JP2000185215A - 吸着材に吸着された揮発性有害化学物質の量を計測する方法および揮発性有害化学物質除去用の空気清浄装置 - Google Patents

吸着材に吸着された揮発性有害化学物質の量を計測する方法および揮発性有害化学物質除去用の空気清浄装置

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JP2000185215A
JP2000185215A JP10365448A JP36544898A JP2000185215A JP 2000185215 A JP2000185215 A JP 2000185215A JP 10365448 A JP10365448 A JP 10365448A JP 36544898 A JP36544898 A JP 36544898A JP 2000185215 A JP2000185215 A JP 2000185215A
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air
adsorbent
volatile harmful
harmful chemical
chemical substance
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English (en)
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Mitsuhisa Obata
光央 小畑
Toshio Tanaka
利夫 田中
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】揮発性有害化学物質除去用の吸着材の吸着状
況、性能、寿命等を正しく検出することが望まれてい
た。 【解決手段】揮発性有害化学物質除去用の吸着材95を
有する空気清浄装置を構成する。吸着材95は通風路9
2に配置する。また、通風路92にはVOCセンサ90
を設ける。VOCセンサ90は、吸着材95の一部をサ
ンプル片96とし、サンプル片96に吸着された揮発性
有害化学物質を脱離させるためのヒータ97を含む。ヒ
ータ97によりサンプル片96が加熱されると、吸着さ
れていた揮発性有害化学物質が脱離し、脱離した該物質
は検出器98で精度良く検出される。かかる検出結果を
制御回路100が活用して、吸着材95の交換時期や再
生時期が表示器91に表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、揮発性有害化学
物質を清浄するための空気清浄装置に関する。特に、化
学物質過敏症患者等により利用される閉空間の空気を清
浄化して、閉空間内の揮発性有害化学物質濃度を十分に
低減することのできる空気清浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】居住
環境において、室内外の空気質汚染が進み、様々な対策
が進められている。たとえば、建材から出るホルムアル
デヒドに対しては、その含有量の少ない材料の開発がさ
れている。また、自動車の排気ガスに含まれるNOX
問題に関しては、排出濃度の削減が取り組まれている。
【0003】これら様々な対策が講じられることによ
り、居住環境における空気質汚染がどのように改善され
たかを計測する必要がある。従来の汚染状況の計測方法
としては、ガスクロマトグラフィといった高精度の分析
方法が用いられている。ところが、かかる分析方法は、
サンプリングが難しく、しかも分析装置が大掛かりなも
のであり、種々の場所で汚染状況を計測することが困難
であるという問題点があった。
【0004】そこで、近年、住宅建設の現場等で、建築
された居住空間の汚染状況等を簡単に計測できる簡易計
測器が市販されている。ところが、かかる簡易計測器
は、低濃度域での検知精度が悪く、また、ノイズガスに
よる感度劣化という不具合があり、居住空間等の汚染状
況を正しく計測するのが困難であるという課題があっ
た。
【0005】一方、身の回りに溢れる化学物質によって
身体の不調を訴える「化学物質過敏症」に悩む人が増え
ている。「化学物質過敏症」は一言で定義することは難
しいが、たとえば「過敏性を獲得し、極めて微量な化学
物質に反応し不愉快な症状を示す病気」ということがで
きる。健康な人が大量の化学物質に曝露されると、過敏
状態になり、化学物質過敏症を発症する恐れがある。
【0006】かかる化学物質過敏症の患者にとっては、
揮発性有害化学物質濃度が十分に低減された空間に身を
置くことが唯一の症状を緩和する方法である。そこで、
かかる空間を形成するために、たとえば揮発性有害化学
物質除去用の空気清浄装置が用いられる。この種の空気
清浄装置では、空気に含まれる揮発性有害化学物質を低
減するために、吸着材等のガス除去材が使われる。とこ
ろが、吸着材はガスを吸着するとその性能が劣化し、そ
れ以上のガスの吸着が困難になる。従って、この種の空
気清浄装置を有効に作動させためには、吸着材の交換ま
たは再生時期に注意しなければならない。吸着材の交換
または再生時期の判別の仕方は、ある環境を想定して一
定期間の寿命を想定するという方法が考えられる。しか
し、実際には、使用環境が異なれば吸着材の寿命が大き
く変化する。このため、吸着材にどの程度ガスが吸着し
ているかを計測する方法や装置がより望ましいと考えら
れる。
【0007】この発明は、かかる観点に鑑みなされたも
ので、揮発性有害化学物質除去用の吸着材の吸着状況、
性能、寿命等を正しく検出するための方法およびその方
法が採用された空気清浄装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1記載の発明は、清浄すべき空気が通過する通風路と、
通風路に配置された揮発性有害化学物質を吸着するため
の吸着材と、通風路に設けられた揮発性有害化学物質を
検知するためのVOCセンサとを含むことを特徴とする
揮発性有害化学物質除去用の空気清浄装置である。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の空
気清浄装置であって、前記VOCセンサは、揮発性有害
化学物質を吸着するための吸着材と、吸着材に吸着され
た揮発性有害化学物質を脱離させるために吸着材を加熱
させる加熱手段と、吸着材から脱離した揮発性有害化学
物質の量を検出するための検出器とを含むことを特徴と
するものである。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載の空
気清浄装置において、通風路に配置された前記吸着材の
一部を前記VOCセンサの吸着材として使用することを
特徴とするものである。請求項4記載の発明は、請求項
2ないし3のいずれかに記載の空気清浄装置であって、
前記通風路を流れる空気流量を積算する手段をさらに備
え、積算手段およびVOCセンサの出力に基づいて、前
記吸着材の性能または交換時期を出力する手段を有する
ことを特徴とするものである。
【0011】請求項5記載の発明は、清浄すべき空気が
通過する通風路に配置された揮発性有害化学物質を吸着
するための吸着材に吸着された物質の量を計測する方法
であって、前記吸着材の一部を吸着量分析用のサンプル
片とし、該サンプル片を加熱して吸着されている物質を
脱離させ、脱離した物質の量を検出器で検出することを
特徴とする揮発性有害化学物質の量を計測する方法であ
る。
【0012】請求項6記載の発明は、通風路を流れる空
気流量を測定し、その積算値および請求項5によって計
測される物質の量に基づいて、通風路に流れてくる空気
の汚染度を測定する方法である。請求項1の構成によれ
ば、VOCセンサの出力に基づいて吸着材の交換時期や
再生時期を知ることができる。このため、性能の低下し
た吸着材を知らずに使用する等の不具合がなくなる。ま
た、性能が低下していない吸着材を交換する等の無駄も
無くせ、吸着材の使用効率の良い空気清浄装置とするこ
とができる。
【0013】請求項2の構成によれば、吸着材に吸着さ
れた揮発性有害化学物質が微量であっても、その微量の
化学物質を精度良く検出することができる。あるいは、
検出器が比較的多い量の揮発性有害化学物質を検出する
簡易型の検出器であっても、吸着材から脱離された揮発
性有害化学物質はその量が多く、かかる検出器を用いた
安価なVOCセンサを構成することができる。
【0014】請求項3の構成によれば、吸着材の一部を
VOCセンサの吸着材として使用するので、VOCセン
サが検出対象とする吸着材が実際の吸着材であり、吸着
材の吸着条件、劣化条件等に基づき、吸着材の再生時期
または交換時期を精度良く検出することができる。特
に、吸着材とサンプル片との厚みが等しく、吸着材の再
生時期や回数を精度良く算出することができる。
【0015】請求項4の構成によれば、空気流量を積算
しておくことにより汚染度の簡易計測が可能となり、患
者にとって汚染度を客観的に把握する助けとなる。ある
いは、患者にとって吸着材の適正な選択の助けとなる。
請求項5の構成によれば、サンプル片に吸着された揮発
性有害化学物質量が検出されるので、吸着材の性能また
は交換時期を把握できる。
【0016】請求項6の構成によれば、揮発性有害化学
物質の量と空気流量とを測定しているので、通風路を流
れる空気の揮発性有害化学物質による汚染度を把握で
き、汚染度に応じた、吸着材の適正な選択の助けとな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
かかる揮発性有害化学物質除去用の空気清浄装置の構成
概念図である。図1に示すように、空気清浄装置には、
清浄すべき空気が通過する通風路92が設けられてお
り、ファン93を回転させることによって通風路92内
を流れる気流を作る。この気流は、通風路92内に配置
されたフィルタ94を通過することにより粉塵が除去さ
れる。また、通風路92内に配置された吸着材95を通
過することにより揮発性有害化学物質等の揮発性有害化
学物質が除去される。
【0018】ファン93は、プロペラファンでもよい
し、シロッコファンでもよく、その形態は自由に決める
ことができる。また、フィルタ94も、たとえばHEP
Aタイプや、中性能タイプ等状況に応じて任意のものを
選択すればよい。吸着材95は、たとえば活性炭やゼオ
ライト等を例示することができ、物理的に揮発性有害化
学物質を吸着するものであればどのようなものでもよ
い。
【0019】この実施形態の特徴は、吸着材95に吸着
された揮発性有害化学物質(揮発性有害化学物質)の量
を検出するためのVOCセンサ90が設けられているこ
とである。このVOCセンサ90は、吸着材95の一部
を吸着量分析用のサンプル片96として使用する。この
ために、サンプル片96を加熱して、サンプル片96に
吸着されている揮発性有害化学物質を脱離させるための
ヒータ97が備えられている。さらに、サンプル片96
から脱離した揮発性有害化学物質の量を検出するための
検出器98が備えられている。なお、サンプル片96か
ら脱離した揮発性有害化学物質が通風路92内に広がら
ないように、サンプル片96から脱離した揮発性有害化
学物質を検出器98へ誘導する誘導板99が通風路92
内に配置されている。
【0020】ヒータ97、検出器98およびファン93
には制御回路100が接続されている。制御回路100
は、空気清浄装置の駆動、言い換えればファン93の駆
動を制御するとともに、VOCセンサ90を制御して、
サンプル片96に吸着されている揮発性有害化学物質の
量を検出するとともに、その検出出力に基づいて、後述
するように、吸着材95の交換時期や再生時期等を推測
する。制御回路100で推測された上記交換時期や再生
時期等は表示器91に表示される。
【0021】図2は、図1に示す制御回路100により
実行される制御動作の内容を示すフローチャートであ
る。図2の流れに従って制御回路100の動作を説明す
る。まず、制御回路100では、吸着材95(具体的に
はサンプル片96)の検査時期が来たか否かの判別をす
る(ステップS1)。たとえば検査のインターバルとし
て1週間(7日間)が設定されているとすれば、前回の
検査から7日が経ったか否かの判別がされ、7日目であ
れば、検査時期であると判断される。
【0022】検査時期の場合は、まずヒータ97が加熱
されて(ステップS2)、同時に検出器98の出力が読
み取られる(ステップS3)。また、検査期間中は、フ
ァン93を検査に最適な速度、たとえばごく低速度で回
転させる(ステップS4)。そして所定の検査時間、た
とえば30秒が経過するまでの間、ステップS2〜S5
の処理が続行される。
【0023】検査時間が経過した後、今回の検査までに
検出された前回までの検査結果である揮発性有害化学物
質量の積算値D0 が読み出され、その積算値D0 に今回
の検査で検出された揮発性有害化学物質量の値DN が加
算され、D0+1 とされる(ステップS6)。さらに、前
回の検査終了後、今回の検査までのファン93の駆動総
量に基づいて、通風路92を通過した空気流量AT を算
出する(ステップS7)。
【0024】そして、ステップS6で求めた積算値D
0+1 が、吸着材95に関して予め定められている交換ま
たは再生時期を表わす基準値THと比較される。その結
果、D 0+1 ≧THであれば、吸着材95は交換または再
生時期であると判別される。そして表示器91に、吸着
材95を交換または再生すべき旨の表示がされる(ステ
ップS9)。
【0025】一方、ステップS8において、吸着された
揮発性有害化学物質量の積算値D0+ 1 が基準値THより
も小さく、吸着材95がまだ交換時期または再生時期に
至っていないと判別されると、積算値D0+1 に基づく劣
化状態が表示される。たとえば、緑色の棒状表示領域の
何割かを赤色に変化させる等の表示によって、吸着材9
5の劣化状態を表示させることが可能である(ステップ
S10)。
【0026】さらに、今回検出された値DN とステップ
S7で算出された空気流量AT に基づき、通風路92内
を流れる空気の汚染度(空気に含まれる揮発性有害化学
物質の割合)を算出して、それを表示させる(ステップ
S11)。空気の汚染度とは、すなわち、「揮発性有害
化学物質の平均濃度=検出器の出力積算値/空気流量積
算値」(より厳密に言えば、吸着材の特性の経時変化が
あるから、この式にさらに経時変化を表わすパラメータ
を追加する必要があるが、簡易的にはこの式で空気の汚
染度を表わすことができる)と定義できる。
【0027】かかる空気の汚染度や吸着材の劣化状態の
表示により、次のようなメリットがある。 空気の汚染度の表示により、患者や使用者へ危険度の
アピールができる。 吸着材の劣化状態の表示により、最適な吸着材の選定
の目安が得られる。たとえば、空気の汚染度が下がって
くれば、多少効率が悪くても寿命の長い吸着材に交換す
ることが考えられるし、空気の汚染度が高ければ、寿命
が短くても効率の良い吸着材に変えることが考えられ、
その目安を得ることができる。
【0028】図1の実施形態では、吸着材95の一部を
サンプル片96として用いる例を示した。このような構
成に代えて、たとえば吸着材95とは別に、サンプル片
101を設け、このサンプル片101を取り出して以下
に説明するように検査を行ってもよい。図3は、空気清
浄装置から取り出されたサンプル片101の検査方法を
示す図解図である。図3に示すように、サンプル片10
1を取り出し、加熱器(たとえば化学実験用のホットプ
レート102)で加熱する。ホットプレート102に置
かれたサンプル片101の周囲は、小容器103で封鎖
する。また、小容器103には誘導管104を連結して
おく。誘導管104の他端にはガス状物の濃度を検出す
る簡易計測器105を接続しておく。ホットプレート1
05によりサンプル片101が加熱されると、サンプル
片101に吸着されていた揮発性有害化学物質はサンプ
ル片102から脱離し、脱離した揮発性有害化学物質は
誘導管104を通って簡易計測器105に与えられる。
簡易計測器105内には、ガスを収集しやすいように吸
引ファンが備えられているのが好ましい。この結果、簡
易計測器105でサンプル片101から離脱した揮発性
有害化学物質の量または濃度を測定することができる。
【0029】サンプル片101は、通風路92に配置さ
れた吸着材95と同じ履歴を経たサンプル片101を用
いて検査すると、サンプル片101の劣化状態が通風路
92に配置された吸着材95の劣化状態に近いため、通
風路92に配置された吸着材95の交換または再生時期
を知る際に、より適正な測定ができる。よって、検査の
ために加熱したサンプル片101は、通風路95に配置
された吸着材101を加熱再生した後でなければ、再び
サンプル片101は使用しない方がよい。従って、通風
路92に配置された吸着材95を再生または交換するま
でに、複数の検査回数が予定される場合は、検査回数分
の複数個のサンプル片101を備えることが好ましい。
【0030】図1および図2で説明したVOCセンサ9
0の構成や検査のやり方ならびに図3で説明した検査方
法を用いると、検出器98により揮発性有害化学物質の
量を正確に検出することができる。また、簡易計測器1
05によっても揮発性有害化学物質量や濃度を正確に計
測することができる。なぜならば、検出対象であるサン
プル片96やサンプル片101は、検出のために加熱さ
れ、吸着されていた揮発性有害化学物質が脱離される。
サンプル片96,101が揮発性有害化学物質を吸着す
るのに必要な時間を長くとれば、サンプル片96,10
1から脱離され揮発性有害化学物質量が比較的高い。よ
って、検出器98や簡易計測器105で精度良く揮発性
有害化学物質の量や濃度を計測することが可能である。
換言すれば、図1で説明した実施形態における検出器9
8も、簡易計測器105程度の計測精度のものでよく、
かかる計測精度の検出器98を用いても、精度良く揮発
性有害化学物質を計測することが可能である。
【0031】次に、この発明の一実施形態にかかる揮発
性有害化学物質除去用の空気清浄装置が備えられた化学
物質患者用の部屋について説明をする。この部屋は、化
学物質過敏症患者が安心して避難することのできる空間
であって、化学物質過敏症患者に対して、 絶対に発病しないという安心感を与えることのできる
場所であり、 万一発病した際には、その症状を速やかに鎮静化させ
ることのできる場所、である。
【0032】図4は、化学物質過敏症患者用の部屋の一
例の概要を示す斜視図である。この部屋1は、既存の居
住空間(いわゆる普通の部屋)2内に設置されるシェル
タ様の閉じた空間を形成するもので、いわば「ルームイ
ンルーム」というコンセプトで作られたものである。化
学物質過敏症の患者は、ごく微量の濃度の化学物質に触
れても発症するため、部屋1内の化学物質濃度を十分に
低く抑える必要がある。
【0033】そのために、部屋1は、揮発性有害化学物
質の発生が少ない材料を主体として作られている。たと
えば、無機金属、天然木材、セラミック、ガラス等の化
学物質を放散しにくい材料で構成されるか、化学物質放
散の少ない素材で表面を完全にコーティングした材料で
構成されている。具体的には、部屋1は、たとえば直方
体状をしており、各辺は図示を省略した木枠(たとえば
杉等の無垢の天然木材の木枠)で形成されている。ま
た、部屋1は、床面3、正面4、背面5、左側面6、右
側面7および天面8の6面で囲まれた閉空間9を有して
いる。
【0034】床面3は、たとえばセラミック板で形成さ
れ、正面4、左側面6および天面8はガラス板で形成さ
れ、背面5および右側面7は天然木(杉等の無垢の木
板)で構成されている。部屋1は、この例では正面4、
左側面6および天面8がガラス板で構成されているの
で、部屋1が形成する閉空間9内に、居住空間2に備え
られた光源(照明ランプ等)16の光が十分に届く。こ
のため、部屋1内で過ごす際に、閉空間9内に特別の灯
を設置する必要はない。また、ガラス板で構成されたこ
れら3面を通して、部屋1内の患者は居住空間2内の様
子を確認できるから、閉塞感の緩和等も期待できる。
【0035】部屋1には、この発明の実施形態にかかる
2種類の空気清浄装置17,18が備えられている。一
方の空気清浄装置17は、導入空気清浄装置であり、居
住空間2の空気を浄化して部屋1内へ導入するための清
浄装置である。他方の空気清浄装置18は、部屋内空気
清浄装置であり、部屋1内の空気を循環させながら浄化
するための清浄装置である。
【0036】なお、部屋1には、たとえば右側面7に、
患者が閉空間9内に出入りするための扉51が備えられ
ている。扉51は、この実施形態ではスライド式扉とさ
れている。スライド式扉の場合、扉の開閉に伴う周囲の
空気の乱れが少なく、患者が部屋1内に入る際に、居住
空間2内の空気が直接閉空間9内へ進入する割合を低減
できるという利点がある。
【0037】図5は、導入空気清浄装置17の構成例を
示す断面構造図である。この清浄装置17は、居住空間
2の空気を吸い込むための吸い込み口21を備え、吸い
込み口21にはプレフィルタ22が嵌められている。プ
レフィルタ22は吸い込み口21から吸い込まれる空気
中に含まれる塵埃等を捕獲するためのものである。清浄
装置17内にはモータ23で回転されるターボファン2
4が備えられており、ターボファン24の回転により吸
い込み口21から空気が吸い込まれる。吸い込まれた空
気の通路にはフィルタ25が備えられている。フィルタ
25は吸い込まれる空気中に含まれている有害化学物質
を吸着することによって除去するフィルタである。フィ
ルタ25に含まれる化学物質の吸着材としては、活性
炭、活性炭素繊維、ゼオライト、化学フィルタ等を単独
または組合わせて用いることができる。
【0038】さらに、フィルタ25は、化学物質を除去
するだけでなく、ごく細かな粒子状物質も除去できるよ
うに、HEPAフィルタ等の濾材が併設されたものとし
てもよい。フィルタ25を通過した浄化された空気は、
吹出口26から部屋1内へ吹き出される。吹出口26に
は風向板27が備えられており、吹き出される空気の方
向を調整可能にされている。
【0039】導入空気清浄装置17は、揮発性有害化学
物質の発生が少ない材料を主体として構成されている。
たとえばターボファン24等は、樹脂成形品ではなく、
たとえばセラミックや、無機系金属で構成される等の配
慮がされている。導入空気清浄装置17には、図1で説
明した構成と同様のVOCセンサ90、制御回路100
および表示器91が備えられている。すなわち、フィル
タ25における揮発性有害化学物質の吸着状況を検出す
るために、ヒータ97、検出器98が備えられている。
【0040】これらの構成の作用や動作は、図1および
図2を参照して説明した構成と同様であるから、ここで
の重複した説明は省略する。図6は、部屋内空気清浄装
置18の構成例を示す断面構造図である。この清浄装置
18は、ハウジング31のたとえば上面に吸込口32が
備えられており、吸込口32の内側には吸込用ファンと
してたとえばシロッコファン33が配置されている。シ
ロッコファン33の回転により吸込口32から吸い込ま
れた空気は、風路34内を通る。風路34内には化学物
質吸着フィルタ35が配置されており、風路34を流れ
る空気中に含まれる化学物質がフィルタ35で除去され
る。この実施例では、風路34は、ハウジング31内で
Uターンされており、比較的長い風路にされている。そ
して、この長い風路34内にフィルタ35が充填されて
いるから、化学物質を除去する清浄化能力の高い構成と
なっている。
【0041】風路34の出口側には吹出用ファンとして
シロッコファン36が備えられている。シロッコファン
36の回転により風路34内の空気が吸引されて、ハウ
ジング31の正面に形成された吹出口37から清浄化さ
れた空気が吹き出される。清浄装置18に、吸い込み用
のシロッコファン33および吹き出し用のシロッコファ
ン36という2つのファンを設けることにより、清浄装
置18の清浄化能力を大きくすることができる。なぜな
ら、2つのファン33,36を用いることで、風路34
内を流れる単位時間当たりの空気流量を大きくすること
ができ、単位時間当たりに多くの空気が清浄化される。
また、風路34が長くされ、その中にフィルタ34が充
填されているから、通過する空気がフィルタ35に接す
る割合が大きく、空気中の化学物質が十分に除去され得
る。
【0042】吸込口32および吹出口37には、それぞ
れ、風向板38,39が備えられており、空気吸い込み
方向や空気吹き出し方向が調整可能にされている。これ
により、循環する空気の方向を調整できるから、循環す
る空気が閉空間9内でいわゆるショートサーキットを形
成することを防止できる。部屋内空気清浄装置18も、
ハウジング38を始めとして、すべての構成パーツは、
揮発性有害化学物質の発生が少ない材料を主体として作
られている。
【0043】部屋内空気清浄装置18にも、導入空気清
浄装置17と同様に、ヒータ97、検出器98、制御回
路100および表示器91が備えられており、これらに
よって、フィルタ35における揮発性有害化学物質の吸
着状況を検出することができるようにされている。導入
空気清浄装置17と部屋内空気清浄装置18との清浄化
能力について、ここで両者を比較して説明する。
【0044】「清浄化能力」とは、一定時間で一定量の
空気をどの程度清浄化できるかを示す能力であって、通
風量×一過性除去効率(一過性清浄効率)と定義するこ
とができる。導入空気清浄装置17は、居住空間2の空
気を清浄化して閉空間9内へ導入するものであるから、
空気は一過性で清浄される。このため、導入空気清浄装
置17は、一過性清浄効率の高い構成とするのが好まし
い。導入空気清浄装置17の通風量は、部屋内空気清浄
装置18に比べて低くて構わない。
【0045】一方、部屋内空気清浄装置18は、導入空
気清浄装置17に比べて通風量が大きいことが好まし
い。なぜなら、部屋内空気清浄装置18は、閉空間9内
の空気を繰り返し循環させながら清浄化するので、通風
量が大きければ、循環量も大きく、閉空間9内の空気の
清浄化が促進されるからである。部屋内空気清浄装置1
8の清浄化能力は、送風量を大きくすることにより、導
入空気清浄装置17の清浄化能力よりも大きくされてい
るのが良い。たとえば、導入空気清浄装置17の一過性
清浄効率が70〜90%であるとした場合、部屋内空気
清浄装置18の一過性清浄効率は20〜40%程度でよ
い。しかし、部屋内空気清浄装置18の送風量を大きく
すれば、結局、清浄化能力を導入空気清浄装置17に比
べて大きくすることが可能である。
【0046】この発明は以上説明した実施形態に限定さ
れるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の
変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる揮発性有害化学
物質除去用の空気清浄装置の構成概念ずである。
【図2】図1の装置における制御回路により実行される
制御動作の内容を示すフローチャートである。
【図3】空気清浄装置から取り出されたサンプル片の検
査方法を示す図解図である。
【図4】化学物質過敏症患者用の部屋の例の概要を示す
斜視図である。
【図5】導入空気清浄装置の構成例を示す断面構造図で
ある。
【図6】部屋内空気清浄装置の構成例を示す断面構造図
である。
【符号の説明】
17 導入空気清浄装置 18 部屋内空気清浄装置 90 VOCセンサ 91 表示器 92 通風路 93 ファン 94 フィルタ 95 吸着材 96,101 サンプル片 97 ヒータ 98 検出器 100 制御回路 102 ホットプレート 105 簡易計測器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L058 BF03 BF09 BG04 4C080 AA05 BB10 HH05 KK08 LL01 MM04 MM05 QQ12 QQ17 4D002 AA40 AB03 AC10 BA04 BA14 CA07 DA41 DA45 EA08 EA13 GA02 GA03 GB01 GB02 GB03 HA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】清浄すべき空気が通過する通風路(92)
    と、 通風路(92)に配置された揮発性有害化学物質を吸着
    するための吸着材(95)と、 通風路(92)に設けられた揮発性有害化学物質を検知
    するためのVOCセンサ(90)と、 を含むことを特徴とする揮発性有害化学物質除去用の空
    気清浄装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の空気清浄装置であって、 前記VOCセンサ(90)は、揮発性有害化学物質を吸
    着するための吸着材(96)と、 吸着材(96)に吸着された揮発性有害化学物質を脱離
    させるために吸着材を加熱させる加熱手段(97)と、 吸着材(96)から脱離した揮発性有害化学物質の量を
    検出するための検出器(98)とを含むことを特徴とす
    る揮発性有害化学物質除去用の空気清浄装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の空気清浄装置において、 通風路(92)に配置された前記吸着材(95)の一部
    を前記VOCセンサの吸着材(96)として使用するこ
    とを特徴とする揮発性有害化学物質除去用の空気清浄装
    置。
  4. 【請求項4】請求項2ないし3のいずれかに記載の空気
    清浄装置であって、 前記通風路(92)を流れる空気流量を積算する手段
    (100)をさらに備え、 積算手段(100)およびVOCセンサ(90)の出力
    に基づいて、前記吸着材(95)の性能または交換時期
    を出力する手段を有することを特徴とする揮発性有害化
    学物質除去用の空気清浄装置。
  5. 【請求項5】清浄すべき空気が通過する通風路に配置さ
    れた揮発性有害化学物質を吸着するための吸着材に吸着
    された物質の量を計測する方法であって、 前記吸着材の一部を吸着量分析用のサンプル片とし、該
    サンプル片を加熱して吸着されている物質を脱離させ、
    脱離した物質の量を検出器で検出することを特徴とする
    揮発性有害化学物質の量を計測する方法。
  6. 【請求項6】通風路を流れる空気流量を測定し、その積
    算値および請求項5によって計測される物質の量に基づ
    いて、通風路に流れてくる空気の汚染度を測定する方
    法。
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