
様に係る圧電アクチュエータB1の一例を示す平面図で
ある。
【図17】 同実施形態の第1の態様に係る圧電アクチ
ュエータB1の他の例を示す平面図である。
【図18】 同実施形態の第2の態様に係る圧電アクチ
ュエータB2の一例を示す平面図である。
【図19】 同実施形態の第2の態様に係る圧電アクチ
ュエータB2の断面図である。
【図20】 同実施形態の第2の態様に係る圧電アクチ
ュエータB2の他の例を示す平面図である。
【図21】 本発明の第3実施形態において、第1の態
様に係る圧電アクチュエータC1の構成例を示す平面図
である。
【図22】 円板状の振動体を半径方向に加振した場合
の伝達効率を示したグラフである。
【図23】 同実施形態の第2の態様に係る圧電アクチ
ュエータC2の構成例を示す平面図である。
【図24】 変形例に係る圧電アクチュエータをの構成
例を示す斜視図である。
【図25】 従来の圧電アクチュエータを用いた超音波
モーターを模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
10…振動板 11…圧電素子 12…シム部 20…ステータ(板部) 21…可動端 22,22'…括れ部 50…日車(カレンダー表示車) A,A1,A2,A3,A4,A5,A6,B1,B2,C1,C2…圧電ア
クチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舩坂 司 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 橋本 泰治 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 5H680 AA04 AA19 BB02 BB15 BC01 BC02 BC04 CC10 DD01 DD15 DD23 DD24 DD28 DD44 DD53 DD82 DD85 DD92 DD97 EE10 EE12 EE24 FF08 FF25 FF26 FF30 FF32 GG02 GG23

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動により少なくとも一方の端部が可動
    端として変位する板部と、 この板部に力を加えるように配置され、圧電素子を設け
    た振動板と、 前記圧電素子に前記板部の固有振動周波数とほぼ等しい
    周波数を有する駆動信号を印加する駆動手段とを備えた
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 振動により少なくとも一方の端部が可動
    端として面内方向に変位する板部と、 この板部が面内方向に変位する力を前記板部に加えるよ
    うに配置され、圧電素子を設けた振動板と、 前記圧電素子に前記板部の固有振動周波数とほぼ等しい
    周波数を有する駆動信号を印加する駆動手段とを備えた
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記振動板は、前記板部の側面に連結さ
    れることを特徴とする請求項2に記載の圧電アクチュエ
    ータ。
  4. 【請求項4】 前記振動板は、面外方向に撓み振動する
    ように前記圧電素子を配置したことを特徴とする請求項
    2に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記圧電素子は撓み振動の節で分割され
    ていることを特徴とする請求項4に記載の圧電アクチュ
    エータ。
  6. 【請求項6】 前記振動板を高次の振動モードで駆動す
    る場合、前記振動板の上下面に振動の節で分割した複数
    の圧電素子を各々配置し、前記振動板を介して上下方向
    に隣り合う圧電素子の分極方向を一致させるとともに、
    長手方向に隣り合う圧電素子の分極方向を逆極性とする
    ことを特徴とする請求項5に記載の圧電アクチュエー
    タ。
  7. 【請求項7】 前記振動板を高次の振動モードで駆動す
    る場合、前記振動板の上下面に各々一枚の圧電素子を設
    け、各圧電素子に複数の分割された電極を配置し、前記
    駆動手段は長手方向に隣り合う電極に位相が180度ず
    れた駆動信号を供給することを特徴とする請求項4に記
    載の圧電アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記振動板は、面内方向に伸縮振動する
    ように前記圧電素子を配置したことを特徴とする請求項
    3に記載の圧電アクチュエータ。
  9. 【請求項9】 前記圧電素子に印加する電界を前記振動
    板の長手方向とすることにより、前記振動板を面内方向
    に伸縮振動させることを特徴とする請求項8に記載の圧
    電アクチュエータ。
  10. 【請求項10】 前記圧電素子を円板状に形成した前記
    振動板を備えることを特徴とする請求項2に記載の圧電
    アクチュエータ。
  11. 【請求項11】 前記駆動手段は、前記板部の固有振動
    周波数と前記振動板の固有振動周波数とにほぼ等しい周
    波数を有する前記駆動信号を前記圧電素子にに供給する
    ことを特徴とする請求項2に記載の圧電アクチュエー
    タ。
  12. 【請求項12】 前記板部には、前記可動端を変位可能
    に支持する支持部が設けられていることを特徴とする請
    求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  13. 【請求項13】 前記支持部は、前記板部の幅より幅狭
    な括れ部によって構成されることを特徴とする請求項1
    1に記載の圧電アクチュエータ。
  14. 【請求項14】 前記支持部は、前記板部において前記
    可動端と反対側の端部に設けられていることを特徴とす
    る請求項11に記載の圧電アクチュエータ。
  15. 【請求項15】 前記支持部は、前記板部が振動した際
    に生じる節の近傍に設けられることを特徴とする請求項
    11に記載の圧電アクチュエータ。
  16. 【請求項16】 前記支持部は、前記板部が屈曲振動し
    た際に生じる節に対応した前記板部の側面に設けられ、
    前記板部の幅より幅狭な括れ部によって構成されること
    を特徴とする請求項11に記載の圧電アクチュエータ。
  17. 【請求項17】 前記振動板が、前記板部が振動した際
    に生じる腹の近傍を加振するように配置したことを特徴
    とする請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  18. 【請求項18】 前記板部と前記振動板とを略同一平面
    内に構成したことを特徴とする請求項2に記載の圧電ア
    クチュエータ。
  19. 【請求項19】 前記可動端と接し、この可動端が面内
    方向に振動すると回転する円板状のローターを備えたこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載した圧電アクチ
    ュエータ。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の圧電アクチュエー
    タと、 この圧電アクチュエータに電力を給電する電池とを備え
    たことを特徴とする携帯機器。
  21. 【請求項21】 請求項19に記載の圧電アクチュエー
    タと、 前記ローターの回転力によって回転するリング状のカレ
    ンダー表示車とを備えたことを特徴とする時計。
  22. 【請求項22】 振動により少なくとも一方の端部が可
    動端として面内方向に変位する板部と、この板部が面内
    方向に変位する力を前記板部に加えるように配置され、
    圧電素子を設けた振動板とを備えた圧電アクチュエータ
    の駆動方法であって、 前記板部の固有振動周波数とほぼ等しい周波数の駆動信
    号を生成し、 この駆動信号を前記圧電素子に供給することを特徴とす
    る圧電アクチュエータの駆動方法。
  23. 【請求項23】 前記駆動信号の周波数は、前記振動板
    の固有振動周波数と一致することを特徴とする請求項2
    2に記載の圧電アクチュエータの駆動方法。
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