JP2000188117A - 電極―電解質間に傾斜組成を持つ固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

電極―電解質間に傾斜組成を持つ固体酸化物型燃料電池

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成中および運転時の熱応力による割れ、歪
み、層間剥離や、界面抵抗の増大が避けられ、空気極に
おける反応面積の増大により発電効率が改善された固体
酸化物型燃料電池を構築する。 【解決手段】 La1-a a Ga1-(b+c) b Coc O3 で示
される酸化物イオン伝導体材料からなる電解質層と、La
1-d d CoO3 で示される電子伝導体材料からなる空気
極層を、好ましくはLa1-e e Ga1-(f+g) f Cog O3
で示される電子イオン混合伝導体材料からなる中間層を
間に挟んで、積層し、積層物を焼結させて一体化した
後、熱処理を施して隣接する層間界面で元素の拡散を生
じさせ、界面の組成を連続的に変化させる (AはSrとCa
の1種もしくは2種、BはMg、Al、Inの1種もしくは2
種以上、0.05≦a≦0.3 、0≦b, e≦0.3 、0≦c≦
0.15、b+c≦0.3 、0≦d≦0.5 、0≦f≦0.15、0.
15<g≦0.3 、f+g≦0.3)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体酸化物型燃料
電池 (SOFC、固体電解質型燃料電池と呼ぶこともある)
、特にその空気極とその近傍の電極構造と、その製造
方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物イオン伝導体からなる固体電解質
層を空気極層と燃料極層との間に挟んだ積層構造を持つ
固体酸化物型燃料電池は、第三世代の発電用燃料電池と
して開発が進んでいる。
【0003】固体酸化物型燃料電池では、空気極側に酸
素 (空気) が、燃料極側には燃料ガス (H2 、CO等)
が供給される。空気極と燃料極は、ガスが固体電解質と
の界面に到達することができるように、いずれも多孔質
とする。空気極側に供給された酸素は、空気極層内の気
孔を通って固体電解質層との界面近傍に到達し、この部
分で、空気極から電子を受け取って、酸化物イオン (O
2-) にイオン化される。空気極側における酸素分子の酸
化物イオンへのイオン化は、酸素分子と電子と酸化物イ
オンの三者が関与することから、(1) 酸化物イオンを運
ぶ固体電解質層と、(2) 電子を運ぶ空気極粒子と、(3)
酸素分子を供給する空気、の三相の界面でしか起こらな
い。この酸化物イオンは、燃料極の方向に向かって固体
電解質層内を拡散移動する。燃料極との界面近傍に到達
した酸化物イオンは、この部分で、燃料ガスと反応して
反応生成物 (H2O、CO2 等) を生じ、燃料極に電子
を放出する。燃料極側でも、空気極側と同様の理由によ
り、固体電解質層と、燃料極粒子と、気相の燃料ガス、
との三相界面でしか上記の電極反応が起こらない。従っ
て、三相界面を増大させることが電極反応の円滑な進行
に有利であるとされてきた。
【0004】燃料に水素を用いた場合の電極反応は次の
ようになる: 空気極: 1/2 O2 +2e- → O2- 燃料極: H2 + O2- → H2O+2e- 全体: H2 + 1/2O2 → H2O (COを用いた場合は、CO+1/2 O2 →CO2) 固体電解質層は、酸化物イオンの移動媒体であると同時
に、燃料ガスと空気を直接接触させないための隔壁とし
ても機能するので、ガス不透過性の緻密な構造とする。
【0005】この固体電解質層は、酸化物イオン伝導性
が高く、空気極側の酸化性雰囲気から燃料極側の還元性
雰囲気までの条件下で化学的に安定で、熱衝撃に強い材
料から構成する必要がある。かかる要件を満たす材料と
して、イットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)
が、固体電解質材料として一般的に使用されている。安
定化ジルコニアは、ホタル石型の面心立方格子の結晶構
造を有する。従来の固体酸化物型燃料電池は、電解質と
して用いる安定化ジルコニアが高い酸化物イオン伝導性
を示す1000℃前後の高温で運転されている。
【0006】一方、電極である空気極 (カソード) と燃
料極 (アノード) は、いずれも電子伝導性の高い材料か
ら構成する必要がある。空気極材料は、1000℃前後の高
温の酸化性雰囲気中で化学的に安定でなければならない
ため、金属は不適当であり、電子伝導性を持つペロブス
カイト型酸化物材料、具体的には、LaMnO3 もしくはLaC
oO3 、またはこれらのLaの一部をSr、Ca等に置換した固
溶体が一般に使用されている。分極特性、電子伝導性が
ともにLaCoO3 の方が優れているにも関わらず、安定化
ジルコニアと熱膨張率が近いという理由からLaMnO3
多く使用されている。燃料極材料は、Ni、Coなどの金
属、或いはNi−YSZ 、Co−YSZ などのサーメットが一般
的である。
【0007】固体酸化物型燃料電池には、図1に示すよ
うに、円筒型(a) と平板型(b) の2種類がある。図1
(a) に示す円筒型の単セルは、例えば、絶縁性多孔質セ
ラミック円筒基体1の周囲に、空気極層2、固体電解質
層3、燃料極層4を順に密着させて同心状に形成したも
のからなる。空気極の端子となる導電性のインタコネク
タ5が、空気極2と接触し、燃料極4とは非接触となる
状態で、電解質層3を貫通して形成されている。各層の
形成は、溶射法、電気化学的蒸着法、スリップキャステ
ィング法などにより実施できる。
【0008】図1(b) に示す平板型の単セルは、固体電
解質層3の片側に空気極層2、反対側に燃料極層4を設
けた積層体からなる。単セル同士を、両面にガス流路を
設けた緻密なインタコネクタ5を介して接続する。平板
型の単セルは、まず固体電解質層をドクターブレード
法、押出法などで形成したグリーンシートの焼結により
形成し、その片面に空気極材料、反対面に燃料極材料を
スラリーから塗布し、順次または同時に焼結させること
により形成できる。或いは、電解質層と各電極層のグリ
ーンシートをまず作製して重ね合わせ、一括焼成により
焼結させることもできる。このような湿式法が安価であ
るが、円筒型と同様に、溶射法や電気化学的蒸着法も採
用できる。
【0009】上述した構成の固体酸化物型燃料電池で
は、電解質層と各電極層の構成元素および結晶構造が異
なっている。従って、電極層と電解質層との界面では元
素分布が不連続に、即ち、ステップ状に変化する。その
ため、各材料の熱膨張係数の違いから、単セル製作の焼
成時や燃料電池の運転時に受ける熱応力により単セルの
歪み、割れ、層間剥離が起こる。また、焼成中や運転中
に材料間で元素の拡散や反応が起こって高抵抗の物質が
界面に生成することに起因する界面抵抗の増大や、界面
の接合性にも問題があった。
【0010】この問題点を解決するため、従来より空気
極材料のペロブスカイト型酸化物に電解質材料のYSZ を
混合して空気極を形成することが行われてきた (例え
ば、特開平4−101359号、特開平5−151981号各公報参
照) 。それにより、電解質層と空気極層との界面付近で
の熱膨張係数の急激な変化は緩和され、密着性が上が
る。燃料極についても、前述したように、Ni−YSZ とい
った金属と電解質材料とのサーメットが使用されている
のは同じ理由による。
【0011】特開平5−151981号公報に説明されている
ように、ペロブスカイト型酸化物とYSZ との混合物から
なる空気極では、YSZ の周囲にペロブスカイト型酸化物
が混在することになるため、酸素分子のイオン化に必要
な三相界面が増大する。つまり、空気極に混合されたYS
Z は、三相界面を増大させるための骨材として機能す
る。その意味では、空気極への電解質材料の混合は有効
である。しかし、電解質層と空気極層との界面はなお組
成、構造ともに不連続であり、単に熱膨張係数や組成の
変化の程度が小さくなっただけであるので、上記問題点
の本質的な解決策とはいえず、効果も不十分である。
【0012】固体電解質層と電極層 (例、空気極層) と
の熱膨張係数または組成の差を小さくする目的で、両層
の層間に熱膨張係数が中間の層を形成することが特開平
7−296838号公報に、両層の材料の混合層を形成するこ
とが特開平4−280075号公報に、両層間で組成が連続変
化する傾斜層を形成することが特開平2−278663号、特
開平9−266000号各公報に、それぞれ提案されている。
特開平5−29004号公報には、MnまたはCoを含む上記ペ
ロブスカイト型酸化物からなる空気極と接する部分のYS
Z 電解質にMnまたはCoを固溶させることが提案されてい
る。これらの公報に記載されている電解質材料はいずれ
もYSZ である。
【0013】これらの提案も、ある程度の効果はあるも
のの、電解質材料であるホタル石型構造のYSZ と空気極
材料であるペロブスカイト型酸化物との結晶構造や組成
の違いが大きいため、中間層や混合層を層間に介在させ
る場合には、組成がステップ状に変化する組成不連続部
ができるため効果が小さく、組成傾斜層の場合でも不連
続部の形成を完全に避けることは困難である。また、傾
斜層の形成は、上記公報のいずれでも、溶射法を利用
し、電解質層と空気極層の2種類の粉末を供給して、そ
の割合を少しずつ変化させることで傾斜組成としている
が、ミクロンオーダーのスケールで見れば、組成も結晶
構造も異なる2種類の粒子が混ざり合ったものに過ぎ
ず、また組成制御が不確実となり易く、製品の信頼性に
問題が出てくる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を根本的に解決することができる固体酸化物型燃料電
池、特に空気極の電極構造とその製造方法を提供するこ
とを課題とする。具体的には、電解質材料と空気極材料
に、結晶構造が同じで組成も比較的近い材料を使用する
こと、および両材料の接合界面に連続的な組成変化を与
えること、しかも両材料の中間組成物が混合伝導体であ
るようにすることで、上記問題点を根本的に解決するこ
とを目指すものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】固体酸化物型燃料電池の
電解質材料として、従来はYSZ 以外には実用性のある材
料が見出されていなかったため、電解質材料はYSZ であ
ることを前提にして開発が進められてきた。
【0016】しかし、本発明者らはペロブスカイト型酸
化物の中にもYSZ を凌ぐような高い酸化物イオン伝導性
を示す材料があることを見出した。具体的には、次式で
示されるランタンガレート系酸化物である: La1-a a Ga1-(b+c) b Coc O3 (AはSrとCaの1種もしくは2種、BはMg、Al、Inの1
種もしくは2種以上、0.05≦a≦0.3 、0≦b≦0.3 、
0≦c≦0.15、b+c≦0.3)。
【0017】この材料は、一般にどの温度でもYSZ より
高い導電性を示し、イオン輸率 (電気伝導に占めるイオ
ン性伝導の割合) は特にc値により変動し、c値が0.15
以下であれば、イオン輸率 0.7〜1.0 の範囲の酸化物イ
オン伝導体として十分な値にすることができる。従っ
て、このランタンガレート系酸化物を電解質材料として
使用すると、YSZ と同様の1000℃前後の高温から600 ℃
程度の低温域までの広い温度範囲で運転可能な固体酸化
物型燃料電池を作製することが可能となる。
【0018】また、上式でc値が0.15より大きいランタ
ンガレート系酸化物は、同じくペロブスカイト型結晶構
造を持ち、導電性が高いが、イオン輸率は約 0.1〜0.7
と低くなり、酸化物イオンによるイオン性伝導と電子性
伝導とがほぼ拮抗する電子イオン混合伝導体となる。こ
の電子イオン混合伝導体は、前述した空気極の骨材とし
て、電解質層と空気極粒子との間に介在させるのに特に
好適である。その理由を次に説明する。
【0019】従来のように、酸化物イオン伝導体からな
る電解質層に電子伝導体からなる空気極が接触している
構造であると、酸素から酸化物イオンへのイオン化は、
電解質層と空気極と空気との三相界面のみで起こること
になる。この三相界面は、図2(a) に示すように、電解
質層と空気極粒子の接合面の外縁(円周)に沿った一次
元的な領域である。酸素のイオン化が可能な領域がこの
ように狭いと、空気極の分極が大きくなり、燃料電池の
出力が低下する。また、電解質層も空気と接している必
要があるため、空気極が電解質層を完全に覆うことがで
きず、空気極材料の付着量が制限される。
【0020】一方、空気極と電解質の間に電子イオン混
合伝導体の骨材を介在させると、この骨材は酸素のイオ
ン化に必要な酸化物イオン伝導性と電子伝導性の両方を
示すため、この骨材だけで空気中の酸素分子を酸化物イ
オンにイオン化できる。その場合、この酸素のイオン化
は、図2(b) に示すように、骨材と空気との二相界面、
即ち、骨材の外表面という二次元的領域で起こる。即
ち、酸素のイオン化が起こる領域 (反応面積) が飛躍的
に増大し、分極が起こりにくく、発電効率が増大する。
但し、骨材だけでは外部端子への電子の伝導が不十分で
あり、また電極反応に対する触媒作用の点から、電子伝
導体からなる空気極材料は必要である。
【0021】本発明者らは、上記のランタンガレート系
の固体電解質材料 (酸化物イオン伝導体) と空気極骨材
の材料 (電子イオン混合伝導体) が、従来の空気極材料
(電子伝導体) である次式: La1-d Srd CoO3 (0≦d ≦0.5) で示される材料と、同じペロブスカイト型結晶構造を持
つ上、元素の類似性が高い (共通する構成金属元素が多
い) 点に着目し、これらの材料を用いた固体酸化物型燃
料電池について検討を重ねた。
【0022】その結果、この固体電解質材料と骨材材料
と空気極材料の3層を重ねて焼結させた後にさらに高温
で熱処理を行うと、結晶構造が全て同じペロブスカイト
型であるため、層間での元素の拡散が円滑に進行し、各
層間の組成が連続的に変化する濃度勾配が生成すること
を見出した。また、骨材層を省略して、電解質材料の層
と空気極材料の層の2層の焼結体を熱処理した場合に
も、同様に元素の拡散によって層間に濃度勾配が生成
し、下記式で示されるような骨材に相当する組成の領
域が生成することも判明した。
【0023】このように、同じ結晶構造からなる電解質
層と空気極層を熱処理して両層間に組成が連続的に変化
する濃度勾配を造ると、層間でステップ状に組成が変化
する非連続部がなくなる。また、この元素の拡散によっ
て、界面での接合性や密着強度が著しく向上する。その
ため、燃料電池の動作中に高温−室温の熱衝撃を繰り返
し受けても、割れ、歪み、層間剥離などが起こりにく
く、出力の低下が避けられる。また、材料の結晶構造が
同じで、構成金属元素も共通するので、材料間の熱膨張
係数の差が小さく、焼成中の割れや歪みも少なくなる。
さらに、界面抵抗を増大させる物質が界面に生成するこ
とも少なくなる。
【0024】本発明は以上の知見により完成したもの
で、その要旨は次の通りである。 (1) 空気極層と燃料極層の間に固体電解質層を配した積
層構造を持つ固体酸化物型燃料電池において、電解質層
と空気極層がいずれもペロブスカイト型材料から構成さ
れ、かつ電解質層と空気極層の間で組成が連続的に変化
することを特徴とする、固体酸化物型燃料電池。
【0025】(2) 空気極層と燃料極層の間に固体電解質
層を配した積層構造を持つ固体酸化物型燃料電池におい
て、電解質層がペロブスカイト型酸化物イオン伝導体、
空気極層がペロブスカイト型電子伝導体、からそれぞれ
構成され、かつ電解質層と空気極層との間にペロブスカ
イト型電子イオン混合伝導体からなる中間層を備え、こ
の中間層と電解質層との界面および空気極層との界面で
組成が連続的に変化することを特徴とする、固体酸化物
型燃料電池。
【0026】(3) ペロブスカイト型電子伝導性材料から
なる空気極層とペロブスカイト型酸化物イオン伝導性材
料からなる電解質層とを積層し、積層物を焼結させて両
層を一体化した後、熱処理を施して両層の界面において
空気極層を構成する元素を電解質層に、および/または
電解質層を構成する元素を空気極層に拡散させることを
特徴とする、固体酸化物型燃料電池の製造方法。
【0027】(4) ペロブスカイト型電子伝導性材料から
なる空気極層を、ペロブスカイト型電子イオン混合伝導
性材料からなる少なくとも1つの中間層を介して、ペロ
ブスカイト型酸化物イオン伝導性材料からなる電解質層
と積層し、積層物を焼結させて全ての層を一体化した
後、熱処理を施して隣接する層間界面において空気極層
を構成する元素を中間層に、および/または中間層を構
成する元素を空気極層に拡散させ、中間層を構成する元
素を電解質層に、および/または電解質層を構成する元
素を中間層に拡散させることを特徴とする、固体酸化物
型燃料電池の製造方法。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明に係る固体酸化物型燃料電
池は、電子伝導体である空気極と酸化物イオン伝導体で
ある固体電解質の各材料と、この2層間の層間の構成に
特徴がある。即ち、空気極層と固体電解質層がいずれも
ペロブスカイト型結晶構造を持つ材料から構成され、こ
の両層の間で組成が連続的に変化している。
【0029】別の側面では、これらのペロブスカイト型
材料からなる2層の間に、やはりペロブスカイト型結晶
構造を持つ電子イオン混合伝導体からなる中間層が存在
し、この中間層の空気極層および電解質層との界面で組
成が連続的に変化する。本発明において「組成が連続的
に変化する」とは、ステップ (階段) 状の非連続的な組
成変化がないことを意味する。
【0030】本発明を特徴づける上記の構造は、円筒型
セルと平板型セルのいずれにも適用することができる。
また、平板型セルはスタック型と一体焼結型 (モノリス
型)のいずれでもよい。即ち、上記の特徴的な構造と材
料の要件を満たす限り、本発明に係る固体酸化物型燃料
電池の他の部分の構造や材料は特に制限されない。
【0031】電解質層、空気極層、および中間層の各材
料が、同じペロブスカイト型結晶構造を持ち、電解質層
は酸化物イオン伝導体、空気極層は電子伝導体、中間層
は電子イオン混合伝導体であれば、材料は特に制限され
ない。使用する材料は、燃料電池の動作温度である高温
および動作雰囲気(電解質層は還元性雰囲気と酸化性雰
囲気の両方、空気極層は酸化性雰囲気) で安定なものが
好ましい。
【0032】なお、ここでは酸化物イオン伝導体は (酸
化物) イオン輸率が約0.7 以上のもの、電子イオン混合
伝導体はイオン輸率が 0.1〜0.7 のもの、電子伝導体は
イオン輸率が0.1 以下のものが一応の目安である。
【0033】本発明の好適態様にあっては、電解質層と
空気極層の各材料、或いは電解質層と中間層と空気極層
の各材料が、互いに構成金属元素に共通点がある、即
ち、金属元素の少なくとも1種、好ましくは2種以上、
さらに好ましくは3種が同じ元素である。それにより、
後述するように熱処理で組成が連続変化する傾斜領域を
形成した場合に、界面抵抗の高い化合物が生成すること
が避けられる。
【0034】以上の要件を満たす各層の材料として、前
述したように、下記の一般式で示される材料が例示され
る: 電解質層:La1-a a Ga1-(b+c) b Coc O3 ・・・ 空気極層:La1-d d CoO3 ・・・ 中間層:La1-e e Ga1-(f+g) f Cog O3 ・・・ AはSrとCaの1種もしくは2種、BはMg、Al、Inの1種
もしくは2種以上、 0.05≦a≦0.3 、 0≦b,e≦0.3 、 0≦c≦0.15、 b+c≦0.3 、 0≦d≦0.5 、 0≦f≦0.15、 0.15<g≦0.3 、 f+g≦0.3 。
【0035】上記の3種類の材料は、LaとCoという2種
類の金属元素を共通して含有しうる。また、各式におい
てAが同じ元素であれば、さらにA元素も共通するの
で、3種類の金属元素を共通して含有することができ
る。
【0036】上の〜の各式において、A元素は好ま
しくはSrであり、B元素は好ましくはMgである。但し、
各層においてA元素またはB元素を全て同じにする必要
はない。また、上の各式で、酸素の原子比は3と表示さ
れているが、当業者には明らかなように、例えば、aが
0ではない場合には酸素空孔を生じるので、実際には酸
素の原子比は3より小さい値をとることが多い。しか
し、酸素空孔の数は、A、Bの添加元素の種類や製造条
件によっても変化するので、便宜上、酸素の原子比を3
として表示する。
【0037】式の電解質層の材料の好ましい組成は、
0.1≦a≦0.25、特に0.17≦a≦0.22、0≦b≦0.17、
特に0.09≦b≦0.13、0.02≦c≦0.15、特に0.02≦c≦
0.10、0.1 ≦b+c≦0.25、特に0.15≦b+c≦0.22で
ある。式の空気極層の材料の好ましい組成は、0.1 ≦
d≦0.4 である。式の中間層の材料の好ましい組成
は、0.1 ≦e≦0.3 、0≦f≦0.13、0.17≦g≦0.3 で
あり、特に好ましくはf=0である。
【0038】〜の一般式で示される材料は、いずれ
もペロブスカイト型結晶構造を持つ導電性材料であり、
かついずれもYSZ より高い導電性を示すが、その導電性
におけるイオン輸率がそれぞれ異なる。
【0039】式で示される材料はイオン輸率が高く
(即ち、イオン性伝導が主となり) 、酸化物イオン伝導
体である。また、この材料は、高温の酸化性雰囲気から
還元性雰囲気までで化学的に安定であり、導電率の著し
い変動がない。従って、固体酸化物型燃料電池の電解質
層として使用するのに適した材料である。さらに、YSZ
に比べてどの温度でも導電性が高いため、例えば、 600
〜800 ℃というYSZ では導電性が低いため使用できなか
った比較的低い温度範囲でも、燃料電池の電解質層とし
て十分な酸化物イオン伝導性を示す。もちろん、1000℃
を超えるような高温でも安定であり、そのような温度で
使用することもできる。
【0040】図7に、式でa=0.2 、b=0.115 、c
=0.085 の場合、つまりLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.115Co
0.085O3 [(a)式とする] の組成を持つ焼結体の導電率σ
をlog σで表した酸素分圧(P(O2))10-5 atmでのアレ
ニウスプロットを示す。図7には参考のために、文献記
載のYSZ のアレニウスプロットも併せて実線で示す。図
7から、(a) 式のペロブスカイト型材料は、全ての温度
でYSZ を大きく超える (約一桁大きい) 導電率を示すこ
とがわかる。どちらの材料も、温度が低くなるほど(横
軸の1/Tの値が大きくなるほど) 導電率は低下する
が、例えば、1000℃ (横軸=0.78のプロット) の温度で
YSZ が示す導電率を、(a) 式の組成の材料では約650 ℃
(横軸=1.08) で示すことができることがわかる。
【0041】また、(a) 式の組成を持つ焼結体の温度
(T)650〜950 ℃の範囲での導電率(log σ)とイオ
ン輸率 (ti) を図8に示す。酸素分圧は上記と同じで
ある。図8からわかるように、この材料のイオン輸率は
650 ℃以上では0.8 以上であり、酸化物イオン伝導性が
主で、電子伝導性が少なく、酸化物イオン伝導体として
使用できることが判明した。
【0042】なお、導電率の測定は、焼結体の試験片に
白金ペーストを用いて白金線を接続した後、酸素分圧と
温度が調製可能な装置内で直流四端子法または交流二端
子法で測定した。イオン輸率は、焼結体の試験片を用い
て酸素濃淡電池を作製し、その電池の起電力を測定し、
ネルンストの式から求めた理論起電力に対する比から求
めた。
【0043】伝導率が同じ温度で比較してYSZ より約10
倍高いので、イオン輸率がやや低くても、酸化物イオン
伝導性はYSZ よりずっと大きくなる。従って、この(a)
式で示される材料を電解質として固体酸化物型燃料電池
を作製すると、YSZ を電解質とする場合のように動作温
度を1000℃前後と高くする必要がなく、例えば 650〜70
0 ℃と低くすることもができる。動作温度がこのように
低くなると、構造材料にステンレス鋼等の鉄鋼材料を使
用でき、動作温度が1000℃前後の場合のNi−Cr合金やセ
ラミックといった材料に比べて、材料費が著しく低減す
る。動作温度を下げても、水蒸気または他の排ガスによ
る発電を同時に行うか、或いは熱源としてのエネルギー
有効利用を同時に達成することで、固体酸化物型燃料電
池の発電効率はそれほど低下しない。
【0044】図9は、(a) 式の組成をもつ焼結体の導電
率(log σ)の酸素分圧(P(O2))に対する依存性を示
す。図9から、この材料が酸化性雰囲気から還元性雰囲
気まで、導電率が安定していることが分かる。
【0045】一方、式に比べてCoの含有量が多い式
で示される材料は、イオン性伝導と電子性伝導が拮抗す
る電子イオン混合伝導体となる。この材料も高温の酸化
性雰囲気から還元性雰囲気までで安定であり、酸化性雰
囲気にさらされる空気極骨材として使用するのに適して
いる。空気極骨材を電子イオン混合伝導体から構成する
と、前述したように電解質と気相 (空気) と電極の三相
界面だけではなく、骨材と気相の二相界面でも酸素のイ
オン化が起こるようになり、イオン化に利用される面積
が飛躍的に増大し、発電効率が向上する。
【0046】図10に、式でe=0.2 、f=0、g=
0.2 の場合、つまりLa0.8Sr0.2Ga0.8Co0.2O3 [(c) 式と
する] の組成を持つ材料の温度(T)650〜950 ℃の範
囲での導電率(log σ)とイオン輸率 (ti)を示す。酸
素分圧は上記と同じである。この図からわかるように、
この材料は(a) 式の組成を持つ材料をさらに凌ぐ高い導
電率を示し、しかも導電率の温度依存性が小さく、700
℃と950 ℃でほぼ導電率が等しいという予想外の性質を
示した。イオン輸率は、測定した 700〜950 ℃の温度範
囲では約 0.3〜0.6 の範囲内であった。従って、この材
料は、電子性伝導とイオン性伝導がほぼ拮抗している電
子イオン混合伝導体であり、空気極の骨材として好適で
ある。
【0047】また、Gaを含有しない式で示される材料
は、実質的に電子性伝導しか示さない電子伝導体であ
る。この材料は、従来より固体酸化物型燃料電池の空気
極に使用されてきた材料であり、その有効性は実証ずみ
である。
【0048】図11は、式でd=0.2 の場合、つまり
La0.8Sr0.2CoO3 [(b) 式とする] の組成を持つ材料の温
度(T)650〜950 ℃の範囲での導電率(σ)とイオン
輸率(log ti)を示す。酸素分圧は1atmである。この材
料の酸化性雰囲気における導電率は非常に大きく、空気
極材料として最適である。また、この材料のイオン輸率
は0.1 以下で、実質的にイオン伝導性を持たない電子伝
導体である。
【0049】従来より、(b) 式で示されるようなLaCoO3
系材料は、LaMnO3 系材料より導電率が高いことが知ら
れている。しかし、熱膨張係数が安定化ジルコニアと近
いのはLaMnO3 系材料であるため、導電率がより低い
(抵抗損がより大きい) にもかかわらず、LaMnO3 系材料
が空気極材料として推奨されてきた。本発明では、導電
率が高く、従って抵抗損の小さいLaCoO3 系材料を空気
極材料に支障なく使用できる。
【0050】上の〜の各式で示される組成を持つ材
料は、セラミック分野で通常採用されている方法で調製
することができる。具体的には、各構成金属元素の酸化
物もしくはその前駆体 (熱分解により酸化物に変化する
材料、例えば、炭酸塩、カルボン酸塩など) の粉末を所
定の原子比で混合し、必要に応じて成形し、焼成すれば
よい。焼成条件は、ペロブスカイト型結晶構造を持つ焼
結体が得られるように設定する。得られた焼結体を粉砕
して、各層の形成に使用することができる。
【0051】本発明に係る空気極の製造方法について次
に説明する。なお、以下の説明では平板型セルの製造に
ついて説明するが、円筒型セルも当業者に自明の変更を
行うことにより同様に実施することができる。
【0052】本発明に係る第1の方法によれば、ペロブ
スカイト型材料からなる空気極層をペロブスカイト型材
料からなる電解質層の上に積層し、積層物を焼結させて
両層を一体化した後、熱処理を施して両層の界面で元素
の拡散を生じさせる。この積層と焼結は、従来より行わ
れてきたのと同様に実施すればよい。具体的には、両層
ともグリーンシートの状態で、例えば熱圧着により積層
してから一括焼成してもよく、また、焼成した電解質層
の上に空気極層をスラリーコーティング法、またはスク
リーン印刷法等の方法により積層して焼成してもよい。
焼成工程が少ないという点では、一括焼成が有利であ
る。
【0053】成形体の成形方法としては、ドクターブレ
イド法以外に、圧縮成形、静水圧プレス、鋳込成形など
も利用できる。また、例えば、一方の層は、他方の層の
グリーンシートの上に、スラリーコーティングあるいは
ドクターブレイドコーティング等の方法で直接成形する
こともできる。また、焼結体の上にスラリーコーティン
グあるいはスクリーン印刷あるいは溶射などの方法を利
用して、直接形成することもできる。
【0054】焼成後で、電解質層の厚みは10〜200 μm
程度、空気極層の厚みは20〜300 μm程度とすることが
好ましい。なお、電解質層は緻密質、空気極層は多孔質
とする必要がある。各層の気孔率は、粉末の粒度や焼成
条件等によって調節することができ、当業者はその制御
について熟知している。
【0055】上述したように、界面抵抗の増大を避ける
には、電解質層と空気極層は、構成元素が互いに共通す
るように材料を選択することが好ましい。その意味で、
電解質層を上記式で示される材料から、空気極層を上
記式で示される材料から構成することが特に好まし
い。
【0056】電解質層と空気極層とが一体化した焼結体
に、本発明に従って熱処理を施し、両層の界面で元素の
拡散を生じさせる。それにより、両層の界面に組成が連
続的に変化した傾斜領域が生成する。この熱処理は、焼
成の後で続けて行うのが有利であるが、焼成の後で別に
行うこともできる。
【0057】熱処理条件は、上記の元素の拡散が達成さ
れる限り特に制限されない。温度は焼成温度と同じで
も、それよりやや低くても、あるいは高くてもよい。電
解質層と空気極層が上記の特に好ましい材料である場合
で、好ましい熱処理温度は1100〜1500℃の範囲である。
この温度で元素の拡散に必要な熱処理時間は一般に1〜
100 時間の範囲であろう。熱処理雰囲気は空気で十分で
あるが、不活性ガス雰囲気でもよい。なお、上記のよう
に焼成と熱処理は条件が似ており、区別が容易ではない
が、本発明では、焼結を起こすための加熱を焼成、その
後の界面での元素の拡散を目的とする加熱を熱処理とい
うことにする。
【0058】この熱処理により両層の界面で元素の拡散
が起こる。本発明では、電解質層と空気極層のどちらも
ペロブスカイト型という同じ結晶構造を持つため、元素
の拡散が円滑に進行し、上述したような現実的な熱処理
条件下で、電解質層と空気極層との界面で元素の拡散を
生じさせることができる。その結果、図3及び図4に示
すように、電解質層と空気極層の界面に、組成 (元素の
濃度勾配) が連続的に変化する傾斜組成を持った領域
(傾斜領域) が生成する。
【0059】このような傾斜領域は、特開平2−278663
号、特開平9−266000号各公報にも記載されている。こ
れらの公報に記載された従来の傾斜領域は、溶射法によ
る成膜時に電解質層材料と空気極層材料の2種類の粉末
を供給し、その比率を連続的に変化させることによって
形成したものである。しかし、この方法では組成が傾斜
しているといっても、微視的には組成も結晶構造も異な
る2種類の粒子の混合物であり、この混合比が変化して
いるに過ぎないので、微視的にみれば非連続部が生成す
ることが避けられない。従って、界面抵抗の増大を防ぐ
ことも困難である。
【0060】一方、本発明では、熱処理による元素の拡
散により傾斜領域を形成するため、組成は連続的に変化
し、微視的にもステップ状の非連続部は生成しない。こ
れは、電解質層と空気極層が両方ともペロブスカイト型
酸化物という結晶構造が同じ材料であるために実現した
ものである。傾斜領域を、熱処理により形成するため、
成膜法が制限されない。また、この拡散によって接合
性、従って密着強度が著しく向上するので、割れや層間
剥離を防止する効果も著しく高い。
【0061】さらに、電解質層と空気極層の材料が上記
のように、少なくとも2種、好ましくは3種の金属元素
が共通するものであるので、層間に界面抵抗の増大を生
ずる物質が生成することが確実に防止され、また上記の
接合性の向上とあいまって、界面抵抗は著しく低減す
る。
【0062】電解質層と空気極層がそれぞれ上記式と
式で示される組成の材料である場合には、熱処理によ
る両材料の元素の拡散によって、上記式に相当するよ
うな組成を持つ領域を生成させることができる。その場
合、この領域は電子イオン混合伝導性を示し、空気極骨
材として有用である。即ち、この領域では、電解質と空
気極と空気との三相界面 (一次元的領域) ではなく、骨
材と空気との二相界面(二次元的領域) でも酸素のイオ
ン化が起こるので、イオン化に利用可能な面積が増大す
る。
【0063】但し、この電子イオン混合伝導性の領域を
熱処理による拡散で生成させる場合、この領域は、電解
質層と空気極層との界面のごく薄い部分に限られ、その
厚みは例えば10μm以下と小さくなる。その場合には、
この領域の面積を増やしたいのであれば、電解質層の表
面を粗面化する (例、溶射法で表面を形成する) 、或い
は空気極層中に電解質層の材料を混合する、といった手
法をとってもよい。
【0064】本発明に係る第2の方法によれば、酸素の
イオン化に利用できる電子イオン混合伝導体からなる領
域の厚みを自由に大きくすることができる。この方法で
は、空気極層を少なくとも1つの中間層を介して電解質
層と積層し、積層物を焼結させて全ての層を一体化した
後、熱処理して元素の拡散により、隣接する層間界面で
元素の拡散を生じさせる。中間層も含めて、全ての層が
ペロブスカイト型結晶構造を持つ。中間層は、電解質層
と空気極層との中間の組成を持つように選ぶことが好ま
しい。また、中間層は好ましくは電子イオン混合伝導体
からなる。それにより、中間層の表面が酸素のイオン化
に利用可能になる。
【0065】各層の形成方法や積層方法は、上述した中
間層を利用しない場合と同様でよく、熱処理条件も同じ
でよい。この方法で中間層に電子イオン混合伝導体を用
いれば、酸素のイオン化に利用可能な電子イオン混合伝
導体と空気との二相界面の面積をさらに増大させること
ができる。その場合の中間層の厚みは10〜100 μm程度
とすることが好ましい。
【0066】熱処理によって、電解質と中間層との界
面、および中間層と空気極層との界面で、それぞれ元素
の拡散が起こり、各界面に組成が連続的に変化した傾斜
領域が生成する (図5を参照) 。中間層が、電解質層の
組成と空気極層の組成との中間の組成を有する場合に
は、第1の方法による電解質層と空気極層との間の元素
の拡散に比べて、電解質層と中間層および中間層と空気
極層の各界面とも、組成の違いが小さくなり、傾斜領域
における組成変化の幅が小さいので、割れ、歪み、反
り、層間剥離などの現象がさらに起こりにくくなり、接
合性や密着強度もさらに向上する。
【0067】例えば、電解質層が上記式、空気極層が
上記式、中間層が上記式でそれぞれ示される組成を
持ち、、、式でAを同一元素とし、、式でB
を同一元素とし、a≦e≦dあるいはa≧e≧d、かつ
c≦gとすると、中間層の組成を両側の層の中間にする
ことができる。
【0068】本発明の固体酸化物型燃料電池における燃
料極は、好ましくはNiとセリア (酸化セリウム、CeO2)
系材料から構成する。この燃料極は、骨材のセリア層を
Ni粒子で被覆するか、Ni層を積層することにより製作す
ることができる。
【0069】セリア系材料は、YSZ を超える非常に高い
導電性を示す酸化物イオン伝導体であるが、還元性雰囲
気ではCe4+→Ce3+の変化により電子性伝導が現れるた
め、電解質層の材料としては使用できない。しかし、こ
の還元性雰囲気で現れる電子性伝導により、この雰囲気
では電子イオン混合伝導体として機能するようになるの
で、還元性雰囲気になる燃料極側の骨材として使用する
のに適している。
【0070】従来の最も一般的な燃料極材料であるNi−
YSZ では、YSZ が還元性雰囲気でも酸化物イオン伝導体
であるため、電子の伝播ができない。従って、燃料極側
の電極反応 (酸化物イオンと燃料との反応による電子の
放出) は、電解質のYSZ と燃料極のNiと燃料の三相界面
(即ち、一次元的領域) で起こる。燃料極のYSZ は、こ
の一次元的な三相界面の面積 (長さ) を増やすものでし
かない。
【0071】これに対し、還元性雰囲気で電子イオン混
合伝導性を示すセリアをYSZ の代わりに使用すると、電
極反応が二次元的領域であるセリアと燃料との二相界面
で起こるようになり、燃料極側においても、電極反応に
利用できる面積が飛躍的に増大する。但し、燃料極の材
料は、電解質の材料 (ペロブスカイト型酸化物) とは結
晶構造も構成元素も異なっているので、空気極について
説明したような熱処理による界面での組成の連続変化
(傾斜領域の形成) を、燃料極と電解質の間で行うこと
は適当ではない。しかし、従来技術に提案されているよ
うに、電解質材料と燃料極材料の混合物を用いた中間層
を形成することは可能であろう。
【0072】
【実施例】(実施例1)La2O3 、SrCO3 、Ga2O3 、MgO
、およびCoO から選んだ粉末原料を、下記(a)〜(c) の
組成を生ずる割合でそれぞれ配合し、よく混合して3種
類の粉末混合物を得た: (a) La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.115Co0.085O3 、 (b) La0.8Sr0.2CoO3、 (c) La0.8Sr0.2Ga0.8Co0.2O3
【0073】上記 (a)〜(c) の組成の3種類の原料混合
物を焼結温度より低温で予備焼成し、必要であれば分級
して、平均粒径が約2μmの各材料の粉末を得た。
【0074】この各粉末を用いてスラリーを作製した。
先ず、(a) 式組成のスラリーからドクターブレイド法に
より膜厚約100 μmのグリーンシートを作製し、空気中
1500℃で6時間焼成した。焼成後、その上に(c) 式組成
のスラリーを膜厚約50μmになるようにスラリーコーテ
ィングし、空気中1200℃で3時間焼成した。さらに、そ
の上に(b) 式組成のスラリーを膜厚約120 μmになるよ
うにスラリーコーティングし、空気中1200℃で3時間焼
成した。このようにして得られた、下から(a)式→(c)
式→(b) 式の組成をもつ積層体を、空気中1150℃で約10
0 時間熱処理した。こうして、下から酸化物イオン伝導
体 (電解質層) →電子イオン混合伝導体(中間層、空気
極骨材) →電子伝導体(空気極層) からなる3層構造物
が得られた。
【0075】熱処理前後の3層構造物の断面における各
元素の分布割合 (原子比) の変化をEPMA (electron pro
be microanalyser) により分析した結果を図6に示す。
この図からわかるように、電解質層/中間層の界面、お
よび中間層/空気極層の界面のいずれにおいても、各元
素の濃度が連続的に変化しており、元素分布のステップ
状の変化はなかった。即ち、熱処理により、層間の界面
で元素の拡散が起こり、界面の接合性が著しく向上する
ことがわかる。また、ステップ状の元素分布の変化がな
いので、界面抵抗が著しく減少し、熱応力を受けても歪
み、割れ、層間剥離などが起こりにくくなる。
【0076】(実施例2)中間層となる(c) 式で示され
る組成の材料のグリーンシートを使用せずに、実施例1
の操作を繰り返した。即ち、(a) 式の組成の材料のグリ
ーンシートと(b)式の組成の材料のグリーンシートを積
層し、焼結させ、熱処理した。
【0077】熱処理前後の2層構造物の断面における各
元素の分布割合を図4に示す。やはり、界面で元素の濃
度が連続的に変化しており、熱処理で元素の拡散が起こ
ったことがわかる。その結果、厚みは薄いものの、実施
例1の中間層に相当する組成を持つ領域も界面に生成さ
せることができた。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、固体酸化物型燃料電池
の電解質と空気極に、同じペロブスカイト型結晶構造の
材料を用い、熱処理による界面での元素の拡散を利用し
て、電解質と空気極の間で元素の濃度が連続的に変化す
る傾斜領域を造る。その結果、従来問題であった、空気
極と電解質との界面での熱膨張係数の違いによる歪みや
割れが著しく緩和され、接合性がよくなるので、密着強
度が増大し、層間剥離が起こりにくくなり、界面抵抗が
少なくなる。
【0079】また、本発明によれば、電解質と空気極、
または電解質と空気極骨材と空気極の全ての材料が同じ
ペロブスカイト型酸化物で、しかも金属元素が共通する
ように選択できるので、この傾斜領域において熱処理中
に界面抵抗を増大させる物質が生成することを効果的に
防止できる。
【0080】従来の傾斜領域は、電解質材料と空気極材
料の混合物を使用し、その混合比を連続的に変化させる
ものであったので、巨視的には組成が連続であっても、
微視的には組成も結晶構造も異なる2種類の粒子の混合
物に過ぎないので、不連続性は解消されず、製作工程も
複雑であったが、本発明ではこのような問題点が解消さ
れる。
【0081】さらに、酸化物イオン伝導体である電解質
層と電子伝導体である空気極層の間に、電子イオン混合
伝導体からなる中間層を設けることで、この中間層と空
気との二相界面の全てを酸素のイオン化に利用可能にな
り、従来の三相界面のみの反応に比べて、反応面積が著
しく増大し、分極が起こりにくくなるので、発電効率が
大幅に向上する。なお、この効果は、中間層を省略して
も、電解質と空気極の材料を適切に選択することによ
り、熱処理中に中間層に相当する組成の物質を界面に生
成させることで、ある程度は得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) は円筒型の固体酸化物型燃料電池の単
セルを示す斜視図であり、図1(b) は平板型の固体酸化
物型燃料電池の単セルを分解した斜視図である。
【図2】図2(a) は従来の三相界面における酸素のイオ
ン化を示す説明図であり、図2(b) は電子イオン混合伝
導体の空気極骨材を用いた場合の二相界面における酸素
のイオン化を示す説明図である。
【図3】拡散前後の電解質層と空気極層との界面を示す
説明図である。
【図4】拡散前後の電解質層と空気極層との界面におけ
る各元素の分布 (原子比) の変化を示す図である。
【図5】拡散前後の電解質層と中間層と空気極層との界
面を示す説明図である。
【図6】拡散前後の電解質層と中間層と空気極層との界
面における各元素の分布 (原子比) の変化を示す図であ
る。
【図7】本発明で用いるペロブスカイト型酸化物イオン
伝導体のアレニウスプロットを示す図である。
【図8】本発明で用いるペロブスカイト型酸化物イオン
伝導体の導電率とイオン輸率の温度変化を示すグラフで
ある。
【図9】本発明で用いるペロブスカイト型酸化物イオン
伝導体の導電率と酸素分圧依存性を示すグラフである。
【図10】本発明で用いるペロブスカイト型電子イオン
混合伝導体の導電率とイオン輸率の温度変化を示すグラ
フである。
【図11】本発明で用いるペロブスカイト型電子伝導体
の導電率とイオン輸率の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1:基体、2:空気極層、3:電解質層、4:燃料極
層、5:インタコネクタ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気極層と燃料極層の間に固体電解質層
    を配した積層構造を持つ固体酸化物型燃料電池におい
    て、電解質層と空気極層がいずれもペロブスカイト型材
    料から構成され、かつ電解質層と空気極層の間で組成が
    連続的に変化することを特徴とする、固体酸化物型燃料
    電池。
  2. 【請求項2】 空気極層と燃料極層の間に固体電解質層
    を配した積層構造を持つ固体酸化物型燃料電池におい
    て、電解質層がペロブスカイト型酸化物イオン伝導体材
    料、空気極層がペロブスカイト型電子伝導体材料、から
    それぞれ構成され、かつ電解質層と空気極層との間にペ
    ロブスカイト型電子イオン混合伝導体材料からなる中間
    層を備え、この中間層と電解質層との界面およびこの中
    間層と空気極層との界面で組成が連続的に変化すること
    を特徴とする、固体酸化物型燃料電池。
  3. 【請求項3】 電解質層と空気極層を構成する材料、ま
    たは電解質層と空気極層と中間層を構成する材料が、い
    ずれも少なくとも1種の同じ金属元素を含有している、
    請求項1または2記載の固体酸化物型燃料電池。
  4. 【請求項4】 電解質層がLa1-a a Ga1-(b+c) b Co
    c O3 で示される材料から構成され、空気極層がLa1-d
    d CoO3 で示される材料から構成された、請求項1記
    載の固体酸化物型燃料電池 (但し、AはSrとCaの1種も
    しくは2種、BはMg、Al、Inの1種もしくは2種以上、
    0.05≦a≦0.3 、0≦b≦0.3 、0≦c≦0.15、b+c
    ≦0.3 、0≦d≦0.5)。
  5. 【請求項5】 電解質層がLa1-a a Ga1-(b+c) b Co
    c O3 で示される材料から構成され、空気極層がLa1-d
    d CoO3 で示される材料から構成され、中間層がLa
    1-e e Ga1-(f+g) f Cog O3 で示される材料を含
    む、請求項2記載の固体酸化物型燃料電池 (但し、Aは
    SrとCaの1種もしくは2種、BはMg、Al、Inの1種もし
    くは2種以上、0.05≦a≦0.3 、0≦b, e≦0.3 、0
    ≦c≦0.15、b+c≦0.3 、0≦d≦0.5 、0≦f≦0.
    15、0.15<g≦0.3 、f+g≦0.3)。
  6. 【請求項6】 ペロブスカイト型電子伝導性材料からな
    る空気極層とペロブスカイト型酸化物イオン伝導性材料
    からなる電解質層とを積層し、積層物を焼結させて両層
    を一体化した後、熱処理を施して両層の界面において空
    気極層を構成する元素を電解質層に、および/または電
    解質層を構成する元素を空気極層に拡散させることを特
    徴とする、固体酸化物型燃料電池の製造方法。
  7. 【請求項7】 ペロブスカイト型電子伝導性材料からな
    る空気極層を、ペロブスカイト型電子イオン混合伝導性
    材料からなる少なくとも1つの中間層を介して、ペロブ
    スカイト型酸化物イオン伝導性材料からなる電解質層と
    積層し、積層物を焼結させて全ての層を一体化した後、
    熱処理を施して隣接する層間界面において空気極層を構
    成する元素を中間層に、および/または中間層を構成す
    る元素を空気極層に拡散させ、中間層を構成する元素を
    電解質層に、および/または電解質層を構成する元素を
    中間層に拡散させることを特徴とする、固体酸化物型燃
    料電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 中間層の組成が電解質層の組成と空気極
    層の組成の中間にある、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 電解質層と空気極層を構成する材料、ま
    たは電解質層と空気極層と中間層を構成する材料が、い
    ずれも少なくとも1種の同じ金属元素を含有している、
    請求項6ないし8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 電解質層がLa1-a a Ga1-(b+c) b
    Coc O3 で示される材料から構成され、空気極層がLa
    1-d d CoO3 で示される材料から構成された、請求項
    6または9記載の方法 (但し、AはSrとCaの1種もしく
    は2種、BはMg、Al、Inの1種もしくは2種以上、0.05
    ≦a≦0.3 、0≦b≦0.3 、0≦c≦0.15、b+c≦0.
    3 、0≦d≦0.5)。
  11. 【請求項11】 電解質層がLa1-a a Ga1-(b+c) b
    Coc O3 で示される材料から構成され、空気極層がLa
    1-d d CoO3 で示される材料から構成され、中間層がL
    a1-e e Ga1-(f+g) f Cog O3 で示される材料を含
    む、請求項7ないし9いずれかに記載の方法 (ただし、
    AはSrとCaの1種もしくは2種、BはMg、Al、Inの1種
    もしくは2種以上、0.05≦a≦0.3 、0≦b, e≦0.3
    、0≦c≦0.15、b+c≦0.3 、0≦d≦0.5 、0≦
    f≦0.15、0.15<g≦0.3 、f+g≦0.3)。
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