JP2000171467A - 新規の分析方法 - Google Patents

新規の分析方法

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JP2000171467A
JP2000171467A JP10346878A JP34687898A JP2000171467A JP 2000171467 A JP2000171467 A JP 2000171467A JP 10346878 A JP10346878 A JP 10346878A JP 34687898 A JP34687898 A JP 34687898A JP 2000171467 A JP2000171467 A JP 2000171467A
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毅 松屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光物質を用いる分析方法であって、より簡
便で、且つ高感度な分析方法を提供する。 【解決手段】 分析対象物質と特異的に反応する第1リ
ガンドを、反応容器の試料担持面の励起光照射範囲内又
は中央領域内に固定化し、(a)前記固定化された第1
リガンドと、(b)被検試料と、(c)前記固定化第1
リガントとは異なる位置で前記分析対象化合物と特異的
に反応し、しかも蛍光物質で標識化された第2のリガン
ドとを接触させ、前記蛍光物質に特異的な波長の励起光
を照射し、そして、前記固定化第1リガンドと分析対象
化合物との複合体に結合した前記標識化第2リガンドの
標識からの蛍光を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検試料中の分析
対象化合物を免疫学的又は遺伝子工学的に分析する方法
であって、反応容器の一部のみ(すなわち、励起光照射
範囲内のみ又は中央領域内のみ)にリガンドを結合して
用いる分析方法に関する。すなわち、反応容器の狭い範
囲(励起光照射範囲内のみ又は中央領域内のみ)に分析
対象化合物と反応性を有するリガンドを結合し、この反
応容器に、分析対象化合物を含む可能性のある被検試料
を入れて反応させることにより、分析対象化合物を高感
度に分析する方法に関する。なお、本明細書における
「分析」には、分析対象化合物の存在の有無を判定する
「検出」と、分析対象化合物の存在量を決定する「定
量」との両方が含まれる。
【0002】
【従来の技術】1950年代後半にラジオイムノアッセ
イが開発され、その感度及び特異性の高さから広く用い
らるようになった。しかし、この方法は、放射性同位元
素を用いるため、その取扱には多くの制限を受け、専用
の施設を有する機関でしか実施することができないとい
うデメリットも存在していた。そこで、放射性同位元素
を用いて標識する代わりに、酵素、蛍光物質、又は発光
物質などを用いて標識しようという試みがなされ、様々
な測定方法が開発されてきた。
【0003】酵素標識を用いる測定方法は、一般に酵素
免疫測定法といわれ、ペルオキシダーゼ、グルコースオ
キシダーゼ、ガラクトシダーゼ、又はアルカリフォスフ
ァターゼ等が用いられている。酵素量を知るには、その
酵素に適した基質を用い、その変化量を検出する。発色
反応の場合には、一定の波長における吸光度を測定し、
蛍光物質が遊離する基質の場合には、励起光を照射し、
放射された蛍光を測定する。また、発光反応を起こす基
質の場合には、光源は必要なく、暗室で光電子倍増管を
用いて光量を測定する。
【0004】標識に用いられている発光物質としては、
イソルミノール又はアクリジニウムエステル等がある。
前者は過酸化水素とミクロペルオキシダーゼとの組み合
わせにより、後者はアルカリ性過酸化水素の添加により
発光反応が起こり、前記の発光基質と同様にして測定す
る。
【0005】また、蛍光物質としては、フルオレッセイ
ン、ローダミン、ユーロピウムキレート、サマリウムキ
レート、又はテルビウムキレート等が用いられており、
特にユーロピウムキレート、サマリウムキレート、又は
テルビウムキレートなどのランタノイド属キレートで
は、蛍光消光時間が他の物質に比べて長いため、励起光
をパルスであてて、測定干渉物質の蛍光が消光した後の
蛍光を測定する時間分解蛍光測定によって感度及び特異
性を向上させている。更に、ランタノイド属キレートを
用いた蛍光測定では、ランタノイド属と配位するリガン
ドの種類によって蛍光強度に差が出ることが知られてい
る。ユーロピウムキレートの場合には、ユーロピウムイ
オンと配位するリガンドとして、4,7−ビス−(クロ
ロスルフォフェニル)−1,10−フェナントロリン−
2,9−ジカルボン酸、1,1,1−トリフルオロ−4
−(2’−ナフチル)−2,4−ブタンジオン、又は
4,4’−ビス(1”,1”,1”,2”,2”,
3”,3”−ヘプタフルオロ−4”,6”−ヘキサンジ
オン−6”−イル)−クロロスルホ−ο−テルフェニル
等が開発されている。
【0006】これらの標識物質を用いる測定系にも、種
々の形態がある。例えば、分析対象化合物が抗原である
場合には、(1)抗体を固定化した担体と、標識物質を
結合した抗体とにより、分析対象化合物である抗原を挟
むように結合し、洗浄操作の後に、担体に結合した標識
物質の量から抗原量を知るサンドイッチ法、(2)分析
対象化合物と同じ抗原をコートした担体と、標識抗体と
を組み合わせ、未知量の分析対象化合物と反応させ、担
体に結合した標識抗体の減少量から分析対象化合物量を
知る競合法、あるいは、(3)同様に、抗体コート担体
と標識抗原とを組み合わせ、未知量の分析対象化合物と
反応させ、担体に結合した標識抗原の減少量から分析対
象化合物量を知る競合法である。また、分析対象化合物
が抗体である場合には、抗原を固定化した担体と、標識
物質を結合した抗原とにより、分析対象化合物である抗
体を挟むように結合し、洗浄操作の後に、担体に結合し
た標識物質の量から抗体量を知るサンドイッチ法という
ように、前記の抗原と抗体とを入れ替えた形で測定系を
組むことができる。この測定系では、抗原コート担体と
標識抗原とは、分析対象化合物である抗体の二価の結合
部位とそれぞれ反応する。
【0007】これまで述べた例は、抗原と抗体との結合
性を利用するイムノアッセイについての例であったが、
その他に、DNAが二重鎖を形成する性質を利用するハ
イブリダイゼイション法がある。標的DNAと相補的な
プローブを担体に結合しておき、標的DNAと反応させ
た後に、もう1個の別なプローブにビオチンを結合した
ものを反応させ、最後にアビジンと標識物質との複合体
を反応させるというものである。この場合も、担体に結
合した標識物質量から標的DNAの量を知ることができ
る。
【0008】各種の前記標識物質の中でも、蛍光物質
は、酵素のように室温でも失活していくような不安定さ
もなく、取り扱いに便利な面もあるが、酵素のようにシ
グナルを増幅する機能がない。その結果、蛍光物質を用
いた測定系は、酵素標識を用いた測定系よりも感度が劣
るという欠点を持っていた。蛍光物質の有する扱い易さ
及び安定さを生かし、しかも、酵素標識のような高感度
な測定系を構築する方法としては、例えば、(1)被検
試料量を増やし、結果的に低濃度の分析対象化合物まで
測定する方法、(2)より多くの蛍光物質をリガンドに
標識するために、タンパク質ポリマー、糖、又は合成高
分子等に多くの蛍光物質を結合し、それをリガンドに結
合する方法、あるいは、(3)被検試料中の分析対象化
合物をより効率的に集めるために、リガンドを結合した
磁性粒子を被検試料中に分散反応させ、磁石で集める方
法などが考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、被検試料量を
増やす前記方法(1)は、被検試料量が少ない場合には
適用することができない。また、前記方法(2)及び方
法(3)においては、蛍光物質で標識したリガンドを調
製する工程が複雑である。本発明の課題は、蛍光物質を
用いる分析方法であって、より簡便で、且つ高感度な分
析方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
る、分析対象物質と特異的に反応する第1リガンドを、
反応容器の試料担持面の励起光照射範囲内に固定化し、
(a)前記固定化された第1リガンドと、(b)被検試
料と、(c)前記固定化第1リガントとは異なる位置で
前記分析対象化合物と特異的に反応し、しかも蛍光物質
で標識化された第2のリガンドとを接触させ、前記蛍光
物質に特異的な波長の励起光を照射し、そして、前記固
定化第1リガンドと分析対象化合物との複合体に結合し
た前記標識化第2リガンドの標識からの蛍光を検出する
ことを特徴とする、分析方法により解決することができ
る。
【0011】また、本発明は、分析対象物質と特異的に
反応する第1リガンドを、反応容器の試料担持面の中央
領域内に固定化し、(a)前記固定化された第1リガン
ドと、(b)被検試料と、(c)前記固定化第1リガン
トとは異なる位置で前記分析対象化合物と特異的に反応
し、しかも蛍光物質で標識化された第2のリガンドとを
接触させ、前記蛍光物質に特異的な波長の励起光を前記
中央領域に照射し、そして、前記固定化第1リガンドと
分析対象化合物との複合体に結合した前記標識化第2リ
ガンドの標識からの蛍光を検出することを特徴とする、
分析方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の分析方法では、分析対象
化合物と特異的に反応する第1のリガンドを、反応容器
(例えば、マイクロタイタープレートのウェル、又はチ
ューブ若しくはセル)において試料を担持するために用
意されている面(以下、試料担持面と称する)の一部の
領域のみ(すなわち、励起光照射範囲内のみ又は中央領
域内のみ)に固定化すること以外は、標識物質として蛍
光物質を用いる従来公知のサンドイッチ法にそのまま適
用することができる。なお、前記サンドイッチ法には、
分析対象化合物とリガンドとの組み合わせが、抗原と抗
体との組合せ、あるいは、抗体と抗原との組合せである
免疫学的分析方法と、分析対象化合物とリガンドとの組
み合わせがDNA又はRNAとプローブとの組合せであ
る遺伝子工学的分析方法とが含まれる。
【0013】反応容器(例えば、マイクロタイタープレ
ートのウェル、又はチューブ若しくはセル)内に存在す
る蛍光物質の蛍光量を蛍光測定装置を用いて測定する場
合には、測定対象にその蛍光物質に特異的な波長の励起
光を照射し、その照射された部分から放射される蛍光を
特異的な波長で測定する方法がとられる。この励起光を
照射する部分は、反応容器の試料担持面の全体ではな
く、励起光をプリズムやレンズで集約した試料担持面の
一部である。このように励起光を試料担持面の一部のみ
に照射するのは、反応容器としてマイクロタイタープレ
ートを使用する場合には、隣接するウェルでの励起を防
ぐためである。しかしながら、一方で、この励起光を照
射された部分以外に結合している蛍光物質は測定される
ことがないので、反応容器の試料担持面全体にリガンド
を固定化する従来法では、測定感度のロスにつながって
いた。特に、被検試料中の分析対象化合物の存在量が少
ない場合にはその影響は大きく、試料担持面全体に分析
化合物が分散して結合することにより、放射される蛍光
量が測定感度を下回り、存在しているはずの分析対象化
合物が検出されないことがあった。
【0014】本発明の分析方法では、反応容器における
試料担持面の全体に第1のリガンドを結合させるのでは
なく、試料担持面の励起光照射範囲内のみに、あるい
は、試料担持面の中央領域内のみに、分析対象化合物と
特異的に反応する第1のリガンドを結合させた後に、被
検試料を反応容器に加え、被検試料中の分析対象化合物
をこの小さな面積のリガンドに集積的に結合させる。続
いて、蛍光物質で標識化された第2のリガンド(前記の
第1リガントとは異なる位置で、分析対象化合物と特異
的に反応することのできるリガンド)を加え、反応容器
に固定化された前記の第1リガンドと分析対象化合物と
の複合体と、前記標識リガンドとを反応させる。最後
に、未反応の標識リガンドを洗浄操作で取り除いて、反
応容器を蛍光測定装置にセットして測光することによ
り、集積的に反応した標識リガンド量を知ることができ
る。本発明の分析方法では、前記のように、被検試料を
加えた後に標識リガンドを反応させる方法(いわゆる、
二段階サンドイッチ法)の代わりに、被検試料と標識リ
ガンドとを同時に反応させる方法(いわゆる、一段階サ
ンドイッチ法)を採用することもできる。
【0015】本発明の分析方法においては、反応容器と
して、通常のイムノアッセイに用いられている反応容
器、例えば、チューブ、セル、又はマイクロタイタープ
レートを用いることができる。反応容器の試料担持面と
は、例えば、チューブ又はセルにおいては、その底面で
あり、マイクロタイタープレートにおいては、各ウェル
の底面である。
【0016】本発明の分析方法においては、これまで述
べたように、反応容器の試料担持面の励起光照射範囲内
のみに、あるいは、試料担持面の中央領域内のみに第1
リガンドを固定化する。本明細書において、試料担持面
の「励起光照射範囲」とは、蛍光測定装置を用いて反応
容器内に存在する蛍光物質の蛍光量を測定する際に、前
記の反応容器の試料担持面において励起光が照射される
範囲を意味する。励起光照射範囲は、個々の蛍光測定装
置において予め設定されているか、あるいは、適宜調整
される。
【0017】一方、本明細書において、試料担持面の
「中央領域」とは、試料担持面の全領域から、全周縁部
(すなわち、試料担持面の全周縁及びそれに隣接する帯
状領域)を除いた残りの領域を意味し、試料担持面の中
心から外周までの距離が、中心から周縁までの距離の好
ましくは1/2以内である領域を意味し、より具体的に
は1/2〜1/1000までを意味する。例えば、試料
担持面が円形である場合には、中心からの距離が半径の
好ましくは1/2以内、より具体的には1/2〜1/1
000である領域を意味する。
【0018】本発明の分析方法において、使用する蛍光
測定装置が予め決定しており、しかも、その蛍光測定装
置の励起光照射領域が判明している場合には、反応容器
の試料担持面の励起光照射範囲内のみに第1リガンドを
固定することが好ましい。この場合には、従来法のよう
に反応容器の試料担持面全体に第1リガンドを固定化し
た場合とは異なり、第1リガンドに結合した分析対象化
合物と第2リガンドとの複合体における蛍光物質の全部
が、励起光を受け、蛍光を放射することができるので、
最大の蛍光量を得ることができる。すなわち、被検試料
の量を増やすことなく、高感度な分析を行なうことがで
きる。
【0019】また、前記のように、使用する蛍光測定装
置が予め決定しており、励起光照射領域が判明している
場合において、試料担持面の中央領域内のみに第1リガ
ンドを固定化する限り、励起光照射領域を越えて第1リ
ガンドを固定化することもできる。この場合には、第1
リガンドに結合した分析対象化合物と第2リガンドとの
複合体における蛍光物質の中には励起光を受けずに、蛍
光を放射することができないものが存在するので、最大
の蛍光量を得ることはできないが、従来法のように反応
容器の試料担持面全体に第1リガンドを固定化した場合
と比較すると、より多くの蛍光物質が、励起光を受け、
蛍光を放射することができる。従って、この場合にも、
被検試料の量を増やすことなく、従来法に比べて高感度
な分析を行なうことができる。
【0020】一方、本発明において、使用する蛍光測定
装置が第1リガンドを固定化する際には決定されておら
ず、励起光照射領域が不明の場合、あるいは、使用する
蛍光測定装置が予め決定しているものの、その蛍光測定
装置の励起光照射領域が不明の場合には、試料担持面の
中央領域内のみに第1リガンドを固定化する。この場合
にも、従来法のように反応容器の試料担持面全体に第1
リガンドを固定化した場合と比較すると、より多くの蛍
光物質が、励起光を受け、蛍光を放射することができる
ので、より多くの蛍光量を得ることができ、被検試料の
量を増やすことなく、高感度な分析を行なうことができ
る。
【0021】前記のように、励起光照射領域が不明の場
合において、第1リガンドを固定化した領域が励起光照
射領域と一致するか、あるいは、励起光照射領域に含ま
れると、第1リガンドに結合した分析対象化合物と第2
リガンドとの複合体における蛍光物質の全部が、励起光
を受け、蛍光を放射することができ、従って、最大の蛍
光量を得ることができる。従って、第1リガンドを固定
化する中央領域が狭いほど(すなわち、中央領域の外縁
が中心に近いほど)、第1リガンドの固定化領域と励起
光照射領域とが一致するか、あるいは、第1リガンドの
固定化領域が励起光照射領域に含まれる確率が高くな
り、従って、最大の蛍光量を得ることができる確率が高
くなるので、好ましい。
【0022】本発明の分析方法では、第1リガンドを反
応容器に固定する手段として、従来公知の手段を用いる
ことができ、反応容器の試料担持面の励起光照射範囲内
又は中央領域内に、例えば、物理吸着又は化学結合によ
りリガンドを固定することができる。リガンドが抗体の
場合には、スチレン製反応容器を用いて物理吸着で固定
化する方法、反応容器内面にカルボキシ基を有する反応
容器では、カルボジイミドでカルボキシ基を活性化して
抗体のアミノ基と結合する方法、あるいは、反応容器内
面にアミノ基を有する反応容器では、グルタルアルデヒ
ドでアミノ基を活性化して抗体のアミノ基と結合する方
法などを用いることができる。また、反応容器に予めプ
ロテインA又はプロテインGを結合して抗体のFc部位
とを結合させる方法や、ストレプトアビジン又はアビジ
ンを結合してビオチン化した抗体を結合させる方法など
も使用することができる。
【0023】本発明の分析方法に用いることのできる蛍
光物質は、通常のサンドイッチ法に使用することのでき
る蛍光物質である限り、特に限定されるものではなく、
従来公知の種々の蛍光物質、例えば、フルオレッセイ
ン、ローダミン、ユーロピウムキレート、サマリウムキ
レート、又はテルビウムキレートを用いることができ
る。
【0024】本発明の分析方法を用いて分析することの
できる分析対象化合物は、通常のサンドイッチ法により
分析可能な化合物である限り、特に限定されるものでは
なく、例えば、抗原、抗体、DNA、又はRNAを挙げ
ることができる。また、本発明の分析方法を用いて分析
することのできる被検試料も、前記分析対象化合物を含
む可能性のある試料である限り、特に限定されるもので
はない。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【実施例1】本実施例では、96穴酵素免疫検定法(E
IA)用プレートの各ウェルの底面中央に抗ヒトAFP
モノクローナル抗体をコートし、ビオチン標識抗AFP
ポリクローナル抗体とユーロピウム標識ストレプトアビ
ジン−ウシ血清アルブミン(BSA)ポリマーとの組み
合わせで、測定機器にデルフィアを用いて、血清中のヒ
トαフェトプロテイン(AFP)を測定した。
【0026】(1)抗ヒトAFPモノクローナル抗体の
プレートへのコーティング ヒトAFPに対するモノクローナル抗体(オリエンタル
酵母社)をコート用抗体として用いた。前記コート用抗
体を0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)で30μg/m
lになるように希釈し、ポリスチレン製無色96穴マイ
クロタイタープレートのウェル底面中央に前記コート用
抗体希釈液2.5μlを滴下し、4℃で一夜静置した。
ウェルの底面の半径は3.1mmであり、ウェル底面中
央に滴下したコート用抗体希釈液の半径は約0.5〜
0.75mmであった。0.15M塩化ナトリウム及び
0.05%トウィーン20含有20mMリン酸緩衝液
(pH7.4)で各ウェルを3回洗浄した後に、1%B
SA、2%ショ糖、及び0.05%アジ化ナトリウム含
有0.1M炭酸緩衝液(pH8.5)100μlを各ウ
ェルに添加し、使用するまで4℃で保存した。このマイ
クロタイタープレートでは、各ウェルにおける底面の中
央のみにコート用抗体がコートされていた。
【0027】(2)ビオチン標識抗AFPポリクローナ
ル抗体の調製 抗ヒトAFPウサギ血清よりアフィニティークロマトグ
ラフィーを用いて得られた特異抗体を、ビオチン標識用
抗体として用いた。前記標識用抗体を0.1M炭酸緩衝
液(pH9.1)で0.25mg/mlに希釈し、得ら
れた希釈液1mlにN−ハイドロキシスクシンイミド化
ビオチン450μgを加えた。室温で1時間反応させた
後に、反応に寄与しなかったN−ハイドロキシスクシン
イミド化ビオチンをセファデッックスG25カラムによ
り除去し、ビオチン標識抗AFPポリクローナル抗体を
得た。
【0028】(3)ユーロピウム標識ストレプトアビジ
ン−BSAポリマーの調製 ストレプトアビジン5mgとBSA5mgとを0.1M
リン酸緩衝液(pH7.0)2mlに溶解し、1%グル
タルアルデヒド0.1mlを加えた。4℃で24時間反
応させた後に、水素化ホウ素ナトリウム2mgを加え、
室温で2時間静置反応させた。得られた反応液を、生理
食塩水4リットルを用いて4℃で2回透析した後に、全
量が15mlになるように蒸留水を加えた。その溶液に
炭酸水素ナトリウム126mgを加えた後、1M水酸化
ナトリウム溶液でpHを9.1に調整した。
【0029】続いて、脱水エタノール0.3mlに溶解
した4,4’−ビス(1”,1”,1”,2”,2”,
3”,3”−ヘプタフルオロ−4”,6”−ヘキサンジ
オン−6”−イル)−クロロスルホ−ο−テルフェニル
(BHHCT)10mgを、反応液に攪拌しながら滴下
した。1時間攪拌した後に、沈殿物を遠心分離によって
取り除き、0.05M炭酸水素アンモニウム緩衝液(p
H8.0)で平衡化したセファデックスG−50カラム
クロマトグラフィーによって、BHHCT標識タンパク
質と未反応のBHHCTとを分離した。BHHCT標識
タンパク質画分を集め、BSA50mgとアジ化ナトリ
ウム20mgとを加え、1M塩酸でpH6.2に調整し
た。反応液を1.0×10-7M塩化ユーロピウム、0.
2%BSA、0.1%アジ化ナトリウム、及び0.9%
塩化ナトリウム含有0.05Mトリス−塩酸緩衝液(p
H7.8)で700倍に希釈し、56℃で2時間静置す
ることによって、ユーロピウム標識ストレプトアビジン
−BSAポリマーを得た。
【0030】(4)AFPのイムノアッセイ 前記実施例1(1)で調製した、抗AFPモノクローナ
ル抗体をコートしたポリスチレン製96穴マイクロタイ
タープレートの各ウェルに、血清100μlを加え、振
とう条件下、37℃で1時間反応させた。続いて、洗浄
液[0.05%トウィーン20含有20mMリン酸緩衝
液(pH7.4)]で3回洗浄した後に、前記実施例1
(2)で調製したビオチン標識抗AFPポリクローナル
抗体(5μg/ml)100μlを各ウェルに添加し
た。振とう条件下、37℃で1時間反応させた後に、前
記洗浄液で4回洗浄した。続いて、前記実施例1(3)
で調製したユーロピウム標識ストレプトアビジン−BS
Aポリマー(300ng/ml)100μlを各ウェル
に添加し、37℃で1時間反応させた後に、0.05%
トウィーン20含有0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH
9.1)で4回洗浄した。各ウェルから溶液を除去した
状態で、時間分解蛍光照射装置(デルフィア)を用い
て、時間分解蛍光強度を測定した。
【0031】測定結果を図1に示す。図1に示す「時間
分解蛍光強度」は、1秒間の積算蛍光量(単位=カウン
ト)である。後述する比較例1の結果(図2)と比較す
ると、ウェル底面の中央領域内且つ励起光照射範囲内に
抗体をコートした反応容器を用いることにより、著しく
感度が上昇することが明らかとなった。
【0032】
【比較例1】前記実施例1(1)で使用したコート用抗
体と同じコート用抗体を、0.1M炭酸緩衝液(pH
9.6)で3μg/mlになるように希釈し、この希釈
液100μlをポリスチレン製無色96穴マイクロタイ
タープレートに加えたこと以外は、前記実施例1(1)
に記載の手順を繰り返すことにより、ウェルの底面全体
に抗体をコートしたマイクロタイタープレートを調製し
た。続いて、このようにして調製したマイクロタイター
プレートを使用すること以外は、前記実施例1(4)に
記載の手順を繰り返した。測定結果を図2に示す。
【0033】
【発明の効果】本発明の分析方法によれば、被検試料
(例えば、患者などから採取した血清又は尿等)に含ま
れる分析対象化合物を、簡便に、且つ高感度に分析(検
出又は定量)することができる。本発明方法により得ら
れる各種データは、臨床上、重要な診断を下す手助けと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コート用抗体をウェル底面の中央のみにコート
したマイクロタイタープレートを用いた場合の測定結果
を示すグラフである。
【図2】コート用抗体をウェルの底面全体にコートした
マイクロタイタープレートを用いた場合の測定結果を示
すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分析対象物質と特異的に反応する第1リ
    ガンドを、反応容器の試料担持面の励起光照射範囲内に
    固定化し、(a)前記固定化された第1リガンドと、
    (b)被検試料と、(c)前記固定化第1リガントとは
    異なる位置で前記分析対象化合物と特異的に反応し、し
    かも蛍光物質で標識化された第2のリガンドとを接触さ
    せ、前記蛍光物質に特異的な波長の励起光を照射し、そ
    して、前記固定化第1リガンドと分析対象化合物との複
    合体に結合した前記標識化第2リガンドの標識からの蛍
    光を検出することを特徴とする、分析方法。
  2. 【請求項2】 分析対象物質と特異的に反応する第1リ
    ガンドを、反応容器の試料担持面の中央領域内に固定化
    し、(a)前記固定化された第1リガンドと、(b)被
    検試料と、(c)前記固定化第1リガントとは異なる位
    置で前記分析対象化合物と特異的に反応し、しかも蛍光
    物質で標識化された第2のリガンドとを接触させ、前記
    蛍光物質に特異的な波長の励起光を前記中央領域に照射
    し、そして、前記固定化第1リガンドと分析対象化合物
    との複合体に結合した前記標識化第2リガンドの標識か
    らの蛍光を検出することを特徴とする、分析方法。
  3. 【請求項3】 分析対象化合物とリガンドとの組み合わ
    せが、抗原と抗体との組合せ、抗体と抗原との組合せ、
    DNA又はRNAとプローブとの組合せである請求項1
    又は2に記載の分析方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003057243A (ja) * 2001-08-10 2003-02-26 Iatron Lab Inc 新規の固相分析方法
JP2004108914A (ja) * 2002-09-18 2004-04-08 Kudo Norio コラーゲンの測定方法

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