JP2000144956A - 中高層共同住宅の換気構造 - Google Patents

中高層共同住宅の換気構造

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JP2000144956A JP10317275A JP31727598A JP2000144956A JP 2000144956 A JP2000144956 A JP 2000144956A JP 10317275 A JP10317275 A JP 10317275A JP 31727598 A JP31727598 A JP 31727598A JP 2000144956 A JP2000144956 A JP 2000144956A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各住戸の外壁に外気連通口を設けて屋内を換気
するとともに、これを補ってさらに換気効率を向上させ
うる中高層共同住宅の換気構造を提供する。 【解決手段】各階の各住戸1の外壁Wa,Wbにそれぞ
れ開閉可能な外気連通口を設け、これら外気連通口を通
じて屋内外の空気を交換するとともに、各階の各住戸1
の外壁Wb,Wcに、外壁Wb,Wcを水平方向に貫通
して屋内に開口する排気管3をそれぞれ設け、これら排
気管3の屋外側の管端を排気筒4によって上下方向に連
通し、この排気筒4の最上部を棟の上方に開放すること
により、排気筒4内に生じる煙突効果を利用して各住戸
1の屋内空気を屋外に排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中高層共同住宅の
換気構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築工法の進歩やアルミサッシュ
の普及などによって住宅の高気密化が進んでいるが、そ
の弊害として、換気不十分による結露の発生、カビ、ダ
ニ、細菌等の繁殖、そしてそれらに起因するアレルギー
性疾患の増加などの問題が生じている。また、建材等か
ら発生するホルムアルデヒドなどの屋内有害物質が、い
わゆる「シックハウス症候群」の原因となることや、発
ガン性を有することも指摘されている。さらに、住宅の
高気密化によって機械式空調への依存度が高まり、エネ
ルギー消費が増大するとともに、人体の発汗や体温調整
などを制御する自律神経機能の失調障害が増加しつつあ
るとの指摘もある。
【0003】そのため、住宅においては、屋内の換気性
能を高めて上述のような屋内汚染を防止するとともに、
特に夏季においても機械式空調に極力依存しないで済む
ように、その居住性を向上させることが重要である。
【0004】かかる観点から、本発明者らは、特に亜熱
帯地域における住宅の快適化を図るべく、かねてより自
然の空気循環作用を効果的に利用した住宅の換気構造に
関する研究を重ね、例えば特開平10−110480号
公報に記載の住宅の換気構造を提案し、実用化してい
る。
【0005】その住宅の換気構造は、例えば2階建て住
宅において、1階および2階の外壁にそれぞれ外気連通
口を設けて屋内外の空気を交換するとともに、1階と2
階との間に、1階の天井板、2階床スラブおよび2階床
板を貫通する通気口を設けて1階の空気を2階に送り、
さらに2階の空気を小屋裏から屋外に排出するというも
のである。これによれば、暖気や湿気のこもりがちな屋
内に大量の外気を取り込み、さらにその屋内空気を速や
かに屋外に排出することができるので、高温多湿期であ
っても屋内を冷涼快適な状態に維持することが可能にな
る。さらに、外気連通口に開閉式のルーバー等を設置す
れば、窓や扉を閉め切っている留守時などにおいても、
常時、自然換気を行うことができるので、屋内に結露や
カビ、ダニ等が発生するのを防止するのに極めて有効で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たような住宅の換気構造は基本的に一戸建て住宅を前提
として構成されたものであるため、その構造をアパート
やマンションなどの中高層共同住宅に対して適用するに
は、以下のような課題を解決する必要がある。
【0007】第一に、一般的な中高層共同住宅において
は、図1に示すように、ほぼ同じ平面形状の住戸1を一
列に並べて配置し、各住戸1間を開口部のない戸境壁P
によって区画するとともに、棟の両側にそれぞれ共用廊
下AおよびバルコニーBを設けたような平面構成が多用
される。このような中高層共同住宅では、開口可能な外
壁は、共用廊下A側およびバルコニーB側の2面に限定
される。しかも、バルコニー側の外壁Wbには採光を優
先してできるだけ大きな窓が設けられ、他方の共用廊下
B側には浴室17や便所18など水回り関係の設備ユニ
ットが配置されることが多い。したがって、外気連通口
2を設けることのできる外壁はごく限られてしまい、例
えば図示のように、共用廊下A側とバルコニーB側にせ
いぜい一箇所ずつくらいしか外気連通口2を設けること
ができない。しかし、これだけでは得られる換気量に限
度があるので、特に気象条件の厳しい環境下では、これ
を補ってさらに換気を促進するための補助手段を別途に
設けることが求められる。
【0008】第二に、自然換気を効率よく行うために
は、暖気が上昇する原理を利用して屋内空気を高い位置
から排出するのが最も効果的であるが、中高層共同住宅
では、上下階の間は床スラブによって完全に区画されて
おり、通常、上下階にはそれぞれ他人同士が居住するの
で、下層階の住戸の屋内空気をそのまま上層階の住戸に
送ることはできない。したがって、各階の各住戸に、屋
内空気を上方に向けて排出するための排気経路を確保す
ることも必要になる。
【0009】本発明は、このような課題を解決すべくな
されたもので、各住戸の外壁に外気連通口を設けて屋内
外の空気を交換するとともに、これを補ってさらに換気
効率を向上させることのできるような中高層共同住宅の
換気構造を提供することにより、特に亜熱帯地域におけ
る中高層共同住宅の快適化を図ることを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の中高層共同住宅の換気構造は、各階の各住戸の外壁に
それぞれ開閉可能な外気連通口を設け、これら外気連通
口を通じて屋内外の空気を交換するとともに、各階の各
住戸の外壁に、外壁を水平方向に貫通して屋内に開口す
る排気管をそれぞれ設け、これら排気管の屋外側の管端
を排気筒によって上下方向に連通し、この排気筒の最上
部を棟の上方に突設して開口させることにより、排気筒
内に生じる煙突効果を利用して各住戸の屋内空気を屋外
に排出することを特徴としている。
【0011】すなわち、この中高層共同住宅の換気構造
は、各住戸の外壁に、外気連通口とは別途に排気管を設
け、各排気管を上方に延びる排気筒に連通させることに
よって、排気筒内に生じる煙突効果を利用して効率よく
屋内空気を排出しようとするものである。屋内空気の排
出が促進されることによって外気が大量に取り込まれる
ので、夏季においても屋内の温湿度の上昇が抑えられ、
結露やカビ、ダニ等の発生が防止される。
【0012】また、請求項2に記載の中高層共同住宅の
換気構造は、前記排気筒が、パイプシャフト内に配置さ
れて上下階を貫通することを特徴としている。
【0013】パイプシャフトとは、各階を上下方向に貫
通する水道、電気、ガスなどの各種配管を集中的に収容
するために設けられる中空の竪穴状部分である。一般的
な中高層共同住宅においては、住戸を一列に並べて配置
し、住戸の両側にそれぞれ共用廊下およびバルコニーを
設けたような平面構成が多用されるが、このような中高
層共同住宅では、各住戸の共用廊下側にパイプシャフト
が設けられることが多い。そこで、各住戸の共用廊下側
に設けられる排気筒をこのパイプシャフト内に配置し、
これによって共用廊下の美観を維持するとともに、避難
経路として必要な共用廊下の有効幅を確保することとし
ている。なお、本明細書においては、パイプシャフト内
は住戸に対する屋外部分として扱う。
【0014】さらに、請求項3に記載の中高層共同住宅
の換気構造は、前記排気管には防火ダンパーが内蔵され
たことを特徴としている。
【0015】防火ダンパーとは、火災時に温度ヒューズ
が溶解して自動的に管内を閉鎖するようになされた扉状
またはバルブ状の装置である。これを排気管に内蔵する
ことによって、下層階の住戸に火災が発生した場合で
も、熱風や煙が排気管を通って上層階の住戸に吹き込む
のを防止することができる。
【0016】なお、防火ダンパーの種類や構造は特に限
定されるものではないが、請求項4に記載の中高層共同
住宅の換気構造のごとく、排気管を遮蔽する遮蔽板の作
動方向を互いに反対にした一対のバタフライダンパーと
するすることにより、上層階の住戸への延焼をより万全
に防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しつつ説明する。
【0018】図1は、本発明が実施された中高層共同住
宅の中間階における平面構成を示し、図2は該中高層共
同住宅の縦断面を示している。
【0019】この中高層共同住宅は、例えば4階建ての
鉄筋コンクリート構造の建物で、各階は、略矩形の平面
形状に区画された住戸1が一列に配置され、その両側に
共用廊下AおよびバルコニーBが設けられた平面構成と
なっている。各住戸1間は、戸境壁Pによって水平方向
に、床スラブSによって上下方向にそれぞれ区画されて
いる。
【0020】各住戸1は、いわゆる3DKの間取りで、
共用廊下Aに面して設けられた玄関11に連続してダイ
ニングキッチン12が配置され、共用廊下A側に洋室1
3、バルコニーB側に2つの和室14,15が配置され
ている。共用廊下A側には、洗面室16、浴室17およ
び便所18が配置されて水回り関係の設備が集約される
とともに、玄関11の脇にはパイプシャフト19が設け
られ、共用廊下A側から点検・管理できるようになって
いる。また、洋室13には腰窓が、2つの和室14,1
5には掃き出し窓が、それぞれ設けられている。さら
に、洋室13の共用廊下A側の外壁Waと一方の和室1
4のバルコニーB側の外壁Wbには、それぞれ縦に細長
い外気連通口2が設けられ、ここに開閉式の外壁用ルー
バー21が取り付けられている。
【0021】外壁用ルーバー21は、例えば本出願人の
出願にかかる特許2032787号の外壁用ルーバー2
1であって、図3ないし図5に示すように、縦長形状を
有し、上下左右の四辺を構成するルーバー枠体22と、
ルーバー枠体22の左右の縦枠に案内されて昇降する多
数の水平方向に長いルーバーユニット23とを備えてい
る。
【0022】1組のルーバーユニット23は、1個の鎧
片24と、2個の棚部材25と、1個のパッキン材26
により構成されている。鎧片24は、左右の縦枠間に納
まる長さを有する一様断面のアルミニウム成形品で、外
側が低い傾斜部24aと、その傾斜部24aの外縁が垂
下した外側垂直部24bと、傾斜部24aの内縁が立ち
上げられた内側垂直部24cと、その内側垂直部24c
の上縁が外側に折曲された頂部24dとが一体成形さ
れ、さらに外側垂直部24bの内側に袋状の棚支持部2
4eが、傾斜部24aの内縁下面にパッキン材支持部2
4fが、それぞれ一体形成されている。この鎧片24の
左右両端部には、弾力性のあるプラスチック成形品から
なる棚部材25が棚支持部24eに装着され、ルーバー
枠体22の左右の縦枠に沿って上下に摺動自在となされ
ている。この棚部材25は、その内縁に鎧片24の頂部
24dを吊り上げる先端部25aを有し、この先端部2
5aが下方に位置する別のルーバーユニット23の鎧片
24の頂部24dの下面に係合されている。パッキン材
26は、合成ゴムからなり、鎧片24のパッキン材支持
部24fに挿入支持されて下端を下方にヒレ状に伸ばし
ている。
【0023】ルーバーユニット23は、鎧片24の頂部
24dと棚部材25の先端部25aとの係合により上か
ら順に吊り下げられた状態でルーバー枠体22に収容さ
れ、最上部のルーバーユニット23に操作用のワイヤー
(図示せず)等が取り付けられることによって昇降可能
となされている。そして、ワイヤーが引き上げられると
上段のルーバーユニット23が順次上昇し、図4に示す
ように鎧片24の間隔が開いて通風が可能になる。ま
た、ワイヤーが戻されるとルーバーユニット23が下降
し、下段から順に鎧片24の間隔が閉じ、図5に示すよ
うに通風が遮蔽される。上下に隣接する鎧片24の間に
はパッキン材26が挟まれて上方のルーバーユニット2
3の重力により押圧されるため、ルーバーユニット23
間は気密的かつ水密的に封止される。この昇降操作は、
個々の外壁用ルーバー21ごとに可能となっている。
【0024】このような外壁用ルーバー21を住戸1の
共用廊下A側とバルコニーB側にそれぞれ一箇所ずつ設
けて鎧片24の間を開けることにより、外気連通口2を
通して屋内に外気を取り入れたり、屋内空気を排出した
りすることができる。気象条件がさほど厳しくないとき
には、この外壁用ルーバー21を操作して外気連通口2
を開閉するだけでも十分に屋内を快適にすることがで
き、結露やカビ、ダニ等の発生を予防することが可能で
ある。しかし、亜熱帯地域などにおける酷暑環境下で
は、外気連通口2による換気だけでは不十分な場合もあ
る。そこで、本発明においては、さらに屋内空気の排出
を促進するための排気経路を設けている。
【0025】その排気経路は、各住戸1の外壁Wb,W
cを水平方向に貫通する排気管3と、それら排気管3の
屋外側の管端を上下方向に連通する排気筒4とから構成
されている。
【0026】排気管3は、各住戸1ごとに、屋内とパイ
プシャフト19とを区画する外壁Wcに1箇所、和室1
4のバルコニーB側の外壁Wbに1箇所、それぞれ天井
付近の高い位置に設けられている。排気管3の屋内側の
管端は、内壁表面に面一または内壁表面よりもわずかに
突出するように形成されて屋内側に開口している。一
方、屋外側の管端は、屋内側の管端よりもやや長く屋外
方向に突出して排気筒4に連結されている。
【0027】排気筒4は、各住戸1の共用廊下A側とバ
ルコニーB側にそれぞれ垂直に設けられ、各住戸1から
突設された排気管3に連結されている。そして、この中
高層共同住宅の上下階を貫通するようにして上方に延設
され、その上端は棟の上方に突出して開口している。排
気筒4の最上部には、自然風によって回転しながら排気
筒4内に負圧を生じさせる排気扇41が取り付けられて
いる。また、排気筒4の最下部は、最下階の住戸1から
突出した排気管3よりもやや低い位置で閉じられてい
る。バルコニーB側に設けられた排気筒4はバルコニー
Bに露出しているが、共用廊下A側に設けられた排気筒
4は各住戸1のパイプシャフト19内に収容されてい
る。
【0028】このように排気管3および排気筒4が設け
られることにより、屋内の天井付近にこもる暖気が排気
管3を通って自然に流出し、排気筒4内を上昇して屋外
に排出される。すると、屋内には新鮮な外気が外気連通
口2を通って流入し、さらに換気が促進されることとな
る。このように、暖気の上昇により排気筒4内に生じる
煙突効果を利用して外気連通口2の換気効率を高めるこ
とにより、亜熱帯地域などの酷暑環境下でも屋内の温湿
度の上昇を抑え、結露やカビ、ダニ等の発生を万全に予
防することができる。
【0029】また、排気管3には、図6および図7に示
すような防火ダンパー5が内蔵されている。この防火ダ
ンパー5は、排気管3に内接するように形成された円筒
体51内に組み込まれており、略半円形の遮蔽板52を
対にして円筒体51内で開くことにより通気を遮断す
る、いわゆるバタフライダンパーと呼ばれる遮蔽機構を
2組備えている。1組のバタフライダンパーは、円筒体
51の中心を横切るよう設けられた遮蔽板支持軸53
と、この遮蔽板支持軸53に回動可能に取り付けられた
一対の遮蔽板52と、一対の遮蔽板52を重ねて円筒体
51の軸方向に平行する姿勢で挟持する温度ヒューズ5
4と、重ねて挟持された遮蔽板52を互いに開くように
付勢するスプリング(図示せず)と、円筒体51の内面
に突設されたストッパー55とから構成されている。そ
して、火災時には、温度ヒューズ54の溶融部56が所
定温度で溶解することにより遮蔽板52を挟持状態から
解放し、解放された遮蔽板52がスプリングの付勢力に
よって互いに反対側に開き、それら遮蔽板52がそれぞ
れストッパー55に当接して円筒体51の軸方向に直交
する略円形の遮蔽面を形成するようになっている。
【0030】このバタフライダンパーが、円筒体51内
に2組、互いの温度ヒューズ54を反対側に位置させる
ように組み込まれて、防火ダンパー5が形成されてい
る。かかる防火ダンパー5を各排気管3内に内蔵するこ
とにより、いずれかの住戸1に火災が発生した場合でも
排気管3内が遮断され、上層階の住戸1に熱気や煙が及
んで延焼するのを防ぐことができる。
【0031】ここで、各排気管3内に2組のバタフライ
ダンパーを設けているのは、ある住戸1に火災が発生し
た場合、まず、火元の住戸1から流出する熱気を屋内側
の温度ヒューズ54によって感知し、屋内側の遮蔽板5
2を開いて火元の住戸1の排気管3を遮断する一方、強
い熱気が火元の住戸1の上層階の住戸1に及んだとき
に、その上層階の住戸1に熱気が流入するのを当該住戸
1の排気管3内に設けられた屋外側の温度ヒューズ54
によって感知し、屋外側の遮蔽板52を開いて遮断する
ためである。さらに、1対のバタフライダンパーをそれ
ぞれの遮蔽板52の作動方向が互いに反対になるように
して組み込むことにより、万一、遮蔽板52を付勢する
スプリングが火災時の熱によって溶解した場合でも、少
なくともいずれか一方の遮蔽板52は開いたままの状態
でストッパー55に当接し、排気管3内の通気に抵抗す
る。したがって、排気管3内の通気は双方向に対して遮
断されることとなり、延焼をより万全に防止することが
できる。
【0032】ただし、この防火ダンパー5には、前記の
ような構造のものに限らず、火災時に排気管3内の通気
を遮断しうる他の公知の防火ダンパーを用いることもで
きる。そして、その防火ダンパーの感熱性能や遮蔽性能
によっては、必ずしも前記のように一対のバラフライダ
ンパーを排気管3内に組み込む必要はなく、1組の遮蔽
機構を組み込むだけで十分な場合もある。
【0033】なお、これら排気管3、排気筒4、防火ダ
ンパー5は、火災時の延焼を防止するうえで重要な設備
であるので、ステンレスや鉄などの不燃材料により形成
し、さらに、パイプシャフト19内に収容される部分な
どには不燃材料による耐火被覆を施しておくのが好まし
い。
【0034】以上に述べたように、本発明の中高層共同
住宅の換気構造によれば、各住戸1の外壁Wa,Wbに
設けられた開閉可能な外気連通口2を通じて屋内の換気
が行われるとともに、各住戸1の外壁Wb,Wcを貫通
して設けられた排気管3およびこの排気管3を上下方向
に連通して上方に延設された排気筒4を通じて屋内空気
の排出が促進されるため、換気効率がさらに向上する。
そのため、亜熱帯地域などの酷暑環境下においても、屋
内の温湿度の上昇を抑え、結露やカビ、ダニ等の発生を
万全に予防することができる。
【0035】さたに、排気筒4をパイプシャフト19内
に配置することにより、共用廊下Aに排気筒4が露出し
て美観が損なわれるのを回避することができるととも
に、共用廊下Aの有効幅が減縮するのを防いで、避難経
路として最低限必要な共用廊下Aの有効幅を確保するの
が容易になる。
【0036】なお、前記の実施の形態においては、各住
戸1について、それぞれ共用廊下側とバルコニー側の2
箇所に排気管3およびこれに連通する排気筒4を設けて
いるが、住戸1の面積や中高層共同住宅の形状あるいは
敷地条件等によっては、各住戸について、いずれか1箇
所のみまたは3箇所以上に排気管3および排気筒4を設
けるようにしてもよい。
【0037】また、本発明において、外気連通口2に
は、前記した外壁用ルーバー21に限らず、外気との連
通を開閉しうる他の公知のルーバーやガラリなどを用い
ることもできる。
【0038】
【発明の効果】本発明の中高層共同住宅の換気構造によ
れば、各住戸の外壁に設けられた開閉可能な外気連通口
を通じて換気が行われるとともに、各住戸の外壁を貫通
して設けられた排気管およびこの排気管を上下方向に連
通して上方に延設された排気筒を通じて屋内空気の排出
が促進されるので、換気効率がさらに向上する。そのた
め、特に亜熱帯地域などの酷暑環境下においても、屋内
の温湿度の上昇を抑え、結露やカビ、ダニ等の発生を万
全に予防することができる。
【0039】また、排気筒をパイプシャフト内に配置す
ることにより、共用廊下に排気筒が露出して美観が損な
われるのを回避することができるとともに、共用廊下の
有効幅が減縮するのを防いで、避難経路として最低限必
要な共用廊下の有効幅を確保するのが容易なる。
【0040】さらに、火災時に排気管を遮断する防火ダ
ンパーを排気管に内蔵することにより、下層階の住戸か
ら上層階の住戸に延焼するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な中高層共同住宅の中間階における平面
構成および本発明の実施の形態を示す平面図である。
【図2】前記実施の形態を示す中高層共同住宅の縦断面
図である。
【図3】外気連通口に設けられた外壁用ルーバーの屋外
側正面図である。
【図4】前記外壁用ルーバーのルーバーユニットの開扉
状態を示す縦断面図である。
【図5】前記外壁用ルーバーのルーバーユニットの閉扉
状態を示す縦断面図である。
【図6】排気管に防火ダンパーが内蔵された状態を示す
排気管の縦断面略図である。
【図7】前記防火ダンパーの作動状態を示す横断面図で
ある。
【符号の説明】
1 住戸 2 外気連通口 3 排気管 4 排気筒 5 防火ダンパー 19 パイプシャフト Wa,Wb,Wc 外壁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月16日(1999.12.
16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の中高層共同住宅
の換気構造は、各階の各住戸の外壁にそれぞれ開閉可能
な外気連通口を設け、これら外気連通口を通じて屋内外
の空気を交換するとともに、各階の各住戸の外壁に、外
壁を水平方向に貫通して屋内に開口する排気管をそれぞ
れ設け、これら排気管の屋外側の管端を排気筒によって
上下方向に連通し、この排気筒の最上部を棟の上方に突
設して開口させることにより、排気筒内に生じる煙突効
果を利用して各住戸の屋内空気を屋外に排出する中高層
共同住宅の換気構造であって、前記排気管には、排気管
を遮蔽する遮蔽板の作動方向を互いに反対にした一対の
バタフライダンパーからなる防火ダンパーが内蔵された
ことを特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】そして、この防火ダンパーを、排気管を遮
蔽する遮蔽板の作動方向を互いに反対にした一対のバタ
フライダンパーとするすることにより、上層階の住戸へ
の延焼をより万全に防止することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】削除
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】さらに、火災時に排気管を遮断する防火ダ
ンパーを排気管に内蔵することにより、下層階の住戸か
ら上層階の住戸に延焼するのを防止することができる。
そして、この防火ダンパーを、排気管を遮蔽する遮蔽板
の作動方向を互いに反対にした一対のバタフライダンパ
ーとするすることにより、上層階の住戸への延焼をより
万全に防止することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 住戸 2 外気連通口 3 排気管 4 排気筒 5 防火ダンパー 52 遮蔽板 19 パイプシャフト Wa,Wb,Wc 外壁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各階の各住戸の外壁にそれぞれ開閉可能
    な外気連通口を設け、これら外気連通口を通じて屋内外
    の空気を交換するとともに、各階の各住戸の外壁に、外
    壁を水平方向に貫通して屋内に開口する排気管をそれぞ
    れ設け、これら排気管の屋外側の管端を排気筒によって
    上下方向に連通し、この排気筒の最上部を棟の上方に突
    設して開口させることにより、排気筒内に生じる煙突効
    果を利用して各住戸の屋内空気を屋外に排出することを
    特徴とする中高層共同住宅の換気構造。
  2. 【請求項2】 前記排気筒は、パイプシャフト内に配置
    されて上下階を貫通することを特徴とする請求項1に記
    載の中高層共同住宅の換気構造。
  3. 【請求項3】 前記排気管には防火ダンパーが内蔵され
    たことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中
    高層共同住宅の換気構造。
  4. 【請求項4】 防火ダンパーは、排気管を遮蔽する遮蔽
    板の作動方向を互いに反対にした一対のバタフライダン
    パーを備えることを特徴とする請求項3に記載の中高層
    共同住宅の換気構造。
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