JP2000166195A - モールドモータの製造方法、この方法に用いるモールドモータ用金型、およびこの製造方法により製造したモールドモータ、並びに硬化樹脂ランナ部 - Google Patents

モールドモータの製造方法、この方法に用いるモールドモータ用金型、およびこの製造方法により製造したモールドモータ、並びに硬化樹脂ランナ部

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JP2000166195A
JP2000166195A JP10331457A JP33145798A JP2000166195A JP 2000166195 A JP2000166195 A JP 2000166195A JP 10331457 A JP10331457 A JP 10331457A JP 33145798 A JP33145798 A JP 33145798A JP 2000166195 A JP2000166195 A JP 2000166195A
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JP
Japan
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mold
runner
stator core
resin
cured resin
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JP10331457A
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English (en)
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Osao Yashiro
長生 八代
Yoichi Kondo
近藤  洋一
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂の再利用が可能で廃棄物処理を不要
とし、構造が簡単なこと。 【解決手段】 前のモールド時にランナ6で成形した硬
化樹脂ランナ部10を、つぎのモールド時に、キャビテ
ィ5内に配置し、固定子鉄心8と共に一体成形するよう
にした。また、ランナ6の両側に凹部7を設けること
で、硬化樹脂ランナ部10に凸部11を形成し、この凸
部11を固定子鉄心8の積層板に係止することで、モー
ルド時の位置決めを行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転電機を構成
する固定子鉄心のモールド処理に関するモールドモータ
の製造方法、この方法に用いるモールドモータ用金型、
およびこの製造方法により製造したモールドモータ、並
びに硬化樹脂ランナ部に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来のモールドモータの製造方
法を示す断面説明図である。詳しくは、金型キャビティ
内に固定子鉄心を設置し、合成樹脂を充填した状態を示
す。このモールドモータ用金型800は、上金型80
1、下金型802および中芯803から構成されてい
る。金型800には、合成樹脂804を樹脂注入装置
(図示省略)からキャビティ805内に注入するランナ
806が形成されている。合成樹脂804には、不飽和
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を
用いる。
【0003】固定子鉄心807のモールドにあたって
は、まず、固定子鉄心807に巻線を施した後、これを
金型800のキャビティ805内に設置する。つぎに、
金型800の型締めを行い、流動状態の合成樹脂804
を前記ランナ806からキャビティ805内に加圧注入
する。注入後、所定の温度まで加熱すると、合成樹脂8
04が熱硬化する。そして、固定子鉄心807を金型8
00から取り出し、ランナ806により形成された硬化
樹脂ランナ部808を取り除く。これにより、固定子鉄
心のモールドが完了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記モ
ールドモータの製造方法では、固定子鉄心807を金型
800から取り出した後に硬化樹脂ランナ部808を取
り除いていており、この硬化樹脂ランナ部808が熱硬
化性樹脂からなるため、再利用が困難で材料が無駄にな
るという問題点があった。また、廃棄物として適切な処
理を行わなければならないという問題点があった。
【0005】これらの問題点を解決するため、特開平9
―174616号公報に記載の発明では、ランナ部の発
生を防止するようにしている。図10は、特開平9―1
74616号公報に記載の熱硬化性樹脂射出成形機用金
型を示す断面説明図である。この熱硬化性樹脂射出成形
機用金型900は、分岐した先端にノズル901を有す
るシリンダー902と、4個のキャビティ903を備え
たベース金型904と、キャビティ903内に合成樹脂
を注入するゲート905と、ベース金型904の両側に
配置され、内部にランナ906を形成すると共に前記ゲ
ート905に嵌合する射出孔907を有する可動式金型
908とを備えた構成である。
【0006】この熱硬化性樹脂射出成形機用金型900
では、射出成形時に可動式金型908を移動させること
により(図中矢印方向)、当該可動式金型908の射出
孔907をベース金型904のゲート905に連結させ
ると共に、シリンダー902のノズル901を可動式金
型908のランナ906に連結させる。
【0007】そして、シリンダー902から供給される
熱硬化性樹脂を、ノズル901、ランナ906および射
出孔907、並びにゲート905を通じてキャビティ9
03内に加圧注入する。加熱成形時には、シリンダー9
02を可動式金型908から切り離すと共に、当該可動
式金型908をベース金型904から切り離す。このよ
うにすれば、ランナ906の加熱を防止できるから、熱
硬化性樹脂を再利用することができる。
【0008】しかしながら、この熱硬化性樹脂射出成形
機用金型900では、可動部分が多いこと、シリンダー
902と可動式金型908、可動式金型908とベース
金型904を精度よく連結する必要があること、から、
金型構造が複雑になるという問題点があった。
【0009】この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、合成樹脂の再利用が可能で廃棄物処理を不要と
し、構造が簡単なモールドモータの製造方法、この方法
に用いるモールドモータ用金型、およびこの製造方法に
より製造したモールドモータ、並びに硬化樹脂ランナ部
を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明によるモールドモータの製造方法は、金
型のキャビティ内に固定子鉄心を設置し、金型のランナ
を通じて合成樹脂を注入し、当該金型を加熱することで
当該固定子鉄心をモールドするモールドモータの製造方
法において、前のモールド時に前記ランナによって成形
された硬化樹脂ランナ部を、つぎのモールド時にキャビ
ティ内に配置して一体成形するようにしたものである。
【0011】金型には、ランナが不可欠であるが、この
ランナによって硬化樹脂ランナ部が形成させてしまう。
そこで、つぎのモールド時に、前のモールド時にできた
硬化樹脂ランナ部をキャビティ内に配置してモールドす
るようにする。ランナから合成樹脂を注入すると、キャ
ビティ内に配置した硬化樹脂ランナ部が一体にモールド
される。また、このモールド時にできた硬化樹脂ランナ
部は、つぎのモールド時にキャビティ内に配置して一体
成形する。なお、この構成は、通常のモータのみなら
ず、リニアモータの場合にも適用できる。
【0012】つぎの発明によるモールドモータの製造方
法は、金型のキャビティ内に固定子鉄心を設置し、金型
のランナを通じて合成樹脂を注入し、当該金型を加熱す
ることで当該固定子鉄心をモールドするモールドモータ
の製造方法において、前記ランナに凹部または凸部を設
け、前のモールド時に前記ランナによって成形された硬
化樹脂ランナ部を、つぎのモールド時にキャビティ内に
配置すると共に前記ランナの凹部または凸部により形成
された凸部または凹部を用いて硬化樹脂ランナ部をキャ
ビティ内で位置決め係止し、この状態で一体成形するよ
うにしたものである。
【0013】ランナに例えば凹部を設けると、モールド
時に転写されて硬化樹脂ランナ部に凸部が形成される。
この凸部を利用して硬化樹脂ランナ部をキャビティ内で
位置決め係止すれば、硬化樹脂ランナ部がキャビティ内
でずれたりしない。かかる状態で、キャビティ内に合成
樹脂を注入すると、この固定子鉄心と共に硬化樹脂ラン
ナ部が一体成形される。また、このモールド時にも硬化
樹脂ランナ部が形成されるが、上記同様、つぎのモール
ド時にキャビティ内に配置して一体成形すればよい。な
お、ランナに凸部を設けた場合も同様であるが、係止対
象に何らかの突起部分が必要になる。
【0014】つぎの発明によるモールドモータの製造方
法は、金型のキャビティ内に固定子鉄心を設置し、金型
のランナを通じて合成樹脂を注入し、当該金型を加熱す
ることで当該固定子鉄心をモールドするモールドモータ
の製造方法において、前記ランナに、固定子鉄心の積層
高さと同一の間隔をもって2つの凹部または凸部を設
け、前のモールド時に前記ランナによって成形された硬
化樹脂ランナ部を、つぎのモールド時にキャビティ内に
配置すると共に前記ランナの凹部または凸部により形成
された凸部または凹部を用いて硬化樹脂ランナ部を固定
子鉄心に取り付けて、この状態で一体成形するようにし
たものである。
【0015】前記ランナに、固定子鉄心の積層高さと同
一の間隔をもって2つの凹部または凸部を設けると、こ
のランナにより、前記間隔を持った凸部または凹部を持
った硬化樹脂ランナ部が形成される。そして、この硬化
樹脂ランナ部を固定子鉄心に位置決め係止し、モールド
成形する。
【0016】つぎの発明によるモールドモータの製造方
法は、上記モールドモータの製造方法において、さら
に、前記ランナに柱状突起を設け、硬化樹脂ランナ部に
穴部を形成したものである。
【0017】ランナに柱状突起を設けることにより、硬
化樹脂ランナ部に穴部が形成される。この状態でモール
ドすると、合成樹脂が前記穴部に入り込むから、硬化樹
脂ランナ部を強固に固定できる。
【0018】つぎの発明によるモールドモータの製造方
法は、外周フレームを備えた環状の固定子鉄心を下金型
に載置すると共に当該固定子鉄心の中心に筒状部材を配
置し、この筒状部材の内側に合成樹脂を入れ、空気抜き
穴を有するピストンによって加圧することで、前記外周
フレーム、下金型および筒状部材から構成するキャビテ
ィ内に当該筒状部材の樹脂通路を通じて樹脂を注入し、
固定子鉄心をモールドするモールドモータの製造方法に
おいて、空気抜き部が、当該空気抜き部により形成され
た硬化樹脂突出部を外周フレームと固定子鉄心との隙間
にはめ込むのに適当な形状であり、モールド後に、この
空気抜き部により形成された硬化樹脂突出部を取り除
き、つぎのモールド時に、前記隙間にはめ込んで一体成
形するようにしたものである。
【0019】モールド時、合成樹脂が空気抜き部に侵入
して硬化樹脂突出部を形成する。この硬化樹脂突出部
は、不要部位であるため最終的に取り除くことになる
が、空気抜き部が、外周フレームと固定子鉄心との隙間
に前記硬化樹脂突出部がはめ込むのに適当な形状である
から、つぎのモールド時に一体成形することができる。
すなわち、硬化樹脂突出部を前記隙間にはめ込んだ状態
で、キャビティ内に合成樹脂を注入すれば、固定子鉄心
と共に硬化樹脂突出部が一体形成される。
【0020】つぎの発明によるモールドモータの製造方
法は、外周フレームを備えた環状の固定子鉄心を下金型
に載置すると共に当該固定子鉄心の中心に筒状部材を配
置し、この筒状部材の内側に合成樹脂を入れ、空気抜き
穴を有するピストンによって加圧することで、前記外周
フレーム、下金型および筒状部材から構成するキャビテ
ィ内に当該筒状部材の樹脂通路を通じて樹脂を注入し、
固定子鉄心をモールドするモールドモータの製造方法に
おいて、空気抜き部に凹部を設け、かつ、当該空気抜け
部が、空気抜き部により形成された硬化樹脂突出部を外
周フレームと固定子鉄心との隙間にはめ込むのに適当な
形状であり、モールド後に、この空気抜き部により形成
された硬化樹脂突出部を取り除き、つぎのモールド時
に、前記隙間にはめ込むと共に前記凹部により形成した
凸部を用いて硬化樹脂突出部をキャビティ内で位置決め
係止し、この状態で一体成形するようにしたものであ
る。
【0021】空気抜き部に凹部を設けると、モールド時
に転写されて硬化樹脂突出部に凸部が形成される。この
凸部を利用して硬化樹脂突出部をキャビティ内で位置決
め係止すれば、硬化樹脂突出部がキャビティ内でずれた
りしない。かかる状態で、キャビティ内に合成樹脂を注
入すると、この固定子鉄心と共に硬化樹脂突出部が一体
成形される。また、このモールド時にも硬化樹脂突出部
が形成されるが、上記同様、つぎのモールド時にキャビ
ティ内に配置して一体成形すればよい。
【0022】つぎの発明によるモールドモータの製造方
法は、上記モールドモータの製造方法において、さら
に、前記外周フレーム内面と固定子鉄心の積層方向平面
切り欠き面とで隙間をつくり、前記空気抜け部の断面を
かまぼこ形状とし、この空気抜け部により形成したかま
ぼこ形状の硬化樹脂突出部を前記隙間にはめ込むにあた
り、当該硬化樹脂突出部の平面を前記固定子鉄心の積層
方向平面切り欠き面に当接させ、硬化樹脂突出部の曲面
を前記外周フレームの内面に当接させるようにしたもの
である。
【0023】前記外周フレーム内面と固定子鉄心の積層
方向平面切り欠き面とで隙間をつくる。また、断面をか
まぼこ形状とした空気抜け部により断面かまぼこ形状の
硬化樹脂突出部を形成する。これを前記隙間にはめ込む
と、当該硬化樹脂突出部の平面が前記固定子鉄心の積層
方向平面切り欠き面に当接し、硬化樹脂突出部の曲面が
前記外周フレームの内面に当接する。これによって、硬
化樹脂突出部が前記隙間にはめ込まれ、モールド可能な
状態になる。
【0024】つぎの発明によるモールドモータ用金型
は、上金型と下金型とを備え、キャビティ内に固定子鉄
心を設置すると共に前記上金型と下金型との界面にラン
ナを形成し、このランナを通じてキャビティ内に合成樹
脂を注入するモールドモータ用金型において、前記ラン
ナに、凹部または凸部を設けたものである。
【0025】ランナに例えば凹部を設けると、モールド
した際、硬化樹脂ランナ部に凸部が形成される。そし
て、この硬化樹脂ランナ部をつぎのモールド時に一体成
形する際、固定子鉄心などに係止する。なお、ランナに
凸部を設けた場合でも、同様である。
【0026】つぎの発明によるモールドモータ用金型
は、上金型と下金型とを備え、キャビティ内に固定子鉄
心を設置すると共に前記上金型と下金型との界面にラン
ナを形成し、このランナを通じてキャビティ内に合成樹
脂を注入するモールドモータ用金型において、前記ラン
ナに、固定子鉄心の積層高さと同一の間隔をもって2つ
の凹部または凸部を設けたものである。
【0027】前記ランナに、固定子鉄心の積層高さと同
一の間隔をもって2つの凹部または凸部を設けると、こ
のランナにより、前記間隔を持った凸部または凹部を持
った硬化樹脂ランナ部が形成される。そして、この硬化
樹脂ランナ部を固定子鉄心に位置決め係止し、モールド
成形する。
【0028】つぎの発明によるモールドモータ用金型
は、上記モールドモータ用金型において、さらに、前記
ランナに柱状突起を設けたものである。
【0029】ランナに柱状突起を設けることにより、硬
化樹脂ランナ部に穴部が形成される。この状態でモール
ドすると、合成樹脂が前記穴部に入り込むから、硬化樹
脂ランナ部を強固に固定できる。
【0030】つぎの発明によるモールドモータ用金型
は、固定子鉄心の外周フレームにはめ込む下金型と、固
定子鉄心の内部に挿入し底部を下金型に固定した筒状部
材と、筒状部材の内側に挿入し、前記外周フレーム、下
金型および筒状部材から構成するキャビティ内に当該筒
状部材の樹脂通路を通じて樹脂を注入するピストンと、
ピストンに設けた空気抜け部とを備えたモールドモータ
用金型において、前記空気抜け部を、空気抜き部により
形成された硬化樹脂突出部を外周フレームと固定子鉄心
との隙間にはめ込むのに適当な形状にしたものである。
【0031】モールド時、合成樹脂が空気抜き部に侵入
して硬化樹脂突出部を形成する。この硬化樹脂突出部
は、不要部位であるため最終的に取り除くことになる
が、空気抜き部が、外周フレームと固定子鉄心との隙間
に前記硬化樹脂突出部がはめ込むのに適当な形状である
から、つぎのモールド時に一体成形することができる。
すなわち、硬化樹脂突出部を前記隙間にはめ込んだ状態
で、キャビティ内に合成樹脂を注入すれば、固定子鉄心
と共に硬化樹脂突出部が一体形成される。
【0032】つぎの発明によるモールドモータ用金型
は、固定子鉄心の外周フレームにはめ込む下金型と、固
定子鉄心の内部に挿入し底部を下金型に固定した筒状部
材と、筒状部材の内側に挿入し、前記外周フレーム、下
金型および筒状部材から構成するキャビティ内に当該筒
状部材の樹脂通路を通じて樹脂を注入するピストンと、
ピストンに設けた空気抜け部とを備えたモールドモータ
用金型において、空気抜き部に凹部を設け、かつ、当該
空気抜け部を、空気抜き部により形成された硬化樹脂突
出部を外周フレームと固定子鉄心との隙間にはめ込むの
に適当な形状としたものである。
【0033】空気抜き部に凹部を設けると、モールド時
に転写されて硬化樹脂突出部に凸部が形成される。この
凸部を利用して硬化樹脂突出部をキャビティ内で位置決
め係止すれば、硬化樹脂突出部がキャビティ内でずれた
りしない。かかる状態で、キャビティ内に合成樹脂を注
入すると、この固定子鉄心と共に硬化樹脂突出部が一体
成形される。また、このモールド時にも硬化樹脂突出部
が形成されるが、上記同様、つぎのモールド時にキャビ
ティ内に配置して一体成形すればよい。
【0034】つぎの発明によるモールドモータは、金型
によってモールド処理される固定子鉄心を備えたモール
ドモータにおいて、前のモールド時に発生する不要樹脂
材料を、つぎのモールド時に、前記モールド樹脂内に含
め一体成形したものである。
【0035】モールド時、例えば金型のランナによって
不要な樹脂材料が発生する。このモールド時にできた不
要樹脂材料は、つぎのモールド時に固定子鉄心に施すモ
ールド樹脂内に含めて一体成形する。なお、この構成
は、通常のモータのみならず、リニアモータの場合にも
適用できる。
【0036】つぎの発明による硬化樹脂ランナ部は、金
型による固定子鉄心のモールド時にランナによって成形
される硬化樹脂ランナ部であって、その両側に、前記固
定子鉄心の積層高さと同一の間隔の凸部または凹部を形
成したものである。
【0037】固定子鉄心の積層高さと同一の間隔で凸部
を設けると、固定子鉄心に硬化樹脂ランナ部を取り付け
ることができる。この状態で、固定子鉄心と共に一体成
形しても、凸部により固定子鉄心に位置決めされている
ため、ずれることがない。両側に凹部を設けた場合で
も、同様である。
【0038】つぎの発明によるモールドモータの製造方
法は、金型のキャビティ内に固定子鉄心を設置し、金型
のランナを通じて合成樹脂を注入し、当該金型を加熱す
ることで当該固定子鉄心をモールドするモールドモータ
の製造方法において、前記ランナによって成形される硬
化樹脂ランナ部が、前記固定子鉄心のスロット形状には
め込むのに適当な形状となるように、前記ランナを形成
し、前のモールド時に前記ランナによって成形された硬
化樹脂ランナ部を、つぎのモールド時にスロット内に配
置して一体成形するようにしたものである。
【0039】特にリニア形のモールドモータでは、製造
方法によっては固定子鉄心の両側付近のスロットの一部
が未使用状態になる場合がある。そこで、ランナをこの
スロットの未使用部に沿った形状にし、このランナによ
って形成された硬化樹脂ランナ部をスロット未使用部内
に配置して一体成形するようにした。
【0040】つぎの発明によるモールドモータ用金型
は、上金型と下金型とを備え、キャビティ内に固定子鉄
心を設置すると共に前記上金型と下金型との界面にラン
ナを形成し、このランナを通じてキャビティ内に合成樹
脂を注入するモールドモータ用金型において、前記ラン
ナ内面の全部または一部を、固定子鉄心のスロット形状
に類似した形状にしたものである。
【0041】ランナ内面の全部または一部を固定子鉄心
のスロット形状に類似した形状にすると、このランナに
より成形される硬化樹脂ランナ部は、スロットに挿入可
能な外形を備えることになる。主に、リニア形のモール
ドモータでは、両端付近のスロットの一部分または全部
が未使用になる場合があるので、このスロット内の未使
用部分に硬化樹脂ランナ部を挿入配置すれば、固定子鉄
心と共に一体成形することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるモールド
モータの製造方法、この方法に用いるモールドモータ用
金型、およびこの製造方法により製造したモールドモー
タ、並びに硬化樹脂ランナ部につき図面を参照しつつ詳
細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が
限定されるものではない。
【0043】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1にかかるモールドモータ用金型を示す縦断面図で
ある。図2は、図1に示したモールドモータ用金型の横
断面図である。詳しくは、金型キャビティ内に固定子鉄
心を設置し、合成樹脂を充填した状態を示す。合成樹脂
には、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱
硬化性樹脂を用いる。なお、熱硬化性樹脂ではなく、熱
可塑性樹脂を用いることもできる。
【0044】このモールドモータ用の金型100は、上
金型1、下金型2および中芯3から構成されている。金
型100には、合成樹脂4を樹脂注入装置(図示省略)
からキャビティ5内に注入するランナ6が形成されてい
る。ランナ6の両側には、それぞれ凹部7が設けられて
いる。この凹部7の内側面間隔(L1)は、固定子鉄心
8の積層板の高さに等しくする(L2)。
【0045】固定子鉄心8の外周には、位置決め用およ
び溶接固定用の3つの切り欠き部9が均等形成されてい
る。ランナ6の幅(W1)は、この切り欠き部9の幅
(W2)に等しくなる。固定子鉄心8には、前のモール
ド時に成形されて一旦取り除かれた硬化樹脂ランナ部1
0が取り付けてある。
【0046】硬化樹脂ランナ部10は、前記ランナ6を
転写した形状になるので、その両側に凸部11が形成さ
れることになる。この凸部11の対向面間隔は、固定子
鉄心8の積層板の高さに等しいから、硬化樹脂ランナ部
10を固定子鉄心8に係止して位置決めすることができ
る。また、この硬化樹脂ランナ部10は、前記切り欠き
部9にはめ込まれ、仮固定される。
【0047】固定子鉄心8のモールドにあたっては、ま
ず、固定子鉄心に巻線を施した後、これを金型100の
キャビティ5内に設置する。つぎに、金型100の型締
めを行い、流動状態の合成樹脂4を前記ランナ6からキ
ャビティ5内に加圧注入する。合成樹脂4は、キャビテ
ィの上側からスロット12の隙間、固定子鉄心8の外周
等を通ってキャビティの下側に至り、前記硬化樹脂ラン
ナ部10を包含する。
【0048】注入後、所定の温度まで加熱すると、キャ
ビティ5内の合成樹脂4が熱硬化する。つぎに、固定子
鉄心8を金型100から取り出すと、前記硬化樹脂ラン
ナ部10が一体成形されると共に、ランナ6によって新
たな硬化樹脂ランナ部10nが形成される。ランナ6の
両側には凹部7が設けているため、硬化樹脂ランナ部1
0の両側に凸部11ができコの字形状になる。この硬化
樹脂ランナ部10nを取り除くと、固定子鉄心8のモー
ルド処理が完了する。一方、新たに発生した硬化樹脂ラ
ンナ部10nは、同図に示すように、つぎのモールド時
に固定子鉄心8に取り付けて一体成形する。
【0049】以上、このモールドモータ用金型100を
用いて固定子鉄心8のモールド処理を行うようにすれ
ば、簡単な構造により、従来廃棄していた硬化樹脂ラン
ナ部10を再利用でき、廃棄物処理が不要になる。ま
た、硬化樹脂ランナ部10の両側に凸部11を設けたの
で、モールド時の硬化樹脂ランナ部10の移動を防止で
きる。なお、硬化樹脂ランナ部10に凸部11を形成せ
ず、そのままキャビティ5内に配置してモールドを行っ
てもよい。
【0050】また、ランナ6の両側に凸部を設け、成形
する硬化樹脂ランナ部10の両側に凹部を形成するよう
にしてもよい(図示省略)。この場合、固定子鉄心側に
凸部ようなものを設けるか、或いは既存の凹形状を利用
するかして、硬化樹脂ランナ部10を位置決めできるよ
うにする必要がある。さらに、ランナ6の凹部または凸
部は、金型の縦方向でなくてもよい。
【0051】例えば、横方向に凹部を設けるようにして
もよい(図示省略)。この場合は、硬化樹脂ランナ部1
0に横方向の凸部が形成されるから、この凸部を固定子
鉄心8に係止して位置決めする。さらに、硬化樹脂ラン
ナ部10に、機械加工やショットブラストを施して、表
面に微小な凹凸を設けてもよい。このようにすれば、合
成樹脂4との密着性が向上する。
【0052】なお、ランナの数は鉄心きり欠き部分の
数、形状に応じて、複数個設けてもよく、その場合は樹
脂の注入が容易になり、生産性が向上する。
【0053】実施の形態2.図3は、この発明の実施の
形態3にかかるモールドモータ用金型を示す一部縦断面
図である。図4は、図3に示したモールドモータ用金型
の横断面図である。この実施の形態2にかかるモールド
モータ用金型200は、実施の形態1のモールドモータ
用金型100と略同様の構成であるが、ランナ6に突起
部201を設けた点に特徴がある。それ以外は、実施の
形態1のモールドモータ用金型と同じであるから説明を
省略する。
【0054】ランナ6を形成する上金型1側には、円柱
形状の2つの突起部201が設けられている。上金型1
と下金型2とを組み合わせたとき、ちょうどランナ6内
の柱のようになる。このランナ6を介して合成樹脂4を
注入し、加熱硬化させると、突起部201の作用によっ
て硬化樹脂ランナ部10に穴部202が形成される。こ
の硬化樹脂ランナ部10を図5に示す。
【0055】この硬化樹脂ランナ部10も、上記同様、
固定子鉄心8の積層板に係止した状態で一体成形する。
この硬化樹脂ランナ部10には穴部202が設けられて
いるので、成形時に当該穴部202に樹脂が流れ込むこ
とになって、硬化樹脂ランナ部10を強固に固定する。
なお、上記突起部201を長くして、形成する穴部20
2を貫通穴にしてもよい(図示省略)。さらに、硬化樹
脂ランナ部10に、機械加工やショットブラストを施し
て、表面に微小な凹凸を設けてもよい。このようにすれ
ば、合成樹脂4との密着性が向上する。
【0056】実施の形態3.図6は、この発明の実施の
形態3にかかるモールドモータ金型を示す縦断面図であ
る。図7は、図6に示したモールドモータ金型の横断面
図である。この固定子鉄心301は、例えば三相モータ
などに用いる、外周にフレーム302を固定したもので
ある。固定子鉄心301のフレーム302底部には、下
金型303がはめ込まれている。
【0057】また、固定子鉄心301の内部には円筒状
治具304が配置され、当該円筒状治具304の外周面
が固定子鉄心301の内周面に密着している。円筒状治
具304の下部には、樹脂が通る樹脂通路305が設け
られている。また、この円筒状治具304内には、樹脂
を押し出すためのピストン306が摺動可能に配置され
ている。このピストン306には、空気抜き部307が
設けられており、外周には気密を保つためのOリング3
08が配置されている。空気抜き部307の入口には、
凹部309が形成されている。
【0058】固定子鉄心301の外周には、縦方向の切
り欠き部310が4つ均等に設けられている。従って、
フレーム302と切り欠き部310との間に隙間311
ができる。この隙間311には、前のモールドで空気抜
き部307において成形された硬化樹脂突出部312が
はめ込まれている。空気抜き部307(硬化樹脂突出
部)は、断面がかまぼこ形状(円弧と弦)であり、高さ
(h1)が切り欠き部310とフレーム302との隙間
311の高さ(h2)と略同一となっている。
【0059】また、幅(L3)は、前記隙間311の幅
(L4)より短くなっている。この隙間311に硬化樹
脂突出部312をはめ込んだとき、凹部309により形
成された凸部313によって固定子鉄心301に係止
し、位置決めされる。
【0060】固定子鉄心301のモールドにあたって
は、まず、固定子鉄心301に巻線を施した後、フレー
ム302の下部に下金型303を填め込む。つぎに、固
定子鉄心301に円筒状治具304を挿入し、加熱する
ことで当該円筒状治具304を固定子鉄心301に密着
させる。
【0061】続いて、この円筒状治具304内に流動状
態の合成樹脂314を入れ、ピストン306によって合
成樹脂314を加圧する。合成樹脂314は、円筒状治
具304の樹脂通路305から当該円筒状治具304、
フレーム302および下金型303からなるキャビティ
315内に注入される。キャビティ315内の合成樹脂
314は、スロットの隙間、固定子鉄心301とフレー
ム302との間等を通って上昇し、硬化樹脂突出部31
2を包含する。
【0062】注入後、所定の温度まで加熱すると、キャ
ビティ315内の合成樹脂314が熱硬化する。つぎ
に、固定子鉄心301を金型300から取り出すと、前
記硬化樹脂突出部312が一体成形されると共に、空気
抜け穴307によって新たな硬化樹脂突出部312nが
形成される。新たに発生した硬化樹脂突出部312n
は、同図に示すように、つぎのモールド時に固定子鉄心
301に取り付けて一体成形する。
【0063】以上、このモールドモータ用金型300を
用いて固定子鉄心301のモールド処理を行うようにす
れば、簡単な構造により、従来廃棄していた硬化樹脂突
出部を再利用でき、廃棄物処理が不要になる。また、硬
化樹脂突出部312の片側に凸部313を設けたので、
モールド時の硬化樹脂突出部312の移動を防止でき
る。なお、硬化樹脂突出部312に凸部313を形成せ
ず、そのままキャビティ315内に配置してモールドを
行ってもよい。
【0064】なお、上記隙間311形状と空気抜き部3
07の断面形状とを一致させてもよい。この空気抜き部
307の個数は、2個に限定されない。また、空気抜け
部307の上側または下側に凸部を設けて、成形する硬
化樹脂突出部312に凹部を設けるようにしてもよい。
さらに、硬化樹脂突出部312に、機械加工やショット
ブラストを施して、表面に微小な凹凸を設けてもよい。
このようにすれば、合成樹脂との密着性が向上する。
【0065】実施の形態4.図8は、この発明の実施の
形態4にかかるモールドモータ用金型を示す断面図であ
る。このモールドモータ用金型400はリニア型モータ
用のものであり、同図には、上記モールド方法をリニア
型モータに用いた例を示している。このモールドモータ
用金型400は、上金型401と下金型402とから構
成されており、この上金型401と下金型402との界
面にランナ403を形成している。
【0066】また、固定子鉄心404のスロット405
内には、前のモールド時にランナ403によって成形し
た硬化樹脂ランナ部406が挿入されている。ランナ4
03の形状は、円筒状、角柱状でもよく、また、スロッ
ト405形状に一致させるようにしてもよい。
【0067】キャビティ407内に固定子鉄心404を
入れ、上金型401と下金型402とを密着固定する。
また、リニア型モータでは、固定子鉄心404の両端付
近のスロット405が未使用状態になるので、このスロ
ット405内に、前に成形した硬化樹脂ランナ部406
を配置する。そして、流動状態の合成樹脂408をラン
ナ403を通じてキャビティ407内に加圧注入する。
これにより、スロット405内に合成樹脂408が侵入
するから、前記硬化樹脂ランナ部406を包含すること
ができる。
【0068】続いて、所定の温度まで加熱すると、キャ
ビティ407内の合成樹脂408が熱硬化する。つぎ
に、固定子鉄心404を金型400から取り出すと、前
記硬化樹脂ランナ部406が一体成形されると共に、ラ
ンナ403によって新たな硬化樹脂ランナ部406nが
形成される。新たに発生した硬化樹脂ランナ部406n
は、同図に示すように、つぎのモールド時に固定子鉄心
404のスロット405内に配置して一体成形する。
【0069】以上、このモールドモータ用金型400を
用いて固定子鉄心404のモールド処理を行うようにす
れば、リニア型モータにおいても、従来廃棄していた硬
化樹脂ランナ部を再利用でき、廃棄物処理が不要にな
る。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
モールドモータの製造方法によれば、ランナによって成
形された硬化樹脂ランナ部を、つぎのモールド時にキャ
ビティ内に配置して一体にモールド成形するようにした
ので、簡単な金型構造で樹脂の再利用が可能になり、廃
棄物処理が不要になる。
【0071】つぎの発明にかかるモールドモータの製造
方法では、前記ランナに凹部を設け、この凹部により形
成された凸部を用いて硬化樹脂ランナ部をキャビティ内
で位置決め係止し、この状態で一体成形するようにした
ので、簡単な金型構造で樹脂の再利用が可能になり、廃
棄物処理が不要になる。また、硬化樹脂ランナ部を位置
決めできるから、製造しやすい。
【0072】つぎの発明にかかるモールドモータの製造
方法では、硬化樹脂ランナ部に固定子鉄心の積層高さと
同一間隔を持つ凸部または凹部を形成するようにしたの
で、固定子鉄心と一体成形するときに、硬化樹脂ランナ
部を固定子鉄心に正確に位置決めできる。
【0073】つぎの発明にかかるモールドモータの製造
方法では、ランナに柱状突起を設け、硬化樹脂ランナ部
に穴部を形成するようにしたので、合成樹脂が穴部に入
り込むから、硬化樹脂ランナ部を強固に固定できる。
【0074】つぎの発明にかかるモールドモータの製造
方法では、空気抜け部が、外周フレームと固定子鉄心と
の隙間を前記硬化樹脂突出部をはめ込むのに適当な形状
であるから、つぎのモールド時に、前記隙間にはめ込ん
で一体成形できる。簡単な金型構造で樹脂の再利用が可
能になり、廃棄物処理が不要になる。
【0075】つぎの発明にかかるモールドモータの製造
方法では、前記空気抜き部に凹部を設け、この凹部によ
り形成された凸部を用いて硬化樹脂突出部をキャビティ
内で位置決め係止し、この状態で一体成形するようにし
たので、簡単な金型構造で樹脂の再利用が可能になり、
廃棄物処理が不要になる。また、硬化樹脂突出部を位置
決めできるから、製造しやすい。
【0076】つぎの発明にかかるモールドモータの製造
方法では、硬化樹脂突出部の断面をかまぼこ形状にした
ので、外周フレームと固定子鉄心との隙間にはめ込んで
固定することができる。このため、硬化樹脂突出部がず
れることなく一体成形できる。
【0077】つぎの発明にかかるモールドモータ用金型
では、ランナに凹部または凸部を設けたので、モールド
後、硬化樹脂ランナ部に凸部または凹部が形成される。
従って、この凸部または凹部を固定子鉄心などに係止す
ることにより、硬化樹脂ランナ部をずらすことなく一体
成形できる。
【0078】つぎの発明にかかるモールドモータ用金型
では、硬化樹脂ランナ部に固定子鉄心の積層高さと同一
間隔を持つ凸部または凹部を形成するようにしたので、
固定子鉄心と一体成形するときに、硬化樹脂ランナ部を
固定子鉄心に正確に位置決めできる。
【0079】つぎの発明にかかるモールドモータ用金型
では、ランナに柱状突起を設け、硬化樹脂ランナ部に穴
部を形成するようにしたので、合成樹脂が穴部に入り込
むから、硬化樹脂ランナ部を強固に固定できる。
【0080】つぎの発明にかかるモールドモータ用金型
では、空気抜け部が、外周フレームと固定子鉄心との隙
間を前記硬化樹脂突出部をはめ込むのに適当な形状であ
るから、つぎのモールド時に、前記隙間にはめ込んで一
体成形できる。簡単な金型構造で樹脂の再利用が可能に
なり、廃棄物処理が不要になる。
【0081】つぎの発明にかかるモールドモータ用金型
では、前記空気抜き部に凹部を設け、さらにその形状
を、空気抜き部により形成された硬化樹脂突出部を外周
フレームと固定子鉄心との隙間にはめ込むのに適当なも
のにしたので、簡単な金型構造で樹脂の再利用が可能に
なり、廃棄物処理が不要になる。また、硬化樹脂突出部
を位置決めできるから、製造しやすい。
【0082】つぎの発明にかかるモールドモータによれ
ば、不要樹脂材料を、つぎのモールド時にモールド樹脂
内に含め一体成形するようにしたので、樹脂の再利用が
可能になり、廃棄物処理が不要になる。
【0083】つぎの発明にかかる硬化樹脂ランナ部で
は、両側に、前記固定子鉄心の積層高さと同一の間隔の
凸部または凹部を形成したので、固定子鉄心と一体成形
するときに、硬化樹脂ランナ部を固定子鉄心に正確に位
置決めできる。
【0084】つぎの発明にかかるモールドモータの製造
方法では、前のモールド時にランナによって成形された
硬化樹脂ランナ部を、つぎのモールド時にスロット内に
配置して一体成形するようにしたので、簡単な金型構造
で樹脂の再利用が可能になり、廃棄物処理が不要にな
る。
【0085】つぎの発明にかかるモールドモータ用金型
では、ランナ内面の全部または一部を、固定子鉄心のス
ロット形状にしたので、スロット内にて硬化樹脂ランナ
部を一体成形できる。このため、簡単な金型構造で樹脂
の再利用が可能になり、廃棄物処理が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1にかかるモールドモ
ータ用金型を示す縦断面図である。
【図2】 図1に示したモールドモータ用金型の横断面
図である。
【図3】 この発明の実施の形態3にかかるモールドモ
ータ用金型を示す一部縦断面図である。
【図4】 図3に示したモールドモータ用金型の横断面
図である。
【図5】 硬化樹脂ランナ部を示す斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態3にかかるモールドモ
ータ金型を示す縦断面図である。
【図7】 図6に示したモールドモータ金型の横断面図
である。
【図8】 この発明の実施の形態4にかかるモールドモ
ータ用金型を示す断面図である。
【図9】 従来のモールドモータの製造方法を示す断面
説明図である。
【図10】 特開平9―174616号公報に記載の熱
硬化性樹脂射出成形機用金型を示す断面説明図である。
【符号の説明】
100 モールドモータ用金型、1 上金型、2 下金
型、3 中芯、4 合成樹脂、5 キャビティ、6 ラ
ンナ、7 凹部、8 固定子鉄心、9 切り欠き部、1
0 硬化樹脂ランナ部、11 凸部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H605 AA07 BB05 BB09 CC01 FF06 GG18 GG20 5H615 AA01 BB01 BB07 BB14 BB16 PP01 PP28 SS13 SS44 TT26

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型のキャビティ内に固定子鉄心を設置
    し、金型のランナを通じて合成樹脂を注入し、当該金型
    を加熱することで当該固定子鉄心をモールドするモール
    ドモータの製造方法において、 前のモールド時に前記ランナによって成形された硬化樹
    脂ランナ部を、つぎのモールド時にキャビティ内に配置
    して一体成形するようにしたことを特徴とするモールド
    モータの製造方法。
  2. 【請求項2】 金型のキャビティ内に固定子鉄心を設置
    し、金型のランナを通じて合成樹脂を注入し、当該金型
    を加熱することで当該固定子鉄心をモールドするモール
    ドモータの製造方法において、 前記ランナに凹部または凸部を設け、 前のモールド時に前記ランナによって成形された硬化樹
    脂ランナ部を、つぎのモールド時にキャビティ内に配置
    すると共に前記ランナの凹部または凸部により形成され
    た凸部または凹部を用いて硬化樹脂ランナ部をキャビテ
    ィ内で位置決め係止し、この状態で一体成形するように
    したことを特徴とするモールドモータの製造方法。
  3. 【請求項3】 金型のキャビティ内に固定子鉄心を設置
    し、金型のランナを通じて合成樹脂を注入し、当該金型
    を加熱することで当該固定子鉄心をモールドするモール
    ドモータの製造方法において、 前記ランナに、固定子鉄心の積層高さと同一の間隔をも
    って2つの凹部または凸部を設け、 前のモールド時に前記ランナによって成形された硬化樹
    脂ランナ部を、つぎのモールド時にキャビティ内に配置
    すると共に前記ランナの凹部または凸部により形成され
    た凸部または凹部を用いて硬化樹脂ランナ部を固定子鉄
    心に取り付けて、この状態で一体成形するようにしたこ
    とを特徴とするモールドモータの製造方法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記ランナに柱状突起を設け、
    硬化樹脂ランナ部に穴部を形成したことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか一つに記載のモールドモータの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 外周フレームを備えた環状の固定子鉄心
    を下金型に載置すると共に当該固定子鉄心の中心に筒状
    部材を配置し、この筒状部材の内側に合成樹脂を入れ、
    空気抜き穴を有するピストンによって加圧することで、
    前記外周フレーム、下金型および筒状部材から構成する
    キャビティ内に当該筒状部材の樹脂通路を通じて樹脂を
    注入し、固定子鉄心をモールドするモールドモータの製
    造方法において、 空気抜き部が、当該空気抜き部により形成された硬化樹
    脂突出部を外周フレームと固定子鉄心との隙間にはめ込
    むのに適当な形状であり、モールド後に、この空気抜き
    部により形成された硬化樹脂突出部を取り除き、つぎの
    モールド時に、前記隙間にはめ込んで一体成形するよう
    にしたことを特徴とするモールドモータの製造方法。
  6. 【請求項6】 外周フレームを備えた環状の固定子鉄心
    を下金型に載置すると共に当該固定子鉄心の中心に筒状
    部材を配置し、この筒状部材の内側に合成樹脂を入れ、
    空気抜き穴を有するピストンによって加圧することで、
    前記外周フレーム、下金型および筒状部材から構成する
    キャビティ内に当該筒状部材の樹脂通路を通じて樹脂を
    注入し、固定子鉄心をモールドするモールドモータの製
    造方法において、 空気抜き部に凹部を設け、かつ、当該空気抜け部が、空
    気抜き部により形成された硬化樹脂突出部を外周フレー
    ムと固定子鉄心との隙間にはめ込むのに適当な形状であ
    り、モールド後に、この空気抜き部により形成された硬
    化樹脂突出部を取り除き、つぎのモールド時に、前記隙
    間にはめ込むと共に前記凹部により形成した凸部を用い
    て硬化樹脂突出部をキャビティ内で位置決め係止し、こ
    の状態で一体成形するようにしたことを特徴とするモー
    ルドモータの製造方法。
  7. 【請求項7】 さらに、前記外周フレーム内面と固定子
    鉄心の積層方向平面切り欠き面とで隙間をつくり、前記
    空気抜け部の断面をかまぼこ形状とし、この空気抜け部
    により形成したかまぼこ形状の硬化樹脂突出部を前記隙
    間にはめ込むにあたり、当該硬化樹脂突出部の平面を前
    記固定子鉄心の積層方向平面切り欠き面に当接させ、硬
    化樹脂突出部の曲面を前記外周フレームの内面に当接さ
    せるようにしたことを特徴とする請求項5または6に記
    載のモールドモータの製造方法。
  8. 【請求項8】 上金型と下金型とを備え、キャビティ内
    に固定子鉄心を設置すると共に前記上金型と下金型との
    界面にランナを形成し、このランナを通じてキャビティ
    内に合成樹脂を注入するモールドモータ用金型におい
    て、 前記ランナに、凹部または凸部を設けたことを特徴とす
    るモールドモータ用金型。
  9. 【請求項9】 上金型と下金型とを備え、キャビティ内
    に固定子鉄心を設置すると共に前記上金型と下金型との
    界面にランナを形成し、このランナを通じてキャビティ
    内に合成樹脂を注入するモールドモータ用金型におい
    て、 前記ランナに、固定子鉄心の積層高さと同一の間隔をも
    って2つの凹部または凸部を設けたことを特徴とするモ
    ールドモータ用金型。
  10. 【請求項10】 さらに、前記ランナに柱状突起を設け
    たことを特徴とする請求項8または9に記載のモールド
    モータ用金型。
  11. 【請求項11】 固定子鉄心の外周フレームにはめ込む
    下金型と、固定子鉄心の内部に挿入し底部を下金型に固
    定した筒状部材と、筒状部材の内側に挿入し、前記外周
    フレーム、下金型および筒状部材から構成するキャビテ
    ィ内に当該筒状部材の樹脂通路を通じて樹脂を注入する
    ピストンと、ピストンに設けた空気抜け部とを備えたモ
    ールドモータ用金型において、 前記空気抜け部が、空気抜き部により形成された硬化樹
    脂突出部を外周フレームと固定子鉄心との隙間にはめ込
    むのに適当な形状であることを特徴とするモールドモー
    タ用金型。
  12. 【請求項12】 固定子鉄心の外周フレームにはめ込む
    下金型と、固定子鉄心の内部に挿入し底部を下金型に固
    定した筒状部材と、筒状部材の内側に挿入し、前記外周
    フレーム、下金型および筒状部材から構成するキャビテ
    ィ内に当該筒状部材の樹脂通路を通じて樹脂を注入する
    ピストンと、ピストンに設けた空気抜け部とを備えたモ
    ールドモータ用金型において、 空気抜き部に凹部を設け、かつ、当該空気抜け部が、空
    気抜き部により形成された硬化樹脂突出部を外周フレー
    ムと固定子鉄心との隙間にはめ込むのに適当な形状であ
    ることを特徴とするモールドモータ用金型。
  13. 【請求項13】 金型によってモールド処理される固定
    子鉄心を備えたモールドモータにおいて、 前のモールド時に発生する不要樹脂材料を、つぎのモー
    ルド時に、前記モールド樹脂内に含め一体成形したこと
    を特徴とするモールドモータ。
  14. 【請求項14】 金型による固定子鉄心のモールド時に
    ランナによって成形される硬化樹脂ランナ部であって、
    その両側に、前記固定子鉄心の積層高さと同一の間隔の
    凸部または凹部を形成したことを特徴とする硬化樹脂ラ
    ンナ部。
  15. 【請求項15】 金型のキャビティ内に固定子鉄心を設
    置し、金型のランナを通じて合成樹脂を注入し、当該金
    型を加熱することで当該固定子鉄心をモールドするモー
    ルドモータの製造方法において、 前記ランナによって成形される硬化樹脂ランナ部が、前
    記固定子鉄心のスロット形状にはめ込むのに適当な形状
    となるように、前記ランナを形成し、 前のモールド時に前記ランナによって成形された硬化樹
    脂ランナ部を、つぎのモールド時にスロット内に配置し
    て一体成形するようにしたことを特徴とするモールドモ
    ータの製造方法。
  16. 【請求項16】 上金型と下金型とを備え、キャビティ
    内に固定子鉄心を設置すると共に前記上金型と下金型と
    の界面にランナを形成し、このランナを通じてキャビテ
    ィ内に合成樹脂を注入するモールドモータ用金型におい
    て、 前記ランナ内面の全部または一部を、固定子鉄心のスロ
    ット形状にしたことを特徴とするモールドモータ用金
    型。
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