JP2000158961A - 作業機の伝動装置 - Google Patents

作業機の伝動装置

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JP2000158961A
JP2000158961A JP10335551A JP33555198A JP2000158961A JP 2000158961 A JP2000158961 A JP 2000158961A JP 10335551 A JP10335551 A JP 10335551A JP 33555198 A JP33555198 A JP 33555198A JP 2000158961 A JP2000158961 A JP 2000158961A
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Japan
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transmission
case
shaft
case portion
continuously variable
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JP10335551A
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English (en)
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Kenichiro Tsuji
賢一朗 辻
Seiichi Takahashi
清一 高橋
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿式CVTをミッションケースに内装するに
当たり、特別な潤滑油供給機構が不要であり、かつ、シ
ンプルな伝動系として、合理的な伝動装置を構成させ
る。 【解決手段】 湿式構造のベルト無段変速装置7と歯車
変速機構とをミッションケース2内の前後に収容すると
ともに、ベルト無段変速装置7の駆動軸15jと従動軸
18jとを、軸方向が歯車変速機構の回転軸と同方向の
前後向きで、かつ、互いにほぼ同じ高さレベルとなるよ
うに並べて配置する。又、ベルト無段変速装置7に対す
る入力軸20を、駆動プーリ軸15jと従動プーリ軸1
8jとの左右間に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミッションケース
に歯車変速機構と湿式のベルト無段変速装置(以下、C
VTと略称する)とを内装した構造の伝動装置に係り、
詳しくは、ミッチョンケース内のレイアウト工夫によ
り、廉価でコンパクトにCVTの潤滑が行えるようにす
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の伝動装置としては、実公平3‐
1295号公報や、実公平7‐50727号公報に示さ
れたものが知られている。前者の公報のものは、主クラ
ッチの直後にCVTを配置し、その変速後の出力を歯車
変速してから後輪用のデフ機構に動力伝達する走行伝動
系をミッションケースに内装したものであり、無油室で
あるクラッチハウジングにCVTをコンパクトに配置で
きる利点がある。後者の公報のものは、ミッションケー
スの前後中間部分に、下方からCVTを後付け装着及び
取外し自在に構成してあり、運転ステップを広くでき、
かつ、CVTのメンテナンスが容易に行えるという利点
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】トラクタ等の比較的重
負荷が作用する作業機では、伝動強度や耐久性を強化す
るためにスチール製等のベルトを用いた湿式のCVTを
用いることが多い。この湿式CVTでは、駆動側及び従
動側のいずれのプーリにも潤滑油を供給することが必要
であるが、前記前者の公報に示された配置構造を採る場
合には、ミッションケース内にて各プーリが上下に配列
されているので、通常のオイルレベルでは少なくとも上
側のプーリは潤滑油に漬からないので、噴射ノズルを設
けて上側プーリに潤滑油を強制供給させる等の機構が必
要である。
【0004】そこで、前記後者の公報に示された配置構
造では、両プーリが共にミッションケース内の比較的低
い位置にあって、両プーリが部分的に潤滑油に漬かる状
態とする可能性がある点では良いが、双方のプーリ軸が
上下に向いてエンジン動力や歯車変速機構等の前後向き
の伝動方向に変換するために、ベベルギヤ機構や平ギヤ
機構等の専用の伝動機構が多く必要であり、構造が複雑
化して部品点数も多くなる点では芳しくない。
【0005】本発明の目的は、湿式CVTをミッション
ケースに内装するに当たり、特別な潤滑油供給機構が不
要であり、かつ、シンプルな伝動系として合理的に伝動
装置を構成させる点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔構成〕第1発明は、作
業機の伝動装置において、湿式構造のベルト無段変速装
置と歯車変速機構とをミッションケース内に収容すると
ともに、ベルト無段変速装置の駆動軸と従動軸とを互い
にほぼ同じ高さレベルとなるように並置してあることを
特徴とする。
【0007】第2発明は、第1発明において、CVTに
対する入力軸を、駆動プーリの回転軸と従動プーリの回
転軸との左右間に配置してあることを特徴とする。
【0008】第3発明は、第1又は第2発明において、
CVTを収容する第1ケース部の内部と、歯車変速機構
を収容する第2ケース部の内部とを、潤滑油の行き来が
自在となるように連通させてあることを特徴とする。
【0009】第4発明は、第3発明において、第1ケー
ス部を第2ケース部に対してエンジン側に配置し、第2
ケース部における第1ケース部と反対側端部の上部に作
業装置昇降用の油圧シリンダを配置し、油圧シリンダか
らの排油が第2ケース部に戻るように油路構成するとと
もに、エンジン駆動される油圧ポンプに対するミッショ
ンケースの潤滑油吸込み口を第1ケース部に設けてある
ことを特徴とする。
【0010】〔作用〕請求項1の構成によれば、CVT
の駆動軸と従動軸とを並置したので、前記後者の公報の
もののように、ベベルギヤ等の回転方向を変換させる機
構を不要にすることができる。そして、駆動軸と従動軸
とが互いにほぼ同じ高さレベルで配置されるので、駆動
プーリとベルトとの接触部と、従動プーリとベルトとの
接触部とを共にミッションケース内のオイル溜まりに漬
からせることが可能になり、噴射ノズル等の潤滑油供給
機構を用いることなく十分な潤滑が行える。
【0011】請求項2の構成によれば、エンジン出力軸
等のCVTに対する入力軸をCVTの駆動軸と従動軸と
の間に配置したので、例えば、駆動プーリ軸と入力軸と
を同軸心とした場合に比べて、CVT部分のミッション
ケースの横方向への張出し量が偏ることなく左右均等な
張出し状態に設定でき、歯車変速機構を車体の左右中心
部に配置し易く、左右方向の重量バランスが有利になる
とともに、ミッションケース形状も素直な形状にできて
強度バランスも好ましいものになる。
【0012】請求項3の構成によれば、ミッションケー
スにおける歯車変速機構収容部分とCVT収容部分とが
連通して、潤滑油の行き来が自在となるようにしてある
から、それら両者が仕切られている場合に比べて、潤滑
油の劣化状態が異なって油の交換時期の管理が面倒にな
ることが無いとともに、潤滑油が万遍なく行き渡って循
環するようになり、各ケース収容部分毎に循環させる機
構を用意する必要もなくなり、シンプルな循環構造で済
むようになる。
【0013】請求項4の構成によれば、トラクタ等では
圧油の供給対象となる油圧シリンダがミッションケース
後端部に配置されるので、そこからの排油をミッション
ケース後部の歯車変速機構の収容ケース部に戻し、か
つ、ミッションケース前端部に位置するCVTの収容ケ
ース部からエンジン駆動されるポンプへの吸引口を設け
れば、ポンプによる油圧シリンダへの圧油供給、及びミ
ッションケース内部の潤滑油の循環との双方を円滑に機
能する状態で実現させることができる。又、吸引口とポ
ンプとが近接し、必要な配管長さが必要最小限度で済む
ようにもなる。
【0014】〔効果〕請求項1〜4のいずれに記載の作
業機でも、余分な伝動機構や部品の無いシンプルな構造
としながら、専用の潤滑油供給機構を要すること無く駆
動及び従動プーリとベルトとの接触部分を必要十分に潤
滑できるようになり、合理的な状態で湿式CVT付き伝
動装置を提供することができた。
【0015】請求項2に記載の伝動装置では、CVTへ
の入力軸の配置工夫により、歯車変速機構との配置関係
が取り易く、シンプルなミッションケース形状にできる
とともに、左右の重量バランスも有利となる利点の多い
ものにできた。
【0016】請求項3に記載の伝動装置では、潤滑油を
ミッション全体に亘って循環させることができてCVT
及び歯車変速機構の耐久性向上に寄与できるとともに、
潤滑油の管理も行い易い利点がある。
【0017】請求項4に記載の伝動装置では、必要な配
管長さが短い高能率な状態としながら、油圧装置への圧
油供給とミッション潤滑油の循環との夫々が良く機能す
る好ましい潤滑及び油圧構造が得られた。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1に作業機の一例であるトラ
クタの伝動装置が示され、1は機体前部に搭載されるエ
ンジン、2はエンジン1の後面に連結され、かつ、後車
軸3を支承するモノボディ構造のミッションケース、4
は作業装置昇降用の油圧シリンダ、5は運転部のフロア
ステップである。
【0019】図2,図3に示すように、ミッションケー
ス2は、前から主クラッチ6を備えたクラッチハウジン
グ部2A、CVT7を備えた第1ケース部2B、副変速
機構13等の各種歯車変速機構を備えた第2ケース部2
Cに区分されている。又、第2ケース部2Cは、前から
走行変速用の油圧クラッチ8や前後進切換機構9等を備
えた前側ケース部2a、走行用の超減速機構10や前輪
変速機構11等を備えた中間ケース部2b、及びデフ機
構12を備えたデフケース部2cから構成されている。
尚、cy1は前後進切換機構9を駆動操作する変速シリ
ンダである。
【0020】走行用の動力は、主クラッチ6、CVT
7、前後進切換機構9、副変速機構13、超減速機構1
0、及びデフ機構12を介して左右の後車軸3,3に伝
達されるとともに、前後向きの回転軸13aを備えた副
変速機構13から前輪変速機構11を経て、前輪駆動軸
14に伝達可能にも構成されている。又、PTO用の動
力は、CVT7の駆動プーリ軸15j、PTO変速機構
16を介してデフケース部2cから後方突出するPTO
軸17に伝達される。尚、cy2は副変速機構13を駆
動操作する変速シリンダである。
【0021】図3〜図5に示すように、CVT7は、固
定プーリ片15aと可動プーリ片15bとを備えた割り
プーリ構造の駆動プーリ15と、同じく固定プーリ片1
8aと可動プーリ片18bとを備えた割りプーリ構造の
従動プーリ18とに亘って、スチール製のベルト19を
巻回して成る湿式に構成されている。駆動プーリ15の
駆動軸(請求項2の駆動プーリの回転軸に同じ)15j
と従動プーリの従動軸(請求項2の従動プーリの回転軸
に同じ)18jとは、共に前後向きで互いにほぼ同じ高
さレベル(駆動軸15jが若干高い)として第1ケース
部2Bの左右に振り分けて配置するとともに、両プーリ
軸15j,18jの左右間で若干上側の位置に、主クラ
ッチ6を経た入力軸20が配置されている。
【0022】駆動軸15jにスプライン外嵌された駆動
側の可動プーリ片15bには板金製の内筒26が一体連
結され、駆動軸15jに軸方向移動不能に装備された外
筒27に軸方向スライド自在に内筒26を内嵌すること
で、可動プーリ片15bを固定プーリ片15aに近づけ
る方向に強制移動可能な駆動側油圧シリンダ28を構成
してある。この駆動側油圧シリンダ28への圧油給排
は、可動プーリ片15b、及び駆動軸15j内部に形成
された給排油路33を介して行う。
【0023】同様に、従動軸18jにスプライン外嵌さ
れた可動プーリ片18bに一体連結された外筒30と、
従動軸18jに軸方向移動不能に装備された内筒31と
の嵌合により、可動プーリ片18bを固定プーリ片18
aに近づける方向に強制移動可能な従動側油圧シリンダ
29を構成してあり、これへの圧油給排は、可動プーリ
片18b、及び従動軸18j内部に形成された給排油路
34を介して行う。又、この従動側油圧シリンダ29内
には、可動プーリ片18bを固定プーリ片18aに近づ
ける方向に押圧付勢する巻きバネ32を備えてある。
【0024】デフケース部2cの上部に一体形成される
油圧シリンダ4は、圧油供給でリフトアーム4aが上昇
作動し、排油によってリフトアーム4aが下降作動する
単動型に構成され、そこからの排油はデフケース部2c
又は中間ケース部2b、すなわち第2ケース部2Cに戻
るように油路構成するとともに、エンジン1の横に配置
され、かつ、エンジン駆動される油圧ポンプ21に対す
るミッションケース2の潤滑油吸込み口22は第1ケー
ス部2Bの下部に設けてある。
【0025】そして、第1ケース部2Bと第2ケース部
2Cとを仕切るとともに、軸支承用のベアリングを支持
する仕切り壁23に多数の孔23aを形成して、両ケー
ス部2B,2C夫々の内部は潤滑油の行き来が自在であ
り、デフケース部2c内部と後述の吸込み口22とはミ
ッションケース2内部において油路連通されている。従
って、油圧ポンプ21から吐出された圧油は外部配管等
の供給油路24を通ってコントロールバルブVから油圧
シリンダ4に供給され、その排油がミッションケース2
内部を後から前に向かって流れてから、吸込み口22に
接続された外部配管等の戻り油路25を通って油圧ポン
プ21に戻るという循環経路になる。
【0026】油圧クラッチ8が同軸上に配置される従動
プーリ軸18jを、駆動プーリ軸15jよりも若干下方
に位置させてあるので、ミッションケース2内のオイル
レベルLに油圧クラッチ8が十分に漬かるとともに、各
プーリ15,18も常に潤滑油に漬かっており、ベルト
19との良好な潤滑及び冷却機能が発揮できるようにな
っている。
【0027】次に、CVT7の変速操作構造について詳
述する。図9〜図11に示すように、駆動側油圧シリン
ダ28への圧油給排を司る制御弁35と、油圧ポンプ3
6と、ライン圧設定用の可変リリーフ弁37等から変速
用油圧回路を構成するとともに、制御弁35のスプール
35sに連動連結される変速レバー38を設けてある。
制御弁35には、ポンプポート35aと、駆動側の給排
油路33に連通されるシリンダポート35bと、シフト
ホールドバルブ(図外)に向けて排油するドレンポート
35cとがこの順に並べて形成されている。
【0028】制御弁35にはスプール操作によって、駆
動側油圧シリンダ28に圧油を供給する供給位置pと、
駆動側油圧シリンダ28から排油させる排出位置dと、
これら両位置の間の中立位置nとの3位置が存在してい
る。スプール35sの一端には第1バネ39を介して変
速レバー38を連動連結し、他端には第1バネ39と同
一部品である第2バネ40を介して駆動側の可動プーリ
片15bが、これのスライド移動方向とスプール35s
の移動方向とを揃えた状態で連動連結されている。
【0029】変速レバー38の操作に伴う第1バネ39
の伸縮で生じる弾性力と、レバー操作に伴う可動プーリ
片15bの遠近移動による第2バネ40の伸縮で生じる
弾性力との相殺により、切換操作された制御弁35が自
動的に中立復帰するフィードバック制御手段Aを構成し
てある。つまり、スプール35sは、両バネ39,40
による付勢力が相殺しての釣り合い位置で停止するよう
になっている。
【0030】フィードバック制御手段Aの作用を説明す
ると、先ず、変速レバー38を高速側Hiに操作する
と、図10に示すように、第1バネ39が伸ばされてス
プール35sを第2バネ40側に押す力が弱まり、相対
的に第2バネ40がスプール35sを第1バネ39側に
押す力が強くなってスプール35sが第1バネ39側に
移動する。すると、制御弁35が供給位置pに切換えら
れてポンプポート35aとシリンダポート35bとが連
通し、駆動側油圧シリンダ28に圧油を供給して可動プ
ーリ片15bを固定プーリ片15aに接近移動させ、ベ
ルト19の巻回半径を強制的に大きくして変速比が増速
側に変更される。
【0031】その可動プーリ片15bの接近移動によ
り、そこにロッド連結された第2バネ40が引き伸ばさ
れることになってスプール35sを第1バネ39側に押
す力が弱まるので、高速側へのレバー操作によって伸ば
された第1バネ39との押圧付勢力が釣り合う点、すな
わち、制御弁35が中立位置nに戻るまで可動プーリ片
15bが動いた後、自動的に停止するのである。つま
り、変速レバー38を高速側に動かした分だけ変速比も
高速側に変更されて増速されるのである。
【0032】次に、変速レバー38を低速Lo側に操作
すると、図11に示すように、第1バネ39が圧縮され
てスプール35sを第2バネ40側に移動させ、制御弁
35が排出位置dに切換えられて駆動側油圧シリンダ2
8から排油される。すると、後述するライン圧とバネ3
2との双方の押圧力によって可動プーリ片18bが固定
プーリ片18aに接近移動し、従動プーリ18のベルト
19巻回半径が大きくなる方向に操作されるので、その
ベルト張力によって駆動側の可動プーリ片15bが固定
プーリ片15aから遠ざかる方向に移動し、減速操作さ
れる。
【0033】その減速操作によって駆動側の可動プーリ
片15bの遠ざかり移動により、第2バネ40が圧縮さ
れてスプール35sを第1バネ39に押す力が強まるの
で、低速側へのレバー操作によって圧縮された第1バネ
39との押圧付勢力が釣り合う点、すなわち、制御弁3
5が中立位置nに戻るまで可動プーリ片15bが動いた
後、自動的に停止するのである。つまり、変速レバー3
8を低速側に動かした分だけ変速比も低速側に変更され
て減速されるのである。
【0034】可変リリーフ弁37は、弁体42と、これ
の内部で摺動自在なスプール43と、弁体42に摺動自
在に内嵌されたバネ受け部材44と、スプール43とバ
ネ受け部材44との間に介装された圧縮型の巻きバネ4
5とを備えて構成されるとともに、ポンプポート35a
と従動側給排油路34とを連通するポンプ油路41に連
通した第1ポート37aと、ドレンポート37bとが形
成されている。
【0035】バネ受け部材44は、駆動側可動プーリ片
15bと一体的に移動するように連結部材46を介して
連結されており、駆動側可動プーリ片15bによって位
置決めされるものである。図9において、高速操作によ
ってバネ受け部材44が左側(反スプール43側)に動
かされると、図10に示すように、その伸ばされた分だ
け巻きバネ45のスプール43を押し付ける力が弱ま
り、その結果、その弱められたバネ力とライン圧とが釣
り合うようにドレンポート37bが僅かに開いての絞り
作用によってリリーフ圧、すなわちライン圧が下がる。
【0036】そして、変速レバー38の低速操作によっ
てバネ受け部材44が右側(スプール43側)に動かさ
れると、その圧縮された分だけ巻きバネ45のスプール
43を押しつける力が強まり、その結果リリーフ圧、す
なわちライン圧が上がる。但し、減速比が最大の最低速
状態からの減速が不能であるのは言うまでもない。
【0037】ライン圧とは、バネ32と協動して従動側
の可動プーリ片18bを固定プーリ片18a側に常時押
圧付勢するものであり、それによってベルト19の緊張
機能、及び圧が抜けて制御不能になった場合には変速比
が自動的に減速側に操作されるフェールセーフ機能を現
出させている。
【0038】つまり、駆動側可動プーリ片15bとバネ
受け部材44との連結により、変速比が増速側に変更さ
れるとライン圧が下がり、変速比が減速側に変更される
とライン圧が上がるように制御されるのである。具体的
には、図12に示すグラフのように、減速比が最小の0.
5 (2倍速)のときにはライン圧は16kgf/cm2 で、減
速比が最大の2.5 のときにはライン圧は28kgf/cm2
あり、かつ、これらの間の減速比では線型にライン圧が
変化する。
【0039】このライン圧の自動変更制御により、走行
負荷が大きくなってベルト張力がある値を越えると、駆
動プーリ15でのベルト食い込みによる可動プーリ片1
5bを押し広げる力がライン圧による駆動側油圧シリン
ダ28の押し付け力に勝り、可動プーリ片15bが固定
プーリ片15aから遠ざかる方向に移動して、自動的に
減速してトルクアップするように機能する。つまり、湿
田での旋回といった具合の走行負荷が著しく増大する場
合にはCVT7が自動的に減速され、駆動力不足やエン
スト等の不都合が回避されるのである。
【0040】図6は、前側ケース部2aにおけるPTO
変速機構16と前後進切換機構9との前後間に配置され
る第1支持壁59部分(矢視B−B部分)を示し、この
第1支持壁59は、前後進切換機構9を形成する一対の
変速軸9a,9b、及び副変速機構13の前後向きの変
速軸13aをベアリング支持するものであり、前側ケー
ス部2aの内向きリブ部にボルト止めで後付けするもの
に構成されている。
【0041】図7は、デフケース部2c前端部から中間
ケース部2bを見た部分(矢視C−C部分)における軸
配置構造を示し、16jは駆動プーリ軸15jに直結さ
れたPTO入力軸であり、16aはPTO変速軸、16
bはPTO逆転軸である。又、図8は、前側ケース部2
a後端部にボルト止めされた第2支持壁60部分を中間
ケース部2bから見た部分(矢視D−D部分)を示し、
超減速機構10を構成する一対の変速軸10a,10
b、前輪変速機構11における駆動軸11aと、前輪駆
動軸14に直結される従動軸11b等をベアリング支持
してある。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの側面図
【図2】ミッションケースの一部切欠き側面図
【図3】ミッションケース内の伝動構造を示す線図
【図4】CVT部分におけるミッションケースの断面平
面図
【図5】図2におけるA−A線断面図
【図6】図2におけるB−B線断面図
【図7】図2におけるC−C線断面図
【図8】図2におけるD−D線断面図
【図9】CVTの変速操作構造を示す系統図
【図10】高速操作されたときのCVTの変速操作構造
を示す系統図
【図11】低速操作されたときのCVTの変速操作構造
を示す系統図
【図12】CVTの変速比とライン圧との関係グラフを
示す図
【符号の説明】
2 ミッションケース 2B 第1ケース部 2C 第2ケース部 4 油圧シリンダ 7 ベルト無段変速装置 13 歯車変速機構 15 駆動プーリ 15j 駆動軸、回転軸 18 従動プーリ 18j 従動軸、回転軸 20 入力軸 21 油圧ポンプ 22 吸込み口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 57/02 541 F16H 57/02 541A 57/04 57/04 H Fターム(参考) 3D039 AA04 AA13 AB12 AC34 AC37 AC64 AC77 AD11 3J050 AA02 AB03 AB07 BA03 BB13 CE03 CE05 DA06 3J063 AA14 AB02 AB23 AC07 BA03 BA11 BB50 CA01 CA04 CB22 CB25 CB41 CB47 CD42 CD46 XD03 XD23 XD47 XD62 XD64 XD72 XE15 XE22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式構造のベルト無段変速装置と歯車変
    速機構とをミッションケース内に収容するとともに、前
    記ベルト無段変速装置の駆動軸と従動軸とを互いにほぼ
    同じ高さレベルとなるように並置してある作業機の伝動
    装置。
  2. 【請求項2】 前記ベルト無段変速装置に対する入力軸
    を、前記駆動プーリの回転軸と前記従動プーリの回転軸
    との左右間に配置してある請求項1に記載の作業機の伝
    動装置。
  3. 【請求項3】 前記ベルト無段変速装置を収容する第1
    ケース部の内部と、前記歯車変速機構を収容する第2ケ
    ース部の内部とを、潤滑油の行き来が自在となるように
    連通させてある請求項1又は2に記載の作業機の伝動装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1ケース部を前記第2ケース部に
    対してエンジン側に配置し、前記第2ケース部における
    前記第1ケース部と反対側端部の上部に作業装置昇降用
    の油圧シリンダを配置し、該油圧シリンダからの排油が
    前記第2ケース部に戻るように油路構成するとともに、
    エンジン駆動される油圧ポンプに対する前記ミッション
    ケースの潤滑油吸込み口を前記第1ケース部に設けてあ
    る請求項3に記載の作業機の伝動装置。
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