JP2000150224A - 超電導コイルの励磁制御方法 - Google Patents

超電導コイルの励磁制御方法

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JP2000150224A
JP2000150224A JP32191298A JP32191298A JP2000150224A JP 2000150224 A JP2000150224 A JP 2000150224A JP 32191298 A JP32191298 A JP 32191298A JP 32191298 A JP32191298 A JP 32191298A JP 2000150224 A JP2000150224 A JP 2000150224A
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JP
Japan
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superconducting coil
coil
superconducting
excitation
current
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JP32191298A
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Takeshi Kato
武志 加藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流損失をできるだけ抑制し得る超電導コイ
ルの励磁制御方法を提供する。 【解決手段】 超電導コイルの励磁制御方法は、超電導
コイルの励磁電流がそのコイルの臨界電流の60%以下
に制御されることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機伝導冷却型
超電導コイルの運転を制御する方法に関し、特に、超電
導マグネットを構成する冷凍機伝導冷却型超電導コイル
をクエンチを起こさせずに安定に運転するための方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コイルには、銅など常電導体を用
いたコイルや、液体ヘリウム温度で超電導となる金属系
超電導体を用いたコイルが使用されている。銅を用いて
高磁場を発生しようとすると、発熱が大きいため、水な
どを強制的に流して冷却する必要がある。銅などの常電
導体を用いたコイルは、消費電力が大きい、コンパクト
性に欠ける、メンテナンスが大変などの問題を抱えてい
る。
【0003】一方、超電導コイルは、小電力で大きな磁
場を発生できるので、各種用途に有用である。しかし、
金属系超電導線をコイルに使用する場合、極低温(4K
付近)までの冷却が必要であり、冷却コストが高くな
る。また、金属系超電導体は比熱の小さい極低温下で使
用されるため、安定性が悪く、クエンチを起こしやすい
性質を持っている。
【0004】一方、最近では、比較的高温下で使用が可
能な酸化物高温超電導コイルを用い、磁気分離や、結晶
引上げなどを行なう技術が考えられている。酸化物高温
超電導コイルは、金属系超電導コイルに比べて比較的高
温下で使用できるため、比熱の大きな領域での使用が可
能になり、安定性が抜群に良いことがわかってきた。酸
化物高温超電導コイルは、より使いやすいマグネットへ
の実用化が期待されている。
【0005】酸化物高温超電導体は、液体窒素温度で超
電導となるが、液体窒素温度では今のところ臨界電流密
度およびその磁場特性がそれほど良くない。このため、
酸化物高温超電導体は、低い磁場を発生するためのコイ
ルとして使用されているのが現状である。一方、酸化物
高温超電導コイルは、液体窒素温度より低い温度におい
てより高い性能を有する可能性がある。この低い温度で
の使用のため、液体ヘリウムでの冷却が考えられるが、
そのコストは高く、取扱いが煩雑である。そこで、運転
コストが比較的安くかつ取扱いが容易な冷凍機を用い
て、酸化物超電導コイルを極低温に冷却する試みがなさ
れている。
【0006】すなわち、金属系超電導線材を用いたコイ
ルは不安定なので冷凍機冷却型のコイルにおいては交流
通電運転の実績がないが、酸化物超電導線材を用いたコ
イルは安定性が高いので、冷凍機冷却型コイルにおいて
も交流通電運転が試みようとされている。しかし、冷凍
機冷却型コイルにおいては、一般に冷凍機冷却能力が数
W〜数十Wしかないので、コイルの発熱をできるだけ小
さくすることが望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】酸化物超電導線材は、
セラミックスの脆い性質から極細多芯化が難しく、金属
母層中に含まれる61芯前後のフィラメント数で構成さ
れている。また、それらの61芯のフィラメントはそれ
らの間に介在する金属層を介して電気的に結合した状態
になっており、電磁気的には61芯全体が単芯として振
る舞うことになる。その結果、酸化物超電導線材からな
るコイルは、交流運転を行なったときに大きな交流損失
を生じて熱を発生してしまうという問題がある。
【0008】このような先行技術における課題に鑑み、
本発明は、交流損失をできるだけ抑制することができる
超電導コイルの励磁制御方法を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による超電導コイ
ルの励磁制御方法においては、超電導コイルの励磁電流
がその超電導コイルの臨界電流の60%以下に制限され
ることを特徴としている。
【0010】この超電導コイルの励磁制御方法は、特に
交流電流によって励磁する場合に交流損失を低減させる
効果が大きい。
【0011】また、この超電導コイルの励磁制御方法で
は、冷却能力に限界がある冷凍機冷却型のコイルに適用
した場合に、その限られた冷却能力の下でも安定した励
磁を行ない得ることになる。
【0012】さらに、この超電導コイルの励磁制御方法
は、金属系超電導線材を用いたコイルに比べて安定な金
属被覆された酸化物超電導線材を用いたコイルにおい
て、より好ましい効果を得ることができる。
【0013】さらにまた、この超電導コイルの励磁制御
方法は、たとえば0.001〜0.1Hzの周期性を有
する交流電流による励磁において好ましく適用され得
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例とし
て、以下の実施例が試みられた。
【0015】Bi2223銀被覆ビスマス系超電導線材
(3.6±0.4mm×0.23±0.02mm)3枚
バンドルを、厚さ約13μmのポリイミドテープおよび
厚さ約0.1mmのSUSテープと共巻し、内径80m
m、外径約300mm、高さ約8mmのダブルパンケー
キコイルを製作した。用いた超電導線材の銀比は2.4
であり、その臨界電流は35〜45A(77K)であっ
た。製作したダブルパンケーキコイルを8層積層し、ジ
ョイントを行なった。ダブルパンケーキコイルの間は、
厚み0.1mmのFRPシートで絶縁した。
【0016】図2に示すように、各ダプルパンケーキコ
イル31の間に銅製の冷却板32(図面の明瞭化のため
に一部の図示を省略)を挿入し、各冷却板32を銅製の
熱伝導棒33に接合した。1対のFRP板34の間に積
層されたダブルパンケーキコイル31を挟み、高温超電
導コイルの構造体30を得た。
【0017】得られた高温超電導コイルは、図3に示す
ように冷凍機に取付けた。冷凍機41の冷却ステージで
ある第1ステージ41aおよび第2ステージ41bは、
断熱容器42内に収容されている。第2ステージ41b
には、銅板43が固定されている。この銅板43を介し
て高温超電導コイル30が冷凍機41の第2ステージ4
1bに取付けられる。酸化物高温超電導線材からなる電
流リード44は、高温超電導コイル30から第1ステー
ジ41aの温度アンカー部まで設けられている。電流リ
ード44は、熱侵入を効果的に抑制する。また、第1ス
テージ41aの温度アンカー部から室温までは銅製の電
流リード45を用いた。高温超電導コイル30は、輻射
熱の侵入を遮断するための熱シールド板46によって覆
われている。断熱容器42内は真空にされる。超電導コ
イル30におけるコイルパッキング率は75%であっ
た。
【0018】このような冷凍機冷却型のコイルにおい
て、0.001〜0.1Hzの各種の周波数の下で0A
と各種ピーク電流を有する各種三角波の交流電流によっ
て励減磁を繰返し、それぞれの交流励磁の間のコイル発
熱を測定した。その結果が、図1のグラフに示されてい
る。図1のグラフにおいて、横軸は交流電流のピーク電
流値(A)を表わし、縦軸は交流1サイクル当たりの発
熱量をジュール(J)で表わしている。グラフ中の実線
の曲線は実際の測定値を表わし、破線による曲線は計算
による予想値を表わしている。
【0019】図1のグラフの実測中において、コイルの
温度は約20Kに維持された。また、単位時間当たりの
コイル発熱量(J/sec)は交流の周波数が高いほど
大きく、周波数に比例していた。このことは、コイルの
発熱が主として交流のヒステリシス損失に基づくことを
意味している。他方、グラフ中の破線で表わされた予想
値は、いわゆるスラブ近似の式を用いて計算された結果
を表わしている。このスラブ近似の方法は、たとえばWi
lson著、SUPERCONDUCTING MAGNETS 、1983年著作
権、CLAREDON PRESS発行、第162〜163頁において
述べられている。
【0020】図1のグラフから明らかなように、計算に
よる予想結果ではほぼ交流のピーク電流値に比例してヒ
ステリシス損失が増大しているのに対して、実測結果で
は通電ピーク電流値が約150Aを越えて増大した場合
に急激に発熱量が増大することがわかる。また、コイル
の臨界電流は約240Aであり、そのときの発生磁界と
しては、コイル中心磁界が約3T、テープ面平行方向の
最大磁場が約3.5T、そしてテープ面垂直方向の最大
磁場が約1.5Tであった。
【0021】以上のことから、超電導コイルを励磁する
場合に、コイルの臨界電流の約60%以下に励磁電流を
制御することによって、コイル発熱の急激な増大を防止
することができ、安定した励磁を行ない得ることがわか
る。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、交流損
失をできるだけ抑制した超電導コイルの励磁制御方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において測定された超電導コ
イルの励磁電流と発熱との関係を示すグラフである。
【図2】図1のグラフの測定において用いられた超電導
コイルの構造を示す模式図である。
【図3】図1のグラフの測定において用いられた冷凍機
と超電導コイルとの接続構造を示す模式図である。
【符号の説明】
30 超電導コイル 31 ダブルパンケーキコイル 41 冷凍機 41a 第1冷却ステージ 41b 第2冷却ステージ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導コイルの励磁を制御する方法であ
    って、前記超電導コイルの励磁電流をその超電導コイル
    の臨界電流の60%以下に制限することを特徴とする超
    電導コイルの励磁制御方法。
  2. 【請求項2】 前記超電導コイルの励磁は交流電流によ
    ってなされることを特徴とする請求項1に記載の超電導
    コイルの励磁制御方法。
  3. 【請求項3】 前記超電導コイルは冷凍機への熱伝導に
    よって冷却されることを特徴とする請求項1または2に
    記載の超電導コイルの励磁制御方法。
  4. 【請求項4】 前記超電導コイルに用いられる超電導線
    材は金属被覆された酸化物超電導線材からなることを特
    徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の超電導
    コイルの励磁制御方法。
  5. 【請求項5】 前記励磁電流として用いられる交流電流
    は0.001〜0.1Hzの周期性を有することを特徴
    とする請求項2から4のいずれかの項に記載の超電導コ
    イルの励磁制御方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009188065A (ja) * 2008-02-04 2009-08-20 Sumitomo Electric Ind Ltd 超電導装置
JP2012038812A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Toshiba Corp 超電導コイル装置
JP2012248731A (ja) * 2011-05-30 2012-12-13 Sumitomo Electric Ind Ltd 超電導コイルおよび超電導マグネット
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