JP2000169571A - 光学用ポリカーボネート樹脂成形材料および該材料よりなる光ディスク基板 - Google Patents

光学用ポリカーボネート樹脂成形材料および該材料よりなる光ディスク基板

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JP2000169571A
JP2000169571A JP10348209A JP34820998A JP2000169571A JP 2000169571 A JP2000169571 A JP 2000169571A JP 10348209 A JP10348209 A JP 10348209A JP 34820998 A JP34820998 A JP 34820998A JP 2000169571 A JP2000169571 A JP 2000169571A
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Kunikore Hayashi
邦維 林
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めてエラー率が低く、且つトラッキング外
れ発生率の少ない、信頼性の高い高密度光ディスク基板
を提供する。 【解決手段】 粒径0.5μm以上の異物が10000
個/g以下で、且つ粒径20μm以上の異物が200個
/kg以下であることを特徴とする光学用ポリカーボネ
ート樹脂成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、異物を低減した光
学用ポリカーボネート樹脂成形材料及び光ディスク基板
に関し、特に20μm以上の異物の量を極度に低減させ
た光学用ポリカーボネート樹脂成形材料及び該材料より
なる光ディスク基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は耐熱性や低吸水
性に優れ、特に透明性に優れているがゆえに光学用途、
特にコンパクトディスク、光磁気ディスク等の光ディス
クの基板材料として使用されている。光ディスクは基板
上に形成されたミクロンサイズの凹凸を利用してレーザ
ー光による情報の記録や再生を行う為に、基板中の異物
(塵埃や炭化物など)が情報の記録や再生の信頼性に対
して極めて大きな影響を与える。したがって、基板を構
成するポリカーボネート樹脂に対しては異物の量が少な
いことが要求されている。
【0003】このため従来は、原料中の異物を精製過程
や造粒過程等においてフィルターで濾過するなどして異
物の低減化を図っており、例えば特開昭61−9034
5号、特開昭63−91231号、特公平7−1096
55号等に記載されているような技術が提案されてい
る。
【0004】このうち特開昭61−90345号には、
光ディスク基板中に含まれる粒径0.5μm以上の大き
さの異物の量を1×105個/g以下とし、かつこの条
件を満足させるためにモノマー等の使用原料中の異物を
蒸留及び/または濾過によって除去するとともに、製造
設備の洗浄及び製造過程における異物の混入を防止する
必要のあることが開示されている。
【0005】また、特開昭63−91231号には、信
頼性の高い光ディスク基板を得るためには粒径1μm以
上の大きさの異物の量を10000個/g以下とするこ
とが必要であり、かつこの条件を満足させるために有機
溶媒により溶解せしめた溶液を濾過したり、溶融状態の
ときに焼結金属フィルタを通したりして異物微粒子を除
去した樹脂組成物で光ディスク基板を形成する技術が開
示されている。
【0006】また、特公平7−109655号には、光
ディスク基板における情報の記録や再生に対して十分な
信頼性を得るために、異物強度なる概念を用いて、特に
粒径1.1μm以下の大きさの異物の量を10000μ
2/g以下まで低減させる必要があると開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、大き
さが0.5μmや1μmレベルの微小異物の量に主眼を
置いたものであり、20μm以上の大きな異物の量につ
いては何ら具体的な規制がなされていない。現在、一般
的に普及しているコンパクトディスク用の基板材料にお
いては微小異物の低減だけで十分な再生信頼性が得られ
ているが、デジタルバーサタイルディスク(DVD−R
OM、DVD−video、DVD−R、DVD−RA
M等)で代表される高密度光ディスク用の基板材料にお
いては必ずしも満足しないものであることがわかった。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、該問題点について鋭意検討を重ねた結果、従来
通り微小異物を低減した上で、尚かつ20μm以上の大
きな異物の量を200個/kg以下とすることで極めて
エラー率が低く、驚くほど信頼性の高い高密度光ディス
クが得られることを発見した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は粒径0.5μm
以上の異物が10000個/g以下で、かつ粒径20μ
m以上の異物が200個/kg以下であることを特徴と
するポリカーボネート樹脂を高密度光ディスク基板用の
成形材料とするものである。
【0010】本明細書において「異物」とは原料から芳
香族ポリカーボネート樹脂を製造し、更に光ディスク基
板を成形するまでのあらゆる工程において種々の経由か
ら混入する汚染物質のことであり、例えば使用原料(モ
ノマー、溶剤など)に含まれる不純物やダスト、製造設
備に付着しているダストまたは成形過程で発生する炭化
物など塩化メチレンに不溶な全ての成分を示す。
【0011】本発明によればデジタルバーサタイルディ
スク等の高密度光ディスクに用いるディスク基板として
十分な信頼性を得るためには、該基板を成形するために
供する成形材料(芳香族ポリカーボネート樹脂)の中に
含まれる異物の量に関して、粒径0.5μm以上の異物
が10000個/g以下で、かつ粒径20μm以上の異
物が200個/kg以下であることが必要である。粒径
0.5μm以上の異物が10000個/g以下であって
も、粒径20μm以上の異物が200個/kgを越える
材料から成形された高密度光ディスク基板では、異物が
確実にエラーを引き起こし、十分な信頼性が得られな
い。同様に、粒径20μm以上の異物が200個/kg
以下であっても、粒径0.5μm以上の異物が1000
0個/gを越える材料から成形された高密度光ディスク
基板では、異物が確実にエラーを引き起こし、十分な信
頼性が得られない。なお、粒径0.5μm以上の異物を
10000個/g以下とした上で、かつ粒径20μm以
上の異物を100個/kg以下とすることがより信頼性
の高い基板を得る上で好ましく、更には粒径20μm以
上の異物を20個/kg以下とすれば皆無の場合と実質
的に同等の確実なる信頼性を得ることができる。また、
粒径20μm以上の異物を200個/kg以下とした上
で、かつ粒径0.5μm以上の異物を6000個/g以
下とすることがより信頼性の高い基板を得る上で好まし
く、更には粒径0.5μm以上の異物を2000個/g
以下とすれば皆無の場合と実質的に同等の確実なる信頼
性を得ることができる。
【0012】このように異物個数は基板の信頼性に対し
て影響を与えるが、粒径0.5μm以上の異物個数の影
響についてはディスクを温度80℃、相対湿度85%に
制御した恒温恒湿槽に500時間保持した後のエラー率
を調べることにより確認される。芳香族ポリカーボネー
ト樹脂成形材料から得られたディスクの上記エラー率と
しては1×10-3以下であることが好ましく、7×10
-4以下であることがより好ましく、3×10-4以下であ
ることがさらに好ましい。一方、粒径20μm以上の異
物個数の影響についてはデイスク100枚をプレイヤー
にて再生し、再生途中で異物により再生レーザースポッ
トのトラッキング制御が外れる現象の発生率を調べるこ
とにより確認される。芳香族ポリカーボネート樹脂成形
材料から得られたディスクの上記発生率は10%以下で
あることが好ましく、5%以下であることがより好まし
く、1%以下であることがさらに好ましい。
【0013】本発明で使用されるポリカーボネート樹脂
は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液
法または溶融法で反応させて得られるものである。ここ
で使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハ
イドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェ
ニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2
−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プ
ロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジ
ブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2
−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニ
ル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−
フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,
4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−
3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベン
ゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m
−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチ
ルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルエステル等があげられ、これらは単独ま
たは2種以上を混合して使用できる。
【0014】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた
少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合
体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールA
の単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフ
ェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メ
チル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンと
の共重合体が好ましく使用される。
【0015】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。
【0016】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を溶液法または溶融法によって反応させてポリカーボネ
ート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末
端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用しても
よい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能
性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂
であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸
を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であっても
よく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上
を混合した混合物であってもよい。
【0017】溶液法による反応は、通常二価フェノール
とホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の
存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物
またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶
媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のた
めに例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアン
モニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウム
ブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合
物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることも
できる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間
は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つの
が好ましい。
【0018】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール
又は低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式
で表される単官能フェノール類を示すことができる。
【0019】
【化1】 [式中、Aは水素原子または炭素数1〜9の直鎖または
分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換アルキル基で
あり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である]。
【0020】上記単官能フェノール類の具体例として
は、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノー
ル、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノー
ルが挙げられる。
【0021】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換
基として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を
使用することができ、これらを用いてポリカーボネート
共重合体の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤また
は分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶融
流動性が改良され、成形加工が容易になるばかりでな
く、基板としての物性、特に樹脂の吸水率を低くする効
果があり、また、基板の複屈折が低減される効果もあり
好ましく使用される。なかでも、下記一般式[I−a]
および[I−b]で表される長鎖のアルキル基を置換基
として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】 [式中、Xは−R−O−、−R−CO−O−または−R
−O−CO−である、ここでRは単結合または炭素数1
〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基を
示し、nは10〜50の整数を示す。]
【0024】かかる[I−a]の置換フェノール類とし
てはnが10〜30、特に10〜26のものが好まし
く、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデ
シルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシ
ルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフ
ェノール、ドコシルフェノール及びトリアコンチルフェ
ノール等を挙げることができる。
【0025】また、[I−b]の置換フェノール類とし
てはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化
合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26の
ものが好適であって、その具体例としては例えばヒドロ
キシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒ
ドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘ
キサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキ
シ安息香酸ドコシル及びヒドロキシ安息香酸トリアコン
チルが挙げられる。これらの末端停止剤は、得られたポ
リカーボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル
%、好ましくは少くとも10モル%末端に導入されるこ
とが望ましく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以
上混合して使用してもよい。
【0026】溶融法による反応は、通常二価フェノール
とカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、
不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエ
ステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコール
またはフェノールを留出させる方法により行われる。反
応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等
により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。
反応後期には系を10〜0.1Torr程度に減圧して
生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさ
せる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0027】カーボネートエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル
基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが
挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジト
リルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネー
ト、m―クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネー
ト、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート
などが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好
ましい。
【0028】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩
基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコ
キシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩
類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合
物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ
化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモ
ン化合物類、マンガン化合物類、チタン化合物類、ジル
コニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル
交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒
は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせ使用し
てもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フ
ェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×1
-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量
の範囲で選ばれる。
【0029】ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平
均分子量(M)で10,000〜22,000が好まし
く、12,000〜20,000がより好ましく、13,
000〜18,000が特に好ましい。かかる粘度平均
分子量を有するポリカーボネート樹脂は、光学用材料と
して十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も
良好であり成形歪みが発生せず好ましい。本発明でいう
粘度平均分子量は塩化メチレン100mLにポリカーボ
ネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた
比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。 ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は
極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0030】原料ポリカーボネート樹脂は、従来公知の
常法(溶液重合法、溶融重合法など)により製造した
後、溶液状態において濾過処理をしたり、造粒(脱溶
媒)後の粒状原料を例えば加熱条件下でアセトンなどの
貧溶媒で洗浄したりして低分子量成分や未反応成分等の
不純物や異物を除去することが好ましい。更に射出成形
に供するためのペレット状ポリカーボネート樹脂を得る
押出工程(ペレット化工程)では溶融状態の時に濾過精
度10μmの焼結金属フィルターを通すなどして異物を
除去したりすることが好ましい。必要により、例えばリ
ン系等の酸化防止剤などの添加剤を加えることも好まし
い。いずれにしても射出成形前の原料樹脂は異物、不純
物、溶媒などの含有量を極力低くしておくことが必要で
ある。
【0031】上記ポリカーボネート樹脂より光ディスク
基板を製造する場合には射出成形機(射出圧縮成形機を
含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用
されているものでよいが、炭化物の発生を抑制しディス
ク基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリュ
ーとして樹脂との付着性が低く、かつ耐食性、耐摩耗性
を示す材料を使用してなるものを用いるのが好ましい。
射出成形の条件としてはシリンダー温度300〜400
℃、金型温度50〜140℃が好ましく、これらにより
光学的に優れた光ディスク基板を得ることができる。成
形工程での環境は、本発明の目的から考えて、可能な限
りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する
材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の
分解を招くような滞留を起こさないように配慮すること
も重要となる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本
発明は何らこれに限定されるものではない。なお評価は
下記の方法に従った。
【0033】(a)湿熱処理後のエラー率 過酷な雰囲気下に長時間放置した時のエラー率の増加を
再現する為に、ディスクを温度80℃、相対湿度85%
に制御した恒温恒湿槽に500時間保持し、その後エラ
ー率を測定した。本測定は粒径0.5μm以上の異物個
数がディスクの信頼性に与える影響を調査するために行
うものである。。
【0034】(b)トラッキング外れ発生率 ディスク100枚をプレイヤーにて再生し、再生途中で
異物により再生レーザースポットのトラッキング制御が
外れる現象の発生の有無を確認した。本測定は粒径20
μm以上の異物個数がディスクの信頼性に与える影響を
調査するために行うものである。
【0035】実施例1 温度計、攪拌機及び還流冷却器付き反応器にイオン交換
水219.4部、48%水酸化ナトリウム水溶液40.2
部を仕込み、これに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン57.5部(0.252モル)およびハイ
ドロサルファイト0.12部を溶解した後、塩化メチレ
ン181部を加え、攪拌下15〜25℃でホスゲン2
8.3部を40分要して吹込んだ。ホスゲン吹き込み終
了後、48%水酸化ナトリウム水溶液7.2部およびp
−tert−ブチルフェノール2.42部を加え、攪拌
を始め、乳化後トリエチルアミン0.06部を加え、さ
らに28〜33℃で1時間攪拌して反応を終了した。反
応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後塩
酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆
ど同じになったところで、軸受け部に異物取出口を有す
る隔離室を設けたニーダーにて塩化メチレンを蒸発し
て、粘度平均分子量15000のパウダーを得た。この
パウダーにトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ホスファイトを0.01重量%、ステアリン酸モ
ノグリセリドを0.08重量%加えた。次に、かかるパ
ウダーをベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX
−46]によりシリンダー温度240℃で脱気しながら
溶融混練し、ペレットを得た。該ペレットを予め0.0
5μmのフィルターで濾過した塩化メチレンに溶解さ
せ、この試料をレーザー光を利用した光散乱/光遮断方
式による液体微粒子カウンターに通液し、該ペレット中
に含まれる異物の個数を測定した。その結果、0.5μ
m以上の異物個数は0.99×104個/gであり、かつ
20μm以上の異物個数は190個/kgであった。
【0036】一方、射出成形機にDVD専用の金型を取
り付け、この金型にアドレス信号などの情報の入ったニ
ッケル製のDVD用スタンパーを装着した。そして上記
ペレットを自動搬送にて成形機のホッパに投入し、シリ
ンダー温度380℃、金型温度115℃、射出速度30
0mm/sec、保持圧力40kgf/cm2の条件で
直径120mm、肉厚0.6mmの光ディスク基板を得
た。その後、該基板にアルミニウム膜をスパッタし、2
枚貼り合わせて光ディスクを得た。この光ディスクをデ
ッキ(パルステック社製DDU−1000)にかけPI
エラーの測定を行った。その結果を表1に示す。
【0037】実施例2 原料ペレットとして0.5μm以上の異物の個数が0.9
8×104個/gで、且つ20μm以上の異物の個数が
80個/kgであるポリカーボネート樹脂を用いた以外
は、全て実施例1と同様に光ディスク基板を成形し、こ
れを評価した。その結果を表1に示す。
【0038】実施例3 実施例1において、p−tert−ブチルフェノール
2.42部を2.72部に代えて粘度平均分子量1400
0のパウダーを得た。このパウダーに実施例1と同様の
添加剤を加え、次に実施例1と同様にしてペレットを得
た。こうして得られたペレットは0.5μm以上の異物
の個数が0.99×104個/gで、且つ20μm以上の
異物の個数が70個/kgであった。以後、全て実施例
1と同様に光ディスク基板を成形し、これを評価した。
その結果を表1に示す。
【0039】実施例4 原料ペレットとして0.5μm以上の異物の個数が0.9
8×104個/gで、且つ20μm以上の異物の個数が
0個/kgであるポリカーボネート樹脂を用いた以外
は、全て実施例1と同様に光ディスク基板を成形し、こ
れを評価した。その結果を表1に示す。
【0040】実施例5 原料ペレットとして0.5μm以上の異物の個数が0.5
1×104個/gで、且つ20μm以上の異物の個数が
180個/kgであるポリカーボネート樹脂を用いた以
外は、全て実施例1と同様に光ディスク基板を成形し、
これを評価した。その結果を表1に示す。
【0041】実施例6 原料ペレットとして0.5μm以上の異物の個数が0.1
8×104個/gで、且つ20μm以上の異物の個数が
180個/kgであるポリカーボネート樹脂を用いた以
外は、全て実施例1と同様に光ディスク基板を成形し、
これを評価した。その結果を表1に示す。
【0042】実施例7 原料ペレットとして0.5μm以上の異物の個数が0.3
8×104個/gで、且つ20μm以上の異物の個数が
50個/kgであるポリカーボネート樹脂を用いた以外
は、全て実施例1と同様に光ディスク基板を成形し、こ
れを評価した。その結果を表1に示す。
【0043】実施例8 攪拌機及び蒸留塔を備えた反応器に2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン228部(約1モル)、
ジフェニルカーボネート(バイエル社製)220部(約
1.03モル)及び触媒として水酸化ナトリウム0.00
0024部(約6×10-7モル/ビスフェノールA1モ
ル)とテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.00
73部(約8×10-5モル/ビスフェノールA1モル)
を仕込み、窒素置換した。この混合物を200℃まで加
熱して攪拌しながら溶解させた。次いで、減圧度を30
Torrとして加熱しながら1時間で大半のフェノール
を留去し、更に270℃まで温度を上げ、減圧度を1T
orrとして2時間重合反応を行ったところで、
【0044】
【化4】
【0045】で示される末端停止剤2.3部を添加し
た。その後270℃、1Torr以下で5分間末端封鎖
反応を行った。次に溶融状態のままで、触媒中和剤とし
てドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩を0.00023部添加して270℃、10Tor
r以下で10分間反応を継続し、粘度平均分子量150
00のポリマーを得た。このポリマーをギアポンプでエ
クストルーダーに送った。エクストルーダー途中でトリ
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファ
イトを0.01重量%、ステアリン酸モノグリセリドを
0.08重量%加え、ポリカーボネートペレットを得
た。
【0046】該ペレットを予め0.05μmのフィルタ
ーで濾過した塩化メチレンに溶解させ、この試料をレー
ザー光を利用した光散乱/光遮断方式による液体微粒子
カウンターに通液し、該ペレット中に含まれる異物の個
数を測定した。その結果、0.5μm以上の異物個数は
0.97×104個/gであり、かつ20μm以上の異物
個数は200個/kgであった。以下、実施例1と同様
に光ディスク基板を成形し、これを評価した。その結果
を表1に示す。
【0047】比較例1 原料ペレットとして0.5μm以上の異物の個数が0.9
3×104個/gで、且つ20μm以上の異物の個数が
270個/kgであるポリカーボネート樹脂を用いた以
外は、全て実施例1と同様に光ディスク基板を成形し、
これを評価した。その結果を表1に示す。
【0048】比較例2 原料ペレットとして0.5μm以上の異物の個数が1.5
1×104個/gで、且つ20μm以上の異物の個数が
180個/kgであるポリカーボネート樹脂を用いた以
外は、全て実施例1と同様に光ディスク基板を成形し、
これを評価した。その結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】この結果から、信頼性の高い高密度光ディ
スク基板を得るには基板成形に供する芳香族ポリカーボ
ネート樹脂成形材料に関して、その中に含まれる大きさ
0.5μmレベルの微小異物が少ないだけでは不十分で
あり、従来のコンパクトディスク等ではあまり問題とさ
れなかった20μm以上の大きな異物についても極減ま
で低減しなければならないことは明白である。
【0051】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の成形
材料によれば該材料中の粒径0.5μm以上の異物の個
数が10000個/g以下と少ないだけでなく、20μ
m以上の大きな異物も200個/kg以下と極限まで低
減されているため、エラーが少なく、極めて信頼性の高
い光ディスク基板を得ることができ、特にデジタルバー
サタイルディスク(DVD)等の高密度光ディスクの提
供に対して、その奏する効果は格別のものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA09 AB07 AC01 AC02 AD01 AD10 AE05 BB04A BB05A BB10A BB12A BB12B BB12C BB13A BB13B BB16A BD09A BE04 BF14A BH02 DB07 DB11 DB13 HA01 HC01 HC02 HC04A HC05A JA091 JA281 JA301 JB131 JB171 JB201 JC031 JC091 JC231 JC631 JF031 JF041 JF131 JF141 JF161 JF181 JF221 JF271 JF321 JF331 JF361 JF371 JF381 JF471 JF541 KB05 KD01 KE02 KE05 KE09 KH05 5D029 KA07 KC20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径0.5μm以上の異物が10000
    個/g以下で、且つ粒径20μm以上の異物が200個
    /kg以下であることを特徴とする光学用ポリカーボネ
    ート樹脂成形材料。
  2. 【請求項2】 粘度平均分子量が10000〜2200
    0である請求項1記載の光学用ポリカーボネート樹脂成
    形材料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光学用ポリカーボネート
    樹脂成形材料よりなる光ディスク基板。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光学用ポリカーボネート
    樹脂成形材料よりなるデジタルバーサタイルディスク用
    光ディスク基板。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光学用ポリカーボネート
    樹脂成形材料よりなり、加速劣化試験(80℃×85%
    RH×500時間)後のエラー率が1×10 -3以下であ
    り、且つトラッキング外れ発生率が10%以下である光
    ディスク。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212410A (ja) * 2001-01-16 2002-07-31 Teijin Chem Ltd 高精密転写性ポリカーボネート樹脂光学用成形材料、およびそれより形成された光ディスク基板

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JP2002212410A (ja) * 2001-01-16 2002-07-31 Teijin Chem Ltd 高精密転写性ポリカーボネート樹脂光学用成形材料、およびそれより形成された光ディスク基板

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