JP2000169948A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法

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JP2000169948A
JP2000169948A JP10344146A JP34414698A JP2000169948A JP 2000169948 A JP2000169948 A JP 2000169948A JP 10344146 A JP10344146 A JP 10344146A JP 34414698 A JP34414698 A JP 34414698A JP 2000169948 A JP2000169948 A JP 2000169948A
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Kenichiro Matsumura
賢一郎 松村
Akihiro Miyasaka
明博 宮坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、Si添加系の鋼板への合金化溶融
亜鉛めっきにおいて、不めっきを防止し、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板とその製造方法を提供する。 【解決手段】 鋼中成分として、Siを0.2〜3重量
%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板の表面にMg
と、亜鉛を主体とする合金を溶融めっき後、540℃〜
600℃で加熱合金化処理した合金化溶融亜鉛めっき層
を有する溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき層中にM
gを0.1〜2重量%、Mnを0.01〜3.0重量%、Fe
を7〜15重量%含有させた合金化溶融亜鉛めっき鋼
板。前記したSiとMnを含む鋼板表面を清浄化した
後、還元性あるいは非酸化性の雰囲気で焼鈍した後、大
気に接触させずにMgを含有せしめた溶融亜鉛中に通板
し、さらに540℃〜600℃で加熱合金化処理する合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、耐食性、
塗装密着性に選れ、特に自動車用鋼板として広く使用さ
れている。最近では、自動車の安全性、耐久性、軽量化
への要求がより高まり、これらを満たす材料として、シ
リコン(Si)を添加して鋼板を高張力化することで安
全性や耐久性を向上させ、また、高張力ゆえ鋼板の薄手
化が可能となり軽量化を実現できる高張力鋼板を用いた
合金化溶融亜鉛めっき鋼板への期待が大きい。
【0003】このようなSiを添加した高張力鋼板の溶
融亜鉛めっきにおいては、鋼板の加熱前処理(焼鈍)時
に、Siを主体とする難還元性酸化物が鋼板表面に生成
する。これらの酸化物は、溶融亜鉛との濡れ性を悪化さ
せ、不めっきを生じさせる。
【0004】上記の問題に対し、例えば特開平3−13
4147号公報、特開平8−170159号公報では、
Fe系の酸化物皮膜を予備加熱炉で形成させることで不
めっき防止を図っている。しかし例えば全還元式の焼鈍
炉を有すラインにおいては酸化物皮膜を形成させるため
の設備導入が必要となり、設備制約が大きい。また、特
開平5−239606号公報では、酸化剤を用いて鉄の
酸化皮膜を形成させることで不めっき防止を図ってい
る。しかし、酸化剤の反応制御は生産速度が変化するラ
インにおいては非常に困難であり、酸化皮膜量にばらつ
きを生じ、品質に悪影響を与える可能性がある。
【0005】また、特にSiを主体とする難還元性酸化
物の影響として、不めっきの他に合金化の遅滞があげら
れる。合金化速度の適正化への対策としては、合金化温
度の高温化が操業上容易であるものの、密着性の悪化や
外観の悪化を伴うことから、高温合金化の手法は敬遠さ
れている。
【0006】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の性能の向上に
ついても種々の検討がなされている。例えば特開昭56
−41358号公報では、Mg、Mnを浴中に添加する
ことで耐食性を向上することが開示されている。しか
し、特開平3−97840号公報によるとMn0.3重
量%未満までは合金化を著しく遅延させる効果があるた
め、生産性に課題が残る。そこで、特開平3−9784
0号公報では、Mnが逆に合金化促進効果を示す0.4
重量%以上添加し、耐食性と生産性を両立させる一方
で、このMn添加による過剰な合金化促進を、合金化抑
制効果のあるSiをさらに浴中に添加して相殺する手段
が開示されている。しかし、合金化促進と抑制の相反す
る効果を有する元素の複合添加は操業管理への負担が大
きい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑み、Si添加系の高張力鋼板の合金化溶融亜鉛め
っきにおいて、不めっきを抑制するとともに耐食性、外
観、密着性の優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板と
それを製造する方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まずめっ
き浴中にMgを添加し、めっき層中にMgを共存させる
ことで耐食性が向上すること、ただし、めっき密着性が
悪化することを確認した。また、めっき浴中にMnを添
加してめっき層中にMnを共存させた結果、Mgほどの
耐食性向上の効果が現れないことを確認した。
【0009】次に、合金化の挙動を検討した。その結
果、Mnが合金化促進効果を示すとされる0.4重量%
以上を鋼中に存在させると合金化促進の効果は小さく、
Mnによる合金化促進効果は期待できないが、鋼中に
0.1重量%以上添加することでめっき密着性が向上す
ることを見出した。さらに、Mgを浴中に添加し、鋼中
にMnを添加することで、耐食性の向上と、密着性の向
上を両立できることを見出した。
【0010】次に、製造方法について検討した。まずは
鋼中Siによる不めっきの抑制について種々の検討を進
めた結果、浴中にMgを添加することで鋼中Siによる
不めっきが抑制されることを見出した。また、合金化促
進法については、高温合金化に着目し、高温合金化時に
も外観や密着性が優れた方法を検討した。その結果、め
っき層中にCu、Ni、Coを含有せしめることが外
観、特にめっきむらの改善に有効であることを見出し
た。さらに加熱合金化処理後の冷却パタンを最適化する
ことで、外観や密着性をいっそう良化できることを見出
した。
【0011】本発明はこれらの知見に基づいてなされた
もので、本発明の要旨とするところは、(1)鋼中成分
として、少なくともSiを0.2〜3重量%、Mnを
0.1〜10重量%を含む鋼板上に合金化溶融亜鉛めっ
き層を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、該め
っき層中に、Feを7〜15重量%含有し、さらにMg
を0.1〜2重量%、Mnを0.01〜3.0重量%含
有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板、
(2)合金化溶融亜鉛めっき層中にCuまたはNiまた
はCoの1種、または2種以上を0.05〜10重量%
さらに含有せしめることを特徴とする前記(1)に記載
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板、(3)鋼中成分として、
少なくともSiを0.2〜3重量%、Mnを0.1〜1
0重量%を含む鋼板を、還元性あるいは非酸化性の雰囲
気で焼鈍した後、該鋼板を大気に接触させることなくM
gを0.1〜2重量%含有する溶融亜鉛浴中に通板せし
め、さらに540〜600℃で加熱合金化処理すること
を特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、
(4)鋼中成分として、少なくともSiを0.2〜3重
量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板表面を清浄
化した後、焼鈍に先立って、該鋼板表面にCuまたはC
u化合物、NiまたはNi化合物、CoまたはCo化合
物の1種または2種以上をCu、NiおよびCoの総和
で0.005〜5g/m2 付着せしめることを特徴とす
る前記(3)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法、(5)加熱合金化処理により、溶融亜鉛めっき層
中のFe含有量が7〜15重量%に到達した後、エア冷
却、ミスト冷却、気水冷却のいずれか1種、または2種
以上の冷却装置にて、冷却速度10℃/s以上で、冷却
することを特徴とする前記(3)または(4)に記載の
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明において高張力鋼板に含まれるSi
含有量は0.2重量%未満では、高張力化への寄与が小
さいため、これ以上含まれた原板とする。また3重量%
を超えると、硬くなりすぎて加工性に問題を生じ、ま
た、不めっきが著しく発生するため3重量%以下とす
る。
【0013】鋼中に添加するMn含有率については、加
熱合金化後にMnが鋼板からめっき層中へ拡散し、めっ
き層中のMn含有率がめっき密着性改善に効果が現れる
0.01〜3.0重量%を確保するために、0.1重量
%以上が必要である。Mn含有率が10重量%を超える
と、加熱合金化処理の過程で、めっき層中のMn含有率
の上限(3.0重量%)を超える可能性があるため、1
0重量%以下とする。また、Mnは鋼中への添加によ
り、Si同様に高張力化の効果も示すため、これを考慮
すると、0.5〜3重量%が好ましい。
【0014】めっき層中のMg含有率は、0.1重量%
未満では耐食性向上の効果が小さく、同時に含有せしめ
るMnも0.01重量%未満では密着性向上の効果が小
さいため、これ以上とする。また、Mgが2重量%を超
えると、めっき密着性、化成処理性等の性能を悪化する
ため、またMnが3.0重量%を超えると、外観や、め
っき密着性を悪化させるため、これ以下とする。
【0015】めっき層中にMgやMnと複合して含有せ
しめるCuやNi、Coは0.05重量%未満では高温
合金化時の外観や密着性の改善効果がほとんど見られな
い。また10重量%を超えると、改善効果が飽和するた
め、コストを考慮してこれ以下とする。 含有せしめるC
uやNi、Coはいずれか1種であってもかまわない
し、あるいは2種以上を含有せしめてもかまわない。こ
こでの含有率はCu、Ni、Coの総和としての含有率
である。
【0016】本発明においては、 合金化溶融亜鉛めっき
層中に上記Mg、Mnに複合添加されるCu、Ni、C
o以外に、Al、Pb、Sb、Si、Fe、Sn、C
r、Ca、Li、Ti、希土類元素の1種または2種以
上を積極的に含有、あるいは不可避的に混入しためっき
であっても本発明の効果発現に何ら問題ない。
【0017】さらに、 本発明における鋼板は、その主た
る構成元素であるFeとSi、Mnの他に、Feの合金
元素としてC、P、S、Cu、Ni、Cr、Mo、C
o、Al、Nb、V、Ti、Zr、Ta、Hf、Pb、
Bi、Sb、B、N、O、希土類元素、Ca、Mgの1
種または2種以上を該鋼板の要求性能に応じて適宜含有
し、不可避不純物を含有するものである。 また、本発明
において鋼板の板厚は効果発現上何ら制約をもたらすも
のではなく、通常用いられている板厚(例えば0.3m
m〜4mm)であれば本発明を適用することができる。
【0018】さらに、本発明において、溶融亜鉛めっき
浴中に含有せしめるMg濃度は浴中Mg濃度が0.1重
量%未満では、不めっきを抑制できず、また耐食性に効
果が現れるめっき層中のMg含有率0.1重量%を確保
できないため、これ以上とする。 また、浴中Mg濃度が
2重量%を超えると、めっき層中のMg含有率も2重量
%を超えてめっき密着性や化成処理性が悪化させるだけ
でなく、浴面にドロスが大量に発生し、 浴管理が難しく
なるため、これ以下とする。
【0019】本発明における溶融亜鉛めっき浴は、基本
的に従来から適用されている条件でよく、上記Mg以外
に、例えば、Alを0.01〜5重量%程度含有するめ
っき浴で、浴温度440℃〜480℃といった条件が適
用できる。 また、溶融金属としては、亜鉛、Mgが主体
であれば、不可避的Pb、Cd、Ni、Co、Fe、T
i、Nb、Ti、B、Si、Mn、Cu、Cr、P等を
含んでよく、さらにめっき層の品質を向上するためにA
l、Ti、Mn、Fe、Ni、Co、Cuを所定量添加
してもよい。このようにして溶融亜鉛めっきを20〜2
00g/m2 施すことにより、種々の用途に適用するこ
とができる。
【0020】加熱合金化処理温度は、540℃未満で
は、合金化が進みにくく、600℃を超えると、合金化
の制御が困難になり、密着性を悪化させるΓ相が著しく
成長するため、540℃以上600℃以下とする。
【0021】さらに、本発明において、鋼板表面を清浄
化した後、鋼板表面にCuまたはCu化合物、Niまた
はNi化合物、CoまたはCo化合物を付着させるもの
であるが、その量は金属量の総和として、0.005〜
5g/m2 の付着量でめっきむら改善に有効である。
0.005g/m2 未満では、めっきむら改善の効果が
十分でなく、5g/m2 を超えると密着性悪化やめっき
むらを助長するなどの悪影響を及ぼす可能性があるた
め、0.005〜5g/m2 とする。
【0022】付着させるCu、Ni、Coの種類とし
て、金属Cu、金属Ni、金属Co、1価または2価ま
たは3価の酸化形態を持つ化合物(例えばCu2 O、C
uO、CuSO4 、NiO、NiSO4 、CoO、Co
2 3 、CoSO4 、Co2 (SO4 2 など)など、
Cu、Ni、Coが含まれていればいずれの形態でもよ
く、また、上記形態を2種以上混在させてもかまわな
い。 ただし、Cu、Ni、Coが酸化形態を持つ化合物
の場合、 これらを金属状態へ還元させることが必要であ
る。付着法についても特に限定されるものではなく、電
解法、武電解法、塗布法、スプレー法、浸漬法、蒸着法
等が使用できる。
【0023】さらに本発明のおいては、加熱合金化処理
により、溶融亜鉛めっき層中のFe含有率が、重量%で
7〜15%に達した後、エア冷却、ミスト冷却、気水冷
却のいずれか1種、または2種以上の冷却装置にて、冷
却速度10℃/s以上で、冷却するものであるが、冷却
を始める位置としては、加熱合金化処理により溶融めっ
き層中のFe含有率が7重量%未満の場合、合金化の進
行が不足して、所定の合金組成(Fe7〜15重量%)
が得られない。 また、15重量%を超えた時点で冷却を
開始すると、合金化が進行しすぎて、所定の合金組成が
得られない可能性があるだけでなく、Γ相の成長による
密着性悪化が懸念され、好ましくない。
【0024】冷却装置としては、エア冷却、ミスト冷
却、気水冷却のいずれでもかまわないし、これらの2種
以上を複合で使用して冷却してもかまわない。冷却速度
は10℃/s未満では、外観や密着性改善の効果が十分
でないため10℃/s以上とする。 冷却速度の上限は特
に定めないが、ここでの冷却は外観や密着性改善だけで
なく、溶融亜鉛めっき層中のFe含有率の調整をも含ん
だ工程であり、合金化の進行度の制御という観点から、
15℃/s〜70℃/sの冷却速度で合金化の制御がし
やすく、さらに好ましい。エア冷却用のガスとしては、
水素、窒素、アルゴンガスなど、非酸化性のガスならい
ずれも適用でき、これらを混合してもかまわない。
【0025】鋼板の清浄化は、従来から使用されている
方法を適用することができ、例えば、アルカリ脱脂、電
解脱脂、酸洗のいずれか、あるいはこれらの組み合わせ
を適用することができる。
【0026】連続溶融亜鉛めっき設備の前処理炉で、鋼
板を焼鈍する熱処理温度としては特に限定されるもので
はなく、通常の温度(例えば650〜950℃)を適用
できる。また、雰囲気としては、通常適用されている雰
囲気方法に準じて行えばよく、例えば、無酸化炉−還元
炉(水素3〜25%、残部窒素)式、全還元炉(水素3
〜25%、残部窒素)式などいずれも使用することがで
きる。ただし、酸化性雰囲気(例えばエアパージ)にて
焼鈍する場合、焼鈍の最終段階では、生成した酸化物
(Cu酸化物、Ni酸化物、Co酸化物、Fe酸化物
等)を還元する雰囲気が必要である。
【0027】加熱合金化処理に際して、合金化の加熱処
理方式は特に限定されるものではなく、燃焼ガスによる
直接加熱や、誘導加熱、直接通電加熱等、従来からの溶
融めっき設備に応じた加熱方式を用いることができる。
【0028】このようにして得られた合金化溶融亜鉛め
っき鋼板表面に塗装性や溶接性、潤滑性、耐食性等を改
善する目的で、必要に応じて、各種の電気めっきやクロ
メート処理、潤滑性向上処理、りん酸塩処理、樹脂塗布
処理、溶接性向上処理等を施すことができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明例を比較例とともにあげる。供
試材は表1に成分を示す鋼板とし、板厚は冷延鋼板では
1.2mm、熱延鋼板では4.0mmとした。なお、表
1でNo1〜8が本発明における鋼板であり、比較鋼材
としてMnがほとんど存在しないNo9と非常に高いN
o10を、また、Siがほとんど存在しないNo11を
用いた。
【0030】さらに表2に示すようなCu、Ni、Co
の皮膜種および処理方法にてCuやNi、Coを付与し
た後、連続溶融亜鉛めっき設備の前処理炉(雰囲気H2
ガス5%、N2 ガス残りからなり、予熱炉、加熱炉、均
熱炉、冷却炉から構成した前処理炉)で焼鈍した。溶融
亜鉛めっき浴の浴組成は、表2に示した浴中成分と、
0.15%Al残り亜鉛とした。浴温度は460℃とし
た。溶融めっきは、実施例、比較例ともに浴中の通板時
間を3秒とし、N2 ガスワイパーにて亜鉛の付着量を6
0g/m2 に調整した。合金化は赤外加熱方式の加熱設
備を用いた。加熱合金化温度および加熱合金化後の冷却
は表2に示す条件で行った。
【0031】以上のめっき手順にて作製した合金化溶融
亜鉛めっき層を5%塩酸溶解し、ICPにて分析し表3
に示した。評価は、外観、めっき密着性、化成処理性、
裸耐食性、塗装後耐食性について調べた。評価の外観
は、目視にて不めっきやむら等がなく均一外観であるも
のを◎、不めっきがなく、実用上差し支えない程度の軽
微な外観むらを○、外観むらが著しいものを△、不めっ
きが発生かつ外観むらが著しいものを×とした。評価の
めっき密着性は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を60°V
曲げし、曲げ部のめっき剥離状況から評価した。めっき
剥離なしを◎、実用上差し支えない程度の軽微な剥離を
○、相当量の剥離が見られるものを△、剥離が著しいも
のを×で評価した。評価の化成処理性はりん酸塩化成処
理後の外観を電子顕微鏡にて観察し、スケがなく、化成
処理結晶が均一のものを◎、スケがなく、化成処理結晶
が実用上差し支えない程度のばらつきのものを○、化成
処理結晶の大きさに相当なばらつきがあり、実用上問題
が生じる可能性のあるものを△、スケが発生したものを
×で評価した。評価の耐食性は、リン酸塩化成処理、カ
チオン電着塗装20μmを施した後、クロスカット傷を
入れ、CCT(湿潤:40℃、2時間→乾燥:70
℃、2時間→5%塩水噴霧:50℃、20時間→室
内放置:室温、1時間のサイクル。1日=1サイクル)
100サイクル実施し、試験後の鋼板の最大侵食深さを
調査した。評価は、侵食なしを◎、0.1mm以内を
○、0.1〜0.5mmを△、0.5mm超を×とし
た。
【0032】以上の評価結果を表4に示した。実施例1
〜18は、本発明であるが、いずれも不めっきがなく、
外観、めっき密着性、化成処理性、耐食性ともに良好で
あった。一方、比較例において、比較例1ではFe含有
率が多すぎ、めっき密着性が劣り、比較例2ではMg含
有率が高すぎてめっき密着性や化成処理性に劣った。比
較例3ではMgが存在しないために不めっきが発生し
た。比較例4は鋼中Mnがほとんど存在しない材料であ
るため、めっき層中にMn含有率が少なすぎ、めっき密
着性に劣った。比較例5はMnを浴中に添加してめっき
層中に所定のMn含有率を得たものであるが、めっき密
着性の改善はできなかった。比較例6は極端に鋼中Mn
含有率を高めた材料であるため、めっき層中のMn含有
率が高くなりすぎ、めっき密着性や化成処理性に劣っ
た。比較例7は加熱合金化温度が高すぎたため、めっき
密着性に劣った。比較例8は、不めっきの生じない低S
i含有鋼を使用した材料であり、不めっきは発生しない
が、Mgを含有していないため、耐食性に劣った。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は合金化溶融
亜鉛めっき鋼板およびその製造方法について、特にSi
添加系の高張力鋼板の不めっきを抑制し、かつ外観、密
着性、化成処理性、耐食性に優れた鋼板を製造可能とし
たものであり、産業の発展に貢献するところは極めて大
きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼中成分として、少なくともSiを0.
    2〜3重量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板上
    に合金化溶融亜鉛めっき層を有する合金化溶融亜鉛めっ
    き鋼板において、該めっき層中に、Feを7〜15重量
    %含有し、さらにMgを0.1〜2重量%、Mnを0.
    01〜3.0重量%含有することを特徴とする合金化溶
    融亜鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 合金化溶融亜鉛めっき層中にCuまたは
    NiまたはCoの1種、または2種以上を0.05〜1
    0重量%さらに含有せしめることを特徴とする請求項1
    に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 鋼中成分として、少なくともSiを0.
    2〜3重量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板
    を、還元性あるいは非酸化性の雰囲気で焼鈍した後、該
    鋼板を大気に接触させることなくMgを0.1〜2重量
    %含有する溶融亜鉛浴中に通板せしめ、さらに540〜
    600℃で加熱合金化処理することを特徴とする合金化
    溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 鋼中成分として、少なくともSiを0.
    2〜3重量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板表
    面を清浄化した後、焼鈍に先立って、該鋼板表面にCu
    またはCu化合物、NiまたはNi化合物、Coまたは
    Co化合物の1種または2種以上をCu、NiおよびC
    oの総和で0.005〜5g/m2 付着せしめることを
    特徴とする請求項3に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 加熱合金化処理により、溶融亜鉛めっき
    層中のFe含有量が7〜15重量%に到達した後、エア
    冷却、ミスト冷却、気水冷却のいずれか1種、または2
    種以上の冷却装置にて、冷却速度10℃/s以上で、冷
    却することを特徴とする請求項3または4に記載の合金
    化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
JP10344146A 1998-12-03 1998-12-03 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Withdrawn JP2000169948A (ja)

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