JP2000160103A - 上塗り艶消し塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 - Google Patents

上塗り艶消し塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物

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JP2000160103A JP10337605A JP33760598A JP2000160103A JP 2000160103 A JP2000160103 A JP 2000160103A JP 10337605 A JP10337605 A JP 10337605A JP 33760598 A JP33760598 A JP 33760598A JP 2000160103 A JP2000160103 A JP 2000160103A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料樹脂に艶消しを目的に艶消し剤(疎水性
シリカ、樹脂ビ−ズ)を配合すると、耐候性、低汚染性
が損なわれる。よって、配合剤以外での艶消し技術が必
要となってきた。 【解決手段】 (a)分子内に加水分解性シリル基を有
するビニルモノマー1〜90重量部及び(b)その他の
ビニルモノマー10〜99重量部からなる共重合体を2
段重合で製造する際、1段目の重合転化率が50%以上
で重合し、さらに2段目を重合させて得られる艶消し塗
料用樹脂(A)成分、一般式: (R1 O)4-a −Si−R2 a (式中、R1 、R2 は、それぞれ1価の炭化水素基、a
は0または1を示す)で表されるシリコン化合物および
/またはその部分加水分解縮合物(B)成分0〜200
重量部、硬化触媒(C)成分0.1〜20重量部および
シランカップリング剤(D)成分を0〜20重量部含有
する艶消し塗料用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上塗り塗料用硬化
性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、例えば金属、
セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラ
スチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家電用
品、産業機器などの塗装に好適に使用しうる上塗り塗料
用硬化性樹脂組成物、および、当該上塗り塗料用硬化性
樹脂組成物を塗装した塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、窯業系基材、コンクリートや鉄鋼
などからなる建築物、建材などの産業製品などの表面
を、例えば、フッ素樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗
料、アクリルシリコン樹脂塗料などの塗料で被覆するこ
とによって建築物などの外観をよくしたり、防食性や耐
候性等を向上させたりしている。また、同時に近年の都
市部を中心とした環境の悪化や美観・景観保護の意識の
向上から上記の塗料に耐汚染性能を付与したものが開発
上市されるようになってきている。
【0003】コンクリート上、建築外装、室内用途で
は、風合いの問題から艶消しを施した塗料が塗装される
場合が多くなってきている。その際、艶消し剤として、
疎水性シリカ、樹脂ビーズ等を使用した場合、塗膜上に
艶消し剤がブリードしたりする場合がある。その結果、
高耐候性塗料の性能が損なわれたり、耐汚染性能が低下
したりする。この点で、艶消し剤を配合せず硬化塗膜に
艶消し効果を付与する手法が必要となってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のごと
き実状に鑑みてなされたものであり、艶消し剤を配合せ
ずに、樹脂単独で塗膜に艶消し効果を付与させ、耐候
性、耐汚染性等の従来より塗膜に付与している機能を阻
害しないことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の反応性
シリル基含有モノマーを必須成分として、組成の異なる
ビニルモノマーを2段重合して得られる相溶性を適度に
低下させたアクリル系共重合体(艶消し樹脂)、特定の
シリコン化合物、特定の硬化触媒および/または特定の
シランカップリング剤を特定の割合で配合した組成物が
常温または加熱で硬化性を有し、該組成物からの塗膜
が、アクリルシリコン樹脂塗料からの塗膜と同様に優れ
た耐候性を有するとともに、優れた耐汚染性と密着性、
艶消し特性を同時に有するものである。
【0006】これまでは、反応性シリル基含有モノマー
を必須成分として含む1段目重合物と2段目重合物の組
成を極端に変えただけでは、得られる樹脂組成物の貯蔵
安定性が不十分で、樹脂が分離、ゲル化する傾向にあっ
た。これに対して、2段重合の一方の重合モノマー組成
に炭素数5以上の(メタ)アクリル酸エステルを特定の
割合で、またもう一方の重合モノマー組成中に(メタ)
アクリル酸アミド誘導体を共重合することで樹脂の安定
性を改良することができた。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂
組成物には、湿分の存在下、室温で硬化性を有するベー
ス樹脂として、加水分解性基と結合したシリル基を有す
るアクリル系共重合体(A)成分が含有される。
【0008】アクリル系共重合体(A)成分は、その主
鎖が実質的にアクリル系単量体が共重合した主鎖からな
る(以下、主鎖が実質的にアクリル系共重合鎖からなる
ともいう)共重合体であるため、得られる本発明の上塗
り塗料用硬化性樹脂組成物から形成される塗膜の耐候
性、耐薬品性などが優れたものとなる。なお、前記アク
リル系共重合体(A)成分の主鎖が実質的にアクリル系
共重合鎖からなるとは、アクリル系共重合体(A)成分
の主鎖を構成する単位のうちの50%以上、さらには7
0%以上がアクリル系単量体単位から形成されているこ
とを意味する。
【0009】また、アクリル系共重合体(A)成分は、
反応性シリル基が炭素原子に結合した形式で含有されて
いるため、塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性などが
すぐれたものとなる。アクリル系共重合体(A)成分に
おいて、加水分解性基と結合したケイ素数は、アクリル
系共重合体(A)成分1分子あたり2個以上、好ましく
は3個以上であることが、本発明の組成物から形成され
る塗膜の耐候性、耐溶剤性などの耐久性が優れるという
点から好ましい。
【0010】前記加水分解性基と結合したシリル基は、
アクリル系共重合体(A)成分の主鎖の末端に結合して
いてもよく、側鎖に結合していてもよく、主鎖の末端お
よび側鎖に結合していてもよい。加水分解性基と結合し
たシリル基の導入方法としては、加水分解性基と結合し
たシリル基を含有する単量体をその他の単量体と共重合
する方法、シリケート化合物を反応させる方法、アクリ
ル共重合体(A)成分に導入した加水分解性シリル基に
シリケート化合物を反応させる方法、または、水酸基含
有共重合体にシリケート化合物を反応させる方法等があ
る。簡便な方法としては、加水分解性基と結合したシリ
ル基を含有する単量体を他の単量体と共重合する方法で
ある。
【0011】前記加水分解性基と結合したケイ素の加水
分解性基は、ハロゲン基、アルコキシ基等がある。その
中で、反応の制御の簡便さからアルコキシ基が有用であ
る。この場合、加水分解性基と結合したシリル基は、例
えば下記一般式(2)で表される。
【0012】
【化1】
【0013】一般式(2)中のR3 としては、水素原子
または炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基で
ある。前記アルキル基の炭素数が10を超える場合に
は、反応性シリル基の反応性が低下するようになる。ま
た、前記アルコキシ基の酸素に結合した基がたとえばフ
ェニル基、ベンジル基などのアルキル基以外の基である
場合にも、反応性シリル基の反応性が低下するようにな
る。
【0014】また、前記一般式(2)中のR4 としては
水素原子または炭素数1〜10(好ましくはたとえば前
記R3 において例示された炭素数1〜4のアルキル
基)、たとえばフェニル基などの好ましくは炭素数6〜
10のアリール基、および、たとえばベンジル基などの
好ましくは炭素数7〜11のアラルキル基から選ばれた
1価の炭化水素基である。これらの中では、本発明の組
成物が硬化性に優れるという点から炭素数1〜4のアル
キル基が好ましい。
【0015】前記一般式(2)において、(R3 O)
3-b は3−bが1以上3以下になるように、すなわちb
が0〜2になるように選ばれるが、アクリル系共重合体
(A)成分の硬化性が良好になるという点からは、bが
0または1であるのが好ましい。したがって、R4 の結
合数は0〜1であるのが好ましい。一般式(2)中に存
在する(R3 O)3-b またはR4 b の数が2個以上の場
合、2個以上含まれるR3 またはR4 は同じであっても
よく、異なっていてもよい。
【0016】前記一般式(2)で表される炭素原子に結
合した反応性シリル基の具体例としては、たとえば後述
する反応性シリル基を含有する単量体に含有される基が
挙げられる。
【0017】また、アクリル系共重合体(A)成分とし
ては、合成の容易さの点から、その分子内に一般式
(2)で表される炭素原子に結合した反応性シリル基を
含有する単量体単位を含有したものが好ましい。なお、
アクリル系共重合体(A)成分中の前記単量体単位の含
有割合に関しては、2段重合の各樹脂組成に含まれる反
応性シリル基は、各段(1段目、2段目)のモノマー組
成中0〜90重量部である。また、樹脂全体としては、
本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性が優れ
る、強度が大きくなるという点から、3〜90%、さら
には10〜70%、とくには10〜50%であるのが好
ましい。
【0018】前記アクリル系共重合体(A)成分に含有
される一般式(2)で表される炭素原子に結合した反応
性シリル基を含有する単量体単位以外の単量体単位とし
ては、後述するアクリル系単量体からの単位、後述する
必要により用いられるその他の単量体からの単位が挙げ
られる。
【0019】アクリル系共重合体(A)成分は、(c)
のモノマーを含む樹脂成分の数平均分子量が15000
〜100000、好ましくは20000〜70000、
更に好ましくは30000〜50000である。また、
(d)のモノマーを含む樹脂成分の数平均分子量として
は、3000〜25000、好ましくは、5000〜1
5000、更に好ましくは6000〜10000であ
る。全体の数平均分子量としては、本発明の組成物を用
いて形成される塗膜の耐久性などの物性が優れるという
点から、4000〜90000、なかんずく6000〜
40000であることが好ましい。前記のごときアクリ
ル系共重合体(A)成分は、単独で用いてもよく、2種
以上併用してもよい。
【0020】本発明の樹脂系では、1段目の重合転化率
が50%以上であることが必須である。1段目の重合転
化率が50%未満である場合には、得られる樹脂の艶消
し効果が不充分であるか、重合安定性が不充分となり、
重合中に樹脂がゲル化したり分離したりという不具合が
生じる。また、重合が滞りなく行えても、貯蔵中に樹脂
が増粘や分離、ゲル化したりする場合がある。これは1
段目の重合で得られるポリマー生成が不充分な場合に、
1段目と2段目のポリマーの相溶性のバランスがくずれ
ることに起因するものと考えられる。
【0021】つぎに、アクリル系共重合体(A)成分の
製法の一例について説明する。アクリル系共重合体
(A)成分は、たとえば重合性二重結合および炭素原子
に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)、そ
の他のビニルモノマー(b)、炭素数が5以上の(メ
タ)アクリル酸エステル(c)、N−アルキロール(メ
タ)アクリルアミドおよび/またはアルキル(メタ)ア
クリルアミド(d)ならびに必要により用いられるその
他の単量体を含有するものを重合することによって製造
することができる。
【0022】前記モノマー(a)の具体例としては、た
とえば
【0023】
【化2】
【0024】などの一般式(3):
【化3】
【0025】(式中、R3 、R4 、bは前記一般式
(2)中のR3 、R4 、bと同じ。R5 は水素原子また
はメチル基を示す。)で表される化合物、
【0026】
【化4】
【0027】などの一般式(4):
【0028】
【化5】
【0029】(式中、R3 、R4 、R5 およびbは前記
一般式(2)および(3)中のR3 、R4 、R5 および
bと同じ。nは1〜12の整数を示す。)で表される化
合物、
【0030】
【化6】
【0031】などの一般式(5):
【0032】
【化7】
【0033】(式中、R3 、R4 、R5 およびbは前記
一般式(2)および(3)中のR3 、R4 、R5 および
bを示す。)で表される化合物、
【0034】
【化8】
【0035】などの一般式(6):
【0036】
【化9】
【0037】(式中、R3 、R4 、R5 およびbは前記
一般式(2)および(3)中のR3 、R4 、R5 および
bと同じ。mは1〜14の整数を示す。)で表される化
合物、
【0038】
【化10】
【0039】(式中、pは0〜20の整数を示す。)な
どの一般式(7):
【0040】
【化11】
【0041】(式中、R3 、R4 、R5 およびaは前記
と同じ、pは0〜22の整数を示す)で表される化合物
や、炭素原子に結合した反応性シリル基をウレタン結合
またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)ア
クリレートなどがあげられる。これらの中では、共重合
性および重合安定性、ならびに得られる組成物の硬化性
および保存安定性が優れるという点から、前記一般式
(4)で表される化合物が好ましい。
【0042】これらのモノマー(a)は単独で用いても
よく、2種類以上併用してもよい。前記モノマー(a)
は、前記のように、得られるアクリル系共重合体(A)
成分中に一般式(2)で表される炭素原子に結合した反
応性シリル基を含有する単量体が3〜90%、さらには
10〜70%、とくには10〜50%含有されるように
使用するのが好ましい。
【0043】前記モノマー(b)の具体例としては、た
とえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブ
チル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)
アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフル
オロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロ
ピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、
グリシジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アク
リルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メ
チル(メタ)アクリルアミド(メタ)アクリロイルモル
ホリン、アロニクスM−5700、マクロモノマーであ
るAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−6
などの化合物(以上、東亜合成化学工業製)、(メタ)
アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸ま
たはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エス
テル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合や
シロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどが挙げ
られる。これらのなかでは、得られるアクリル系共重合
体(A)成分が後述する一般式(1)で表されるシリコ
ン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(B)
成分との相溶性に優れるという点から、n−ブチルメタ
クリレートを含有することが好ましい。
【0044】モノマー(b)の中で上記(メタ)アクリ
ル酸エステル誘導体以外の単量体の具体例としては、た
とえばスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレ
ン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビ
ニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸
などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸など
の不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素
数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールま
たはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの
不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルや
アリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエ
ーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸
ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フ
マル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基
含有ビニル系化合物;2−ヒドロキシエチルビニルエー
テル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエ
ーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、
プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフ
ィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスル
ホン酸などのその他のビニル系化合物などが挙げられ
る。これらのモノマー(b)は単独で用いてもよく、2
種以上併用してもよい。
【0045】なお、アクリル系共重合体(A)成分が、
分子内に一般式(2)で表される炭素原子に結合した反
応性シリル基を含有する単量体単位を3〜90%含有
し、n−ブチルメタクリレート単位を含有する場合に
は、これらを含有する場合に得られるいずれの効果をも
得ることができる。
【0046】前記モノマー(c)は、2段重合の一方の
モノマー組成の重合で生成する樹脂成分に疎水性を付与
することができる。それに対して、モノマー(d)はも
う一方のモノマー組成の重合で生成する樹脂成分に親水
性を付与することができる(1段目、2段目のモノマー
組成は入れ替えて重合することができる。)。このた
め、1段目、2段目の組成(相溶性)の異なる樹脂成分
を有機溶剤中で安定に存在させることができる。
【0047】前記モノマー(c)の具体例としては、ヘ
キシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノ
ニル(メタ)アクリレート、デカノイル(メタ)アクリ
レート、ウンデカノイル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、パルミトイル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート、オレイル
(メタ)アクリレート、リノレイル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。得られる樹脂の安定性の点からアル
キルエステルの炭素数は5〜20が良く、好ましくは5
〜18、さらに好ましくは5〜16である。
【0048】前記モノマー(d)はジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド(メタ)
アクリロイルモルホリン、アロニクスM−5700、マ
クロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、A
B−6、AK−6などの化合物(以上、東亜合成化学工
業製)などが挙げられる。
【0049】前記モノマー(b)の使用量の合計は、用
いるモノマー(a)の種類および使用量に応じて適宜調
整すればよいが、通常用いる重合成分全量の5〜90
%、さらには30〜85%、とくには50〜85%であ
るのが好ましい。また、モノマー(a)の使用量として
は重合成分の3〜90%、さらに3〜60%、特には、
5〜30%が好ましい。なお、モノマー(b)としてn
−ブチルメタクリレートを用いる場合には、その使用量
は用いる単量体の20〜50%であることが、後述する
一般式(1)で表されるシリコン化合物および(また
は)その加水分解縮合物(B)成分との相溶性、およ
び、得られる硬化性組成物から形成される塗膜の各種特
性のバランスが優れるという点から好ましい。
【0050】また、本発明においては、得られる本発明
の組成物から形成される塗膜の耐候性をさらに向上させ
る目的で、たとえば主鎖にウレタン結合やシロキサン結
合により形成されたセグメント、モノマー(a)、モノ
マー(b)、モノマー(c)、モノマー(d)以外の単
量体に由来するセグメントなどを、50%を超えない範
囲でアクリル系共重合体(A)成分の製造時に導入して
もよい。
【0051】これらは単独で用いてもよく、2種以上併
用してもよい。アクリル系共重合体(A)成分にはカル
ボキシル基またはアミノ基などの基が含まれていてもよ
く、その場合には、硬化性、密着性が向上するが、重合
体鎖に結合しているカルボキシル基やアミノ基の場合、
活性が弱く、これらを硬化触媒のかわりに使用して硬化
させようとしても良好な特性の硬化物が得られない。
【0052】さらに、本発明の塗料用組成物において、
主成分であるアクリル系共重合体(A)成分には、アル
コキシシリル基含有共重合体を分散安定剤樹脂として用
い、非水系ディスパージョン重合で得られる非水系重合
体粒子(NAD)を添加することができる。この成分
は、極少量の添加で塗料組成物の低粘度化、ハイソリッ
ド化を達成でき、さらに硬化塗膜の耐衝撃性を向上させ
ることができる。上記添加成分である非水系重合体粒子
(NAD)の製造において用いられる単量体はアクリル
系共重合体(A)成分に使用される単量体を用いること
ができる。
【0053】前記アクリル系共重合体(A)成分は、た
とえば特開昭54−36395号公報、特開昭57−5
5954号公報などに記載のヒドロシリル化法または反
応性シリル基を含有する単量体を用いた溶液重合法によ
って製造することができるが、合成の容易さなどの点か
ら反応性シリル基を含有する単量体を用い、アゾビスイ
ソブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル重合開始剤を用
いた溶液重合法によって製造することがとくに好まし
い。また、(c)を含むモノマー組成の重合では、比較
的高分子量の樹脂成分を、(d)を含むモノマー組成の
重合では比較的高分子量の樹脂成分を得ることが樹脂の
安定性上好ましいことから、前者の重合は、過酸化物系
重合開始剤のベンゾイルパーオキサイド、後者の重合で
はアゾ系ラジカル重合開始剤のアゾビスイソブチロニト
リルを用いることがさらに好ましい。
【0054】前記溶液重合法に用いられる溶剤は、非水
系のものであればよく、とくに制限はないが、たとえば
トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサンな
どの炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エ
ステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソロブなどの
セロソルブ類;セロソルブアセテートなどのエーテルエ
ステル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、ア
セチルアセトン、メチルイソブチルケトン、アセトンな
どのケトン類;メタノール、イソプロピルアルコール、
n−ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、オク
タノールなどのアルコール類、さらに弱溶剤タイプのミ
ネラルスピリット、ナフテン系溶剤が挙げられる。
【0055】また、前記溶液重合の際には、必要に応じ
て、たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシル
メルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、(CH 3 O)3 Si−S−S−
Si(OCH33 、(CH33 Si−S8 −Si
(OCH33 などの連鎖移動剤を単独または2種以上
併用することにより、得られるアクリル系共重合体
(A)成分の分子量を調整してもよい。とくに、たとえ
ばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのア
ルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた
場合には、アクリル系共重合体(A)成分の末端に反応
性シリル基を導入することができるので好ましい。かか
る連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.0
5〜10%、なかんづく0.1〜8%であることが好ま
しい。
【0056】本発明においては、前述のアクリル系共重
合体(A)成分100重量部と共に、本発明の組成物か
ら形成される塗膜の耐汚染性を向上させると共に、該塗
膜と被塗物との密着性を向上させるための成分である、
一般式(1): (R1 O)4-a −Si−R2 a (1) (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
〜10のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル
基から選ばれた1価の炭化水素基、R2 は炭素数1〜1
0のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭
素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水
素基、aは0または1を示す)で表されるシリコン化合
物をアルコール系溶剤中、酸性条件下で加水分解した化
合物(B)成分0〜200重量部(以下、シリコン化合
物の部分加水分解縮合物(B)成分という)が使用され
る。シリコン化合物の部分加水分解縮合物(B)成分を
アクリル系共重合体(A)成分と混合させたものは常温
硬化性および加熱硬化性を有する組成物となり、該組成
物を用いて形成される塗膜は優れた耐汚染性を有する
が、該塗膜が優れた耐汚染性を有する理由はまだ定かに
は判明していない。おそらくアクリル系共重合体(A)
成分とシリコン化合物(B)成分との相対的硬化速度の
違いと相溶性に起因し、表面硬度および親水性が向上す
ることが影響しているものと考えられる。
【0057】前記一般式(1)において、R1 は炭素数
1〜10のアルキル基(好ましくはたとえばメチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル
基)、炭素数6〜10のアリール基(好ましくはたとえ
ばフェニル基などの炭素数6〜9のアリール基)、およ
び、炭素数7〜11のアラルキル基(好ましくはたとえ
ばベンジル基などの炭素数7〜9のアラルキル基)から
選ばれた1価の炭化水素基である。前記アルキル基の炭
素数が10を超える場合には、シリコン化合物の部分加
水分解縮合物(B)成分の反応性が低下するようにな
る。また、R1 が前記アルキル基、アリール基、アラル
キル基以外の場合にも反応性が低下するようになる。
【0058】また、前記一般式(1)において、R2
炭素数1〜10のアルキル基(好ましくはR1 と同様の
炭素数1〜4のアルキル基)、炭素数6〜10のアリー
ル基(好ましくはR1 と同様の炭素数6〜9のアリール
基)、および、炭素数7〜11のアラルキル基(好まし
くはR1 と同様の炭素数7〜9のアラルキル基)から選
ばれた1価の炭化水素である。
【0059】前記一般式(1)において、(R1 O)
4-a は4−aが3以上になるように、すなわちaが0〜
1になるように選ばれるが、本発明の組成物から形成さ
れる塗膜の硬化性が向上するという点からは、aが0で
あるのが好ましい。一般式(1)中に存在する(R1
O)4-a の数が2個以上の場合、2個以上含まれるR1
は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0060】前記シリコン化合物の具体例としては、た
とえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケー
ト、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピ
ルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi
−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリse
c−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラ
ン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブト
キシシランなどのシランカップリング剤などが挙げられ
る。
【0061】また、前記シリコン化合物の部分加水分解
縮合物(B)成分の具体例としては、たとえば通常の方
法で前記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシ
ランに水を添加し、縮合させて得られるものがあげら
れ、たとえばMSI51、ESI28、ESI40、E
SI48(以上、コルコート製)、MS51、MS5
6、MS56S(以上、三菱化学製)、Mシリケート5
1、FR−3、シリケート40、シリケート45、シリ
ケート48、ES−48(以上、多摩化学社製)などの
テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物や、たと
えばAFP−1(信越化学工業製)などのトリアルコキ
シシランの部分加水分解縮合物などが挙げられる。上記
シリコン化合物等(B)成分は単独で用いてもよく、2
種類以上併用してもよい。
【0062】前記シリコン化合物の部分加水分解縮合物
(B)成分のうちでは、アクリル系共重合体(A)成分
との相溶性、得られる本発明の組成物の硬化性が良好
で、該組成物を用いて形成される塗膜の硬度に優れると
いうことより汚染物質の付着を制御するという点から、
MSI51、MS51、MS56、MS56S(テトラ
メトキシシランの部分加水分解縮合物)やESI48
(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)などの
テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物を用いる
のが好ましく、特に、重量平均分子量が1000より大
きいMS56SおよびESI48のような化合物が、配
合量を低減できる点から更に好ましい。
【0063】シリコン化合物の部分加水分解縮合物
(B)成分は、前記シリコン化合物及び(または)シリ
コン化合物の部分加水分解縮合物をアルコール系溶剤
中、酸性条件下で加水分解して得られる。
【0064】なお、前記アルコール系溶剤としては、例
えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブチルアルコールなどが挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用しても
よい。これらのうちでは、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノールが安定性向上の点から好ましい。
【0065】前記酸性条件下とは(1)酸性物質を添加
する、(2)陽イオン交換樹脂で処理するような条件を
指す。
【0066】(1)酸性物質とは塩酸、硝酸、リン酸、
硫酸、亜硫酸、などの無機酸;モノメチルホスフェー
ト、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェー
ト、モノオクチルホスフェート、ジオクチルホスフェー
ト、ジデシルホスフェートなどのリン酸エステル;ぎ
酸、酢酸、マレイン酸、アジピン酸、しゅう酸、コハク
酸などのカルボン酸化合物;ドデシルベンゼンスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン
酸、2−ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸化合物
などが挙げられる。これらの中では酸処理後に酸を除去
しやすい点から比較的沸点が低い塩酸、硝酸、亜硫酸、
ぎ酸が好ましい。
【0067】(2)陽イオン交換樹脂とは、例えば、ア
ンバーリスト15(ローム・アンド・ハース社製)、デ
ュオライトC−433(住友化学工業社製)等が挙げら
れる。陽イオン交換樹脂と水とで処理したのちは、濾過
やデカンテーションなどにより陽イオン交換樹脂を除去
するのが好ましい。
【0068】前記(B)成分は単独で用いてもよく、2
種以上併用してもよい。(B)成分の具体例としてはH
AS−1、HAS−10(コルコート社製)などが挙げ
られる。これらのシリコン化合物の部分加水分解縮合物
(B)成分には事前に脱水剤としてオルト酢酸メチルを
加えておくことが、(A)成分と配合した後の貯蔵安定
性などの点より好ましい。
【0069】硬化触媒成分(C)としては、酸触媒およ
び/または有機金属系触媒がある。酸触媒としては、リ
ン酸エステル系、スルホン酸系触媒、リン酸に有機アミ
ンを配合した系、スルホン酸に有機アミンを配合した
系、有機カルボン酸に有機アミンを配合した系がある。
また、有機金属系触媒としては、有機ジルコニウム系、
有機チタン系、有機アルミニウム系、有機錫系がある。
硬化性とポットライフのバランスが取れる点から、有
機錫系が好ましい。これらは、加水分解性シリル基含有
アクリル共重合体(A)成分100重量部に対して0.
1〜20重量部配合することができる。配合量として
は、0.2〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部
が特に好ましい。また、上記硬化触媒は、単独および2
種類以上併用することができる。
【0070】有機リン酸エステル系の具体例としては、
リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェ
ート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェ
ート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェー
ト、ジエチルホスフェート、ジドデシルホスフェートな
どのリン酸またはリン酸エステルがある。スルホン酸系
では、ドデシルベンゼンスルホン酸が代表的である。
【0071】酸系化合物と有機アミン系化合物を併用す
る場合は、後述するシランカップリング剤のうちアミノ
シランに対する影響を考慮して、酸/アミン当量でアミ
ンが過剰になるように配合することが望ましい。ここで
いう有機アミン系化合物の具体例としては、トリエチル
アミン、ドデシルアミン、ジイソプロパノールアミン、
ジメチルドデシルアミン、モルホリン等がある。
【0072】有機錫触媒の具体例としては、ジブチル錫
ビスエチルマレート、ジブチル錫ビスブチルマレート、
ジブチル錫ヘキシルマレート、ジブチル錫ビス(2−エ
チルヘキシルマレート)、ジブチル錫ビスパルミトイル
マレート、ジブチル錫オレイルマレート、ジブチル錫オ
キサイドとエチルシリケートの反応物等がある。
【0073】(D)成分のシランカップリング剤として
は、ビニルシラン、メルカプトシラン、エポキシシラ
ン、アミノシランが配合できる。密着性付与の効果か
ら、エポキシシラン、アミノシランが好ましく、アミノ
シランが特に好ましい。エポキシシランの具体例として
は、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン等がある。アミノシランの具体例としては、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランがある。さらに、該アミノシランとエポキシシラン
またはエポキシ化合物との反応物も使用できる。すなわ
ち、その具体例としては、ビスフェノールA型2官能エ
ポキシ化合物(エピコート828;油化シェルエポキシ
社製)とγ−アミノプロピルトリエトキシシランの1:
2(モル比)の反応物、N−β−(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシランとγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランの1:2.2(モル比)
反応物等がある。シランカップリング剤(D)成分の配
合量としては、(A)成分100重量部に対して、0〜
20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、更に好ま
しくは0.3〜5重量部である。
【0074】また、本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組
成物には、通常塗料に用いられるたとえば酸化チタン、
群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボン
ブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔
料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン
系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料
などの有機顔料などの顔料;希釈剤、紫外線吸収剤、光
安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニト
ロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの
繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹
脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポ
リビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを
適宜加えてもよい。
【0075】本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
は、たとえば浸漬、吹き付け、刷毛、スプレーなどを用
いた塗布などの通常の方法によって被塗物に塗布され、
通常、常温でそのまま、または30℃以上で焼き付けて
硬化せしめる。
【0076】本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
は、たとえば金属、セラミックス、ガラス、セメント、
窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維などから
なる建築物、家電用品、産業機器、自動車などの上塗り
用の塗料として好適に使用される。
【0077】
【実施例】次に、本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成
物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明
はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0078】加水分解性シリル基含有アクリル共重合体
の合成例 攪拌機、温度計、冷却還流器、チッ素ガス導入管および
滴下ロートを備えた反応器に1段目モノマーを仕込み、
チッ素ガスを導入しつつ80℃に昇温し、80℃に保持
したまま所定の転化率に達するまで重合した。次に、反
応の温度を110℃に昇温し、滴下ロートに入れた2段
目のモノマーを3時間かけて等速滴下した。更に、上記
反応容器中へ溶剤(2)を1時間かけて等速滴下した。
その後、引き続き、110℃で2時間攪拌した後に、室
温まで冷却した。最後に溶剤(3)を加えて攪拌し、ア
ルコキシシリル基含有アクリル樹脂(A−1〜A−5、
A−7)を得た。
【0079】また、上記反応容器を用いて、反応器に溶
剤(1)を仕込み、重合温度を110℃に調整して、滴
下ロートからビニルモノマーを5時間かけて等速滴下し
た。更に、溶剤(2)を1時間かけて等速滴下した。そ
の後、引き続き、110℃で2時間攪拌した後に、室温
まで冷却した。最後に溶剤(3)を加えて攪拌し、アル
コキシシリル基含有アクリル樹脂(A−6)を得た。溶
剤(1)、(2)、(3)、およびビニルモノマー組成
物は、表1に記載した。
【0080】得られた上記、常温、熱硬化性樹脂組成物
の固形分濃度および該樹脂の数平均分子量をゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し
た。結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】表1中のA174は、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製)であ
る。
【0083】(ア)上塗り塗料の製造 得られた常温硬化性、熱硬化性有機樹脂溶液(A−1〜
7)、シリケート化合物(B)成分、硬化触媒(C)成
分、および/またはシランカップリング剤(D)成分を
表2に示すように配合して、塗料(AR−1〜8)を得
た。
【0084】
【表2】
【0085】上塗り塗料中の成分の詳細 ☆シリケート成分(B) ●MS56S(テトラメトキシシランの部分加水分解縮
合物;三菱化学社製) ●FR−3(テトラメトキシ−テトラエトキシシランの
部分加水分解縮合物;多摩化学社製) ●ESI48(テトラエトキシシランの部分加水分解縮
合物;コルコート社製)
【0086】☆硬化触媒(C)成分 ●(C)−1;ジブチル錫ビスブチルマレート ●(C)−2;2−エチルヘキサン酸とジメチルドデシ
ルアミンの配合物(塩基/酸当量=1.04)とジブチ
ル錫ブチルマレートの1:1混合物
【0087】☆シランカップリング剤(D)成分 ●(D)−1;ビスフェノールA型2官能エポキシ化合
物(エピコート828;油化シェルエポキシ社製)とγ
−アミノプロピルトリエトキシシランの1:2(モル
比)の反応物 ●(D)−2;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシランとγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランの1:2.2の反応物 ●A1122;β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン ☆OK412 疎水性シリカ(デグサジャパン社製)
【0088】常温、熱硬化性樹脂を用いた白エナメルし
た処方 (ア)で配合した塗料樹脂およびシリケート安定化化合
物に顔料として酸化チタン(CR−95、石原産業社
製)40部を添加し、ガラスビーズを用いてペイントコ
ンディショナーで2時間分散させ、固形分濃度が60%
の白エナメルを得た。該白エナメルの樹脂固形分100
重量部に対して(ア)で示した(C)成分および(D)
成分を上記で示した量を予め混合しておき、添加した。
さらに、シンナーを添加して攪拌機を用いて5分間攪拌
して、固形分濃度が45%の組成物を得た。該配合物を
エアースプレーでガラス板に塗装し23℃7日間養生し
て塗膜を得た。
【0089】得られた塗膜のシリケート化合物の分子量
測定、シリケート成分を樹脂に配合した組成物の50℃
貯蔵後の濁度、増粘率、塗膜の表面状態、については以
下の方法に従って評価した。 (イ) 樹脂組成物の濁度測定 Hazeメーター(日本電色工業製)を使用し測定。 (ロ) 塗膜の光沢測定 光沢計GM268(ミノルタ社製) (ハ) 汚染性(ΔL) 曝露前後の塗膜のL値(色差計GR−300(ミノルタ
社製)で測定)の差(ΔL)で判定。(ΔL値が小さい
程、汚染性が悪い。)
【0090】樹脂の濁度、増粘率、硬化塗膜の光沢値
(艶消し状態)、耐候性、雨筋曝露での汚染性評価結果
を表3に示す。
【0091】
【表3】
【0092】1) 汚染性;大阪府摂津市北面垂直曝露
(雨筋曝露)3か月(曝露期間;1998年4月〜7
月) 2) 促進耐候性試験(SWOM);カーボンアーク式
(スガ試験機社製)
【0093】表3に示すように、1段のみでビニルモノ
マーを追加した場合(比較例1)と比較して、2段重合
で得られた樹脂系の光沢値は、小さく抑えられており、
塗料分野でいうところの全艶消しレベルになっている。
次に、1段目重合で炭素数5以上のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸エステルを3部以上、2段目重合で
N−アルキロール基を有する(メタ)アクリルアミドを
3部共重合することで、その他のモノマーを使用する場
合(比較例2)と比較して、50℃×1ケ月保存した場
合の樹脂の増粘率も抑制されている。また、樹脂に艶消
し剤を配合した場合(比較例3)と比較して、該樹脂組
成物は、耐汚染性、耐候性に優れる結果となっている。
更に、常温乾燥、加熱硬化によって得られた塗膜は、良
好な汚染性を示している。
【0094】
【発明の効果】本発明は、特定のモノマーを特定の割合
で含有する組成物を多段(2段)重合して得られた樹脂
を含む組成物を硬化させた塗膜が優れた艶消し効果を発
現する。また、モノマー組成を調整していることから、
樹脂の安定性が良好であると共に、シリケート成分を配
合していることから、得られた塗膜に良好な耐汚染性を
付与することもできている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)分子内に加水分解性シリル基を有
    するビニルモノマー1〜90重量部及び(b)その他の
    ビニルモノマー10〜99重量部からなる共重合体を2
    段重合で製造する際、1段目の重合転化率が50%以上
    で重合し、さらに2段目を重合させて得られる艶消し塗
    料用樹脂(A)成分100重量部、 一般式(1): (R1 O)4-a −Si−R2 a (1) (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
    〜10のアリール基および炭素数7〜11のアラルキル
    基から選ばれた1価の炭化水素基、R2 は炭素数1〜1
    0のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭
    素数7〜11のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水
    素基、aは0または1を示す)で表されるシリコン化合
    物および/またはその部分加水分解縮合物(B)成分0
    〜200重量部、硬化触媒(C)成分0.1〜20重量
    部およびシランカップリング剤(D)成分を0〜20重
    量部含有することを特徴とする艶消し塗料用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1において2段重合の一方の重合
    モノマー組成中に(c)炭素数が5以上の(メタ)アク
    リル酸エステル3〜80重量部を含有し、もう一方の重
    合モノマー組成中に(d)N−アルキロール(メタ)ア
    クリルアミドおよび/またはアルキル(メタ)アクリル
    アミドおよび/またはアミノアルキル(メタ)アクリル
    酸エステルを1.5重量部以上含むことを特徴とする艶
    消し塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記組成において、(c)のモノマーを
    含有するモノマー組成より重合して得られる部分の樹脂
    の分子量が、15000〜100000、(d)のモノ
    マーを含有するモノマー組成より重合して得られる部分
    の樹脂の分子量が3000〜25000であることを特
    徴とする請求項1、2の艶消し塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3の塗料用組成物を塗布
    してなる塗装物。
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