JP2000141071A - レーザ加工方法及びレーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工方法及びレーザ加工装置

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JP2000141071A
JP2000141071A JP10316182A JP31618298A JP2000141071A JP 2000141071 A JP2000141071 A JP 2000141071A JP 10316182 A JP10316182 A JP 10316182A JP 31618298 A JP31618298 A JP 31618298A JP 2000141071 A JP2000141071 A JP 2000141071A
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laser
light beam
linear light
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laser processing
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JP10316182A
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Katsuyuki Imoto
克之 井本
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工寸法精度が高く、マイクロクラックの発
生が少なく、高速加工が可能であり、異形状の被加工物
の加工が容易であるレーザ加工方法及びレーザ加工装置
を提供する。 【解決手段】 略平行なレーザビーム3−1が集光レン
ズ4で集光され、その集光されたレーザビーム3−2が
透明な円柱ロッド(あるいは円管)9を通ることにより
線状光線10となるので、被加工物1における照射部の
幅が小さくなる。その結果、加工寸法精度が高くなる。
被加工物1に線状光線10が照射されると、局所的な熱
エネルギーの照射がなくなるのでマイクロクラックの発
生が少なくなる。照射される光線が線状のため、線状光
線10の延長方向に相対移動させることにより、スポッ
ト状の光線と比べて高速加工が可能となる。光線が線状
のため、異形状の被加工物の加工が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ加工方法及
びレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CO2 レーザやYAGレーザ、あ
るいはエキシマレーザを用いて金属材料や非金属材料を
切断したり、溝や穴を形成したり、溶接したり、さらに
は材料表面改質を行ったりする技術が徐々に実用化され
るようになってきた。
【0003】図9及び図10は従来のレーザ加工方法の
概念図である。
【0004】図9に示す加工方法は、基板(金属あるい
は非金属材料基板)1にCO2 レーザビーム3−1を照
射して基板1を切断するものである。すなわち、CO2
レーザビーム3−1を集光レンズ4で集光し、その集光
した細径のスポット径を有するレーザビーム3−1を、
矢印2方向に移動する基板1の表面に照射して切断溝5
を形成しながら基板1を二つに分断する方法であり、い
わゆる蒸発切断法である。
【0005】この方法では集光したレーザビーム3−1
は基板1の表面に100μm前後のビームスポット径で
焦点を結ぶように照射され、基板1の表面からレーザビ
ーム3−1の熱エネルギーによって材料を蒸発させなが
ら切断溝5が形成される。
【0006】図10に示す加工方法は、移動する基板1
の表面に500μm以上のビームスポット径を有するC
2 レーザ発振器のレーザビーム3−1を照射して基板
1に熱応力による亀裂6を発生させ、その亀裂6をレー
ザビーム3−1の照射軌跡に沿って進展させることによ
り基板1を二つに分断する、いわゆる割断による分断方
法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図9及び図
10に示した従来のレーザ加工方法は、ドライでクリー
ンなプロセスであるという利点がある反面、以下のよう
な問題点がある。
【0008】(1) 照射するレーザビーム3−1は、円形
のスポット径(0.1mmφ〜3mmφ)か、長軸と短
軸との比が2.0対1.0程度の楕円形(短軸:0.1
mmφ程度)であるため、切断あるいは割断の加工寸法
精度は上記数値よりも低く抑えることが困難である。
【0009】切断の場合には、少なくとも0.1mmの
切り代幅と少なくとも0.1mmの加工寸法精度を免れ
ない。また、割断の場合には、材料が溶融せず、かつ所
望の熱応力分布をもたせるため、スポット径を少なくと
も0.5mmφよりも大きくしなければならないので、
その分だけ割断加工寸法精度も劣化してしまう。
【0010】(2) 局所的に熱エネルギーが加えられるの
で、切断あるいは割断した面やエッジに熱歪によるマイ
クロクラックが発生しやすい。特に、高熱膨張率のガラ
ス基板やガラスやガラス成型品を加工する際にはマイク
ロクラックが発生しやすい。さらに加工速度を上げよう
としてレーザビームのパワーを高めていくと、熱歪によ
るマイクロクラックの発生が顕著になる。
【0011】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、加工寸法精度が高く、マイクロクラックの発生が少
なく、高速加工が可能であり、異形状の被加工物の加工
が容易であるレーザ加工方法及びレーザ加工装置を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のレーザ加工方法は、略平行なレーザビームを
集光レンズで集光し透明な円柱ロッドに導き、円柱ロッ
ドと交差するように通過させて幅W長さLの線状光線と
し、線状光線を被加工物に照射しつつ、被加工物かある
いは線状光線のいずれか一方を線状光線の延長方向に相
対移動させて加工するものである。
【0013】本発明のレーザ加工方法は、略平行なレー
ザビームを集光レンズで集光して透明な円管に導き、円
管と交差するように通過させて幅W長さLの線状光線と
し、線状光線を被加工物に照射しつつ、被加工物かある
いは線状光線のいずれか一方を線状光線の延長方向に相
対移動させて加工するものである。
【0014】上記構成に加え本発明のレーザ加工方法
は、レーザとして、C02 レーザ、C0レーザ、YAG
レーザ、エキシマレーザ、銅蒸気レーザ、あるいはHe
−Cdレーザのいずれかを用いるのが好ましい。
【0015】上記構成に加え本発明のレーザ加工方法
は、被加工物として、非金属材料、金属材料、あるいは
結晶材料のいずれかを用いるのが好ましい。
【0016】上記構成に加え本発明のレーザを用いた加
工方法は、被加工物に線状光線を照射して蒸発切断する
か、熱応力によって亀裂を発生させ、その亀裂を進展さ
せることにより割る割断切断するか、溝を形成するか、
あるいは溶接するものである。
【0017】上記構成に加え本発明のレーザ加工方法
は、線状光線の幅W及び長さLを調節する方法として、
円柱ロッドあるいは円管と被加工物との間隔Sか、集光
レンズと円柱ロッドあるいは円管との間隔Fか、円柱ロ
ッドあるいは円管の径Dを変えるのが好ましい。
【0018】上記構成に加え本発明のレーザ加工方法
は、線状光線の線長Lを、被加工物の蒸発切断線あるい
は割断切断線に沿って照射し、被加工物を蒸発切断線あ
るいは割断切断線の長手方向に移動することにより切断
加工するのが好ましい。
【0019】上記構成に加え本発明のレーザ加工方法
は、被加工物を保持すると共に、線上光線の線長Lを被
加工物の蒸発切断あるいは割断切断サイズ以上の大きさ
で照射して蒸発切断するか、あるいは割断切断するのが
好ましい。
【0020】上記構成に加え本発明のレーザ加工方法
は、被加工物に予めけがき線を形成しておき、線上光線
をけがき線上に沿って照射することにより蒸発切断する
か、あるいは割断切断するのが好ましい。
【0021】上記構成に加え本発明のレーザ加工方法
は、被加工物の形状として、平板状か、表面が曲線状
か、あるいは凹凸状に変形したものを用いて加工しても
よい。
【0022】上記構成に加え本発明のレーザを用いた加
工方法は、線状光線の照射方向に沿ってアシストガスを
流して被加工物を加工するのが好ましい。
【0023】本発明のレーザ加工装置は、略平行なレー
ザビームを出射するレーザ発振器と、レーザビームを集
光する集光レンズと、透明な円柱ロッドあるいは円管か
らなり集光したレーザビームを線状光線に変換する変換
手段と、線状光線が被加工物に照射されるように被加工
物かあるいは線状光線のいずれか一方を線状光線の延長
方向に相対移動させる相対移動手段とを備えたものであ
る。
【0024】上記構成に加え本発明のレーザ加工装置
は、レーザ発振器として、C02 レーザ、C0レーザ、
YAGレーザ、エキシマレーザ、銅蒸気レーザ、あるい
はHe−Cdレーザのいずれかを用いるのが好ましい。
【0025】上記構成に加え本発明のレーザ加工装置の
レーザ発振器は、被加工物を蒸発切断、割断切断、溝形
成あるいは溶接できるようにパワーを調整することがで
きるのが好ましい。
【0026】上記構成に加え本発明のレーザ加工装置
は、円柱ロッドあるいは円管と被加工物との間隔Sか、
集光レンズと円柱ロッドあるいは円管との間隔Fを調節
できる調節機構を有するのが好ましい。
【0027】上記構成に加え本発明のレーザ加工装置
は、相対移動手段が、被加工物を線状光線に沿って移動
させるステージであってもよい。
【0028】上記構成に加え本発明のレーザ加工装置
は、線状光線上に予めけがき線を形成するけがき線形成
機構を有するのが好ましい。
【0029】上記構成に加え本発明のレーザ加工装置
は、線状光線の照射方向に沿ってアシストガスを噴出す
る噴出機構を有するのが好ましい。
【0030】本発明によれば、集光レンズで集光された
レーザビームが透明な円柱ロッドあるいは円管を通るこ
とにより線状光線となるので、被加工物における照射部
の幅が小さくなる。その結果、加工寸法精度が高くな
る。被加工物に線状光線が照射されると、局所的な熱エ
ネルギーの照射がなくなるのでマイクロクラックの発生
が少なくなる。照射される光線が線状のため、線状光線
の延長方向に相対移動させることにより、スポット状の
光線と比べて高速加工が可能となる。光線が線状のた
め、異形状の被加工物の加工が容易となる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0032】図1は本発明のレーザ加工方法を適用した
加工装置の概念図である。
【0033】レーザとしてCO2 レーザを用いた場合で
説明するが、CO2 レーザの他、COレーザ、YAGレ
ーザ、エキシマレーザ、銅蒸気レーザ、He−Cdレー
ザ等を用いることができる。
【0034】CO2 レーザ発振器7から出射された略平
行なレーザビーム3−1は全反射ミラー8で直角に曲げ
られて集光レンズ4に案内される。この集光レンズ4で
レーザビーム3−1は集光され、透明な円柱ロッド9に
集められる(本発明の特徴はこの円柱ロッド9を用いた
点にある)。この円柱ロッド9は、ZnSe、Ge等の
CO2 レーザビーム3−1を透過させる材料で構成され
る。
【0035】円柱ロッド9に集められたレーザビーム3
−2は、この円柱ロッド9でスポット径dから幅W、長
さLの線状光線10に変換される。すなわち、Z軸方向
(紙面に垂直な方向)に線状の光線10を形成する。こ
の線状光線10の幅Wはスポット径dよりも十分に小さ
い値であり、長さLもスポット径dの1桁以上大きい値
にすることができる。
【0036】このような線状光線10を基板1上に照射
すると、加工寸法精度を向上させることができ、エネル
ギー密度が長さLに広げられて薄くなるので、熱歪によ
るマイクロクラックの発生を抑圧することができ、さら
にCO2 レーザ発振器7のCO2 レーザビームのパワー
を高くすることにより、高速の加工をマイクロクラック
無しで実現することができる。また、表面が平坦な基板
以外に、表面に凹凸や丸みのある被加工物も容易に加工
することができる。
【0037】図2(a)は基板上に線状光線を照射する
ための光学系の正面図であり、図2(b)は図2(a)
の右側面図であり、図2(c)は線状光線が照射された
基板の平面図である。
【0038】線状光線10の線幅W、線の長さLは円柱
ロッド9の直径Dφ、集光レンズ4と円柱ロッド9との
間隔F(すなわち、円柱ロッド9に集光されるCO2
ーザ発振器のレーザビーム3−2のスポット径dに依存
する)、円柱ロッド9と基板1との間隔Sによって制御
することができる。
【0039】図3は図2に示した線状光線の線の長さL
と間隔Sとの関係を示す図であり、横軸が間隔Sであ
り、縦軸が線の長さLである。
【0040】この特性は、間隔Sと線長Lとの関係を円
柱ロッド9の直径Dをパラメータにして求めた結果であ
る。なお、この特性は、CO2 レーザビーム3−2の円
柱ロッド9の表面でのビームスポット径が約0.2mm
φの結果である。
【0041】図3より、線状光線10の線長Lは間隔S
を大きくすることができ、また、円柱ロッド9の直径D
を小さくすることによっても大きくすることができる。
なお、図3における線状光線10の線幅Wは0.07m
m以下であった。すなわち、CO2 レーザビーム3−2
のスポット径d(約0.2mmφ)の約1/3の値にな
った。線長Lをさらに大きくするには集光レンズ4と円
柱ロッド9との間隔Fを広げればよい。線長Lを100
mm以上にすることは容易であり、例えば基板1のサイ
ズをカバーするだけの線長Lに設定しておけば、基板1
を図9や図10に示したように矢印2方向に移動するこ
となく加工することができる。
【0042】図4(a)は線状光線を被加工物に照射す
るための光学系の側面図であり、図4(b)は線状光線
が照射された被加工物の平面図である。
【0043】略平行なレーザビーム3−1が集光レンズ
4で集光された後円柱ロッド9で線状光線10に変換さ
れている。線状光線の幅が被加工物1の幅より大きけれ
ば線状光源を移動させることなく照射することができ
る。
【0044】図5は本発明のレーザ加工方法を適用した
レーザ加工装置の概念図である。
【0045】この加工装置は、略平行なレーザビーム3
−1を出射するレーザ発振器7と、レーザビーム3−1
を集光する集光レンズ4と、集光したレーザビームを線
状光線10に変換する変換手段としての円柱ロッド9
と、線状光線10が被加工物としての基板1に照射され
るように基板1を線状光線10の延長方向に相対移動さ
せる相対移動手段としてのXYZ(あるいはXYZθ)
移動ステージ11とで構成されている。
【0046】すなわち、この加工装置は、基板1(ガラ
ス基板、セラミック基板、サファイアや水晶やLiNb
3 等の結晶基板、絶縁膜付きのSi基板等を用いるこ
とができる)をXYZ移動ステージ11上に固定し、基
板1を矢印2方向に移動しながら基板1を切断したり、
割断したりする装置である。なお、この装置は基板1に
金属材料やプラスチック材料を用いて基板切断加工用に
適用することもできる。
【0047】図6は本発明のレーザ加工方法の他の実施
の形態を示す概念図である。
【0048】この加工方法は、基板1の一方の端面付近
に予めけがき線12を形成しておき、そのけがき線上に
線状光線10を照射して亀裂6を発生させて分断する方
法である。
【0049】けがき線12は、基板1の一方の端面付近
以外に、基板1の一端から他端にわたって形成してもよ
い。また、この加工方法では蒸発切断、割断切断のいず
れにも適用することができる。
【0050】図7(a)は本発明のレーザ加工方法の他
の実施の形態を示す概念図であり、図7(b)は図7
(a)に示した被加工物の平面図であり、図7(c)は
図7(a)に示した被加工物の側面図である。
【0051】この加工方法は、被加工物としての湾曲板
13に線状光線10を照射することによって蒸発切断し
たり、割断により分断したりする方法である。このよう
に被加工物の表面が平坦でなくても線状光線の長さ方向
の光エネルギー分布は略一様であるので、容易に加工を
行うことができる。
【0052】本発明は上述した実施の形態には限定され
ない。
【0053】(a) レーザの種類として、CO2 レーザや
COレーザを用いれば、非金属材料、磁性材料、金属材
料、結晶材料等を切断したり、割断したり、溝を形成し
たり、あるいは金属材料同士を溶接したりすることがで
きる。
【0054】(b) YAGレーザを用いれば、SiやGa
As等の半導体材料を切断したり、溝を形成したり、割
断したりすることができる。エキシマレーザを用いれ
ば、高分子材料を切断したり、溝を形成したりするのが
容易になる。
【0055】(c) 円柱ロッドの代わりに円管を用いても
線状光線を照射することができる。
【0056】(d) 線状光線を被加工物に照射して加工す
る際には基板表面にアシストガス(空気、窒素、酸素、
アルゴンあるいはこれらの混合ガス)を流すことによ
り、クリーンでドライなプロセスで加工を行うことがで
き、被加工物に蒸発物やゴミが付着することがない。
【0057】(e) 加工の際に被加工物をボックスで囲
い、ボックス内を強制排気することにより、被加工物へ
のゴミの付着を防止することができる。
【0058】(f) 基板の裏面の線状光線の下部を強制冷
却するようにすれば、より高寸法精度、より高速で加工
を行うことができる。
【0059】(g) CO2 レーザビームに波長0.6μm
帯の赤色レーザビームを重畳させて線状光線に赤色レー
ザの線状光線を重畳させておけば、加工位置の認識が容
易となる。なお、赤色レーザビームは加工前に照射する
だけにして加工位置を認識した後は照射を停止し、加工
用線状光線のみを被加工物に照射して加工するようにし
てもよい。
【0060】(h) 図8は本発明のレーザ加工方法の他の
実施の形態を示す概念図である。
【0061】図1に示した実施の形態との相違点は、線
状光線の照射方向に沿ってアシストガスを流して被加工
物を加工する点である。
【0062】図8に示すように、円柱ロッド9を上下
(矢印15方向)に移動できる移動機構(図示せず)を
加工装置に設け、線状光線10の線長L及び線幅Wを自
由に調節できるようにしてもよい。すなわち、間隔下を
大きくすれば線幅Wを広げかつ線長Lを大きくでき、よ
り高速で割断することができる。この場合にはアシスト
ガス14−1、14−2は線状光線10の伝搬方向に沿
って流すようにして、円柱ロッド9へのパーティクルの
付着防止を図ると共に、被加工物1へのパーティクルの
付着防止と熱歪によるクラック発生の抑圧を図ることが
できる。
【0063】(i) 図5に示すステージ11のY方向を調
節することにより、円柱ロッド9と被加工物1との間隔
Sを変え、線状光線の長さLを調整するようにしてもよ
い。このようにすれば、被加工物1のサイズが大幅に変
わっても線長Lを調整するだけで、ステージの移動量の
仕様を変えなくても対応することができる。
【0064】すなわち、ステージの移動量が少ないの
で、その分だけ高機械精度のステージを製作することが
できる。またトータルコストも低く抑えることができ
る。
【0065】(j) 図1に示した構成において、全反射ミ
ラー8は用いないで線状のレーザ光線をCO2 レーザビ
ーム3−1と平行になるようにしてもよい。また逆にC
2 レーザ発振器7をY方向に縦に設置し、このCO2
レーザ発振器7と全反射ミラー8との間にさらに全反射
ミラーを設けることにより、設置スペースを有効に利用
するようにしてもよい。
【0066】以上において、本レーザ加工方法及びレー
ザ加工装置によれば、(1) レーザビームの細い線幅で長
い線状のレーザ光線に変換し、この線状光線を被加工物
に照射することによって、蒸発切断の切り代幅を大幅に
小さくすることができると共に、その加工寸法精度も向
上させることができる。また、熱応力による亀裂を発生
させ、それを進展させて割断する方法においても加工寸
法精度を大幅に向上させることができる。
【0067】(2) 熱エネルギーが一点に集中せず、線状
に分布するので、熱歪によるマイクロクラックの発生を
抑えることができる。
【0068】(3) 高速で加工することができる。
【0069】(4) 被加工物の移動量がわずかで済むため
に、被加工物を固定、搭載して移動させるステージの精
度を上げることができ、かつ低コストで実現することが
できる。
【0070】(5) 異形状の被加工物を容易に加工するこ
とができる。
【0071】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0072】加工寸法精度が高く、マイクロクラックの
発生が少なく、高速加工が可能であり、異形状の被加工
物の加工が容易であるレーザ加工方法及びレーザ加工装
置の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ加工方法を適用した加工装置の
概念図である。
【図2】(a)は基板上に線状光線を照射するための光
学系の正面図であり、(b)は(a)の右側面図であ
り、(c)は線状光線が照射された基板の平面図であ
る。
【図3】図2に示した線状光線の線の長さLと間隔Sと
の関係を示す図である。
【図4】(a)は線状光線を被加工物に照射するための
光学系の側面図であり、(b)は線状光線が照射された
被加工物の平面図である。
【図5】本発明のレーザ加工方法を適用したレーザ加工
装置の概念図である。
【図6】本発明のレーザ加工方法の他の実施の形態を示
す概念図である。
【図7】(a)は本発明のレーザ加工方法の他の実施の
形態を示す概念図であり、(b)は(a)に示した被加
工物の平面図であり、(c)は(a)に示した被加工物
の側面図である。
【図8】本発明のレーザ加工方法の他の実施の形態を示
す概念図である。
【図9】従来のレーザ加工方法の概念図である。
【図10】従来のレーザ加工方法の概念図である。
【符号の説明】
1 被加工物(基板) 3−1、3−2 レーザビーム 4 集光レンズ 7 レーザ発振器(CO2 レーザ発振器) 8 反射ミラー 9 円柱ロッド 10 線状光線

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略平行なレーザビームを集光レンズで集
    光して透明な円柱ロッドに導き、該円柱ロッドと交差す
    るように通過させて幅W長さLの線状光線とし、該線状
    光線を被加工物に照射しつつ、該被加工物かあるいは上
    記線状光線のいずれか一方を上記線状光線の延長方向に
    相対移動させて加工することを特徴とするレーザ加工方
    法。
  2. 【請求項2】 略平行なレーザビームを集光レンズで集
    光して透明な円管に導き、該円管と交差するように通過
    させて幅W長さLの線状光線とし、該線状光線を被加工
    物に照射しつつ、該被加工物かあるいは上記線状光線の
    いずれか一方を上記線状光線の延長方向に相対移動させ
    て加工することを特徴とするレーザ加工方法。
  3. 【請求項3】 上記レーザとして、C02 レーザ、C0
    レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、銅蒸気レー
    ザ、あるいはHe−Cdレーザのいずれかを用いた請求
    項1または2に記載のレーザ加工方法。
  4. 【請求項4】 上記被加工物として、非金属材料、金属
    材料、あるいは結晶材料のいずれかを用いた請求項1か
    ら3のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  5. 【請求項5】 上記被加工物に線状光線を照射して蒸発
    切断するか、熱応力によって亀裂を発生させ、その亀裂
    を進展させることにより割る割断切断するか、溝を形成
    するか、あるいは溶接する請求項1から4のいずれかに
    記載のレーザ加工方法。
  6. 【請求項6】 上記線状光線の幅W及び長さLを調節す
    る方法として、上記円柱ロッドあるいは上記円管と上記
    被加工物との間隔Sか、上記集光レンズと上記円柱ロッ
    ドあるいは上記円管との間隔Fか、上記円柱ロッドある
    いは上記円管の径Dを変える請求項1から5のいずれか
    に記載のレーザ加工方法。
  7. 【請求項7】 上記線状光線の線長Lを、上記被加工物
    の蒸発切断線あるいは割断切断線に沿って照射し、上記
    被加工物を該蒸発切断線あるいは上記割断切断線の長手
    方向に移動することにより切断加工する請求項1から6
    のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  8. 【請求項8】 上記被加工物を保持すると共に、上記線
    上光線の線長Lを上記被加工物の蒸発切断あるいは割断
    切断サイズ以上の大きさで照射して蒸発切断するか、あ
    るいは割断切断する請求項1から7のいずれかに記載の
    レーザ加工方法。
  9. 【請求項9】 上記被加工物に予めけがき線を形成して
    おき、上記線上光線を上記けがき線上に沿って照射する
    ことにより蒸発切断するか、あるいは割断切断する請求
    項7または8に記載のレーザ加工方法。
  10. 【請求項10】 上記被加工物の形状として、平板状
    か、表面が曲線状か、あるいは凹凸状に変形したものを
    用いて加工する請求項1から9のいずれかに記載のレー
    ザ加工方法。
  11. 【請求項11】 上記線状光線の照射方向に沿ってアシ
    ストガスを流して上記被加工物を加工する請求項1から
    10のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  12. 【請求項12】 略平行なレーザビームを出射するレー
    ザ発振器と、該レーザビームを集光する集光レンズと、
    透明な円柱ロッドあるいは円管からなり集光したレーザ
    ビームを線状光線に変換する変換手段と、該線状光線が
    被加工物に照射されるように上記被加工物かあるいは上
    記線状光線のいずれか一方を上記線状光線の延長方向に
    相対移動させる相対移動手段とを備えたことを特徴とす
    るレーザ加工装置。
  13. 【請求項13】 上記レーザ発振器として、C02 レー
    ザ、C0レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、銅蒸
    気レーザ、あるいはHe−Cdレーザのいずれかを用い
    た請求項12に記載のレーザ加工装置。
  14. 【請求項14】 上記レーザ発振器は、上記被加工物を
    蒸発切断、割断切断、溝形成あるいは溶接できるように
    パワーを調整することができる請求項12または13に
    記載のレーザ加工装置。
  15. 【請求項15】 上記円柱ロッドあるいは上記円管と被
    加工物との間隔Sか、上記集光レンズと上記円柱ロッド
    あるいは上記円管との間隔Fを調節できる調節機構を有
    する請求項12から14のいずれかに記載のレーザ加工
    装置。
  16. 【請求項16】 上記相対移動手段が、被加工物を上記
    線状光線に沿って移動させるステージである請求項12
    から15のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  17. 【請求項17】 上記線状光線上に予めけがき線を形成
    するけがき線形成機構を有する請求項12から16のい
    ずれかに記載のレーザ加工装置。
  18. 【請求項18】 上記線状光線の照射方向に沿ってアシ
    ストガスを噴出する噴出機構を有する請求項12から1
    7のいずれかに記載のレーザ加工装置。
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