JP2000159915A - 表面改質ポリオレフィンフィルム及びその製造方法 - Google Patents

表面改質ポリオレフィンフィルム及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000159915A
JP2000159915A JP10342525A JP34252598A JP2000159915A JP 2000159915 A JP2000159915 A JP 2000159915A JP 10342525 A JP10342525 A JP 10342525A JP 34252598 A JP34252598 A JP 34252598A JP 2000159915 A JP2000159915 A JP 2000159915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
modified
film
polyolefin film
treatment
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10342525A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Hata
克彦 畑
Nozomi Kiga
望 氣賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP10342525A priority Critical patent/JP2000159915A/ja
Publication of JP2000159915A publication Critical patent/JP2000159915A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたって他の物質との親和性、密着性
等を維持し、例えば、剥がれにくい塗布層の形成や他の
物質への接着等が可能な表面改質ポリオレフィンフィル
ムを提供する。 【解決手段】 少なくとも片面に改質表面層を有する表
面改質ポリオレフィンフィルムであって、上記改質表面
層は、水と接触した10秒後の水との接触角が55°以
下の状態を少なくとも90日は保持する表面改質ポリオ
レフィンフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面特性が改良さ
れたポリオレフィンフィルム及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンフィルムは、化学的に不
活性であり、廃棄後の焼却処理が比較的容易である等の
優位性を有することから、種々の分野に使用されてい
る。しかしながら、化学的に不活性であるため、このポ
リオレフィンフィルムは、他の物質との親和性、密着性
に乏しく、例えば、ポリオレフィンフィルムの上に容易
に剥離しない被膜等を形成することが困難であるという
問題があった。
【0003】このような問題を解決するために、従来、
酸を用いた薬品処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、
コロナ放電処理、火炎処理等のフィルム表面を改質する
ための各種処理が行われており、特に、工業的にはコロ
ナ放電処理や紫外線照射処理が最も一般的に行われてい
る。
【0004】しかしながら、これらの処理では、フィル
ム表面の改質効果が低く、又、処理後の日数経過により
改質効果が低減し、ポリオレフィンフィルムが放置され
る環境条件によっても異なるが、約1ケ月でほとんど処
理前の状態に戻り、表面改質効果の持続性がないという
問題があった。
【0005】特開平2−60941号公報には、付加重
合性オキサゾリンからなる重合体を含有するコーティン
グ剤によって形成されるコーティング層を有するポリエ
ステルフィルムが開示されている。この技術により、付
加重合性オキサゾリンからなる重合体により形成される
コーティング層が印刷性、接着性等を有することから、
フィルム表面に2次加工をすることができる。
【0006】しかしながら、付加重合性オキサゾリンか
らなる重合体を含有するコーティング剤のポリオレフィ
ンフィルムに対する密着性は充分なものではなく、経時
的に低下し、安定した2次加工可能な表面改質フィルム
を得ることができないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
に鑑み、長期にわたって他の物質との親和性、密着性等
を維持し、例えば、剥がれにくい塗布層の形成や他の物
質への接着等が可能な表面改質ポリオレフィンフィルム
及びその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも片
面に改質表面層を有する表面改質ポリオレフィンフィル
ムであって、上記改質表面層は、水と接触した10秒後
の水との接触角が55°以下の状態を少なくとも90日
は保持することを特徴とする表面改質ポリオレフィンフ
ィルムである。本発明はまた、ポリオレフィンフィルム
の少なくとも片面に、コロナ放電処理及び/又は紫外線
照射処理を施した後、付加重合性オキサゾリンと水酸
基、アミド基又はグリシリル基を含有する少なくとも1
種の他のモノマーとを重合することにより得られる重合
体からなる溶液をコーティングして改質表面層を形成す
ることを特徴とする表面改質ポリオレフィンフィルムの
製造方法でもある。以下に本発明を詳述する。
【0009】第一の本発明は、少なくとも片面に改質表
面層を有する表面改質ポリオレフィンフィルムであっ
て、上記改質表面層は、水と接触した10秒後の水との
接触角が55°以下の状態を少なくとも90日は保持す
る表面改質ポリオレフィンフィルムである。
【0010】上記表面改質ポリオレフィンフィルムを構
成する上記改質表面層は、水と接触した10秒後の水と
の接触角が55°以下となる表面特性を、少なくとも9
0日は保持するものである。上記接触角が55°を超え
ると、表面特性として印刷性、接着性等に必要な親水性
を有さなくなる。また、上記表面特性を少なくとも90
日は保持することにより、フィルムの2次加工までの期
間を充分に取ることができる。従って、上記改質表面層
が表面特性として充分な親水性を持続して有することよ
り、上記表面改質ポリオレフィンフィルムは、表面改質
効果として接着性、印刷性等に優れ、該表面改質効果を
持続して有する。
【0011】上記表面改質ポリオレフィンフィルムを構
成するポリオレフィンとしては、該ポリオレフィンを構
成するモノマーとして、オレフィン系モノマーを50重
量%以上含有するものであれば特に限定されず、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィン
の単独重合体;エチレン−プロピレン共重合体等の上記
α−オレフィン同士の共重合体;エチレン−酢酸ビニル
共重合体等の上記α−オレフィンと共重合可能なα−オ
レフィン以外の単量体とα−オレフィンとの共重合体;
これらの混合物等を挙げることができる。
【0012】上記α−オレフィンとしては特に限定され
ず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等
を挙げることができる。上記のα−オレフィンと共重合
可能なα−オレフィン以外の単量体としては特に限定さ
れず、例えば、酢酸ビニル、マレイン酸、ビニルアルコ
ール、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル等を挙げることができる。これらは、それぞ
れ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0013】上記表面改質ポリオレフィンフィルムを構
成するポリオレフィンフィルムは、上記ポリオレフィン
を、押し出し成型、カレンダー成型、プレス成型等によ
り、それぞれに適した成型条件によりフィルム状に成型
されたものである。また、上記ポリオレフィンフィルム
は単層フィルムであってもよく、性質の異なる2種類以
上のフィルムを積層した積層フィルムであってもよい。
該積層フィルムの場合、各層を形成するフィルムは、要
求性能に応じて種々の組合せが用いられる。
【0014】上記改質表面層は、90日以上放置しても
剥離しないものであることが好ましい。上記表面改質ポ
リオレフィンフィルムの放置は、室温で静置した場合の
放置である。また、上記改質表面層が剥離しないとは、
上記ポリオレフィンフィルムに上記改質表面層が均一に
密着していることである。従って、上記改質表面層が上
記ポリオレフィンフィルムに対して充分な密着性を持続
して有することから、上記表面改質ポリオレフィンフィ
ルムは上記表面改質効果を安定して有する。
【0015】上記改質表面層は、コロナ放電処理及び/
又は紫外線照射処理が施された上記ポリオレフィンフィ
ルムの少なくとも片面に、付加重合性オキサゾリンと水
酸基、アミド基又はグリシリル基を含有する少なくとも
1種の他のモノマーとを重合することにより得られる重
合体により形成されるものであることが好ましい。
【0016】上記コロナ放電処理及び/又は上記紫外線
照射処理を上記ポリオレフィンフィルムに施すことによ
り、コロナ放電処理及び/又は上記紫外線照射処理を施
したポリオレフィンフィルム表面に対する、上記付加重
合性オキサゾリンと水酸基、アミド基又はグリシリル基
を含有する少なくとも1種の他のモノマーとを重合する
ことにより得られる重合体の密着性が優れたものとな
り、その密着性は経時的に低下しないため、上記表面改
質ポリオレフィンフィルムの上記付加重合性オキサゾリ
ンと水酸基、アミド基又はグリシリル基を含有する少な
くとも1種の他のモノマーとを重合することにより得ら
れる重合体による上記表面改質効果は、経時的に低下し
ないで安定する。
【0017】上記付加重合性オキサゾリンとしては、例
えば、下記一般式で表されるものを挙げることができ
る。
【0018】
【化1】
【0019】式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、同一
であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アラルキル基、フェニル基又は置換フ
ェニル基を表す。R5 は、付加重合性不飽和結合をもつ
非環状有機基を表す。
【0020】上記付加重合性オキサゾリンの具体例とし
ては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4
−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル
−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサ
ゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサ
ゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサ
ゾリン、2−ビニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾ
リン、4,4−ジメチル−2−イソプロペニル−2−オ
キサゾリン等を挙げることができる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】上記水酸基、アミド基又はグリシリル基を
含有する他のモノマーとしては、上記付加重合性オキサ
ゾリンと共重合可能なモノマーであれば特に限定され
ず、例えば(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アク
リル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリルア
ミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリル酸グリシリル等を挙げることができる。
【0022】上記付加重合性オキサゾリンと水酸基、ア
ミド基又はグリシリル基を含有する少なくとも1種の他
のモノマーとを重合することにより得られる重合体は、
公知の重合方法により得ることができる。また、市販さ
れているものとして、例えば、日本触媒社製エポクロス
(商品名)等を用いてもよい。
【0023】上記付加重合性オキサゾリンと水酸基、ア
ミド基又はグリシリル基を含有する少なくとも1種の他
のモノマーとを重合することにより得られる重合体によ
り形成される上記改質表面層の厚さは特に制限されず、
目的に応じて設定すればよい。
【0024】また、上記改質表面層は、エポキシ基を2
個以上有するエポキシ化合物をコーティングすることに
より形成されるものも好ましい。
【0025】上記エポキシ基を2個以上有するエポキシ
化合物としては特に限定されず、例えば、エチレングリ
コール、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリト
ール等の多価アルコール;ポリエチレングリコール等の
ポリアルキレングリコールとエピクロルヒドリン等のハ
ロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物;レゾルシ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルエタン、
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホル
ムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類やフェノール樹
脂とエピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ
化合物との反応生成物等を挙げることができる。
【0026】上記改質表面層がエポキシ基を2個以上有
するエポキシ化合物から構成されている場合、エポキシ
基を2個以上有するエポキシ化合物をコーティングする
前に、ポリオレフィンフィルムにコロナ放電処理及び/
又は紫外線照射処理を施してもよい。コロナ放電処理及
び/又は紫外線照射処理を施すことにより、ポリオレフ
ィンフィルムとコーティング層との密着性を高めること
ができる。
【0027】上記改質表面層は、上記付加重合性オキサ
ゾリンと水酸基、アミド基又はグリシリル基を含有する
少なくとも1種の他のモノマーとを重合することにより
得られる重合体により形成される場合、及び、上記エポ
キシ基を2個以上有するエポキシ化合物をコーティング
することにより形成される場合には、接着性、印刷性等
の優れた表面特性を有するものとなる。
【0028】上記表面改質ポリオレフィンフィルムは、
各種接着剤、コーティング剤、インキ、金属蒸着膜等の
印刷性、接着性等の表面効果が優れたものであり、屋外
マーキングフィルム等の建材フィルムとして鋼板等に貼
って用いることができ、インクジェット用、熱転写用等
のメディアフィルム、医療用粘着フィルム、磁気記録用
フィルム、包装用フィルム、電気・電子関連材料用フィ
ルム、製版・印刷材料用フィルム、写真用フィルム等と
して用いることができる。
【0029】上記表面改質ポリオレフィンフィルムの表
面改質層の上に、接着剤層を形成することができる。上
記接着剤としては特に限定されず、例えば、ポリアクリ
ル酸エステルを主体とするアクリル系粘着剤等を挙げる
ことができる。上記アクリル系粘着剤は、ポリアクリル
酸エステルを主体とするものであれば、アクリル酸エス
テル以外の共重合可能なモノマー、タッキファイヤー、
酸化防止剤等を含有していてもよく、市販品をそのまま
使用してもよい。上記表面改質ポリオレフィンフィルム
に接着剤層を形成させる方法としては特に限定されず、
例えば、直接塗工法、転写法等を挙げることができる。
これらのなかでは転写法が好ましい。
【0030】第二の本発明は、ポリオレフィンフィルム
の少なくとも片面に、コロナ放電処理及び/又は紫外線
照射処理を施した後、付加重合性オキサゾリンと水酸
基、アミド基又はグリシリル基を含有する少なくとも1
種の他のモノマーとを重合することにより得られる重合
体からなる溶液をコーティングして改質表面層を形成す
る表面改質ポリオレフィンフィルムの製造方法である。
【0031】上記コロナ放電処理は、一般的に行われて
いる方法により、電極間に上記ポリオレフィンフィルム
を通過させながら行うことができる。また、上記紫外線
照射処理も、一般的に行われている方法により、例え
ば、低圧水銀ランプを用いて紫外線を発生させ、該ラン
プの前に上記ポリオレフィンフィルムを通過させながら
行うことができる。上記コロナ放電処理及び上記紫外線
照射処理の諸条件は、その出力と通過時間とにより決定
されるが、特に制限はされない。
【0032】上記付加重合性オキサゾリンと水酸基、ア
ミド基又はグリシリル基を含有する少なくとも1種の他
のモノマーとを重合することにより得られる重合体の上
記コロナ放電処理及び/又は上記紫外線照射処理が施さ
れた面へのコーティングは、該重合体を溶液又は分散液
の状態にして、浸漬槽、グラビアコーター、ロールコー
ター、スプレー、エアーナイフコーター、カーテンコー
ター等のコーティング装置によって、公知のコーティン
グ方法により行うことができ、コーティング後は上記オ
レフィンフィルムの耐熱性を考慮した温度範囲におい
て、加熱処理して乾燥してもよい。また、上記付加重合
性オキサゾリンと少なくとも1種の他のモノマーとを重
合することにより得られる重合体のコーティング膜厚
は、目的に応じて設定すればよく特に制限はない。
【0033】上記コロナ放電処理と上記コーティングと
を連続して行うために、上記付加重合性オキサゾリンと
水酸基、アミド基又はグリシリル基を含有する少なくと
も1種の他のモノマーとを重合することにより得られる
重合体からなる溶液の媒体は、水であるのが好ましい。
従って、上記付加重合性オキサゾリンと水酸基、アミド
基又はグリシリル基を含有する少なくとも1種の他のモ
ノマーとを重合することにより得られる重合体を水に溶
解又は分散させたものとするのが好ましい。
【0034】第二の本発明によれば、上記ポリオレフィ
ンフィルムの少なくとも片面に、上記コロナ放電処理及
び/又は上記紫外線照射処理が施されているため、水に
対して濡れ性を有することから、上記付加重合性オキサ
ゾリンと水酸基、アミド基又はグリシリル基を含有する
少なくとも1種の他のモノマーとを重合することにより
得られる重合体からなるコーティング剤が水性コーティ
ング剤であっても用いることができ、上記コロナ放電処
理を施す場合においても、上記コロナ放電処理と上記コ
ーティングとの連続処理を安全に行うことができ、工業
的に有利である。
【0035】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0036】実施例1〜4 厚さ200μmのポリエチレンフィルム及びポリプロピ
レンフィルムに、下記の条件で表1に示したようにコロ
ナ放電処理及び/又は紫外線照射処理を施した後、下記
の条件で表1に示したポリマー処理を行い表面改質フィ
ルムを得た。 1)コロナ放電処理は、コロナ放電処理装置を用いて下記
条件により行った。コロナ放電処理条件 放電電力:500W 放電電極長:0.25m シート処理速度:0.17m/sec シート/電極間距離:1mm 2)紫外線照射処理は、紫外線照射処理装置(低圧水銀ラ
ンプ1灯:3kW)を用いて、照射時間30秒にて行っ
た。
【0037】3)エポクロスWS−500(日本触媒社
製、付加重合性オキサゾリンと水酸基含有モノマーとの
共重合体)処理は、これを水で希釈して5%水溶液と
し、この水溶液にフィルムを浸漬後、オーブンで100
℃にて2分間加熱して行った。
【0038】4)ポリマーA処理は、下記の方法により調
製したポリマーAを石油エーテルで沈殿させ乾燥した
後、酢酸エチルに溶解させて5%溶液とし、この溶液に
フィルムを浸漬後、オーブンで100℃にて2分間加熱
して行った。ポリマーAの調製 攪拌装置、温度計、冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導
入口を取り付けたフラスコに、酢酸エチル100重量部
を仕込み80℃まで昇温した。そこへ窒素ガスを吹き込
みながら、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン30
重量部、メチルメタクリレート40重量部、メタクリル
アミド30重量部及びアゾビスイソブチロニトリル1.
5重量部からなる混合液を2時間30分にわたって滴下
ロートより滴下し、更に、80℃で7時間30分保持し
た後、室温まで冷却してポリマーA(メタクリルアミド
含有ポリマー)を得た。
【0039】5)ポリマーB処理は、下記の方法により調
製したポリマーBを石油エーテルで沈殿させ乾燥した
後、酢酸エチルに溶解させて5%溶液とし、この溶液に
フィルムを浸漬後、オーブンで100℃にて2分間加熱
して行った。ポリマーBの調製 メタクリルアミド30重量部に代えて、メタクリル酸グ
リシジル30重量部を用いた以外は、ポリマーAの調製
と同様にしてポリマーB(メタクリル酸グリシジル含有
ポリマー)を得た。その後、得られた表面改質フィルム
を下記の評価方法により評価した。評価結果を表1に示
した。
【0040】評価方法 (1)処理直後接触角測定 測定装置として、協和科学社製協和接触角計を用い、上
述した処理を施した直後に、表面改質フィルムの表面に
蒸留水を滴下して10秒後の接触角(deg)を測定し
た。 (2)処理直後接着力測定 上述した処理を施した直後に、市販の二液硬化型エポキ
シ接着剤(ciba社製、アラルダイト)をフィルム処
理面に10g/m2 塗布し、塗布面同士を張り合わせた
後、室温で24時間静置した。その後、25mm幅に切
り出し、フィルム/フィルム剥離力(kgf/25m
m)を室温下、剥離速度50mm/minで測定した。
【0041】(3)3ケ月放置後接触角測定 3ケ月間室温で放置した表面改質フィルムの表面に蒸留
水を滴下して10秒後の接触角(deg)を測定した。 (4)3ケ月放置後接着力測定 3ケ月間室温で放置した後に、市販の二液硬化型エポキ
シ接着剤(アラルダイト)をフィルム処理面に10g/
2 塗布し、塗布面同士を張り合わせた後、室温で24
時間静置した。その後、25mm幅に切り出し、フィル
ム/フィルム剥離力(kgf/25mm)を室温下、剥
離速度50mm/minで測定した。
【0042】比較例1 ポリエチレンフィルムの表面にコロナ放電処理及び紫外
線照射処理を施さずにエポクロスWS−500処理を行
った以外は、実施例1と同様にして得られたフィルムを
評価した。評価結果を表1に示した。
【0043】比較例2 ポリエチレンフィルムの表面にコロナ放電処理のみを施
した以外は、実施例1と同様にして得られたフィルムを
評価した。評価結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】実施例5 厚さ80μmのポリエチレンフィルムの両面に、コロナ
放電処理を施した後、エポキシ化合物処理を行い表面改
質フィルムを得た。コロナ放電処理は、実施例1と同様
の方法を用いて行った。エポキシ化合物処理は、エポキ
シ樹脂(ナガセ化成社製、デナコールEX521)10
0重量部に対して、イミダゾール(四国化成社製、キュ
アゾール2E4MZ−CN)5重量部を混合した混合物
を水で希釈して5%水溶液とし、この水溶液にフィルム
を浸漬後、オーブンで100℃にて2分間加熱して行っ
た。その後、得られた表面改質フィルムを下記の評価方
法により評価した。評価結果を表2に示した。なお、評
価は表面改質フィルムの片面で接触角測定を行い、もう
片面で粘着力及び糊残りの有無の測定を行った。
【0046】評価方法 (1)処理直後接触角測定 実施例1と同様の方法により行った。 (2)処理直後粘着力及び糊残り有無の測定 上述した処理を施した直後に、アクリル系粘着剤(東亜
合成社製、アロンタックHVC3001:エマルション
系)を離型紙上にワイヤーバーを用いて塗工後、オーブ
ンで100℃にて2分間乾燥し、厚さ約30μmの粘着
剤塗工膜を得た。その後、ポリエチレンフィルムに15
0gf/10mmの加圧で貼り合わせ、3日間放置し
た。得られた粘着剤付きポリエチレンフィルムをJIS
Z 0237に準拠して、ステンレス板に貼り付けた
24時間後の粘着力、及び、ステンレス板への粘着剤残
りを測定した。
【0047】(3)3ケ月放置後接触角測定 実施例1と同様の方法により行った。 (4)3ケ月放置後粘着力及び糊残り有無の測定 3ケ月間室温で放置した後に、アクリル系粘着剤(東亜
合成社製、アロンタックHVC3001:エマルション
系)を離型紙上にワイヤーバーを用いて塗工後、オーブ
ンで100℃にて2分間乾燥し、厚さ約30μmの粘着
剤塗工膜を得た。その後、ポリエチレンフィルムに15
0gf/10mmの加圧で貼り合わせ、3日間放置し
た。得られた粘着剤付きポリエチレンフィルムをJIS
Z 0237に準拠して、ステンレス板に貼り付けた
24時間後の粘着力、及び、ステンレス板への粘着剤残
りを測定した。
【0048】比較例3 ポリエチレンフィルムの表面にコロナ放電処理を施し、
エポキシ化合物処理を施さなかった以外は、実施例5と
同様にして得られたフィルムを評価した。評価結果を表
2に示した。
【0049】比較例4 ポリエチレンフィルムの表面にコロナ放電処理も、エポ
キシ化合物処理も施さなかった以外は、実施例5と同様
にして得られたフィルムを評価した。評価結果を表2に
示した。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の表面改質ポリオレフィンフィル
ムは、上述の構成よりなるので、優れた印刷性、接着性
等の表面改質効果が経時的に低下せず、安定した2次加
工可能なフィルムである。また、本発明の表面改質ポリ
オレフィンフィルムの製造方法により、容易に、安定し
た2次加工可能なフィルムを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/00 304 C08J 7/00 304 Fターム(参考) 4F006 AA12 AB12 AB24 AB34 DA04 EA03 4F073 AA01 BA06 BA07 BA08 BA09 BA10 BA11 BA17 BA18 BB01 CA21 CA45 FA03 FA09 4F100 AK02B AK03A AK04 AK07 AK53B BA02 EH462 EJ54A EJ55A EJ64B GB07 GB41 GB51 GB66 GB90 JB05 YY00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に改質表面層を有する表
    面改質ポリオレフィンフィルムであって、前記改質表面
    層は、水と接触した10秒後の水との接触角が55°以
    下の状態を少なくとも90日は保持することを特徴とす
    る表面改質ポリオレフィンフィルム。
  2. 【請求項2】 改質表面層は、コロナ放電処理及び/又
    は紫外線照射処理が施されたポリオレフィンフィルムの
    少なくとも片面に、付加重合性オキサゾリンと水酸基、
    アミド基又はグリシリル基を含有する少なくとも1種の
    他のモノマーとを重合することにより得られる重合体に
    より形成されるものであることを特徴とする請求項1記
    載の表面改質ポリオレフィンフィルム。
  3. 【請求項3】 改質表面層は、エポキシ基を2個以上有
    するエポキシ化合物をコーティングすることにより形成
    されるものであることを特徴とする請求項1記載の表面
    改質ポリオレフィンフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンフィルムの少なくとも片
    面に、コロナ放電処理及び/又は紫外線照射処理を施し
    た後、付加重合性オキサゾリンと水酸基、アミド基又は
    グリシリル基を含有する少なくとも1種の他のモノマー
    とを重合することにより得られる重合体からなる溶液を
    コーティングして改質表面層を形成することを特徴とす
    る表面改質ポリオレフィンフィルムの製造方法。
JP10342525A 1998-12-02 1998-12-02 表面改質ポリオレフィンフィルム及びその製造方法 Pending JP2000159915A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10342525A JP2000159915A (ja) 1998-12-02 1998-12-02 表面改質ポリオレフィンフィルム及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10342525A JP2000159915A (ja) 1998-12-02 1998-12-02 表面改質ポリオレフィンフィルム及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000159915A true JP2000159915A (ja) 2000-06-13

Family

ID=18354432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10342525A Pending JP2000159915A (ja) 1998-12-02 1998-12-02 表面改質ポリオレフィンフィルム及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000159915A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1104694A2 (en) * 1999-11-24 2001-06-06 Oji Paper Co., Ltd. Film Laminates for printing
JP2006193632A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Nitto Denko Corp 表面改質フィルムとその用途

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1104694A2 (en) * 1999-11-24 2001-06-06 Oji Paper Co., Ltd. Film Laminates for printing
EP1104694A3 (en) * 1999-11-24 2001-11-07 Oji Paper Co., Ltd. Film Laminates for printing
US6555240B1 (en) 1999-11-24 2003-04-29 Oji Paper Co., Ltd. Film laminates for printing
JP2006193632A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Nitto Denko Corp 表面改質フィルムとその用途
JP4662240B2 (ja) * 2005-01-14 2011-03-30 日東電工株式会社 表面改質フィルムとその用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4437344B2 (ja) 剥離ライナ及び感圧性接着シート
JP2003327945A (ja) アクリル系剥離剤前駆体、剥離剤物品及び剥離剤物品の製造方法
JP2009155625A (ja) 保護膜、積層フィルム及びそれを用いた加工方法
TW200918635A (en) Two-side adhesive sheet
JP2017211433A (ja) 偏光フィルム、粘着剤層付き偏光フィルム、及び画像表示装置
JP4421039B2 (ja) 粘着剤組成物および粘着テープ
JP2000159915A (ja) 表面改質ポリオレフィンフィルム及びその製造方法
JP2015168716A (ja) 保護シート
JPS60258280A (ja) 剥離紙
JP4030629B2 (ja) 接着シート及び粘着積層物
JP2004123769A (ja) 耐熱性シートの接着処理方法及び粘着テープ
JP2000169798A (ja) ポリオレフィン粘着フィルム
JPH04178482A (ja) 感圧接着剤及び表面保護部材
JPS63118385A (ja) 感圧性接着剤
JP2000143845A (ja) 表面改質ポリオレフィンフィルム及びその製造方法
JP2000177059A (ja) 多層表面保護フィルム
JP4235034B2 (ja) 剥離シートおよび粘着体
JP2909138B2 (ja) 剥離紙の製造方法
JP3795478B2 (ja) 剥離処理剤
JPH10315400A (ja) ポリテトラフルオロエチレン成形品、その製造方法及び用途
JP3514582B2 (ja) 剥離シートの製造方法
JP2003003130A (ja) 精密電子部材用粘着シート
KR950010586B1 (ko) 프라임된 폴리올레핀 기재
JPS5998186A (ja) 剥離シ−ト
JPS59152977A (ja) 表面保護粘着体

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040319