JP2000148393A

JP2000148393A - 視触覚情報伝達装置

Info

Publication number: JP2000148393A
Application number: JP31551698A
Authority: JP
Inventors: Shinya Matsuda; 伸也松田
Original assignee: Minolta Co Ltd
Current assignee: Minolta Co Ltd
Priority date: 1998-11-06
Filing date: 1998-11-06
Publication date: 2000-05-26

Abstract

(57)【要約】【課題】視覚情報と触覚情報とが同時刻、同位置に提
示され、更に、この位置において情報の入力も行なうこ
とができる視触覚情報伝達装置を提供することを課題と
する。【解決手段】縦電極１〜９と横電極Ａ〜Ｇに選択的に
電圧を加え、圧電材料シート３１を凹凸変形または振動
させ、キートップを形成して、触覚情報が表示される。
正圧電効果により外力が加わると分極が生じるので、こ
のキートップの一部を押すとこの位置が走査・検知され
て、情報入力が行われる。また、圧電材料シート３１の
電気光学効果（屈折率の変化）を利用し、視覚情報の表
示が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、視覚、触覚の双方
を通して人間に情報を伝達することを可能とする視触覚
情報伝達装置に関する。

【０００２】更に詳しくは、本発明は、ディスプレイに
よる映像情報と変形、振動による触覚情報の双方を提示
できる視触覚情報伝達装置の技術の分野に関する。

【０００３】更に、本発明は、人間がこの装置に情報を
伝えることを可能とする視触覚情報伝達装置に関する。

【０００４】

【従来の技術】現在、ＣＲＴ（カソード・レイ・チュー
ブ）や液晶パネルを用いたディスプレイが、主に視覚情
報伝達装置として使用されている。

【０００５】これらの装置をマウスやタッチパネルと組
み合わせることにより、視覚情報伝達装置の画面上に絵
柄を表示し、マウスやタッチパネルを用いてこれを選択
する、いわゆる、ＧＵＩ（グラフィック・ユーザ・イン
ターフェース）によるマン・マシン・インターフェース
が普及している。これらはコンピュータを始め駅の自動
券売機や銀行のＡＴＭ（オートマチック・テラー・マシ
ン）などに多く利用されている。

【０００６】またＣＡＤ（コンピュータ・エイテッド・
デザイン）分野では、設計した２次元や３次元の図面を
ディスプレイ上に表示して、マウスを用いて図面上の要
素（点や線分など）を操作する方法が普及している。

【０００７】ところが、これらのＧＵＩやＣＡＤでは、
表示された絵柄や図面が細かいと視力の弱い高齢者や視
覚障害者が利用できない、また、タッチパネルにはクリ
ック感がないため”押し違いや２度押し”などの誤作動
が多い、などの問題点が有している。

【０００８】主に視覚障害者を対象とする情報伝達装置
には、点字ディスプレイや触字、触図ディスプレイなど
の触覚情報伝達装置が知られている。これらの装置で
は、圧電素子などを利用して格子状に配置した細いピン
を上下に振動させ、点字、文字、絵柄などを表示してい
る。

【０００９】ところが、必要なピンの配置間隔に対して
駆動する圧電素子が大きいため装置の小型化が難しい、
また、判読するためには相当な訓練を必要とし、触覚の
提示しかできないため訓練されていない健常者は利用で
きない、などの問題点があった。

【００１０】一方、現在、視触覚情報伝達装置の分野で
は、人工現実感の達成を目指した道具媒介型や対象指向
型と言われる技術の開発が進められている。

【００１１】前者、すなわち、道具媒介型（マルチモー
ダルマウス、生命工学工業技術研究所、Ｈ／Ｉ学会1995
/1）では、ＣＲＴやＨＭＤ（ヘッド・マウント・ディス
プレイ）などの平面ディスプレイで視覚情報を提示する
と共に、マウスやジョイスティックに振動を伝えて触覚
情報の提示を行う。

【００１２】また、後者では、すなわち、対象指向型
（ハプティックスクリーン、筑波大学、ＶＲ学会1996/1
0）では、背面に直動アクチュエータを配置してその表
面を凹凸に変形できる弾性体シートを用意し、その表面
にプロジェクタを用いて映像を投影する。

【００１３】ところが道具媒介型には、情報の伝達箇所
が異なるため認識に違和感が生じるほか、触覚情報だけ
では絶対座標位置を伝えることができない、また、複数
の人間に同時に情報を提示することが難しい、などの問
題点が指摘される。

【００１４】また対象指向型には、情報の入力手段がな
い、シートの表面に映像を投射しているため映像が作業
者の手に遮られる、などの問題点が指摘される。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上に述べ
たような問題点を解決し、視覚情報と触覚情報とが同時
刻、同位置に提示され、更に、この位置において情報の
入力も行なうことのできる視触覚情報伝達装置を提供す
ることを課題とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記課題は以下に記載の
手段によって解決される。

【００１７】「第１番目の発明の解決手段」視触覚情報
伝達装置であって、この視触覚情報伝達装置は、その表
面に映像を提示し、視覚を介して情報を伝達するための
視覚情報提示手段と、上記視覚情報提示手段の映像表示
面に配置され、表面を変形または振動させ、触覚を介し
て情報を伝達するための触覚情報提示手段と、を備えた
ことを特徴とする視触覚情報伝達装置。

【００１８】「第２番目の発明の解決手段」第１番目の
発明の視触覚情報伝達装置において、上記視覚情報提示
手段は、液晶パネル、ＣＲＴ、またはその他の、光の波
長と強度を利用して視覚情報を提示するものであること
を特徴とする視触覚情報伝達装置。

【００１９】「第３番目の発明の解決手段」第１番目の
発明の視触覚情報伝達装置において、上記触覚情報提示
手段は、圧電素子を利用したものであることを特徴とす
る視触覚情報伝達装置。

【００２０】「第４番目の発明の解決手段」第１番目の
発明の視触覚情報伝達装置において、上記触覚情報提示
手段は、静電気力、電磁気力、熱膨張、磁歪、光歪、そ
の他の機械的変位を利用したものであることを特徴とす
る視触覚情報伝達装置。

【００２１】「第５番目の発明の解決手段」視触覚情報
伝達装置であって、この視触覚情報伝達装置は、その表
面に映像を提示し、視覚を介して情報を伝達するための
視覚情報提示手段と、上記視覚情報提示手段の映像表示
面に配置され、表面を変形または振動させ、触覚を介し
て情報を伝達するための触覚情報提示手段と、外部から
加えられた圧力とその位置を検出することができる情報
入力手段と、を備えており、上記情報入力手段は、圧力
が加えられた位置により情報を入力するものであること
を特徴とする視触覚情報伝達装置。

【００２２】「第６番目の発明の解決手段」第５番目の
発明の視触覚情報伝達装置において、上記触覚情報提示
手段と上記情報入力手段とは、光を透過することが可能
であり、上記視覚情報提示手段に重ねて配置されること
を特徴とする視触覚情報伝達装置。

【００２３】「第７番目の発明の解決手段」第５番目の
発明の視触覚情報伝達装置において、上記情報入力手段
は、圧電素子またはその他の、可逆性の電気信号・機械
変位変換手段からなることを特徴とする視触覚情報伝達
装置。

【００２４】「第８番目の発明の解決手段」第５番目の
発明の視触覚情報伝達装置において、上記触覚情報提示
手段と上記情報入力手段とは、圧電素子からなり兼用さ
れる一つの装置であることを特徴とする視触覚情報伝達
装置。

【００２５】「第９番目の発明の解決手段」第５番目の
発明の視触覚情報伝達装置において、上記情報入力手段
は、静電容量、歪み、抵抗、またはその他の、機械的変
位を電気信号に変換する素子を利用したものであること
を特徴とする視触覚情報伝達装置。

【００２６】

【発明の実施の形態】本発明は、上述したような構成に
より、映像による視覚情報の提示と、変形や振動による
触覚情報の提示の双方を実現できる視触覚情報伝達装置
が提供するものである。

【００２７】視覚情報提示手段は、液晶パネルやＣＲＴ
などに映像を作成し、これを介して視覚情報を伝達す
る。

【００２８】触覚情報提示手段は、水晶など光を透過で
きる圧電材料を用いた、例えば薄層シートで形成され、
該シートの表裏に同じく光を透過できる誘電性樹脂など
を用いて格子状電極が形成され、所定の電極に電界を加
えることにより、格子点部に逆圧電効果による振動や歪
みが発生する。発生した振動や歪みは指等で触れて読み
とられる。

【００２９】情報入力手段は、該シートの正圧電効果に
よる起電力を利用して、シートに外部から加えられた圧
力とその位置を検出し情報の入力を行う。

【００３０】なお、正圧電効果及び逆圧電効果は、それ
ぞれ、圧電材料に応力を与えると電気分極（電圧）が発
生する現象、及び、圧電材料に電界を与えると機械的歪
みが発生する現象である。

【００３１】

【実施例】「実施例１」図１は、本発明実施例の視触覚
情報伝達装置の全体構成を示す。

【００３２】視触覚情報伝達装置１０は、一般的なテレ
ビやコンピュータに用いられている液晶パネルまたはＣ
ＲＴ等のディスプレイ２０と、その表示面上に配置され
た触覚兼タッチパネル３０より構成されている。

【００３３】ディスプレイ２０には動画や静止画などの
映像が提示され、ディスプレイ２０の表面の触覚兼タッ
チパネル３０には、映像に対応した微小な凹凸や振動が
提示される。

【００３４】この凹凸や振動により触覚情報が操作者に
伝えられる。映像が絵柄の場合にはその立体形状や輪郭
などを、また、文字の場合にはその字体やそれに対応す
る点字などを表現する。更に、変位量、振幅、周波数な
どを変化させることにより、映像の色や濃淡を表現する
こともできる。

【００３５】操作者はディスプレイ２０の映像を介して
視覚情報を得るとともに、触覚兼タッチパネル３０の変
位や振動を介して触覚情報を得ることができる。

【００３６】一方、この触覚兼タッチパネル３０は情報
の入力手段を兼ねており、表面に所定以上の圧力を加え
ると、その位置と圧力の大きさを検出して装置本体に伝
えることが可能である。これにより、映像中の対象を直
接触ることにより特定することができる。また、ディス
プレイ２０に選択キーやテンキーなどを表示し、各キー
位置での圧力の有無とその順序を検出することにより、
操作者のキー選択結果を知ることができる。

【００３７】図２は、触覚兼タッチパネル３０の構成を
説明するための図である。

【００３８】触覚兼タッチパネル３０は、圧電材料シー
ト３１と、その表裏にある縦電極１〜９及び横電極Ａ〜
Ｇから構成され、両者は格子状に交差する構成とされて
いる。なお、この電極の数は必要に応じて増減すること
ができる。

【００３９】触覚兼タッチパネル３０は、水晶やＰＬＺ
Ｔ（チタン酸ジルコン酸鉛）など光を透過できる圧電材
料より構成されている。この圧電材料は薄層のシート状
に形成されて圧電材料シート３１とされており、その変
位方向が厚み方向となる様に分極処理が施されている。

【００４０】圧電材料シート３１の厚み方向に所定の電
界を加えることにより、該電界の加えられた部分の厚み
を増減することができる。

【００４１】印加する電界を直流にすれば固定した凹凸
形状を与えることができ、交流にすればこれが振動的に
なる。

【００４２】電界を印加するための縦、横電極は、該圧
電材料シート３１の表裏にＩＴＯ（インジウム・スズ酸
化物）やＺｎＯ（酸化スズ）などの光を透過できる導電
膜を用いて格子状に形成されている。表面には縦方向の
表面側の縦電極１〜７を、裏面には横方向の裏面側の横
電極Ａ〜Ｅを形成して、縦横の電極に選択的に電界を印
加することにより、該電極の交点の位置に変位、振動を
発生させる。

【００４３】縦電極１〜７、横電極Ａ〜Ｅ及び圧電材料
シート３１が光を透過するので、ディスプレイ２０に表
示された画像を表側から見ることができる。

【００４４】図２では、表面電極：７、裏面電極：Ｅを
選択し、表面から裏面に向けて電界を加えることによ
り、その交点（７−Ｅの位置、ｄの部分）を凸状に変形
している様子が示されている。また、複数の電極を選択
し信号を与えることにより、任意の位置に任意の変位や
振動を発生させることができる。

【００４５】ディスプレイ２０に提示される視覚情報と
触覚兼タッチパネル３０に提示される触覚情報は、共に
視触覚情報伝達装置１０の制御部より伝送される。その
内容は、テレビジョンからの映像情報、コンピュータか
らの文字や写真の情報、各種制御機器からの操作パネル
情報などであり、視触覚情報伝達装置１０の制御部はこ
れら外部機器より情報を受信する。

【００４６】ここで、視覚情報は、従来と同様に液晶パ
ネルやＣＲＴにおいて光の波長と輝度を変化させること
により提示される。

【００４７】一方、触覚情報は、伝達する内容により異
なる方法で提示される。すなわち、伝達情報が文字情報
である場合には、その形状よりもその意味内容を伝達す
ることが重要であること、また、細かな文字の形状を凹
凸で表現しても判読が難しいことなどの理由により、主
に対応する点字に変換して表示される。なお、タイトル
など形状により判読できるような大きな文字は、後述の
通りその形状を表示しても良い。

【００４８】コンピュータや他の機器の操作パネルのよ
うに、視触覚情報伝達装置１０が文字のコードや位置情
報を得られる場合には、そのコードを点字に変換して文
字と同じ位置に表示する。表や罫線などの図形部分も同
様に処理する。

【００４９】一方、テレビジョンのように、文字が映像
情報の一部として扱われている場合には、そのままでは
点字情報に変換することができない。そこで、ＯＣＲ
（光学式文字読み取り装置）など公知の文字認識技術を
用いて、映像情報より文字の部分を切り出し、そのコー
ドと位置情報を得る。

【００５０】文字に色や濃淡がある場合には、それに応
じて変位量を変えて提示することができる。また、振動
により表現する場合には、その振幅や周波数を変化させ
て表現することも可能である。

【００５１】伝達情報が写真などの絵柄である場合に
は、その形状を伝達することが必要となる。形状の提示
方法としては、その輪郭を表現する方法、その奥行きを
表現する方法などが採用できる。

【００５２】絵柄を輪郭によって表現する場合には、デ
ィスプレイ２０に表示する映像情報を２次微分して輝度
のエッジ部分を抽出し、これを凹凸により表現する。

【００５３】一方、奥行きによって表現する場合には、
外部の機器より映像情報と共に奥行きの情報を合わせて
受信する。コンピュータグラフィックスや機器の操作パ
ネルなどでは、人工的に作成された奥行き情報を、テレ
ビカメラなど自然に得られる映像の場合には、立体撮影
装置により計測した奥行き情報を、各々受信する。

【００５４】視触覚情報伝達装置１０は、受信した奥行
き情報を用いて触覚兼タッチパネル３０を制御して映像
と合致する位置に凹凸による立体形状を提示する。凹凸
の大小を振動の振幅や周波数の違いで表現することも可
能である。

【００５５】上記操作を所定時間毎に繰り返し、映像、
変位を更新することにより動く画像を表現することも可
能となる。

【００５６】これにより、視覚障害者と健常者が同じ情
報（内容、配置）を得ることができる。

【００５７】図２に示した触覚兼タッチパネル３０は、
タッチパネルの機能を併せ持っている。

【００５８】圧電材料は、外部より圧力を受けると電界
を発生する特性を備えており、これを蓄積して電圧とし
て取り出すことにより、圧力を検出することができる。
触覚パネルとして変位している場合にも、電圧変動とい
う形で検出することができる。

【００５９】図３には、タッチパネルとして使用されて
いる様子を示す図である。

【００６０】視触覚情報伝達装置１０は、所定時間毎に
縦（表面）電極の走査、横（裏面）電極の走査を交互に
繰り返し、その電極間に生じる電位差を検出する。

【００６１】図３に示すように、縦３／横Ｆの座標部分
に外部より圧力が加えられると、触覚兼タッチパネル３
０のこの部分に裏面から表面に向けて電界が発生する。
この電界を電位差として検出することにより縦３／横Ｆ
の位置に外力が加えられていることを検出する。外力の
大きさと電界の大きさとは、ほぼ比例関係にあるため、
事前にその関係式を得て記憶しておくことにより、外力
の大きさを求めることが可能である。

【００６２】この実施例では、パネルは１枚の圧電材料
で作成されているが、一箇所に圧力を加えるとその周辺
にも力が伝わり電界を発生する。この場合、電界が検出
された座標群の中で最も大きな値の箇所又は重心位置を
検出し、この点を圧力が加えられた中心とみなす。触覚
兼タッチパネルの材料の弾性率などの物性値をもとに演
算を行えば、より正確に中心位置を求めることができ
る。複数の箇所に力が加えられている場合でも同様に処
理を行う。

【００６３】図４に、触覚兼タッチパネル３０の圧電材
料シート３１の中央部に操作するキートップを形成して
触覚情報を表示し、同時にこの一部を押すことにより情
報入力をする例が示されている。ここでは、縦３〜７／
横Ｄ〜Ｆの電極に電圧を印加し、パネルの表面に長方形
の凸部を形成することによりキートップが形成されてい
る。電極の間隔が十分に細かければ、キートップの内部
や周辺に点字による機能名を表示することも可能であ
る。

【００６４】装置は、電極を順に走査し、縦５／横Ｅの
座標に電界が生じていることを検出する。外力が加えら
れている位置が形成したキートップの内部であると判断
すると、そのキーが選択されたと判断する。キートップ
の数は１つでも複数でも可能であり、複数のキーを順
次、あるいは同時に押された場合にも検出が可能であ
る。また、電界の大きさにより外力が所定値以上である
ことを検出してキー入力と認識することにより、誤操作
が防止される。

【００６５】電界を検出するための電極の走査は、触覚
情報提示のために電圧を印加する時の走査と兼ねること
も可能である。

【００６６】図５及び図６は、制御装置の動作を示すフ
ローチャートである。

【００６７】情報提示動作が開始される（Ｓ１０）と、
視触覚情報伝達装置１０の制御装置はコンピュータやテ
レビジョン受信機などの外部機器より伝達すべき情報を
受信し、記憶する（Ｓ１１）。１画面分の情報を入手す
ると、視覚情報を表示するため、ディスプレイの表示座
標を走査して光の波長と強度を制御する（Ｓ１２）。

【００６８】全ての座標の走査が終了し、１画面分の視
覚情報を表示し終わる（Ｓ１３、ＹＥＳ）と、制御装置
は表示内容が文字、絵柄、両者混在かを判別する（Ｓ１
４）。この属性判別は、接続機器の種類や添付された情
報などにより行う。両者が混在している場合、制御装置
は公知の画像処理手法を用いて文字部分が含まれている
かを判別する（Ｓ１５）。属性の判別（Ｓ１４、Ｓ１
５）が終了すると、文字部分は点字コードに変換される
（Ｓ１６）。また、絵柄部分は、設定に応じて（Ｓ１
７）、輪郭抽出されるか（Ｓ１８）、もしくは奥行き情
報を受信する（Ｓ１９）。

【００６９】提示する情報を作成すると、制御装置は触
覚兼タッチパネル３０の電極を走査して、所定の座標に
電圧を印加し（Ｓ２０）、変位や振動を発生させる（Ｓ
２１）。全ての電極の制御が終了する（Ｓ２２）と、装
置は再び電極を走査して各座標での電位差（与えた電位
との差）を計測し（Ｓ２３）、この値が所定値をこえる
場合（Ｓ２４、ＹＥＳ）には、その座標値を記憶する
（Ｓ２５）。

【００７０】全ての電極の走査が終了する（Ｓ２６）
と、外部機器からの情報受信が終了したかを判断し（Ｓ
２７）、継続している場合には（Ｓ２７、ＮＯ）新たな
情報提示動作に移る（Ｓ１１）。情報受信が終了してい
れば（Ｓ２７、ＹＥＳ）、終了する（Ｓ３０）。

【００７１】図７は、制御装置のブロック図である。

【００７２】制御装置の制御はＣＰＵ（セントラル・プ
ロセッシング・ユニット）５０により行われる。ＣＰＵ
５０はその周辺機器として、外部機器からの情報を入手
し記憶する外部情報入手記憶手段５１、内容判別手段５
２、文字コードを点字コードに変換する点字変換手段５
３、映像情報から文字部分を抽出し文字コードに変換す
る文字認識手段５４、奥行き情報受信手段５５、映像情
報より輪郭を抽出する輪郭抽出手段５６、電位差が生じ
ている座標を記憶する座標値記憶伝送手段５７、時間の
経過を計測する時間計測手段５８などを備えている。

【００７３】またＣＰＵ５０は、ＣＲＴ表示制御を行う
ＣＲＴ制御手段６０と触覚・タッチパネルの駆動、検出
制御を行うための電圧印加手段６１と電位差計測手段６
２に接続されている。電圧印加手段６１は、縦電極走査
手段６３、横電極走査手段６５の電極を順次走査し、電
圧印加手段６１により触覚兼タッチパネル３０を変形、
振動させ、電位差計測手段６２により外部からの圧力を
検出する。

【００７４】このように視覚情報と触覚情報を同時刻、
同位置に提示でき、また該位置で情報入力も行えるた
め、全ての人が機器と正確にインターフェースすること
が可能となる。

【００７５】「実施例２」触覚パネルには、他に静電気
力、電磁気力、熱膨張、磁歪、光歪など電気信号を変位
／力に変換する現象を用いることができる。

【００７６】図８に気体の熱膨張を用いた第２実施例を
示す。触覚パネルは、表裏２枚の透明なシート部材で挟
まれており、表面のシートは柔軟な材質で作成されてい
る。２枚のシートの隙間は、縦横の格子部材により密閉
された微小室（図８にはその１室が示されている。）に
仕切られており、内部には熱膨張する性質を備えたガス
が充填されている。縦横の格子部材には第１実施例と同
様に縦電極７１、横電極７２が貼り付けられており、各
電極の交点には抵抗体をなす透明な発熱部材７０が接続
されている。

【００７７】この装置は、所定の縦横電極７１、７２を
選択しその間に電位を与えることにより、その交点の面
状の抵抗体（発熱部材７０）を発熱させ、密封されてい
るガスの温度を上昇させる。ガスの温度が上昇するとガ
スの体積が増えるので、表面の柔軟なシートが外側に膨
らみ凸部を形成する。

【００７８】この場合、タッチパネルは触覚パネルの表
面に配置され、上部よりその変位が検出できる程度の薄
さと柔軟性を持ったものが要求され、静電容量、歪み検
出、抵抗膜など公知の方式を採用することができる。

【００７９】「実施例３」先に触覚パネル材料の１例と
して挙げたＰＬＺＴは、圧電効果とともに電気光学効果
（電界を加えると屈折率が変化する性質）を備えてい
る。従来より、後者の性質を利用した光シャッターや光
メモリなどの開発が進められている。本実施例において
も、ＰＬＺＴの圧電効果と電気光学効果の双方を用いる
ことにより、触覚表示と視覚表示とを１つのパネルで実
現することができる。

【００８０】ＰＬＺＴで形成したパネルの所定の箇所に
電界を加えると、その部分が変位するとともに、屈折率
が変化する。そのため、その背後に光を照射する光源を
配置しておくと、表面に届く光の量が変化する。この性
質により視覚表示を行うことができる。更に、光源にＲ
ＧＢのフィルターを配置して、カラーの映像を表示する
ことも可能である。このようにこの実施例では、ＣＲＴ
や液晶などのディスプレイ手段を特にそのために設ける
必要がないので、コストやスペースを削減することがで
きるというメリットがある。

【００８１】

【発明の効果】本発明の視触覚情報伝達装置において
は、視覚情報と触覚情報とを重ねて表示することができ
る。更に、表示面の操作で情報を入力することができ
る。このため、健常者及び視覚障害者を含む多くの人が
同じ環境で操作することができ、視触覚情報伝達装置と
正確にインターフェースすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の視触覚情報伝達装置の全体構成を示す
図である。

【図２】触覚兼タッチパネル３０の構成を説明するため
の図である。

【図３】触覚兼タッチパネル３０がタッチパネルとして
使用されているとき、その動作の様子を説明するための
図である。

【図４】触覚兼タッチパネル３０が触覚情報を表示し、
更にタッチパネルとしても機能している様子を示す図で
ある。

【図５】制御装置の動作を示すフローチャート（前半）
である。

【図６】制御装置の動作を示すフローチャート（後半）
である。

【図７】制御装置のブロック図である。

【図８】気体の熱膨張を用いて、触覚情報を表示する第
２実施例を説明するための図である。

【符号の説明】

１〜９縦電極Ａ〜Ｇ横電極１０視触覚情報伝達装置２０ディスプレイ３０触覚兼タッチパネル３１圧電材料シート５０ＣＰＵ５１外部情報入手記憶手段５２内容判別手段５３点字変換手段５４文字認識手段５５奥行き情報受信手段５６輪郭抽出手段５７座標値記憶伝送手段５８時間計測手段６０ＣＲＴ制御手段６１電圧印加手段６２電位差計測手段６３縦電極走査手段６５横電極走査手段

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｇ０９Ｆ 27/00 Ｇ０９Ｆ 27/00 Ａ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】視触覚情報伝達装置であって、この視触
覚情報伝達装置は、その表面に映像を提示し、視覚を介して情報を伝達する
ための視覚情報提示手段と、上記視覚情報提示手段の映像表示面に配置され、表面を
変形または振動させ、触覚を介して情報を伝達するため
の触覚情報提示手段と、を備えたことを特徴とする視触
覚情報伝達装置。
【請求項２】請求項１に記載された視触覚情報伝達装
置において、上記視覚情報提示手段は、液晶パネル、ＣＲＴ、または
その他の、光の波長と強度を利用して視覚情報を提示す
るものであることを特徴とする視触覚情報伝達装置。
【請求項３】請求項１に記載された視触覚情報伝達装
置において、上記触覚情報提示手段は、圧電素子を利用したものであ
ることを特徴とする視触覚情報伝達装置。
【請求項４】請求項１に記載された視触覚情報伝達装
置において、上記触覚情報提示手段は、静電気力、電磁気力、熱膨
張、磁歪、光歪、その他の機械的変位を利用したもので
あることを特徴とする視触覚情報伝達装置。
【請求項５】視触覚情報伝達装置であって、この視触
覚情報伝達装置は、その表面に映像を提示し、視覚を介して情報を伝達する
ための視覚情報提示手段と、上記視覚情報提示手段の映像表示面に配置され、表面を
変形または振動させ、触覚を介して情報を伝達するため
の触覚情報提示手段と、外部から加えられた圧力とその位置を検出することがで
きる情報入力手段と、を備えており、上記情報入力手段は、圧力が加えられた位置により情報
を入力するものであることを特徴とする視触覚情報伝達
装置。
【請求項６】請求項５に記載された視触覚情報伝達装
置において、上記触覚情報提示手段と上記情報入力手段とは、光を透
過することが可能であり、上記視覚情報提示手段に重ね
て配置されることを特徴とする視触覚情報伝達装置。
【請求項７】請求項５に記載された視触覚情報伝達装
置において、上記情報入力手段は、圧電素子またはその他の、可逆性
の電気信号・機械変位変換手段からなることを特徴とす
る視触覚情報伝達装置。
【請求項８】請求項５に記載された視触覚情報伝達装
置において、上記触覚情報提示手段と上記情報入力手段とは、圧電素
子からなり兼用される一つの装置であることを特徴とす
る視触覚情報伝達装置。
【請求項９】請求項５に記載された視触覚情報伝達装
置において、上記情報入力手段は、静電容量、歪み、抵抗、またはそ
の他の、機械的変位を電気信号に変換する素子を利用し
たものであることを特徴とする視触覚情報伝達装置。