JP2000141355A - ワイヤ式切断機用アダプタ、同左を用いた切断工法およびワイヤ式切断機 - Google Patents

ワイヤ式切断機用アダプタ、同左を用いた切断工法およびワイヤ式切断機

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JP2000141355A JP10323658A JP32365898A JP2000141355A JP 2000141355 A JP2000141355 A JP 2000141355A JP 10323658 A JP10323658 A JP 10323658A JP 32365898 A JP32365898 A JP 32365898A JP 2000141355 A JP2000141355 A JP 2000141355A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転可能に支持された駆動輪と、切断対象箇
所と駆動輪に巻回された無端状ワイヤソーを、駆動輪を
介して回転駆動する第1モータ手段と、切断進行に基づ
くワイヤソーの緩みを除去する張力維持手段とを有する
ワイヤ式切断機における、切断前の準備作業を軽減出来
る装置を提供する。 【解決手段】 土木建築用作業機の揺動アーム54に装
着するための被装着部と、ワイヤ式切断機用の装着部3
2とを備え、装着部は、ワイヤ式切断機本体2が揺動ア
ーム側に延びる第1装着姿勢と、ワイヤソー24の切断
対象箇所に巻回される部分24fが装着部32から揺動
アーム側に延びる第2装着姿勢との間で選択的に装着可
能なワイヤ式切断機用アダプタとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転可能に支持さ
れた駆動輪と、切断対象箇所と前記駆動輪とに巻回され
た無端状のワイヤソーを、前記駆動輪の回転運動を介し
て回転駆動するためのモータ手段と、切断の進行に基づ
いて生じる前記ワイヤソーの緩みを除去する張力維持手
段とを有するワイヤ式切断機、および、同ワイヤ式切断
機を用いた切断工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このようなワイヤ式切断機を使用
する際には、図16に例示されるように、ワイヤソー2
4を回転駆動する駆動輪20および張力維持手段12,
18の支持されたベース部材4を、予め切断対象箇所T
1に穿孔して形成したネジ孔とボルト4b等を用いて切
断対象箇所に固定した状態で、乃至は、図17に例示さ
れるように、駆動輪120および張力維持手段112の
支持された切断機本体104を地上などに固定設置して
おき、切断対象箇所T2と切断機本体104との間に大
きなレベル差がある場合(図17では切断対象箇所T2
が海面下に、切断機本体104が海面上高くにある)に
は、ワイヤソー24の延びる方向を切断対象箇所T2と
切断機本体104の間で変更するための転換手段200
(プーリ等からなる)をやはり切断対象箇所T2に予め
穿孔して形成したネジ孔とボルト210等を用いて切断
対象箇所T2に固定した状態で、使用していた。そし
て、上記いずれの事例でも、ワイヤソー24としてダイ
ヤモンドビーズなどの嵌着された無端状のワイヤを用い
ると、モータ手段10,110によって回転操作される
駆動輪20,120を介したワイヤソー24の回転駆動
に基づいて、鉄筋コンクリートなどの高強度の構造物で
も騒音などの抑制された条件で切断することができる。
さらに、対象物を切断する際にワイヤソー24に必要な
張力が切断の進行に基づいて不足する問題に関しては、
張力維持手段12,18、すなわち例えば、駆動輪2
0,120の位置を切断対象箇所から次第に遠ざけるモ
ータ手段12、または、ワイヤソー24の回動経路を引
き伸ばす補助プーリ機構18等によって解決していた
(補助プーリ機構18は着脱可能に設けられていると同
時に、ワイヤソー24の回動経路を調整する目的でワイ
ヤソー24を複数の補助プーリ機構18の一部に選択的
に巻回することもできる)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の切断方法で必須となる事前準備作業、すなわち、
駆動輪および張力維持手段の支持されたベース部材4、
或いは、ワイヤソーの延びる方向を切断対象箇所と駆動
輪の間で変更するための転換手段200を、予め切断対
象箇所に穿孔して形成されたネジ孔とボルト等を用いて
切断対象箇所に固定しておく作業は、非常に煩雑であ
り、特に、図16に示された例のように、切断箇所が高
所に位置したり、図17に示された例のように、水面下
(この場合、専門の潜水夫の要請が必要となる場合が多
い)などに位置する場合には、作業の難度が高く改善の
余地が有った。さらに、ワイヤ式切断機の主な張力維持
手段12は一般的に、図16に例示されるように、直線
状に延びる軌道6と、駆動輪20を回転可能に支持しつ
つ前記軌道6に沿って往復移動する自走ユニット8から
構成されており、切断の進行に応じて、自走ユニット8
が所定長さの前記軌道6上を走行することによって、駆
動輪20を切断対象箇所から少しずつ遠ざける機構が採
用されている。したがって、自走ユニット8が前記軌道
6上の終端6bに到達してしまえば、切断に応じて生じ
るワイヤソー24の緩みを最早除去できなくなるという
事情から、上記の従来の切断方法のうち、ワイヤ式切断
機2の駆動輪20および張力維持手段12の支持された
ベース部材4を、予め切断対象箇所に穿孔して形成され
たネジ孔とボルト4A等を用いて切断対象箇所に固定し
た状態で実施する事例では、自走ユニット8が軌道6上
の終端6bに到達する度に、図18に例示するように、
ワイヤソー24の一部を切り取っては再び“かしめ”等
で連結し直して、ワイヤソー24の全長を短縮すること
によってワイヤソー24に必要な張力を回復していた。
そのために、切断対象箇所の寸法によっては、ワイヤソ
ー24を2ヶ所で分断して再び“かしめる”という煩雑
な作業が度々必要であり、また、上記の切り取りによっ
て発生するワイヤソー断片(周知のようにワイヤソーに
は、切削能を高める目的でビーズ状などのダイヤモンド
が多数用いられているために、断片と言えども高価であ
る)の廃却を余儀なくされることに対しても改善の余地
があった。
【0004】本発明の目的は、上に例示した従来技術に
よるワイヤ式切断機および切断方法の持つ前述した欠点
に鑑み、切断作業前の事前準備作業を軽減することの出
来る装置、および、事前準備作業の軽減された切断工法
を提供することにある。また、本発明の別の目的は、ワ
イヤ式切断機の駆動輪および張力維持手段の支持された
ベース部材を、予め切断対象箇所に穿孔して植え込まれ
たボルト等を用いて切断対象箇所に固定した状態で実施
する事例において、ワイヤソーを無駄に廃却する必要の
ない装置、および、切断工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1によるワイヤ式切断機用アダプタ
は、回転可能に支持された駆動輪と、切断対象箇所と前
記駆動輪とに巻回された無端状のワイヤソーを、前記駆
動輪の回転運動を介して回転駆動するための第1モータ
手段と、切断の進行に基づいて生じる前記ワイヤソーの
緩みを除去する張力維持手段とを有するワイヤ式切断機
と協働して用いられ、土木建築用作業機の揺動アームの
遊端に装着される被装着部と、前記ワイヤ式切断機を装
着するための装着部とを備え、前記装着部は、前記駆動
輪を含むワイヤ式切断機本体が前記装着部から前記揺動
アーム側に延びる第1装着姿勢と、前記ワイヤソーの前
記切断対象箇所に巻回される部分が前記装着部から前記
揺動アーム側に延びる第2装着姿勢との間で選択的に装
着可能に構成されていることを特徴構成としている。
【0006】このような特徴構成を備えている本発明の
請求項1によるワイヤ式切断機用アダプタを用いれば、
このワイヤ式切断機用アダプタを介してワイヤ式切断機
を土木建築用作業機の揺動アームの遊端に装着すること
が可能となり、さらに、土木建築用作業機のブームおよ
び揺動アームの揺動操作や土木建築用作業機自体の推進
操作によって、揺動アームに装着されたワイヤ式切断機
を、切断対象箇所に面する状態に配置することが、(た
とえこの切断箇所が高所、または、水面下などであって
も)容易にできるようになる。そして、上記の、ワイヤ
式切断機が切断箇所に面した状態(これはアダプタが切
断対象箇所に押し付けられた状態でも、或いは、アダプ
タおよびワイヤ式切断機が切断対象箇所から離れた宙吊
り状態でも良い)で揺動アームを固定しておけば、あた
かもワイヤ式切断機が切断対象箇所に固定されたような
状態が現出され、この揺動アームを固定した状態でワイ
ヤソーを回転駆動して切断を実施することができる。そ
の結果、駆動輪および張力維持手段の支持されたベース
部材を、予め切断対象箇所に穿孔して形成されたネジ孔
とボルト等を用いて切断対象箇所に固定しておく等の煩
雑な作業を行うことなく、また、これらの煩雑な作業を
強いられる場所が高所であったり、水面下であっても、
対象物の切断が容易に実施できるという効果が得られる
(高所における装置や機具の落下危険性が著しく減ると
いうメリットや、水面下の場合に専門の潜水夫の要請が
不要となるというメリットは特に大きい)。
【0007】さらに、上記の特徴構成を備えた本発明の
請求項1によるワイヤ式切断機用アダプタを用いて、土
木建築用作業機の揺動アームの遊端に装着した状態のワ
イヤ式切断機を用いて切断を行えば、駆動輪を支持した
自走ユニットが、切断の進行と共に軌道上を走行して遂
に軌道上の終端に到達した時には、図8や図9に例示さ
れるように、土木建築用作業機のブームや揺動アームの
揺動操作あるいは土木建築用作業機自体の推進操作など
によって、ワイヤ式切断機そのものをアダプタごと切断
対象箇所から自在に遠ざければ、自走ユニット8を軌道
6上の始端6aから終端6bに向かって走行させながら
切断する操作を再開することができる。そして、切断対
象箇所の寸法が大きい場合には、上記の「自走ユニット
8を軌道上の始端6aから終端6bに向かって走行させ
ながら切断し、自走ユニット8が軌道上の終端6bに到
達した時には、土木建築用作業機の揺動アームその他の
操作等によってワイヤ式切断機を切断対象箇所から自在
に遠ざけ、自走ユニット8を軌道6上の始端6aから終
端6bに向かって走行させながら切断する操作を再開す
る」という一連の操作を多数回にわたって(必要に応じ
て何度でも)繰り返せば良い。その結果、切断対象箇所
の寸法と無関係に、切断作業の途中でワイヤソーの長さ
を短縮化する煩雑な作業を交えることなく、ワイヤソー
の張力を維持しながら効果的な切断を完了することがで
き、しかも、高価なワイヤソー断片を廃却せずに済むと
いう効果が得られる。
【0008】また、上記の特徴構成を備えている本発明
の請求項1によるワイヤ式切断機用アダプタに設けられ
た装着部は、前記駆動輪を含むワイヤ式切断機本体が前
記装着部から揺動アーム側に延びる第1装着姿勢と、ワ
イヤソーの前記切断対象箇所に巻回される部分が装着部
から揺動アーム側に延びる第2装着姿勢との間で選択的
に装着可能に構成されている。したがって、図6と図7
に例示されるように、切断対象箇所T3が、ワイヤ式切
断機2を装着した土木建築用作業機50の足下に位置す
る場合には、駆動輪20を含むワイヤ式切断機本体2a
(ワイヤ式切断機2からワイヤソー24を除いたもの)
が装着部32から揺動アーム54側に延びる第1装着姿
勢でワイヤ式切断機2を装着して、切断の進行に伴って
ワイヤ式切断機本体2aを停止中の土木建築用作業機5
0の前方側(図中の矢印が示す方向)に次第に遠ざけ
る、または、土木建築用作業機50自体を次第に前進さ
せる作業方法を取れば良く、また、図8に例示されるよ
うに、切断対象箇所T4が高所に位置する場合にも、ワ
イヤ式切断機本体2aが装着部32から揺動アーム54
側に延びる第1装着姿勢で装着して、但し、切断の進行
に伴ってワイヤ式切断機本体2aを停止中の土木建築用
作業機50側(図中の矢印が示す方向)に次第に戻す、
または、土木建築用作業機50自体を切断対象箇所T4
から次第に遠ざける作業方法を取れば良い。一方、図9
と図10に例示されるように、切断対象箇所T5やT6
が、ワイヤ式切断機2を装着した土木建築用作業機50
の置かれたグランドより大きく下がったレベルで且つ前
方に位置する場合には、ワイヤソー24の前記切断対象
箇所T5,T6に巻回される部分24fが装着部32か
ら揺動アーム54側に延びる第2装着姿勢で装着して、
ワイヤソー24による切断作業の進行に伴ってワイヤ式
切断機本体2aを停止中の土木建築用作業機50側(図
中の矢印が示す方向)に次第に引き寄せる、または、土
木建築用作業機50自体を切断対象箇所T5やT6から
次第に遠ざける作業方法を取れば良い。言い換えれば、
切断対象箇所と土木建築用作業機との位置関係に応じ
て、ワイヤ式切断機本体を装着部のいずれの側にも装着
可能であるために、結果的に、上に例示したような切断
対象箇所と土木建築用作業機との間に想定される種々の
位置関係において、切断作業を円滑に実施することがで
きるという効果が得られた。
【0009】また、上記目的を達成するために、本発明
の請求項2によるワイヤ式切断機用アダプタは、回転可
能に支持された駆動輪と、切断対象箇所と前記駆動輪と
に巻回された無端状のワイヤソーを、前記駆動輪の回転
運動を介して回転駆動するための第1モータ手段と、切
断の進行に基づいて生じる前記ワイヤソーの緩みを除去
する張力維持手段とを有するワイヤ式切断機と協働して
用いられ、土木建築用作業機の揺動アームの遊端に装着
するための被装着部と、前記ワイヤソーを前記切断対象
箇所と前記駆動輪の間で支持することによって、前記ワ
イヤソーの延びる方向を前記切断対象箇所と前記ワイヤ
式切断機の本体の間で変更可能な転換手段とが設けられ
ていることを特徴構成としている。
【0010】このような特徴構成を備えている本発明の
請求項2によるワイヤ式切断機用アダプタを用いれば、
ワイヤソーの延びる方向を切断対象箇所とワイヤ式切断
機の本体の間で変更する転換手段を、このワイヤ式切断
機用アダプタを介して土木建築用作業機の揺動アームの
遊端に装着することが可能となり、さらに、土木建築用
作業機のブームおよび揺動アームの揺動操作や土木建築
用作業機自体の推進操作によって、揺動アームに装着さ
れた前記転換手段を、切断対象箇所に面する状態に配置
することが、(たとえこの切断箇所が非常に高所、また
は、水面下であっても)容易にできるようになる。そし
て、上記の、転換手段が切断箇所に面した状態(これ
は、アダプタまたは転換手段が切断対象箇所に押し付け
られた状態でも、或いは、アダプタまたは転換手段が切
断対象箇所から離れた宙吊り状態でも良い)で揺動アー
ムを固定しておけば、あたかも転換手段が切断対象箇所
に固定されたような状態が現出され、この揺動アームを
固定した状態でワイヤソーを回転駆動して切断を実施す
ることができる。その結果、前記転換手段を、予め切断
対象箇所に穿孔して植え込まれたボルト等を用いて切断
対象箇所に固定しておく等の煩雑な作業を行うことな
く、また、図12に例示されるように、ワイヤ式切断機
用アダプタを長尺の部材130(H鋼製など)とし、こ
の長尺のワイヤ式切断機用アダプタ130の一端に前記
被装着部133を設け、他端に転換手段150を設けさ
えすれば、この煩雑な作業を強いられる場所が水面下の
切断対象箇所T8であっても(或いは、切断対象箇所が
作業員にとって近付き難い高所であっても)、転換手段
150をこれらの近づき難い場所に自在に配置すること
ができて、対象物の切断が容易に実施できるという効果
が得られる(高所における装置や機具の落下危険性が解
消するというメリットや、水面下の場合に専門の潜水夫
の要請が不要となるというメリットは特に大きい)。
【0011】尚、前述の本発明の請求項2によるワイヤ
式切断機用アダプタにおいて更に、前記被装着部が形成
された基端部と、前記転換手段の設けられた先端部とを
有し、且つ、前記基端部と前記先端部の間には、前記基
端部に対する前記先端部の角度を前記基端部から前記先
端部に向かって延びる軸芯回りで変更する角度調節手段
が設けられている構成とすれば猶良い。このような構成
にすれば、ワイヤ式切断機用アダプタを装着した土木建
築用作業機を切断対象箇所の正面に配置することが困難
で、土木建築用作業機を切断対象箇所とワイヤ式切断機
本体とを結ぶ線上から横に逸脱した位置に配置せざるを
得ない状況でも、ワイヤソーの適切な箇所をワイヤ式切
断機用アダプタ上の転換手段を介して支持して本来の円
滑な切断作業を実施することができる。
【0012】また、上記目的を達成するために、本発明
の請求項4による切断工法は、請求項1に記載のワイヤ
式切断機を、請求項1に記載のワイヤ式切断機用アダプ
タを介して土木建築用作業機の揺動アームの遊端に装着
した状態で用いた切断工法であって、前記張力維持手段
は、ワイヤ式切断機用アダプタに固定可能なベース部材
から立設された支持ポールと、前記支持ポール上に摺動
可能に支持された前記駆動輪と、前記駆動輪を前記支持
ポール上の第1端と第2端の間で摺動操作するための第
2モータ手段とからなり、以下の各工程を備えることを
特徴構成としている、〈1〉前記土木建築用作業機およ
びその揺動アームの操作により、前記ワイヤ式切断機の
本体が切断対象箇所と対向するように前記揺動アームの
前記遊端を配置する、〈2〉前記ワイヤソーを、前記支
持ポールの前記第1端付近に位置させた前記駆動輪と切
断対象箇所とに巻回する、〈3〉前記駆動輪の回転を介
した前記ワイヤソーの周回運動によって切断対象箇所を
切断しつつ、前記切断の進行に応じて前記ワイヤソーに
生じる緩みを、前記第2モータ手段の正転によって前記
駆動輪を前記支持ポールの前記第1端から前記第2端に
向けて摺動操作することで除く、〈4〉前記摺動操作に
よって前記駆動輪が前記支持ポールの前記第2端に近づ
いた時点で、前記駆動輪を前記支持ポールの第1端向き
に復帰させ、前記土木建築用作業機の操作により、前記
ワイヤソーに所定の張力が生じるように前記揺動アーム
の前記遊端を移動する、〈5〉必要に応じて、所定の切
断操作が完了するまで前記〈3〉および〈4〉の各工程
を繰り返す。
【0013】このような構成を備えているために、本発
明の請求項4による切断工法を用いて切断を行えば、請
求項1に引用されているワイヤ式切断機を切断対象箇所
に予め切断対象物に形成しておいたネジ孔とボルト手段
などで固定するという煩雑な準備作業の必要がなくなる
上に、第〈3〉工程に沿って切断を進めた結果、摺動操
作によって駆動輪が支持ポールの第2端に近づいて最早
ワイヤソーに生じる緩みを除くことができなくなって
も、第〈4〉工程として、駆動輪を支持ポールの第1端
向きに復帰させ、土木建築用作業機の操作により、ワイ
ヤソーに再び所定の張力が生じるように揺動アームの遊
端を移動することができる。そして、切断対象箇所の寸
法が大きい場合には、第〈3〉工程と第〈4〉工程から
なる一連の操作を多数回にわたって(必要に応じて何度
でも)繰り返せば良い。その結果、切断作業が準備作業
の軽減された簡単なものになり、また、切断対象箇所の
寸法と無関係に、切断作業の途中でワイヤソーの長さを
短縮化する煩雑な作業を交えることなく(基本的に一度
もワイヤソーを切断によって短縮化することなく対象物
の切断が完了する)、ワイヤソーの張力を維持しながら
効果的な切断を完了することができ、しかも、高価なワ
イヤソー断片を廃却せずに済むという効果が得られる。
【0014】ここで、請求項4に記載の切断工法におけ
る第〈4〉工程としては、〈4−1〉正転中の前記第2
モータ手段を一旦停止して次に逆転させることによっ
て、前記駆動輪を前記支持ポールの第1端向きに復帰さ
せ、〈4−2〉前記土木建築用作業機の操作による前記
揺動アームの前記遊端の移動操作に基づいて、前記ワイ
ヤソーに所定量の張力が得られるように前記駆動輪を切
断対象箇所から所定距離だけ離間させる。という各小工
程を備えている構成とすれば良い。
【0015】或いは、請求項4に記載の切断工法におけ
る第〈4〉工程としては、 〈4−1〉前記第2モータ
を停止、または前記正転させたまま、前記土木建築用作
業機の操作によって、前記揺動アームの前記遊端を切断
対象箇所から所定距離だけ離間させ、これによって、前
記駆動輪を前記第2モータの制動力に抗して前記支持ポ
ールの第1端向きに強制的に復帰させる。という小工程
を備えている構成とすれば良い。このような構成とすれ
ば、前記駆動輪を支持ポールの第1端向きに復帰させる
操作を、第2モータの逆転操作によらずに実施すること
ができるので、結果的に、第〈4〉工程を土木建築用作
業機の操作室からの揺動アームの操作によって迅速に実
施することができるという効果が得られる。
【0016】また、駆動輪は前記支持ポール上を摺動可
能な自走ユニットに支持されており、前記支持ポールと
前記自走ユニットの間には、前記自走ユニットの前記第
1端および第2端に対する近接を検知するリミット位置
検知機構が設けられた構成としておき、請求項4、5ま
たは6に記載の切断工法の第〈4〉工程では、前記駆動
輪が前記支持ポールの前記第2端に近づいたことを示す
前記リミット位置検知機構からの信号に基づいて、前記
駆動輪の前記第1端向きの摺動操作が開始され、前記駆
動輪が前記支持ポールの前記第1端に近づいたことを示
す前記リミット位置検知機構からの信号に基づいて、前
記駆動輪の前記第1端向きの摺動操作が停止される構成
とすることができる。このような構成にすれば、前記駆
動輪が前記支持ポールの第1および第2端に近づいたこ
とを示す信号がリミット位置検知機構から出されるの
で、この信号を利用して第〈4〉工程の操作の開始時点
と終了時点を判断することができ、結果的に、より円滑
な切断作業を実施することができる。
【0017】また、上記目的を達成するために、本発明
の請求項8による切断工法は、請求項2または3に記載
のワイヤ式切断機用アダプタを用いて実施される切断工
法であって、前記張力維持手段は、ワイヤ式切断機用ア
ダプタとは別体に設けられたワイヤ式切断機本体と、前
記ワイヤ式切断機本体上に摺動可能に支持された前記駆
動輪と、前記駆動輪を前記ワイヤ式切断機本体の第1端
から第2端の間で摺動操作するための第2モータ手段と
からなり、次の各工程を備えることを特徴構成としてい
る、〈1〉前記土木建築用作業機の操作に基づいて前記
揺動アームの前記遊端の位置と姿勢を制御することによ
って、前記ワイヤ式切断機用アダプタの前記転換手段を
切断対象箇所と対向する位置に固定する、〈2〉前記ワ
イヤソーを、前記ワイヤ式切断機本体の前記第1端側に
位置させた前記駆動輪と切断対象箇所とに巻回する、
〈3〉前記駆動輪の回転を介した前記ワイヤソーの周回
運動によって切断対象箇所を切断しつつ、前記切断の進
行に応じて前記ワイヤソーに生じる緩みを、前記第2モ
ータ手段の正転によって前記駆動輪を前記ワイヤ式切断
機本体の前記第1端から前記第2端に向けて摺動操作す
ることで除く、〈4〉前記摺動操作によって前記駆動輪
が前記ワイヤ式切断機本体の前記第2端に近づいた時点
で、前記駆動輪を前記ワイヤ式切断機本体の前記第1端
向きに復帰させ、同時に、前記ワイヤソーに所定の張力
が生じるように、前記ワイヤ式切断機本体を移動操作す
る、〈5〉必要に応じて、所定の切断操作が完了するま
で前記〈3〉および〈4〉の各工程を繰り返す。
【0018】このような構成を備えているために、本発
明の請求項8による切断工法を用いて切断を行えば、切
断対象箇所と請求項2に引用されたワイヤ式切断機の駆
動輪との間に大きなレベル差が存在するために、ワイヤ
ソーの延びる方向を切断対象箇所と駆動輪の間で変更可
能な転換手段が必要な場合でも、この転換手段を切断対
象箇所に予め切断対象物に形成しておいたネジ孔とボル
ト手段などで固定するという煩雑な準備作業が必要がな
くなる上に、第〈3〉工程に沿って切断を進めた結果、
摺動操作によって駆動輪がワイヤ式切断装置本体の第2
端に近づいて最早ワイヤソーに生じる緩みを除くことが
できなくなっても、第〈4〉工程として、駆動輪をワイ
ヤ式切断装置本体の第1端向きに復帰させ、ワイヤソー
に再び所定の張力が生じるようにワイヤ式切断装置本体
を移動することができる。そして、切断対象箇所の寸法
が大きい場合には、第〈3〉工程と第〈4〉工程からな
る一連の操作を多数回にわたって(必要に応じて何度で
も)繰り返せば良い。その結果、切断作業が準備作業の
軽減された簡単なものになり、また、切断対象箇所の寸
法と無関係に、切断作業の途中でワイヤソーの長さを短
縮化する煩雑な作業を交えることなく(基本的に一度も
ワイヤソーを切断によって短尺化することなく対象物の
切断が完了する)、ワイヤソーの張力を維持しながら効
果的な切断を完了することができ、しかも、高価なワイ
ヤソー断片を廃却せずに済むという効果が得られる。
【0019】本発明によるその他の特徴および利点は、
以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるで
あろう。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の幾つかの例に
ついて図面に基づいて解説する。 〔第1実施形態〕図1と2は、ワイヤ式切断機の一例と
土木建築用作業機の揺動アームの遊端部分の一例、およ
び、このワイヤ式切断機2を土木建築用作業機50の揺
動アーム54の遊端に連結するために用いられる本発明
によるワイヤ式切断機用アダプタ30を示す。このワイ
ヤ式切断機用アダプタ30を用いて、ワイヤ式切断機ワ
イヤ式切断機2を図3に二点鎖線で例示したバックホウ
(土木建築用作業機の一例)の揺動アーム54の遊端に
一旦装着すれば、バックホウの操作室からの操作で、ワ
イヤ式切断機2の位置や姿勢を自在に操作することが可
能となる。
【0021】(ワイヤ式切断機の構造)ワイヤ式切断機
2は、無端状のワイヤソー24(図18に一例が示され
ている)と、ワイヤソー24を周回運動させるための駆
動輪20とを有する。ワイヤソー24は、金属ワイヤの
周囲をゴム製の層で被覆し、更にそのゴム層の周囲に一
定間隔でビーズ状のダイヤモンド粒子からなる層を設け
たものであり、使用時には必要な長さをロール体からダ
イヤモンド層以外の部分で切り取って、切り取りによっ
て生じた端部の芯線(ワイヤ部)どうしに金属製のスリ
ーブを被せてこれを専用のかしめ具で“かしめ”て無端
状に連結して用いる(図18−ロに“かしめ”作業の一
例が示されている)。一方、駆動輪20の外周には、ワ
イヤソー24を受け入れるための環状溝20aが形成さ
れており、環状溝20aの全周にはワイヤソー24との
摩擦係数を高め、および、駆動輪20自身が前記ダイヤ
モンド粒子によって磨耗することを抑制するための、ゴ
ム製のライニングが取り付けられている。ワイヤ式切断
機2は更に、ベース部材4と、ベース部材4の一端から
垂直に立設された支持ポール6を備えている。ベース部
材4は金属製などの剛体で、中央には固定用の貫通孔4
cが垂直に形成されている。支持ポール6は鋼製で、正
方形または矩形の断面形状を持っており、その一側面に
は図3と図4に示すように支持ポール6の長手方向に沿
って延びたラックギヤ6aが設けられている。さらに、
支持ポール6上には駆動輪20を回転可能に支持する自
走ユニット8が、摺動可能に外嵌保持されており、この
自走ユニット8は、駆動輪20を回転駆動させるための
油圧モータ10(第1モータ手段の一例)を含んでい
る。
【0022】また、支持ポール6の基端部付近からは、
やはり鋼製の水平ロッド16が延びており、水平ロッド
16には四個の補助プーリ18(18a,18b,18
c,18d)が各々着脱および位置変更可能に取り付け
られており、ワイヤソー24を、駆動輪20と補助プー
リ18の双方にわたって巻回することができる。図4に
最も良く示されるように、水平ロッド16は、支持ポー
ル6に対して着脱、および位置を水平方向で変更可能な
ように、ボルト16aの締め付けなどによって取り付け
られている。ワイヤ式切断機2には、駆動輪20とワイ
ヤソー24の間、および、切断対象箇所とワイヤソー2
4の間に必要な摩擦力を得るために、ワイヤソーに掛か
る張力を所定値以上にするための張力調節機構が設けら
れている。この張力調節機構は、第1張力調節機構と第
2張力調節機構からなる。第1張力調節機構は、駆動輪
20または自走ユニット8からベース部材4までの間隔
を変更するための位置変更手段であり、具体的には、図
1、図2および図4に示されるように、自走ユニット8
自身を支持ポール6上の第1端6bと第2端6cの間で
摺動駆動させるために自走ユニット8内に設けられてい
る電動モータ12(第2モータ手段の一例)からなり、
電動モータ12の回転運動を確実に自走ユニット8の摺
動運動に変換するために、電動モータ12の回転軸に設
けられたピニオン12aは支持ポール6上のラックギヤ
6aと噛合している(図4を参照)。一方、第2張力調
節機構は選択的に使用可能な前述の補助プーリ18(1
8a,18b,18c,18d)からなり、ワイヤソー
24の余分な部分をこれらの補助プーリ18の全て或い
は一部に巻回することによって張力の調整に役立つと同
時に、ワイヤ式切断機2からのワイヤソー24の出口と
入口の間に切断対象箇所の寸法に適した間隔を設けるこ
とができる。
【0023】尚、自走ユニット8内の油圧モータ10を
駆動するための油圧は、土木建築用作業機50に設けら
れたサービス油路50sから供給、電動モータ12を駆
動するための100ボルトの電源は土木建築用作業機5
0外から得る構成になっている。一方、油圧モータ10
の駆動のオンオフ、および、電動モータ12の駆動のオ
ンオフ並びに回転方向の切り替えは、土木建築用作業機
50の操作室に設置した操作盤50bに設けられた各ス
イッチで遠隔操作することができる。これらのスイッチ
の中には、ワイヤソー24に掛る張力を設定するための
ボリュームスイッチが含まれている(ボリュームスイッ
チによる設定張力が大きいほど、切断作業能率は高まる
が、ワイヤソー24が切れる率も高まるので、切断対象
箇所の硬度、寸法、および、ワイヤソー24のダイヤモ
ンド層の状態などに合わせて適宜調整すれば良い)。
【0024】(揺動アーム等の構造)図3に示されるよ
うに、バックホウ50の旋回台50Tからは、上下方向
に揺動可能なブーム52が延びており、ブーム52の先
端には揺動アーム54がブーム52に対して上下方向に
揺動可能に枢支されている。揺動アーム54は、揺動ア
ーム本体56と、揺動アーム本体56の所定箇所に上下
方向に揺動可能に取り付けられたバケットシリンダ58
で構成されている。図1と図2に示されるように、揺動
アーム本体56の遊端には、水平に延びた二つの貫通孔
56a,56bが、互いに揺動アームの長手方向に離間
した状態で形成されている。また、バケットシリンダ5
8から突出した、油圧操作で伸縮操作可能なピストン5
8aの遊端にも、水平に延びた一つの貫通孔58bが形
成されている。揺動アーム本体56の基端側の貫通孔5
6aには、一対の第1バケットリンク60,60の一端
が一本のピンを介して枢支されており、ピストン58a
の遊端に設けられた貫通孔58bには、第1バケットリ
ンク60の他端と、別の一対の第2バケットリンク6
2,62の一端とが一本のピンで同時に枢支されてい
る。
【0025】(アダプタの構造)一方、アダプタ30
は、概して平板状で鋼製の主プレート32と、主プレー
ト32の第1面32Gに立設された二枚のやはり鋼製の
補助プレート34a,34bとを備えている。主プレー
ト32の複数箇所には、ベース部材4をボルトナット手
段4aで締結するための第1取付孔32a、第2取付孔
32b、および第3取付孔32c(いずれも装着部の一
例)が形成されている。また、各補助プレート34a,
34bには、アダプタ30をバックホウの揺動アーム5
4に連結するための第1貫通孔36,36(被装着部の
一例)と第2貫通孔38,38(同様に被装着部の一
例)が互いに離間した状態で補助プレート34a,34
bに形成されている。
【0026】ワイヤ式切断機2は、主プレート32の表
面(第1面32G)と裏面(第2面32H)のいずれか
に選択的に設置可能となっている。言い換えれば、前記
装着部としての第1〜第3取付孔32a,32b,32
cは、駆動輪20を含むワイヤ式切断機本体が第1面3
2G側に固定され、結果として、装着部から揺動アーム
54側に延びる第1装着姿勢(図1、2、3、6、7、
8および11の状態)と、駆動輪20を含むワイヤ式切
断機本体が第2面32Hに固定され、結果として、ワイ
ヤソー24の切断対象箇所に巻回される部分24fが装
着部から揺動アーム54側に延びる第2装着姿勢(図9
や図10に示された状態)との間で選択的に装着可能に
構成されている。すなわち、図6と図7に例示されるよ
うに、切断対象箇所T3が、ワイヤ式切断機2を装着し
た土木建築用作業機50の足下に位置する場合には、前
記第1装着姿勢でワイヤ式切断機2を装着して、切断の
進行に伴ってワイヤ式切断機本体2aを停止中の土木建
築用作業機50の前方側(図中の矢印が示す方向)に次
第に遠ざける、または、土木建築用作業機50自体を次
第に前進させる作業方法を取れば良い。一方、図9と図
10に例示されるように、切断対象箇所T5,T6が、
ワイヤ式切断機2を装着した土木建築用作業機50の置
かれたグランドより大きく下がったレベルで且つ前方に
位置する場合には、前記第2装着姿勢で装着して、切断
の進行に伴ってワイヤ式切断機本体2aを停止中の土木
建築用作業機50側(図中の矢印が示す方向)に次第に
引き寄せる、または、土木建築用作業機50自体を切断
対象箇所T5,T6から次第に遠ざける作業方法を取れ
ば良い。
【0027】さらに、アダプタ30には、支持ポール6
の主プレート32に対する角度を設定変更可能な角度調
節手段が設けられている。角度調節手段は具体的には、
図4と5に最も良く示されるように、ベース部材4の四
隅に設けられたボルト4b,4b,..で実現されてい
る。すなわち、図5−イまたは図5−ロに示されるよう
に、ボルト4b,4b,..の幾つかをベース部材4か
ら下に突出させておいて、ボルトナット手段4aで締結
することによって、支持ポール6が主プレート32に対
して垂直ではなく、適宜傾斜した状態で連結することが
できる。この角度調節手段を用いれば、特に切断によっ
て切断対象箇所に形成される切断面の角度について厳密
な指定があった場合でも自在に対応することができる。
図7に二点鎖線で示された支持ポール6は、切断対象箇
所T3を正確に水平に切断するために、(実線が示すよ
うに、揺動アーム54によるアダプタ30の揺動操作だ
けでは支持ポール6を水平姿勢に設定できない場合に)
角度調節手段を用いて支持ポール6をアダプタ30に対
して図5−イに示されたのと同じ向きに傾斜させられて
いる。
【0028】(ワイヤ式切断機と揺動アームの連結工
程)図1と図2に例示するように、バックホウの揺動ア
ーム54にワイヤ式切断機2を装着する際には、次の工
程に従えば良い。 〈1〉アダプタ30の主プレート32の取付孔32a,
32b,32cの一つとベース部材4の貫通孔4cを合
わせ、ここにボルトナット手段4aを挿通して両者を締
結する。 〈2〉アダプタ30の第1貫通孔36,36に揺動アー
ム本体56の先端側の貫通孔56bをピンで連結し、 〈3〉アダプタ30の第2貫通孔38,38に第2バケ
ットリンク62,62の他端をピンで連結する。
【0029】図6と図7(実線)の状況を例を取ると、
切断作業は次の要領で実施すれば良い。 〈1〉土木建築用作業機50および揺動アーム54の操
作により、ワイヤ式切断機本体2aが切断対象箇所T3
と対向するように揺動アーム54の遊端を配置する。 〈2〉1ヶ所で切断したワイヤソー24を、支持ポール
6の第1端6b付近に位置させた駆動輪20と切断対象
箇所T3とに巻回し、ワイヤソー24の端部どうしを
“かしめ”て無端状にする。 〈3〉駆動輪20の回転を介したワイヤソー24の周回
運動によって切断対象箇所T3を切断しつつ、切断の進
行に応じてワイヤソー24に生じる緩みを、図6に示す
ように、自走ユニット8の電動モータ12の正転によっ
て駆動輪20を支持ポール6の第1端6bから第2端6
cに向けて摺動操作することで除く、 〈4〉摺動操作によって駆動輪20が支持ポール6の第
2端6cに近づいた時点で、駆動輪20を支持ポールの
第1端6b向きに復帰させ、次に、図7の矢印Aが示す
ように、土木建築用作業機50の操作により、当初と同
じ長さのワイヤソー24に再び張力が得られるように揺
動アーム54の遊端を移動する(これはブーム52や揺
動アーム54の揺動操作によっても、土木建築用作業機
50自体の推進操作によっても良い)、 〈5〉必要に応じて、所定の切断操作が完了するまで第
〈3〉および第〈4〉の各工程を繰り返す。
【0030】尚、上記の第〈4〉工程における「駆動輪
20を支持ポールの第1端6b向きに復帰させる」操作
は、先ず、電動モータ12の正転を停止し、次に油圧モ
ータ10を停止してワイヤソー24の回転を止めた後
で、電動モータ12を逆転することで実施することがで
きる。しかし、同じ「駆動輪20を支持ポールの第1端
6b向きに復帰させる」操作を、油圧モータ10を停止
してワイヤソー24の回転を止めた後で、電動モータ1
2を停止した状態で、土木建築用作業機50のブーム5
2や揺動アーム54の揺動操作または土木建築用作業機
50自体の推進や後退、或いは、これらの操作の組み合
わせによって、電動モータ12の制動力に抗して強制的
に行っても良い。
【0031】また、図8に例示されるように、切断対象
箇所T4が高所に位置する場合にも、図6や図7と同様
の前記第1装着姿勢でワイヤ式切断機2を装着すれば良
い。但し、切断の進行に伴ってワイヤ式切断機本体2a
を停止中の土木建築用作業機50側(図中の矢印が示す
方向)に次第に戻す、または、土木建築用作業機50自
体を切断対象箇所T4から次第に遠ざける作業方法を取
れば良い。
【0032】ここまで第1装着姿勢について解説した
が、ワイヤソー24の切断対象箇所に巻回される部分が
装着部32から揺動アーム54側に延びる第2装着姿勢
では、図9に示されるように、切断対象箇所T5が、ワ
イヤ式切断機2を装着した土木建築用作業機50の置か
れたグランドより大きく下がったレベルで且つ前方に位
置する場合の切断作業に適している。この場合、切断の
進行に伴って自走ユニット8の走行(支持ポール上での
摺動操作)では張力を維持できなくなったら、ブーム5
2や揺動アーム54の揺動操作によってワイヤ式切断機
本体2aを停止中の土木建築用作業機50側(図中の矢
印が示す方向)に次第に引き寄せる、または、土木建築
用作業機50自体を後退させて切断対象箇所T5から次
第に遠ざける作業方法を取れば良い。
【0033】以上、図1、2、3、6、7、8および9
では、アダプタ30の装着部の第1取付孔32aを利用
した第1あるいは第2装着姿勢で取り付けられている
が、他に第2取付孔32b、或いは、第2取付孔32c
を用いれば、ワイヤソー24の形成する面が、ブーム5
2と揺動アーム54が協働して形成する面に対してなす
角度を変更することができるので、切断対象物の形状や
切断対象箇所の種々の状況において切断作業が実施可能
となる(下記の例では約90°ずつの単位で角度が変更
されているが、これに限らない)。
【0034】例えば、第2取付孔32bを利用して取り
付ければ、ワイヤソー24の形成する面が、ブーム52
と揺動アーム54とが協働して形成する垂直な面に沿っ
た状態になるので、図10に示されるように、水平方向
等に延びた切断対象物T6を垂直な切断面で切断するこ
とが可能となる。
【0035】ここまで例示したような、地上に埋め込ま
れた構造物など安定した切断対象物ではなく、図11に
例示されたような、姿勢の不安定な切断対象物T7(例
えば、別の作業によって建造物から切断分離されて地上
に載置された鉄筋コンクリートブロックなど)を切断す
る場合には、回転中のワイヤソー24が切断対象物の断
面に対して有する摩擦係数が時々刻々変化することなど
に起因して、切断対象物T7およびワイヤソー24が振
動して切断が円滑に進行しないという問題が生じる場合
がある。しかし、図11−イに示すように、アダプタ3
0に形成された接当面32H(ワイヤ式切断機2が第1
面32Gに取り付けられている場合には第2面32Hが
接当面となり、ワイヤ式切断機2が第2面32Hに取り
付けられている場合には第1面32Gが接当面となる)
を切断対象物T7に接当させた状態で切断すれば、自走
ユニット8の張力維持機能に基づいてワイヤソー24が
アダプタ30の接当面32Hを介して、切断対象物T7
をワイヤ式切断機に押し付けた状態を保持させることが
できるので、その結果、切断対象物T7の振動が抑制さ
れた安定した状態が得られ、円滑な切断が実施できる。
【0036】ここで、図11−イに実線で示した駆動輪
20が支持ポールの第1端6bに位置した状態から、自
走ユニット8の走行によって張力を維持させながら切断
を開始し、切断が進行して、図11−イに二点鎖線で示
されたように、ワイヤソー24が切断対象物T7の内部
まで食い込み、駆動輪20が支持ポールの第2端6cに
到達してしまうと、自走ユニット8の張力維持機能は失
われ、切断作業を継続できなくなる。したがって、次の
手順による操作で、自走ユニット8に張力維持機能を回
復させる必要が有る。このような状況では、従来は図1
8−イに例示するように、ワイヤソー24の適当な2ヶ
所24a,24aをワイヤソーカッター200で切断し
て、ワイヤソー24の一部24xを廃棄し、図18−ロ
に示すように、残りのワイヤソー24yの両端24a,
24aに金属製のスリーブを被せてこれをワイヤソーか
しめ器210で“かしめ”操作することによってワイヤ
ソー24の長さを短縮化することによって、自走ユニッ
ト8が再び張力維持機能を発揮できるようにしていた。
【0037】しかし、ここでは、図11−ロに示すよう
に、自走ユニット8の張力維持機能が失われた時点で、
切断対象物T7とアダプタ30の接当面32Hの間にス
ペーサーMを挟み込むことで、自走ユニット8が再び張
力維持機能を回復させる手法を取る。これによって、接
当面32Hを用いた安定した切断作業を継続しながら、
しかも、ワイヤソー24の切断操作、“かしめ”操作と
いう煩雑な操作から作業が解放され、また、ワイヤソー
24の一部を廃棄せずに済むようになる。尚、スペーサ
ーMの上面と下面には、おのおの切断対象物およびアダ
プタ30の接当面32Hに対する滑り止め手段を適宜設
ければ、更に安定した切断作業が実施可能となる。ま
た、図11−ハに例示するように、上下面の間隔を変更
可能な手段としてのジャッキJをスペーサーMと併用す
れば、切断対象箇所の形状やサイズの種々のパターンに
対して予め用意しておく、互いに高さ寸法の異なるスペ
ーサーMの種類が比較的少なくて済む。
【0038】〔第2実施形態〕図12は、地上に静止状
態で載置されたワイヤ式切断機の一例と土木建築用作業
機の揺動アームの遊端部分の一例、および、土木建築用
作業機50の揺動アーム54の遊端に装着可能な本発明
によるワイヤ式切断機用アダプタ130を示す。このワ
イヤ式切断機用アダプタ130には、ワイヤソー24の
延びる方向を切断対象箇所T8とワイヤ式切断機の間で
変更する転換手段150とが設けられているので、ワイ
ヤ式切断機用アダプタ130をバックホウ(土木建築用
作業機の一例)の揺動アーム54の遊端に一旦装着すれ
ば、バックホウの操作室からの操作で転換手段150の
位置や姿勢を自在に操作することが可能となる。
【0039】(ワイヤ式切断機の構造)図12に示され
るワイヤ式切断機102は、地上(ここでは具体的には
作業用のスパッド台船N)に載置される静止型(但し、
移動は適宜に行うことができる)のものであり、この例
における切断対象箇所T8は、このワイヤ式切断機10
2に対して大きく(数メートルなど)レベルの下がった
位置(ここでは具体的には切断対象物は、港湾に設置さ
れた埠頭を海底から支えている鋼管杭である)にある。
したがって、この切断対象箇所T8を地上のワイヤ式切
断機102のワイヤソー24で水平に切断するために
は、ワイヤソー24の延びる方向を切断対象箇所T8と
ワイヤ式切断機102の間で変更することが必要にな
る。
【0040】ワイヤ式切断機102は、フレーム状のワ
イヤ式切断機本体104、ワイヤ式切断機本体104の
一部を構成する水平で長尺の支持ロッド106、およ
び、支持ロッド106上を往復走行可能な自走ユニット
108を有する。自走ユニット108には、駆動輪12
0が回転自在に支持されている。また、自走ユニット1
08には、駆動輪120を回転駆動させる油圧モータ1
10と、自走ユニット108自体を支持ロッド106上
で走行させるための電動モータ112とが搭載されてい
る。支持ロッド106上にはその長手方向に沿って直線
状のラックギヤ(図示されず)が設けられており、電動
モータ112によって回転駆動されるピニオンギヤ(図
示されず)は、このラックギヤと噛み合っている。電動
モータ112の正転に基づいて支持ロッド106上を直
線的に走行する自走ユニット108が、駆動輪120と
ワイヤソー24の間、および、切断対象箇所とワイヤソ
ー24の間に必要な摩擦力を得るための張力調節機構を
構成している。すなわち、自走ユニット108を支持ロ
ッド106上の第1端部106aから第2端部106b
に向かって次第に移動させながら駆動輪120を回転駆
動させることで、ワイヤソー24に一定の張力を維持さ
せながら切断を進めることができる。土木建築用作業機
50の揺動アーム54の構造は第1実施形態と同様であ
り、駆動輪120の構造、および、張力調節機構も本質
的に第1実施形態と同様である。
【0041】切断対象物が大きいために、切断対象箇所
T8の切断が完了する前に、図12に二点鎖線で示した
ように、自走ユニット108が支持ロッド106上の第
2端部106bに到達してしまったら、先ず、自走ユニ
ット108を支持ロッド106上の第1端部106aに
戻し、次に、図12に示すように、ワイヤソー24に所
定の張力が生じるまで、ワイヤ式切断機本体104を切
断対象箇所T8から遠ざけ、再び、自走ユニット108
を第1端部106aから第2端部106bに向かって移
動させながら駆動輪120を回転駆動させる切断工程を
再開すれば良い。尚、上記のようにワイヤ式切断機本体
104を移動する際も、ワイヤ式切断機用アダプタ13
0、および、転換手段150の位置ならびに姿勢は基本
的に(すなわち、水平な切断面で良い場合)固定したま
まで良い。
【0042】ワイヤ式切断機用アダプタ130は、図1
2に示された姿勢において上下に延びた長尺のH型鋼製
の本体131と、この本体131の下端から水平に延び
た補助材132とを備えている。本体131の上端に
は、土木建築用作業機50の揺動アーム54の遊端に装
着するための被装着部133が形成されており、一対の
転換手段150,150が、下端側の補助材132の左
右両端付近に設けられている。具体的には、各転換手段
150は、垂直な回転軸芯回りで回転可能な第1プーリ
152a,152bと、水平な回転軸芯回りで回転可能
な第2プーリ154a,154bからなる(第1プーリ
と第2プーリの軸芯どうしは互いに交差している)。ワ
イヤ式切断機102の駆動輪120と切断対象箇所T8
の間に巻回されたワイヤソー24は、駆動輪120を発
して、先ず、ワイヤ式切断機102の前端部左側に設け
られた補助プーリ118a(水平な回転軸芯を持つ)の
周面の一部を通過して、土木建築用作業機50の操作室
から見て左側の第2プーリ154a、次に第1プーリ1
52aの順に進行し、引き続き切断対象箇所T8上を切
断しながら通過して、今度は右側の第1プーリ152
b、次に第2プーリ154bを通り、さらに、ワイヤ式
切断機102の右側の補助プーリ118bの周面の一部
を介して、最後に駆動輪120に戻るという経路を連続
的に循環する。すなわち、転換手段150,150を構
成する第1プーリ152a,152bと第2プーリ15
4a,154bは、ワイヤソー24を移動自在に支持す
ることによって、ワイヤソー24の延びる方向を切断対
象箇所T8とワイヤ式切断機本体104(具体的には補
助プーリ118a,118b)の間でスムースに変更す
ることができる。
【0043】尚、ワイヤ式切断機用アダプタ130の下
端付近には、必要に応じて切断対象箇所に押し付け可能
な接当部140が設けられているので、切断対象物が不
安定で切断時にワイヤソー24との摩擦によって振動を
起こし易い場合には、第1実施形態で記載したのと類似
の要領で、ワイヤ式切断機用アダプタ130を接当部1
40を介して切断対象箇所に押し付けられた状態を維持
しながら切断を行えば、前述の振動が抑制されて円滑な
切断作業を実施することができる。
【0044】さらに、図13に最も良く示されるよう
に、長尺のH型鋼製の本体131は、被装着部133が
形成された上部材131aと、転換手段150,150
を含む補助材132が形成された下部材131bとで構
成されており、これらの上部材131aと下部材131
bとは、互いに長手方向に沿った軸芯回りでの回転角度
を変更可能に連結されている。具体的には、上部材13
1aと下部材131bの双方の対向面には、ボルト手段
による連結を可能にする複数の貫通孔131g,131
hが形成されており、これらの貫通孔は、4つの円弧状
の長孔となっている。したがって、ボルト手段を少し緩
めた状態にし、上部材131aと下部材131bとを前
記軸芯回りで所望量だけ回転操作した上で(ボルト手段
は長孔131gまたは131h内で移動可能なので)、
再びボルト手段を締め付ければ、例えば図14のよう
に、バックホウ50をワイヤ式切断機本体104の背後
などに配置できない場合にも、図12と同様の位置と姿
勢にある転換手段150,150をバックホウ50の揺
動アーム54によって支持できる。図14では、バック
ホウ50が図12とは全く別の位置(平面視でワイヤ式
切断機本体104と切断対象箇所T8を結ぶ線分に対し
て斜めになった位置)に配置されており、このバックホ
ウ50のブーム52および揺動アーム54は、平面視
で、切断対象箇所T8とワイヤ式切断機本体104の間
で延びるワイヤソー24に対して約45°の傾斜した向
きに延びている。尚、上部材131aと下部材131b
の一方側の貫通孔のみを長孔としても良い。
【0045】〔別実施形態〕 <1>第1実施形態における、ワイヤ式切断機の支持ポ
ール6と自走ユニット8の間に、自走ユニット8が支持
ポール6の第1端6bおよび第2端6cに近接したこと
を検知するリミット位置検知機構を設けても良い。図1
5に例示されたリミット位置検知機構は、支持ポール6
の第1端6bと第2端6cに配置された一対のマイクロ
スイッチ6p,6qからなる。そして、リミット位置検
知機構による検知結果が土木作業機の操作室内の表示盤
などに表示される、或いは、ブザーなどでオペレータに
告知する構成にすれば、駆動輪が支持ポールの第1およ
び第2端に近づいたことを示す信号がリミット位置検知
機構を介してオペレータに知らされるので、この信号を
利用して、自走ユニットが第2モータ手段(電動モー
タ)の正転に基づいて第2端に近接した時点、および、
自走ユニットが電動モータの逆転、或いは、揺動アーム
等の操作による強制的な移動に基づいて第1端に近接し
た時点を確実に判断することができ、結果的に、より円
滑な切断作業を実施することができる。
【0046】<2>第1実施形態における、ワイヤ式切
断機の駆動輪の強制的な復帰操作に際して、第2モータ
手段(電動モータ)の逆転に基づいて生じる特有信号を
検知し、前記特有信号の分析に基づいて、前記ワイヤソ
ーに掛る張力が前記ワイヤソーの引っ張り破断強度に到
達しない安全範囲内であることを土木建築用作業機のオ
ペレータに伝える監視手段を設けても良い。このように
構成すれば、揺動アーム等の操作による強制的な移動に
基づいて自走ユニットを第1端に近接させる操作を、オ
ペレータはワイヤソーに掛る張力が前記安全範囲内であ
ることを監視手段によって確認しながら実施可能である
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤ式切断機の分解斜視図
【図2】本発明に係るアダプタを用いて図1のワイヤ式
切断機を揺動アームに取り付けた状態を示す斜視図
【図3】図1のワイヤ式切断機を土木用作業機の揺動ア
ーム全体と共に示す斜視図
【図4】図1のワイヤ式切断機のベース部材と支持ポー
ルの一部を示す一部破断側面図
【図5】図1のワイヤ式切断機の角度調節手段を示す一
部破断側面図
【図6】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの使用状
況を例示する斜視図
【図7】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの使用状
況を例示する側面図
【図8】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの別の使
用状況を例示する側面図
【図9】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの更に別
の使用状況を例示する側面図
【図10】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの他の
使用状況を例示する側面図
【図11】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの更に
別の使用状況を例示する側面図
【図12】図1とは別のワイヤ式切断機および本発明に
係るアダプタの使用状況を例示する側面図
【図13】図12のアダプタの一部を示す斜視図
【図14】図12のワイヤ式切断機および本発明に係る
アダプタの別の使用状況を例示する側面図
【図15】図1のワイヤ式切断機の別実施形態を示す斜
視図
【図16】図1のワイヤ式切断機の従来の使用方法を例
示する斜視図
【図17】図12のワイヤ式切断機の従来の使用方法を
例示する斜視図
【図18】ワイヤソーを短縮化する作業の一例を示す略
【符号の説明】
2,102 ワイヤ式切断機 4 ベース部材 6 支持ポール 8,108 自走ユニット 10 油圧モータ 12 電動モータ 20,120 駆動輪 24 ワイヤソー 30,130 アダプタ 32 主プレート 32a,32b,32c 取付孔(装着部) 32G,32H 接当面 34 補助プレート 36 第1貫通孔(被装着部) 38 第2貫通孔(被装着部) 54 揺動アーム 56 揺動アーム本体 58 バケットシリンダ 60 第1バケットリンク 62 第2バケットリンク 133 被装着部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月20日(1999.12.
20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ワイヤ式切断機用アダプタ
同左を用いた切断工法およびワイヤ式切断機
【特許請求の範囲】
【請求項】 回転可能に支持された駆動輪と、切断対
象箇所と前記駆動輪とに巻回された無端状のワイヤソー
を、前記駆動輪の回転運動を介して回転駆動するための
第1モータ手段と、切断の進行に基づいて生じる前記ワ
イヤソーの緩みを除去する張力維持手段とを有するワイ
ヤ式切断機と協働して用いられ、 土木建築用作業機の揺動アームの遊端に装着するための
被装着部と、前記ワイヤソーを前記切断対象箇所と前記
駆動輪の間で支持することによって、前記ワイヤソーの
延びる方向を前記切断対象箇所と前記ワイヤ式切断機の
本体の間で変更可能な転換手段とが設けられており、さ
らに、前記切断対象箇所に接当させることの可能な接当
部を備えているワイヤ式切断機用アダプタ。
【請求項特許請求の範囲第1項または第2項に記
載のワイヤ式切断機を、土木建築用作業機の前記揺動ア
ームの遊端の一部を構成する揺動アーム本体の先端に特
許請求の範囲第1項または第2項に記載のワイヤ式切断
機用アダプタの前記第1被装着部を介して連結し、前記
バケットシリンダの先端に特許請求の範囲第1項に記載
のワイヤ式切断機用アダプタの前記第2被装着部を介し
て連結した状態で用いた切断工法であって、前記張力維
持手段は、ワイヤ式切断機用アダプタに固定可能なベー
ス部材から立設された支持ポールと、前記支持ポール上
に摺動可能に支持された前記駆動輪と、前記駆動輪を前
記支持ポール上の第1端と第2端の間で摺動操作するた
めの第2モータ手段とからなり、以下の各工程を備えた
切断工法、 〈1〉前記土木建築用作業機およびその揺動アームの操
作により、前記ワイヤ式切断機の本体が切断対象箇所と
対向するように前記揺動アームの前記遊端を配置する、 〈2〉前記ワイヤソーを、前記支持ポールの前記第1端
付近に位置させた前記駆動輪と切断対象箇所とに巻回す
る、 〈3〉前記駆動輪の回転を介した前記ワイヤソーの周回
運動によって切断対象箇所を切断しつつ、前記切断の進
行に応じて前記ワイヤソーに生じる緩みを、前記第2モ
ータ手段の正転によって前記駆動輪を前記支持ポールの
前記第1端から前記第2端に向けて摺動操作することで
除く、 〈4〉前記摺動操作によって前記駆動輪が前記支持ポー
ルの前記第2端に近づいた時点で、前記駆動輪を前記支
持ポールの第1端向きに復帰させ、前記土木建築用作業
機の操作により、前記ワイヤソーに所定の張力が獲得可
能なように前記揺動アームの前記遊端を移動する、 〈5〉必要に応じて、所定の切断操作が完了するまで前
記〈3〉および〈4〉の各工程を繰り返す。
【請求項】 前記第〈4〉工程が以下の工程からなる
特許請求の範囲第5項に記載の切断工法、 〈4−1〉前記第2モータを停止、または前記正転させ
たまま、前記土木建築用作業機の操作によって、前記揺
動アームの前記遊端を切断対象箇所から所定距離だけ離
間させ、これによって、前記駆動輪を前記第2モータの
制動力に抗して前記支持ポールの第1端向きに強制的に
復帰させる。
【請求項特許請求の範囲第3または4項に記載の
ワイヤ式切断機用アダプタを用いて実施され、前記張力
維持手段は、ワイヤ式切断機用アダプタとは別体に設け
られたワイヤ式切断機本体と、前記ワイヤ式切断機本体
上に摺動可能に支持された前記駆動輪と、前記駆動輪を
前記ワイヤ式切断機本体の第1端から第2端の間で摺動
操作するための第2モータ手段とからなり、次の各工程
を備えた切断工法、 〈1〉前記土木建築用作業機の操作に基づいて前記揺動
アームの前記遊端の位置と姿勢を制御することによっ
て、前記ワイヤ式切断機用アダプタの前記転換手段を切
断対象箇所と対向する位置に固定する、 〈2〉前記ワイヤソーを、前記ワイヤ式切断機本体の前
記第1端側に位置させた前記駆動輪と切断対象箇所とに
巻回する、 〈3〉前記駆動輪の回転を介した前記ワイヤソーの周回
運動によって切断対象箇所を切断しつつ、前記切断の進
行に応じて前記ワイヤソーに生じる緩みを、前記第2モ
ータ手段の正転によって前記駆動輪を前記ワイヤ式切断
機本体の前記第1端から前記第2端に向けて摺動操作す
ることで除く、 〈4〉前記摺動操作によって前記駆動輪が前記ワイヤ式
切断機本体の前記第2端に近づいた時点で、前記駆動輪
を前記ワイヤ式切断機本体の前記第1端向きに復帰さ
せ、同時に、前記ワイヤソーに所定の張力を獲得可能な
ように、前記ワイヤ式切断機本体を移動操作する、 〈5〉必要に応じて、所定の切断操作が完了するまで前
記〈3〉および〈4〉の各工程を繰り返す。
【請求項駆動輪と切断対象箇所とに巻回された無
端状のワイヤソーを前記駆動輪の回転運動を介して回転
駆動するための第1モータ手段を備えたワイヤソー機構
と、前記ワイヤソー機構を土木建築用作業機の揺動アー
ムの遊端に装着するためのアダプタとを備え、前記ワイ
ヤソー機構は、前記アダプタに立設された支持ポール
と、前記駆動輪を支持しつつ前記支持ポールに沿って移
動可能な自走ユニットとを含み、前記自走ユニットは、
切断の進行に基づいて生じる前記ワイヤソーの緩みを除
去するために前記自走ユニットを前記支持ポール上の第
2端側から第1端側に摺動移動させるための第2モータ
手段を有するワイヤ式切断機であって、 前記第2モータ手段は電動モータによって構成されてお
り、前記揺動アームによる前記自走ユニットの前記第2
端側への強制的な復帰操作に際して、前記電動モータの
逆転に基づいて前記電動モータから生じる信号を検知
し、前記ワイヤソーに掛る張力が前記ワイヤソーの引っ
張り破断強度に達しない範囲内であることを前記土木建
築用作業機のオペレータに伝える監視手段が設けられて
いるワイヤ式切断機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転可能に支持さ
れた駆動輪と、切断対象箇所と前記駆動輪とに巻回され
た無端状のワイヤソーを、前記駆動輪の回転運動を介し
て回転駆動するためのモータ手段と、切断の進行に基づ
いて生じる前記ワイヤソーの緩みを除去する張力維持手
段とを有するワイヤ式切断機用のアダプタ、同ワイヤ式
切断機を用いた切断工法およびワイヤ式切断機そのもの
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このようなワイヤ式切断機を使用
する際には、図16に例示されるように、ワイヤソー2
4を回転駆動する駆動輪20および張力維持手段12,
18の支持されたベース部材4を、予め切断対象箇所T
1に穿孔して形成したネジ孔とボルト4b等を用いて切
断対象箇所に固定した状態で、乃至は、図17に例示さ
れるように、駆動輪120および張力維持手段112の
支持された切断機本体104を地上などに固定設置して
おき、切断対象箇所T2と切断機本体104との間に大
きなレベル差がある場合(図17では切断対象箇所T2
が海面下に、切断機本体104が海面上高くにある)に
は、ワイヤソー24の延びる方向を切断対象箇所T2と
切断機本体104の間で変更するための転換手段200
(プーリ等からなる)をやはり切断対象箇所T2に予め
穿孔して形成したネジ孔とボルト210等を用いて切断
対象箇所T2に固定した状態で、使用していた。そし
て、上記いずれの事例でも、ワイヤソー24としてダイ
ヤモンドビーズなどの嵌着された無端状のワイヤを用い
ると、モータ手段10,110によって回転操作される
駆動輪20,120を介したワイヤソー24の回転駆動
に基づいて、鉄筋コンクリートなどの高強度の構造物で
も騒音などの抑制された条件で切断することができる。
さらに、対象物を切断する際にワイヤソー24に必要な
張力が切断の進行に基づいて不足する問題に関しては、
張力維持手段12,18、すなわち例えば、駆動輪2
0,120の位置を切断対象箇所から次第に遠ざけるモ
ータ手段12、または、ワイヤソー24の回動経路を引
き伸ばす補助プーリ機構18等によって解決していた
(補助プーリ機構18は着脱可能に設けられていると同
時に、ワイヤソー24の回動経路を調整する目的でワイ
ヤソー24を複数の補助プーリ機構18の一部に選択的
に巻回することもできる)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の切断方法で必須となる事前準備作業、すなわち、
駆動輪および張力維持手段の支持されたベース部材4、
或いは、ワイヤソーの延びる方向を切断対象箇所と駆動
輪の間で変更するための転換手段200を、予め切断対
象箇所に穿孔して形成されたネジ孔とボルト等を用いて
切断対象箇所に固定しておく作業は、非常に煩雑であ
り、特に、図16に示された例のように、切断箇所が高
所に位置したり、図17に示された例のように、水面下
(この場合、専門の潜水夫の要請が必要となる場合が多
い)などに位置する場合には、作業の難度が高く改善の
余地が有った。さらに、ワイヤ式切断機の主な張力維持
手段12は一般的に、図16に例示されるように、直線
状に延びる軌道6と、駆動輪20を回転可能に支持しつ
つ前記軌道6に沿って往復移動する自走ユニット8から
構成されており、切断の進行に応じて、自走ユニット8
が所定長さの前記軌道6上を走行することによって、駆
動輪20を切断対象箇所から少しずつ遠ざける機構が採
用されている。したがって、自走ユニット8が前記軌道
6上の終端6bに到達してしまえば、切断に応じて生じ
るワイヤソー24の緩みを最早除去できなくなるという
事情から、上記の従来の切断方法のうち、ワイヤ式切断
機2の駆動輪20および張力維持手段12の支持された
ベース部材4を、予め切断対象箇所に穿孔して形成され
たネジ孔とボルト4A等を用いて切断対象箇所に固定し
た状態で実施する事例では、自走ユニット8が軌道6上
の終端6bに到達する度に、図18に例示するように、
ワイヤソー24の一部を切り取っては再び“かしめ”等
で連結し直して、ワイヤソー24の全長を短縮すること
によってワイヤソー24に必要な張力を回復していた。
そのために、切断対象箇所の寸法によっては、ワイヤソ
ー24を2ヶ所で分断して再び“かしめる”という煩雑
な作業が度々必要であり、また、上記の切り取りによっ
て発生するワイヤソー断片(周知のようにワイヤソーに
は、切削能を高める目的でビーズ状などのダイヤモンド
が多数用いられているために、断片と言えども高価であ
る)の廃却を余儀なくされることに対しても改善の余地
があった。
【0004】本発明の目的は、上に例示した従来技術に
よるワイヤ式切断機および切断方法の持つ前述した欠点
に鑑み、切断作業前の事前準備作業を軽減することの出
来る装置、および、事前準備作業の軽減された切断工法
を提供することにある。また、本発明の別の目的は、ワ
イヤ式切断機の駆動輪および張力維持手段の支持された
ベース部材を、予め切断対象箇所に穿孔して植え込まれ
たボルト等を用いて切断対象箇所に固定した状態で実施
する事例において、ワイヤソーを無駄に廃却する必要の
ない装置、および、切断工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の特許請求の範囲第1項によるワイヤ式切断
機用アダプタは、回転可能に支持された駆動輪と、切断
対象箇所と前記駆動輪とに巻回された無端状のワイヤソ
ーを、前記駆動輪の回転運動を介して回転駆動するため
の第1モータ手段と、切断の進行に基づいて生じる前記
ワイヤソーの緩みを除去する張力維持手段とを有するワ
イヤ式切断機を、土木建築用作業機の揺動アームの遊端
に装着するためのワイヤ式切断機用アダプタであって、
土木建築用作業機の前記揺動アームの遊端に装着される
被装着部と、前記ワイヤ式切断機を装着するための装着
部とを備え、前記被装着部は、前記揺動アームの一部を
構成する揺動アーム本体の先端に連結される第1被装着
部と、前記揺動アーム本体に揺動可能に支持されて前記
揺動アームの他の一部を構成するバケットシリンダの先
端に連結される第2被装着部とを有し、前記装着部は、
前記駆動輪を含むワイヤ式切断機本体が前記装着部から
前記揺動アーム側に延びる第1装着姿勢と、前記ワイヤ
ソーの前記切断対象箇所に巻回される部分が前記装着部
から前記揺動アーム側に延びる第2装着姿勢との間で選
択的に装着可能に構成されていることを特徴構成として
いる。
【0006】このような特徴構成を備えている本発明の
特許請求の範囲第1項によるワイヤ式切断機用アダプタ
を用いれば、このワイヤ式切断機用アダプタを介してワ
イヤ式切断機を土木建築用作業機の揺動アームの一部を
構成する揺動アーム本体の先端と前記揺動アーム本体に
揺動可能に支持されて前記揺動アームの他の一部を構成
するバケットシリンダの先端に装着することが可能とな
り、従って、土木建築用作業機のブームおよび揺動アー
ムの揺動操作や土木建築用作業機自体の推進操作によっ
て、揺動アームに装着されたワイヤ式切断機を、切断対
象箇所に面する状態に配置することが、(たとえこの切
断箇所が高所、または、水面下などであっても)容易に
できるようになる。そして、上記の、ワイヤ式切断機が
切断箇所に面した状態(これはアダプタが切断対象箇所
に押し付けられた状態でも、或いは、アダプタおよびワ
イヤ式切断機が切断対象箇所から離れた宙吊り状態でも
良い)で揺動アームを固定しておけば、あたかもワイヤ
式切断機が切断対象箇所に固定されたような状態が現出
され、この揺動アームを固定した状態でワイヤソーを回
転駆動して切断を実施することができる。その結果、駆
動輪および張力維持手段の支持されたベース部材を、予
め切断対象箇所に穿孔して形成されたネジ孔とボルト等
を用いて切断対象箇所に固定しておく等の煩雑な作業を
行うことなく、また、これらの煩雑な作業を強いられる
場所が高所であったり、水面下であっても、対象物の切
断が容易に実施できるという効果が得られる(高所にお
ける装置や機具の落下危険性が著しく減るというメリッ
トや、水面下の場合に専門の潜水夫の要請が不要となる
というメリットは特に大きい)。
【0007】さらに、上記の特徴構成を備えた本発明の
特許請求の範囲第1項によるワイヤ式切断機用アダプタ
を用いて、土木建築用作業機の揺動アームの遊端に装着
した状態のワイヤ式切断機を用いて切断を行えば、駆動
輪を支持した自走ユニットが、切断の進行と共に軌道上
を走行して遂に軌道上の終端に到達した時には、図8や
図9に例示されるように、土木建築用作業機のブームや
揺動アームの揺動操作あるいは土木建築用作業機自体の
推進操作などによって、ワイヤ式切断機そのものをアダ
プタごと切断対象箇所から自在に遠ざければ、自走ユニ
ット8を軌道6上の始端6aから終端6bに向かって走
行させながら切断する操作を再開することができる。そ
して、切断対象箇所の寸法が大きい場合には、上記の
「自走ユニット8を軌道上の始端6aから終端6bに向
かって走行させながら切断し、自走ユニット8が軌道上
の終端6bに到達した時には、土木建築用作業機の揺動
アームその他の操作等によってワイヤ式切断機を切断対
象箇所から自在に遠ざけ、自走ユニット8を軌道6上の
始端6aから終端6bに向かって走行させながら切断す
る操作を再開する」という一連の操作を多数回にわたっ
て(必要に応じて何度でも)繰り返せば良い。その結
果、切断対象箇所の寸法と無関係に、切断作業の途中で
ワイヤソーの長さを短縮化する煩雑な作業を交えること
なく、ワイヤソーの張力を維持しながら効果的な切断を
完了することができ、しかも、高価なワイヤソー断片を
廃却せずに済むという効果が得られる。
【0008】また、上記の特徴構成を備えている本発明
特許請求の範囲第1項によるワイヤ式切断機用アダプ
タに設けられた装着部は、前記駆動輪を含むワイヤ式切
断機本体が前記装着部から揺動アーム側に延びる第1装
着姿勢と、ワイヤソーの前記切断対象箇所に巻回される
部分が装着部から揺動アーム側に延びる第2装着姿勢と
の間で選択的に装着可能に構成されている。したがっ
て、図6と図7に例示されるように、切断対象箇所T3
が、ワイヤ式切断機2を装着した土木建築用作業機50
の足下に位置する場合には、駆動輪20を含むワイヤ式
切断機本体2a(ワイヤ式切断機2からワイヤソー24
を除いたもの)が装着部32から揺動アーム54側に延
びる第1装着姿勢でワイヤ式切断機2を装着して、切断
の進行に伴ってワイヤ式切断機本体2aを停止中の土木
建築用作業機50の前方側(図中の矢印が示す方向)に
次第に遠ざける、または、土木建築用作業機50自体を
次第に前進させる作業方法を取れば良く、また、図8に
例示されるように、切断対象箇所T4が高所に位置する
場合にも、ワイヤ式切断機本体2aが装着部32から揺
動アーム54側に延びる第1装着姿勢で装着して、但
し、切断の進行に伴ってワイヤ式切断機本体2aを停止
中の土木建築用作業機50側(図中の矢印が示す方向)
に次第に戻す、または、土木建築用作業機50自体を切
断対象箇所T4から次第に遠ざける作業方法を取れば良
い。一方、図9と図10に例示されるように、切断対象
箇所T5やT6が、ワイヤ式切断機2を装着した土木建
築用作業機50の置かれたグランドより大きく下がった
レベルで且つ前方に位置する場合には、ワイヤソー24
の前記切断対象箇所T5,T6に巻回される部分24f
が装着部32から揺動アーム54側に延びる第2装着姿
勢で装着して、ワイヤソー24による切断作業の進行に
伴ってワイヤ式切断機本体2aを停止中の土木建築用作
業機50側(図中の矢印が示す方向)に次第に引き寄せ
る、または、土木建築用作業機50自体を切断対象箇所
T5やT6から次第に遠ざける作業方法を取れば良い。
言い換えれば、切断対象箇所と土木建築用作業機との位
置関係に応じて、ワイヤ式切断機本体を装着部のいずれ
の側にも装着可能であるために、結果的に、上に例示し
たような切断対象箇所と土木建築用作業機との間に想定
される種々の位置関係において、切断作業を円滑に実施
することができるという効果が得られた。
【0009】また、上記目的を達成するために、本発明
特許請求の範囲第3項によるワイヤ式切断機用アダプ
タは、回転可能に支持された駆動輪と、切断対象箇所と
前記駆動輪とに巻回された無端状のワイヤソーを、前記
駆動輪の回転運動を介して回転駆動するための第1モー
タ手段と、切断の進行に基づいて生じる前記ワイヤソー
の緩みを除去する張力維持手段とを有するワイヤ式切断
機と協働して用いられ、土木建築用作業機の揺動アーム
の遊端に装着するための被装着部と、前記ワイヤソーを
前記切断対象箇所と前記駆動輪の間で支持することによ
って、前記ワイヤソーの延びる方向を前記切断対象箇所
と前記ワイヤ式切断機の本体の間で変更可能な転換手段
とが設けられており、さらに、前記切断対象箇所に接当
させることの可能な接当部を備えていることを特徴構成
としている。
【0010】このような特徴構成を備えている本発明の
特許請求の範囲第3項によるワイヤ式切断機用アダプタ
を用いれば、ワイヤソーの延びる方向を切断対象箇所と
ワイヤ式切断機の本体の間で変更する転換手段を、この
ワイヤ式切断機用アダプタを介して土木建築用作業機の
揺動アームの遊端に装着することが可能となり、さら
に、土木建築用作業機のブームおよび揺動アームの揺動
操作や土木建築用作業機自体の推進操作によって、揺動
アームに装着された前記転換手段を、切断対象箇所に面
する状態に配置することが、(たとえこの切断箇所が非
常に高所、または、水面下であっても)容易にできるよ
うになる。そして、上記の、転換手段が切断箇所に面し
た状態(これは、アダプタまたは転換手段が切断対象箇
所に押し付けられた状態でも、或いは、アダプタまたは
転換手段が切断対象箇所から離れた宙吊り状態でも良
い)で揺動アームを固定しておけば、あたかも転換手段
が切断対象箇所に固定されたような状態が現出され、こ
の揺動アームを固定した状態でワイヤソーを回転駆動し
て切断を実施することができる。その結果、前記転換手
段を、予め切断対象箇所に穿孔して植え込まれたボルト
等を用いて切断対象箇所に固定しておく等の煩雑な作業
を行うことなく、また、図12に例示されるように、ワ
イヤ式切断機用アダプタを長尺の部材130(H鋼製な
ど)とし、この長尺のワイヤ式切断機用アダプタ130
の一端に前記被装着部133を設け、他端に転換手段1
50を設けさえすれば、この煩雑な作業を強いられる場
所が水面下の切断対象箇所T8であっても(或いは、切
断対象箇所が作業員にとって近付き難い高所であって
も)、転換手段150をこれらの近づき難い場所に自在
に配置することができて、対象物の切断が容易に実施で
きるという効果が得られる(高所における装置や機具の
落下危険性が解消するというメリットや、水面下の場合
に専門の潜水夫の要請が不要となるというメリットは特
に大きい)。さらに、本発明の特許請求の範囲第3項に
よるワイヤ式切断機用アダプタは、前記切断対象箇所に
接当させることの可能な接当部を備えているので、切断
対象物が不安定で切断時にワイヤソーとの摩擦によって
振動を起こし易い場合には、ワイヤ式切断機用アダプタ
を前記接当部を介して切断対象箇所に押し付けられた状
態を維持しながら切断を行えば、前述の振動が抑制され
て円滑な切断作業を実施することができるという効果が
得られる。
【0011】また、上記目的を達成するために本発明の
特許請求の範囲第4項に記載のワイヤ式切断機用アダプ
タは、回転可能に支持された駆動輪と、切断対象箇所と
前記駆動輪とに巻回された無端状のワイヤソーを前記駆
動輪の回転運動を介して回転駆動するためのモータ手段
と、切断の進行に基づいて生じる前記ワイヤソーの緩み
を除去する張力維持手段とを有するワイヤ式切断機と協
働して用いられるワイヤ式切断機用アダプタであって、
土木建築用作業機の揺動アームの遊端に装着される被装
着部を含む基端部と、前記ワイヤソーを前記切断対象箇
所と前記駆動輪の間で支持することによって前記ワイヤ
ソーの延びる方向を前記切断対象箇所と前記ワイヤ式切
断機の本体の間で変更可能な転換手段を含む先端部とを
有し、前記基端部と前記先端部の間には、前記基端部に
対する前記先端部の角度を前記基端部から前記先端部に
向かって延びる軸芯周りで変更する角度調節手段が設け
られていることを特徴構成としている。
【0012】このような特徴構成を備えているために、
本発明の特許請求の範囲第4項に記載のワイヤ式切断機
用アダプタでは、ワイヤソーの延びる方向を切断対象箇
所とワイヤ式切断機の本体の間で変更する転換手段を、
このワイヤ式切断機用アダプタを介して土木建築用作業
機の揺動アームの遊端に装着することが可能となり、さ
らに、土木建築用作業機のブームおよび揺動アームの揺
動操作や土木建築用作業機自体の推進操作によって、揺
動アームに装着された前記転換手段を、切断対象箇所に
面する状態に配置することが、容易にできるようにな
る。そして、上記の、転換手段が切断箇所に面した状態
(これは、アダプタまたは転換手段が切断対象箇所に押
し付けられた状態でも、或いは、アダプタまたは転換手
段が切断対象箇所から離れた宙吊り状態でも良い)で揺
動アームを固定しておけば、あたかも転換手段が切断対
象箇所に固定されたような状態が現出され、この揺動ア
ームを固定した状態でワイヤソーを回転駆動して切断を
実施することができる。すなわち、前記転換手段を、予
め切断対象箇所に穿孔して植え込まれたボルト等を用い
て切断対象箇所に固定しておく等の煩雑な作業を行うこ
となく、また、ワイヤ式切断機用アダプタを長尺の部材
とし、この長尺のワイヤ式切断機用アダプタの一端に前
記被装着部を設け、他端に転換手段を設けさえすれば、
この煩雑な作業を強いられる場所が水面下の切断対象箇
所であっても(或いは、切断対象箇所が作業員にとって
近付き難い高所であっても)、転換手段をこれらの近づ
き難い場所に自在に配置することができて、対象物の切
断が容易に実施できるという効果が得られる。さらに、
本発明の特許請求の範囲第4項に記載のワイヤ式切断機
用アダプタでは、前記基端部と前記先端部の間には、前
記基端部に対する前記先端部の角度を前記基端部から前
記先端部に向かって延びる軸芯周りで変更する角度調節
手段が設けられているので、ワイヤ式切断機用アダプタ
を装着した土木建築用作業機を切断対象箇所の正面に配
置することが困難で、土木建築用作業機を切断対象箇所
とワイヤ式切断機本体とを結ぶ線上から横に逸脱した位
置に配置せざるを得ない状況でも、ワイヤソーの適切な
箇所をワイヤ式切断機用アダプタ上の転換手段を介して
支持して本来の円滑な切断作業を実施することができ
る。
【0013】また、上記目的を達成するために、本発明
特許請求の範囲第5項による切断工法は、特許請求の
範囲第1項または第2項に記載のワイヤ式切断機を、
木建築用作業機の前記揺動アームの遊端の一部を構成す
る揺動アーム本体の先端に特許請求の範囲第1項に記載
のワイヤ式切断機用アダプタの前記第1被装着部を介し
連結し、前記バケットシリンダの先端に特許請求の範
囲第1項に記載のワイヤ式切断機用アダプタの前記第2
被装着部を介して連結した状態で用いた切断工法であっ
て、前記張力維持手段は、ワイヤ式切断機用アダプタに
固定可能なベース部材から立設された支持ポールと、前
記支持ポール上に摺動可能に支持された前記駆動輪と、
前記駆動輪を前記支持ポール上の第1端と第2端の間で
摺動操作するための第2モータ手段とからなり、以下の
各工程を備えることを特徴構成としている、〈1〉前記
土木建築用作業機およびその揺動アームの操作により、
前記ワイヤ式切断機の本体が切断対象箇所と対向するよ
うに前記揺動アームの前記遊端を配置する、〈2〉前記
ワイヤソーを、前記支持ポールの前記第1端付近に位置
させた前記駆動輪と切断対象箇所とに巻回する、〈3〉
前記駆動輪の回転を介した前記ワイヤソーの周回運動に
よって切断対象箇所を切断しつつ、前記切断の進行に応
じて前記ワイヤソーに生じる緩みを、前記第2モータ手
段の正転によって前記駆動輪を前記支持ポールの前記第
1端から前記第2端に向けて摺動操作することで除く、
〈4〉前記摺動操作によって前記駆動輪が前記支持ポー
ルの前記第2端に近づいた時点で、前記駆動輪を前記支
持ポールの第1端向きに復帰させ、前記土木建築用作業
機の操作により、前記ワイヤソーに所定の張力が生じる
ように前記揺動アームの前記遊端を移動する、〈5〉必
要に応じて、所定の切断操作が完了するまで前記〈3〉
および〈4〉の各工程を繰り返す。
【0014】このような構成を備えているために、本発
明の特許請求の範囲第5項による切断工法を用いて切断
を行えば、特許請求の範囲第1項または第2項に引用さ
れているワイヤ式切断機を切断対象箇所に予め切断対象
物に形成しておいたネジ孔とボルト手段などで固定する
という煩雑な準備作業が必要がなくなる上に、第〈3〉
工程に沿って切断を進めた結果、摺動操作によって駆動
輪が支持ポールの第2端に近づいて最早ワイヤソーに生
じる緩みを除くことができなくなっても、第〈4〉工程
として、駆動輪を支持ポールの第1端向きに復帰させ、
土木建築用作業機の操作により、ワイヤソーに再び所定
の張力が生じるように揺動アームの遊端を移動すること
ができる。そして、切断対象箇所の寸法が大きい場合に
は、第〈3〉工程と第〈4〉工程からなる一連の操作を
多数回にわたって(必要に応じて何度でも)繰り返せば
良い。その結果、切断作業が準備作業の軽減された簡単
なものになり、また、切断対象箇所の寸法と無関係に、
切断作業の途中でワイヤソーの長さを短縮化する煩雑な
作業を交えることなく(基本的に一度もワイヤソーを切
断によって短縮化することなく対象物の切断が完了す
る)、ワイヤソーの張力を維持しながら効果的な切断を
完了することができ、しかも、高価なワイヤソー断片を
廃却せずに済むという効果が得られる。
【0015】ここで、特許請求の範囲第5項に記載の切
断工法における第〈4〉工程としては、〈4−1〉前記
第2モータを停止、または前記正転させたまま、前記土
木建築用作業機の操作によって、前記揺動アームの前記
遊端を切断対象箇所から所定距離だけ離間させ、これに
よって、前記駆動輪を前記第2モータの制動力に抗して
前記支持ポールの第1端向きに強制的に復帰させる。と
いう小工程を備えている構成とすれば良い。このような
構成とすれば、前記駆動輪を支持ポールの第1端向きに
復帰させる操作を、第2モータの逆転操作によらずに実
施することができるので、結果的に、第〈4〉工程を土
木建築用作業機の操作室からの揺動アームの操作によっ
て迅速に実施することができるという効果が得られる。
勿論、前記駆動輪を支持ポールの第1端向きに復帰させ
る操作を、第2モータの逆転操作によって実施しても良
い。
【0016】また、上記目的を達成するために、本発明
特許請求の範囲第7項による切断工法は、特許請求の
範囲第3または4項に記載のワイヤ式切断機用アダプタ
を用いて実施される切断工法であって、前記張力維持手
段は、ワイヤ式切断機用アダプタとは別体に設けられた
ワイヤ式切断機本体と、前記ワイヤ式切断機本体上に摺
動可能に支持された前記駆動輪と、前記駆動輪を前記ワ
イヤ式切断機本体の第1端から第2端の間で摺動操作す
るための第2モータ手段とからなり、次の各工程を備え
ることを特徴構成としている、〈1〉前記土木建築用作
業機の操作に基づいて前記揺動アームの前記遊端の位置
と姿勢を制御することによって、前記ワイヤ式切断機用
アダプタの前記転換手段を切断対象箇所と対向する位置
に固定する、〈2〉前記ワイヤソーを、前記ワイヤ式切
断機本体の前記第1端側に位置させた前記駆動輪と切断
対象箇所とに巻回する、〈3〉前記駆動輪の回転を介し
た前記ワイヤソーの周回運動によって切断対象箇所を切
断しつつ、前記切断の進行に応じて前記ワイヤソーに生
じる緩みを、前記第2モータ手段の正転によって前記駆
動輪を前記ワイヤ式切断機本体の前記第1端から前記第
2端に向けて摺動操作することで除く、〈4〉前記摺動
操作によって前記駆動輪が前記ワイヤ式切断機本体の前
記第2端に近づいた時点で、前記駆動輪を前記ワイヤ式
切断機本体の前記第1端向きに復帰させ、同時に、前記
ワイヤソーに所定の張力が生じるように、前記ワイヤ式
切断機本体を移動操作する、〈5〉必要に応じて、所定
の切断操作が完了するまで前記〈3〉および〈4〉の各
工程を繰り返す。
【0017】このような構成を備えているために、本発
明の特許請求の範囲第7項による切断工法を用いて切断
を行えば、切断対象箇所と特許請求の範囲第3または4
に引用されたワイヤ式切断機の駆動輪との間に大きな
レベル差が存在するために、ワイヤソーの延びる方向を
切断対象箇所と駆動輪の間で変更可能な転換手段が必要
な場合でも、この転換手段を切断対象箇所に予め切断対
象物に形成しておいたネジ孔とボルト手段などで固定す
るという煩雑な準備作業が必要がなくなる上に、第
〈3〉工程に沿って切断を進めた結果、摺動操作によっ
て駆動輪がワイヤ式切断装置本体の第2端に近づいて最
早ワイヤソーに生じる緩みを除くことができなくなって
も、第〈4〉工程として、駆動輪をワイヤ式切断装置本
体の第1端向きに復帰させ、ワイヤソーに再び所定の張
力が生じるようにワイヤ式切断装置本体を移動すること
ができる。そして、切断対象箇所の寸法が大きい場合に
は、第〈3〉工程と第〈4〉工程からなる一連の操作を
多数回にわたって(必要に応じて何度でも)繰り返せば
良い。その結果、切断作業が準備作業の軽減された簡単
なものになり、また、切断対象箇所の寸法と無関係に、
切断作業の途中でワイヤソーの長さを短縮化する煩雑な
作業を交えることなく(基本的に一度もワイヤソーを切
断によって短尺化することなく対象物の切断が完了す
る)、ワイヤソーの張力を維持しながら効果的な切断を
完了することができ、しかも、高価なワイヤソー断片を
廃却せずに済むという効果が得られる。
【0018】本発明によるその他の特徴および利点は、
以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるで
あろう。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の幾つかの例に
ついて図面に基づいて解説する。 〔第1実施形態〕図1と2は、ワイヤ式切断機の一例と
土木建築用作業機の揺動アームの遊端部分の一例、およ
び、このワイヤ式切断機2を土木建築用作業機50の揺
動アーム54の遊端に連結するために用いられる本発明
によるワイヤ式切断機用アダプタ30を示す。このワイ
ヤ式切断機用アダプタ30を用いて、ワイヤ式切断機2
を図3に二点鎖線で例示したバックホウ(土木建築用作
業機の一例)の揺動アーム54の遊端に一旦装着すれ
ば、バックホウの操作室からの操作で、ワイヤ式切断機
2の位置や姿勢を自在に操作することが可能となる。
【0020】(ワイヤ式切断機の構造)ワイヤ式切断機
2は、無端状のワイヤソー24(図18に一例が示され
ている)と、ワイヤソー24を周回運動させるための駆
動輪20とを有する。ワイヤソー24は、金属ワイヤの
周囲をゴム製の層で被覆し、更にそのゴム層の周囲に一
定間隔でビーズ状のダイヤモンド粒子からなる層を設け
たものであり、使用時には必要な長さをロール体からダ
イヤモンド層以外の部分で切り取って、切り取りによっ
て生じた端部の芯線(ワイヤ部)どうしに金属製のスリ
ーブを被せてこれを専用のかしめ具で“かしめ”て無端
状に連結して用いる(図18−ロに“かしめ”作業の一
例が示されている)。一方、駆動輪20の外周には、ワ
イヤソー24を受け入れるための環状溝20aが形成さ
れており、環状溝20aの全周にはワイヤソー24との
摩擦係数を高め、および、駆動輪20自身が前記ダイヤ
モンド粒子によって磨耗することを抑制するための、ゴ
ム製のライニングが取り付けられている。ワイヤ式切断
機2は更に、ベース部材4と、ベース部材4の一端から
垂直に立設された支持ポール6を備えている。ベース部
材4は金属製などの剛体で、中央には固定用の貫通孔4
cが垂直に形成されている。支持ポール6は鋼製で、正
方形または矩形の断面形状を持っており、その一側面に
は図3と図4に示すように支持ポール6の長手方向に沿
って延びたラックギヤ6aが設けられている。さらに、
支持ポール6上には駆動輪20を回転可能に支持する自
走ユニット8が、摺動可能に外嵌保持されており、この
自走ユニット8は、駆動輪20を回転駆動させるための
油圧モータ10(第1モータ手段の一例)を含んでい
る。
【0021】また、支持ポール6の基端部付近からは、
やはり鋼製の水平ロッド16が延びており、水平ロッド
16には四個の補助プーリ18(18a,18b,18
c,18d)が各々着脱および位置変更可能に取り付け
られており、ワイヤソー24を、駆動輪20と補助プー
リ18の双方にわたって巻回することができる。図4に
最も良く示されるように、水平ロッド16は、支持ポー
ル6に対して着脱、および位置を水平方向で変更可能な
ように、ボルト16aの締め付けなどによって取り付け
られている。ワイヤ式切断機2には、駆動輪20とワイ
ヤソー24の間、および、切断対象箇所とワイヤソー2
4の間に必要な摩擦力を得るために、ワイヤソーに掛か
る張力を所定値以上にするための張力調節機構が設けら
れている。この張力調節機構は、第1張力調節機構と第
2張力調節機構からなる。第1張力調節機構は、駆動輪
20または自走ユニット8からベース部材4までの間隔
を変更するための位置変更手段であり、具体的には、図
1、図2および図4に示されるように、自走ユニット8
自身を支持ポール6上の第1端6bと第2端6cの間で
摺動駆動させるために自走ユニット8内に設けられてい
る電動モータ12(第2モータ手段の一例)からなり、
電動モータ12の回転運動を確実に自走ユニット8の摺
動運動に変換するために、電動モータ12の回転軸に設
けられたピニオン12aは支持ポール6上のラックギヤ
6aと噛合している(図4を参照)。一方、第2張力調
節機構は選択的に使用可能な前述の補助プーリ18(1
8a,18b,18c,18d)からなり、ワイヤソー
24の余分な部分をこれらの補助プーリ18の全て或い
は一部に巻回することによって張力の調整に役立つと同
時に、ワイヤ式切断機2からのワイヤソー24の出口と
入口の間に切断対象箇所の寸法に適した間隔を設けるこ
とができる。
【0022】尚、自走ユニット8内の油圧モータ10を
駆動するための油圧は、土木建築用作業機50に設けら
れたサービス油路50sから供給、電動モータ12を駆
動するための100ボルトの電源は土木建築用作業機5
0外から得る構成になっている。一方、油圧モータ10
の駆動のオンオフ、および、電動モータ12の駆動のオ
ンオフ並びに回転方向の切り替えは、土木建築用作業機
50の操作室に設置した操作盤50bに設けられた各ス
イッチで遠隔操作することができる。これらのスイッチ
の中には、ワイヤソー24に掛る張力を設定するための
ボリュームスイッチが含まれている(ボリュームスイッ
チによる設定張力が大きいほど、切断作業能率は高まる
が、ワイヤソー24が切れる率も高まるので、切断対象
箇所の硬度、寸法、および、ワイヤソー24のダイヤモ
ンド層の状態などに合わせて適宜調整すれば良い)。
【0023】(揺動アーム等の構造)図3に示されるよ
うに、バックホウ50の旋回台50Tからは、上下方向
に揺動可能なブーム52が延びており、ブーム52の先
端には揺動アーム54がブーム52に対して上下方向に
揺動可能に枢支されている。揺動アーム54は、揺動ア
ーム本体56と、揺動アーム本体56の所定箇所に上下
方向に揺動可能に取り付けられたバケットシリンダ58
で構成されている。図1と図2に示されるように、揺動
アーム本体56の遊端には、水平に延びた二つの貫通孔
56a,56bが、互いに揺動アームの長手方向に離間
した状態で形成されている。また、バケットシリンダ5
8から突出した、油圧操作で伸縮操作可能なピストン5
8aの遊端にも、水平に延びた一つの貫通孔58bが形
成されている。揺動アーム本体56の基端側の貫通孔5
6aには、一対の第1バケットリンク60,60の一端
が一本のピンを介して枢支されており、ピストン58a
の遊端に設けられた貫通孔58bには、第1バケットリ
ンク60の他端と、別の一対の第2バケットリンク6
2,62の一端とが一本のピンで同時に枢支されてい
る。
【0024】(アダプタの構造)一方、アダプタ30
は、概して平板状で鋼製の主プレート32と、主プレー
ト32の第1面32Gに立設された二枚のやはり鋼製の
補助プレート34a,34bとを備えている。主プレー
ト32の複数箇所には、ベース部材4をボルトナット手
段4aで締結するための第1取付孔32a、第2取付孔
32b、および第3取付孔32c(いずれも装着部の一
例)が形成されている。また、各補助プレート34a,
34bには、アダプタ30をバックホウの揺動アーム5
4に連結するための第1貫通孔36,36(被装着部の
一例)と第2貫通孔38,38(同様に被装着部の一
例)が互いに離間した状態で補助プレート34a,34
bに形成されている。
【0025】ワイヤ式切断機2は、主プレート32の表
面(第1面32G)と裏面(第2面32H)のいずれか
に選択的に設置可能となっている。言い換えれば、前記
装着部としての第1〜第3取付孔32a,32b,32
cは、駆動輪20を含むワイヤ式切断機本体が第1面3
2G側に固定され、結果として、装着部から揺動アーム
54側に延びる第1装着姿勢(図1、2、3、6、7、
8および11の状態)と、駆動輪20を含むワイヤ式切
断機本体が第2面32Hに固定され、結果として、ワイ
ヤソー24の切断対象箇所に巻回される部分24fが装
着部から揺動アーム54側に延びる第2装着姿勢(図9
や図10に示された状態)との間で選択的に装着可能に
構成されている。すなわち、図6と図7に例示されるよ
うに、切断対象箇所T3が、ワイヤ式切断機2を装着し
た土木建築用作業機50の足下に位置する場合には、前
記第1装着姿勢でワイヤ式切断機2を装着して、切断の
進行に伴ってワイヤ式切断機本体2aを停止中の土木建
築用作業機50の前方側(図中の矢印が示す方向)に次
第に遠ざける、または、土木建築用作業機50自体を次
第に前進させる作業方法を取れば良い。一方、図9と図
10に例示されるように、切断対象箇所T5,T6が、
ワイヤ式切断機2を装着した土木建築用作業機50の置
かれたグランドより大きく下がったレベルで且つ前方に
位置する場合には、前記第2装着姿勢で装着して、切断
の進行に伴ってワイヤ式切断機本体2aを停止中の土木
建築用作業機50側(図中の矢印が示す方向)に次第に
引き寄せる、または、土木建築用作業機50自体を切断
対象箇所T5,T6から次第に遠ざける作業方法を取れ
ば良い。
【0026】さらに、アダプタ30には、支持ポール6
の主プレート32に対する角度を設定変更可能な角度調
節手段が設けられている。角度調節手段は具体的には、
図4と5に最も良く示されるように、ベース部材4の四
隅に設けられたボルト4b,4b,..で実現されてい
る。すなわち、図5−イまたは図5−ロに示されるよう
に、ボルト4b,4b,..の幾つかをベース部材4か
ら下に突出させておいて、ボルトナット手段4aで締結
することによって、支持ポール6が主プレート32に対
して垂直ではなく、適宜傾斜した状態で連結することが
できる。この角度調節手段を用いれば、特に切断によっ
て切断対象箇所に形成される切断面の角度について厳密
な指定があった場合でも自在に対応することができる。
図7に二点鎖線で示された支持ポール6は、切断対象箇
所T3を正確に水平に切断するために、(実線が示すよ
うに、揺動アーム54によるアダプタ30の揺動操作だ
けでは支持ポール6を水平姿勢に設定できない場合に)
角度調節手段を用いて支持ポール6をアダプタ30に対
して図5−イに示されたのと同じ向きに傾斜させられて
いる。
【0027】(ワイヤ式切断機と揺動アームの連結工
程)図1と図2に例示するように、バックホウの揺動ア
ーム54にワイヤ式切断機2を装着する際には、次の工
程に従えば良い。 〈1〉アダプタ30の主プレート32の取付孔32a,
32b,32cの一つとベース部材4の貫通孔4cを合
わせ、ここにボルトナット手段4aを挿通して両者を締
結する。 〈2〉アダプタ30の第1貫通孔36,36に揺動アー
ム本体56の先端側の貫通孔56bをピンで連結し、 〈3〉アダプタ30の第2貫通孔38,38に第2バケ
ットリンク62,62の他端をピンで連結する。
【0028】図6と図7(実線)の状況を例を取ると、
切断作業は次の要領で実施すれば良い。 〈1〉土木建築用作業機50および揺動アーム54の操
作により、ワイヤ式切断機本体2aが切断対象箇所T3
と対向するように揺動アーム54の遊端を配置する。 〈2〉1ヶ所で切断したワイヤソー24を、支持ポール
6の第端6付近に位置させた駆動輪20と切断対象
箇所T3とに巻回し、ワイヤソー24の端部どうしを
“かしめ”て無端状にする。 〈3〉駆動輪20の回転を介したワイヤソー24の周回
運動によって切断対象箇所T3を切断しつつ、切断の進
行に応じてワイヤソー24に生じる緩みを、図6に示す
ように、自走ユニット8の電動モータ12の正転によっ
て駆動輪20を支持ポール6の第2端6cから第1端6
に向けて摺動操作することで除く、 〈4〉摺動操作によって駆動輪20が支持ポール6の
1端6bに近づいた時点で、駆動輪20を支持ポールの
第2端6c向きに復帰させ、次に、図7の矢印Aが示す
ように、土木建築用作業機50の操作により、当初と同
じ長さのワイヤソー24に再び張力が得られるように揺
動アーム54の遊端を移動する(これはブーム52や揺
動アーム54の揺動操作によっても、土木建築用作業機
50自体の推進操作によっても良い)、 〈5〉必要に応じて、所定の切断操作が完了するまで第
〈3〉および第〈4〉の各工程を繰り返す。
【0029】尚、上記の第〈4〉工程における「駆動輪
20を支持ポールの第2端6c向きに復帰させる」操作
は、先ず、電動モータ12の正転を停止し、次に油圧モ
ータ10を停止してワイヤソー24の回転を止めた後
で、電動モータ12を逆転することで実施することがで
きる。しかし、同じ「駆動輪20を支持ポールの第2端
6c向きに復帰させる」操作を、油圧モータ10を停止
してワイヤソー24の回転を止めた後で、電動モータ1
2を停止した状態で、土木建築用作業機50のブーム5
2や揺動アーム54の揺動操作または土木建築用作業機
50自体の推進や後退、或いは、これらの操作の組み合
わせによって、電動モータ12の制動力に抗して強制的
に行っても良い。
【0030】また、図8に例示されるように、切断対象
箇所T4が高所に位置する場合にも、図6や図7と同様
の前記第1装着姿勢でワイヤ式切断機2を装着すれば良
い。但し、切断の進行に伴ってワイヤ式切断機本体2a
を停止中の土木建築用作業機50側(図中の矢印が示す
方向)に次第に戻す、または、土木建築用作業機50自
体を切断対象箇所T4から次第に遠ざける作業方法を取
れば良い。
【0031】ここまで第1装着姿勢について解説した
が、ワイヤソー24の切断対象箇所に巻回される部分が
装着部32から揺動アーム54側に延びる第2装着姿勢
では、図9に示されるように、切断対象箇所T5が、ワ
イヤ式切断機2を装着した土木建築用作業機50の置か
れたグランドより大きく下がったレベルで且つ前方に位
置する場合の切断作業に適している。この場合、切断の
進行に伴って自走ユニット8の走行(支持ポール上での
摺動操作)では張力を維持できなくなったら、ブーム5
2や揺動アーム54の揺動操作によってワイヤ式切断機
本体2aを停止中の土木建築用作業機50側(図中の矢
印が示す方向)に次第に引き寄せる、または、土木建築
用作業機50自体を後退させて切断対象箇所T5から次
第に遠ざける作業方法を取れば良い。
【0032】以上、図1、2、3、6、7、8および9
では、アダプタ30の装着部の第1取付孔32aを利用
した第1あるいは第2装着姿勢で取り付けられている
が、他に第2取付孔32b、或いは、第2取付孔32c
を用いれば、ワイヤソー24の形成する面が、ブーム5
2と揺動アーム54が協働して形成する面に対してなす
角度を変更することができるので、切断対象物の形状や
切断対象箇所の種々の状況において切断作業が実施可能
となる(下記の例では約90°ずつの単位で角度が変更
されているが、これに限らない)。
【0033】例えば、第2取付孔32bを利用して取り
付ければ、ワイヤソー24の形成する面が、ブーム52
と揺動アーム54とが協働して形成する垂直な面に沿っ
た状態になるので、図10に示されるように、水平方向
等に延びた切断対象物T6を垂直な切断面で切断するこ
とが可能となる。
【0034】ここまで例示したような、地上に埋め込ま
れた構造物など安定した切断対象物ではなく、図11に
例示されたような、姿勢の不安定な切断対象物T7(例
えば、別の作業によって建造物から切断分離されて地上
に載置された鉄筋コンクリートブロックなど)を切断す
る場合には、回転中のワイヤソー24が切断対象物の断
面に対して有する摩擦係数が時々刻々変化することなど
に起因して、切断対象物T7およびワイヤソー24が振
動して切断が円滑に進行しないという問題が生じる場合
がある。しかし、図11−イに示すように、アダプタ3
0に形成された接当面32H(ワイヤ式切断機2が第1
面32Gに取り付けられている場合には第2面32Hが
接当面となり、ワイヤ式切断機2が第2面32Hに取り
付けられている場合には第1面32Gが接当面となる)
を切断対象物T7に接当させた状態で切断すれば、自走
ユニット8の張力維持機能に基づいてワイヤソー24が
アダプタ30の接当面32Hを介して、切断対象物T7
をワイヤ式切断機に押し付けた状態を保持させることが
できるので、その結果、切断対象物T7の振動が抑制さ
れた安定した状態が得られ、円滑な切断が実施できる。
【0035】ここで、図11−イに実線で示した駆動輪
20が支持ポールの第1端6bに位置した状態から、自
走ユニット8の走行によって張力を維持させながら切断
を開始し、切断が進行して、図11−イに二点鎖線で示
されたように、ワイヤソー24が切断対象物T7の内部
まで食い込み、駆動輪20が支持ポールの第2端6cに
到達してしまうと、自走ユニット8の張力維持機能は失
われ、切断作業を継続できなくなる。したがって、次の
手順による操作で、自走ユニット8に張力維持機能を回
復させる必要が有る。このような状況では、従来は図1
8−イに例示するように、ワイヤソー24の適当な2ヶ
所24a,24aをワイヤソーカッター200で切断し
て、ワイヤソー24の一部24xを廃棄し、図18−ロ
に示すように、残りのワイヤソー24yの両端24a,
24aに金属製のスリーブを被せてこれをワイヤソーか
しめ器210で“かしめ”操作することによってワイヤ
ソー24の長さを短縮化することによって、自走ユニッ
ト8が再び張力維持機能を発揮できるようにしていた。
【0036】しかし、ここでは、図11−ロに示すよう
に、自走ユニット8の張力維持機能が失われた時点で、
切断対象物T7とアダプタ30の接当面32Hの間にス
ペーサーMを挟み込むことで、自走ユニット8が再び張
力維持機能を回復させる手法を取る。これによって、接
当面32Hを用いた安定した切断作業を継続しながら、
しかも、ワイヤソー24の切断操作、“かしめ”操作と
いう煩雑な操作から作業が解放され、また、ワイヤソー
24の一部を廃棄せずに済むようになる。尚、スペーサ
ーMの上面と下面には、おのおの切断対象物およびアダ
プタ30の接当面32Hに対する滑り止め手段を適宜設
ければ、更に安定した切断作業が実施可能となる。ま
た、図11−ハに例示するように、上下面の間隔を変更
可能な手段としてのジャッキJをスペーサーMと併用す
れば、切断対象箇所の形状やサイズの種々のパターンに
対して予め用意しておく、互いに高さ寸法の異なるスペ
ーサーMの種類が比較的少なくて済む。
【0037】〔第2実施形態〕図12は、地上に静止状
態で載置されたワイヤ式切断機の一例と土木建築用作業
機の揺動アームの遊端部分の一例、および、土木建築用
作業機50の揺動アーム54の遊端に装着可能な本発明
によるワイヤ式切断機用アダプタ130を示す。このワ
イヤ式切断機用アダプタ130には、ワイヤソー24の
延びる方向を切断対象箇所T8とワイヤ式切断機の間で
変更する転換手段150とが設けられているので、ワイ
ヤ式切断機用アダプタ130をバックホウ(土木建築用
作業機の一例)の揺動アーム54の遊端に一旦装着すれ
ば、バックホウの操作室からの操作で転換手段150の
位置や姿勢を自在に操作することが可能となる。
【0038】(ワイヤ式切断機の構造)図12に示され
るワイヤ式切断機102は、地上(ここでは具体的には
作業用のスパッド台船N)に載置される静止型(但し、
移動は適宜に行うことができる)のものであり、この例
における切断対象箇所T8は、このワイヤ式切断機10
2に対して大きく(数メートルなど)レベルの下がった
位置(ここでは具体的には切断対象物は、港湾に設置さ
れた埠頭を海底から支えている鋼管杭である)にある。
したがって、この切断対象箇所T8を地上のワイヤ式切
断機102のワイヤソー24で水平に切断するために
は、ワイヤソー24の延びる方向を切断対象箇所T8と
ワイヤ式切断機102の間で変更することが必要にな
る。
【0039】ワイヤ式切断機102は、フレーム状のワ
イヤ式切断機本体104、ワイヤ式切断機本体104の
一部を構成する水平で長尺の支持ロッド106、およ
び、支持ロッド106上を往復走行可能な自走ユニット
108を有する。自走ユニット108には、駆動輪12
0が回転自在に支持されている。また、自走ユニット1
08には、駆動輪120を回転駆動させる油圧モータ1
10と、自走ユニット108自体を支持ロッド106上
で走行させるための電動モータ112とが搭載されてい
る。支持ロッド106上にはその長手方向に沿って直線
状のラックギヤ(図示されず)が設けられており、電動
モータ112によって回転駆動されるピニオンギヤ(図
示されず)は、このラックギヤと噛み合っている。電動
モータ112の正転に基づいて支持ロッド106上を直
線的に走行する自走ユニット108が、駆動輪120と
ワイヤソー24の間、および、切断対象箇所とワイヤソ
ー24の間に必要な摩擦力を得るための張力調節機構を
構成している。すなわち、自走ユニット108を支持ロ
ッド106上の第1端部106aから第2端部106b
に向かって次第に移動させながら駆動輪120を回転駆
動させることで、ワイヤソー24に一定の張力を維持さ
せながら切断を進めることができる。土木建築用作業機
50の揺動アーム54の構造は第1実施形態と同様であ
り、駆動輪120の構造、および、張力調節機構も本質
的に第1実施形態と同様である。
【0040】切断対象物が大きいために、切断対象箇所
T8の切断が完了する前に、図12に二点鎖線で示した
ように、自走ユニット108が支持ロッド106上の第
2端部106bに到達してしまったら、先ず、自走ユニ
ット108を支持ロッド106上の第1端部106aに
戻し、次に、図12に示すように、ワイヤソー24に所
定の張力が生じるまで、ワイヤ式切断機本体104を切
断対象箇所T8から遠ざけ、再び、自走ユニット108
を第1端部106aから第2端部106bに向かって移
動させながら駆動輪120を回転駆動させる切断工程を
再開すれば良い。尚、上記のようにワイヤ式切断機本体
104を移動する際も、ワイヤ式切断機用アダプタ13
0、および、転換手段150の位置ならびに姿勢は基本
的に(すなわち、水平な切断面で良い場合)固定したま
まで良い。
【0041】ワイヤ式切断機用アダプタ130は、図1
2に示された姿勢において上下に延びた長尺のH型鋼製
の本体131と、この本体131の下端から水平に延び
た補助材132とを備えている。本体131の上端に
は、土木建築用作業機50の揺動アーム54の遊端に装
着するための被装着部133が形成されており、一対の
転換手段150,150が、下端側の補助材132の左
右両端付近に設けられている。具体的には、各転換手段
150は、垂直な回転軸芯回りで回転可能な第1プーリ
152a,152bと、水平な回転軸芯回りで回転可能
な第2プーリ154a,154bからなる(第1プーリ
と第2プーリの軸芯どうしは互いに交差している)。ワ
イヤ式切断機102の駆動輪120と切断対象箇所T8
の間に巻回されたワイヤソー24は、駆動輪120を発
して、先ず、ワイヤ式切断機102の前端部左側に設け
られた補助プーリ118a(水平な回転軸芯を持つ)の
周面の一部を通過して、土木建築用作業機50の操作室
から見て左側の第2プーリ154a、次に第1プーリ1
52aの順に進行し、引き続き切断対象箇所T8上を切
断しながら通過して、今度は右側の第1プーリ152
b、次に第2プーリ154bを通り、さらに、ワイヤ式
切断機102の右側の補助プーリ118bの周面の一部
を介して、最後に駆動輪120に戻るという経路を連続
的に循環する。すなわち、転換手段150,150を構
成する第1プーリ152a,152bと第2プーリ15
4a,154bは、ワイヤソー24を移動自在に支持す
ることによって、ワイヤソー24の延びる方向を切断対
象箇所T8とワイヤ式切断機本体104(具体的には補
助プーリ118a,118b)の間でスムースに変更す
ることができる。
【0042】尚、ワイヤ式切断機用アダプタ130の下
端付近には、必要に応じて切断対象箇所に押し付け可能
な接当部140が設けられているので、切断対象物が不
安定で切断時にワイヤソー24との摩擦によって振動を
起こし易い場合には、第1実施形態で記載したのと類似
の要領で、ワイヤ式切断機用アダプタ130を接当部1
40を介して切断対象箇所に押し付けられた状態を維持
しながら切断を行えば、前述の振動が抑制されて円滑な
切断作業を実施することができる。
【0043】さらに、図13に最も良く示されるよう
に、長尺のH型鋼製の本体131は、被装着部133が
形成された上部材131aと、転換手段150,150
を含む補助材132が形成された下部材131bとで構
成されており、これらの上部材131aと下部材131
bとは、互いに長手方向に沿った軸芯回りでの回転角度
を変更可能に連結されている。具体的には、上部材13
1aと下部材131bの双方の対向面には、ボルト手段
による連結を可能にする複数の貫通孔131g,131
hが形成されており、これらの貫通孔は、4つの円弧状
の長孔となっている。したがって、ボルト手段を少し緩
めた状態にし、上部材131aと下部材131bとを前
記軸芯回りで所望量だけ回転操作した上で(ボルト手段
は長孔131gまたは131h内で移動可能なので)、
再びボルト手段を締め付ければ、例えば図14のよう
に、バックホウ50をワイヤ式切断機本体104の背後
などに配置できない場合にも、図12と同様の位置と姿
勢にある転換手段150,150をバックホウ50の揺
動アーム54によって支持できる。図14では、バック
ホウ50が図12とは全く別の位置(平面視でワイヤ式
切断機本体104と切断対象箇所T8を結ぶ線分に対し
て斜めになった位置)に配置されており、このバックホ
ウ50のブーム52および揺動アーム54は、平面視
で、切断対象箇所T8とワイヤ式切断機本体104の間
で延びるワイヤソー24に対して約45°の傾斜した向
きに延びている。尚、上部材131aと下部材131b
の一方側の貫通孔のみを長孔としても良い。
【0044】〔別実施形態〕 <1>第1実施形態における、ワイヤ式切断機の支持ポ
ール6と自走ユニット8の間に、自走ユニット8が支持
ポール6の第1端6bおよび第2端6cに近接したこと
を検知するリミット位置検知機構を設けても良い。図1
5に例示されたリミット位置検知機構は、支持ポール6
の第1端6bと第2端6cに配置された一対のマイクロ
スイッチ6p,6qからなる。そして、リミット位置検
知機構による検知結果が土木作業機の操作室内の表示盤
などに表示される、或いは、ブザーなどでオペレータに
告知する構成にすれば、駆動輪が支持ポールの第1およ
び第2端に近づいたことを示す信号がリミット位置検知
機構を介してオペレータに知らされるので、この信号を
利用して、自走ユニットが第2モータ手段(電動モー
タ)の正転に基づいて第2端に近接した時点、および、
自走ユニットが電動モータの逆転、或いは、揺動アーム
等の操作による強制的な移動に基づいて第端に近接し
た時点を確実に判断することができ、結果的に、より円
滑な切断作業を実施することができる。
【0045】<2>第1実施形態における、ワイヤ式切
断機の駆動輪の強制的な復帰操作に際して、第2モータ
手段(電動モータ)の逆転に基づいて生じる特有信号を
検知し、前記特有信号の分析に基づいて、前記ワイヤソ
ーに掛る張力が前記ワイヤソーの引っ張り破断強度に到
達しない安全範囲内であることを土木建築用作業機のオ
ペレータに伝える監視手段を設けても良い。このように
構成すれば、揺動アーム等の操作による強制的な移動に
基づいて自走ユニットを第端に近接させる操作を、オ
ペレータはワイヤソーに掛る張力が前記安全範囲内であ
ることを監視手段によって確認しながら実施可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤ式切断機の分解斜視図
【図2】本発明に係るアダプタを用いて図1のワイヤ式
切断機を揺動アームに取り付けた状態を示す斜視図
【図3】図1のワイヤ式切断機を土木用作業機の揺動ア
ーム全体と共に示す斜視図
【図4】図1のワイヤ式切断機のベース部材と支持ポー
ルの一部を示す一部破断側面図
【図5】図1のワイヤ式切断機の角度調節手段を示す一
部破断側面図
【図6】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの使用状
況を例示する斜視図
【図7】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの使用状
況を例示する側面図
【図8】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの別の使
用状況を例示する側面図
【図9】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの更に別
の使用状況を例示する側面図
【図10】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの他の
使用状況を例示する側面図
【図11】図1のワイヤ式切断機およびアダプタの更に
別の使用状況を例示する側面図
【図12】図1とは別のワイヤ式切断機および本発明に
係るアダプタの使用状況を例示する側面図
【図13】図12のアダプタの一部を示す斜視図
【図14】図12のワイヤ式切断機および本発明に係る
アダプタの別の使用状況を例示する側面図
【図15】図1のワイヤ式切断機の別実施形態を示す斜
視図
【図16】図1のワイヤ式切断機の従来の使用方法を例
示する斜視図
【図17】図12のワイヤ式切断機の従来の使用方法を
例示する斜視図
【図18】ワイヤソーを短縮化する作業の一例を示す略
【符号の説明】 2,102 ワイヤ式切断機 4 ベース部材 6 支持ポール 8,108 自走ユニット 10 油圧モータ 12 電動モータ 20,120 駆動輪 24 ワイヤソー 30,130 アダプタ 32 主プレート 32a,32b,32c 取付孔(装着部) 32G,32H 接当面 34 補助プレート 36 第1貫通孔(被装着部) 38 第2貫通孔(被装着部) 54 揺動アーム 56 揺動アーム本体 58 バケットシリンダ 60 第1バケットリンク 62 第2バケットリンク 133 被装着部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能に支持された駆動輪と、切断対
    象箇所と前記駆動輪とに巻回された無端状のワイヤソー
    を、前記駆動輪の回転運動を介して回転駆動するための
    第1モータ手段と、切断の進行に基づいて生じる前記ワ
    イヤソーの緩みを除去する張力維持手段とを有するワイ
    ヤ式切断機と協働して用いられ、 土木建築用作業機の揺動アームの遊端に装着するための
    被装着部と、前記ワイヤ式切断機を装着するための装着
    部とを備え、前記装着部は、前記駆動輪を含むワイヤ式
    切断機本体が前記装着部から前記揺動アーム側に延びる
    第1装着姿勢と、前記ワイヤソーの前記切断対象箇所に
    巻回される部分が前記装着部から前記揺動アーム側に延
    びる第2装着姿勢との間で選択的に装着可能に構成され
    ているワイヤ式切断機用アダプタ。
  2. 【請求項2】 回転可能に支持された駆動輪と、切断対
    象箇所と前記駆動輪とに巻回された無端状のワイヤソー
    を、前記駆動輪の回転運動を介して回転駆動するための
    第1モータ手段と、切断の進行に基づいて生じる前記ワ
    イヤソーの緩みを除去する張力維持手段とを有するワイ
    ヤ式切断機と協働して用いられ、 土木建築用作業機の揺動アームの遊端に装着するための
    被装着部と、前記ワイヤソーを前記切断対象箇所と前記
    駆動輪の間で支持することによって、前記ワイヤソーの
    延びる方向を前記切断対象箇所と前記ワイヤ式切断機の
    本体の間で変更可能な転換手段とが設けられているワイ
    ヤ式切断機用アダプタ。
  3. 【請求項3】 前記被装着部が形成された基端部と、前
    記転換手段の設けられた先端部とを有し、且つ、前記基
    端部と前記先端部の間には、前記基端部に対する前記先
    端部の角度を前記基端部から前記先端部に向かって延び
    る軸芯回りで変更する角度調節手段が設けられている請
    求項2に記載のワイヤ式切断機用アダプタ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のワイヤ式切断機を、請
    求項1に記載のワイヤ式切断機用アダプタを介して土木
    建築用作業機の揺動アームの遊端に装着した状態で用い
    た切断工法であって、前記張力維持手段は、ワイヤ式切
    断機用アダプタに固定可能なベース部材から立設された
    支持ポールと、前記支持ポール上に摺動可能に支持され
    た前記駆動輪と、前記駆動輪を前記支持ポール上の第1
    端と第2端の間で摺動操作するための第2モータ手段と
    からなり、以下の各工程を備えた切断工法、 〈1〉前記土木建築用作業機およびその揺動アームの操
    作により、前記ワイヤ式切断機の本体が切断対象箇所と
    対向するように前記揺動アームの前記遊端を配置する、 〈2〉前記ワイヤソーを、前記支持ポールの前記第1端
    付近に位置させた前記駆動輪と切断対象箇所とに巻回す
    る、 〈3〉前記駆動輪の回転を介した前記ワイヤソーの周回
    運動によって切断対象箇所を切断しつつ、前記切断の進
    行に応じて前記ワイヤソーに生じる緩みを、前記第2モ
    ータ手段の正転によって前記駆動輪を前記支持ポールの
    前記第1端から前記第2端に向けて摺動操作することで
    除く、 〈4〉前記摺動操作によって前記駆動輪が前記支持ポー
    ルの前記第2端に近づいた時点で、前記駆動輪を前記支
    持ポールの第1端向きに復帰させ、前記土木建築用作業
    機の操作により、前記ワイヤソーに所定の張力が獲得可
    能なように前記揺動アームの前記遊端を移動する、 〈5〉必要に応じて、所定の切断操作が完了するまで前
    記〈3〉および〈4〉の各工程を繰り返す。
  5. 【請求項5】 前記第〈4〉工程が以下の各小工程を備
    えている請求項4に記載の切断工法、 〈4−1〉正転中の前記第2モータ手段を一旦停止して
    次に逆転させることによって、前記駆動輪を前記支持ポ
    ールの第1端向きに復帰させ、 〈4−2〉前記土木建築用作業機の操作による前記揺動
    アームの前記遊端の移動操作に基づいて、前記ワイヤソ
    ーに所定量の張力が獲得可能なように前記駆動輪を切断
    対象箇所から所定距離だけ離間させる。
  6. 【請求項6】 前記第〈4〉工程が以下の工程からなる
    請求項4に記載の切断工法、 〈4−1〉前記第2モータを停止、または前記正転させ
    たまま、前記土木建築用作業機の操作によって、前記揺
    動アームの前記遊端を切断対象箇所から所定距離だけ離
    間させ、これによって、前記駆動輪を前記第2モータの
    制動力に抗して前記支持ポールの第1端向きに強制的に
    復帰させる。
  7. 【請求項7】 前記駆動輪は前記支持ポール上を摺動可
    能な自走ユニットに支持されており、前記支持ポールと
    前記自走ユニットの間には、前記自走ユニットの前記第
    1端および第2端に対する近接を検知するリミット位置
    検知機構が設けられており、 前記第〈4〉工程では、前記駆動輪が前記支持ポールの
    前記第2端に近づいたことを示す前記リミット位置検知
    機構からの信号に基づいて、前記駆動輪の前記第1端向
    きの摺動操作が開始され、前記駆動輪が前記支持ポール
    の前記第1端に近づいたことを示す前記リミット位置検
    知機構からの信号に基づいて、前記駆動輪の前記第1端
    向きの摺動操作が停止される請求項4、5または6に記
    載の切断工法。
  8. 【請求項8】 請求項2または3に記載のワイヤ式切断
    機用アダプタを用いて実施され、前記張力維持手段は、
    ワイヤ式切断機用アダプタとは別体に設けられたワイヤ
    式切断機本体と、前記ワイヤ式切断機本体上に摺動可能
    に支持された前記駆動輪と、前記駆動輪を前記ワイヤ式
    切断機本体の第1端から第2端の間で摺動操作するため
    の第2モータ手段とからなり、次の各工程を備えた切断
    工法、 〈1〉前記土木建築用作業機の操作に基づいて前記揺動
    アームの前記遊端の位置と姿勢を制御することによっ
    て、前記ワイヤ式切断機用アダプタの前記転換手段を切
    断対象箇所と対向する位置に固定する、 〈2〉前記ワイヤソーを、前記ワイヤ式切断機本体の前
    記第1端側に位置させた前記駆動輪と切断対象箇所とに
    巻回する、 〈3〉前記駆動輪の回転を介した前記ワイヤソーの周回
    運動によって切断対象箇所を切断しつつ、前記切断の進
    行に応じて前記ワイヤソーに生じる緩みを、前記第2モ
    ータ手段の正転によって前記駆動輪を前記ワイヤ式切断
    機本体の前記第1端から前記第2端に向けて摺動操作す
    ることで除く、 〈4〉前記摺動操作によって前記駆動輪が前記ワイヤ式
    切断機本体の前記第2端に近づいた時点で、前記駆動輪
    を前記ワイヤ式切断機本体の前記第1端向きに復帰さ
    せ、同時に、前記ワイヤソーに所定の張力を獲得可能な
    ように、前記ワイヤ式切断機本体を移動操作する、 〈5〉必要に応じて、所定の切断操作が完了するまで前
    記〈3〉および〈4〉の各工程を繰り返す。
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