JP2000162126A - 画像情報読取装置 - Google Patents

画像情報読取装置

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JP2000162126A
JP2000162126A JP10333666A JP33366698A JP2000162126A JP 2000162126 A JP2000162126 A JP 2000162126A JP 10333666 A JP10333666 A JP 10333666A JP 33366698 A JP33366698 A JP 33366698A JP 2000162126 A JP2000162126 A JP 2000162126A
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JP10333666A
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English (en)
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Toshihito Kimura
俊仁 木村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学ヘッド走査方式の画像情報読取装置にお
いて、検出信号のS/Nを向上させる。 【解決手段】 光学ヘッド50により、レーザ光Lを試料
10の下面に照射し、かつこの試料10の下面から出射する
蛍光K1をPMT40に導光させる構成の画像上方読取り
装置において、この上面から出射する蛍光K2を、試料
10を介して下面側に反射せしめる凹面鏡71を、試料50の
上面側に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像情報読取装置に
関し、詳細には、光学ヘッドを有する画像情報読取装置
におけるS/Nの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、生化学・分子生物学分野にお
いては、蛍光色素を標識物質として使用した蛍光検出
(fluorescence) システムが知られている。このシステ
ムによれば、蛍光色素で標識された生体由来物質が分布
したゲル等の試料に係る蛍光画像情報を光電的に読み取
ることにより、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験
用マウスにおける投与物質の代謝・吸収・***の経路・
状態、タンパク質の分離・同定、あるいは分子量、特性
の評価などを行なうことができる。
【0003】例えば、懸濁液中の生細胞や溶液中の生物
学的化合物(タンパク質など)をその電荷によって電場
中を陽極または陰極に移動させる電気泳動により、複数
のDNA断片を含む溶液中に蛍光色素を加えた後、複数
のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは
蛍光色素を含有させたゲル支持体上で複数のDNA断片
を電気泳動させ、あるいは複数のDNA断片をゲル支持
体上で電気泳動させた後にこのゲル支持体を蛍光色素を
含む溶液に浸すなどして、蛍光で標識されたDNA断片
が分布したゲル支持体を得、これに、標識物質として用
いられた蛍光色素を励起せしめる励起光を照射して、ゲ
ル支持体上で発光する蛍光を光電的に読み取り、これに
より蛍光で標識されたDNA断片の分布を表す画像情報
を取得し、得られた画像情報に基づいてCRT等の表示
部に可視画像(上記分布画像(蛍光画像))を表示する
ことにより、DNA断片の分子量などの評価を行うこと
ができる。
【0004】そして上述したゲル支持体に励起光を照射
し、蛍光を光電的に読み取って画像情報を得、得られた
画像情報に基づいて蛍光画像を表示装置に表示する画像
情報読取装置が、生化学・分子生物学分野において広く
普及している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この画像情
報読取装置における励起光の照射は、回転多面鏡とfθ
レンズを用いて走査することが一般的であるが、本願出
願人は、光源から出射された励起光を通過せしめてゲル
支持体(試料)に励起光を照射せしめる透孔が一部に形
成された、試料の、励起光の照射面から出射した蛍光を
反射して光電読取手段に導光せしめるミラーを有する光
学ヘッド、およびこの光学ヘッドを試料に対して等速移
動せしめる走査手段を備えた光学ヘッド走査方式の画像
情報読取装置を提案している(特開平10−3134号等)。
【0006】この方式を採用した画像情報読取装置によ
れば、細いビームの励起光はミラーの一部に形成された
透孔を通過して試料を励起し、この励起により発光した
蛍光は、試料を照射する励起光と同一の光路を反対方向
に進み、透孔が形成されたミラーに到達するが、このミ
ラーに到達した蛍光は、そのビーム径が励起光に比して
太いため、透孔を通過するのはその極一部であり、ミラ
ーに到達したその殆どが当該ミラーで反射されて光電読
取手段に導光され、光電読取手段により光電検出され
る。そしてこの方式では、ダイクロイックミラーを用い
ることなく励起光を試料に照射することができるため、
ダイクロイックミラーを透して励起光を照射する方式に
比してより強い励起エネルギを試料に付与することがで
き、光電検出される信号(画像情報)のS/Nを向上さ
せることができる。
【0007】しかし検出信号のS/Nを向上させた、上
記光学ヘッド走査方式を採用する画像情報読取装置にお
いても、微弱な蛍光を検出するにあたっては、さらなる
S/Nの向上が求められている。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、従来の画像情報読取装置よりもさらに検出信号の
S/Nを向上させた光学ヘッド走査方式の画像情報読取
装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の画像情報読取装
置は、試料の、光学ヘッドが配設されている面(照射
面)側とは反対の面(以下、便宜上、裏面という)側か
ら出射する蛍光も検出することにより、またはこれに加
えて、裏面側から出射する励起光を用いて再度試料を励
起せしめてさらに出射した蛍光も検出することにより、
検出信号のS/Nを向上させるものであり、本発明の第
1の画像情報読取装置は、試料の裏面側に反射光学系を
配設し、少なくともこの裏面側から出射する蛍光を試料
に反射させて照射面側から出射させ、光学ヘッドのミラ
ーにより光電読取手段に検出させるようにしたものであ
り、一方、本発明の第2の画像情報読取装置は、試料の
裏面側に、この裏面から出射した蛍光を、光学ヘッドを
介する光路とは別の光路で光電読取手段まで導光せしめ
る導光光学系を配設したものである。
【0010】すなわち本発明の第1の画像情報読取装置
は、蛍光色素で標識された生体由来物質が分布する試料
が所定の位置に配置された試料配置部と、前記蛍光色素
を励起せしめる励起光を出射する励起光源と、前記蛍光
色素から発光する蛍光を光電的に読み取る光電読取手段
と、その一部に、前記励起光を通過せしめて前記試料に
該励起光を照射せしめる透孔が形成された、前記試料
の、該励起光の照射面から出射した前記蛍光を反射して
前記光電読取手段に導光せしめるミラーを有する光学ヘ
ッドと、該光学ヘッドおよび/または前記試料を互いに
相対的にて移動せしめる走査手段とを備えた画像情報読
取装置において、前記試料の、前記照射面側とは反対の
面側に配設されて、少なくとも該反対の面から出射する
蛍光を前記試料に反射せしめ、該反射された蛍光のうち
少なくとも一部を前記照射面側から出射せしめる反射光
学系をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0011】試料配置部は、主として試料を載置する試
料台などを含むものであり、試料台を用いた構成におい
ては、試料の一方の面が試料に接する載置面となる。こ
の場合、試料台は、光学的に透明、すなわち少なくとも
蛍光を透過しうる材料により形成されていることを要す
る。一方、試料台を用いることなく、試料の四隅だけを
支持して配置する構成の試料配置部であれば、その試料
配置部自体が光学的に透明であることを要するものでは
ない。
【0012】なお試料配置部の構成に拘わらず、試料自
体は、少なくとも蛍光自体を透過しうる程度に光学的に
透明であることを要し、生化学・分子生物学分野におい
て用いられるゲル支持体、ガラス付きゲル支持体、スラ
イドガラス、マイクロタイタープレート等などが該当す
る。
【0013】生物体由来物質とは、広く生体に係る物質
であって、たとえばホルモン類、腫瘍マーカ、酵素、蛋
白質、核酸、抗体、抗原となり得る種々の物質等、さら
には各種cDNA、mRNAを含むものを意味する。
【0014】励起光は、レーザ光を始めとして、蛍光色
素を励起させるのに適した光を指すものである。
【0015】光電読取手段としては、蛍光等の微弱な光
を感度よく検出しうる光電子増倍管(フォトマルチプラ
イヤ;PMT)などを適用するのが好ましいが、これに
限るものではなく、冷却CCDなどの公知の光電読取手
段の適用を妨げるものではない。
【0016】少なくとも蛍光を試料に反射せしめとは、
試料の裏面側からは、蛍光の他に励起光も出射するた
め、蛍光のみを試料側に反射せしめることに限るもので
はなく、励起光をも反射させるものであってもよいこと
を意味する。すなわち、蛍光のみを反射させる構成にあ
っては、その反射された蛍光のうち少なくとも一部が試
料を通過して照射面から出射し、光学ヘッドにより反射
されて光電読取手段に入射するため、検出される蛍光の
光量が増大し、一方、さらに励起光をも反射させる構成
にあっては、反射された励起光が試料を再度照射するた
め、照射された試料の部分は再度励起されてさらに蛍光
を発し、この蛍光のうち上記照射面から出射した少なく
とも一部を光電読取手段により検出することで、検出さ
れる蛍光の光量を増大させることができる。この場合、
照射面側に透過した励起光は励起光カットフィルタによ
りカットすればよく、また、反射光学系の反射面の精度
に問題がある等の原因によって試料裏面における反射励
起光による照射範囲が拡がる場合は、光電読取手段と試
料との間に共焦点光学系を配して、光電読取手段に入射
する蛍光の出射範囲を狭い範囲に絞ればよい。
【0017】また、走査手段による光学ヘッドおよび/
または試料の移動方向を一方向に限るものとした構成に
おいては、その移動方向は主走査方向であり、励起光
源、光電読取手段、光学ヘッドおよび反射光学系と、試
料配置部とを、相対的に上記移動方向に直交する方向
(副走査方向)に移動せしめる副走査手段をさらに備え
たものとすることにより、主走査と副走査との組合せ
で、試料配置部に配置された試料の全面を励起光で走査
することができる。
【0018】一方、走査手段による光学ヘッドおよび/
または前記試料の移動方向を一方向に限らない構成にお
いては、走査手段だけで、試料配置部に配置された試料
の全面を励起光で走査することができるため、この光学
ヘッド、励起光源、光電読取手段および反射光学系を一
体的に結合した構成として、励起光源等を光学ヘッドと
ともに走査手段により移動させ、または試料(および試
料配置部)のみを走査手段により移動させるようにして
もよい。
【0019】反射光学系は、その反射面のうち、試料の
裏面から出射した励起光が入射すべき部分に、励起光を
通過せしめる逃げ部(孔や空隙)が設けられたもの、お
よび/または、励起光の反射を阻止するコーティングが
施されている構成を採用することもできる。この構成に
おいては、反射光学系により励起光を試料側に反射させ
ることはできないため、反射励起光を用いての再励起は
不可能になるものの、試料の裏面から出射した蛍光を試
料側に反射せしめることができるため、この反射された
蛍光の少なくとも一部が試料を透過して光電読取手段に
入射し、検出される蛍光の光量が増大し、S/Nを向上
させることができる。
【0020】また反射光学系としては具体的には、上記
裏面に向かって凹の凹面鏡、またはコリメータレンズと
平面鏡との組合せからなるものなどを適用することがで
きる。
【0021】なお、さらに、走査手段による光学ヘッド
および/または試料の移動方向を一方向に限るものとし
た構成においては、上記凹面鏡に代えて、上記移動方向
に延び、その横断面(移動方向に直交する断面)が裏面
に向かって凹の反射面を有する長尺の反射鏡を適用する
ことができ、また、コリメータレンズと平面鏡との組合
せからなるものに代えて、上記移動方向に延び、その横
断面内で屈折力を有するシリンドリカルレンズと長尺の
平面鏡との組合せからなるものを適用することができ
る。このように光学ヘッドおよび/または試料の移動方
向が一方向に限られるものであり、反射光学系として、
その一方向に延びる長尺の各光学系を適用した構成にお
いては、光学ヘッドの主走査の際は、当該反射光学系を
光学ヘッドとともに移動させる必要がなく、副走査の際
においてのみ光学ヘッドと一体的に、試料に対して相対
的に移動させればよい。また光学ヘッド側を主走査する
のではなく、試料側を主走査する構成においては、反射
光学系はヘッドと一体的に固定していればよい。
【0022】本発明の第2の画像情報読取装置は、蛍光
色素で標識された生体由来物質が分布する試料が所定の
位置に配置された試料配置部と、前記蛍光色素を励起せ
しめる励起光を出射する励起光源と、前記蛍光色素から
発光する蛍光を光電的に読み取る光電読取手段と、その
一部に、前記励起光を通過せしめて前記試料に該励起光
を照射せしめる透孔が形成された、前記試料の、該励起
光の照射面から出射した前記蛍光を反射して前記光電読
取手段に導光せしめるミラーを有する光学ヘッドと、該
光学ヘッドおよび/または前記試料を互いに相対的に移
動せしめる走査手段とを備えた画像情報読取装置におい
て、前記試料の、前記照射面側とは反対の面側に配設さ
れて、該反対の面から出射する蛍光のうち少なくとも一
部を、前記光電読取手段に導光せしめる導光光学系をさ
らに備えたことを特徴とするものである。
【0023】ここで、走査手段による光学ヘッドおよび
/または試料の移動方向を一方向に限るものとした構成
においては、その移動方向は主走査方向であり、励起光
源、光電読取手段、光学ヘッドおよび導光光学系と、試
料配置部とを、相対的に上記移動方向に直交する方向
(副走査方向)に移動せしめる副走査手段をさらに備え
たものとすることにより、主走査と副走査との組合せ
で、試料配置部に配置された試料の全面を励起光で走査
することができる。
【0024】一方、走査手段による光学ヘッドおよび/
または試料の移動方向を一方向に限らない構成において
は、走査手段だけで、試料配置部に配置された試料の全
面を励起光で走査することができるため、この光学ヘッ
ド、励起光源、光電読取手段および導光光学系を一体的
に結合した構成として、励起光源等を光学ヘッドととも
に走査手段により移動させ、または試料(および試料配
置部)のみを走査手段により移動させるようにしてもよ
い。
【0025】また導光光学系の入射面(試料の裏面から
出射した蛍光が入射する面)のうち、試料の裏面から出
射した励起光が入射すべき部分に、該励起光の通過を阻
止する励起光カットフィルタが配設されている構成を採
るのが好ましい。導光光学系の反射面で、蛍光とともに
励起光が反射されるのを回避することができるからであ
る。
【0026】導光光学系としては具体的には、光ファイ
バなどを適用することができる。
【0027】なお、走査手段による光学ヘッドおよび/
または試料の移動方向を一方向に限るものとした構成に
おいては、上記光ファイバが上記移動方向に沿って配列
された光ファイバ束を適用することができる。このよう
に光学ヘッドおよび/または試料の移動方向が一方向に
限られるものであり、導光光学系として、その一方向に
延びる光ファイバ束を適用した構成においては、光学ヘ
ッドの主走査の際は、当該導光光学系を光学ヘッドとと
もに移動させる必要がなく、副走査の際においてのみ光
学ヘッドと一体的に、試料に対して相対的に移動させれ
ばよい。また光学ヘッド側を主走査するのではなく、試
料側を主走査する構成においては、導光光学系を試料と
一体的に主走査させるようにすればよい。
【0028】さらに、光電読取手段に入射する、導光光
学系を通過する光と光学ヘッドを通過する光とのうち、
光電読取手段に入射する光を択一的に切り換える切換手
段をさらに備えた構成を採用することもできる。このよ
うな切換手段をさらに設けた構成の画像情報読取装置に
よれば、例えば光学ヘッド側の光路を遮断することによ
り、上記試料配置部に透過原稿を配置して、濃淡画像も
光電的に検出することも付加的に可能となり、一方、導
光光学系側の光路を遮断することにより、上記試料配置
部に反射原稿を配置して、濃淡画像を光電的に検出する
ことも付加的に可能となる。
【0029】
【発明の効果】本発明の画像情報読取装置によれば、試
料の照射面側から出射する蛍光のみならず、裏面側から
出射した蛍光も検出することにより、またはこれに加え
て裏面から出射した励起光を試料の再度の励起に用いて
試料からさらに出射した蛍光をも検出することにより、
全体として検出される信号成分を増大させることがで
き、これにより検出信号のS/Nを向上させることがで
きる。
【0030】すなわち本発明の第1の画像情報読取装置
によれば、試料の裏面側に反射光学系を配設し、この裏
面側から出射する蛍光を反射光学系によって試料に反射
させて照射面側から出射させることにより、全体として
照射面側から出射される蛍光の光量が増大し、この照射
面側から出射された蛍光は、光学ヘッドのミラーにより
光電読取手段に反射されて光電読取手段に検出されるた
め、全体として検出される信号成分を増大させることが
でき、これにより検出信号のS/Nを向上させることが
できる。さらに反射光学系により、裏面側から出射する
励起光をも反射させる構成にあっては、反射された励起
光が再度試料を励起することで、試料からさらに蛍光が
発光し、この発光された蛍光のうち照射面(裏面の反対
側の面)から出射する分が、光電読取手段に検出され、
全体として検出される信号成分を増大させることがで
き、これにより検出信号のS/Nを向上させることがで
きる。
【0031】一方、本発明の第2の画像情報読取装置に
よれば、試料の裏面側に配設された導光手段により、こ
の裏面から出射した蛍光が、光学ヘッドを介する光路と
は別の光路で光電読取手段まで導光されるため、照射面
側から出射されて光学ヘッドを通じて光電読取手段に検
出される蛍光と併せて、全体として検出される信号成分
が向上し、これにより検出信号のS/Nを向上させるこ
とができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像情報読取装置
の具体的な実施の形態について図面を用いて詳細に説明
する。
【0033】図1(1)は、本発明の第1の画像情報読
取装置の一実施形態を示す斜視図、同図(2)は(1)
に示した画像情報読取装置の概略側面図、同図(3)は
(2)に示した装置の一部拡大図である。
【0034】図示の画像情報読取装置は、蛍光色素で標
識された生体由来物質が分布するゲル支持体試料10を載
置して所定の位置に配置される透明な試料台20と、上記
蛍光色素を励起する波長帯域のレーザ光Lを出射するレ
ーザ光源30と、光源30から出射されたレーザ光Lを細い
ビームにするレンズ31と、試料10の蛍光色素が励起され
て発光した蛍光を光電的に検出するフォトマルチプライ
ヤ(以下、PMTという)40と、ビームLを試料台20上
に載置された試料10に照射させるとともに、この照射に
より試料10から出射する蛍光K1,K2をPMT40に導
光させる光学ヘッド50と、試料10の裏面(図示において
は上面)側に配された、光学ヘッド50によりレーザ光L
が照射された試料10の部分の裏面から拡がって出射する
蛍光K2をその出射部分に反射せしめる凹面鏡71と、光
学ヘッド50からPMT40までの光路上に配設されたレー
ザ光カットフィルタ41と、光学ヘッド50および凹面鏡71
を一体的に矢印X方向に等速移動させる主走査手段60
と、レーザ光源30、光学ヘッド50、凹面鏡71、レーザ光
カットフィルタ41およびPMT40を一体的に矢印Y方向
(矢印X方向に直交する方向)に移動させる副走査手段
80と、PMT40により検出された検出信号を対数増幅す
る増幅器42と、この増幅された検出信号をA/D変換す
るA/D変換器43と備えた構成である。
【0035】ここで、光源30から出射するレーザ光Lは
矢印X方向に沿った向きに出射され、またPMT40は矢
印X方向に沿って入射する蛍光K1,K2を検出するよ
うに、それぞれ配置されている。
【0036】光学ヘッド50は、矢印X方向に進む細いビ
ーム上のレーザ光Lを、試料10に直交する方向(図示に
おいて上方向)に反射させる平面ミラー51と、この反射
されたレーザ光Lを通過させる程度の大きさの小孔52a
が形成され、試料10の、レーザ光L照射面(図示におい
て下面)から下方に出射した蛍光K1,K2の大部分を
矢印X方向に反射させてPMT40に入射せしめる孔開き
ミラー52と、試料10の下面から拡がって出射した蛍光K
1,K2を略平行なビームとするレンズ53とを一体的に
構成したものである。
【0037】試料10の上面側に設けられた凹面鏡71の中
央部には、試料10を透過して、試料10の上面から上方に
向けて出射する細いビーム上のレーザ光Lを、そのまま
上方に通過させる小孔71aが形成されている。
【0038】レーザ光カットフィルタ41は、試料10や試
料台20などで散乱・反射し、その一部が、蛍光K1,K
2と共にPMT40方向に進行した場合にも、そのレーザ
光Lの一部がPMT40に入射するのを防止するために、
蛍光K1,K2は通過させるが、レーザ光Lは通過させ
ないように帯域制限されたフィルタである。
【0039】次に本実施形態の画像情報読取装置の作用
について説明する。
【0040】まず主走査手段60が高速にかつ等速度で、
光学ヘッド50および凹面鏡71を一体的に矢印X方向に移
動させる。光学ヘッド50および凹面鏡71が移動されてい
る期間中の各瞬間において、レーザ光源30からは矢印X
方向に沿った方向にレーザ光Lが出射されており、この
レーザ光Lはレンズ31により、細いビームとされ、光学
ヘッド50に入射する。光学ヘッド50に入射した細いビー
ム状のレーザ光Lは、平面ミラー51により図示上方に反
射され、孔開きミラー52の小孔52aを通過してレンズ53
に入射し、レンズ53を通って試料台20上に載置された試
料10の微小領域を照射する。
【0041】このときレーザ光Lが照射された微小領域
に、蛍光色素で標識された生体由来物質が存在している
場合は、照射されたレーザ光Lにより蛍光色素が励起さ
れて蛍光を発光する。一方、当該領域に上記生体由来物
質が存在していない場合は、蛍光が発せられることはな
い。
【0042】当該領域に上記生体由来物質が存在し、蛍
光が発光されると、この蛍光はその周囲に拡がり、試料
10の下面および上面からそれぞれ拡がって出射する。こ
こで、試料10の下面から下方に出射する蛍光をK1、上
面から情報に出射する蛍光をK2とする。
【0043】まず試料10の下面から拡がって下方に出射
した蛍光K1は、光学ヘッド50のレンズ53により、図示
下向きの略平行なビームとされ、同じく光学ヘッド50の
孔開きミラー52に入射する。この孔開きミラー52に入射
した蛍光K1のうち、小孔52aに入射した極一部の蛍光
はそのまま下方に進むが、蛍光K1のビーム径に比し
て、小孔52aの径は微小であるため、蛍光K1の大部分
は孔開きミラー52の反射面で反射され、矢印X方向に沿
った方向に進行する。矢印X方向に進行した蛍光K1は
レーザ光カットフィルタ41を通過してPMT40に入射す
る。
【0044】一方、試料10の上面から拡がって上方に出
射した蛍光K2は、試料10の上面側に配置された凹面鏡
71の反射面に入射し、その反射面で試料10に反射され
る。また、試料10を透過したレーザ光Lも試料10の上面
から出射するが、このレーザ光Lは、凹面鏡71の反射面
中央部に設けられた小孔71aを通過して上方に進行し、
試料10に反射されることはない。
【0045】凹面鏡71により試料10に反射された蛍光K
2は、試料10を通過して、少なくともその一部が試料10
の下面から出射する。そしてこの下面から出射した蛍光
K2は、本来的に下面から出射した蛍光K1と同様に、
光学ヘッド50のレンズ53により、図示下向きの略平行な
ビームとされ、孔開きミラー52により、その大部分が反
射されて矢印X方向に沿った方向に進行し、レーザ光カ
ットフィルタ41を通過してPMT40に入射する。
【0046】なお、試料10を照射したレーザ光Lのうち
一部は、試料10や試料台20などで散乱・反射し、蛍光K
1,K2と同様にPMT40方向に進行するが、その光路
上に配設されたレーザ光カットフィルタ41によりカット
されて、PMT40に入射することはない。
【0047】PMT40に入射した蛍光K1,K2は、P
MT40により増幅されて光電検出され、対応する電気信
号として読み取られる。
【0048】このようにPMT40には、本来的に試料10
の下面から出射した蛍光K1に加えて、試料10の上面側
に配された凹面鏡71により反射された結果、試料10の下
面から出射した蛍光K2も入射するため、その総入射光
量は、本来的に試料10の下面から出射した蛍光K1のみ
が入射した場合の入射光量よりも増大したものとなり、
信号成分であるこれら蛍光K1,K2に係るPMT40へ
の入射光量の増大により、検出信号のS/Nは向上した
ものとなる。
【0049】PMT40により検出された信号は、後段の
増幅器42、A/D変換器43によりデジタル信号とされ
る。
【0050】一方、以上の作用の期間中、光学ヘッド50
等は、主走査手段60により矢印X方向に移動され続けて
おり、A/D変換器43により出力されたデジタル信号
は、光学ヘッド50の移動位置ごと、すなわちレーザ光L
が照射した試料10の位置ごとの信号として対応付けられ
る。
【0051】このようにして試料10についての主走査が
終了すると、副走査手段80が、レーザ光源30、光学ヘッ
ド50、凹面鏡71、レーザ光カットフィルタ41およびPM
T40を一体的に矢印Y方向にわずかに移動(副走査)さ
せ、上述した主走査の作用が繰り返される。なおこの副
走査は、主走査が1サイクル終了した後に行われるもの
である必要はなく、主走査と同時進行するものであって
もよいことはいうまでもない。
【0052】以上の主走査と副走査との組合せにより、
試料10の全面に亘ってレーザ光Lが照射され、試料10の
各位置に対応したデジタル信号が取得されることによ
り、試料10の、蛍光色素で標識された生体由来物質の分
布を表す画像情報が得られる。
【0053】このように、本実施形態の画像情報読取装
置によれば、試料10の上面側に凹面鏡71を配設し、この
上面側から出射する蛍光K2を試料10に反射させて、本
来的に下面から出射する蛍光K1とともにその下面から
出射させることにより、PMT40による検出光量を増大
させることができ、検出信号のS/Nを向上させること
ができる。
【0054】なお本実施形態の画像情報読取装置におい
ては、副走査手段80が、レーザ光源30、光学ヘッド50、
凹面鏡71、レーザ光カットフィルタ41およびPMT40を
一体的に矢印Y方向(矢印X方向に直交する方向)に移
動させるものとして示したが、この態様とは反対に、副
走査手段80が試料台20を矢印Y方向の反対方向に移動さ
せるものであってもよい。さらに、主走査手段60も、光
学ヘッド50および凹面鏡71を一体的に矢印X方向に等速
移動させるものではなく、試料台20を矢印X方向とは反
対の方向に等速移動させるものであってもよい。
【0055】また、本実施形態の画像情報読取装置にお
いては、試料10の上面側に設けられた凹面鏡71に関し、
レーザ光Lが試料10側に反射するのを防止する構成とし
て、レーザ光Lが入射する部分に小孔71aを形成したも
のを適用したが、本発明の画像情報読取装置はこの態様
に限るものではなく、例えば図2に示すように、レーザ
光Lが入射する部分に、レーザ光Lが反射するのを防止
するコーティング71bを施した凹面鏡71′を適用するこ
ともできる。
【0056】さらにまた凹面鏡71,71′に代えて、図3
に示すように、試料10の上面から情報に拡がって出射し
た蛍光K2を平行ビームとするコリメータレンズ73と、
コリメータレンズ73で平行ビームとされた蛍光K2を反
対方向に反射せしめる平面鏡72(72′,72″)との組合
せの構成を採用することもできる。
【0057】この場合、レーザ光Lを試料10に反射させ
ないための構成としては、同図(1)に示すように、平
面鏡72の、レーザ光Lが入射する部分にレーザ光Lを通
過させる小孔72aを設けた構成、同図(2)に示すよう
に、平面鏡72′の、レーザ光Lが入射する部分にレーザ
光Lの反射を防止するコーティング72bを施した構成、
同図(3)に示すように、コリメータレンズ73と平面鏡
72″との間にレーザ光カットフィルタ74を配設した構成
などを採用することができる。
【0058】上述したように、本実施形態の各画像情報
読取装置は、試料10の上面へ透過したレーザ光Lが凹面
鏡71等で反射されないように構成された態様であるが、
本発明の画像情報読取装置はこの態様に限るものではな
く、敢えて励起光を試料10に反射せしめる態様を採用す
ることもできる。
【0059】すなわち、例えば図4に示す画像情報読取
装置は、図1に示した凹面鏡71に代えて、レーザ光Lを
通過させる小孔も形成されず、しかもレーザ光Lの反射
防止コーティング72bも施されていない凹面鏡71″を備
えた点以外は、図1に示した実施形態と同様の構成であ
る。
【0060】図示の実施形態の画像情報読取装置によれ
ば、試料10を下面から照射して試料10を透過し、上面か
ら出射したレーザ光Lは、この凹面鏡71″により反射さ
れ、再度、試料10を上面側から照射する。この結果、レ
ーザ光Lが再照射された試料10の部分からはさらに蛍光
K′が発光する。この蛍光K′は、レーザ光Lが下面か
ら照射したときに試料10の下面から出射した蛍光K1お
よび上面から出射して凹面鏡71″で反射され試料10を透
過して下面から出射した蛍光K2とともに、レンズ53を
通過し、孔開きミラー52で反射されてPMT40に入射
し、光電検出される。このように本実施形態の画像情報
読取装置によれば、検出される蛍光の光量が増大するた
め、検出信号のS/Nを向上させることができる。
【0061】なお、凹面鏡71″により反射されたレーザ
光Lは、その一部が試料10を再度透過し、蛍光K1,K
2,K′とともに、PMT40に向けて進むが、PMT40
前面に設けられたレーザ光カットフィルタ41によりカッ
トされるため、信号成分(蛍光)の増大に伴ってノイズ
成分(レーザ光)が増大するのを回避することができ
る。
【0062】ただし、凹面鏡71″の反射面が精度よく仕
上げられていないものであるときは、試料10の上面から
出射したレーザ光Lが、その出射した部分に精度良く反
射されない虞もある。このようなときは、凹面鏡71″で
反射したレーザ光Lは、試料10の上面から出射した部分
(すなわち下面側から励起した部分)とは異なる部分を
照射したり、照射範囲が拡がる結果を招来する。
【0063】このような場合は、例えば図5に示すよう
に、試料10とPMTレンズ40との間に、レンズ53と組み
合わせて共焦点光学系を形成するように、集光レンズ55
と、レンズ53によりレーザ光Lが集光される試料10の部
分から出射する光のみを透過せしめる小孔56aが形成さ
れたアパーチャ56とをさらに設けた構成とすればよい。
このように試料10とPMT40とを共焦点光学系を以て配
置することにより、例え凹面鏡71″で反射されたレーザ
光Lの照射範囲が位置ずれし、または拡がった場合に
も、試料10の下面側から照射したときに照射部分以外の
部分からの蛍光K′がPMT40に入射するのを防止する
ことができ、得られる蛍光画像がぼけるのを回避するこ
とができる。なお、図3(1)に示した平面鏡72とコリ
メータレンズ73とを組み合わせた実施形態においても同
様に、図6に示すように、レーザ光Lをも反射させる構
成とすることもできる。
【0064】また、図1に示した実施形態の画像情報読
取装置においては、上記凹面鏡71を光学ヘッド50と一体
的に主走査する構成としたが、この凹面鏡71に代えて、
図7に示すように、光学ヘッド50の主走査方向(矢印X
方向)に延び、主走査方向に関して固定された、断面が
下向き半円状の長尺凹面鏡75を採用することもできる。
この構成によれば、長尺凹面鏡75等、試料10の上面側に
設けられた構成要素を、光学ヘッド50と一体的に主走査
手段60で主走査させる必要がない。なおこの構成におい
ては、図1に示した凹面鏡71に比して、試料10へ反射さ
せることができる蛍光K2の光量は少ないが、図7
(2)に示すように、主走査方向に直交する面内に関す
る限り蛍光K2を反射させることができるため、試料10
の上面側に何らの反射手段が設けられていない従来の装
置に比してS/Nの向上を図ることができる。
【0065】なお、このような長尺凹面鏡75に代えて、
主走査方向に延び、この方向に直交する断面が図3の各
図に示すような、シリンドリカルレンズと長尺の平面鏡
との組合せからなるものも適用することもできる。
【0066】さらにまた本実施形態の画像情報読取装置
においては、主走査手段60が光学ヘッド50および凹面鏡
71のみを主走査方向に移動させるものであり、光学ヘッ
ド50が主走査のみされている間は、光源30およびPMT
40は移動しない構成であるが、図8に示すように、光源
30およびPMT40も光学ヘッド50と一体化した構成を採
用することもでき、この場合、主走査手段60が副走査手
段80の機能を兼ねるものとした構成とすることができ
る。
【0067】ただし、このように光源30、PMT40、光
学ヘッド50および凹面鏡71を一体的に構成した形態にお
いては、図4に示す、凹面鏡71に代えて長尺凹面鏡75を
採用する効果は少ない。また、この実施形態において
も、凹面鏡71が小孔71aを有しないものとしてレーザ光
Lを反射させる構成としてもよく、さらに図5に示した
実施形態と同様に、PMT40と試料10との間に、レンズ
53と組み合わせて共焦点光学系を形成する集光レンズと
アパーチャとを備えた構成を採用することもできる。
【0068】図9は、本発明の第2の画像情報読取装置
の一実施形態を示す図である。
【0069】図示の画像情報読取装置は、図1に示した
画像情報読取装置に対して、試料10の上面から出射した
蛍光K2を反射させる構成(凹面鏡71)に代えて、この
上面から出射した蛍光K2を、試料10に反射させること
なく、下面から出射する蛍光K1とは別の光路で、PM
T40まで導光させる構成を採用している点が相違する。
【0070】すなわちこの実施形態の画像情報読取装置
は、試料10の上面側に、光学ヘッド50によりレーザ光L
が照射された試料10の部分の裏面から拡がって上方に出
射する蛍光K2を、集光する集光レンズ76と、この蛍光
K2とともに集光レンズ76に入射したレーザ光Lをカッ
トするレーザ光カットフィルタ74と、レーザ光カットフ
ィルタ74を介して集光レンズ76により集光された蛍光K
2を、その入射端面から入射させて、PMT40が接続さ
れた出射端面まで導光させる光ファイバ77とを備えた構
成であり、その他の構成については図1に示した画像上
方読取装置と同様である。
【0071】次に本実施形態の画像情報読取装置の作用
について説明する。
【0072】まず主走査手段(図9においては図示を省
略)が高速にかつ等速度で、光ファイバ77、集光レンズ
76およびレーザ光カットフィルタ74並びに光学ヘッド50
を主走査に移動させる。光学ヘッド50等が移動されてい
る期間中の各瞬間において、レーザ光源30からは矢印X
方向に沿った方向にレーザ光Lが出射されており、この
レーザ光Lはレンズ31により、細いビームとされ、光学
ヘッド50に入射する。光学ヘッド50に入射した細いビー
ム状のレーザ光Lは、平面ミラー51により図示上方に反
射され、孔開きミラー52の小孔52aを通過してレンズ53
に入射し、レンズ53を通って試料台20上に載置された試
料10の微小領域を照射する。
【0073】このときレーザ光Lが照射された微小領域
に、蛍光色素で標識された生体由来物質が存在している
場合は、照射されたレーザ光Lにより蛍光色素が励起さ
れて蛍光を発光する。一方、当該領域に上記生体由来物
質が存在していない場合は、蛍光が発せられることはな
い。
【0074】当該領域に上記生体由来物質が存在し、蛍
光が発光されると、この蛍光はその周囲に拡がり、試料
10の下面および上面からそれぞれ拡がって出射する。こ
こで、試料10の下面から下方に出射した蛍光K1につい
ては、図1に示した実施形態の装置における作用と同一
であるので説明を省略する。
【0075】一方、試料10の上面から拡がって上方に出
射した蛍光K2は、試料10の上面側に配置された集光レ
ンズ76に入射し、レーザ光カットフィルタ74を通過して
光ファイバ77の入射端面で集光され、この入射端面から
光ファイバ77の内部に入射する。また、試料10を透過し
たレーザ光Lも試料10の上面から出射するが、このレー
ザ光Lは、レーザ光カットフィルタ74によりカットさ
れ、光ファイバ77に入射することはない。
【0076】光ファイバ77に入射した蛍光K2は、光フ
ァイバ77内をその出射端面まで導光され、出射端面から
出射してレーザ光カットフィルタ41を介してPMT40に
入射する。
【0077】このように別光路でそれぞれPMT40に入
射した蛍光K1,K2は、PMT40により増幅されて光
電検出され、対応する電気信号として読み取られる。そ
してPMT40には、試料10の下面から出射した蛍光K1
に加えて、試料10の上面から出射した蛍光K2も入射す
るため、その総入射光量は、試料10の下面から出射した
蛍光K1のみが入射した場合の入射光量よりも増大した
ものとなり、信号成分であるこれら蛍光K1,K2に係
るPMT40への入射光量の増大により、検出信号のS/
Nは向上したものとなる。
【0078】以下、PMT40により検出された信号の処
理および副走査手段(図9においては図示を省略)によ
る副走査作用などは、図1に示した実施形態における作
用と同一であるため説明を省略する。
【0079】このように、本実施形態の画像情報読取装
置によれば、試料10の上面側に光ファイバ77等を配設
し、試料10の下面から出射した蛍光K1とともにこの上
面から出射した蛍光K2をも検出することにより、PM
T40による検出光量を増大させることができ、検出信号
のS/Nを向上させることができる。
【0080】なお、本実施形態の画像情報読取装置にお
いては、光ファイバ77を光学ヘッド50と一体的に主走査
する構成としたが、この光ファイバ77に代えて、図10に
示すように、光学ヘッド50の主走査方向に延び、主走査
方向に関して固定された、シリンドリカルレンズ78、長
尺のレーザ光カットフィルタ74′およびこの主走査方向
に多数の光ファイバ77が配列されてなる光ファイバ束79
を採用することもできる。この構成によれば、光ファイ
バ束79等、試料10の上面側に設けられた構成要素を、光
学ヘッド50と一体的に主走査手段60で主走査させる必要
がない。
【0081】図11は本発明の第2の画像情報読取装置の
他の実施形態を示す図である。
【0082】図示の画像情報読取装置は、図9に示した
実施形態の画像情報読取装置における集光レンズ76、レ
ーザ光カットフィルタ74および光ファイバ77に代えて、
コリメータレンズ73、第2の孔開きミラー80および導光
用の平面ミラー81を備えるとともに、試料10の下面また
は上面からPMT40に導光される蛍光K1またはK2の
光路上に択一的に移動可能のシャッタ手段90を備えたも
のである。
【0083】第2の孔開きミラー80に形成された小孔80
aは、試料10の上面から出射したレーザ光Lを上方に通
過させるために設けられたものであり、図1に示した画
像上方読取装置の凹面鏡71における小孔71aと同一の作
用をなすものである。
【0084】また、この第2の孔開きミラー80と導光用
平面ミラー81とにより、光ファイバ77と同様の作用をな
す。なお、コリメータレンズ73および第2の孔開きミラ
ー80は、光ファイバ77と同様に、光学ヘッド50と一体的
に、図示しない主走査手段により主走査方向に移動され
る構成である。
【0085】このような構成により、本実施形態の画像
情報読取装置によっても、上記各実施形態の画像情報読
取装置と同様にS/Nの向上した試料の蛍光検出信号を
取得することができる。
【0086】さらに本実施形態におけるシャッタ手段90
は、上述した一方の光路上に移動されて、当該光路を通
過した光がPMT40に入射するのを阻止するものであ
り、このように設けられたシャッタ手段90を、例えば光
学ヘッド50を通過する光路上に移動することにより、試
料台20上に、試料として透過原稿10′を載置し、その透
過原稿10′の濃度分布をPMT40で読み取ることもでき
る。また、これとは反対に、シャッタ手段90を、導光用
平面ミラー81を通過する光路上に移動することにより、
試料台20上に、試料として反射原稿10′を載置し、その
反射原稿10′の濃度分布をPMT40で読み取ることもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の画像情報読取装置の一実施形態
を示す図
【図2】試料10の上面から出射したレーザ光Lの反射を
防止するコーティングが施された凹面鏡を示す図
【図3】凹面鏡に代えて、コリメータレンズと平面鏡と
を組み合わせた構成を採用した実施形態の一部を示す図
【図4】本発明の第1の画像情報読取装置の他の実施形
態を示す図(その1)
【図5】本発明の第1の画像情報読取装置の他の実施形
態を示す図(その2)
【図6】図3に示したコリメータレンズと平面鏡との組
合せの他の実施形態を示す図
【図7】主走査方向に関して固定され、この方向に延び
た長尺の光学系を採用した実施形態の画像情報読取装置
を示す図
【図8】光源30およびPMT40を光学ヘッド50と一体化
した構成の実施形態を示す図
【図9】本発明の第2の画像情報読取装置の一実施形態
を示す図
【図10】光ファイバ束を備えた構成の実施形態を示す
【図11】シャッタ機構を備えた構成の実施形態を示す
【符号の説明】
10 ゲル支持体試料 20 試料台 30 レーザ光源 31 レンズ 40 フォトマルチプライヤ(PMT) 41 レーザ光カットフィルタ 50 光学ヘッド 51 平面ミラー 52 孔開きミラー 52a 小孔 53 レンズ 60 主走査手段 71 凹面鏡 71a 小孔 80 副走査手段 L レーザ光 K1,K2 蛍光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA03 BA16 CA03 DA02 DA06 EA01 FA01 GA02 GA04 GB01 GB03 GB19 HA01 HA02 HA03 JA03 LA02 MA04 2G054 AA02 AA08 BB08 CA21 CE02 EA03 EB01 FA12 FA17 FA19 FA20 FB01 GB02 JA11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光色素で標識された生体由来物質が分
    布する試料が所定の位置に配置された試料配置部と、前
    記蛍光色素を励起せしめる励起光を出射する励起光源
    と、前記蛍光色素から発光する蛍光を光電的に読み取る
    光電読取手段と、その一部に、前記励起光を通過せしめ
    て前記試料に該励起光を照射せしめる透孔が形成され
    た、前記試料の、該励起光の照射面から出射した前記蛍
    光を反射して前記光電読取手段に導光せしめるミラーを
    有する光学ヘッドと、該光学ヘッドおよび/または前記
    試料を互いに相対的に移動せしめる走査手段とを備えた
    画像情報読取装置において、 前記試料の、前記照射面側とは反対の面側に配設され
    て、少なくとも該反対の面から出射する蛍光を前記試料
    に反射せしめ、該反射された蛍光のうち少なくとも一部
    を前記照射面側から出射せしめる反射光学系をさらに備
    えたことを特徴とする画像情報読取装置。
  2. 【請求項2】 前記励起光源、前記光電読取手段、前記
    光学ヘッドおよび前記反射光学系を一体的に形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の画像情報読取装置。
  3. 【請求項3】 前記走査手段による前記光学ヘッドおよ
    び/または前記試料の移動方向が所定の一方向に限定さ
    れたものであり、 前記励起光源、前記光電読取手段、前記光学ヘッドおよ
    び前記反射光学系と、前記試料配置部とを、前記所定の
    一方向に直交する方向に相対的に移動せしめる副走査手
    段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の画像
    情報読取装置。
  4. 【請求項4】 前記反射光学系の反射面のうち、前記試
    料の、前記反対の面から出射した励起光が入射すべき部
    分に、該励起光を通過せしめる逃げ部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に
    記載の画像情報読取装置。
  5. 【請求項5】 前記反射光学系の反射面のうち、前記試
    料の、前記反対の面から出射した励起光が入射する部分
    に、前記励起光の反射を阻止するコーティングが施され
    ていることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか
    1項に記載の画像情報読取装置。
  6. 【請求項6】 前記反射光学系が、前記反対の面に向か
    って凹の凹面鏡、またはコリメータレンズと平面鏡との
    組合せからなるものであることを特徴とする請求項1か
    ら5のうちいずれか1項に記載の画像情報読取装置。
  7. 【請求項7】 前記反射光学系が、前記一方向に延び、
    該一方向に直交する断面が前記反対の面に向かって凹の
    反射面を有する長尺の反射鏡、または前記一方向に延び
    たシリンドリカルレンズと長尺の平面鏡との組合せから
    なるものであることを特徴とする請求項3から5のうち
    いずれか1項に記載の画像情報読取装置。
  8. 【請求項8】 蛍光色素で標識された生体由来物質が分
    布する試料が所定の位置に配置された試料配置部と、前
    記蛍光色素を励起せしめる励起光を出射する励起光源
    と、前記蛍光色素から発光する蛍光を光電的に読み取る
    光電読取手段と、その一部に、前記励起光を通過せしめ
    て前記試料に該励起光を照射せしめる透孔が形成され
    た、前記試料の、該励起光の照射面から出射した前記蛍
    光を反射して前記光電読取手段に導光せしめるミラーを
    有する光学ヘッドと、該光学ヘッドおよび/または前記
    試料配置部を互いに相対的に移動せしめる走査手段とを
    備えた画像情報読取装置において、 前記試料の、前記照射面側とは反対の面側に配設され
    て、該反対の面から出射する蛍光のうち少なくとも一部
    を、前記光電読取手段に導光せしめる導光光学系をさら
    に備えたことを特徴とする画像情報読取装置。
  9. 【請求項9】 前記励起光源、前記光電読取手段、前記
    光学ヘッドおよび前記導光光学系を一体的に形成したこ
    とを特徴とする請求項8記載の画像情報読取装置。
  10. 【請求項10】 前記走査手段による前記光学ヘッドお
    よび/または前記試料配置部の移動方向が所定の一方向
    に限定されたものであり、 前記励起光源、前記光電読取手段、前記光学ヘッドおよ
    び前記導光光学系と、前記試料配置部とを、前記所定の
    一方向に直交する方向に相対的に移動せしめる副走査手
    段をさらに備えたことを特徴とする請求項8記載の画像
    情報読取装置。
  11. 【請求項11】 前記導光光学系の入射面のうち、前記
    試料の、前記反対の面から出射した励起光が入射すべき
    部分に、該励起光の通過を阻止する励起光カットフィル
    タが配設されていることを特徴とする請求項8から10
    のうちいずれか1項に記載の画像情報読取装置。
  12. 【請求項12】 前記導光光学系が光ファイバであるこ
    とを特徴とする請求項8から11のうちいずれか1項に
    記載の画像情報読取装置。
  13. 【請求項13】 前記導光光学系が、前記一方向に沿っ
    て配列された光ファイバ束であることを特徴とする請求
    項10または11記載の画像情報読取装置。
  14. 【請求項14】 前記光電読取手段に入射する、前記導
    光光学系を通過する光と前記光学ヘッドを通過する光と
    のうち、前記光電読取手段に入射する光を択一的に切り
    換える切換手段をさらに備えたことを特徴とする請求項
    8から10のうちいずれか1項に記載の画像情報読取装
    置。
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