JP2000143958A - 軟質frpシート用不飽和ポリエステル樹脂とその用途 - Google Patents

軟質frpシート用不飽和ポリエステル樹脂とその用途

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JP2000143958A
JP2000143958A JP31736598A JP31736598A JP2000143958A JP 2000143958 A JP2000143958 A JP 2000143958A JP 31736598 A JP31736598 A JP 31736598A JP 31736598 A JP31736598 A JP 31736598A JP 2000143958 A JP2000143958 A JP 2000143958A
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Japan
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unsaturated polyester
acid
polyester resin
sheet
frp sheet
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JP31736598A
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English (en)
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Tetsuya Fujiwara
徹也 藤原
Yoshiki Nagai
吉樹 永井
Yoshiaki Uno
良紀 宇野
Masahiko Kajino
正彦 梶野
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Nippon Shokubai Co Ltd
Nippon Polyester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Nippon Polyester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 折り曲げ性、特に低温での作業性に優れ、従
って、下地追従性に優れており、しかも防水材料として
重要な耐水性も良好である軟質FRPシート用不飽和ポ
リエステル樹脂とその用途を提供する。 【解決手段】 軟質FRPシート用不飽和ポリエステル
樹脂は、α、β−不飽和多塩基酸10〜25モル%と残
部が飽和多塩基酸からなる酸成分にエーテル結合を有す
る多価アルコールを80モル%以上含むアルコール成分
を反応させることにより得られる数平均分子量が300
0以上の不飽和ポリエステル40〜70重量部と重合性
単量体30〜60重量部とを含むことを特徴とし、軟質
FRPシートはこの不飽和ポリエステル樹脂を用いてな
り、FRP防水シートはこの軟質FRPシートからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟質FRPシート
用不飽和ポリエステル樹脂とその用途に関する。さらに
詳しくは、特定の不飽和ポリエステルと特定量の重合性
不飽和単量体とを含む軟質FRPシート用不飽和ポリエ
ステル樹脂とその用途すなわち軟質FRPシートおよび
FRP防水シートに関する。
【0002】
【従来の技術】屋上等の防水材として、従来、アスファ
ルト、ゴムシート、塩ビシート、ウレタン樹脂、アクリ
ル樹脂等が使用されてきたが、下地との密着性、材料自
身の強度の低さによる膨れや亀裂の問題から、不飽和ポ
リエステル樹脂とガラス繊維からなる樹脂組成物をライ
ニングして被覆する方法が増えている。
【0003】しかし、この方法は、下地に直接ライニン
グ層を形成していく方法であるために、作業者の熟練
度、季節による樹脂の硬化時間のバラツキによりライニ
ング層に欠陥が生じてしまうと言う問題を有する。ま
た、ライニング層形成時に不飽和ポリエステル樹脂中の
スチレンモノマーが多量に揮散して作業者の健康や施工
現場周辺環境を害すると言う問題も有する。
【0004】これらの問題を解決するために、柔軟性を
具備するガラス繊維強化樹脂成形板が提案され(特開平
1−193329)、このガラス繊維強化樹脂成形板を
被覆層とするコンクリート構造体(特開平9−1137
6)も提案されている。この柔軟性を具備するガラス繊
維強化樹脂成形板は、一般に軟質FRPシートと呼ば
れ、現在、採光板等の建築材料、屋上や外壁等の防水材
料、ガソリン等の貯蔵タンクの外殻層などに使用されて
おり、不飽和ポリエステルと重合性単量体を含む不飽和
ポリエステル樹脂にガラス繊維を組み合わせて成形され
ている。そして、成形板に柔軟性を具備させるため、不
飽和ポリエステルの製造原料の一方である酸成分を特定
量の不飽和多塩基酸と飽和多塩基酸で構成するととも
に、他方の原料であるアルコール成分として炭素数4以
上のグルコールを用いることを特徴としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記成形板は、前述し
た従来の欠点を克服してはいるが、柔軟性が不十分であ
り、折り曲げ加工性、特に冬場等の低温下における柔軟
性付与の問題は充分には解決されていない。すなわち、
樹脂は低温下において硬さが増すため、冬場の施工で
は、成形板の巻き癖が残り、施工を困難にさせるほか、
下地形状への追随性が低下するため、下地に凹凸がある
場合に欠陥のない施工が困難であると言う問題が残る。
さらに、下地追従性の不足、衝撃等による材料の割れな
ども危慎される。
【0006】そこで、本発明の課題は、低温下において
も充分に柔軟性を具備し、下地追従性にも優れ、耐水性
も良好な軟質FRPシートとFRP防水シートに適した
不飽和ポリエステル樹脂と、その用途すなわち軟質FR
PシートおよびFRP防水シートを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、柔軟性を高めるためには
アルコール成分としてエーテル結合を有する多価アルコ
ールを使用すること、酸成分として不飽和多塩基酸の量
を減らすこと、不飽和多塩基酸量を減らすことによる耐
水性の不足を不飽和ポリエステルの分子量を高くして解
消すれば良いこと、分子量を高くすることによる不飽和
ポリエステルの粘度上昇による作業性の悪化を重合性単
量体量をやや多くして解消すれば良いことを着想し、本
発明を完成した。すなわち、前記特定の不飽和ポリエス
テルと特定量の重合性単量体とを含む不飽和ポリエステ
ル樹脂をFRPシートに用いた場合は、折り曲げ性、特
に低温での作業性を向上させることができ、そのため、
優れた下地追従性を発揮させることができ、しかも、F
RP防水材料として重要な耐水性も良好であることも見
つけ、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明にかかる軟質FRPシー
ト用不飽和ポリエステル樹脂は、α、β−不飽和多塩基
酸10〜25モル%と残部が飽和多塩基酸からなる酸成
分にエーテル結合を有する多価アルコールを80モル%
以上含むアルコール成分を反応させることにより得られ
る数平均分子量が3000以上の不飽和ポリエステル4
0〜70重量部と重合性単量体30〜60重量部を含む
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明にかかる軟質FRPシート
は、前記本発明にかかる不飽和ポリエステル樹脂に補強
材を組み合わせてシート状に成形してなり、さらに、本
発明にかかるFRP防水シートは、前記軟質FRPシー
トからなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明にかかる不飽和ポリエステ
ル樹脂は、特定の不飽和ポリエステルと特定量の重合性
単量体とを含む。ここに、特定の不飽和ポリエステルと
は、酸成分が10〜25モル%のα,β−不飽和多塩基
酸(その無水物を含む)、好ましくは、α,β−不飽和
二塩基酸(その無水物を含む)と残部すなわち75〜9
0モル%の飽和多塩基酸(その無水物を含む)、好まし
くは、飽和二塩基酸(その無水物を含む)からなり、ア
ルコール成分としてエーテル結合を有する多価アルコー
ルを80モル%以上含む多価アルコールが用いられてな
るものである。
【0011】本発明において、前記α,β−不飽和多塩
基酸またはその無水物としては、具体的には、例えば、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
無水イタコン酸、シトラコン酸、及びこれらのエステル
等が挙げられ、経済性、反応性からマレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸が好ましく使用される。本発明にお
いて、前記飽和多塩墓酸またはその無水物としては、イ
ソフタル酸、テレフタル酸以外に、例えば、フタル酸、
無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無
水フタル酸、エンドメチレンテトラ無水フタル酸、へキ
サヒドロフタル酸、へキサヒドロ無水フタル酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、マロン
酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、グルタル酸、l,12−ドカン2酸、ダイマー酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレン
ジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,
3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェ
ニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等
が挙げられる。
【0012】本発明において、前記エーテル結合を有す
る多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ビスフェノールAとプロピレンオキ
サイドやエチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド
との付加物等が挙げられる。
【0013】本発明においては、20重量%未満であれ
ば、前記エーテル結合を有する多価アルコール類以外の
多価アルコールを併用することができる。このような多
価アルコールとしては、具体的には、例えば、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シ
クロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオー
ル、l,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル
プロパン−1,3−ジオール、水素化ビスフェノール
A、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0014】本発明においては、酸成分に対するアルコ
ール成分の配合割合は特に限定されないが、多塩基酸成
分の有する全カルボキシル基(無水物は有水化したもの
に換算)に対するアルコール成分の有する全水酸基の割
合を1.05倍以下とすることが好ましい。アルコール
成分の上記配合割合が1.05倍より多いと、数平均分
子量を3000以上にすることが困難となるからであ
る。
【0015】前記酸成分とアルコール成分の縮合反応を
行う際の反応条件等は、特に限定されるものではない
が、例えば、温度は180〜230℃、時間は5〜30
時間である。これら反応温度と反応時間は、後述の分子
量の不飽和ポリエステルが得られて縮合反応が完結する
ように適宜設定される。この縮合反応を行う際には、必
要に応じて、縮合反応を促進させる触媒や消泡剤等の添
加剤を使用することが出来る。縮合反応は窒素やヘリウ
ム等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
【0016】不飽和ポリエステルの数平均分子量として
は、3000以上であることが必要であり、好ましくは
3000〜5000の範囲である。数平均分子量が30
00未満の場合には、硬化物の柔軟性、耐水性が欠けて
脆いものとなり、また、取り扱い性を考慮すると、重合
性単量体の量が少なくなり、シートの耐水性が充分得ら
れなくなるという問題が生じる。また数平均分子量が5
000より大きい場合には、粘度が著しく高くなり、こ
れを含む配合物の取り扱い性が低下する。
【0017】本発明において、前記重合性単量体として
は特に限定されないが、耐水性を向上させるためにスチ
レンが好ましい。この場合、スチレンは重合性単量体中
に50重量%以上配合させることが好ましい。また、ス
チレン以外に、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、ビニルトルエン、パラメチルスチレン、t−ブチル
スチレン、ジアリルフタレート、メチル(メタ)アクリ
レート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル
オキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート等を併用してもよい。
【0018】不飽和ポリエステル樹脂における不飽和ポ
リエステルと重合性単量体との重量比は、7:3〜4:
6の範囲内にあることが必要である。重合性単量体の割
合が前記範囲より少ない場合には硬化物の耐水性が低下
し、他方、重合性単量体の割合が前記範囲よりも多い場
合には防水シートが脆くなる等のシート物性が低下する
からである。
【0019】本発明にかかる不飽和ポリエステル樹脂
は、通常、硬化剤を添加して硬化させる。このような硬
化剤としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ベンゾ
イルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−ブチルヒドロパーオキシド、
t−ブチルパーオキシネオジケネート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、クメンハイドロパーオキシド等の
有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
ジエチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられ
る。硬化剤の配合割合は、不飽和ポリエステル樹脂10
0重量部に対して、0.5〜5重量部の範囲内が好まし
い。
【0020】本発明においては、不飽和ポリエステル樹
脂に硬化促進剤が添加されても良い。硬化促進剤として
は、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、2価の
アセチルアセトンコバルト、3価のアセチルアセトンコ
バルト、オクテン酸カリウム、ナフテン酸ジルコニウ
ム、ジルコニウムアセチルアセトナート、ナフテン酸バ
ナジウム、オクテン酸バナジウム、バナジウムアセトナ
ート、リチウムアセチルアセトナート等の金属塩が挙げ
られ、これらの金属塩にアミン系化合物、含リン化合
物、β−ジケトン化合物等が併用されてもよい。硬化促
進剤の配合量は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部
に対して、0.005〜2重量部の範囲内が好ましく、
0.01〜1重量部の範囲内がさらに好ましい。
【0021】本発明にかかる不飽和ポリエステル樹脂
は、保存安定性や硬化性調整の目的で重合禁止剤が配合
されることが好ましい。重合禁止剤としては、公知の化
合物をそのまま使用することができるが、代表的なもの
としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p
−t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、
トルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノ
ン、メトキシハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル、トリメチルハイドロキノン、2,5−ジ−
t−ブチルハイドロキノン、フェノチアジン、ナフテン
酸銅などが挙げられ、これらは単独で使用されるほか2
種以上が併用されても良い。
【0022】本発明にかかる不飽和ポリエステル樹脂
は、チクソ性を有しても良く、そのために、例えば、コ
ロイダルシリカ、フィームドシリカ、シリカエーロゲ
ル、有機改質粘上、クレー、シリカパウダー、酢酸セル
ロース、および、アエロジル(日本アエロジル社製)、
チクソゲル(横浜化成社製)、ディスパロン(楠本化成
社製)、レオロシール(徳山ソーダ社製)等のチクソ性
付与剤が添加される。チクソ性付与剤の配合量は、不飽
和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.5〜5
重量部の範囲内が好ましく、1〜3重量部の範囲内がさ
らに好ましい。
【0023】本発明にかかる不飽和ポリエステル樹脂
は、必要に応じて、副資材(添加剤)等が配合される。
このような副資材としては、染料等の着色剤、体質顔
料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防カビ剤、可
塑剤、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、
帯電防止剤、難燃剤、滑剤、減粘剤、低収縮剤、無機質
充填剤、有機質充填剤、乾燥剤、分散剤等が挙げられ
る。
【0024】本発明にかかる不飽和ポリエステル樹脂
は、種々の用途に使用されるが、軟質FRPシートの製
造に用いられることが好ましく、特に、FRP防水シー
トの製造に用いられることが好ましい。軟質FRPシー
トを成形する場合には、前記本発明にかかる不飽和ポリ
エステル樹脂に対し、必要に応じて前述の各種配合材を
配合した上で、補強材が組み合わされる。このような補
強材としては、例えば、ガラスクロス、ロービングクロ
ス、チョップドストランド、チョップドストランドマッ
ト等のガラス繊維や、アラミド繊維、アミド、ビニロ
ン、ポリエステル、フェノール等の有機繊維が単独で使
用されるか併用される。ガラス繊維と有機繊維の一体化
繊維であっても良い。繊維の形態は、平織り、朱子織
り、不織布、マット状があり、施工性、シート強度、シ
ート柔軟性、経済性を考慮して選択される。
【0025】軟質FRPシート中の上記繊維の含有率は
60重量%以下が適当であるが、機械的強度を維持しな
がら曲げ加工性と柔軟性を発揮する上では、ガラスクロ
ス、ロービングクロスの場合には30〜60重量%、チ
ョップドストランド、チョップドストランドマットの場
合には10〜30重量%、有機繊維の場合には5〜15
重量%が好ましい。
【0026】本発明にかかる軟質FRPシートは、硬化
樹脂を強化繊維で補強したシートである。このシートの
巾は、500〜2000mmが好ましく、持ち運びのこ
とを考慮すると500〜1200mmがさらに好まし
い。このシートの厚みは、0.3〜2.5mmが好まし
く、0.6〜1.2mmがより好ましい。本発明にかか
る軟質FRPシートは、硬化性樹脂に重合性モノマーや
各種添加剤を配合した樹脂シロップからバッチ法で製造
するか、以下に例示するような連続成形法で製造する。
連続成形法は、生産性が良く、品質の安定性も良いの
で、好ましい。
【0027】軟質FRPシートは、一般に、いわゆるフ
ィルム成形法(シート成形法)と呼ばれる連続成形法に
より製造される。この方法は、例えば図1に見るような
工程を経る。すなわち、下面離型フィルム1を連続的に
送って行き、その上に樹脂タンク2から硬化性樹脂を含
む樹脂シロップ3を流して順次、樹脂層4を形成して行
く。樹脂タンク2の後段にはローラーカッター5が配置
されていてガラスロービング6が連続的に供給されてい
るので、このローラーカッター5でチョップドストラン
ド7が順次得られ、順次形成されて行く樹脂層4上に載
って、順次、強化繊維層8を形成して行く。このように
して一旦出来た強化繊維層8にはその下方の樹脂層4の
樹脂が順次含浸して行くので、下面離型フィルム1上に
は、自然に、硬化性樹脂3と強化繊維(チョップドスト
ランド)7の混ざり合った層9が出来て行く。そこで、
この混合層9に上面離型フィルム10を連続的に重ねて
厚み調整ローラー11内に順次送り込み、混合層9の厚
みを調整したあと、この混合層9を硬化炉12に送り込
み、硬化性樹脂を連続的に硬化させて、軟質FRPシー
ト13を連続的に得る。得られた軟質FRPシート13
は、下面離型フィルム1と上面離型フィルム10を剥が
す工程と、幅寸法を揃えるための幅切り工程を経て、ロ
ール状に巻き取られ、製品となる。
【0028】上述と異なり、強化繊維、例えばガラスチ
ョップドストランドマットを先に、下面離型フィルム1
上に連続的に敷き、その上から樹脂シロップ3を流し
て、混合層9を形成することもある。強化繊維は、不織
布や織布であることもある。上述の方法において、離型
フィルム1、10としては、特に限定されないが、PE
Tフィルム等のポリエステルフィルム、ポリビニルアル
コールフィルム、ナイロンフィルムなどが挙げられる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものでない。文章中「部」とあるのは、
重量部を示す。 (合成例1)温度計、攪拌機、不活性ガス吹込管および
還流冷却管を備えた四ッ口フラスコに、トリエチレング
リコール8.0モル、プロピレングリコール2.3モ
ル、イソフタル酸4.5モル、アジピン酸3モルを仕込
み、窒素ガスを吹き込みながら210℃で酸価10まで
縮合反応した。150℃まで冷却し、無水マレイン酸
2.5モルを仕込み、210℃まで昇温し、15時間、
縮合反応させ、数平均分子量3200の不飽和ポリエス
テルを得た。得られた不飽和ポリエステル65部にスチ
レン35部、ハイドロキノン0.01部を加えることに
より、酸価7、粘度8ポイズの不飽和ポリエステル樹脂
Aを得た。 (合成例2)合成例lと同じ反応装置で、ジエチレング
リコール10.3モル、テレフタル酸3モル、無水フタ
ル酸5.5モルを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら2
20℃で酸価5まで縮合反応した。150℃まで冷却し
フマル酸l.5モルを仕込み、210°Cまで昇温し、
15時間、縮合反応させ、数平均分子量3500の不飽
和ポリエステルを得た。得られた不飽和ポリエステル6
0部にスチレン40部、ハイドロキノン0.01部を加
えることにより、酸価10、粘度4.5ポイズの不飽和
ポリエステル樹脂Bを得た。 (比較合成例1)合成例1と同じ反応装置で、ジエチレ
ングリコール9.0モル、プロピレングリコールl.5
モル、テレフタル酸3.0モル、無水フタル酸2.5モ
ル、アジピン酸1.5モルを仕込み、窒素ガスを吹き込
みながら220℃で酸価10まで縮合反応した。150
℃まで冷却し無水マレイン酸3.0モルを仕込み、21
5℃まで昇温し、15時間、縮合反応させ、数平均分子
量2500の不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽
和ポリエステル65部にスチレン35部、ハイドロキノ
ン0.01部を加えることにより、酸価26、粘度6ポ
イズの不飽和ポリエステル樹脂Cを得た。 (比較合成例2)合成例1と同じ反応装置で、ジプロピ
レングリコール5.0モル、エチレングリコール5.5
モル、無水フタル酸9.2モル、フマル酸0.8モルを
仕込み、窒素ガスを吹き込みながら210℃で15時
間、縮合反応させ、数平均分子量2000の不飽和ポリ
エステルを得た。得られた不飽和ポリエステル70部に
スチレン30部、ハイドロキノン0.01部を加えるこ
とにより、酸価27、粘度4.0ポイズの不飽和ポリエ
ステル樹脂Dを得た。 (実施例1〜4、比較例1〜4)上記の合成例、比較合
成例の樹脂にオクテン酸コバルト(金属分8%)、パー
メックN(日本油脂製)をそれぞれ0.3%、1%を攪
拌混合し、補強材に含浸させて、表裏をテトロンフィル
ムで覆い、室温で硬化させた。更に80℃で2時間硬化
させ、軟質FRPシートを作製し、柔軟性および耐水性
の評価を行った。結果を表1に示した。
【0030】表1中の各種アルコール成分の略号および
各種酸成分の略号は以下の通りである。 EG:エチレングリコール PG:プロピレングリコール DEG:ジエチレングリコール DPG:ジプロピレングリコール TEG:トリエチレングリコール FA:フマル酸 MA:無水マレイン酸 PA:無水フタル酸 IPA:イソフタル酸 TPA:テレフタル酸 AA:アジピン酸 なお、補強材としては、ガラスマットMC一300A
(日東紡製)またはポリエステル不織布(東洋紡製、ス
パンボンド−ボランス、型番4172P)を用いた。
【0031】柔軟性評価は以下の様に判断した。 ×:10mmφの鉄パイプに巻き付けるとシートにクラ
ックが入る。 △:10mmφの鉄パイプに巻き付けてもシートにクラ
ックが入らない。 ○:5mmφの鉄パイプに巻き付けてもシートにクラッ
クが入らない。 耐水性評価は各シートを80℃熱水に浸漬し、以下の様
に判断した。 ×:100時間以内に繊維に沿ってクラック、膨れが発
生する。 ○:100時間以上浸漬しても外観変化なし。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明にかかる軟質FRPシート用不飽
和ポリエステル樹脂は、低温下での柔軟性に富み、しか
も、耐水性が良く、作業性も良い。本発明にかかる軟質
FRPシートは、本発明にかかる前記不飽和ポリエステ
ル樹脂を用いているため、折り曲げ性、特に低温での作
業性に優れており、下地追従性に優れるとともに、耐水
性も良好となっている。
【0034】本発明にかかるFRP防水シートは、本発
明にかかる前記軟質FRPシートからなるため、防水シ
ートとして重要な耐水性が良好であり、より優れた防水
性能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フィルム成形法(シート成形法)で軟質FR
Pシートを製造する工程を示す説明図
【符号の説明】
1 下面離型フィルム 2 樹脂タンク 3 樹脂シロップ 4 樹脂層 5 ローラーカッター 6 ガラスロービング 7 チョップドストランド 8 強化繊維層 9 混合層 10 上面離型フィルム 11 厚み調整ローラー 12 硬化炉 13 軟質FRPシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 吉樹 兵庫県三田市テクノパーク8−1 日本ポ リエステル株式会社内 (72)発明者 宇野 良紀 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 梶野 正彦 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA49 AA81 AC02 AF01 AF17 AF26 AF53 BC01 4J002 CF221 EA046 EH076 FD146 4J027 AB06 AB07 AB08 AB23 AB24 AB25 AC03 AC04 AJ01 BA05 CA14 CA15 CA17 CA32 CA36 CA38 CB03 CB09 CC02 CD02 4J029 AA07 AB04 AB07 AC02 AD01 AE03 AE18 BA02 BA03 BA05 BA07 BA08 BA09 BA10 BD03A BD04A BD07A BD10 BF09 BF10 BF17 BF18 BF25 BF26 CA01 CA02 CA03 CA04 CA05 CA06 CA09 CB04A CB06A CB10A CC03A CC05A CC06A CD03 CD04 FC05 FC12 FC14 GA12 GA13 GA14 GA15 GA17 GA23 HA01 HB01 JE182 KD01 KD09 KE05 KH01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α、β−不飽和多塩基酸10〜25モル%
    と残部が飽和多塩基酸からなる酸成分にエーテル結合を
    有する多価アルコールを80モル%以上含むアルコール
    成分を反応させることにより得られる数平均分子量が3
    000以上の不飽和ポリエステル40〜70重量部と重
    合性単量体30〜60重量部とを含む、軟質FRPシー
    ト用不飽和ポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】前記飽和多塩基酸がイソフタル酸および/
    またはテレフタル酸を30モル%以上含む飽和多塩基酸
    である、請求項1に記載の軟質FRPシート用不飽和ポ
    リエステル樹脂。
  3. 【請求項3】前記重合性単量体がスチレンである、請求
    項1または2に記載の軟質FRPシート用不飽和ポリエ
    ステル樹脂。
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかに記載の不
    飽和ポリエステル樹脂に補強材を組み合わせてシート状
    に成形してなる、軟質FRPシート。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の軟質FRPシートからな
    るFRP防水シート。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003301035A (ja) * 2002-02-08 2003-10-21 Kao Corp マット用バインダー
JP2004043728A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Japan U-Pica Co Ltd 不飽和ポリエステル樹脂組成物およびfrp製防水被覆構造体。
JP2018080281A (ja) * 2016-11-17 2018-05-24 大泰化工株式会社 繊維強化プラスチックシート
JP2018080528A (ja) * 2016-11-17 2018-05-24 大泰化工株式会社 防水構造及び防水構造の製造方法

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