JP2000145414A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP2000145414A
JP2000145414A JP32301998A JP32301998A JP2000145414A JP 2000145414 A JP2000145414 A JP 2000145414A JP 32301998 A JP32301998 A JP 32301998A JP 32301998 A JP32301998 A JP 32301998A JP 2000145414 A JP2000145414 A JP 2000145414A
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vane
hydraulic
chamber
plunger
housing
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JP32301998A
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Tamotsu Tofuji
保 東藤
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーンの回転中におけるカムシャフトの回転
変動トルクによる逆戻り現象を規制して、バルブタイミ
ングの制御応答性を向上させると共に、装置の小型化を
図る。 【解決手段】 タイミングスプロケット1とカムシャフ
ト2とを、ハウジング6内の進角側油圧室32と遅角側
油圧室33への相対的な油圧の給排によって、ベーン3
を正逆回転させて相対回動位相を変換させて、吸気弁の
開閉時期を可変にする。また、カムシャフトの正の回転
変動トルクによるベーンの遅角側から進角側への回転時
における逆転を規制する規制機構20を羽根部28内の
カムシャフト軸方向に沿って設けた。この規制機構は、
高圧室54内の油圧によってプランジャ52を進出させ
て、摺接溝66の底面66aに常時当接させてテーパ状
底面66aに対する突張力により正の変動トルクに対し
て対抗させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気
弁,排気弁である機関弁の開閉時期を運転状態に応じて
可変にするいわゆるベーンタイプのバルブタイミング制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のベーンタイプのバルブタイミング
制御装置としては、例えば特開平8−121124号公
報に記載されているものが知られている。
【0003】概略を説明すれば、このバルブタイミング
制御装置は、前記開口端がフロントカバーとリアカバー
で閉塞されたタイミングプーリの筒状のハウジング内部
に、カムシャフトの端部に固定されたベーンが回転自在
に収納されていると共に、ハウジングの内周面に直径方
向から互いに内方へ突出されたほぼ台形状の2つの隔壁
部とベーンの2つの羽根部との間に進角側油圧室と遅角
側油圧室が画成されている。そして、機関運転状態に応
じて前記進角側と遅角側の各油圧室に油圧が給排されて
かかる駆動油圧によりベーンを正逆回転させることによ
りタイミングプーリとカムシャフトとの相対回動位相を
変化させて、吸気弁の開閉時期を可変にするようになっ
ている。
【0004】ところで、前記カムシャフトには、機関作
動中におけるバルブスプリングのばね力などに起因して
正負(正転,逆転)の回転変動トルク(交番トルク)が
発生していることは周知の通りであるが、前述のベーン
の遅角側あるいは進角側への回転駆動中にかかる大きな
回転変動トルクが作用すると、ベーンの駆動油圧が回転
変動トルクの反力に負けてベーンが押し戻されることに
より、ベーンの回転挙動が不安定になる。すなわち、ベ
ーンは、例えば進角側へ回転する際に、遅角側油圧室に
供給された駆動油圧が正の変動トルクの反力に負けて図
11の実線で示すように進角側と遅角側への正転,逆転
(進退)を繰り返しながら進角側へ回転する。したがっ
て、カムシャフトも同じく正転,逆転を繰り返しながら
タイミングプーリとの相対回転を行うため、機関弁の開
閉時期制御であるバルブスプリングの制御応答性が低下
してしまう。
【0005】そこで、特開平8−121123号公報に
記載した技術のように、ベーンの内部に逆止弁とパイロ
ット弁とからなるパイロット式逆止弁を設け、この両弁
の作動によって進角側あるいは遅角側の油圧室に供給さ
れた駆動油圧の油通路内への逆流を規制して、変動トル
クによるベーンの逆転を防止するものも提供されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この後
者の従来例にあっては、パイロット式逆止弁を用いて例
えば進角側油圧室内からの駆動油圧の逆流を阻止するも
のの、このパイロット式逆止弁は進角側油圧室に供給さ
れた油圧を直接利用して作動するため、かかる油圧室内
の油圧の保持能力の低下によって作動精度が低下するお
それがある。すなわち、ハウジング内を摺動回転するベ
ーンの前後端面とフロントカバー及びリアカバーとの間
には、ベーンの良好な摺動回転性を確保するために、微
小な隙間が形成されている一方、隣接する各油圧室間に
は大きな差圧が生じている。このため、進角側油圧室に
供給された油圧が微小隙間を通り遅角側の油圧室内にリ
ークしてしまうおそれがある。この結果、パイロット式
逆止弁のチェック機能が低下して逆流を効果的に阻止で
きない可能性がある。
【0007】また、ハウジングとフロントカバー,リア
カバーとの間のシール部材も長期間経過後の劣化などに
よって進角側油圧室から外部への油圧のリークが生じた
場合にも、パイロット式逆止弁のチェック機能が低下し
てしまう可能性がある。
【0008】この結果、バルブタイミングの制御応答性
が低下するといった前者の従来例と同じ技術的課題を招
来する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来例の
実情に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明
は、前後端が端壁によって閉塞され、機関のクランクシ
ャフトによって回転駆動する回転体と、外周に機関弁を
作動させる駆動カムを有しかつ回転体と相対回動可能に
設けられたカムシャフトと、該カムシャフトに固定され
て、回転体のハウジング内を摺動回転するベーンと、前
記ハウジングの内周面に内方へ突設された隔壁部と、該
隔壁部と前記ベーンとの間に隔成された遅角側油圧室及
び進角側油圧室と、該両油圧室に相対的に油圧を給排し
て前記ベーンを正逆回転させる油圧回路とを備えた内燃
機関のバルブタイミング制御装置であって、前記ベーン
あるいはハウジングのいずれか一方側にカムシャフト軸
方向に沿って伸縮自在に設けられたプランジャと、該プ
ランジャの先端部が摺接する前記ベーンあるいはハウジ
ングの対向壁面に形成され、ベーンとハウジングとの一
方の相対回動方向に沿って下り傾斜状に形成された規制
面と、前記ベーンとハウジングの一方向の相対回動中
に、他方向の回動力が作用した際に前記プランジャが規
制面から受ける反力に抗して該プランジャの圧縮動を規
制する規制手段と、該規制手段の規制と該規制を解除す
る制御手段と、を備えた規制機構を設けたことを特徴と
している。請求項2記載の発明は、前記プランジャをベ
ーンに設ける一方、規制面を前記ハウジングの端壁に形
成したことを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明は、前記制御手段をプ
ランジャ内に設けたことを特徴としている。
【0011】請求項4記載の発明は、前記規制手段をプ
ランジャ内に形成された高圧室内の油圧を封止する逆止
弁によって構成すると共に、制御手段を、前記高圧室に
油圧を給排する油圧通路と、前記高圧室と反対側に摺動
自在に設けられて前記油圧通路の高圧室側と低圧室側の
流路を切り換え制御する制御弁とによって構成したこと
を特徴としている。
【0012】請求項5記載の発明は、前記遅角側油圧室
と進角側油圧室のいずれか一方に供給された油圧によっ
て前記ベーンとハウジングの相対回動を解除し、前記油
圧が所定圧になるまではベーンとハウジングの相対回動
をロックするロック機構を設けると共に、該ロック機構
のロック部材を前記プランジャの外周面に摺動自在に設
けたことを特徴としている。
【0013】請求項6記載の発明は、前記ロック部材を
前記油圧回路の油圧とばね部材のばね力との相対圧で進
退動するように構成したことを特徴としている。
【0014】したがって、本発明によれば、機関開始時
及び始動直後には、ばね部材のばね力によってロック部
材がロック溝内に進入して先端部が嵌合しているため、
ベーンは回転体に対してロックされた状態になり、カム
シャフトの回転変動トルクによる自由な揺動振動が規制
される。
【0015】その後、機関運転状態が変化して、ベーン
を例えば遅角側位置から進角側へ回転させようとする場
合には、油圧回路からロック機構の受圧室に油圧が供給
されると同時に進角側油圧室と第1通路を介してリザー
バ室に油圧が供給される。したがって、ロック部材は、
ばね部材のばね力に抗して後退してロックが解除され、
同時に進角側油圧室内の油圧の上昇に伴いベーンが進角
側へ回転し始める一方、リザーバ室内の油圧の上昇によ
って、制御弁が第2通路を閉止する。このため、リザー
バ室の油圧は、連通路からチェック弁を押し開いて高圧
室に流入してプランジャを押圧して先端頭部が端壁の摺
接溝の底面に当接する形になる。
【0016】ここで、カムシャフトから伝達された回転
変動トルクが作用し、例えば正の変動トルクによって進
角側油圧室に供給された油圧に抗してベーンを遅角側へ
押し戻そうとする反力が作用すると、テーパ状の摺接溝
の底面がプランジャに対して押し戻す力が作用するが、
プランジャは、密閉された高圧室の油圧で摺接溝の底面
に対する押圧反力、つまり突張力が働いて正の変動トル
クに打ち勝つ。このため、ベーンは、回転中におけるプ
ランジャの進出に伴い逆回転を確実に規制されながら進
角側へ速やかに回転する。尚、ここで、負の回転変動ト
ルクは、ベーンを進角側へ回転させるアシスト力として
作用することとなる。
【0017】また、機関運転状態がさらに変化して、ベ
ーンを前記最大進角位置から遅角側へ回転させようとす
る場合は、油圧回路から今度は遅角側油圧室に油圧が供
給されると、この油圧が受圧部の後端面に作用して、こ
の油圧とばね部材のばね力との合成力によって弁体を押
し出すため第2通路が開成される。このため、高圧室内
の油圧は、第2通路を通って一旦リザーバ室に速やかに
流入して、ここから第1通路を逆流して進角側油圧室を
通って外部に排出される。したがって、プランジャは隔
壁部一側面に対する突張力が即座に解除されて、自由な
後退動が許容される。これにより、ベーンは、遅角側油
圧室内の油圧によって遅角側へ速やかに回転することが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜図2は本発明に係る内燃機
関のバルブタイミング制御装置の実施形態を示し、吸気
弁側に適用したものを示している。
【0019】すなわち、機関の図外のクランクシャフト
によりタイミングチェーンを介して回転駆動される回転
体たるタイミングスプロケット1と、該タイミングスプ
ロケット1に対して相対回動可能に設けられたカムシャ
フト2と、該カムシャフト2の端部に固定されてタイミ
ングスプロケット1内に回転自在に収容されたベーン3
と、該ベーン3を油圧によって正逆回転させる油圧回路
4と、前記カムシャフト2に作用する正の回転変動トル
クに伴うベーン3の揺動振動を規制する規制機構10
と、タイミングスプロケット1とベーン3との相対回動
を最大遅角側の回動位置でロックするロック機構20と
を備えている。
【0020】前記タイミングスプロケット1は、図11
にも示すように、外周にタイミングチェーンが噛合する
歯部5aを有する一方の端壁である回転部材5と、該回
転部材5の前方に配置されてベーン3を回転自在に収容
したハウジング6と、該ハウジング6の前端開口を閉塞
する他方の端壁である円板状のフロントカバー7とから
構成され、これら回転部材5とハウジング6及びフロン
トカバー7は、4本の小径ボルト8によって軸方向から
一体的に結合されている。
【0021】前記回転部材5は、ほぼ円環状を呈し、周
方向の所定位置に各小径ボルト8が螺着する4つの雌ね
じ孔5bが前後方向へ貫通形成されていると共に、内部
中央位置にカムシャフト2の前端部12が回転可能に嵌
入する嵌合孔11が貫通形成されている。
【0022】また、前記ハウジング6は、図2にも示す
ように前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面
の周方向の180°位置には2つの隔壁部13が突設さ
れている。この隔壁部13は、横断面台形状を呈してお
り、それぞれハウジング6の軸方向に沿って設けられ
て、前後の各両端縁がハウジング6の両端縁と同一面に
なっていると共に、基端側には、小径ボルト8が挿通す
る4つのボルト挿通孔14が軸方向へ貫通形成されてい
る。さらに、各隔壁部13の内端面中央位置に軸方向に
沿って切欠形成された保持溝13a内にコ字形のシール
部材15と該シール部材15を内方へ押圧する板ばね1
6が嵌合保持されている。
【0023】さらに、前記フロントカバー7は、中央に
比較的大径なボルト挿通孔17が穿設されていると共
に、前記ハウジング6の各ボルト挿通孔14と対応する
位置に4つのボルト孔18が穿設されている。
【0024】前記カムシャフト2は、シリンダヘッド2
2の上端部にカム軸受23を介して回転自在に支持さ
れ、外周面所定位置に吸気弁をバルブリフターを介して
開作動させる図外のカムが一体に設けられていると共
に、前端部12にはカム軸受23のカムブラケット23
aが間に嵌着するフランジ部19a,19bが一体に設
けられている。
【0025】前記べーン3は、焼結合金材で一体に形成
され、軸方向から挿通した固定ボルト26によってカム
シャフト2の前端部12の端縁に軸方向から固定されて
おり、中央に前記固定ボルト26が挿通するボルト挿通
孔27aを有する円環状のロータ部27と、該ロータ部
27の外周面の周方向の180°位置に一体に設けられ
た2つの羽根部28とを備えている。
【0026】前記2つの羽根部28,28は、横断面矩
形状を呈し、それぞれが両隔壁部13,13間に配置さ
れていると共に、各外周面の中央に軸方向に切欠された
保持溝29にハウジング6の内周面6aに摺接するコ字
形のシール部材30と該シール部材30を外方に押圧す
る板ばね31が夫々嵌着保持されている。また、この各
羽根部28の両側と各隔壁部13の両側面との間に夫々
2つの進角側油圧室32と遅角側油圧室33が隔成され
ている。
【0027】前記油圧回路4は、図1,図2に示すよう
に進角側油圧室32に対して油圧を給排する第1油圧通
路41と、遅角側油圧室33に対して油圧を給排する第
2油圧通路42との2系統の油圧通路を有し、この両油
圧通路41,42には、供給通路43とドレン通路44
とが夫々通路切替用の電磁切替弁45を介して接続され
ている。前記供給通路43には、オイルパン46内の油
を圧送するオイルポンプ47が設けられている一方、ド
レン通路44の下流端がオイルパン46に連通してい
る。
【0028】前記第1油圧通路41は、シリンダヘッド
22内からカムシャフト2の前端部12内部軸方向に形
成された第1通路部41aと、固定ボルト26の軸部2
6aとロータ部27の後部環状溝27bとの間に形成さ
れて、第1通路部41aと連通する第1油路41bと、
ベーン3のロータ部27内にほぼ放射状に形成されて第
1油路41bと各進角側油圧室32とを連通する2本の
分岐路41cとから構成されている。
【0029】一方、第2油圧通路42は、シリンダヘッ
ド22内及びカムシャフト2の前端部12内に第1通路
部41aと平行に形成された第2通路部42aと、前記
回転部材5の内部にほぼ円環状に形成されて第2通路部
42aと連通する第2油路42bと、回転部材5の内部
軸方向に形成されて第2油路42bと各遅角側油圧室3
3,33とを連通する2つの油孔42cとから構成され
ている。
【0030】前記電磁切替弁45は、4ポート2位置型
であって、内部のスプール弁が各油圧通路41,42と
供給通路43及びドレン通路44とを相対的に切り替え
制御するようになっていると共に、コントローラ48か
らの制御信号によって切り替え作動されるようになって
いる。尚、電磁切換弁45は、供給通路43とドレン通
路44とを相対的に切り替えるようになっているが、そ
の切り替え作動は短時間に断続的にも行うようになって
いる。コントローラ48は、機関回転数を検出するクラ
ンク角センサや吸入空気量を検出するエアフローメータ
からの信号によって現在の運転状態を検出すると共に、
クランク角及びカム角センサからの信号によってタイミ
ングスプロケット1とカムシャフト2との相対回動位置
を検出している。
【0031】前記規制機構10は、図1〜図3に示すよ
うに1つの羽根部28と回転部材5との間に設けられ、
該羽根部28の回転部材5側の一側面から内部軸方向つ
まりカムシャフト2と平行に穿設された段差径状の作動
用孔50と、該作動用孔50の大径な後端部を閉塞する
プラグ49に固定されて、該作動用孔50の内部に配置
された円筒状のシート部材51と、該シート部材51の
外周面に回転部材5の内端面5c方向へ進退可能に摺動
自在に設けられたプランジャ52と、シート部材51の
内部前端側に有する仕切壁51aの前後、つまりシート
部材51の内部とプランジャ52の先端頭部52aの内
部に形成された低圧室であるリザーバ室53及び高圧室
54と、仕切壁51aの中央に穿設された連通路55を
開閉してリザーバ室53の油圧を高圧室54内へのみ流
入を許容する規制手段であるチェック弁56と、前記第
1油圧通路41と連通し、前記リザーバ室53内に油圧
を給排する第1通路57と、リザーバ室53内に給排さ
れた作動油をシート部材51の外周側を通って高圧室5
4内に給排する第2通路58と、前記シート部材51内
に摺動自在に設けられて前記第2通路58を開閉するス
プール状の制御弁59とから主として構成されている。
そして、前記第1通路57と第2通路58及び制御弁5
9とによって制御手段が構成されている。
【0032】前記作動用孔50は、内径がプランジャ5
2の外径よりも十分に大きく設定されて回転部材5側に
有する小径部50aと、前記プラグ49の軸部が圧入固
定された大径部50abとから構成されている。
【0033】前記シート部材51は、均一径の円筒状を
呈し、前端部の内周面に前記仕切壁51aが形成されて
いると共に、後端部51bがプラグ49の先端部に形成
された嵌合溝49a内に圧入固定されている。
【0034】前記プランジャ52は、有蓋円筒状を呈
し、先端の頭部52aの前端面が球面状に形成されてい
ると共に、該頭部52aが前記内端面5cに形成された
規制面である摺接溝66の底面66aに当接配置されて
いる。
【0035】前記チェック弁56は、高圧室54の内部
に設けられ、連通路55を開閉するボール弁体62と、
該ボール弁体62をカップ状のリテーナ63を介して閉
方向へ付勢するバルブスプリング64と、プランジャ先
端部52aの底壁とリテーナ63の外周縁フランジ部と
の間に弾装されて、リテーナ63及びボール弁体62等
を仕切壁51a方向へ保持する圧縮スプリング65とか
ら構成されている。また、前記リテーナ63の周壁面に
は、前記ボール弁体62が開弁した時に油圧を前記高圧
室54に導入するための側孔が設けられている。
【0036】前記第1通路57は、図2及び図3に示す
ように、羽根部28の内部横方向に穿設されて、羽根部
28の一側面の連通溝28aを介して進角側油圧室32
に連通する第1油孔57aと、前記ロック部材34の周
壁及びシート部材51の後端部周壁に夫々径方向へ貫通
形成されて第1油孔57aとリザーバ室53とを連通す
る第1通孔57b,57cとから構成されている。
【0037】前記第2通路58は、シート部材51の仕
切壁51a近傍に直径方向に沿って穿設されて、リザー
バ室53に臨む第2通孔58aと、シート部材51の仕
切壁51a側の外周面とプランジャ52の内周面との間
に形成されて、第2通孔58aと高圧室54とを連通す
る筒状の第2通路溝58bとから構成されている。
【0038】前記制御弁59は、リザーバ室53の仕切
壁51a側の内部を摺動して前記第2通孔58aを開閉
する弁体59aと、該弁体59aの反対側に弁軸を介し
て設けられ、シート部材51の後端部51b内を摺動す
る受圧部59bと、該受圧部59bと嵌合溝49aの底
面との間に形成されて、弁体59aを開方向に付勢する
ばね部材たるリターンスプリング59cとから構成され
ている。
【0039】前記弁体59aは、横断面ほぼコ字形状を
呈し、その長さが仕切壁51aと第2通孔58aの孔縁
付近までの長さとほぼ同一に設定されて、前端縁が仕切
壁51aの端面に当接した時点で第2通孔58aを全開
させるようになっている一方、受圧部58bが嵌合溝4
9aの底面に当接移動した時点で第2通孔58aを全閉
させるようになっている。また、弁体59aには、リザ
ーバ室53と連通路55とを連通させる複数の貫通孔6
0が穿設されている。
【0040】前記受圧部59bは、弁体59aと同じく
横断面ほぼコ字形状を呈し、リザーバ室53側の前端面
が第1受圧面として形成され、後端面が第2受圧面とし
て形成されている。また、第2受圧面とシート部材51
の後端部51b内面との間に形成された受圧室61に
は、羽根部28の第1油孔57aと反対側位置に横方向
に穿設された通孔28b及びプラグ49の内部にL字形
状に形成された連通孔28cを介して遅角側油圧室33
の油圧が供給されるようになっている。したがって、第
2受圧面には、リターンスプリング59cのばね力と受
圧室61内の油圧との合成力が作用するようになってい
る。
【0041】なお、前記リターンスプリング59cは、
リザーバ室53や受圧室61に油圧が作用しない場合
に、弁体59aを開方向に付勢する程度の小さなセット
荷重に設定されている。
【0042】また、回転体5の内端面5cに形成された
前記摺接溝66は、図4に示すようにベーン3の羽根部
28の正逆回転方向に沿って円弧状に形成されていると
共に、巾長さWがプランジャ52の先端部52aの外径
より若干大きく設定され、また、円弧長さLは回転体5
とベーン3の最大相対回動長さ、つまり最大遅角側の回
転位置から最大進角側の回転位置までの長さにほぼ等し
い長さに設定されている。さらに、摺接溝66の底面6
6aは、ベーン3の最大遅角側回動位置の一端部66b
から最大進角側回動位置の他端部66cまで徐々に低く
なるようにテーパ状に形成されている。
【0043】前記ロック機構10は、図3及び図4に示
すように、前記摺接溝66の一端部66bの外周側に穿
設された円形状の係合溝67と、前記プランジャ52の
外周面に摺動自在に設けられたロック部材68とから主
として構成されている。
【0044】前記係合溝67は、摺接溝66の底面一端
部66bよりも浅く形成されて、底面67aの外周縁か
ら立ち上がった周壁面67bが拡開テーパ状に形成され
ていると共に、該周壁面67bの内径がロック部材68
の外径より若干大きく設定されている。
【0045】前記ロック部材68は、内径がプランジャ
52の外径より若干大きな円筒状に形成され、先端部6
8aの外周縁が前記係合溝67のテーパ状の周壁面67
bに嵌合するようなテーパ面に形成されている一方、フ
ランジ状の後端部68bが作動用孔50の後端側大径部
50bの内周面に軸方向へ摺動自在に保持されている。
【0046】また、このロック部材68は、後端部68
bの前端面と作動用孔50の大径部50bの端面との間
に形成された環状油室69内の油圧によって後退動して
係合溝67からの係合が解除されるようになっていると
共に、後端部68bの後端面とプラグ49の段差面との
間に弾装されたコイルスプリング70のばね力で進出動
するようになっている。前記環状油室69は、ベーン3
のロータ部27に形成された連通孔71を介して前記第
1通路57と連通しており、進角側油圧室32の油圧が
供給されるようになっている。尚、コイルスプリング7
0が弾装されたばね室70aは、プラグ49などに形成
された大気溝72を介して大気に連通して、ロック部材
68の自由な移動を確保している。
【0047】以下、本実施形態の作用を説明する。ま
ず、機関始動時及びアイドリング運転時には、コントロ
ーラ48から制御信号が出力された電磁切替弁45が供
給通路43と第2油圧通路42を連通させると共に、ド
レン通路44と第1油圧通路41とを連通させる。この
ため、オイルポンプ47から圧送された油圧は、図1,
図2の矢印で示すように第2油圧通路42を通って遅角
側油圧室33に供給される一方、進角側油圧室32に
は、機関停止時と同じく油圧が供給されず低圧状態を維
持している。このため、ベーン3は、図2に示すように
各羽根部28が進角側油圧室32側の各隔壁部13の一
側面に当接した状態になる。
【0048】したがって、タイミングスプロケット1と
カムシャフト2との相対回動位置が最大一方側(遅角
側)に保持されて、吸気弁の開閉時期を遅角側に制御す
る。これによって、慣性吸気の利用による燃焼効率が向
上して機関回転の安定化と燃費の向上が図れる。
【0049】また、この時点では、前述のように進角側
油圧室32内への油圧の供給が遮断されているため、ロ
ック部材68は、図3に示すようにコイルスプリング7
0のばね力によって進出して先端部68aが係合溝67
内に係入して両テーパ面同士が係合状態になり、これに
よって、ベーン3が回転部材5にロックされた形にな
る。この結果、カムシャフト2に発生する正負の回転変
動トルクによるベーン3のばたつき、つまり揺動振動が
効果的に抑制されている。
【0050】また、規制機構10は、図1,図2に示す
ようにリターンスプリング59cのばね力と、遅角側油
圧室33から受圧室61に供給された油圧とによって、
受圧部59bの第2受圧面が押圧されて弁体59aを仕
切壁51a側に押し付け、第2通孔58aを全開状態に
する。このため、プランジャ52は、高圧室54内の油
圧が排出されて低圧状態になるので進出動(伸びストロ
ーク)することなく、先端頭部52aが摺接溝66の底
面66aにコイルスプリング70の小さなばね力で弾接
している。
【0051】その後、車両が発進して機関が低回転低負
荷域から中回転中負荷域の通常運転に移行すると、コン
トローラ48からの制御信号によって電磁切替弁45が
作動して、供給通路43と第1油圧通路41を連通させ
る一方、ドレン通路44と第2油圧通路42を連通させ
る。したがって、今度は図6及び図7の矢印で示すよう
に遅角側油圧室33内の作動油が第2油圧通路42を通
ってドレン通路44からオイルパン46内に戻されて遅
角側油圧室33内が低圧になる一方、進角側油圧室32
内に油圧が第1通路部41a→第1油路41b→分岐路
41cを経由して供給されて高圧となる。
【0052】同時に、第1通路57から連通孔71を通
って環状油室69内に油圧が供給され、これによってロ
ック部材68は図5〜図7に示すようにコイルスプリン
グ70のばね力に抗して後退動して、先端部68aが係
合溝67から抜け出して係合が解除される。このため、
ベーン3は、図1に示す位置から時計方向に回転して各
羽根部28が中間位置を経て,図7に示すように反対側
(遅角側油圧室側)の各隔壁部13の他側面に当接する
最大進角位置まで回転する。
【0053】したがって、タイミングスプロケット1と
カムシャフト2とは、他方側へ相対回動して吸気弁の開
閉時期を進角側へ制御する。これによって、機関のポン
プ損失が低減して出力の向上が図れる。
【0054】そして、規制機構10は、かかる遅角側か
ら進角側へ切り換えられた時点では、遅角側油圧室33
内の油圧が前述のようにドレンされて低圧状態になるた
め、受圧室61内の油圧も通孔28aを介して遅角側油
圧室33に戻されて低圧になる。一方、進角側油圧室3
2に供給された油圧が図5及び図6の矢印に示すように
第1通路57の第1油孔57aと第1通孔57b,57
cを通ってリザーバ室53内に流入して、受圧部59b
の第1受圧面をリターンスプリング59cのばね力に抗
して押圧して受圧部59bを嵌合溝49aの底面に押し
付ける。したがって、弁体59aは、図5、図6に示す
ように弁軸を介して受圧室61方向へ摺動して、第2通
孔58aを全閉状態にする。このため、第2通路58を
介する高圧室54とリザーバ室53との連通が遮断され
る一方、リザーバ室53内の油圧が弁体59aの各貫通
孔60を通って連通路55からバルブスプリング64の
ばね力に抗してボール弁体62を押開きながら高圧室5
4内に流入する。
【0055】このため、プランジャ52は、羽根部28
の図2に示す位置から時計方向の回転に伴い該回転スト
ローク量に応じて図5、図6に示すように進出(伸長)
して頭部52aが摺接溝66の底面66aに常時当接状
態を維持しながら底面66a上を低位側の他端部66c
方向へ摺接する。
【0056】ここで、カムシャフト2からベーン3に伝
達された変動トルクのうち正の変動トルクが作用して羽
根部28を反時計方向へ一時的に回転させようとする
と、プランジャ52はボール弁体62で閉塞された高圧
室54の油圧によって後退動が規制されているため、正
の変動トルクに対するベーン3の反時計方向の回転に対
して先端部52aが摺接溝66の高位側底面66aに係
止されたいわば突張力が作用して該正の変動トルクに打
ち勝つ。このため、ベーン3は、最遅角側から最進角側
への回転中にプランジャ52の進出に伴い反時計方向
(遅角側)への回転が確実に規制されながら時計方向
(最大進角側)へ速やかに回転する。
【0057】したがって、タイミングスプロケット1と
カムシャフト2との進角側への相対回転速度が上昇し
て、バルブタイミングの制御応答性が向上する。
【0058】尚、ここで、負の回転変動トルクは、ベー
ン3を進角側へ回転させるアシスト力として作用するた
め、バルブタイミングの制御応答性がさらに向上するこ
とになる。また、プランジャ52が摺接溝66内を摺接
している間は、ロック部材68は、図5に示すように先
端部68aの先端が摺接溝66から十分に離間してい
る。
【0059】一方、機関中回転中負荷域から高回転高負
荷域に移行した場合は、進角側油圧室32から作動油が
排出される一方、遅角側油圧室33に油圧が供給され、
この油圧が第1通路57を介してリザーバ室53に供給
される。したがって、制御弁59の弁体59aは、図8
に示すように受圧室61内の上昇油圧とリターンスプリ
ング59cのばね力との合成力によって仕切壁51a方
向へ速やかに摺動し、第2通孔58aを開成する。この
ため、高圧室54の作動油が第2通路58を通って一旦
リザーバ室53に流入し、ここから第1通路57,進角
側油圧室32を経てドレン通路44に排出される。した
がって、プランジャ64は、摺接溝66の底面66aに
対する突張力が即座に解除されて自由に後退動可能にな
る。
【0060】これによって、ベーン3は、遅角側油圧室
33内の油圧によって反時計方向(遅角側)へ速やかに
回転することができ、タイミングスプロケット1とカム
シャフト2とを一方側へ相対回動させ、吸気弁の開閉時
期を遅角側へ応答性良く制御することができる。これに
よって、吸気充填効率の向上による出力の向上が図れ
る。
【0061】また、この時点では、機関の高回転化に伴
いオイルポンプ47の吐出圧も高くなっているため、最
大遅角位置に回転保持されたベーン3は、遅角側油圧室
33の高油圧によって進角側油圧室32側の隔壁部13
方向へ強く押し付けられる。したがって、正負の変動ト
ルクによるベーン3の揺動振動(ばたつき)が抑制され
ている。
【0062】さらに、所定の機関運転状態に移行して、
ベーン3を中間回転位置に保持する場合には、コントロ
ーラ48から電磁切換弁45が断続的に切替作動して、
進角側油圧室32と遅角側油圧室33とに油圧が相対的
に給排され、該各油圧室32,33にほぼ均一な油圧が
供給される。したがって、ベーン3の各羽根部28は、
進角側と遅角側のほぼ中間位置に保持され、タイミング
スプロケット1とカムシャフト2との相対位置を中間回
動位置に保持する。このとき、リザーバ室53と受圧室
61とには、各油圧室32,33と同じくほぼ均一圧な
油圧が供給されるため、弁体59aはリターンスプリン
グ59cのばね力によって仕切壁51a側へ付勢され
て、第2通孔58aを開成する。したがって、プランジ
ャ52は、突張力が解除されてフリーな状態になるが、
この時点ではベーン3が中間位置に保持されるだけであ
るから、正負の変動トルクが作用しても制御応答性など
の問題は生じない。
【0063】また、前記機関高回転時やベーン3が中間
位置に保持された運転域では、プランジャ52は底面6
6aに強く圧接せずにコイルスプリング65の小さなば
ね力で弾接しているだけであるから、隔壁部13やプラ
ンジャ頭部52aの摩耗の発生が抑制される。
【0064】さらに、機関停止時には、両油圧室32,
33への油圧の供給が停止されるため、弁体59aは、
リターンスプリング59cのばね力によって仕切壁51
a側へ押し付けられて第2通孔58aを開成し、したが
って、高圧室54が低圧状態になりプランジャ52の突
張力が解除される。そして、この状態時において、吸気
弁の図外のバルブスプリングのばね力がカムシャフト2
を介してベーン3に作用し、該ベーン3を遅角側へ回転
させる。したがって、再始動時には、バルブタイミング
は予め遅角側に制御されているため、前述のような始動
性が向上する。
【0065】また、この始動時における最大遅角側位置
では、ロック機構20のロック部材68によってベーン
3がロックされているため、正負の回転変動トルクによ
るベーン3の揺動振動が抑制される。
【0066】さらに、規制機構10によるベーン3の反
時計方向の回転を規制することによって、変動トルクに
よる進角側油圧室32の一時的な高圧化に伴う該進角側
油圧室32からの油圧の外部リークを防止できるため、
作動油の消費量を低減できる。
【0067】しかも、本実施形態によれば、規制機構1
0を羽根部28に対してカムシャフト2の軸直角方向で
はなく、軸方向に沿って設けたため、該規制機構10を
設けるための羽根部28の径方向の長さを十分に小さく
することが可能になり、この結果、装置全体の小型化が
図れる。
【0068】また、規制機構10をカムシャフト軸方向
に沿って設けることにより、回転体1に対するベーン3
の組付作業が簡単になる。すなわち、羽根部28内に予
め規制機構10のプランジャ52等の各構成部品を組み
付けておき、ベーン3全体をそのままハウジング6のフ
ロント側開口から内部へカムシャフト軸方向に沿って押
し込めるだけで組み付けられるため、組付作業がきわめ
て簡単になり、自動組立も可能になる。
【0069】さらに、ロック機構20のロック部材68
をプランジャ52とは別体ではなく同軸上へ一体的に組
み付けて、いわば2重構造としたため、規制機構10と
ロック機構20のコンパクト化が図れ、前記ベーン3の
小型化と相俟って装置全体の小型化が助長される。ま
た、プランジャとの一体化により作動用孔を共用化でき
るため、別個に設ける場合に比較して製造作業能率が向
上する。
【0070】また、ロック部材68は、外径がプランジ
ャ52よりも大きく、先端部68aの先端テーパ面の面
積よりも大きいため、係合溝67の内周壁67bに対す
る面圧が低くなる。このため、トルク変動などに起因し
た比較的大きな圧接力が作用しても両テーパ面間の摩耗
の発生が防止されて、耐久性の向上が図れる。
【0071】本発明は、前記実施形態の構成に限定され
るものではなく、例えば規制機構10を各羽根部28に
2つ以上設けることも可能である。さらには、プランジ
ャ52を反対向きに配置して、ベーン3の進角側から遅
角側への回転中において、負の変動トルクに対する回転
戻りを規制することも可能であり、また、両方を組み合
わせて構成することも可能である。
【0072】また、高圧室54に供給される油圧の油圧
回路を、各油圧室32,33の油圧回路4とは独立に形
成することも可能である。
【0073】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
記載の発明によれば、ベーンの遅角側から進角側、ある
いは進角側から遅角側への回転時に、規制機構によって
正負の回転変動トルクによるベーンの逆転を確実に規制
できるため、ベーンの一方向への回転速度が上昇して、
バルブタイミング制御の応答性が向上する。
【0074】特に、規制機構が従来例のように各油圧室
の油圧を直接利用して油通路を閉塞するのではなく、主
として進出したプランジャを規制手段によって、対向す
る規制面に圧接させることにより変動トルクに対抗させ
るものであるから、たとえ各油圧室内の油圧が外部へリ
ークして低圧となっても、プランジャの進出動には何ら
影響されることがなく、常時安定かつ確実な規制作用が
得られる。
【0075】したがって、特に、機関低回転時のように
ポンプ回転数が低くポンプ吐出圧が小さい場合もプラン
ジャを進出動させて、回転変動トルクによる揺動振動を
効果的に抑制することができる。
【0076】しかも、本発明によれば、規制機構のとり
わけプランジャをカムシャフトの軸方向に沿って伸縮自
在に設けたため、ベーンの径方向の長さを十分に小さく
することができ、この結果、装置全体の小型化が図れ
る。
【0077】また、規制機構をカムシャフト軸方向に沿
って設けることにより、該規制機構を予めベーンに組み
込んた状態で回転体にそのまま組み付けることができる
ため、規制機構をベーンの径方向に設ける場合に比較し
て組付作業がきわめて簡単になる。この結果、自動組立
も可能になる。
【0078】請求項2記載の発明によれば、ハウジング
にプランジャを設けることなく、単に規制面を形成する
だけであるから、ハウジングの外径を大きくする必要が
ないため、装置全体の小型化が図れる。
【0079】請求項3記載の発明によれば、制御手段を
プランジャの内部に設けたため、プランジャと別体に設
けた場合に比較して規制機構をコンパクト化することが
でき、装置のさらなる小型化が図れる。
【0080】請求項4記載の発明によれば、規制機構を
電気的ではなく全て機械的に構成したため、規制機構の
製造コストの低廉化が図れる。
【0081】請求項5記載の発明によれば、ロック機構
によって機関始動時及び低回転時のベーンのばたつきを
確実に規制することができることは勿論のこと、ロック
部材をプランジャの外周面に同軸一体的に設けたため、
各機構のコンパクト化が図れ、前記ベーンの小型化と相
俟って装置の小型化を一層助長できる。また、プランジ
ャとの一体化により作動用孔の共用化が図れるため、製
造作業能率が向上する。
【0082】請求項6記載の発明によれば、ロック部材
を作動させる油圧回路を規制機構の油圧回路と共用化し
たため、別個に設ける場合に比較して油圧回路の構造が
簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図2のA−A線
断面図。
【図2】図1のB−B線矢視図。
【図3】本実施形態の要部拡大図。
【図4】本実施形態に供される摺接溝と係合溝の拡大斜
視図。
【図5】本実施形態に供される規制機構とロック機構の
作用説明図。
【図6】本実施形態のベーンが進角側へ回転する状態を
示す図7のC−C線断面図。
【図7】本実施形態のベーンが進角側へ回転する状態を
示す図6のD−D線断面図。
【図8】本実施形態のベーン最大進角時から遅角側へ変
換する際の規制機構及びロック機構の作用説明図。
【符号の説明】
1…タイミングスプロケット(回転体) 2…カムシャフト 3…ベーン 4…油圧回路 6…ハウジング 6a…内周面 7…フロントカバー 10…規制機構 13…隔壁部 13a…一側面 20…ロック機構 28…羽根部 32…進角側油圧室 33…遅角側油圧室 50…作動用孔 51…シート部材 51a…仕切壁 52…プランジャ 53…リザーバ室 54…高圧室 55…連通路 56…チェック弁 57…第1通路 58…第2通路 59…制御弁 61…受圧室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後端が端壁によって閉塞され、機関の
    クランクシャフトによって回転駆動する回転体と、外周
    に機関弁を作動させる駆動カムを有しかつ回転体と相対
    回動可能に設けられたカムシャフトと、該カムシャフト
    に固定されて、回転体のハウジング内を摺動回転するベ
    ーンと、前記ハウジングの内周面に内方へ突設された隔
    壁部と、該隔壁部と前記ベーンとの間に隔成された遅角
    側油圧室及び進角側油圧室と、該両油圧室に相対的に油
    圧を給排して前記ベーンを正逆回転させる油圧回路とを
    備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、 前記ベーンあるいはハウジングのいずれか一方側にカム
    シャフト軸方向に沿って伸縮自在に設けられたプランジ
    ャと、 該プランジャの先端部が摺接する前記ベーンあるいはハ
    ウジングの対向壁面に形成され、ベーンとハウジングと
    の一方の相対回動方向に沿って下り傾斜状に形成された
    規制面と、 前記ベーンとハウジングの一方向の相対回動中に、他方
    向の回動力が作用した際に前記プランジャが規制面から
    受ける反力に抗して該プランジャの圧縮動を規制する規
    制手段と、 該規制手段の規制と該規制を解除する制御手段と、を備
    えた規制機構を設けたことを特徴とする内燃機関のバル
    ブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記プランジャをベーンに設ける一方、
    規制面を前記ハウジングの端壁に形成したことを特徴と
    する請求項1記載の内燃機関のバルブタイミング制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段をプランジャ内に設けたこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のバ
    ルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】 前記規制手段をプランジャ内に形成され
    た高圧室内の油圧を封止する逆止弁によって構成すると
    共に、制御手段を、前記高圧室に油圧を給排する油圧通
    路と、前記高圧室と反対側に摺動自在に設けられて、前
    記油圧通路の高圧室側と低圧室側の流路を切り換え制御
    する制御弁とによって構成したことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記遅角側油圧室と進角側油圧室のいず
    れか一方に供給された油圧によって前記ベーンとハウジ
    ングの相対回動を解除し、前記油圧が所定圧になるまで
    はベーンとハウジングの相対回動をロックするロック機
    構を設けると共に、該ロック機構のロック部材を前記プ
    ランジャの外周面に摺動自在に設けたことを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイ
    ミング制御装置。
  6. 【請求項6】 前記ロック部材を前記油圧回路の油圧と
    ばね部材のばね力との相対圧で進退動するように構成し
    たことを特徴とする請求項5記載の内燃機関のバルブタ
    イミング制御装置。
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