JP2000161615A - 酸素燃焼バーナと該バーナを持つ燃焼炉 - Google Patents

酸素燃焼バーナと該バーナを持つ燃焼炉

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JP2000161615A
JP2000161615A JP10337748A JP33774898A JP2000161615A JP 2000161615 A JP2000161615 A JP 2000161615A JP 10337748 A JP10337748 A JP 10337748A JP 33774898 A JP33774898 A JP 33774898A JP 2000161615 A JP2000161615 A JP 2000161615A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でありながら、高温の工業炉内に
偏平な火炎を、炉の大きさ等に応じて任意に形成するこ
のとできる酸素燃焼バーナを得る。 【解決手段】 燃料ノズル2Nと、該燃料ノズルの上下
に配置した2つの酸化剤ノズル31a及び31bとを有
し、該各酸化剤ノズル31a及び31bを、燃料ノズル
2Nから噴出する燃料に対して、距離dのところで上下
方向から交差角度αで衝突するように、燃料ノズル2N
に対して傾斜して配置する。衝突により、炉内に偏平な
火炎が形成される。その際に、運動量を増すために不活
性物質を同時に噴出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸素燃焼バーナ及び
該酸素燃焼バーナを熱源とする燃焼炉に関し、特に、簡
単な構成でありながら、高温の工業炉内に偏平な火炎
を、炉の大きさ等に応じて任意に形成するこのとできる
酸素燃焼バーナ、及び該バーナを持つ燃焼炉に関する。
【0002】
【従来の技術及び問題点】従来、ガラス溶解炉等での工
業用の高温加熱プロセスには、燃料と予熱空気による予
熱空気燃焼が多く用いられてきた。また、ガラス溶解炉
においては、炉温が高く、排気ガス温度も高いことか
ら、省エネルギーのために、例えば「ガス燃焼の理論と
実際」(財団法人省エネルギーセンター刊行)に示され
るような蓄熱型燃焼システムを用いている。しかし、蓄
熱部(リジェネレータ)の排熱回収による熱効率の改善
は75%程度が限度であること、NOx 排出量の増大
や、ガラス溶解炉本体よりも大きな蓄熱室を必要とする
ために設備費が増大すること、さらには、蓄熱室改修時
に大量に発生する鉛、フッ素、各種塩化物の有害物質を
多く含む煉瓦廃棄物の処分も問題となること、等から、
高温加熱プロセスでのさらなる改良が求められている。
【0003】近年になり、酸素製造プロセス、特に吸着
剤を使用して空気から酸素を分離するPSA式酸素製造
法の技術革新により、工業用規模での酸素濃度90%前
後の酸素が安価に入手できるようになった。この酸素を
従来の予熱空気の代わりに、酸化剤として燃焼に使用し
て、ガラス溶解炉の高温加熱プロセスを酸素燃焼に転換
すると、酸化剤中の窒素分がほとんどなくなることか
ら、火炎温度が上昇し、排ガス量も減少する。そのため
に、従来の予熱空気燃焼と比較すると、熱効率が格段に
改善され、また、燃料消費量の削減(省エネルギー)も
可能となる。さらに、サーマルNOx 生成の原因となる
酸化剤中の窒素分が減少するので、NOx排出量も減少
する。これらの特長から、酸素燃焼法は、従来燃料消費
量が多く、NOx 排出量の削減が難しかったガラス溶解
炉の加熱プロセスの代替え法として特に好適であるとい
われている。
【0004】ところで、一般的なガラス溶解炉は、炉内
下部に溶融ガラスがあり、その上部空間に火炎が作られ
て、火炎からの熱放射により、ガラスを溶解する構造に
なっている。そのためガラス溶解炉向けバーナには、N
Ox 排出量が少ないことと共に、熱放射が強いことが要
求される。そこで、従来の予熱空気燃焼と同様の比較的
速い噴出流速(30〜100m/s程度)でもって、酸
素燃焼バーナで酸素燃焼を行うと、燃料と酸素の燃焼速
度は燃料と空気の燃焼速度の10倍以上となり、また、
酸化剤の体積も1/5となるので混合がよくなり、火炎
体積は予熱空気燃焼の場合と比較して大幅に減少し、小
さな高温火炎を形成する。そのために、酸素燃焼火炎か
らの熱放射は少なくなり、ガラス溶解炉のバーナとして
は必ずしも望ましくない。また、高温火炎がバーナ近傍
に作られると、バーナやバーナタイルが、火炎からの熱
により、溶損する危険がある。
【0005】そこで、ガラス溶解炉向けの酸素燃焼バー
ナとして、熱放射を高める目的で、例えば特開平3−1
86111号公報に代表されるように、中央部の金属性
燃料ノズルから燃料を噴出し、それと同時に燃料ノズル
を取り囲む環状酸素ノズルから酸素を噴出し、燃料と酸
素がバーナ先端部を過ぎた外側で燃焼を開始するように
したものが提案されている。この酸素燃焼バーナにおい
て、燃料と酸素のノズルからの噴出流速を遅くすること
で、燃料と酸素の混合を遅くし、流速方向に大きな火炎
を作り、火炎からの熱放射を高めている。また、燃焼開
始が遅れることで、火炎の高温部分をバーナから遠ざけ
ることができ、バーナの焼損の可能性を低下させてい
る。
【0006】この形式の酸素燃焼バーナは、流速を遅く
すればするほど、熱放射が大きくなるが、一方におい
て、流速を遅くすることは火炎の安定性を損ない、火炎
が浮き上がり、炉天井を損傷する原因となる。そのた
め、熱放射を高めることにも自ずと限界がある。また、
流速を遅くすると燃料と酸素噴流による火炎中への炉内
の燃焼ガスの巻き込みが減少し、それによる火炎温度低
下が起こらないため、高火炎温度の領域が大きくなり、
燃料あるいは酸化剤中に少量含まれる窒素がNOxへ転
換するサーマルNOx 生成反応が促進するため、NOx
排出量も多くなる欠点がある。
【0007】他の例として、特開平7−4623号公報
のように、横方向に偏平な火炎を作り出すことにより、
ガラス面から見て火炎の面積を大きくし、ガラスへの熱
放射を高める工夫をした酸素燃焼バーナも提案されてい
る。しかし、この形態の酸素燃焼バーナは、燃料と酸素
の接触面積が大きく混合がよいために、火炎温度の高い
部分ができ、サーマルNOx の排出量が増大すると考え
られ、NOx 排出量の点で問題を持つ。また、バーナ構
造が複雑となり、バーナ製作コストが高くなる点も問題
となる。
【0008】ガラス溶解炉のような高温炉においてNO
x 排出量を削減する方法として、特公平7−26730
号公報に示されるように、燃料と酸化剤とを別々に炉内
に噴射し、自己排ガス再循環と緩慢燃焼の効果により、
火炎温度を低下させ、大幅なNOx 排出量の低減を行う
方法が知られている。酸素燃焼法においても、この燃焼
方法は有効であり、燃料と酸化剤の流速を速める、燃料
と酸化剤のノズル間隔を広げる、燃料と酸化剤を平行に
噴出させる等の方法をとることにより、NOx排出量を
確実に低下させることができる。しかし、この形式のバ
ーナで低NOx燃焼と高い熱放射とを両立することは、
低NOx 燃焼のために火炎温度を下げているため難し
く、NOx 発生を低くしようとすると、熱放射も低下し
てしまう。そのために、ガラス溶解炉に用いる酸素燃焼
バーナとしては必ずしも有効ではない。
【0009】特開平9−112814号公報には、複数
のノズルから燃料と酸化剤を別々に炉内に噴射し、横方
向に偏平な火炎を作り、ガラス面から見て火炎の面積を
大きくし、ガラスへの熱放射を高める工夫をした燃焼装
置が提案されている。この燃焼装置では、ガラス溶融面
に平行に、複数の燃料ノズルから噴射された燃料ジェッ
トでシート状の燃料流を作り、この燃料流に炉内で交差
するように、燃料流の上部から下向きに、複数の酸化剤
ノズルから噴射された酸化剤ジェットでシート状の酸化
剤流を作り、両者を炉内で交差させ、偏平な火炎を形成
するようにしている。
【0010】この燃焼装置では、燃料と酸化剤とが混合
する前に、それぞれが炉内のガスと混合し、希釈される
ので、特公平7−26730号公報に記載の炉内燃焼方
法と同様の原理で、火炎温度は低下し、NOx 排出量は
少なくすることができると考えられる。一方、偏平な火
炎を作るために、複数のノズルでシート状の燃料流と酸
化剤流とを作り、それを交差させ燃焼させるものであ
り、理論的には偏平な火炎を作ることができて炉内のガ
ラスへの放射を高めることができるが、シート状の燃料
流と酸化剤流との条件設定が容易でなく、設定に高度な
技術を必要とする。また、複数のノズルから燃料及び酸
化剤を噴出させる設計であり、ノズルの構成が複雑であ
ると共に、結果として流れの運動量が低下し、炉内への
貫通力が低下するため、大きなガラス溶解炉のように、
バーナから離れた炉内の奥に、偏平な火炎を作りたい場
合には、所望の偏平火炎を作ることは難しい。また、燃
料と酸化剤ノズルの広がり角度により、横方向への火炎
の広がりが決まっているので、小さなガラス溶解炉など
の場合に要求される、横に広く広がり、短い火炎を作る
ことは困難となる。さらに、シート状の燃料流に対して
一方向(上部から下向き)のみから酸化剤流を交差させ
る形態であり、ガラス溶解面近くに燃料過濃領域が形成
されることから、すす(炭素)粒子がガラスに溶け込
み、ガラス品質へ悪影響を与える等の不都合が生じると
推測される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
ガラス溶解炉用の酸素燃焼バーナでは、低NOx 性を維
持しつつ、ガラス溶融面への熱放射が多い偏平な火炎
を、炉の大きさ等に応じて任意に作ることは容易でな
い。特に大型のガラス溶解炉など燃焼空間の大きな炉に
おいては困難である。そこで、本発明の目的は、上述の
ような従来技術の不具合を解消することのできる、改良
された酸素燃焼バーナ及び該バーナを持つ燃焼炉を提供
することにあり、より具体的には、簡単な構成でありな
がら、大型の炉であっても、炉内の任意の位置に、任意
の広がりを持つ偏平火炎を形成することができ、かつ、
低NOx 性も確保される酸素燃焼バーナ及び該バーナを
持つ燃焼炉を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく多くの実験を行うことにより、筒状のノ
ズルから炉内にまっすぐに噴出される燃料流に対して、
その上下両方向から酸化剤を角度を付けて噴射し、ノズ
ル先端から離れた炉内の1点で酸化剤が燃料流に上下両
方向からほぼ同時に衝突させて燃焼させることにより、
横方向に偏平な火炎が形成されること、及び、燃料と酸
化剤の衝突位置を変えることにより、偏平火炎の形状と
炉内での形成位置を容易に調整できることを知見した。
また、N2やCO2のような不活性ガスあるいは水蒸気
のような不活性物質を燃料及び酸化剤とともに噴出させ
ると、噴流の運動量が増加して、燃焼に影響を与えるこ
となく、より遠くの位置に燃料と酸化剤との衝突点を作
ることができことも知見した。
【0013】本発明による酸素燃焼バーナは、上記知見
に経験に基づくものであり、基本的に、燃料ノズルと、
該燃料ノズルの上下に配置した2つの酸化剤ノズルとを
有し、該各酸化剤ノズルは、噴出する酸化剤が燃料ノズ
ルから噴出する燃料に対してほぼ同じ位置で上下方向か
ら衝突するように、燃料ノズルに対してそれぞれ傾斜し
て配置されている酸素燃焼バーナであって、該酸素燃焼
バーナは、燃料ノズル及び酸化剤ノズルから噴出する燃
料及び酸化剤の噴流の運動量を増加させるために、燃料
及び酸化剤とともに不活性物質を同時に噴出するように
されていることを特徴とする。
【0014】本発明による酸素燃焼バーナは、炉内に噴
出される燃料流に対して、その上下両方向から酸化剤を
角度を付けて噴射し、ノズル先端から離れた炉内の1点
で酸化剤が燃料流に上下両方向からほぼ同時に衝突する
ことにより、横方向に偏平な火炎が形成される。その際
に、本発明では、燃料及び酸化剤を不活性物質とともに
炉内に噴出させて、噴流の運動量を増加させるようにし
ている。そのために、燃焼に影響を与えることなく、バ
ーナから遠く離れた位置で燃料と酸化剤との衝突点を作
ることが可能となり、大型ガラス溶融炉などの燃焼空間
が大きな炉であっても、必要な位置に必要な大きさの扁
平火炎を作ることが可能となる。
【0015】不活性物質を燃料及び酸化剤とともに炉内
に噴出させる態様は任意であるが、不活性物質を予め燃
料及び酸化剤と混合した状態とし、それを燃料ノズル及
び酸化剤ノズルから混合流として噴出させるようにして
もよく、あるいは、燃料ノズル及び酸化剤ノズルの中又
は周囲に不活性物質ノズルを別途設け、噴出後に不活性
物質と燃料及び酸化剤とを混合状態としてもよい。どち
らであっても、燃料と酸化剤の運動量を同時に増加させ
ることが可能である。
【0016】不活性物質としては、CO2、Ar、He
のような不活性ガスでもよく、水蒸気であってもよい。
不活性ガスとして、当該酸素バーナを熱源とする燃焼炉
からの排気ガスをいわゆるEGRガスとして用いてもよ
い。それらを適宜混合したものでもよい。燃焼炉からの
排気ガスを用いる場合には、不活性物質供給用の特別の
設備を併設することなく、効率よい燃焼炉の運転が可能
となる。
【0017】ところで、上記のような酸素燃焼バーナの
製造に当たって、不定形耐火材のようなセメント状のも
のを型に流し込んで成形し、あるいはステンレスのよう
な耐熱性、耐腐食性のある金属製パイプに機械加工を施
して、燃料流路と2本の酸化剤流路を形成することが行
われるが、その際に、高い精度でもって流路(特に、ノ
ズル先端部分)を加工すれば、炉内の所定の一点で、燃
料流と上下の酸化剤流とを衝突させることができる。
【0018】しかし、高い精度の型枠を製作することは
容易でなく、細い3本の流れを所望の一点で衝突させる
ように不定形耐火材で製作することは、大きな作業負担
を伴う。一方、所望の点で衝突しない場合には、火炎が
左右どちらか一方に片寄り、所望の扁平火炎が得られな
い恐れがある。そこで、本発明の酸素燃焼バーナでの好
ましい態様では、少なくとも酸化剤ノズルから噴出した
上下の酸化剤を水平方向に扁平な形状の流れで衝突させ
るようにし、製作あるいは成形誤差により酸化剤の噴出
方向が当所の設計目標と多少異なってしまった場合で
も、確実に衝突が起こるようにして扁平火炎の形成を確
実としている。
【0019】噴出した酸化剤を水平方向に扁平な形状の
流れで上下方向から衝突させるようにする具体的手段と
して、例えば、酸化剤ノズルの噴口及びその上流部分の
形状を楕円又は矩形のような扁平断面形状とし、それに
より、酸化剤が水平方向に扁平になった状態でまっすぐ
に噴出ようにしてもよく、あるいは、酸化剤ノズルの噴
口及びその上流部分の形状を、噴口は楕円又は矩形のよ
うな扁平断面形状であり、その上流部分は円筒形が次第
に水平方向に扁平に広がって前記噴口にいたる形状と
し、それにより、酸化剤が水平方向に扁平でありかつ水
平方向に広がりながら噴出するようにしてもよい。ま
た、酸化剤ノズルの噴口を水平方向に2個以上配置する
ことによって酸化剤が全体として扁平形状に広がりを持
って噴出されるようにしてもよい。
【0020】好ましい態様として、酸化剤ノズルに加え
て、燃料ノズルも、酸化剤ノズルにおけると同様な手法
により、燃料が水平方向に扁平となった状態で、あるい
は、水平方向に扁平でありかつ水平方向に広がりながら
噴出されるように設けてもよい。それにより、成形加工
時の誤差により燃料の噴出方向が当所の設計目標と多少
異なってしまった場合でも、酸化剤との衝突が確実とな
る。また、酸化剤ノズルの噴口を水平方向に2個以上配
置することによって酸化剤が全体として扁平形状に広が
りを持って噴出されるようにしてもよい。
【0021】燃料ノズルの噴出方向は実質的に水平方向
であってもよく、5°程度より小さい角度で水平方向よ
り下向きであってもよい。後者の場合には、例えば燃焼
量を絞ったとき等に生じやすい火炎先端及び両脇での浮
き上がりを効果的に抑制できる利点がある。また、燃料
ノズルに対する上下2つの酸化剤ノズルの傾斜角度は、
共に等しくてもよく、好ましくは上方に位置する酸化剤
ノズルの燃料ノズルに対する傾斜角度が下方に位置する
酸化剤ノズルの燃料ノズルに対する傾斜角度よりも大と
なるように、異なった角度としてもよい。異なった角度
とすることにより、やはり燃焼条件によっては生じやす
い火炎先端及び両脇での浮き上がりを効果的に抑制する
ことができる。限定的ではないが、燃料ノズルは、バー
ナ本体の上下方向のほぼ中央に配置することが望まし
く、それにより、火炎からの放射によるバーナタイルが
受ける熱応力分布が均等になり酸素燃焼バーナの熱的耐
久性が確保される。
【0022】好ましい態様において、上下の酸化剤ノズ
ルから噴出する酸化剤の流速及び/又は流量が可変とさ
れ、燃焼に際して、上位の酸化剤ノズルから噴出する酸
化剤の流速を速くするか、流量を大とする。それによっ
ても、火炎先端又は両脇での浮き上がりを阻止すること
ができ、均一に偏平化した火炎が得られる。
【0023】好ましい態様において、上下に配置した酸
化剤ノズルの取り付け角度が可変とされ、それにより、
燃料と酸化剤との交差角度と位置を調整できるようにさ
れる。小さな角度で衝突する場合には、ノズル先端から
離れた位置に偏平な火炎が形成され、大きな角度で衝突
する場合には、ノズル先端に近接した位置に偏平火炎が
形成される。なお、ノズル先端に近接した位置に偏平火
炎を形成することを望む場合には、不活性物質の供給を
停止して炉の運転を行ってもよい。
【0024】好ましい態様において、燃料ノズル及び上
下に配置した酸化剤ノズルの先端に、流れを層流化する
ための手段が備えられる。この態様は、バーナ先端から
離れた位置で燃料と酸化剤とを衝突させたい場合に有効
であり、流れがさらに減衰することなく、効果的な偏平
火炎が形成される。
【0025】なお、本発明において、燃料として、天然
ガス(主成分:メタン)のみならず、メタン、エタン、
プロパン、ブタン、アセチレン、一酸化炭素、水素、液
化天然ガス、改質ガス、等の気体燃料はすべて等しく用
いうる。また、燃料ノズル先端に周知である燃料霧化ノ
ズルを設置することによって液体燃料も使用可能であ
り、微粉炭等の固体燃料も気流搬送することによって、
同様に燃料として使用可能となる。酸化剤も、純酸素に
限らず、酸素濃度が70%程度以上のものであれば使用
可能であり、PSA(Pressure Swing Adsorption) 方式
により製造した酸素濃度80%程度の空気は、酸素製造
コストが最も低く、特に有効である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明による酸素燃焼バー
ナ及び該バーナを持つ燃焼炉を好ましい実施の形態によ
り説明する。図1は酸素燃焼バーナの斜視図であり、図
2は図1のII−II線による断面図である。酸素燃焼
バーナ10は全体として耐火煉瓦1で作られており、そ
の中央に燃料流路2が形成され、該燃料流路2の上下に
2本の酸化剤流路3a、3bが形成されている。各流路
の後方端はステンレスのような金属製のケーシング4を
介して、図示しない燃料供給源Fs及び酸化剤供給源O
s及び不活性物質NG供給源にそれぞれ接続している。
【0027】図2に示すように、燃料流路2の先端部は
先端に噴口21を持つ燃料ノズル2Nとされており、ま
た、2本の酸化剤流路3a、3bの先端部は先端に噴口
31a、31bを持つ酸化剤ノズル3aN,3bNとさ
れている。燃料流路2の先端の燃料ノズル2N部分は水
平状態となっており、燃料と不活性物質の混合流の噴出
方向は水平方向となる。酸化剤流路3a、3bの先端の
酸化剤ノズル3aN、3bN部分は、その噴口31a、
31bが前記燃料ノズル2Nの噴口2Nの上下に等しい
距離hをおいて、かつ、酸化剤と不活性物質の混合流の
噴出方向が、燃料ノズル2Nから噴出する燃料と不活性
物質の混合流に対してほぼ同じ距離dの箇所で、かつ、
等しい衝突角αで上下方向から衝突するように、共に角
度α(交差角度α)だけ傾斜して設けられている。この
例において、燃料ノズル2N及び酸化剤ノズル3aN、
3bNは耐火煉瓦に穴を穿けているだけであり、ノズル
部分は耐火煉瓦と同じ耐熱性を持つ。
【0028】図3は、前記酸素燃焼バーナ10を熱源と
する燃焼炉(図示されない)内での火炎の状態を模式的
に示している。燃焼炉は全体として長方形であり、その
一側面に前記した酸素燃焼バーナ10を燃料ノズル2N
からの燃料と不活性物質の混合流の噴出方向Laが実質
的に炉面Lbと平行となるようにして配置している。こ
の場合、燃料と不活性物質の混合流は炉内を水平方向に
直進し、酸化剤と不活性物質の混合流は、前記燃料と不
活性物質の混合流に対して交差角度αで上下方向から直
進して、炉壁から距離dのところで燃料と不活性物質の
混合流に衝突し燃焼する。その際に、図示されるよう
に、上下方向から衝突する酸化剤と不活性物質の混合流
の持つ垂直方向の運動量成分が、衝突により方向を変え
左右方向に広がるために、燃料と不活性物質の混合流を
含む水平面に厚み方向のほぼ中心を置く水平方向に偏平
に拡散した燃焼火炎51が形成される。
【0029】図4は、本発明による酸素燃焼バーナをガ
ラス溶解炉50の両側壁(Y方向)に互い違いに5個配
置した場合での、炉内での燃焼火炎51を模式的に示し
ており、図4aは燃料及び酸化剤に不活性物質(この例
においては、N2ガス)を混合して噴出した場合、図4
bは同じ条件で不活性物質の供給を停止した場合であ
る。図4aに示すように、不活性物質を混入して燃料ノ
ズル及び酸化剤ノズルから噴出する燃料及び酸化剤の噴
流の運動量を増加させることにより、炉面横方向(X方
向)での火炎長が長くなり、大型ガラス溶融炉などの燃
焼空間が大きな炉であっても、必要な位置に必要な大き
さの扁平火炎を作ることが可能となり、炉床の有効面積
でほぼ均一な放射を得ることが可能となる。しかし、図
4bに示すように、不活性物質を供給しない場合には、
燃料ノズル及び酸化剤ノズルから噴出する燃料及び酸化
剤の噴流の運動量が低下してしまい、火炎の炉面横方向
(X方向)の伸びは小さくなり、炉面幅方向(X方向)
の中央部分まで到達しない。そのために、燃焼空間が大
きな炉においては、所定の偏平火炎を均等に形成するこ
とができなくなる。なお、図4で52はガラス溶融面で
ある。
【0030】特に図示しないが、前記した酸素燃焼バー
ナ10を、燃料ノズル2Nからの燃料の噴出方向Laが
実質的に炉面Lbに対して下向きに傾斜する姿勢で燃焼
炉に取り付けるようにしてもよい。これにより、燃焼量
が少ない場合に生じやすい火炎の浮き上がり、特に火炎
の両脇や先端での浮き上がりを効果的に抑制できる。従
来の酸素燃焼バーナにおいて、バーナを下向きにするこ
とによって火炎の浮き上がりを防止しようとすると、バ
ーナ燃焼量を増加にともないガラス溶融面等の被加熱面
を火炎がなめる状態となり不都合を生じていたが、本発
明による酸素燃焼バーナ10では下方から酸化剤が角度
を持って燃料流に衝突することから、燃焼量が増大して
も被加熱面を火炎がなめるようになる状態は回避でき
る。実験では、燃料の噴射方向Laの下向き角度は5°
程度が限界であり、それ以上大きく傾斜させると、部分
的に火炎が被加熱物に接触する状況が生じる。
【0031】図5は、本発明による酸素燃焼バーナの他
の実施形態を示している。この形態では、酸化剤流路3
a、3bの上流合流点部位に流量調整バルブ11を配置
している。この流量調整バルブ11を適宜制御すること
により、酸化剤と不活性物質の混合流の上方に位置する
酸化剤流路3aと下方に位置する酸化剤流路3bへの流
量を制御することができる。実験によれば、上方に位置
する酸化剤流路3aへの流量を下方に位置する酸化剤流
路3bへの流量よりも大とすることにより、やはり、酸
素火炎の浮き上がりを容易に抑制することが可能とな
る。図示しないが、酸素流路内に流路を制限する棒状の
挿入物を入れたり、ノズル先端にシャッタ等の絞りを設
けることにより、酸化剤と不活性物質の混合流の上方に
位置する酸化剤流路3aと下方に位置する酸化剤流路3
bへの流速を制御することができ、上方に位置する酸化
剤流路3aの酸化剤と不活性物質の混合流の流速を下方
に位置する酸化剤流路3bの流速よりも大とすること
で、同様な効果を得ることができる。
【0032】本発明の酸素燃焼バーナ10において、図
から明らかなように、燃焼と不活性物質の混合流と酸化
剤と不活性物質の混合流との衝突位置、すなわち、炉壁
面から火炎51までの距離dは、燃料ノズル2Nに対す
る酸化剤ノズル3aN,3bNの交差角度αを変えるこ
とにより、容易に変更できる。従って、この酸素燃焼バ
ーナ10を用いることにより、炉内の任意の位置に偏平
火炎を形成することが可能となる。また、火炎の広がり
も、燃料ノズル2Nに対する酸化剤ノズル3aN,3b
Nの交差角度αを変えることによって制御できる。
【0033】図6は、本発明による酸素燃焼バーナのさ
らに他の実施形態を示している。この形態では、耐火煉
瓦である本体部分1Aの中央位置にセラミックス製パイ
プにより作られる燃料流路2Aが水平状態で配置されて
おり、その上下に、同じくセラミックス製パイプにより
作られる2本の酸化剤流路3Aa、3Abが燃料流路2
Aに対する傾斜角度が調節可能な態様で配置されてい
る。すなわち、本体部分1Aの前記燃料流路2Aの上下
には、先端側から後端側に向けて三角形状に広がる孔1
Ba、1Bbが穿設されており、該孔1Ba、1Bb内
に2本の酸化剤流路3Aa、3Abを形成するパイプが
それぞれ挿入されている。そして、各パイプは先端側を
定位置として、上下方向にに該孔1Ba、1Bb内で揺
動可能とされている。
【0034】本体部分1Aの後端側には、各パイプを所
定の位置に保持するための固定装置1Dが取り付けてあ
り、酸化剤流路3Aa、3Abを構成する各パイプの後
端側を前記固定装置1Dの適宜の位置にセットすること
により、燃料流路2Aから噴出する燃焼と不活性物質の
混合流に対する、2本の酸化剤流路3Aa、3Abから
の各酸化剤と不活性物質の混合流の上下方向からの交差
角度αを任意に調節することが可能となる。
【0035】この形態の酸素燃焼バーナによれば、燃料
ノズルに対する上下の酸化剤ノズルの取り付け角度を容
易に変化させることができ、それにより、燃焼と不活性
物質の混合流と酸化剤と不活性物質の混合流との衝突位
置を調整して、偏平火炎の炉内での形成位置を変えるこ
とが可能となる。
【0036】図7は、本発明による酸素燃焼バーナのさ
らに他の実施形態を示している。この形態は、上方に位
置する酸化剤ノズル3aNの燃料ノズル2Nに対する傾
斜角度α(α1)が、下方に位置する酸化剤ノズル3b
Nの燃料ノズル2Nに対する傾斜角度α(α2)よりも
大とされており、それに応じて、燃料ノズル2Nの噴口
21から上方に位置する酸化剤ノズル3aNの噴口31
aまでの距離haも、下方に位置する酸化剤ノズル3b
Nの噴口31bまでの距離hより大きくされている点
で、図1、図2に示したものと構成を異にしている。
【0037】この形態の酸素燃焼バーナでは、角度α
(α1)と角度α(α2)の差分に応じて火炎を下向き
にすることができ、火炎の浮き上がりを抑えることがで
きると共に、前記した燃料ノズルを下向きに傾斜させる
場合と同様に、下方から酸化剤と不活性物質の混合流が
角度を持って燃料と不活性物質の混合流に衝突すること
から、燃焼量が増大しても被加熱面を火炎がなめる状態
は回避できる。実験では、角度α(α1)と角度α(α
2)の差は15°程度(ただし、不活性物質の混入量を
燃料や酸化剤の流量の倍以上とした場合には10゜程
度)が限界であり、それ以上大きくすると、火炎全体が
湾曲あるいは2つに分割され、偏平火炎は得られないと
共に、火炎が下向きに広がり部分的に火炎が被加熱物に
接触する状況が生じる。
【0038】図示しないが、ノズル先端に、金属製の
網、パンチングメタルのような多数の穴の空いた金属
板、長さ数cmの肉厚の薄い細いパイプを束ねたもの等
を取り付け、各混合流の流れを整流(層流化)するよう
にしてもよい。流れが層流になるか、乱流になるかはレ
イノルズ数に依存し、管内を流れる場合には、管径が小
さいとレイノルズ数が小さくなり層流となる。太い管内
に、流れを分割する前記のような整流器を入れることに
より、流れが層流となり、流れの炉内への貫通力が強く
なる。そのために、流れを層流化することにより、バー
ナから離れた位置で流れを衝突させたい場合に、一層流
れを減衰させずに効果的に偏平火炎を形成することが可
能となる。
【0039】本発明による酸素燃焼バーナにおいて、前
記しかつ後記の実験例において詳しく説明するように、
前記交差角度α(図7に示す形態ではα(α1)とα
(α2)、以下同じ)が小さい場合には、ノズルから離
れた位置に幅の狭い偏平火炎が得られ、交差角度αが大
きくなるにつれて、火炎はノズルに近づきかつ幅の広い
偏平火炎が得られる。従って、前記交差角度αを適宜制
御することにより、任意の広がりを持つ偏平火炎を炉内
の任意の位置に形成することが可能となる。また、小型
のガラス溶解炉などにおいては、前記したように、不活
性ガスを混入しないで燃料と酸化剤のみを所定の交差角
度αで衝突させるようにしてもよい。その際に、ある程
度以上に交差角度αが大きくなると、火炎長は短くな
り、かつ、二つに分割した偏平火炎が得られる。この二
分割した火炎は、面積の小さい炉において特に有効な放
射火炎となる。
【0040】従来の酸素燃焼バーナにおいて、燃料と酸
化剤の噴出流速vが遅い場合に火炎は浮き上がる傾向に
あり、火炎が浮き上がると、炉天井を傷める原因となり
好ましくない。そのための対策として、酸化剤の流速v
を上げるか、バーナノズルをやや下向きに取り付けるこ
とを行っているが、流速vが増加すると放射熱流束は減
少するので好ましくなく、また、ノズルを下向きにする
とバーナ燃焼量を増加させた場合には、前記したよう
に、ガラス溶融面を火炎がなめる状態となり好ましくな
い。本発明による酸素燃焼バーナでは、上下に酸化剤ノ
ズル3aN,3bNを有することから、燃料ノズルを下
向きにすることで、また、適宜の手段により、上方に位
置する酸化剤ノズル3aNからの酸化剤と不活性物質の
混合流の噴出流速を下方に位置する酸化剤ノズル3aN
と比較して速くするか、又は、上方に位置する酸化剤ノ
ズル3aNからの酸化剤と不活性物質の混合流の噴出流
量を下方に位置する酸化剤ノズル3aNと比較して多く
することで、放射熱流束を減少させることなく、かつ、
偏平火炎の水平状態をそのまま維持して、火炎の浮き上
がりを抑えることが可能となる。
【0041】また、本発明による酸素燃焼バーナは燃料
と不活性物質の混合流と酸化剤と不活性物質の混合流と
がそれぞれのノズルから噴出するので、衝突して燃焼を
開始する以前に炉内の燃焼ガスをさらに巻き込む。その
ために、最高火炎温度が低下し、流速vと、燃料ノズル
と酸化剤ノズルの間隔hを調節することでNOx 排出量
を少なくすることができる。なお、NOx 排出量を少な
くするには、各混合流の噴出速度vを速く、燃料ノズル
と酸化剤ノズルの間隔hを広くすればよいことが知られ
ているが、噴出速度vを速くしすぎたり、ノズルの間隔
hを広げすぎると、放射熱流束は低下するので、両者の
バランスを取りつつ、適当な速度v及びノズルの間隔h
を実験的に設定する。
【0042】図8は本発明による酸素燃焼バーナのさら
に他の実施形態を示している。この形態は、上下の酸化
剤ノズル3aN、3bNが、燃料ノズル2Nに対して傾
斜した部分3a1、3b1と、該傾斜した部分の上流側
端部に連続する燃料ノズル2Nに実質的に平行な部分3
a2、3b2とで構成され、該平行な部分3a2、3b
2がそのまま酸化剤流路3a、3bに連接している。
【0043】この形態の酸素燃焼バーナでは、酸化剤ノ
ズル3aN、3bNが傾斜した部分3a1,3b1と平
行とされた部分3a2,3b2とで構成されるので、図
1、図2に示す形態のものと比較して耐火煉瓦の上下方
向の高さを低くすることができ、バーナが小型化する。
また、耐火煉瓦は高価であり、この形態とすることによ
りコストを低減することもできる。傾斜した部分3a
1,3b1の長さを、好ましくは、平行とされた部分3
a2、3b2の直径の5倍以上の長さとすることによ
り、酸化剤の噴出方向の直進性は確保される。
【0044】特に図示しないが、前記図6に示した形態
の酸素燃焼バーナにおいても、2本の酸化剤流路3A
a、3Abを直線状ではなく、中途で折曲した形状とす
ることは可能であり、それにより、耐火煉瓦の上下方向
の高さ方向を低くすることができ、低コスト化が可能と
なる。
【0045】図9は本発明による酸素燃焼バーナのさら
に他の実施形態を示している。この形態は、燃料流路2
A’、酸化剤流路3Aa’、3Ab’は、その先端のノ
ズル部分も含めて、共にステンレスのような耐熱性、耐
腐食性のある金属製パイプで作られており、かつ、その
全体がやはりステンレスのような耐熱性、耐腐食性のあ
る金属材料で作られたケーシング1mで覆われている。
そして、該ケーシング1mの内部は水冷用のジャケット
Wjとされ、ケーシング1mには冷却水の導入口Win
と排出口Woutが設けられる。この構成では、バーナ
構造材料がすべて金属となり、加工が容易となると共
に、水冷構造のため耐火煉瓦の場合とし比較して、高い
耐熱性、耐腐食性が得られる。
【0046】上記の例では、燃料及び酸化剤がバーナに
流入する前に、不活性物質と混合状態となり、燃料ノズ
ル噴口からは燃料と不活性物質の混合流が、酸化剤ノズ
ル噴口からは酸化剤と不活性物質の混合流が、それぞれ
噴出するものとして説明したが、ノズル噴口部分まで、
燃料あるいは酸化剤の流路と不活性物質の流路とを別流
路としておき、それぞれの噴口から噴出した直後に、混
合流となるようにしてもよい。
【0047】図10,図11はその一例であり、この酸
素燃焼バーナ10は、基本的構成は図1及び図2に示し
たものと同じであるが、図10のXI−XI線による断
面図である図11によく示されるように、燃料流路2及
び上下に2本の酸化剤流路3a、3bの外周に不活性物
質流路7,7a,7bが形成されている点で構成を異に
している。すなわち、耐火煉瓦1には不活性物質流路
7,7a,7bが形成され、後方端に取り付けたケーシ
ング4は、開口4aを図示しない不活性物質NG供給源
に接続させている。一方、燃料流路2及び上下に2本の
酸化剤流路3a、3bはセラミックスあるいはステンレ
スのような材料で作られたパイプによりなり、それが適
宜のスペーサ(不図示)を介在させて不活性物質流路
7,7a,7bに挿入されている。各パイプの後方端は
前記ケーシング4を貫通して外方に延出し、端部を図示
しない燃料供給源Fs及び酸化剤供給源Osにそれぞれ
接続している。
【0048】この構造の酸素燃焼バーナ10では、各ノ
ズルの噴口部分までは、燃料あるいは酸化剤と不活性物
質とは混合することなく別流路を通過し、それぞれの噴
口から噴出した直後に、混合流となる。この場合でも、
図1及び図2に示したバーナと同様に、燃料ノズル及び
酸化剤ノズルから噴出する燃料及び酸化剤の噴流には所
要に運動量が付加されることは理解されよう。
【0049】以上の説明では、すべての噴口が断面円形
であることを前提としてきたが、断面円形のノズル噴口
から噴出する細い3本の流れを所望の一点で衝突させる
ようにノズルを加工することは容易でない。一方、所望
の点で衝突しない場合には、所望の扁平火炎が得られな
い恐れがある。そこで、本発明の酸素燃焼バーナの好ま
しい態様では、少なくとも酸化剤ノズルから噴出した上
下の酸化剤と不活性物質の混合流(あるいは、図10、
図11に示すように、酸化剤ノズルとその外周の不活性
物質ノズルから噴出して混合した酸化剤と不活性物質の
混合流)を水平方向に扁平な形状として衝突させるよう
にし、加工誤差あるいは成形誤差により酸化剤と不活性
物質の混合流の噴出方向が当所の設計目標と多少異なっ
てしまった場合でも、衝突が確実に起こるようにして扁
平火炎の形成を確実としている。
【0050】図12a,bはその一例を示しており、基
本的構成は前記図10,図11に示したものと同様であ
るが、図12aでは、燃料流路2の少なくとも先端の燃
料ノズル2N部分は断面が水平方向に長軸を持つ矩形形
状とされ、また、2本の酸化剤流路3a、3bの少なく
とも先端の酸化剤ノズル3aN,3bN部分も断面が水
平方向に長軸を持つ矩形形状とされている。それに応じ
て、不活性物質流路7,7a,7bの先端の不活性物質
ノズル7N,7aN,7bNの形状も水平方向に長軸を
持つ矩形形状とされている。
【0051】図12bでは、燃料ノズル2N部分の先端
噴口21,及び酸化剤ノズル3aN,3bN部分の先端
噴口31a、31bは、ともに水平方向に長い矩形形状
となっており、その開口面積は、燃料流路2あるいは酸
化剤流路3a、3bの断面積とほぼ等しくされている。
また、前記矩形形状である噴口21及び31a、31b
は、平面視で上流側に次第に幅狭となる扇形状の領域2
1x及び31ax、31bxを介して次第に断面積を縮
小し、それぞれの流路(燃料流路2及び酸化剤流路3
a、3b)に連続している。そして、不活性物質ノズル
7N,7aN,7bNの形状もそれに応じた形状とされ
ている。
【0052】上記の酸素燃焼バーナにおいては、燃料流
路2を通過してくる燃料、及び、酸化剤流路3a、3b
を通過してくる酸化剤は、図12aにおいては、ノズル
の断面形状に応じた水平方向に扁平な形状をなして真っ
直ぐに、また、図12bにおいては、ノズルの扇形状領
域21x及び31ax、31bxの広がり角度γに応じ
た角度で水平方向に扁平に広がりながら、噴口21及び
噴口31a、31bから噴出する。また、不活性物質流
路を通過してくる不活性物質も、同様に、扁平状をなし
て噴口71から噴出する。
【0053】なお、噴出した酸化剤を水平方向に扁平形
状として上下方向から衝突させるようにする具体的手段
として、図13に示すように、上下の酸化剤ノズル3a
N,3bNの噴口31a,31bを実質的に円形である
噴口を水平方向に複数個(図示では、2個)配置した形
状としてもよい。図示しないが、周囲の不活性物質ノズ
ルは二つの噴口31a,31bを囲むようにして形成さ
れる。図示しないが、燃料ノズル及びその周囲の不活性
物質ノズルも水平方向に扁平な形状で噴出されるように
設けるようにしてもよい。
【0054】次に、本発明者の行った実験例に基づき、
本発明をさらに説明する。図1,2に示した構成の酸素
燃焼バーナを用い、燃料としてメタンを主成分とする都
市ガス、酸化剤として液化酸素を気化させた酸素濃度9
9.5%以上の酸素を用いて燃焼させた。不活性物質と
しては、CO2を用いた。燃料流量は23m3/h、燃
焼量で265kW(LHV換算)、酸素流量は55m3
/hで、23m3/hのガスが完全燃焼するのに必要な
酸素量の1.05倍を供給した。不活性物質流量は燃料
及び不活性物質流量の2倍まで供給して実験を行った。
【0055】燃料ノズルと酸素ノズルの間隔は25〜1
00mm、燃料と酸素と不活性物質の噴出速度は同一で
30〜80m/s、酸素ノズルの取り付け角度を0〜1
5度まで変化させて行った。
【0056】実験炉の炉内寸法は、幅1.2m、高さ
1.2m、長さ3.6mの立方体のものを用い、前記バ
ーナを一端側壁の中央に設置し、他端側の上部には煙道
を設置した。火炎からの放射と放射熱流束は比例関係に
あることから、火炎からの熱放射の強さを測定するため
に、炉床での放射熱流束を測定した。測定は、火炎の軸
方向にバーナから0.3m間隔で6点測定した。
【0057】図14は、酸素ノズルの燃料ノズルに対す
る傾斜角度(交差角度)αが放射熱流束へ与える影響に
ついての比較を示す。燃料及び酸素の流速vは共に30
m/s、燃料ノズルと酸素ノズルとの間隔hは50mm
と固定し、酸素ノズル角度αのみを0度〜15度まで変
化させた場合の、放射熱流束を測定した。0度(平行)
の場合(α=0度)、放射熱流束は低く、火炎の後半部
分で放射熱流束が高くなる分布を示す。これは、燃料と
酸素の混合が悪いために、燃焼が遅れ、火炎がバーナか
ら遠く離れた位置にできたためである。5度内側に傾け
た場合(α=5度)、全体に放射熱流束が高くなり、ピ
ークの位置も炉の中央付近にできる。このことから、上
下の酸素ノズルを内側に傾けることは、放射熱流束を高
めるのに有効であることが確認される。10度内側に傾
けた場合(α=10度)、バーナ近くの放射熱流束が上
昇し、放射熱流束分布がさらに高くなった。さらに角度
をきつくして、15度内側に傾けた場合(α=15度)
放射熱流束分布のピークはバーナ側に近寄り、ピークは
高くなったが、バーナから離れた位置での放射熱流束は
低くなり、均一性は悪化した。
【0058】図15は、燃料及び酸素の速度vが放射熱
流束へ与える影響についての比較を示す。ここでは、燃
料及び酸素の流速vを30m/sから80m/sまで変
化させた場合の放射熱流束分布を調べた。流速が最も低
い30m/sの放射熱流束が高くなる傾向は見られるも
のの、流速が速い場合には放射熱流束はほとんど差はな
く、また、放射熱流束分布にも大きな差は見られない。
【0059】図16は、燃料ノズルと酸素ノズルとの間
隔hが放射熱流束へ与える影響についての比較を示す。
ここでは、燃料ノズルと酸素ノズルとの間隔hを25m
mから100mmまで変化させた場合の放射熱流束分布
を調べた。h=100mmの場合の放射熱流束が最も低
くなるが、h=50mm以下の場合、放射熱流束にほと
んど差がない。
【0060】次に、火炎形状について検討した。実験炉
は内側が耐火断熱材張りで、壁面からの放射が強く、火
炎の観察には適さない。そこで上記バーナを大気解放で
燃焼させ、火炎形状を観察した。酸素ノズルの角度が0
度(平行)の場合(α=0度)、火炎は、図17
((a)は側面図、(b)は平面図、以下、図18、図
19でも同じ)に示すように、バーナから離れた位置に
作られた。また、火炎は長く、円筒状となった。5度内
側に傾けた場合(α=5度)、上下からの酸素流の影響
で、円筒状の火炎がわずかに横方向に偏平となり、火炎
長はやや短くなった。10度内側に傾けた場合(α=1
0度)、図18に示すように、横方向に広がる偏平な火
炎ができた。15度内側に傾けた場合には(α=15
度)、図19に示すように、バーナの近くに横方向に分
割された二つの火炎51a、51bが形成され、火炎長
はさらに短くなった。
【0061】これらの結果から、火炎形状は燃料及び酸
素の流速vや、ノズル間の間隔hよりも、酸素ノズルの
交差角度αに強く影響され、交差角度αが大きくなると
共に火炎長は短くなること、また、ある程度以上の角度
になると、偏平火炎は横方向に分割されることが分かっ
た。このことから、本発明による酸素燃焼バーナは、ガ
ラス溶解炉のように、火炎からの強い放射を必要とする
燃焼炉の熱源としてきわめて有効であることを確認し
た。また、ガラス溶解室面積が小さい、小型のガラス溶
解炉では、角度を大きく取り、一つのバーナで二つの火
炎を作ることが有効であることも確認できた。
【0062】ところで、燃料に窒素を含まない都市ガ
ス、酸化剤に液化酸素を気化させた純酸素を使用した場
合、理論的にはNOx 排出量はゼロとなる。しかし、工
業炉では、炉内への侵入空気を防ぐことは、実質的に不
可能であり、ある程度の侵入空気を想定して、NOx 対
策を取ることが必要である。本発明による燃焼炉では、
酸素燃焼であっても、燃料と酸化剤がそれぞれノズルか
ら噴出し、前記のように、衝突して燃焼を開始する以前
に炉内の燃焼ガスを巻き込む。そのため最高火炎温度が
低下するのでNOx 削減に大きな効果がもたらされる。
【0063】さらに、図20〜図22に示すように、実
験結果によると、本形式のバーナでは、酸素ノズルの
交差角度αが少ないほど(図20、燃料と酸素のノズ
ルからの噴出速度vが速いほど(図21)、ノズル間
隔hが広いほど(図22)、NOx 排出量は低くなるこ
とが確認された。前記特開平3−186111号公報に
代表される、中央部の燃料ノズルから燃料が噴出され、
それと同時に燃料を取り囲む環状酸素ノズルから酸素が
供給され、燃料と酸素がバーナ先端を過ぎた外側で燃焼
を開始するようにした、いわゆる二重管構造の酸素燃焼
バーナのNOx排出量は、同一の実験条件で150pp
m(O2=0%換算)前後であったが、本発明による酸
素燃焼バーナでは、放射熱流束が高く、分布が均一とな
る条件において、NOx 排出量は90ppm(O2=0
%換算)であった。NOx 排出量90ppmは濃度にす
るとやや高く思えるが、酸素燃焼では、排気ガス量が空
気燃焼と比較して大幅に減少するため、酸素燃焼でのN
Ox 排出量を空気燃焼のNOx 排出量に換算すると約1
0ppmに相当し、非常に低い値である。また、NOx
排出量を極限まで下げようとする場合、本発明のバーナ
で、条件を適切に選択することにより、9ppm(O2
=0%換算)のNOx 排出量が可能であった。
【0064】
【発明の効果】本発明により、簡単な構成でありなが
ら、炉内の任意の位置に、任意の広がりを持つ偏平火炎
を形成することが可能となり、かつ、低NOx 性も確保
される酸素燃焼バーナが得られる。この酸素燃焼バーナ
は、ガラス溶解炉のように、火炎からの強い放射を必要
とする燃焼炉の熱源としてきわめて有効である。また、
燃料及び酸化剤を不活性物質とともに炉内に噴出させ
て、噴流の運動量を増加させるようにしている。そのた
めに、燃焼に影響を与えることなく、バーナから遠く離
れた位置で燃料と酸化剤との衝突点を作ることが可能と
なり、大型ガラス溶融炉などの燃焼空間が大きな炉であ
っても、必要な位置に必要な大きさの扁平火炎を作るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による酸素燃焼バーナの一形態を示す斜
視図。
【図2】図1のII−II線による断面図。
【図3】本発明による酸素燃焼バーナを熱源とする燃焼
炉内での火炎形態を示す模式図。
【図4】本発明による酸素燃焼バーナを熱源とする燃焼
炉の燃焼状態を示す概念図。
【図5】本発明による酸素燃焼バーナの他の実施形態を
示す断面図。
【図6】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施
形態を示す断面図。
【図7】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施
形態を示す断面図。
【図8】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施
形態を示す断面図。
【図9】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施
形態を示す断面図。
【図10】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実
施形態を示す断面図。
【図11】図10のXI−XI線による断面図。
【図12】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実
施形態を示す断面図。
【図13】本発明による酸素燃焼バーナのノズル部分の
他の形態を示す図。
【図14】交差角度αの違いによる放射熱流束の違いを
示すグラフ。
【図15】燃料及び酸化剤の流速vの違いによる放射熱
流束の違いを示すグラフ。
【図16】燃料ノズルと酸化剤ノズルの間隔hの違いに
よる放射熱流束の違いを示すグラフ。
【図17】燃焼炉内での火炎の状態を示す概念図。
【図18】燃焼炉内での火炎の状態を示す概念図。
【図19】燃焼炉内での火炎の状態を示す概念図。
【図20】交差角度αがNOx 排出量へ与える影響を示
すグラフ。
【図21】燃料及び酸化剤の流速vがNOx 排出量へ与
える影響を示すグラフ。
【図22】燃料ノズルと酸化剤ノズルの間隔hがNOx
排出量へ与える影響を示すグラフ。
【符号の説明】
10…酸素燃焼バーナ、2…燃料流路、2N…燃料ノズ
ル、21…燃料ノズルの噴口、3a、3b…酸化剤流
路、3aN、3bN…酸化剤ノズル、31a,31b…
酸化剤ノズルの噴口、50…燃焼炉、Fs…燃料、Os
…酸化剤、NG…不活性物質

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ノズルと、該燃料ノズルの上下に配
    置した2つの酸化剤ノズルとを有し、該各酸化剤ノズル
    は、噴出する酸化剤が燃料ノズルから噴出する燃料に対
    してほぼ同じ位置で上下方向から衝突するように、燃料
    ノズルに対してそれぞれ傾斜して配置されている酸素燃
    焼バーナであって、該酸素燃焼バーナは、燃料ノズル及
    び酸化剤ノズルから噴出する燃料及び酸化剤の噴流の運
    動量を増加させるために、燃料及び酸化剤とともに燃焼
    に関与しない不活性物質を同時に噴出するようにされて
    いることを特徴とする酸素燃焼バーナ。
  2. 【請求項2】 不活性物質は燃料ノズル及び酸化剤ノズ
    ルから燃料及び酸化剤との混合流として噴出するように
    されていることを特徴とする請求項1記載の酸素燃焼バ
    ーナ。
  3. 【請求項3】 不活性物質は燃料ノズル及び酸化剤ノズ
    ルの中又は周囲に別に設けた不活性物質ノズルから噴出
    するようにされていることを特徴とする請求項1記載の
    酸素燃焼バーナ。
  4. 【請求項4】 不活性物質が当該酸素バーナを熱源とす
    る燃焼炉からの排気ガスの一部であることを特徴とする
    請求項1ないし3いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  5. 【請求項5】 少なくとも前記酸化剤ノズルは、噴出し
    た酸化剤が水平方向に扁平になった状態で上下方向から
    衝突しうるようにされていることを特徴とする請求項1
    ないし4いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  6. 【請求項6】 酸化剤ノズルの噴口及びその上流部分の
    形状を楕円又は矩形のような扁平断面形状とし、それに
    より、酸化剤が水平方向に扁平になった状態で噴出され
    ることを特徴とする請求項5記載の酸素燃焼バーナ。
  7. 【請求項7】 酸化剤ノズルの噴口及びその上流部分の
    形状を、噴口は楕円又は矩形のような扁平断面形状であ
    り、その上流部分は円筒形が次第に水平方向に扁平に広
    がって前記噴口にいたる形状とされており、それによ
    り、酸化剤が水平方向に扁平でありかつ水平方向に広が
    りながら噴出されることを特徴とする請求項5記載の酸
    素燃焼バーナ。
  8. 【請求項8】 酸化剤ノズルの噴口が水平方向に2個以
    上配置されていることを特徴とする請求項5ないし7い
    ずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  9. 【請求項9】 燃料ノズルは、噴出した燃料が水平方向
    に扁平になった状態で噴出するようにされていることを
    特徴とする請求項5ないし8いずれか記載の酸素燃焼バ
    ーナ。
  10. 【請求項10】 燃料ノズルの噴出方向が実質的に水平
    方向である請求項1ないし9いずれか記載の酸素燃焼バ
    ーナ。
  11. 【請求項11】 燃料ノズルの噴出方向が水平方向より
    下向きとされている請求項1ないし9いずれか記載の酸
    素燃焼バーナ。
  12. 【請求項12】 燃料ノズルの下向き角度が5°以下で
    ある請求項11記載の酸素燃焼バーナ。
  13. 【請求項13】 燃料ノズルに対する2つの酸化剤ノズ
    ルの傾斜角度が共に等しくされている請求項1ないし1
    2いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  14. 【請求項14】 燃料ノズルに対する2つの酸化剤ノズ
    ルの傾斜角度が異なる角度とされている請求項1ないし
    12いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  15. 【請求項15】 上方に位置する酸化剤ノズルの燃料ノ
    ズルに対する傾斜角度が下方に位置する酸化剤ノズルの
    燃料ノズルに対する傾斜角度よりも大とされている請求
    項14記載の酸素燃焼バーナ。
  16. 【請求項16】 燃料ノズル及び上下に配置した酸化剤
    ノズルの先端に、流れを層流化するための手段が備えら
    れている請求項1ないし15いずれか記載の酸素燃焼バ
    ーナ。
  17. 【請求項17】 2つの酸化剤ノズルは、燃料ノズルに
    対して傾斜した部分と、該傾斜した部分の上流側端部に
    連続する燃料ノズルに実質的に平行な部分とで構成され
    ることを特徴とする請求項1ないし16いずれか記載の
    酸素燃焼バーナ。
  18. 【請求項18】 2つの酸化剤ノズルの傾斜した部分の
    長さは、酸化剤ノズルの直径の5倍以上の長さとされて
    いる請求項17記載の酸素燃焼バーナ。
  19. 【請求項19】 燃料ノズルと2つの酸化剤ノズルと
    は、耐火煉瓦に穿孔することにより形成されることを特
    徴とする請求項1ないし18いずれか記載の酸素燃焼バ
    ーナ。
  20. 【請求項20】 燃料ノズルと2つの酸化剤ノズルとは
    セラミックス製パイプで作られ、周囲が耐火煉瓦で覆わ
    れていることを特徴とする請求項1ないし18いずれか
    記載の酸素燃焼バーナ。
  21. 【請求項21】 燃料ノズルと2つの酸化剤ノズルとは
    金属パイプで作られ、周囲が金属製の水冷用ジャケット
    で覆われていることを特徴とする請求項1ないし18い
    ずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  22. 【請求項22】 上下に配置した酸化剤ノズルの取り付
    け角度が可変とされており、角度を調節することにより
    燃料と酸化剤との衝突位置を変更することができるよう
    になっている請求項20又は21記載の酸素燃焼バー
    ナ。
  23. 【請求項23】 燃料ノズルは、バーナ本体の上下方向
    のほぼ中央に配置されていることを特徴する請求項1な
    いし22いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  24. 【請求項24】 上下の酸化剤ノズルから噴出する酸化
    剤の流速及び/又は流量が可変とされている請求項1な
    いし23いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  25. 【請求項25】 酸化剤として酸素濃度70%以上の酸
    素富化空気又は純酸素を用いることを特徴とする請求項
    1ないし24いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  26. 【請求項26】 燃料として、メタン、エタン、プロパ
    ン、ブタン、アセチレン、一酸化炭素、水素、天然ガ
    ス、液化天然ガス、改質ガス、噴霧されたオイル、気流
    搬送される微粉炭、又はこれらの混合体からなるガス状
    燃料を用いることを特徴とする請求項1ないし25いず
    れか記載の酸素燃焼バーナ。
  27. 【請求項27】 請求項1ないし26いずれか記載の酸
    素燃焼バーナを熱源とする燃焼炉。
  28. 【請求項28】 燃焼炉からの燃焼排ガスを酸素燃焼バ
    ーナに供給する不活性物質の全部又は一部として用いる
    ことを特徴とする請求項27記載の燃焼炉。
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